JP2008151763A - 溶接部測定方法及び溶接部測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】非破壊、非接触での測定が可能で、且つ適用性が高い溶接部の溶込み深さ測定方法及び溶込み深さ測定装置を提供する。
【解決手段】送信用レーザビームを照射して溶接部6に超音波を励起させて、溶接部6の底面6aで反射した反射波を、溶接部6に照射した受信用レーザビームによって受信して、受信した反射波のパルス幅Hに基き溶接部6の溶込み深さを測定するので、溶接部6の溶込み深さを非破壊、非接触で測定することができる。また、従来技術の超音波を用いた測定のように超音波センサと溶接部とを液体媒質を介して接触させることがないので、溶接部6が狭小であったり複雑な形状であったりしても適用が可能である。
【選択図】図1
【解決手段】送信用レーザビームを照射して溶接部6に超音波を励起させて、溶接部6の底面6aで反射した反射波を、溶接部6に照射した受信用レーザビームによって受信して、受信した反射波のパルス幅Hに基き溶接部6の溶込み深さを測定するので、溶接部6の溶込み深さを非破壊、非接触で測定することができる。また、従来技術の超音波を用いた測定のように超音波センサと溶接部とを液体媒質を介して接触させることがないので、溶接部6が狭小であったり複雑な形状であったりしても適用が可能である。
【選択図】図1
Description
本発明は、溶接部測定方法及び溶接部測定装置に関するもので、特に、溶接部の溶込み深さを測定する方法及び装置に関する。
一般に、溶接部の溶込み深さを測定する場合、切断された溶接部の断面が計測されている。この場合、溶接部の切断に手間と時間とを要すると共に、測定対象として使用された部品は廃棄されて無駄になるため、測定対象物を破壊することなく溶接部の溶込み深さを測定することが要望されていた。そこで、圧電素子等の超音波センサを液体媒質を介して溶接部に接触させることで溶接部に超音波信号を送受信し、受信した超音波信号(エコー)に基き溶接部の溶込み深さを測定する溶接部の検査方法が従来知られている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、この検査方法は、超音波信号が気体を介すると測定精度が著しく低下するため、測定を液体中(水中)で行う必要があった。したがって、従来の検査方法では、測定対象物並びに超音波センサを収容するための水槽が必要であり、装置が大型化されると共に水を使用することで段取り作業に手間と時間とを要する。そこで、超音波センサと溶接部とをジェル状のカプラント(液体媒質)を介して接触させることで水槽を廃止することができるが、溶接部が狭小であったり、溶接部の形状が複雑である場合、当該溶接部に超音波センサを適切に接触させるのが難しく、適用性に問題がある。
特開2002−214207号公報
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、非破壊、非接触での測定が可能で、且つ適用性が高い溶接部測定方法及び溶接部測定装置を提供することを課題としてなされたものである。
上記課題を解決するために、本発明の溶接部測定方法は、測定対象物の溶接部を測定する方法であって、溶接部にパルス発振の送信用レーザビームを照射して溶接部の内部に超音波を励起させて、溶接部の底面で反射した超音波の反射波を溶接部に照射した受信用レーザビームによって受信して、該受信用レーザビームによって受信された反射波に基き、溶接部の溶込み深さを測定することを特徴とする。
本発明の溶接部測定方法によれば、溶接部にパルス発振の送信用レーザビームを照射して溶接部の内部に超音波を励起させる。溶接部の内部を透過した超音波は、溶接部の底面で反射して受信用レーザビームによって受信される。そして、本測定方法では、この受信した反射波に基き溶接部の溶込み深さが測定される。これにより、溶接部の溶込み深さを非破壊、非接触にて測定することができる。また、圧電素子等の超音波センサを液体媒質を介して溶接部に接触させる従来技術と比較して、水槽を必要とせず装置を小型化することができると共に、溶接部が狭小である場合等への適用性を高めることができる。
本発明の溶接部測定方法によれば、溶接部にパルス発振の送信用レーザビームを照射して溶接部の内部に超音波を励起させる。溶接部の内部を透過した超音波は、溶接部の底面で反射して受信用レーザビームによって受信される。そして、本測定方法では、この受信した反射波に基き溶接部の溶込み深さが測定される。これにより、溶接部の溶込み深さを非破壊、非接触にて測定することができる。また、圧電素子等の超音波センサを液体媒質を介して溶接部に接触させる従来技術と比較して、水槽を必要とせず装置を小型化することができると共に、溶接部が狭小である場合等への適用性を高めることができる。
上記課題を解決するために、本発明の溶接部測定装置は、測定対象物の溶接部の形状を測定する装置であって、溶接部にパルス発振の送信用レーザビームを照射して溶接部の内部に超音波を励起させる送信部と、溶接部に受信用レーザビームを照射して溶接部の底面で反射した超音波の反射波を受信する受信部と、受信部によって受信した超音波の反射波を解析して該反射波のパルス幅に基き溶接部の溶込み深さを導出する導出部と、を具備することを特徴とする。
本発明の溶接部測定装置によれば、送信部は、溶接部にパルス発振の送信用レーザビームを照射して溶接部の内部に超音波を励起させる。溶接部の内部を透過した超音波は、溶接部の底面で反射する。受信部は、この溶接部の底面で反射した反射波を溶接部に照射した受信用レーザビームによって受信する。そして、本測定装置の導出部は、受信部で受信した反射波に基き、溶接部の溶込み深さを導出する。これにより、溶接部の溶込み深さを非破壊、非接触で測定することができる。また、圧電素子等の超音波センサを液体媒質を介して溶接部に接触させる従来技術と比較して、水槽を必要とせず装置を小型化することができると共に、溶接部が狭小である場合等への適用性を高めることができる。
