JP6105347B2 - Memsデバイス - Google Patents

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Description

本発明は、MEMS(micro electro mechanical systems)チップとそれを内部に収納するパッケージとを備えるMEMSデバイスに関する。
近年、画像表示装置の一形態として、光偏向器を用いて光源からの光を偏向してスクリーンに投影し、スクリーン上に画像を映し出すようにしたプロジェクションディスプレイが提案されている。光偏向器としては、例えば、半導体プロセスやマイクロマシン技術を用いたMEMSデバイスとして、半導体基板上にミラー部や圧電アクチュエータ等の機構部品を一体的に形成したMEMS光偏向器が挙げられる(例:特許文献1)。
MEMS光偏向器は、本体としてのMEMSチップと、MEMSチップを収納するパッケージとを有する。特許文献1に記載されたMEMS光偏向器のMEMSチップでは、圧電アクチュエータの基端が支持部としての枠部に連結されて支持され、圧電アクチュエータが発生したトルクを、先端に連結されたトーションバー(弾性梁)の基端に伝え、トーションバーの先端に備え付けられたミラー部を揺動駆動する。
MEMSチップとパッケージとからMEMS光偏向器を組み立てるとき、ダイボンド工程において、MEMSチップが、接着剤の塗布されたパッケージの載置面に載置され、次のワイヤーボンディング工程において、MEMSチップとパッケージとの対応電極同士がワイヤーにより電極の1つずつ接続される。通常、ワイヤーにはAu(金)、MEMSチップ及びパッケージの電極にはAl(アルミニウム)が用いられている。このため、ワイヤーボンディング機は、ワイヤーに超音波を掛けて、ワイヤーの先端が当たるMEMSチップのAl電極パッドの自然酸化膜を除去しながら、ワイヤーをAl電極パッドに接続していく。
特開2008−40240号公報
MEMS光偏向器のMEMSチップでは、ミラー部や圧電アクチュエータの変位部の揺動や変位を許容するように、枠部の内側に変位許容空間が存在する。このため、通常の半導体チップに比較すると、ワイヤー先端からの超音波のパワー(振動力)が変位許容空間に逃げ易いために、ワイヤーに掛ける超音波のパワーが強めに設定される。
一方、MEMS光偏向器では、ミラー部を軸線周りに、より大きな揺動角で往復揺動させるために、ミラー部の共振を利用しており、この共振周波数は15〜25kHzのものが多い。したがって、ワイヤーに印加した超音波の周波数が、MEMSチップの共振周波数自体又はその高調波周波数と一致すると、同チップ上を伝搬した超音波が共振構造を励振してしまい、ミラー部の付け根近辺で破損(後述の図5の破断個所40)が生じる可能性がある。これを防止するために、ワイヤーボンディング時の超音波のパワーを低下させると、十分なボンディング強度を得ることができずに、使用中においてワイヤーが断線してしまうという別の問題が生じる。
本発明の目的は、ワイヤーに超音波を掛けたワイヤーボンディングの際に、超音波によるMEMSチップ側の電極の自然酸化膜の除去を適切に実施しつつ、ワイヤーから伝搬されてくる超音波による変位部の破損を防止することができるMEMSデバイスを提供することである。
本発明は、支持部と、前記支持部に変位自在に支持される変位部と、前記支持部の表側に設けられる電極とを有するMEMSチップと、前記MEMSチップの前記支持部の裏面が樹脂の接着剤により固定される載置面を有するパッケージとを備えるMEMSデバイスにおいて、機械的振動が前記電極から前記支持部を経由して前記変位部へ伝搬する際に前記支持部における振動を経由する部分の裏面が固定される前記載置面の面部分において、前記電極の真下の部位を除く部位に溝が形成され、該溝に前記接着剤が充填されていることを特徴とする。
