JP2014186231A - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 極めて優れた低温定着性を有しながら機械的強度が高く、かつ、高い彩度の画像を形成することができる静電荷像現像用トナーの製造方法を提供することにある。
【解決手段】 結着樹脂および着色剤を含有するトナー粒子からなる静電荷像現像用トナーを製造する方法であって、結着樹脂が、結晶性ポリエステルセグメントがウレア結合によって連結されてなる結晶性重合体からなり、水系媒体中に、前記結晶性ポリエステルセグメントとなるべき低分子量の結晶性ポリエステルの末端をイソシアネート化したプレポリマーおよび着色剤を含有する液滴を分散させ、当該液滴中においてウレア化反応を行うことにより、結晶性重合体を得る工程を有することを特徴とする。
【選択図】 なし
【解決手段】 結着樹脂および着色剤を含有するトナー粒子からなる静電荷像現像用トナーを製造する方法であって、結着樹脂が、結晶性ポリエステルセグメントがウレア結合によって連結されてなる結晶性重合体からなり、水系媒体中に、前記結晶性ポリエステルセグメントとなるべき低分子量の結晶性ポリエステルの末端をイソシアネート化したプレポリマーおよび着色剤を含有する液滴を分散させ、当該液滴中においてウレア化反応を行うことにより、結晶性重合体を得る工程を有することを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
本発明は、電子写真方式の画像形成に用いられる静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
近年、電子写真方式の画像形成装置として、地球環境対応の観点から、省エネルギー化が図られたものが求められており、特に、画像形成装置の中でも多量のエネルギーを使用する定着システムの省エネルギー化が求められている。
定着システムの省エネルギー化に有用な施策として、静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)をより低い温度で熱定着することができる低温定着トナーとすることが挙げられる。具体的には、結着樹脂としてシャープメルト性を有する結晶性物質、特に結晶性ポリエステル樹脂を用いることによって融点や溶融粘度が低くされたものが提案されている(例えば特許文献1〜4参照。)。
定着システムの省エネルギー化に有用な施策として、静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)をより低い温度で熱定着することができる低温定着トナーとすることが挙げられる。具体的には、結着樹脂としてシャープメルト性を有する結晶性物質、特に結晶性ポリエステル樹脂を用いることによって融点や溶融粘度が低くされたものが提案されている(例えば特許文献1〜4参照。)。
しかしながら、特許文献1および特許文献2に開示されたトナーにおいては、結晶性物質のトナー粒子における含有量が過多である場合には、機械的強度(耐ストレス性)や耐ブロッキング性、耐高温オフセット性について所期の性能を満足しないなどの新たな問題が生じた。すなわち、結晶性物質のトナー粒子における含有量には上限があり、トナーの低温定着化を進める上での障壁となっていた。
一方、電子写真方式の画像形成装置において得られる画像の高画質化を図るために、解像度を向上させることを目的として粒度分布がシャープな小粒径のトナーが求められており、このような小粒径のトナーの製造に適した方法として、ケミカル法が用いられている。また、解像度の向上と併せて画像形成のカラー化も進行しており、より色の鮮やかな画像を形成することが求められるようになっている。そして、色の鮮やかな画像、すなわち彩度の高い画像を得るために、用いるトナー粒子において着色剤の分散性を向上させることが求められている。
しかしながら、特許文献3および特許文献4に開示されたトナーにおいては、機械的強度は向上されているものと考えられるが、トナー粒子において着色剤の分散性が高くないために彩度の高い画像を形成することはできない、という問題がある。
本発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、極めて優れた低温定着性を有しながら機械的強度が高く、かつ、高い彩度の画像を形成することができる静電荷像現像用トナーの製造方法を提供することにある。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、結着樹脂および着色剤を含有するトナー粒子からなる静電荷像現像用トナーを製造する方法であって、
結着樹脂が、結晶性ポリエステルセグメントがウレア結合によって連結されてなる結晶性重合体からなり、
水系媒体中に、前記結晶性ポリエステルセグメントとなるべき低分子量の結晶性ポリエステルの末端をイソシアネート化したプレポリマーおよび着色剤を含有する液滴を分散させ、当該液滴中においてウレア化反応を行うことにより、前記結晶性重合体を得る工程を有することを特徴とする。
結着樹脂が、結晶性ポリエステルセグメントがウレア結合によって連結されてなる結晶性重合体からなり、
水系媒体中に、前記結晶性ポリエステルセグメントとなるべき低分子量の結晶性ポリエステルの末端をイソシアネート化したプレポリマーおよび着色剤を含有する液滴を分散させ、当該液滴中においてウレア化反応を行うことにより、前記結晶性重合体を得る工程を有することを特徴とする。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法においては、前記低分子量の結晶性ポリエステルの数平均分子量が、100〜10,000であることが好ましい。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法においては、前記低分子量の結晶性ポリエステルの融点が、55〜95℃であることが好ましい。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法においては、前記結晶性重合体の数平均分子量が、5,000〜100,000であることが好ましい。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法においては、前記結晶性重合体の融点が、50〜90℃であることが好ましい。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法においては、前記トナー粒子が離型剤を含有するものであり、
当該離型剤が、前記プレポリマーと共に液滴中に溶解または分散されることが好ましい。
当該離型剤が、前記プレポリマーと共に液滴中に溶解または分散されることが好ましい。
本発明のトナーの製造方法によれば、結着樹脂が、結晶性ポリエステルセグメントがウレア結合によって連結されてなる結晶性重合体からなるので、優れた低温定着性を有しながら機械的強度の高いトナーを製造することができる。また、着色剤がプレポリマーと共に液滴中に分散された状態においてウレア化反応が行われるので、得られる静電荷像現像用トナーが高い彩度の画像を形成することができるものとなる。
以下、本発明について具体的に説明する。
〔トナーの製造方法〕
本発明のトナーの製造方法は、少なくとも結着樹脂および着色剤や、離型剤、荷電制御剤などの内添剤を含有するトナー粒子からなるトナーを製造する方法であって、結着樹脂が、結晶性ポリエステルセグメントがウレア結合によって連結されてなる結晶性重合体(以下、「特定の結晶性重合体」ともいう。)からなり、水系媒体中に、結晶性ポリエステルセグメントとなるべき低分子量の結晶性ポリエステルの末端をイソシアネート化したプレポリマー(以下、「イソシアネート化プレポリマー」ともいう。)および着色剤を含有する液滴を分散させ、当該液滴中においてウレア化反応を行うことにより、結着樹脂を構成する結晶性重合体を得る工程を有する方法である。
本発明において、離型剤などのその他のトナー粒子を構成する内添剤を含有するトナーを製造する場合には、当該内添剤を、イソシアネート化プレポリマーおよび着色剤と共に液滴中に分散させた状態でウレア化反応を行えばよい。
本発明のトナーの製造方法は、少なくとも結着樹脂および着色剤や、離型剤、荷電制御剤などの内添剤を含有するトナー粒子からなるトナーを製造する方法であって、結着樹脂が、結晶性ポリエステルセグメントがウレア結合によって連結されてなる結晶性重合体(以下、「特定の結晶性重合体」ともいう。)からなり、水系媒体中に、結晶性ポリエステルセグメントとなるべき低分子量の結晶性ポリエステルの末端をイソシアネート化したプレポリマー(以下、「イソシアネート化プレポリマー」ともいう。)および着色剤を含有する液滴を分散させ、当該液滴中においてウレア化反応を行うことにより、結着樹脂を構成する結晶性重合体を得る工程を有する方法である。
本発明において、離型剤などのその他のトナー粒子を構成する内添剤を含有するトナーを製造する場合には、当該内添剤を、イソシアネート化プレポリマーおよび着色剤と共に液滴中に分散させた状態でウレア化反応を行えばよい。
本発明のトナーの製造方法によれば、結着樹脂が、結晶性ポリエステルセグメントがウレア結合によって連結されてなる結晶性重合体からなるので、優れた低温定着性を有しながら機械的強度の高いトナーを製造することができる。これは、通常の結晶性ポリエステルは機械的強度が低いところ、本発明においては、結晶性重合体に導入されたウレア結合によって機械的強度が補われるためと推測される。従って、低温定着性を得るために本発明に係る結晶性重合体を結着樹脂としてトナー粒子中に多量に含有した場合にも、当該トナー粒子に高い機械的強度が得られる。
また、当該着色剤がイソシアネート化プレポリマーと共に液滴中に分散された状態においてウレア化反応が行われることにより、高い彩度が得られるトナーを製造することができる。これは、着色剤の存在下で低分子量のイソシアネート化プレポリマーをウレア化反応によって高分子量化すること、すなわち、特定の結晶性重合体の合成とトナー粒子の形状の形成を並行して行うことによって、トナー粒子中における着色剤の分散性が向上されるものである。