本発明の溶接部測定装置によれば、送信部は、溶接部にパルス発振の送信用レーザビームを照射して溶接部の内部に超音波を励起させる。溶接部の内部を透過した超音波は、溶接部の底面で反射する。受信部は、この溶接部の底面で反射した反射波を溶接部に照射した受信用レーザビームによって受信する。そして、本測定装置の導出部は、受信部で受信した反射波に基き、溶接部の溶込み深さを導出する。これにより、溶接部の溶込み深さを非破壊、非接触で測定することができる。また、圧電素子等の超音波センサを液体媒質を介して溶接部に接触させる従来技術と比較して、水槽を必要とせず装置を小型化することができると共に、溶接部が狭小である場合等への適用性を高めることができる。
(発明の態様)
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、請求可能発明と称する)の態様を例示し、例示された各態様について説明する。ここでは、各態様を、特許請求の範囲と同様に、項に区分すると共に各項に番号を付し、必要に応じて他の項の記載を引用する形式で記載する。これは、請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載、実施形態の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得る。
なお、以下の各項において、(1)〜(10)項の各々が、請求項1〜10の各々に相当する。
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、請求可能発明と称する)の態様を例示し、例示された各態様について説明する。ここでは、各態様を、特許請求の範囲と同様に、項に区分すると共に各項に番号を付し、必要に応じて他の項の記載を引用する形式で記載する。これは、請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載、実施形態の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得る。
なお、以下の各項において、(1)〜(10)項の各々が、請求項1〜10の各々に相当する。
(1)測定対象物の溶接部を測定する方法であって、溶接部にパルス発振の送信用レーザビームを照射して溶接部の内部に超音波を励起させて、溶接部の底面で反射した超音波の反射波を溶接部に照射した受信用レーザビームによって受信して、該受信用レーザビームによって受信された反射波に基き、溶接部の溶込み深さを測定することを特徴とする溶接部測定方法。
本項に記載の溶接部測定方法は、溶接部にパルス発振の送信用レーザビームを照射して溶接部の内部に超音波を励起させて、溶接部の内部を透過して溶接部の底面で反射した反射波を、当該溶接部に照射した受信用レーザビームによって受信して、この受信した反射波に基き溶接部の溶込み深さを測定するので、溶接部の溶込み深さを非破壊、非接触で測定することができる。また、圧電素子等の超音波センサを液体媒質を介して溶接部に接触させる従来技術と比較して、水槽を必要としないので装置を小型化することができると共に、溶接部が狭小であったり複雑な形状であっても適用することができる。
本項の態様において、送信用レーザビームは、例えば、高エネルギ、ショートパルス発振のQスイッチNd:YAGレーザを用いる。送信用レーザビームは、レーザ光源から送信用光ファイバを介して送信用照射ヘッドに伝送されて、該送信用照射ヘッドから溶接部に向けて照射される。また、受信用レーザビームは、例えば、連続発振又はロングパルス発振のNd:YAGレーザを用いる。受信用レーザビームは、レーザ光源から受信用光ファイバを介して受信用照射ヘッドに伝送されて、該受信用照射ヘッドから溶接部に向けて照射される。溶接部の表面での反射成分(反射波)を受信した受信用レーザビームは、同じ経路(受信用光ファイバ)を経由して光干渉計(ファブリ・ペロー干渉計)に入射されて、該光干渉計を透過して光検出器によって電気信号に変換される。そして、この電気信号に基き溶接部の溶込み深さが測定される。
本項に記載の溶接部測定方法は、溶接部にパルス発振の送信用レーザビームを照射して溶接部の内部に超音波を励起させて、溶接部の内部を透過して溶接部の底面で反射した反射波を、当該溶接部に照射した受信用レーザビームによって受信して、この受信した反射波に基き溶接部の溶込み深さを測定するので、溶接部の溶込み深さを非破壊、非接触で測定することができる。また、圧電素子等の超音波センサを液体媒質を介して溶接部に接触させる従来技術と比較して、水槽を必要としないので装置を小型化することができると共に、溶接部が狭小であったり複雑な形状であっても適用することができる。
本項の態様において、送信用レーザビームは、例えば、高エネルギ、ショートパルス発振のQスイッチNd:YAGレーザを用いる。送信用レーザビームは、レーザ光源から送信用光ファイバを介して送信用照射ヘッドに伝送されて、該送信用照射ヘッドから溶接部に向けて照射される。また、受信用レーザビームは、例えば、連続発振又はロングパルス発振のNd:YAGレーザを用いる。受信用レーザビームは、レーザ光源から受信用光ファイバを介して受信用照射ヘッドに伝送されて、該受信用照射ヘッドから溶接部に向けて照射される。溶接部の表面での反射成分(反射波)を受信した受信用レーザビームは、同じ経路(受信用光ファイバ)を経由して光干渉計(ファブリ・ペロー干渉計)に入射されて、該光干渉計を透過して光検出器によって電気信号に変換される。そして、この電気信号に基き溶接部の溶込み深さが測定される。
(2)受信用レーザビームによって受信された超音波の反射波のパルス幅に基き、溶接部の溶込み深さを測定する(1)に記載の溶接部測定方法。