本発明によれば、ワイヤーボンディングの時にワイヤーから電極を介して変位部に伝搬して来る超音波は、支持部の振動経由部分の裏面が固定される載置面の面部分に形成された溝内の接着剤によって減衰される。これにより、支持部から変位部へ伝搬する超音波の振動は、変位部まで伝搬しても、変位部の破損を起こさない程度に減衰される。また、接着剤が充填された溝は、電極の真下の面部分の部位が除外されているので、電極における超音波による振動は、減衰が回避され、大きな値に保持される。この結果、超音波によるMEMSチップ側の電極の自然酸化膜の除去は適切に実行される一方、ワイヤーから伝搬されてくる超音波による変位部の破損が防止される。
好ましくは、前記支持部は、前記振動を経由する部分を複数有し、前記溝は、該部分の裏面が固定される前記載置面の面部分の複数の部位に形成されている。
この構成によれば、支持部と変位部とが複数の箇所で結合しているために、支持部が振動を経由する部分を複数有する場合にも、ワイヤーに超音波を掛けたワイヤーボンディングの際に、超音波によるMEMSチップ側の電極の自然酸化膜の除去を適切に実施しつつ、ワイヤーから伝搬されてくる超音波による変位部の破損を防止することができる。
好ましくは、前記電極は複数設けられ、前記複数設けられた電極により前記振動の伝搬経路が形成され、前記溝は、前記振動の伝搬経路で隣り合う電極間の前記振動を経由する部分に対応する前記載置面の面部分と、前記振動の伝搬経路で最も下流側に配置された電極より下流側の前記振動を経由する部分に対応する前記載置面の面部分における部位に1つずつ形成されている。
この構成によれば、接着剤充填の溝が、各電極に対応付けて振動の振動伝搬経路の下流側に1つずつ設けられることになるので、どの電極からの超音波に対しても、振動力を的確に減衰することができる。
好ましくは、前記電極は複数設けられ、前記複数設けられた電極により前記振動の伝搬経路が形成され、前記溝は、前記振動の伝搬経路で最も下流側に配置された電極より下流側の前記振動を経由する部分に対応する前記載置面の面部分における部位に1つのみ形成されている。
この構成によれば、電極が、振動を経由する部分に複数であっても、接着剤充填の溝は1つあれば済むので、構成を簡単化することができる。
好ましくは、前記支持部は、枠状支持部として形成され、前記変位部は、前記枠状支持部の内側の空間内に配設され、前記溝は、前記機械的振動の振動伝搬経路を横切る方向に形成され、一端側のみ前記枠状支持部の外周の外側に露出し、その一端以外の部分は前記枠状支持部の裏面の下に隠れる。
この構成によれば、溝は、枠状支持部の外周側において枠状支持部の下から露出するので、載置面に枠状支持部の裏面を押し当てる際に、枠状支持部の裏面と載置面とに挟まれた余剰の接着剤は、溝内に他端側から導入されて、溝内を一端側の方へ流動する。この結果、環状枠の内側への接着剤の流動は減少し、枠状支持部の内側に流動した余剰接着剤が変位部に付着してしまうのを防止することができる。また、溝の露出端部の余剰接着剤は枠状支持部の外周側を所定量這い上がって、適切なフィレットを形成する。この結果、パッケージへのMEMSチップの固着力を高めることができる。
光偏向器チップの斜視図。 光偏向器チップを装備するMEMS光偏向器の正面図。 図2のIII−III矢視の断面図。 図2のIV−IV矢視の断面図。 支持枠部における振動経由部分及び振動部固定面の位置を示す図。 ダイボンド工程を示す図。
図1は光偏向器チップ1の斜視図、図2は光偏向器チップ1を装備するMEMS光偏向器15の正面図である。なお、構成の説明の便宜上、MEMS光偏向器15を使用するとき、MEMS光偏向器15が走査光を出射する側を表側、及びその反対側を裏側と定義し、表側をMEMS光偏向器15の正面側とする。
図1及び図2において、光偏向器チップ1は、概略的に、支持枠部2と、支持枠部2に支持されるミラー部9等の変位部(図2において右肩上がりと右肩下がりの斜線が重なって図示されている部分。図5も同様)とから成る。この支持枠部2は、正面視で、外周が正方形、内周が、突出部4a,4bの部位を除くと、円周となっている。内側空間3は、支持枠部2の内周側に形成される。突出部4a,4bは、内側空間3の所定の直径と支持枠部2の円形内周縁とが交わる位置に形成され、内側空間3の中心へ向かって所定量突出している。
電極パッド5a〜5d,6a〜6dは、例えばAl(アルミニウム)の材料から成り、突出部4a,4bを通る内側空間3の直径に対して直角方向の支持枠部2の辺部の表側に配設されている。