また、当該着色剤がイソシアネート化プレポリマーと共に液滴中に分散された状態においてウレア化反応が行われることにより、高い彩度が得られるトナーを製造することができる。これは、着色剤の存在下で低分子量のイソシアネート化プレポリマーをウレア化反応によって高分子量化すること、すなわち、特定の結晶性重合体の合成とトナー粒子の形状の形成を並行して行うことによって、トナー粒子中における着色剤の分散性が向上されるものである。
このようなトナーの製造方法の具体的な一例としては、
(1)低分子量の結晶性ポリエステルを合成する低分子量の結晶性ポリエステル合成工程、
(2)低分子量の結晶性ポリエステルの末端をイソシアネート化してイソシアネート化プレポリマーを得るイソシアネート変性工程
(3)イソシアネート化プレポリマーおよび着色剤を有機溶媒中に溶解または分散させた油相液を調製する油相液調製工程、
(4)水系媒体中に油相液による液滴を形成させる液滴の水系分散液調製工程、
(5)硬化剤を反応させることによってイソシアネート化プレポリマーのウレア化反応を行って、特定の結晶性重合体を生成させると同時にトナー粒子の形状を形成する硬化工程、
(6)有機溶媒を除去する有機溶媒除去工程、
(7)得られるトナー粒子を水系媒体中より濾別し、当該トナー粒子から界面活性剤などを洗浄除去する濾過・洗浄工程、
(8)洗浄処理されたトナー粒子の乾燥工程、
から構成され、必要に応じて
(9)乾燥処理されたトナー粒子に外添剤を添加する外添剤添加工程
を加えることができる。
(1)低分子量の結晶性ポリエステルを合成する低分子量の結晶性ポリエステル合成工程、
(2)低分子量の結晶性ポリエステルの末端をイソシアネート化してイソシアネート化プレポリマーを得るイソシアネート変性工程
(3)イソシアネート化プレポリマーおよび着色剤を有機溶媒中に溶解または分散させた油相液を調製する油相液調製工程、
(4)水系媒体中に油相液による液滴を形成させる液滴の水系分散液調製工程、
(5)硬化剤を反応させることによってイソシアネート化プレポリマーのウレア化反応を行って、特定の結晶性重合体を生成させると同時にトナー粒子の形状を形成する硬化工程、
(6)有機溶媒を除去する有機溶媒除去工程、
(7)得られるトナー粒子を水系媒体中より濾別し、当該トナー粒子から界面活性剤などを洗浄除去する濾過・洗浄工程、
(8)洗浄処理されたトナー粒子の乾燥工程、
から構成され、必要に応じて
(9)乾燥処理されたトナー粒子に外添剤を添加する外添剤添加工程
を加えることができる。
(1)低分子量の結晶性ポリエステル合成工程
この低分子量の結晶性ポリエステル合成工程は、トナー粒子の結着樹脂を構成する特定の結晶性重合体の原料となる低分子量の結晶性ポリエステルを合成する工程である。
この低分子量の結晶性ポリエステル合成工程は、トナー粒子の結着樹脂を構成する特定の結晶性重合体の原料となる低分子量の結晶性ポリエステルを合成する工程である。
本発明において、結晶性ポリエステルとは、ジカルボン酸成分とジオール成分の重縮合物であり、示差走査熱量測定法(DSC)の昇温工程において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを示すポリエステル樹脂をいう。
ジオール成分としては、脂肪族ジオールを用いることが好ましく、必要に応じて脂肪族ジオール以外のジオールを含有させてもよい。
ジオール成分としては、脂肪族ジオールの中でも、主鎖の炭素数が4〜12である直鎖型の脂肪族ジオールを用いることがより好ましく、特に、主鎖の炭素数が6である1,6−ヘキサンジオールを用いることが好ましい。
ジオール成分は、1種類のものに限定されるものではなく、2種類以上を混合して用いてもよい。
ジオール成分としては、脂肪族ジオールの中でも、主鎖の炭素数が4〜12である直鎖型の脂肪族ジオールを用いることがより好ましく、特に、主鎖の炭素数が6である1,6−ヘキサンジオールを用いることが好ましい。
ジオール成分は、1種類のものに限定されるものではなく、2種類以上を混合して用いてもよい。
原料の結晶性ポリエステルを形成するためのジオール成分としては、脂肪族ジオールの含有量が80構成モル%以上とされることが好ましく、より好ましくは90構成モル%以上である。ジオール成分における脂肪族ジオールの含有量が80構成モル%以上とされることにより、原料の結晶性ポリエステルの結晶性を確保することができて製造されるトナーに優れた低温定着性が得られる。
脂肪族ジオールとしては、例えば、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオールなどが挙げられ、これらの中でも、適度な融点を得る観点から、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールを用いることが好ましい。
脂肪族ジオール以外のジオールとして、二重結合を有するジオールを用いることもできる。二重結合を有するジオールとしては、例えば、2−ブテン−1,4−ジオール、3−ヘキセン−1,6−ジオール、4−オクテン−1,8−ジオールなどが挙げられる。
ジカルボン酸成分としては、脂肪族ジカルボン酸を用いることが好ましく、芳香族ジカルボン酸を併用してもよい。また、得られる特定の結晶性重合体における結晶性ポリエステルセグメントに優れた結晶性を得る観点から、好ましくは主鎖の炭素数が4〜12、特に好ましくは主鎖の炭素数が6である直鎖型の脂肪族ジカルボン酸を用いることが好ましい。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸などが挙げられ、また、これらの低級アルキルエステルや酸無水物を用いることもできる。上記の脂肪族ジカルボン酸の中でも、アジピン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸あるいはその低級アルキルエステルや酸無水物を用いることが好ましい。
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸などが挙げられる。これらの中でも、入手容易性および低軟化点のトナーを得しやすいという観点から、テレフタル酸を用いること好ましい。
ジカルボン酸成分として、二重結合を有するジカルボン酸を用いることもできる。二重結合を有するジカルボン酸は、その二重結合を利用して樹脂全体を架橋させ得る点で、定着時の高温オフセットを防ぐために好適に用いることができる。このような二重結合を有するジカルボン酸としては、例えば、フマル酸、マレイン酸、3−ヘキセンジオイック酸、3−オクテンジオイック酸およびこれらの低級アルキルエステル、酸無水物などが挙げられるが、これらに限定されない。これらの中でも、フマル酸、マレイン酸を用いることが好ましい。
原料の結晶性ポリエステルの製造方法としては、特に制限はなく、ジカルボン酸成分とジオール成分とを反応させる一般的なポリエステルの重合法を用いて製造することができ、例えば直接重縮合やエステル交換法を、モノマーの種類によって使い分けて製造することが好ましい。
原料の結晶性ポリエステルの製造は、重合温度180℃以上230℃以下の間で行うことが好ましく、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させることが好ましい。モノマーが反応温度下で溶解または相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させることが好ましい。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の低いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の低いモノマーとそのモノマーと重縮合するべきジカルボン酸またはジオールとを縮合させておき、その後、主成分と共に重縮合させることが好ましい。
原料の結晶性ポリエステルの製造時に使用することのできる触媒としては、例えばチタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシドなどのチタン触媒や、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシドなどのスズ触媒などが挙げられる。
上記のジカルボン酸成分とジオール成分との使用比率は、ジオール成分のヒドロキシル基[OH]とジカルボン酸成分のカルボキシル基[COOH]との当量比[OH]/[COOH]が、1.02〜1.20とされることが好ましい。
原料の結晶性ポリエステルとしては、その末端がヒドロキシル基から構成されたものが好ましいが、ジカルボン酸成分とジオール成分との使用比率が上記の範囲にあることにより、このような結晶性ポリエステルを得ることができる。
原料の結晶性ポリエステルとしては、その末端がヒドロキシル基から構成されたものが好ましいが、ジカルボン酸成分とジオール成分との使用比率が上記の範囲にあることにより、このような結晶性ポリエステルを得ることができる。
この原料となる低分子量の結晶性ポリエステルは、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による数平均分子量(Mn)が好ましくは100〜10,000、さらに好ましくは800〜5,000、重量平均分子量(Mw)が好ましくは1,000〜50,000、さらに好ましくは2,000〜30,000である。
原料の結晶性ポリエステルの数平均分子量(Mn)が上記の範囲にあることにより、得られる特定の結晶性重合体に十分な結晶性が維持されて低温定着性が得られながら、ウレア結合を適度に導入することができて高い機械的強度が得られ、かつ、着色剤の適度な分散性も得られて彩度の高いトナー粒子が得られる。原料の結晶性ポリエステルの数平均分子量(Mn)が過大である場合は、得られる結晶性重合体に高い結晶性が得られるものの、ウレア結合を適度に導入することができずに十分な機械的強度が得られないおそれがある。また、着色剤の分散性が低く、十分な彩度のトナー粒子を得ることができないおそれがある。原料の結晶性ポリエステルの数平均分子量(Mn)が過少である場合は、ウレア結合を多量に導入することができて高い機械的強度が得られ、かつ、着色剤の適度な分散性も得られて彩度の高いトナー粒子が得られるものの、得られる結晶性重合体に十分な結晶性が得られずに低温定着性に劣るおそれがある。
