JP2014185945A - 超音波検査装置、および超音波検査方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】実施形態に係る超音波検査装置は、第1の部材にレーザ光を照射して超音波振動を生起させる振動生起部と、溶接部を介し、前記第1の部材より第2の部材に伝播された超音波振動を検出する検出部と、前記検出部により検出された前記伝播された超音波振動を解析する解析部と、を備えている。
そして、前記解析部は、前記第2の部材の厚み方向の変位が最大となる際の前記検出部により検出された超音波振動の周波数および波長の少なくともいずれかを求め、予め求められた、前記第2の部材の前記第1の部材の側の面の位置における溶接部の断面寸法と、前記超音波振動の周波数および波長の少なくともいずれかと、の相関関係から前記溶接部の断面寸法を求める。
【選択図】図1
Description
そして、母材が共振する周波数を予め求めておき、超音波振動を発生させる位置と超音波振動を検出する位置とを走査し、母材が共振する周波数よりも低い周波数で共振する領域の寸法を走査位置から求め、求められた領域の寸法を溶接部の寸法とする技術が提案されている。
しかしながら、超音波検査方法が煩雑となったり、超音波検査装置が複雑となったりするおそれがある。
そのため、溶接部の寸法を簡易に検出することができる技術の開発が望まれていた。
そして、前記解析部は、前記第2の部材の厚み方向の変位が最大となる際の前記検出部により検出された超音波振動の周波数および波長の少なくともいずれかを求め、予め求められた、前記第2の部材の前記第1の部材の側の面の位置における溶接部の断面寸法と、前記超音波振動の周波数および波長の少なくともいずれかと、の相関関係から前記溶接部の断面寸法を求める。
図1は、本実施の形態に係る超音波検査装置1を例示するための模式図である。
図1に示すように、検査対象100は、部材101(第1の部材の一例に相当する)と部材102(第2の部材の一例に相当する)とを重ね合わせた部分において溶接したものである。例えば、部材101と部材102とをプラグ溶接(plug weld)またはスロット溶接(slot weld)したものである。
溶接された部分は、溶接部103として表している。
部材101および部材102の材料には、特に限定はない。部材101および部材102の材料は、例えば、金属や樹脂などとすることができる。
しかしながら、溶接部103のうち、部材101と部材102との間に形成された部分は、溶接の状態を外部から観察することができない。
そして、外部から観察することができない溶接部103の断面寸法Wは、溶接強度の適否に大きな影響を及ぼす。
そのため、外部から観察することができない溶接部103の断面寸法Wを検出することができれば、溶接強度の適否の判定を行うことができる。
本実施の形態に係る超音波検査装置1は、後述するように、溶接部103の断面寸法Wを簡易に検出することができる。またさらに、検出された溶接部103の断面寸法Wと、予め求められた閾値と、に基づいて溶接強度の適否を判定することができる。
超音波検査装置1には、振動生起部2、検出部5、解析部9、および制御部14が設けられている。
振動生起部2は、部材101にレーザ光L1を照射して部材101に超音波振動を生起させる。
振動生起部2には、レーザ光源3と照射ヘッド4が設けられている。
ただし、レーザ光源3は、例示をしたものに限定されるわけではなく、検査対象100に超音波振動を生起させることができるものであればよい。
また、検出部5は、検出された超音波振動を電気信号に変換する。
検出部5は、例えば、レーザ干渉計とすることができる。
検出部5には、レーザ光源6、ヘッド7、および変換部8が設けられている。
ヘッド7は、光ファイバ13bを介してレーザ光源6と接続されている。また、ヘッド7は、光ファイバ13cを介して変換部8と接続されている。なお、光ファイバ13b、13cによる接続に限定されるわけではなく、光学的に接続されていればよい。
そして、検出部5は、経過時間に対する干渉光の強度の変化(経過時間に対する部材102の厚み方向の変位)を検出することで、部材102に伝播された超音波振動を検出する。
なお、検出部5がレーザ干渉計である場合を例示したが、これに限定されるわけではない。部材102に伝播された超音波振動を検出できるものであればよい。例えば、検出部5は、圧電素子を備えたものとすることもできる。
ただし、検出部5をレーザ干渉計などの非接触で検出が可能なものとすれば、検査対象に対する適用範囲を拡げることができる。
例えば、解析部9は、検出部5により検出された超音波振動に基づいて溶接部103の断面寸法Wを求める。またさらに、解析部9は、求められた溶接部103の断面寸法Wに基づいて溶接強度の適否を判定する。
解析部9には、演算部10、判定部11、および表示部12が設けられている。
演算部10は、例えば、レーザ光L2が照射された位置に到達した超音波振動の周波数解析を行うことで、溶接部103の断面寸法Wを演算する。超音波振動の周波数解析は、例えば、高速フーリエ変換(FFT)を用いて行うことができる。
なお、溶接部103の断面寸法Wの求め方に関する詳細は後述する。
まず、制御部14により、レーザ光源3からレーザ光L1を出射させる。レーザ光源3から出射したレーザ光L1は、光ファイバ13aを介して照射ヘッド4に入射する。照射ヘッド4に入射したレーザ光L1は、部材101の表面に照射される。部材101の表面にレーザ光L1が照射されると、部材101の表面に熱歪みなどが発生し、部材101に高周波弾性波(超音波)が発生する。すなわち、超音波振動が発生する。発生した超音波振動は、部材101を伝播し、溶接部103を介して部材102に伝播する。