溶接部はデントライト組織であることから、超音波は溶接部における減衰が測定対象物の母材部分における減衰と比較して大きくなる。したがって、溶接部を透過した超音波は低周波成分が支配的になり、測定対象物の母材部分を透過した超音波と比較して、反射波のパルス幅が大きくなる。本項の態様では、この現象を利用して、反射波のパルス幅と溶接部の溶込み深さとの対応に基き、受信用レーザビームによって受信された反射波のパルス幅から溶接部の溶込み深さを測定する。なお、反射波のパルス幅と溶接部の溶込み深さとの対応は予め導出しておく。
溶接部はデントライト組織であることから、超音波は溶接部における減衰が測定対象物の母材部分における減衰と比較して大きくなる。したがって、溶接部を透過した超音波は低周波成分が支配的になり、測定対象物の母材部分を透過した超音波と比較して、反射波のパルス幅が大きくなる。本項の態様では、この現象を利用して、反射波のパルス幅と溶接部の溶込み深さとの対応に基き、受信用レーザビームによって受信された反射波のパルス幅から溶接部の溶込み深さを測定する。なお、反射波のパルス幅と溶接部の溶込み深さとの対応は予め導出しておく。
(3)受信用レーザビームによって受信された超音波の反射波の減衰量に基き、溶接部の溶込み深さを測定する(1)に記載の溶接部測定方法。
上述したように、溶接部はデントライト組織であることから、超音波は溶接部における減衰が測定対象物の母材部分における減衰と比較して大きくなる。本項の態様は、この現象を利用して溶接部の溶込み深さを測定するものである。本項の態様では、(2)の態様、すなわち、反射波のパルス幅から溶接部の溶込み深さを測定する場合と比較して、より高い精度で溶接部の溶込み深さを測定することができる。
具体的には、反射波の減衰量から以下の(第1式)〜(第2式)を用いて溶接部の溶込み深さを導出する。
A=2αg(c+p)+2αf(t−p) (第1式)
ただし、
A :減衰量(db)
p :溶接部の溶込み深さ
c :測定対象物の母材部分の接合面を基準とした溶接部の頂部の高さ
t :測定対象物の母材部分の板厚
αg :溶接部の減衰率
αf :測定対象物の母材部分の減衰率
とする。
上記(第1式)を変形することで、以下の(第2式)が求められる。
p=(A−2αgc−2αft)/[2(αg−αf)] (第2式)
ここで、αg ≫αf であることから、(第2式)から近似的に以下の(第3式)が求められる。
p=(A/2αg)−c (第3式)
ここで、cは以下の(第4式)によって求められる。
T1=2VL(t+c) (第4式)
ただし、
T1 :第1反射波の伝搬時間
VL :縦波の伝搬速度(音速)
である。
また、本項の態様では、送信用レーザビームと受信用レーザビームとを、例えば、ロボットのティーチング機能を用いて溶接部表面に沿って走査させて、この時のロボットの位置データと溶接部の溶込み深さのプロットデータとに基き、当該溶接部のプロフィールを得ることができる。
上述したように、溶接部はデントライト組織であることから、超音波は溶接部における減衰が測定対象物の母材部分における減衰と比較して大きくなる。本項の態様は、この現象を利用して溶接部の溶込み深さを測定するものである。本項の態様では、(2)の態様、すなわち、反射波のパルス幅から溶接部の溶込み深さを測定する場合と比較して、より高い精度で溶接部の溶込み深さを測定することができる。
具体的には、反射波の減衰量から以下の(第1式)〜(第2式)を用いて溶接部の溶込み深さを導出する。
A=2αg(c+p)+2αf(t−p) (第1式)
ただし、
A :減衰量(db)
p :溶接部の溶込み深さ
c :測定対象物の母材部分の接合面を基準とした溶接部の頂部の高さ
t :測定対象物の母材部分の板厚
αg :溶接部の減衰率
αf :測定対象物の母材部分の減衰率
とする。
上記(第1式)を変形することで、以下の(第2式)が求められる。
p=(A−2αgc−2αft)/[2(αg−αf)] (第2式)
ここで、αg ≫αf であることから、(第2式)から近似的に以下の(第3式)が求められる。
p=(A/2αg)−c (第3式)
ここで、cは以下の(第4式)によって求められる。
T1=2VL(t+c) (第4式)
ただし、
T1 :第1反射波の伝搬時間
VL :縦波の伝搬速度(音速)
である。
また、本項の態様では、送信用レーザビームと受信用レーザビームとを、例えば、ロボットのティーチング機能を用いて溶接部表面に沿って走査させて、この時のロボットの位置データと溶接部の溶込み深さのプロットデータとに基き、当該溶接部のプロフィールを得ることができる。
(4)測定対象物の溶接部を測定する方法であって、測定対象物の溶接部が形成された側と反対側の面から測定対象物にパルス発振の送信用レーザビームを照射して測定対象物の内部に超音波を励起させて、測定対象物の界面で反射した反射波を測定対象物の溶接部が形成された側と反対側の面に照射した受信用レーザビームによって受信して、溶接部を横切るようにして測定対象物の溶接部が形成された側と反対側の面から送信用レーザビームと受信用レーザビームとを走査させた時の、受信用レーザビームによって受信された超音波の反射波の縦波に基き、溶接部の脚長を測定することを特徴とする溶接部測定方法。
本項に記載の溶接部測定方法では、測定対象物の溶接部が形成された側と反対側の面、すなわち測定対象物の裏面に、パルス発振の送信用レーザビームを照射して測定対象物の内部に超音波を励起させる。これにより、測定対象物の裏面には表面波が伝搬すると共に、測定対象物の内部には縦波と横波とが伝搬する。そして、本項の態様では、測定対象物の界面で反射した反射波を受信部によって受信して、縦波は、横波よりも伝搬速度が高く、さらに、測定対象物の母材部分の界面にて散乱による減衰が小さいことを利用して、送信用レーザビームと受信用レーザビームとを、溶接部を横切るようにして測定対象物の溶接部が形成された側と反対側の面から走査させて、受信用レーザビームによって受信された反射波の縦波が減衰していた走査量(距離)に基き、溶接部の脚長を測定する。