GPCによる分子量測定は、以下のように行った。すなわち、装置「HLC−8220」(東ソー社製)およびカラム「TSKguardcolumn+TSKgelSuperHZM−M3連」(東ソー社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を流速0.2ml/minで流し、測定試料(原料となる低分子量の結晶性ポリエステル)を室温において超音波分散機を用いて5分間処理を行う溶解条件で濃度1mg/mlになるようにテトラヒドロフランに溶解させ、次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して試料溶液を得、この試料溶液10μLを上記のキャリア溶媒と共に装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて検出し、測定試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて算出する。検量線測定用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure Chemical社製の分子量が6×102 、2.1×103 、4×103 、1.75×104 、5.1×104 、1.1×105 、3.9×105 、8.6×105 、2×106 、4.48×106 のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を測定し、検量線を作成した。また、検出器には屈折率検出器を用いた。
本発明において原料として使用される低分子量の結晶性ポリエステルは、当該結晶性ポリエステルのDSC測定によって取得される融点が55〜95℃の範囲にあることが好ましい。
原料の結晶性ポリエステルのDSC測定は、「ダイヤモンドDSC」(パーキンエルマー社製)を用いて、以下のように行われる。
具体的には、測定手順としては、原料の結晶性ポリエステル3.0mgをアルミニウム製パンに封入し、ホルダーにセットする。リファレンスは空のアルミニウム製パンを使用する。測定条件としては、測定温度0℃〜200℃、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分で、Heat−cool−Heatの温度制御で行った。
具体的には、測定手順としては、原料の結晶性ポリエステル3.0mgをアルミニウム製パンに封入し、ホルダーにセットする。リファレンスは空のアルミニウム製パンを使用する。測定条件としては、測定温度0℃〜200℃、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分で、Heat−cool−Heatの温度制御で行った。
(2)イソシアネート変性工程
このイソシアネート変性工程は、原料の結晶性ポリエステルの末端をイソシアネート化する工程である。
具体的には、原料の結晶性ポリエステルと、ポリイソシアネート化合物とを反応させることにより、当該結晶性ポリエステルの末端のヒドロキシル基をイソシアネート化することができる。
このイソシアネート変性工程は、原料の結晶性ポリエステルの末端をイソシアネート化する工程である。
具体的には、原料の結晶性ポリエステルと、ポリイソシアネート化合物とを反応させることにより、当該結晶性ポリエステルの末端のヒドロキシル基をイソシアネート化することができる。
ポリイソシアネート化合物としては、炭素数(イソシアネート基中の炭素数を除く。以下同様である。)6〜20の芳香族ポリイソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート、炭素数8〜15の芳香族炭化水素ポリイソシアネート、イソシアヌレート類、これらの変性物、フェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどによってブロックしたものなどが挙げられる。
これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、ジフェニレン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルジフェニル、3−メチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソシアネートなどが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、テトラメチルヘキサンジイソシアネートなどが挙げられる。
脂環式ジイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香族炭化水素ジイソシアネートとしては、m−および/またはp−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
イソシアヌレート類としては、例えば、トリス−イソシアナトアルキル−イソシアヌレート、トリイソシアナトシクロアルキル−イソシアヌレートなどが挙げられる。
これらの中でも、炭素数6〜15の芳香族ジイソシアネート、炭素数4〜12の脂肪族ジイソシアネート、および炭素数4〜15の脂環式ジイソシアネート、芳香族炭化水素ジイソシアネートを用いることが好ましく、特に、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートを用いることが好ましい。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、テトラメチルヘキサンジイソシアネートなどが挙げられる。
脂環式ジイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香族炭化水素ジイソシアネートとしては、m−および/またはp−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
イソシアヌレート類としては、例えば、トリス−イソシアナトアルキル−イソシアヌレート、トリイソシアナトシクロアルキル−イソシアヌレートなどが挙げられる。
これらの中でも、炭素数6〜15の芳香族ジイソシアネート、炭素数4〜12の脂肪族ジイソシアネート、および炭素数4〜15の脂環式ジイソシアネート、芳香族炭化水素ジイソシアネートを用いることが好ましく、特に、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートを用いることが好ましい。
ポリイソシアネート化合物と、原料の結晶性ポリエステルとを反応させる際の混合比率としては、ポリイソシアネート化合物におけるイソシアネート基[NCO]と、原料の結晶性ポリエステルにおける末端のヒドロキシル基[OH]との混合当量比([NCO]/[OH])が、通常、5/1〜1/1であることが好ましく、4/1〜1.2/1であることがより好ましく、3/1〜1.5/1であることが特に好ましい。
上記の混合当量比が5/1を超える場合は低温定着性が低下するおそれがあり、1/1未満である場合は耐ホットオフセット性が低下するおそれがある。
上記の混合当量比が5/1を超える場合は低温定着性が低下するおそれがあり、1/1未満である場合は耐ホットオフセット性が低下するおそれがある。
(3)油相液調製工程
この油相液調製工程は、イソシアネート化プレポリマーおよび着色剤、並びに必要に応じて離型剤、荷電制御剤などの内添剤が有機溶媒中に溶解または分散された油相液を調製する工程である。
具体的には、例えば、有機溶媒中にイソシアネート化プレポリマーを溶解させた分散液、着色剤を有機溶媒中に溶解または分散させた分散液、および必要に応じて選択される内添剤を有機溶媒中に溶解または分散させた分散液を混合することによって、油相液を調製することができる。
この油相液調製工程は、イソシアネート化プレポリマーおよび着色剤、並びに必要に応じて離型剤、荷電制御剤などの内添剤が有機溶媒中に溶解または分散された油相液を調製する工程である。
具体的には、例えば、有機溶媒中にイソシアネート化プレポリマーを溶解させた分散液、着色剤を有機溶媒中に溶解または分散させた分散液、および必要に応じて選択される内添剤を有機溶媒中に溶解または分散させた分散液を混合することによって、油相液を調製することができる。
油相液の調製に使用される有機溶媒としては、イソシアネート化プレポリマーを溶解または分散することができるものであれば特に限定されず、目的に応じて適宜選択して使用することができ、例えば、有機溶媒除去工程において除去処理が容易である観点から、沸点が150℃未満の揮発性のもの、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを用いることが好ましい。これらの中でも、エステル系溶剤を用いることがより好ましく、酢酸エチルを用いることが特に好ましい。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
有機溶媒の使用量は、例えばイソシアネート化プレポリマー100質量部に対して、40〜300質量部であることが好ましく、より好ましくは60〜140質量部、さらに好ましくは80〜120質量部である。
有機溶媒の使用量は、例えばイソシアネート化プレポリマー100質量部に対して、40〜300質量部であることが好ましく、より好ましくは60〜140質量部、さらに好ましくは80〜120質量部である。
〔着色剤〕
着色剤としては、一般に知られている染料および顔料を用いることができる。
黒色のトナーを得るための着色剤としては、ファーネスブラック、チャンネルブラックなどのカーボンブラック、マグネタイト、フェライトなどの磁性体、染料、非磁性酸化鉄を含む無機顔料などの公知の種々のものを任意に使用することができる。