図2(a)は、図1中のA部における超音波振動を例示するための模式図である。
図2(b)は、図1中のB部における超音波振動を例示するための模式図である。
図2(c)は、図1中のC部における超音波振動を例示するための模式図である。
図2(d)は、図1中のD部における超音波振動を例示するための模式図である。
次に、部材101におけるレーザ光L1が照射された位置において発生した超音波振動は、部材101を伝播する。この際、短い波長を有する(高い周波数を有する)超音波振動は、伝播がし難いという性質を有する。
そのため、図2(c)に示すように、部材102における溶接部103の近傍の位置(図1中におけるC部)には、部材101における溶接部103の近傍の位置に到達した超音波振動のうち短い波長を有する(高い周波数を有する)超音波振動のみが到達する。
そのため、レーザ光L2が照射された位置に到達した超音波振動の波長や周波数を解析することで、溶接部103の断面寸法Wを求めることができる。また、求められた溶接部103の断面寸法Wに基づいて、溶接強度の適否を判定することができる。
図3は、レーザ光L2が照射された位置に到達した超音波振動を高速フーリエ変換を用いて周波数解析したものである。
図3中のS1は溶接部103の断面寸法Wが1mmの場合、S2は溶接部103の断面寸法Wが0.5mmの場合、S3は溶接部103の断面寸法Wが0.1mmの場合である。
そのため、図3に示すように、溶接部103の断面寸法Wに応じて周波数特性が変化する。そして、溶接部103の断面寸法Wが変化すると、部材102の厚み方向の変位が最大となる周波数が変化することが分かる。例えば、溶接部103の断面寸法Wが1mmの場合には、周波数F1において部材102の厚み方向の変位が最大となる。溶接部103の断面寸法Wが0.5mmの場合には、周波数F2において部材102の厚み方向の変位が最大となる。溶接部103の断面寸法Wが0.1mmの場合には、周波数F3において部材102の厚み方向の変位が最大となる。
なお、溶接部103の断面寸法Wが小さくなれば厚み方向の変位が小さくなることを利用して、ピーク周波数において厚み方向の変位が予め定められた閾値を超える場合には、適正であると判断することもできる。
また、求められた溶接部103の断面寸法Wと、予め求められた閾値と、に基づいて溶接強度の適否を判定する工程をさらに備えることができる。
すなわち、溶接部103の断面寸法Wを簡易に検出することができる。またさらに、溶接強度が適正であるか否かを簡易に判定することができる。
Claims (10)
- 第1の部材にレーザ光を照射して超音波振動を生起させる振動生起部と、
溶接部を介し、前記第1の部材より第2の部材に伝播された超音波振動を検出する検出部と、
前記検出部により検出された前記伝播された超音波振動を解析する解析部と、
を備え、
前記解析部は、前記第2の部材の厚み方向の変位が最大となる際の前記検出部により検出された超音波振動の周波数および波長の少なくともいずれかを求め、予め求められた、前記第2の部材の前記第1の部材の側の面の位置における溶接部の断面寸法と、前記超音波振動の周波数および波長の少なくともいずれかと、の相関関係から前記溶接部の断面寸法を求める超音波検査装置。 - 前記第2の部材の厚み方向の変位が最大となる際の前記検出部により検出された超音波振動の周波数をF、前記溶接部の断面寸法をW、伝播する前記超音波振動の速度をVとした場合に、以下の式を満足する請求項1記載の超音波検査装置。
V/5W≦F≦V/W - 前記検出部は、前記振動生起部により生起され、前記第1の部材から前記溶接部を介して前記第2の部材に伝播した前記超音波振動を検出する請求項1または2に記載の超音波検査装置。
- 前記解析部は、求められた前記溶接部の断面寸法と、予め求められた閾値と、に基づいて溶接強度の適否を判定する請求項1〜3のいずれか1つに記載の超音波検査装置。
- 前記溶接部は、プラグ溶接、スロット溶接、およびスポット溶接からなる群より選ばれた少なくとも1種により形成された請求項1〜4のいずれか1つに記載の超音波検査装置。
- 第1の部材にレーザ光を照射して超音波振動を生起させる工程と、
溶接部を介し、前記第1の部材より第2の部材に伝播された超音波振動を検出する工程と、
前記第2の部材の厚み方向の変位が最大となる際の前記検出された超音波振動の周波数および波長の少なくともいずれかを求め、予め求められた、前記第2の部材の前記第1の部材の側の面の位置における溶接部の断面寸法と、前記超音波振動の周波数および波長の少なくともいずれかと、の相関関係から前記溶接部の断面寸法を求める工程と、
を備えた超音波検査方法。 - 前記第2の部材の厚み方向の変位が最大となる際の前記検出された超音波振動の周波数をF、前記溶接部の断面寸法をW、伝播する前記超音波振動の速度をVとした場合に、以下の式を満足する請求項6記載の超音波検査方法。
V/5W≦F≦V/W - 前記溶接部を介し、前記第1の部材より第2の部材に伝播された超音波振動を検出する工程において、
前記第1の部材にレーザ光を照射することで生起され、前記第1の部材から前記溶接部を介して前記第2の部材に伝播した前記超音波振動を検出する請求項6または7に記載の超音波検査方法。 - 求められた前記溶接部の断面寸法と、予め求められた閾値と、に基づいて溶接強度の適否を判定する工程をさらに備えた請求項6〜8のいずれか1つに記載の超音波検査方法。
- 前記溶接部は、プラグ溶接、スロット溶接、およびスポット溶接からなる群より選ばれた少なくとも1種により形成された請求項6〜9のいずれか1つに記載の超音波検査方法。
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