本項に記載の溶接部測定方法では、測定対象物の溶接部が形成された側と反対側の面、すなわち測定対象物の裏面に、パルス発振の送信用レーザビームを照射して測定対象物の内部に超音波を励起させる。これにより、測定対象物の裏面には表面波が伝搬すると共に、測定対象物の内部には縦波と横波とが伝搬する。そして、本項の態様では、測定対象物の界面で反射した反射波を受信部によって受信して、縦波は、横波よりも伝搬速度が高く、さらに、測定対象物の母材部分の界面にて散乱による減衰が小さいことを利用して、送信用レーザビームと受信用レーザビームとを、溶接部を横切るようにして測定対象物の溶接部が形成された側と反対側の面から走査させて、受信用レーザビームによって受信された反射波の縦波が減衰していた走査量(距離)に基き、溶接部の脚長を測定する。
(5)受信用レーザビームによって受信された反射波の横波に基き、溶接部の溶込み深さを測定する(4)に記載の溶接部測定方法。
本項の態様では、送信用レーザビームと受信用レーザビームとを、溶接部を横切るようにして測定対象物の溶接部が形成された側と反対側の面、すなわち測定対象物の裏面から走査させて、受信用レーザビームによって反射波における横波(溶接部内部散乱波)に基き、溶接部の溶込み深さを測定する。本項の態様では、反射における横波に基き測定対象物の母材部分と溶接部との界面を検出して、検出した界面に基き溶接部の溶込み深さを測定する。
本項の態様では、送信用レーザビームと受信用レーザビームとを、溶接部を横切るようにして測定対象物の溶接部が形成された側と反対側の面、すなわち測定対象物の裏面から走査させて、受信用レーザビームによって反射波における横波(溶接部内部散乱波)に基き、溶接部の溶込み深さを測定する。本項の態様では、反射における横波に基き測定対象物の母材部分と溶接部との界面を検出して、検出した界面に基き溶接部の溶込み深さを測定する。
(6)測定対象物の溶接部の形状を測定する装置であって、溶接部にパルス発振の送信用レーザビームを照射して溶接部の内部に超音波を励起させる送信部と、溶接部に受信用レーザビームを照射して溶接部の底面で反射した超音波の反射波を受信する受信部と、受信部によって受信した超音波の反射波を解析して該反射波のパルス幅に基き溶接部の溶込み深さを導出する導出部と、を具備することを特徴とする溶接部測定装置。
本項に記載の溶接部測定装置は、送信部からパルス発振の送信用レーザビームを溶接部に照射して溶接部の内部に超音波を励起させる。そして、溶接部の内部を透過して溶接部の底面で反射した反射波を、受信部から溶接部に照射した受信用レーザビームによって受信して、この受信した反射波に基き、導出部によって溶接部の溶込み深さを導出する。したがって、溶接部の溶込み深さを非破壊、非接触で測定することができる。また、圧電素子等の超音波センサを液体媒質を介して溶接部に接触させる従来技術と比較して、水槽を必要としないので装置を小型化することができると共に、溶接部が狭小であったり複雑な形状であっても適用することができる。
溶接部はデントライト組織であることから、超音波は、溶接部における減衰が測定対象物の母材部分における減衰と比較して大きくなる。したがって、溶接部を透過した超音波は低周波成分が支配的になり、測定対象物の母材部分を透過した超音波と比較して、反射波のパルス幅が大きくなる。導出部は、この現象を利用して、反射波のパルス幅と溶接部の溶込み深さとの対応に基き、受信部によって受信された反射波のパルス幅から溶接部の溶込み深さを測定する。なお、反射波のパルス幅と溶接部の溶込み深さとの対応は予め導出しておく。
本項の態様において、送信部は、例えば、高エネルギ、ショートパルス発振のQスイッチNd:YAGレーザを送信用レーザビームとして用いる。送信用レーザビームは、レーザ光源から送信用光ファイバを介して送信用照射ヘッドに伝送されて、該送信用照射ヘッドから溶接部に向けて照射される。また、受信部は、例えば、連続発振又はロングパルス発振のNd:YAGレーザを受信用レーザビームとして用いる。受信用レーザビームは、レーザ光源から受信用光ファイバを介して受信用照射ヘッドに伝送されて、該受信用照射ヘッドから溶接部に向けて照射される。溶接部の表面での反射成分(反射波)を受信した受信用レーザビームは、同じ経路(受信用光ファイバ)を経由して光干渉計(ファブリ・ペロー干渉計)に入射されて、該光干渉計を透過して光検出器によって電気信号に変換される。そして、導出部は、光検出器によって変換された電気信号に基き溶接部の溶込み深さを導出する。
本項に記載の溶接部測定装置は、送信部からパルス発振の送信用レーザビームを溶接部に照射して溶接部の内部に超音波を励起させる。そして、溶接部の内部を透過して溶接部の底面で反射した反射波を、受信部から溶接部に照射した受信用レーザビームによって受信して、この受信した反射波に基き、導出部によって溶接部の溶込み深さを導出する。したがって、溶接部の溶込み深さを非破壊、非接触で測定することができる。また、圧電素子等の超音波センサを液体媒質を介して溶接部に接触させる従来技術と比較して、水槽を必要としないので装置を小型化することができると共に、溶接部が狭小であったり複雑な形状であっても適用することができる。
溶接部はデントライト組織であることから、超音波は、溶接部における減衰が測定対象物の母材部分における減衰と比較して大きくなる。したがって、溶接部を透過した超音波は低周波成分が支配的になり、測定対象物の母材部分を透過した超音波と比較して、反射波のパルス幅が大きくなる。導出部は、この現象を利用して、反射波のパルス幅と溶接部の溶込み深さとの対応に基き、受信部によって受信された反射波のパルス幅から溶接部の溶込み深さを測定する。なお、反射波のパルス幅と溶接部の溶込み深さとの対応は予め導出しておく。