カラーのトナーを得るための着色剤としては、染料、有機顔料などの公知のものを任意に使用することができ、具体的には、有機顔料としては例えばC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同81:4、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222、同238、同269、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同180、同185、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントブルー15;3、同60、同76などを挙げることができ、染料としては例えばC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同68、同11、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同69、同70、同93、同95などを挙げることができる。
各色のトナーを得るための着色剤は、各色について、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
着色剤としては、一般に知られている染料および顔料を用いることができる。
黒色のトナーを得るための着色剤としては、ファーネスブラック、チャンネルブラックなどのカーボンブラック、マグネタイト、フェライトなどの磁性体、染料、非磁性酸化鉄を含む無機顔料などの公知の種々のものを任意に使用することができる。
カラーのトナーを得るための着色剤としては、染料、有機顔料などの公知のものを任意に使用することができ、具体的には、有機顔料としては例えばC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同81:4、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222、同238、同269、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同180、同185、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントブルー15;3、同60、同76などを挙げることができ、染料としては例えばC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同68、同11、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同69、同70、同93、同95などを挙げることができる。
各色のトナーを得るための着色剤は、各色について、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
この油相液において、着色剤の含有量は、最終的に得られるトナー粒子中における結着樹脂100質量部に対して1〜15質量部、好ましくは4〜10質量部となる量とされる。着色剤の含有量が過少である場合は、所望の着色力が得られないおそれがあり、一方、着色剤の含有量が過多である場合は、着色剤の遊離やキャリアなどへの付着が発生し、帯電性に影響を与える場合がある。
〔離型剤〕
離型剤としては、特に限定されるものではなく、公知のものを使用することができる。具体的には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどの低分子量ポリオレフィン類;合成エステルワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油などの植物系ワックス;モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの鉱物、石油系ワックス;これらの変性物などが挙げられる。
この油相液における離型剤の含有量は、最終的に得られるトナー粒子中における結着樹脂100質量部に対して通常0.5〜25質量部、好ましくは3〜15質量部となる量とされる。
離型剤としては、特に限定されるものではなく、公知のものを使用することができる。具体的には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどの低分子量ポリオレフィン類;合成エステルワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油などの植物系ワックス;モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの鉱物、石油系ワックス;これらの変性物などが挙げられる。
この油相液における離型剤の含有量は、最終的に得られるトナー粒子中における結着樹脂100質量部に対して通常0.5〜25質量部、好ましくは3〜15質量部となる量とされる。
〔荷電制御剤〕
荷電制御剤としては、公知の種々の化合物を用いることができる。
この油相液における荷電制御剤の添加量は、最終的に得られるトナー粒子中における結着樹脂100質量部に対して通常0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部となる量とされる。
荷電制御剤としては、公知の種々の化合物を用いることができる。
この油相液における荷電制御剤の添加量は、最終的に得られるトナー粒子中における結着樹脂100質量部に対して通常0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部となる量とされる。
本発明において、油相液には、結着樹脂を形成する成分として、少なくともイソシアネート化プレポリマーが含まれていればよく、その他の樹脂がさらに含有されていてもよい。
すなわち、得られるトナーにおいて、結着樹脂が少なくとも特定の結晶性重合体を含めばよく、必要に応じて、その他の樹脂が含まれて構成されていてもよい。
結着樹脂に含有されていてもよいその他の樹脂としては、例えば、非晶性ポリエステル樹脂、オレフィン系樹脂などのビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスルホン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂などが挙げられる。その他の樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
結着樹脂にその他の樹脂を含有させる場合には、最終的に得られるトナー粒子中における結着樹脂100質量部に対して50質量部未満とされることが好ましい。その他の樹脂の添加量が過多である場合は、特定の結晶性重合体の含有量が過少となって得られるトナーに十分な低温定着性を得られないおそれがある。
すなわち、得られるトナーにおいて、結着樹脂が少なくとも特定の結晶性重合体を含めばよく、必要に応じて、その他の樹脂が含まれて構成されていてもよい。
結着樹脂に含有されていてもよいその他の樹脂としては、例えば、非晶性ポリエステル樹脂、オレフィン系樹脂などのビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスルホン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂などが挙げられる。その他の樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
結着樹脂にその他の樹脂を含有させる場合には、最終的に得られるトナー粒子中における結着樹脂100質量部に対して50質量部未満とされることが好ましい。その他の樹脂の添加量が過多である場合は、特定の結晶性重合体の含有量が過少となって得られるトナーに十分な低温定着性を得られないおそれがある。
(4)液滴の水系分散液調製工程
この液滴の水系分散液調製工程は、上記のように調製した油相液を、転相乳化法などによって水系媒体中に分散させる工程である。
この液滴の水系分散液調製工程は、上記のように調製した油相液を、転相乳化法などによって水系媒体中に分散させる工程である。
水系媒体としては、特に制限されることなく公知の種々のものの中から適宜選択して用いることができ、例えば、水、水溶性の溶剤、これらの混合物などが挙げられるが、これらの中でも特に水を用いることが好ましい。
水溶性の有機溶媒としては、水と混和することができるものであれば特に制限はなく、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類、低級ケトン類などが挙げられる。
アルコールとしては、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなどが挙げられる。また、低級ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
水溶性の有機溶媒としては、水と混和することができるものであれば特に制限はなく、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類、低級ケトン類などが挙げられる。
アルコールとしては、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなどが挙げられる。また、低級ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
水系媒体の使用量は、油相液100質量部に対して、100〜2,000質量部であることが好ましく、100〜1,000質量部であることがより好ましい。
水系媒体の使用量を上記の範囲とすることで、水系媒体中において油相液を所望の粒径に乳化分散させることができる。
水系媒体の使用量を上記の範囲とすることで、水系媒体中において油相液を所望の粒径に乳化分散させることができる。
油相液の乳化分散は、機械的エネルギーを利用して行うことができ、乳化分散を行うための分散機としては、特に限定されるものではなく、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機、摩擦式分散機、高圧ジェット式分散機、超音波分散機などが挙げられ、具体的には例えばTK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)などを挙げることができる。
液滴の分散径は40〜15,000nmとされることが好ましく、さらに好ましくは50〜10,000nmである。
液滴の分散径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置「LA−750」(株式会社堀場製作所製)を用いて測定した体積基準のメジアン径である。この液滴の分散径は、乳化分散時の機械的エネルギーの大きさによりコントロールすることができる。