円形のミラー部9は、中心を内側空間3の中心に揃え、トーションバー(弾性梁)10a,10bは、突出部4a,4bを通る内側空間3の直径に直交する直径に沿ってミラー部9の両側から突出している。以下、説明の便宜上、トーションバー10a,10bの軸線を含む直径の方向を「縦方向」、及び突出部4a,4bを通る直径の方向を「横方向」という。縦方向及び横方向は、図2の正面図において上下方向及び左右方向に一致する。
半円周型駆動部11a,11bは、横方向にミラー部9の両側に配設され、先端部としての両端部をトーションバー10a,10bの両側に結合し、基端部としての中間部を突出部4a,4bの突出端に結合している。半円周型駆動部11aにおいて基端部から各先端部への2つの部分は、それぞれ圧電アクチュエータ12a,13aを構成する。半円周型駆動部11bにおいて基端部から各先端部への2つの部分は、それぞれ圧電アクチュエータ12b,13bを構成する。圧電アクチュエータ12a,12b,13a,13bには、裏面側より表面側に接近して圧電膜の層が形成されている。圧電アクチュエータ12a,12b,13a,13bは、圧電膜の層に電極パッド5a〜5d,6a〜6dからの電圧を印加され、基端側に対して先端側を光偏向器チップ1の表裏方向に変位させる。
圧電アクチュエータ12a,12b,13a,13bの圧電膜には、周波数及び振幅が同一の正弦波電圧が印加される。圧電アクチュエータ12a,12b同士の印加電圧は相互に逆相であり、圧電アクチュエータ13a,13b同士の印加電圧は相互に逆相であり、圧電アクチュエータ12a,13aの印加電圧は相互に同相であり、圧電アクチュエータ12b,13bの印加電圧は相互に同相である。これにより、トーションバー10a,10bは、横方向両側の半円周型駆動部11a,11bからトーションバー10a,10bの軸線周りに、各時点で同一回転方向に駆動され、駆動方向を所定の周波数で切替えられる。この結果、トーションバー10a,10bは、その軸線の周りに所定の周波数で往復揺動する。
図3は図2のIII−III矢視断面図、図4は図2のIV−IV矢視断面図である。図3及び図4の断面図では、簡略化のために、光偏向器チップ1は、内部を省略し、全体の輪郭のみを示している。図2〜図4を参照して、パッケージ19について説明する。
パッケージ19は、高温焼成アルミナ製となっている。パッケージ19は、表側から見て、中央の載置面(ダイボンド面)20と、載置面20に対して横方向両側の段部21a,21bと、載置面20及び段部21a,21bを包囲する枠部22とを有する。載置面20、段部21a,21b及び枠部22のうち、枠部22が一番表側に位置し、段部21a,21b及び載置面20の順番に枠部22から深い位置になっている。
電極24a〜24d,25a〜25dはそれぞれ段部21a,21bにほぼ等間隔で一列に配設されている。光偏向器チップ1の電極パッド5a〜5d,6a〜6dとパッケージ19の電極24a〜24d,25a〜25dとは、所定のボンディングマシーンを使ってワイヤー30により接続される。その際、ボンディングマシーンは、ワイヤー30に超音波を印加して、ワイヤー30の先端により電極パッド5a〜5d,6a〜6d,24a〜24d,25a〜25dの自然酸化膜を除去しつつ、ワイヤー30の先端を電極パッド5a〜5d,6a〜6d,24a〜24d,25a〜25dに固着する。電極パッド5a〜5d,6a〜6dがワイヤー30から超音波を受ける時間は微小であるが、ワイヤー30からの超音波は電極パッド5a〜5d,6a〜6dを介して支持枠部2内へ伝搬する。
直線溝33a〜33c,34a〜34cは、MEMS光偏向器15の正面視で、載置面20の段部21a,21b側の辺に沿って、載置面20に形成される。直線溝33a〜33c,34a〜34cの構造の詳細については、後述する。接着剤36は、直線溝33a〜33c,34a〜34cに充填されている。接着剤37(図6(c)参照。接着剤36とは区別)は、支持枠部2の裏面が固定される載置面20の部位に塗布されて、支持枠部2の裏面を載置面20に固着する。