本項の態様において、送信部は、例えば、高エネルギ、ショートパルス発振のQスイッチNd:YAGレーザを送信用レーザビームとして用いる。送信用レーザビームは、レーザ光源から送信用光ファイバを介して送信用照射ヘッドに伝送されて、該送信用照射ヘッドから溶接部に向けて照射される。また、受信部は、例えば、連続発振又はロングパルス発振のNd:YAGレーザを受信用レーザビームとして用いる。受信用レーザビームは、レーザ光源から受信用光ファイバを介して受信用照射ヘッドに伝送されて、該受信用照射ヘッドから溶接部に向けて照射される。溶接部の表面での反射成分(反射波)を受信した受信用レーザビームは、同じ経路(受信用光ファイバ)を経由して光干渉計(ファブリ・ペロー干渉計)に入射されて、該光干渉計を透過して光検出器によって電気信号に変換される。そして、導出部は、光検出器によって変換された電気信号に基き溶接部の溶込み深さを導出する。
(7)測定対象物の溶接部の形状を測定する装置であって、溶接部にパルス発振の送信用レーザビームを照射して溶接部の内部に超音波を励起させる送信部と、溶接部に受信用レーザビームを照射して溶接部の底面で反射した超音波の反射波を受信する受信部と、受信部によって受信した超音波の反射波を解析して該反射波の減衰量に基き溶接部の溶込み深さを導出する導出部と、を具備することを特徴とする溶接部測定装置。
本項の態様では、溶接部はデントライト組織であるため、超音波は、溶接部における減衰が測定対象物の母材部分における減衰と比較して大きくなる。導出部は、この現象を利用して、受信部によって受信された反射波の減衰量から上記(第1式)〜(第2式)に基き、溶接部の溶込み深さを測定する。
本項の態様では、溶接部はデントライト組織であるため、超音波は、溶接部における減衰が測定対象物の母材部分における減衰と比較して大きくなる。導出部は、この現象を利用して、受信部によって受信された反射波の減衰量から上記(第1式)〜(第2式)に基き、溶接部の溶込み深さを測定する。
(8)測定対象物の溶接部の形状を測定する装置であって、測定対象物の溶接部が形成された側と反対側の面から溶接部に向けてパルス発振の送信用レーザビームを照射して測定対象物の内部に超音波を励起させる送信部と、測定対象物の溶接部が形成された側と反対側の面に受信用レーザビームを照射して測定対象物の界面で反射した超音波の反射波を受信する受信部と、送信用レーザビームと受信用レーザビームとを溶接部を横切るようにして走査させた時の、受信部によって受信した超音波の反射波の縦波に基き、溶接部の脚長を導出する導出部と、を具備することを特徴とする溶接部測定装置。
本項に記載の溶接部測定方法では、測定対象物の溶接部が形成された側と反対側の面、すなわち測定対象物の裏面に、送信部によってパルス発振の送信用レーザビームを照射して測定対象物の内部に超音波を励起させる。これにより、測定対象物の裏面には表面波が伝搬すると共に、測定対象物の内部には縦波と横波とが伝搬する。本項の態様では、測定対象物の界面で反射した反射波を受信部によって受信する。そして、縦波は、横波よりも伝搬速度が高く、さらに、測定対象物の母材部分の界面において散乱による減衰が小さいことから、送信用レーザビームと受信用レーザビームとを溶接部を横切るようにして測定対象物の溶接部が形成された側と反対側の面、すなわち、測定対象物の裏面に走査させて、受信部によって受信された反射波の縦波が減衰していた走査量(距離)に基き、溶接部の脚長を測定する。
本項に記載の溶接部測定方法では、測定対象物の溶接部が形成された側と反対側の面、すなわち測定対象物の裏面に、送信部によってパルス発振の送信用レーザビームを照射して測定対象物の内部に超音波を励起させる。これにより、測定対象物の裏面には表面波が伝搬すると共に、測定対象物の内部には縦波と横波とが伝搬する。本項の態様では、測定対象物の界面で反射した反射波を受信部によって受信する。そして、縦波は、横波よりも伝搬速度が高く、さらに、測定対象物の母材部分の界面において散乱による減衰が小さいことから、送信用レーザビームと受信用レーザビームとを溶接部を横切るようにして測定対象物の溶接部が形成された側と反対側の面、すなわち、測定対象物の裏面に走査させて、受信部によって受信された反射波の縦波が減衰していた走査量(距離)に基き、溶接部の脚長を測定する。
(9)導出部は、受信部によって受信した超音波の反射波の横波に基き、溶接部の溶込み深さを導出する(8)に記載の溶接部測定装置。
本項の態様では、送信用レーザビームと受信用レーザビームとを溶接部を横切るようにして測定対象物の溶接部が形成された側と反対側の面、すなわち測定対象物の裏面に走査させて、受信部によって受信した反射波における横波(溶接部内部散乱波)に基き、導出部は、溶接部の溶込み深さを測定する。本項の態様では、反射における横波に基き測定対象物の母材部分と溶接部との界面を検出して、検出した界面に基き溶接部の溶込み深さを測定する。
本項の態様では、送信用レーザビームと受信用レーザビームとを溶接部を横切るようにして測定対象物の溶接部が形成された側と反対側の面、すなわち測定対象物の裏面に走査させて、受信部によって受信した反射波における横波(溶接部内部散乱波)に基き、導出部は、溶接部の溶込み深さを測定する。本項の態様では、反射における横波に基き測定対象物の母材部分と溶接部との界面を検出して、検出した界面に基き溶接部の溶込み深さを測定する。
(10)導出部は、反射波の10MHz以上の周波数帯の波形を検出して、該検出波形に基き溶接部を測定する(6)〜(7)のいずれかに記載の溶接部測定装置。
受信部によって受信した反射波は周波数が広帯域(数百kHz〜数百MHz)である。そこで、本項の態様では、得られた検出波形のうち、減衰に差異が明確に表れる10MHz以上の周波数帯に着目し、この検出波形の着目部分に基き溶接部を測定する。
受信部によって受信した反射波は周波数が広帯域(数百kHz〜数百MHz)である。そこで、本項の態様では、得られた検出波形のうち、減衰に差異が明確に表れる10MHz以上の周波数帯に着目し、この検出波形の着目部分に基き溶接部を測定する。