液滴の分散径は40〜15,000nmとされることが好ましく、さらに好ましくは50〜10,000nmである。
液滴の分散径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置「LA−750」(株式会社堀場製作所製)を用いて測定した体積基準のメジアン径である。この液滴の分散径は、乳化分散時の機械的エネルギーの大きさによりコントロールすることができる。
水系媒体中には、分散安定剤が溶解されていてもよく、また、この水系媒体中には、液滴の分散安定性を向上させる目的で、界面活性剤や樹脂微粒子などが添加されていてもよい。
分散安定剤としては、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイトなどの無機化合物を挙げることができるが、得られるトナー母体粒子中より分散安定剤を除去する必要があることから、リン酸三カルシウムなどのように酸やアルカリに可溶性のものを使用することが好ましく、または環境面の視点からは、酵素により分解可能なものを使用することが好ましい。
分散安定剤としては、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイトなどの無機化合物を挙げることができるが、得られるトナー母体粒子中より分散安定剤を除去する必要があることから、リン酸三カルシウムなどのように酸やアルカリに可溶性のものを使用することが好ましく、または環境面の視点からは、酵素により分解可能なものを使用することが好ましい。
(5)硬化工程
この硬化工程は、イソシアネート化プレポリマーにおけるイソシアネート基を硬化剤と反応させてウレア結合を形成させ、これによってイソシアネート化プレポリマー同士を結合させることにより、特定の結晶性重合体を生成させると同時にトナー粒子の形状を形成させる工程である。
具体的な方法としては、(A)まず、油相液に、予め硬化剤を水と接触した際にウレア化反応が開始されるよう保護した化合物を加え、当該油相液を上記工程(4)において水系媒体中に分散させたときにウレア化反応を開始させてトナー粒子の形状を形成する方法、あるいは、(B)予め水系媒体中に硬化剤を含有させておき、油相液を当該水系媒体中に分散させることによって、ウレア化反応を開始させてトナー粒子の形状を形成する方法が挙げられ、これらの方法を組み合わせてもよい。
この硬化工程は、イソシアネート化プレポリマーにおけるイソシアネート基を硬化剤と反応させてウレア結合を形成させ、これによってイソシアネート化プレポリマー同士を結合させることにより、特定の結晶性重合体を生成させると同時にトナー粒子の形状を形成させる工程である。
具体的な方法としては、(A)まず、油相液に、予め硬化剤を水と接触した際にウレア化反応が開始されるよう保護した化合物を加え、当該油相液を上記工程(4)において水系媒体中に分散させたときにウレア化反応を開始させてトナー粒子の形状を形成する方法、あるいは、(B)予め水系媒体中に硬化剤を含有させておき、油相液を当該水系媒体中に分散させることによって、ウレア化反応を開始させてトナー粒子の形状を形成する方法が挙げられ、これらの方法を組み合わせてもよい。
硬化剤としては、多価アミン化合物を用いることができる。
ウレア結合を形成させるための多価アミン化合物としては、例えばジアミン化合物、3価以上のポリアミン化合物、アミノアルコール類、アミノメルカプタン類、アミノ酸類、これらジアミン化合物、3価以上のポリアミン化合物、アミノアルコール類、アミノメルカプタン類、アミノ酸類のアミノ基をブロックしたものなどが挙げられる。
これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ウレア結合を形成させるための多価アミン化合物としては、ジアミン化合物を単独で、またはジアミン化合物と少量の3価以上のポリアミンとの混合物を用いることが好ましい。
これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ウレア結合を形成させるための多価アミン化合物としては、ジアミン化合物を単独で、またはジアミン化合物と少量の3価以上のポリアミンとの混合物を用いることが好ましい。
ジアミン化合物としては、例えば、芳香族ジアミン、脂環式ジアミン、脂肪族ジアミンなどが挙げられる。
芳香族ジアミンとしては、例えばフェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなどが挙げられる。
脂環式ジアミンとしては、例えば4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなどが挙げられる。
脂肪族ジアミンとしては、例えばエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどが挙げられる。
芳香族ジアミンとしては、例えばフェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなどが挙げられる。
脂環式ジアミンとしては、例えば4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなどが挙げられる。
脂肪族ジアミンとしては、例えばエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどが挙げられる。
3価以上のポリアミン化合物としては、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
アミノアルコール類としては、例えばエタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
アミノメルカプタン類としては、例えばアミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
アミノ酸類としては、例えばアミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
ジアミン化合物、3価以上のポリアミン化合物、アミノアルコール類、アミノメルカプタン類、アミノ酸類のアミノ基をブロックしたものとしては、例えば、ジアミン化合物、3価以上のポリアミン化合物、アミノアルコール類、アミノメルカプタン類、アミノ酸類のいずれかと、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類から得られるケチミン化合物、オキサゾリゾン化合物などが挙げられる。
アミノアルコール類としては、例えばエタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
アミノメルカプタン類としては、例えばアミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
アミノ酸類としては、例えばアミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
ジアミン化合物、3価以上のポリアミン化合物、アミノアルコール類、アミノメルカプタン類、アミノ酸類のアミノ基をブロックしたものとしては、例えば、ジアミン化合物、3価以上のポリアミン化合物、アミノアルコール類、アミノメルカプタン類、アミノ酸類のいずれかと、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類から得られるケチミン化合物、オキサゾリゾン化合物などが挙げられる。
多価アミン化合物の使用量は、イソシアネート化プレポリマー中のイソシアネート基[NCO]と、多価アミン化合物中のアミノ基[NHx]の当量比([NCO]/[NHx])が1未満となる量であること、すなわち、硬化剤が過剰に添加されることが好ましい。
なお、多価アミン化合物としてアミノアルコール類などのアミノ基および水酸基の両方を有するものを用いる場合には、イソシアネート化プレポリマー中のイソシアネート基[NCO]と、当該多価アミン化合物中の水酸基[OH]の合計とアミノ基[NHx]の合計との総合計の当量比{[NCO]/([OH]+[NHx])}が1未満となる量を使用すればよい。
なお、多価アミン化合物としてアミノアルコール類などのアミノ基および水酸基の両方を有するものを用いる場合には、イソシアネート化プレポリマー中のイソシアネート基[NCO]と、当該多価アミン化合物中の水酸基[OH]の合計とアミノ基[NHx]の合計との総合計の当量比{[NCO]/([OH]+[NHx])}が1未満となる量を使用すればよい。
このようにして得られた特定の結晶性重合体は、THF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による数平均分子量(Mn)が好ましくは5,000〜100,000、より好ましくは10,000〜80,000、重量平均分子量(Mw)が好ましくは10,000〜120,000、より好ましくは10,000〜100,000である。
特定の結晶性重合体のGPCによる分子量測定は、測定試料として特定の結晶性重合体を用いたことの他は原料の結晶性ポリエステルの分子量測定と同様の方法によって行われる。
特定の結晶性重合体のGPCによる分子量測定は、測定試料として特定の結晶性重合体を用いたことの他は原料の結晶性ポリエステルの分子量測定と同様の方法によって行われる。
特定の結晶性重合体の数平均分子量(Mn)が上記の範囲にあることにより、定着の際に好適な内部凝集力が得られてホットオフセット現象が生じることを抑制することができ、かつ、十分な溶融を得ることができて十分な最低定着温度を確保することができる。特定の結晶性重合体の数平均分子量(Mn)が過大である場合は、十分な溶融を得ることができずに高い低温定着性を得られないおそれがある。特定の結晶性重合体の数平均分子量(Mn)が過少である場合は、定着の際にホットオフセット現象が生じるおそれがある。
また、特定の結晶性重合体は、示差走査熱量測定法(DSC)の昇温工程において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを示すものである。