図5は、支持枠部2における振動経由部分A1,A2の位置を示している。前述したように、ボンディングマシーンによる光偏向器チップ1の電極パッド5a〜5d,6a〜6dとパッケージ19の電極24a〜24d,25a〜25dとのワイヤーボンディングの際、電極パッド5a〜5d,6a〜6dにワイヤー30から超音波が伝搬する。この超音波は、さらに、支持枠部2、半円周型駆動部11a,11b及びトーションバー10a,10bを順番に経由してミラー部9に到達する。
支持枠部2、半円周型駆動部11a,11b及びトーションバー10a,10bは、ワイヤーボンディング時に、ワイヤー30から電極パッド5a〜5d,6a〜6dに印加される超音波(機械的振動)の振動伝搬経路を構成する。振動経由部分A1,A2は、支持枠部2において超音波の振動伝搬経路を構成する部分であって、支持枠部2において載置面20に固定される裏面を有する部分として定義される。
さらに、振動経由部分A1,A2の裏面が固定される載置面20側の面部分として振動部固定面B1,B2を定義する。振動部固定面B1,B2は、載置面20において、MEMS光偏向器15の正面視で振動経由部分A1,A2の輪郭線で囲われる範囲と一致する。
突出部4a,4bは、支持枠部2の部分であり、超音波の振動伝搬経路の一部となるが、図1から理解できるように、突出部4a,4bは、半円周型駆動部11a,11b等の変位部とほぼ同一の厚さとされ、その裏面は、載置面20に固定されることなく、載置面20から浮いた状態になっている。したがって突出部4a,4bは振動経由部分A1,A2から除外される。
なお、突出部4a,4bを支持枠部2の他の部分と同一の厚さにして、突出部4a,4bの裏面を載置面20に固定する場合には、突出部4a,4bも振動経由部分A1,A2に含まれる。
支持枠部2には、超音波の振動伝搬経路が計4つ形成される。第1振動伝搬経路は、電極パッド5a,5bから突出部4aへ進む経路であり、第2振動伝搬経路は、電極パッド5d,5cから突出部4aへ進む経路であり、第3振動伝搬経路は、電極パッド6a,6bから突出部4bへ進む経路であり、第4振動伝搬経路は、電極パッド6d,6cから突出部4bへ進む経路である。第1及び第2振動伝搬経路は突出部4aにおいて重なり、第3及び第4振動伝搬経路は突出部4bにおいて重なる。
ワイヤー30に印加される超音波の周波数は、単一ではなく、所定の周波数範囲で分布したものとなっている。この所定の周波数範囲の中に、ミラー部9の共振周波数、又は該共振周波数の高次モードの周波数と一致するものがあると、電極パッド5a〜5d,6a〜6dから支持枠部2の振動経由部分A1,A2を経由してミラー部9の方へ伝搬した超音波が、ミラー部9を含む共振構造部分(図5において光偏向器チップ1の変位部として右肩上がりと右肩下がりの斜線が重なって図示されている部分に相当)を励振してしまい、場合により、ミラー部9の付け根近辺の破断個所40で破損が生じることがある。なお、破断個所40は、ミラー部9のトーションバー10b側の付け根近辺のものを図示しているが、トーションバー10a側の付け根近辺が破断個所40より先に破断することもある。
図2〜図4の直線溝33a〜33c,34a〜34c及びそれに充填された接着剤36は、このような破断個所40の発生防止に寄与するものである。
直線溝33a〜33c,34a〜34cは、振動経由部分A1,A2における機械的振動の伝搬経路を横切る方向に、載置面20の振動部固定面B1,B2に形成される。直線溝33a,33c,34a,34cは、一端において載置面20における段部21a,21b側の辺に設定され、他端において振動部固定面B1,B2の内側に収まる位置に設定される。この結果、直線溝33a,33c,34a,34cは、支持枠部2の外側に位置する一端側では振動経由部分A1,A2の裏面の下から露出し、一端側以外では支持枠部2の内側では振動経由部分A1,A2の裏面の下に隠れる。
直線溝33b,34bは、一端において載置面20における段部21a,21b側の辺に設定され、他端において振動部固定面B1,B2の内側の縁を内側に越えて、突出部4a,4bの下方に達している。なお、直線溝33b,34bについても、他端において振動部固定面B1,B2の内側に収まる位置に設定され、これにより、直線溝33a,33c,34a,34cと同様に、支持枠部2の外側に位置する一端側では振動経由部分A1,A2の裏面の下から露出し、一端側以外では振動経由部分A1,A2の裏面の下に隠れるようにすることもできる。