非破壊、非接触での測定が可能で、且つ適用性が高い溶接部測定方法及び溶接部測定装置を提供することができる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態を図1〜図4に基いて説明する。図1に示されるように、第1実施形態の溶接部測定装置1は、測定対象物5の溶接部6における溶込み深さを測定すものであって、溶接部6に送信用レーザビームを照射して溶接部6に超音波を励起させる送信用レーザ2(送信部)と、溶接部6に受信用レーザビームを照射して溶接部6の底面6aで反射した超音波のエコー(以下、反射波と称する)を受信する受信部3と、該受信部3によって受信された反射波のパルス幅H(図4参照)に基き溶接部6の溶込み深さを導出する導出部4と、によって構成される。送信用レーザ2は、高エネルギ、ショートパルス発振のQスイッチNd:YAGレーザ光源を備えて、該レーザ光源から発せられた送信用レーザビームは、送信用光ファイバ7を介して送信用照射ヘッド8に伝送されて、該送信用照射ヘッド8から溶接部6に向けて照射される。
本発明の第1実施形態を図1〜図4に基いて説明する。図1に示されるように、第1実施形態の溶接部測定装置1は、測定対象物5の溶接部6における溶込み深さを測定すものであって、溶接部6に送信用レーザビームを照射して溶接部6に超音波を励起させる送信用レーザ2(送信部)と、溶接部6に受信用レーザビームを照射して溶接部6の底面6aで反射した超音波のエコー(以下、反射波と称する)を受信する受信部3と、該受信部3によって受信された反射波のパルス幅H(図4参照)に基き溶接部6の溶込み深さを導出する導出部4と、によって構成される。送信用レーザ2は、高エネルギ、ショートパルス発振のQスイッチNd:YAGレーザ光源を備えて、該レーザ光源から発せられた送信用レーザビームは、送信用光ファイバ7を介して送信用照射ヘッド8に伝送されて、該送信用照射ヘッド8から溶接部6に向けて照射される。
受信部3は、連続発振のNd:YAGレーザ光源を備える受信用レーザ9を備える。該受信用レーザ9から発せられた受信用レーザビームは、受信用光ファイバ10を介して受信用照射ヘッド11に伝送されて、該受信用照射ヘッド11から溶接部6に向けて照射される。また、受信部3は、溶接部6の表面で反射波(超音波の反射成分)を受信して同じ経路(受信用光ファイバ10)を経由した受信用レーザビームが入射される光干渉計(ファブリ・ペロー干渉計)12を備える。該光干渉計12では、入射された受信用レーザビームの光周波数の変化(反射波を受信したことによる受信用レーザビームの位相の微小変化)が透過光強度の変化として出力される。導出部4は、光干渉計12から出力された光強度信号を光検出器によって電気信号に変換して、該電気信号に基き検出波形(図2参照)を描出(検出)する波形検出部13と、該波形検出部13によって検出された検出波形を解析して該検出波形のパルス幅Hから溶接部6の溶込み深さを測定する測定部14と、によって構成される。
測定部14には、検出波形のパルス幅Hと溶接部の溶込み深さとの対応データ(図3参照)が記憶される。測定部14は、波形検出部13によって検出された検出波形(図2参照)の10MHz以上の周波数帯部分を抽出し、抽出された検出波形(図4参照)のパルス幅Hを計測する。そして、測定部14は、その計測結果を対応データ(図3参照)に照合して溶接部6の溶込み深さを測定する。なお、図1に示される符号15、16はそれぞれファイバカップリングであり、符号17はビームスプリッタである。
次に、溶接部測定装置1を用いて溶接部6の溶込み深さを測定する場合の作用を説明する。図1に示されるように、送信用レーザ2(送信部)から発せられた送信用レーザビームは、送信用光ファイバ7を介して送信用照射ヘッド8に伝送されて、該送信用照射ヘッド8から溶接部6表面に照射される。これにより、溶接部6表面の照射点にアブレーションプラズマが生成され、該アブレーションプラズマが膨張する際の反力が歪源となって溶接部6に超音波が励起される。励起された超音波は、溶接部6を透過して該溶接部6の底面6aで反射する。一方、受信用レーザ9から発せられた受信用レーザビームは、受信用光ファイバ10を介して受信用照射ヘッド11に伝送されて、該受信用照射ヘッド11から溶接部6に向けて照射される。この受信用レーザビームによって、溶接部6の底面6aで反射した超音波の反射波が受信される。
受信用レーザビームは、反射波が溶接部6表面に誘起させた振幅がナノメートルオーダの微振動によって位相が微小変化して、同じ経路(受信用光ファイバ10)を経由して受信部3の光干渉計12に入射される。光干渉計12では、入射された受信用レーザビームの光周波数の変化(反射波を受信したことによる受信用レーザビームの位相の微小変化)が透過光強度の変化として出力される。出力された光強度信号は、波形検出部13の光検出器によって電気信号に変換されて、波形検出部13は、該電気信号に基き検出波形(図2参照)を描出(検出)する。測定部14は、波形検出部13によって検出された検出波形(図2参照)の10MHz以上の周波数帯部分を抽出して、抽出した検出波形のパルス幅H(図4参照)を計測する。そして、測定部14は、計測結果(パルス幅H)を対応データ(図3参照)に照合することにより溶接部6の溶込み深さを測定して、該測定結果を所定の出力装置(モニタ、プリンタ等)に出力する。
例えば、板厚Tが2mmの鋼板(母材)を重ねてアーク溶接(TIG溶接)した場合に、波形検出部13によって検出された検出波形が図2に示される波形である。測定部14は、この検出波形から溶接部6の底面6aで反射した反射成分(反射波)を抽出して、さらに、この反射成分(反射波)から10MHz以上の周波数帯部分を抽出する。そして、抽出した検出波形(図4参照)のパルス幅Hを計測して、該計測結果(H=39ns)を図3に示す対応データに照合することにより溶接部6の溶込み深さを測定する。この場合、測定値はD=1mmとなる。なお、当該溶接部測定装置1は、溶接部6の測定を複数回(例えば50回)行い、各測定値の平均値を測定結果として出力する。
この実施形態では以下の効果を奏する。