具体的には、特定の結晶性重合体のDSC測定によって取得される融点が、50〜90℃の範囲であることが好ましく、55〜90℃の範囲であることがより好ましい。
特定の結晶性重合体のDSC測定は、測定試料として特定の結晶性重合体を用いたことの他は原料の結晶性ポリエステルのDSC測定と同様の方法によって行われる。
具体的には、特定の結晶性重合体のDSC測定によって取得される融点が、50〜90℃の範囲であることが好ましく、55〜90℃の範囲であることがより好ましい。
特定の結晶性重合体のDSC測定は、測定試料として特定の結晶性重合体を用いたことの他は原料の結晶性ポリエステルのDSC測定と同様の方法によって行われる。
(6)有機溶媒除去工程
この有機溶媒除去工程は、硬化工程を行った後、液滴における有機溶媒を除去する工程である。この工程は、所望の全てのウレア結合の形成後を含むタイミングにおいて行われればよく、複数回に分けて行ってもよい。具体的には、例えば、硬化剤の投入前にある程度の有機溶媒を除去して液滴中のイソシアネート化プレポリマーの濃度を高めておき、その状態で硬化剤を投入してウレア結合の形成反応を行い、所望の全てのウレア結合の形成後に、最終的に有機溶媒を除去する方法を挙げることができる。
この有機溶媒除去工程は、硬化工程を行った後、液滴における有機溶媒を除去する工程である。この工程は、所望の全てのウレア結合の形成後を含むタイミングにおいて行われればよく、複数回に分けて行ってもよい。具体的には、例えば、硬化剤の投入前にある程度の有機溶媒を除去して液滴中のイソシアネート化プレポリマーの濃度を高めておき、その状態で硬化剤を投入してウレア結合の形成反応を行い、所望の全てのウレア結合の形成後に、最終的に有機溶媒を除去する方法を挙げることができる。
有機溶媒の除去処理としては、公知の有機溶媒を除去する方法を採用することができる。具体的には、液滴が水系媒体中に分散された状態の分散液全体を、減圧下で撹拌しながら徐々に昇温し、一定の温度域において溶媒を留去するなどの操作により行うことができる。
また、分散安定剤を用いてトナー粒子を形成する場合は、有機溶媒の除去処理に加えて、酸やアルカリを添加して混合することにより、当該分散安定剤の除去処理も行う。
また、分散安定剤を用いてトナー粒子を形成する場合は、有機溶媒の除去処理に加えて、酸やアルカリを添加して混合することにより、当該分散安定剤の除去処理も行う。
(7)濾過・洗浄工程
この濾過・洗浄工程では、得られたトナー粒子の分散液を冷却し、この冷却されたトナー粒子の分散液からトナー粒子を固液分離してトナー粒子を濾別する濾過処理と、濾別されたトナー粒子(ケーキ状の集合物)から界面活性剤などの付着物を除去する洗浄処理とが施される。具体的な固液分離および洗浄の方法としては、遠心分離法、ヌッチェなどを使用する減圧濾過法、フィルタープレスなどを使用する濾過法などが挙げられ、これらは特に限定されるものではない。
この濾過・洗浄工程では、得られたトナー粒子の分散液を冷却し、この冷却されたトナー粒子の分散液からトナー粒子を固液分離してトナー粒子を濾別する濾過処理と、濾別されたトナー粒子(ケーキ状の集合物)から界面活性剤などの付着物を除去する洗浄処理とが施される。具体的な固液分離および洗浄の方法としては、遠心分離法、ヌッチェなどを使用する減圧濾過法、フィルタープレスなどを使用する濾過法などが挙げられ、これらは特に限定されるものではない。
(8)乾燥工程
この乾燥工程では、洗浄処理されたトナー粒子を乾燥処理が施される。この乾燥工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などが挙げられ、これらは特に限定されるものではない。
この乾燥工程では、洗浄処理されたトナー粒子を乾燥処理が施される。この乾燥工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などが挙げられ、これらは特に限定されるものではない。
また、乾燥処理されたトナー粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集して凝集体を形成している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサーなどの機械式の解砕装置を使用することができる。
(9)外添剤添加工程
この外添剤添加工程は、乾燥処理されたトナー粒子に、流動性、帯電性の改良およびクリーニング性の向上などの目的で、荷電制御剤や種々の無機微粒子、有機微粒子、および滑剤などの外添剤を添加する工程であって、必要に応じて行われる。外添剤を添加するために使用される装置としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の混合装置を挙げることができる。
無機微粒子としては、シリカ、チタニア、アルミナなどの無機酸化物粒子の使用が好ましく、さらに、これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤などによって疎水化処理されていることが好ましい。
この外添剤の添加量は、トナー中に0.1〜5.0質量%、好ましくは0.5〜4.0質量%であることが好ましい。また、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
この外添剤添加工程は、乾燥処理されたトナー粒子に、流動性、帯電性の改良およびクリーニング性の向上などの目的で、荷電制御剤や種々の無機微粒子、有機微粒子、および滑剤などの外添剤を添加する工程であって、必要に応じて行われる。外添剤を添加するために使用される装置としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の混合装置を挙げることができる。
無機微粒子としては、シリカ、チタニア、アルミナなどの無機酸化物粒子の使用が好ましく、さらに、これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤などによって疎水化処理されていることが好ましい。
この外添剤の添加量は、トナー中に0.1〜5.0質量%、好ましくは0.5〜4.0質量%であることが好ましい。また、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
以上のような製造方法によって得られた本発明に係るトナーは、軟化点が70〜140℃、特に80〜137℃であることが好ましい。
ここに、軟化点は、以下のように測定したものである。すなわち、まず、20℃、50%RHの環境下において、トナー1.3gをシャーレに入れ平らにならし、12時間以上放置した後、成型器「SSP−10A」(島津製作所製)によって3820kg/cm2 の力で30秒間加圧し、直径1cmの円柱型の成型サンプルを作成する。次いで、この成型サンプルを、24℃、50%RHの環境下において、フローテスター「CFT−500D」(島津製作所製)により、荷重196N(20kgf)、開始温度60℃、予熱時間300秒間、昇温速度6℃/分の条件で、円柱型ダイの穴(1mm径×1mm)より、直径1cmのピストンを用いて予熱終了時から押し出し、昇温法の溶融温度測定方法でオフセット値5mmの設定で測定したオフセット法温度Toffsetを、トナーの軟化点とした。
〔トナー粒子の粒径〕
本発明に係るトナーの平均粒径は、例えば体積基準のメジアン径で3〜8μmであることが好ましく、より好ましくは5〜8μmである。この平均粒径は、製造時において使用する分散安定剤の添加量や有機溶媒の添加量、分散時間、結着樹脂の組成などによって制御することができる。
体積基準のメジアン径が上記の範囲にあることにより、1200dpiレベルの非常に微小なドット画像を忠実に再現することなどができる。
本発明に係るトナーの平均粒径は、例えば体積基準のメジアン径で3〜8μmであることが好ましく、より好ましくは5〜8μmである。この平均粒径は、製造時において使用する分散安定剤の添加量や有機溶媒の添加量、分散時間、結着樹脂の組成などによって制御することができる。
体積基準のメジアン径が上記の範囲にあることにより、1200dpiレベルの非常に微小なドット画像を忠実に再現することなどができる。
トナー粒子の体積基準のメジアン径は「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用ソフト「Software V3.51」を搭載したコンピューターシステムを接続した測定装置を用いて測定・算出されるものである。具体的には、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20mL(トナー粒子の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加して馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を調製し、このトナー分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。ここで、この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25000個、アパーチャ径を100μmにし、測定範囲である2〜60μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒子径が体積基準のメジアン径とされる。
以上のようなトナーの製造方法によれば、結着樹脂が、結晶性ポリエステルセグメントがウレア結合によって連結されてなる結晶性重合体からなるので、優れた低温定着性を有しながら機械的強度の高いトナーを製造することができる。また、着色剤がプレポリマーと共に液滴中に分散された状態においてウレア化反応が行われるので、得られるトナーが高い彩度の画像を形成することができるものとなる。
〔現像剤〕
本発明に係るトナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。本発明に係るトナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなる分散型キャリアなど用いてもよい。