直線溝33a〜33c,34a〜34cは、この振動部固定面B1,B2において、電極パッド5a〜5d,6a〜6dの真下を除外した部位に形成される。直線溝33a,33c,34a,34cは、それぞれ電極パッド5a,5d,6a,6dに対応付けられ、振動経由部分A1,A2における超音波(機械的振動)の振動伝搬経路おいて、電極パッド5a,5d,6a,6dとそれらより1つ下流側の、すなわち下流側に隣りの電極パッド5b,5c,6b,6cとの間の範囲に対応する振動部固定面B1,B2の各範囲に1つずつ形成されたものとなっている。
直線溝33b,34bは、それぞれ超音波の各振動伝搬経路おいて、最下流側の電極パッドとしての電極パッド5b,5c,6b,6cの下流側の振動経由部分A1,A2の範囲に対応する振動部固定面B1,B2の範囲に1つ、形成されたものとなっている。直線溝33bは電極パッド5b,5cに対応付けられ、直線溝34bは電極パッド6b,6cに対応付けられている。
ワイヤー30に超音波を印加して行うワイヤーボンディングは、ダイボンド工程の終了後に行われる。直線溝33a〜33c,34a〜34cへの接着剤36の充填は、ダイボンド工程において実施する。ダイボンド工程について、図6を参照して説明する。
図6において、(a)〜(d)は、ダイボンド工程の各サブ工程を順番に示している。(a)〜(d)の各サブ工程において、左は、図2のIV−IV矢視断面と同じ位置のパッケージ19の矢視断面図であり、右は、パッケージ19の正面図となっている。
図6(a)は、ダイボンド工程開始時のパッケージ19の状態を示しており、直線溝33a〜33c,34a〜34cは、空になっている。
図6(b)では、直線溝33a〜33c,34a〜34cに接着剤36がディスペンサーにより充填される。接着剤36は、この例では、比重:約1.0 g/cm、粘度:約40Pa・sのシリコーン樹脂を使用した。
図6(c)では、接着剤37が載置面20にディスペンサーにより塗布される。接着剤36,37は、塗布範囲が異なるとともに、塗布するサブ工程が異なるので、図6では、別の符号を使用しているが、材料としては同一のものが使用される。塗布範囲は、光偏向器チップ1の支持枠部2の裏面が載置面20に押し当てられる範囲に設定され、載置面20の裏面の外周輪郭に合わせて、「ロ」字形になっている。図6(c)における「ロ」字形の塗布範囲は、支持枠部2の裏面が載置面20に固定されるとき、該裏面の下に隠れる範囲となっている。
図6(c)の右図からわかるように、接着剤36の内側の端は、接着剤37の塗布範囲の内周線にほぼ等しい。前述したように、直線溝33a,33c,34a,34cは、その外側端が、振動経由部分A1,A2の裏面から露出するように設定されている。したがって、直線溝33a,33c,34a,34cに充填された接着剤36の外側の端は、接着剤37の塗布範囲の外周線より外側へ十分に突出した位置になる。
図6(d)では、ダイシングテープ(図示せず)上の光偏向器チップ1を、角錐コレット(図示せず)を用いてピックアップし、接着剤37が塗布されたパッケージ19の載置面20の所定位置に適正な圧力で押し当てて、ダイボンドする。直線溝33a,33c,34a,34cの外側の端部は、支持枠部2の振動経由部分A1,A2の裏面から露出しているので、余剰の接着剤37は、載置面20への支持枠部2の裏面に押し当てに伴い、直線溝33a,33c,34a,34cへその内側の端部から流入し、直線溝33a,33c,34a,34c内の接着剤36を外側の露出端部の方へ押しやる。これにより、パッケージ19の載置面20への光偏向器チップ1の支持枠部2の押し当て時に、振動経由部分A1,A2の裏面と載置面20の振動部固定面B1,B2との間に挟まれた接着剤37が、内側の方へ流動する力が弱まり、内側への流動量が減少する。