第1実施形態の溶接部測定装置1によれば、送信用レーザビームを照射して溶接部6に超音波を励起させて、溶接部6の底面6aで反射した反射波を溶接部6に照射した受信用レーザビームによって受信して、受信した反射波のパルス幅Hに基き溶接部6の溶込み深さが測定されるので、溶接部6の溶込み深さを非破壊、非接触で測定することができる。また、従来技術では、圧電素子等の超音波センサを液体媒質を介して溶接部6に接触させる際に水槽が必要であったが、第1実施形態の溶接部測定装置1では、この水槽を必要としないので、装置1を小型化することができる。さらに、送信用レーザビームを溶接部6に照射して超音波を励起させるので、従来技術のように超音波センサと溶接部とをジェル状のカプラント(液体媒質)を介して接触させることがなく、溶接部6が狭小であったり複雑な形状であっても適用が可能である。
また、第1実施形態の溶接部測定装置1では、反射波の減衰に明確な差異が表れる10MHz以上の周波数帯の波形を検出して、該検出波形のパルス幅Hと溶接部6の溶込み深さとの対応に基き、反射波のパルス幅Hから溶接部6の溶込み深さが導出されるので、溶接部6の溶込み深さを検出波形のパルス幅Hに対応させて、当該溶込み深さを可視化することができる。また、反射波の検出波形のパルス幅Hと溶接部6の溶込み深さとの対応は、少ないサンプル数でも高い精度で導出することが可能であり、溶接部6の溶込み深さを簡単に且つ高い精度で測定することができる。
第1実施形態の溶接部測定装置1によれば、送信用レーザビームを照射して溶接部6に超音波を励起させて、溶接部6の底面6aで反射した反射波を溶接部6に照射した受信用レーザビームによって受信して、受信した反射波のパルス幅Hに基き溶接部6の溶込み深さが測定されるので、溶接部6の溶込み深さを非破壊、非接触で測定することができる。また、従来技術では、圧電素子等の超音波センサを液体媒質を介して溶接部6に接触させる際に水槽が必要であったが、第1実施形態の溶接部測定装置1では、この水槽を必要としないので、装置1を小型化することができる。さらに、送信用レーザビームを溶接部6に照射して超音波を励起させるので、従来技術のように超音波センサと溶接部とをジェル状のカプラント(液体媒質)を介して接触させることがなく、溶接部6が狭小であったり複雑な形状であっても適用が可能である。
また、第1実施形態の溶接部測定装置1では、反射波の減衰に明確な差異が表れる10MHz以上の周波数帯の波形を検出して、該検出波形のパルス幅Hと溶接部6の溶込み深さとの対応に基き、反射波のパルス幅Hから溶接部6の溶込み深さが導出されるので、溶接部6の溶込み深さを検出波形のパルス幅Hに対応させて、当該溶込み深さを可視化することができる。また、反射波の検出波形のパルス幅Hと溶接部6の溶込み深さとの対応は、少ないサンプル数でも高い精度で導出することが可能であり、溶接部6の溶込み深さを簡単に且つ高い精度で測定することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図1、図2、図4に基き説明する。なお、上述した第1実施形態の溶接部測定装置1と同一又は相当する構成要素には、同一の名称及び符号を付与すると共にその詳細な説明を省く。図1に示されるように、第2実施形態の溶接部測定装置21は、測定対象物5の溶接部6における溶込み深さを測定すものであって、溶接部6に送信用レーザビームを照射して溶接部6に超音波を励起させる送信用レーザ2(送信部)と、溶接部6に受信用レーザビームを照射して溶接部6の底面6aで反射した超音波の反射波を受信する受信部3と、該受信部3によって受信された反射波の減衰量Aに基き溶接部6の溶込み深さを導出する導出部4と、によって構成される。導出部4は、光干渉計12から出力された光強度信号を光検出器によって電気信号に変換して、該電気信号に基き検出波形(図2参照)を描出(検出)する波形検出部13と、該波形検出部13によって検出された検出波形を解析して該検出波形の減衰量Aに基き溶接部6の溶込み深さを測定する測定部14と、によって構成される。
本発明の第2実施形態を図1、図2、図4に基き説明する。なお、上述した第1実施形態の溶接部測定装置1と同一又は相当する構成要素には、同一の名称及び符号を付与すると共にその詳細な説明を省く。図1に示されるように、第2実施形態の溶接部測定装置21は、測定対象物5の溶接部6における溶込み深さを測定すものであって、溶接部6に送信用レーザビームを照射して溶接部6に超音波を励起させる送信用レーザ2(送信部)と、溶接部6に受信用レーザビームを照射して溶接部6の底面6aで反射した超音波の反射波を受信する受信部3と、該受信部3によって受信された反射波の減衰量Aに基き溶接部6の溶込み深さを導出する導出部4と、によって構成される。導出部4は、光干渉計12から出力された光強度信号を光検出器によって電気信号に変換して、該電気信号に基き検出波形(図2参照)を描出(検出)する波形検出部13と、該波形検出部13によって検出された検出波形を解析して該検出波形の減衰量Aに基き溶接部6の溶込み深さを測定する測定部14と、によって構成される。
測定部14では、反射波の減衰量Aから溶接部の溶込み深さを算出するための演算処理が実施される。反射波の減衰量Aから溶接部の溶込み深さpを求めるロジックは以下の通りである。
A=2αg(c+p)+2αf(t−p) (第1式)
ただし、
A :減衰量(db)
p :溶接部の溶込み深さ(図5参照)
c :母材の接合面(表面)を基準とした溶接部の頂部の高さ(図5参照)
t :母材の板厚(図5参照)
αg :溶接部の減衰率
αf :母材の減衰率
とする。
上記(第1式)を変形することで、以下の(第2式)が求められる。
p=(A−2αgc−2αft)/[2(αg−αf)] (第2式)
ここで、αg ≫αfであることから、(第2式)から近似的に以下の(第3式)が求められる。
p=(A/2αg)−c (第3式)
ここで、cは以下の(第4式)によって求められる。
T1=2VL(t+c) (第4式)