キャリアの体積基準のメジアン径としては20〜100μmであることが好ましく、さらに好ましくは25〜80μmとされる。キャリアの体積基準のメジアン径は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
本発明に係るトナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。本発明に係るトナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなる分散型キャリアなど用いてもよい。
キャリアの体積基準のメジアン径としては20〜100μmであることが好ましく、さらに好ましくは25〜80μmとされる。キャリアの体積基準のメジアン径は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
好ましいキャリアとしては、磁性粒子の表面が樹脂により被覆されている樹脂被覆キャリア、樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアを挙げることができる。樹脂被覆キャリアを構成する樹脂としては、特に限定はないが、例えばオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂、フッ素含有重合体系樹脂などが挙げられる。また、樹脂分散型キャリアを構成する樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えばアクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。
以上、本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発明の実施の形態は上記の例に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1:トナーの製造例1〕
(1)末端に水酸基を有する低分子量の結晶性ポリエステルの合成
・セバシン酸(ジカルボン酸成分) 150質量部
・1,6−へキサンジオール(ジオール成分) 97質量部
・ジブチルスズオキシド 1質量部
からなる材料をフラスコ内で混合し、減圧雰囲気下で220℃まで加熱し、6時間加熱混合することにより、末端に水酸基を有する結晶性ポリエステル〔a〕を得た。
得られた結晶性ポリエステル〔a〕は、数平均分子量(Mn)が1,800であり、融点が66℃であった。
(1)末端に水酸基を有する低分子量の結晶性ポリエステルの合成
・セバシン酸(ジカルボン酸成分) 150質量部
・1,6−へキサンジオール(ジオール成分) 97質量部
・ジブチルスズオキシド 1質量部
からなる材料をフラスコ内で混合し、減圧雰囲気下で220℃まで加熱し、6時間加熱混合することにより、末端に水酸基を有する結晶性ポリエステル〔a〕を得た。
得られた結晶性ポリエステル〔a〕は、数平均分子量(Mn)が1,800であり、融点が66℃であった。
(2)結晶性ポリエステルの末端のイソシアネート化
・結晶性ポリエステル〔a〕 100質量部
・イソホロンジイソシアネート 30質量部
・酢酸エチル 120質量部
からなる材料をオートクレーブに投入し、密閉状態で100℃にて5時間反応を行うことにより、末端がイソシアネート化された結晶性ポリエステルを含有するプレポリマー溶液〔A1〕を調製した。
・結晶性ポリエステル〔a〕 100質量部
・イソホロンジイソシアネート 30質量部
・酢酸エチル 120質量部
からなる材料をオートクレーブに投入し、密閉状態で100℃にて5時間反応を行うことにより、末端がイソシアネート化された結晶性ポリエステルを含有するプレポリマー溶液〔A1〕を調製した。
(3)硬化用混合液の調製
・イソホロンジアミン 50質量部
・メチルエチルケトン(MEK) 100質量部
を、撹拌機、脱溶剤装置、温度計をセットした反応容器に投入し、50℃で5時間反応を行うことにより、ケチミン化合物を含む硬化用混合液〔1〕を得た。
・イソホロンジアミン 50質量部
・メチルエチルケトン(MEK) 100質量部
を、撹拌機、脱溶剤装置、温度計をセットした反応容器に投入し、50℃で5時間反応を行うことにより、ケチミン化合物を含む硬化用混合液〔1〕を得た。
(4)着色剤分散液の調製
・シアン顔料(Pigment Blue 15:3) 100質量部
・酢酸エチル 150質量部
・ガラスビーズ(1mm) 200質量部
からなる材料を耐熱性のガラス容器に投入し、ペイントシェーカーにて5時間分散を行い、ナイロンメッシュによりガラスビーズを取り除くことにより、着色剤分散液〔1〕を調製した。
・シアン顔料(Pigment Blue 15:3) 100質量部
・酢酸エチル 150質量部
・ガラスビーズ(1mm) 200質量部
からなる材料を耐熱性のガラス容器に投入し、ペイントシェーカーにて5時間分散を行い、ナイロンメッシュによりガラスビーズを取り除くことにより、着色剤分散液〔1〕を調製した。
(5)ワックス分散液の調製
・カルナバワックス 20質量部
・ニトリル基含有スチレンアクリル樹脂 10質量部
・酢酸エチル 200質量部
からなる材料をフラスコに投入し、70℃に加熱撹拌してカルナバワックスを溶解させた後、撹拌しながら冷却して乳白色の液体を得た。この液体を1mmのガラスビーズ20質量部と共に耐熱性の容器に投入し、ペイントシェーカーにて3時間の分散を行うことにより、ワックス分散液〔1〕を調製した。
・カルナバワックス 20質量部
・ニトリル基含有スチレンアクリル樹脂 10質量部
・酢酸エチル 200質量部
からなる材料をフラスコに投入し、70℃に加熱撹拌してカルナバワックスを溶解させた後、撹拌しながら冷却して乳白色の液体を得た。この液体を1mmのガラスビーズ20質量部と共に耐熱性の容器に投入し、ペイントシェーカーにて3時間の分散を行うことにより、ワックス分散液〔1〕を調製した。
(6)水相の調製
・りん酸三カルシウム 30質量部
・イオン交換水 300質量部
からなる材料を混合することにより水相〔1〕を得た。
・りん酸三カルシウム 30質量部
・イオン交換水 300質量部
からなる材料を混合することにより水相〔1〕を得た。
(7)トナー母体粒子の作製
・プレポリマー溶液〔A1〕 100質量部
・着色剤分散液〔1〕 5質量部
・ワックス分散液〔1〕 70質量部
からなる材料をビーカーに投入し、ホモジナイザーを用いて溶解・混合した。次いで、硬化用混合液〔1〕50質量部を加え、さらにホモジナイザーで混合した。この混合液を水相〔1〕300質量部に添加し、TKホモミキサーを使用して回転数12000rpmで25℃にて1分間混合し、液滴の水系分散液〔1〕を得た。
撹拌機、温度計を設置した容器に液滴の水系分散液〔1〕を投入し、減圧しながら40℃にて脱溶剤することにより、トナー分散液〔1〕を得た。
このトナー分散液〔1〕100質量部を減圧濾過した後、ろ過ケーキにイオン交換水100質量部を加え、TKホモミキサーによって12000rpmで10分間混合した後、ろ過する操作を2回行った。次いで、得られたろ過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100質量部を加え、TKホモミキサーによって12000rpmで10分間混合した後、ろ過した。さらに、得られたろ過ケーキにイオン交換水300質量部を加え、TKホモミキサーによって12000rpmで10分間混合した後、ろ過する操作を3回行った。さらに、得られたろ過ケーキに10%塩酸水溶液100質量部を加え、TKホモミキサーによって12000rpmで10分間混合した後、ろ過した。さらに、得られたろ過ケーキにイオン交換水300質量部を加え、TKホモミキサーによって12000rpmで10分間混合した後、ろ過する操作を3回行い、最終ケーキを得た。得られた最終ケーキを気流式乾燥機によって乾燥することにより、トナー母体粒子〔1〕を得た。
トナー母体粒子〔1〕の体積基準のメジアン径は6.7μmであった。
・プレポリマー溶液〔A1〕 100質量部
・着色剤分散液〔1〕 5質量部
・ワックス分散液〔1〕 70質量部
からなる材料をビーカーに投入し、ホモジナイザーを用いて溶解・混合した。次いで、硬化用混合液〔1〕50質量部を加え、さらにホモジナイザーで混合した。この混合液を水相〔1〕300質量部に添加し、TKホモミキサーを使用して回転数12000rpmで25℃にて1分間混合し、液滴の水系分散液〔1〕を得た。
撹拌機、温度計を設置した容器に液滴の水系分散液〔1〕を投入し、減圧しながら40℃にて脱溶剤することにより、トナー分散液〔1〕を得た。
このトナー分散液〔1〕100質量部を減圧濾過した後、ろ過ケーキにイオン交換水100質量部を加え、TKホモミキサーによって12000rpmで10分間混合した後、ろ過する操作を2回行った。次いで、得られたろ過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100質量部を加え、TKホモミキサーによって12000rpmで10分間混合した後、ろ過した。さらに、得られたろ過ケーキにイオン交換水300質量部を加え、TKホモミキサーによって12000rpmで10分間混合した後、ろ過する操作を3回行った。さらに、得られたろ過ケーキに10%塩酸水溶液100質量部を加え、TKホモミキサーによって12000rpmで10分間混合した後、ろ過した。さらに、得られたろ過ケーキにイオン交換水300質量部を加え、TKホモミキサーによって12000rpmで10分間混合した後、ろ過する操作を3回行い、最終ケーキを得た。得られた最終ケーキを気流式乾燥機によって乾燥することにより、トナー母体粒子〔1〕を得た。
トナー母体粒子〔1〕の体積基準のメジアン径は6.7μmであった。
(8)外添剤の添加
得られたトナー母体粒子〔1〕100質量部に、疎水性シリカ0.6質量部および疎水性チタニア1.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサーによって混合した。なお、ヘンシェルミキサーの回転翼周速は35mm/secとし、32℃で20分間混合した。この後、目開き45μmの篩を通すことにより、トナー〔1〕を得た。