図示していないが、ミラー部9の歪みを防止するために、ミラー部9の裏側に、環状リブが形成される。環状リブの下端は、載置面20に接近するので、載置面20の内側に流動した余剰の接着剤37が、環状リブに付着して、環状リブを載置面20に固着する可能性がある。支持枠部2の内側への接着剤37の流動力の減少は、環状リブ等の変位部への余剰の接着剤37の付着防止に寄与する。
一方、直線溝33a〜33c,34a〜34c内を外側の露出端部の方へ押し出された接着剤36は、露出端部から支持枠部2の外周縁を適当量、這い上がって、フィレットを形成する。このフィレットは、載置面20への支持枠部2の接合強度を増大させる。
図示は省略するが、図6(d)のサブ工程後、光偏向器チップ1は、パッケージ19と共に150℃に加熱された電気オーブン内にて4時間放置するサブ工程がある。このサブ工程により、接着剤36,37は完全に硬化する。フィレットの効果によりダイボンド終了から樹脂が完全に硬化するまでの間の光偏向器チップ1の位置ずれは抑制される。
光偏向器チップ1の電極パッド5a〜5d,6a〜6dとパッケージ19の電極24a〜24d,25a〜25dとの間をAu(金)のワイヤー30にてワイヤーボンディングすることによりパッケージ19への光偏向器チップ1の実装が完了する。ワイヤーボンディングでは、ワイヤー30に印加された超音波は、電極パッド5a〜5d,6a〜6dのAlの酸化被膜を除去するとともに、支持枠部2へ入り、振動経由部分A1,A2を経て半円周型駆動部11a,11bの方へ伝搬する。その際、直線溝33a〜33c,34a〜34c内の接着剤36により振動力が吸収される。この結果、振動経由部分A1,A2から突出部4a,4bを介して半円周型駆動部11a,11bの方へ伝搬する振動力は、少なくとも破断個所40を発生させるような振動力未満まで、弱められ、破断個所40の発生が有効に防止される。
パッケージ19の裏面には、表側の電極24a〜24d,25a〜25dと内部配線によって接続された電極パッド(図示せず)が設けられている。ワイヤーボンディング工程後、この裏面電極パッドにフレキケーブルを圧着して回路基板と接続するか、又は直接プリント基板にハンダ接合することにより、回路基板と電気的に接続される。
上記の手順に従って実装されたMEMS光偏向器15の圧電アクチュエータ12a,12b,13a,13bに対して、周波数25kHz、電圧が0〜15Vの正弦波信号を印加したところ、ミラー部9の機械的な偏向角として±12°が観測された。これはプロジェクタ用途のMEMS光偏向器としては十分な角度に相当する。間接的ではあるが、ワイヤーボンディング時の超音波による素子構造の劣化が一切生じなかったことが証明された。光偏向器チップ1のミラー部9の中心とパッケージ19の中心との位置関係を測定したところ、並進ずれの程度は横方向及び縦方向共に±50μm以内、回転ずれの程度は±0.1°以内と極めて良好な値を示した。接着剤36のフィレットの効果により、接着剤36の硬化時の位置ずれがほとんど生じなかったことも検証された。
MEMS光偏向器15は、例えば、スクリーン上に画像を映し出すプロジェクションディスプレイや車両用前照灯等に装備される。その場合、MEMS光偏向器15の表側に対峙して配設された所定の光源(図示せず)から光線がミラー部9に向かって、出射される。一方、MEMS光偏向器15は、圧電アクチュエータ12a,12b,13a,13bの圧電素子に、ミラー部9を含む共振構造の共振周波数に等しい周波数の駆動電圧を対応の位相で供給され、ミラー部9は、トーションバー10a,10bの軸線を回転軸線として、該回転軸線の周りに該共振周波数で往復、揺動している。この結果、ミラー部9は、光源からの入射光を回転軸線の周りに振る反射光を走査光として出射する。該走査光は、その後、ビームスプリッタ等の光学機器を介してスクリーンの方へ向かう。
本発明の実施形態について説明した。MEMS光偏向器15は、本発明のMEMSデバイスの一例である。ミラー部9、トーションバー10a,10b及び半円周型駆動部11a,11bは、支持部又は枠状支持部としての枠部2に変位自在に支持される変位部の一例である。直線溝33a〜33d,34a〜34dは、本発明の溝の一例である。電極パッド5a〜5d,6a〜6dは、本発明の電極の一例である。電極パッド5b,5c,6b,6cは、振動伝搬経路で最も下流側に配置された電極の一例である。