得られたトナー母体粒子〔1〕100質量部に、疎水性シリカ0.6質量部および疎水性チタニア1.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサーによって混合した。なお、ヘンシェルミキサーの回転翼周速は35mm/secとし、32℃で20分間混合した。この後、目開き45μmの篩を通すことにより、トナー〔1〕を得た。
〔実施例2〜7:トナーの製造例2〜7〕
トナーの製造例1において、ジカルボン酸成分およびジオール成分として、表1に記載のものを用いたことの他は同様にして、トナー〔2〕〜〔7〕を得た。
トナーの製造例1において、ジカルボン酸成分およびジオール成分として、表1に記載のものを用いたことの他は同様にして、トナー〔2〕〜〔7〕を得た。
〔比較例1:トナーの製造例8〕
トナーの製造例1において、イソホロンジイソシアネートおよびイソホロンジアミンを用いなかったことの他は同様にして、トナー〔8〕を得た。
トナーの製造例1において、イソホロンジイソシアネートおよびイソホロンジアミンを用いなかったことの他は同様にして、トナー〔8〕を得た。
〔比較例2:トナーの製造例9〕
(1)結晶性ポリマーの合成工程
トナーの製造例1において、着色剤分散液およびワックス分散液を用いないこと以外は同様にして、結晶性ポリマー〔1〕を得た。
(2)混合工程
下記の材料を「ヘンシェルミキサー」(三井鉱山社製)により、撹拌羽の周速を25m/秒とした条件において5分間混合することにより混合物を得た。
・結晶性ポリマー〔1〕 100質量部
・シアン顔料(Pigment Blue 15:3) 4質量部
・カルナバワックス 6質量部
(3)混練工程
得られた混合物を二軸押出混練機により110℃に加熱しながら混練して混練物を得、その後この混練物を冷却した。
(4)粉砕工程
得られた混練物を「ハンマーミル」(ホソカワミクロン社製)により粗粉砕した後、「ターボミルT−400型」(ターボ工業社製)により微粉砕して微粉末を得た。
(5)分級工程
得られた微粉末を風力分級機により微粉分級を行なうことにより、トナー母体粒子〔9〕を得た。
(6)外添工程
このトナー母体粒子〔9〕について、トナー母体粒子〔1〕と同様にして、疎水性シリカ0.6質量部および疎水性チタニア1.0質量部を添加し、混合することにより、トナー〔9〕を得た。
(1)結晶性ポリマーの合成工程
トナーの製造例1において、着色剤分散液およびワックス分散液を用いないこと以外は同様にして、結晶性ポリマー〔1〕を得た。
(2)混合工程
下記の材料を「ヘンシェルミキサー」(三井鉱山社製)により、撹拌羽の周速を25m/秒とした条件において5分間混合することにより混合物を得た。
・結晶性ポリマー〔1〕 100質量部
・シアン顔料(Pigment Blue 15:3) 4質量部
・カルナバワックス 6質量部
(3)混練工程
得られた混合物を二軸押出混練機により110℃に加熱しながら混練して混練物を得、その後この混練物を冷却した。
(4)粉砕工程
得られた混練物を「ハンマーミル」(ホソカワミクロン社製)により粗粉砕した後、「ターボミルT−400型」(ターボ工業社製)により微粉砕して微粉末を得た。
(5)分級工程
得られた微粉末を風力分級機により微粉分級を行なうことにより、トナー母体粒子〔9〕を得た。
(6)外添工程
このトナー母体粒子〔9〕について、トナー母体粒子〔1〕と同様にして、疎水性シリカ0.6質量部および疎水性チタニア1.0質量部を添加し、混合することにより、トナー〔9〕を得た。
〔現像剤の製造例1〜9〕
フェライトコア粒子100質量部とシクロヘキシルメタクリレート/メチルメタクリレート(共重合比5/5)の共重合体樹脂粒子5質量部とを、撹拌羽根付き高速混合機に投入し、120℃で30分間撹拌混合して機械的衝撃力の作用でフェライトコア粒子の表面に樹脂コート層を形成させることにより、体積基準のメジアン径が35μmであるフェライトキャリアを得た。
トナー〔1〕〜〔9〕の各々に対して、上記のキャリアをトナー濃度が6%となるように添加し、V型混合機によって混合することにより、本発明に係る現像剤〔1〕〜〔7〕および比較用の現像剤〔8〕,〔9〕を製造した。
フェライトコア粒子100質量部とシクロヘキシルメタクリレート/メチルメタクリレート(共重合比5/5)の共重合体樹脂粒子5質量部とを、撹拌羽根付き高速混合機に投入し、120℃で30分間撹拌混合して機械的衝撃力の作用でフェライトコア粒子の表面に樹脂コート層を形成させることにより、体積基準のメジアン径が35μmであるフェライトキャリアを得た。
トナー〔1〕〜〔9〕の各々に対して、上記のキャリアをトナー濃度が6%となるように添加し、V型混合機によって混合することにより、本発明に係る現像剤〔1〕〜〔7〕および比較用の現像剤〔8〕,〔9〕を製造した。
(評価1)機械的強度
トナー〔1〕〜〔9〕それぞれ100gを、φ2mmのガラスビーズ200gと共に500mLのポリポットに投入し、このポリポットをタービュラーミキサーにセットし、1時間撹拌する撹拌処理後、200メッシュの篩にてガラスビーズを除去した。
そして、撹拌処理前後のトナーの粒度分布を「コールターマルチサイザー」により測定し、粒径が4μm以下であるトナー粒子の個数%(破砕粒子の割合)を測定し、下記式(1)に従って算出した破砕指数によって評価した。結果を表1に示す。なお、破砕指数が小さいほどトナーの機械的強度が高いことを示し、本発明においては破砕指数が1.0以下である場合を合格とする。
式(1):破砕指数=(撹拌処理前の破砕粒子の割合)/(撹拌処理後の破砕粒子の割合)
トナー〔1〕〜〔9〕それぞれ100gを、φ2mmのガラスビーズ200gと共に500mLのポリポットに投入し、このポリポットをタービュラーミキサーにセットし、1時間撹拌する撹拌処理後、200メッシュの篩にてガラスビーズを除去した。
そして、撹拌処理前後のトナーの粒度分布を「コールターマルチサイザー」により測定し、粒径が4μm以下であるトナー粒子の個数%(破砕粒子の割合)を測定し、下記式(1)に従って算出した破砕指数によって評価した。結果を表1に示す。なお、破砕指数が小さいほどトナーの機械的強度が高いことを示し、本発明においては破砕指数が1.0以下である場合を合格とする。
式(1):破砕指数=(撹拌処理前の破砕粒子の割合)/(撹拌処理後の破砕粒子の割合)
(評価2)彩度
現像剤〔1〕〜〔9〕をそれぞれ用いて、市販の画像形成装置「bizhub PRO C6500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)によって、デフォルトモードで、サイズが2cm×2cm、トナー付着量が4.0g/m2 であるシアン単色(C)のベタ画像(色域測定用のテストチャート)を出力した。
そして、この色域測定用のテストチャートを、「Spectrolina/Scan Bundle」(Gretag Macbeth社製)を用いてシアンの色度を以下の測定条件で測定し、測定された色度をa* −b* 座標に表し、下記式(2)に従って算出した彩度C* によって評価した。結果を表1に示す。なお、本発明においては彩度C* が63以上である場合を合格レベルとする。
式(2):彩度C* =〔(a* )2 +(b* )2 〕1/2
−測定条件−
・光源:D50光源
・観測視野:2°
・濃度:ANSI T
・白色基準:Abs
・フィルタ:UV Cut
・測定モード:リフレクタンス
・言語:Japanese
現像剤〔1〕〜〔9〕をそれぞれ用いて、市販の画像形成装置「bizhub PRO C6500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)によって、デフォルトモードで、サイズが2cm×2cm、トナー付着量が4.0g/m2 であるシアン単色(C)のベタ画像(色域測定用のテストチャート)を出力した。
そして、この色域測定用のテストチャートを、「Spectrolina/Scan Bundle」(Gretag Macbeth社製)を用いてシアンの色度を以下の測定条件で測定し、測定された色度をa* −b* 座標に表し、下記式(2)に従って算出した彩度C* によって評価した。結果を表1に示す。なお、本発明においては彩度C* が63以上である場合を合格レベルとする。
式(2):彩度C* =〔(a* )2 +(b* )2 〕1/2
−測定条件−
・光源:D50光源
・観測視野:2°
・濃度:ANSI T
・白色基準:Abs
・フィルタ:UV Cut
・測定モード:リフレクタンス
・言語:Japanese
Claims (6)
- 結着樹脂および着色剤を含有するトナー粒子からなる静電荷像現像用トナーを製造する方法であって、
結着樹脂が、結晶性ポリエステルセグメントがウレア結合によって連結されてなる結晶性重合体からなり、
水系媒体中に、前記結晶性ポリエステルセグメントとなるべき低分子量の結晶性ポリエステルの末端をイソシアネート化したプレポリマーおよび着色剤を含有する液滴を分散させ、当該液滴中においてウレア化反応を行うことにより、前記結晶性重合体を得る工程を有することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。 - 前記低分子量の結晶性ポリエステルの数平均分子量が、100〜10,000であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記低分子量の結晶性ポリエステルの融点が、55〜95℃であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記結晶性重合体の数平均分子量が、5,000〜100,000であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記結晶性重合体の融点が、50〜90℃であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記トナー粒子が離型剤を含有するものであり、
当該離型剤が、前記プレポリマーと共に液滴中に溶解または分散されることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
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---|---|---|---|---|
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