本発明は、実施形態に限定されることなく、種々に変形して実施可能である。例えば、実施形態では、MEMSデバイスとしてMEMS光偏向器15について説明したが、本発明は、MEMSチップが支持部と変位部とを有するその他のMEMSデバイスにも適用可能である。
実施形態では、MEMSチップの支持部としての支持枠部2は枠状になっているが、本発明のMEMSチップの支持部は、枠状でなくてもよい。
実施形態では、直線溝33a,33c,34a,34cが、電極パッド5a,5d,6a,6dに対応付けて形成されているが、直線溝33b,34bは残して、直線溝33a,33c,34a,34cは省略することもできる。なぜなら、ワイヤーボンディングでは、ワイヤーボンディング機は、複数のワイヤー30をまとめて接続するのではなく、1本ずつ対応の電極に接続するので、支持枠部2における振動伝搬経路の最下流側範囲に対応する直線溝33b,34bを電極パッド5a〜5d,6a〜6dの共通の溝として使用できるからである。
1・・・光偏向器チップ、2・・・支持枠部(支持部及び枠状支持部)、3・・・内側空間、5a〜5d,6a〜6d・・・電極パッド、9・・・ミラー部(変位部)、10a,10b・・・トーションバー(変位部)、11a,11b・・・半円周型駆動部(変位部)、12a,12b,13a,13b・・・圧電アクチュエータ(変位部)、15・・・MEMS光偏向器(MEMSデバイス)、19・・・パッケージ、20・・・載置面、30・・・ワイヤー、33a〜33d,34a〜34d・・・直線溝(溝)、36・・・接着剤、A1,A2・・・振動経由部分、B1,B2・・・振動部固定面。

Claims (5)

  1. 支持部と、前記支持部に変位自在に支持される変位部と、前記支持部の表側に設けられる電極とを有するMEMSチップと、
    前記MEMSチップの前記支持部の裏面が樹脂の接着剤により固定される載置面を有するパッケージとを備えるMEMSデバイスにおいて、
    機械的振動が前記電極から前記支持部を経由して前記変位部へ伝搬する際に前記支持部における振動を経由する部分の裏面が固定される前記載置面の面部分において、前記電極の真下の部位を除く部位に溝が形成され、該溝に前記接着剤が充填されていることを特徴とするMEMSデバイス。
  2. 請求項1記載のMEMSデバイスにおいて、
    前記支持部は、前記振動を経由する部分を複数有し、
    前記溝は、該部分の裏面が固定される前記載置面の面部分の複数の部位に形成されていることを特徴とするMEMSデバイス。
  3. 請求項1又は2記載のMEMSデバイスにおいて、
    前記電極は複数設けられ、
    前記複数設けられた電極により前記振動の伝搬経路が形成され、
    前記溝は、前記振動の伝搬経路で隣り合う電極間の前記振動を経由する部分に対応する前記載置面の面部分と、前記振動の伝搬経路で最も下流側に配置された電極より下流側の前記振動を経由する部分に対応する前記載置面の面部分における部位に1つずつ形成されていることを特徴とするMEMSデバイス。
  4. 請求項1又は2記載のMEMSデバイスにおいて、
    前記電極は複数設けられ、
    前記複数設けられた電極により前記振動の伝搬経路が形成され、
    前記溝は、前記振動の伝搬経路で最も下流側に配置された電極より下流側の前記振動を経由する部分に対応する前記載置面の面部分における部位に1つのみ形成されていることを特徴とするMEMSデバイス。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のMEMSデバイスにおいて、
    前記支持部は、枠状支持部として形成され、
    前記変位部は、前記枠状支持部の内側の空間内に配設され、
    前記溝は、前記振動の伝搬経路を横切る方向に形成され、一端側のみ前記枠状支持部の外周の外側に露出し、その一端側以外の部分は前記枠状支持部の裏面の下に隠れることを特徴とするMEMSデバイス。
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