ただし、
T1 :第1反射波の伝搬時間
VL :縦波の伝搬速度(音速)
である。
A=2αg(c+p)+2αf(t−p) (第1式)
ただし、
A :減衰量(db)
p :溶接部の溶込み深さ(図5参照)
c :母材の接合面(表面)を基準とした溶接部の頂部の高さ(図5参照)
t :母材の板厚(図5参照)
αg :溶接部の減衰率
αf :母材の減衰率
とする。
上記(第1式)を変形することで、以下の(第2式)が求められる。
p=(A−2αgc−2αft)/[2(αg−αf)] (第2式)
ここで、αg ≫αfであることから、(第2式)から近似的に以下の(第3式)が求められる。
p=(A/2αg)−c (第3式)
ここで、cは以下の(第4式)によって求められる。
T1=2VL(t+c) (第4式)
ただし、
T1 :第1反射波の伝搬時間
VL :縦波の伝搬速度(音速)
である。
次に、溶接部測定装置21を用いて溶接部6の溶込み深さを測定する場合の作用を説明する。図1に示されるように、送信用照射ヘッド8から溶接部6表面に送信用レーザ2が照射されると、溶接部6に超音波が励起される。励起された超音波は、溶接部6を透過して該溶接部6の底面6aで反射する。この反射波は、受信用照射ヘッド11から溶接部6に向けて照射された受信用レーザビームによって受信される。さらに、この受信用レーザビームは、受信部3の光干渉計12に入射される。光干渉計12は、入射された受信用レーザビームの光周波数の変化を透過光強度の変化として出力する。出力された光強度信号は、波形検出部13の光検出器によって電気信号に変換されて、波形検出部13は該電気信号に基き検出波形(図2参照)を描出(検出)する。測定部14は、波形検出部13によって検出された検出波形(図2参照)の10MHz以上の周波数帯部分を抽出して、抽出した検出波形(図4参照)の減衰量Aを計測する。測定部14は、この計測結果(減衰量A)から上述した(第1式)〜(第2式)に基き溶接部6の溶込み深さを算出して、該測定結果を所定の出力装置(モニタ、プリンタ等)に出力する。なお、第2実施形態の溶接部測定装置21では、溶込み深さが1mm〜2mmである場合の溶接部6の測定精度は、±0.25mmであった。
この実施形態では以下の効果を奏する。
第2実施形態の溶接部測定装置21によれば、送信用レーザビームを照射して溶接部6に超音波を励起させると共に、溶接部6の底面6aで反射した反射波を溶接部6に照射した受信用レーザビームによって受信して、該受信した反射波の減衰量Aに基き溶接部6の溶込み深さが測定されるので、溶接部6の溶込み深さを非破壊、非接触で測定することができる。また、従来技術では、圧電素子等の超音波センサを液体媒質を介して溶接部6に接触させる際に水槽が必要であったが、第2実施形態の溶接部測定装置21では、この水槽を必要としないので、装置21を小型化することができる。さらに、レーザビームを溶接部6に照射して超音波を励起させるので、従来技術のように超音波センサと溶接部とをジェル状のカプラント(液体媒質)を介して接触させることがなく、溶接部6が狭小であったり複雑な形状であっても適用が可能である。
なお、第2実施形態の溶接部測定装置21では、送信用レーザビームと受信用レーザビームとを、例えば、ロボットのティーチング機能を用いて溶接部6表面に沿って走査させて、この時のロボットの位置データと溶接部6の溶込み深さのプロットデータとに基き、当該溶接部のプロフィールを得ることもできる。
第2実施形態の溶接部測定装置21によれば、送信用レーザビームを照射して溶接部6に超音波を励起させると共に、溶接部6の底面6aで反射した反射波を溶接部6に照射した受信用レーザビームによって受信して、該受信した反射波の減衰量Aに基き溶接部6の溶込み深さが測定されるので、溶接部6の溶込み深さを非破壊、非接触で測定することができる。また、従来技術では、圧電素子等の超音波センサを液体媒質を介して溶接部6に接触させる際に水槽が必要であったが、第2実施形態の溶接部測定装置21では、この水槽を必要としないので、装置21を小型化することができる。さらに、レーザビームを溶接部6に照射して超音波を励起させるので、従来技術のように超音波センサと溶接部とをジェル状のカプラント(液体媒質)を介して接触させることがなく、溶接部6が狭小であったり複雑な形状であっても適用が可能である。
なお、第2実施形態の溶接部測定装置21では、送信用レーザビームと受信用レーザビームとを、例えば、ロボットのティーチング機能を用いて溶接部6表面に沿って走査させて、この時のロボットの位置データと溶接部6の溶込み深さのプロットデータとに基き、当該溶接部のプロフィールを得ることもできる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態を図6及び図7に基き説明する。なお、上述した第1実施形態の溶接部測定装置1及び第2実施形態の溶接部測定装置21と同一又は相当する構成要素には、同一の名称及び符号を付与すると共にその詳細な説明を省く。図7に示されるように、第3実施形態の溶接部測定装置31は、測定対象物5の溶接部6が形成された側と反対側の面5a、すなわち、測定対象物5の裏面5aに、送信用レーザ2によってパルス発振の送信用レーザビームを照射して測定対象物5の内部に超音波を励起させる。これにより、測定対象物5の裏面5aには表面波が伝搬すると同時に、測定対象物5の内部には縦波と横波とが伝搬する。また、溶接部測定装置31は、測定対象物5の界面5bで反射した反射波(縦波、横波、表面波)を受信部3によって受信する。そして、溶接部測定装置31は、送信用レーザビームと受信用レーザビームとを溶接部6を横切るようにして図7における上下方向へ測定対象物5の裏面5aに走査させた時の、受信部3によって受信した反射波(縦波、横波、表面波)における縦波に基き、溶接部6の脚長が測定されると共に、当該反射波(縦波、横波、表面波)における横波に基き、溶接部6の溶込み深さが測定される構造になっている。
本発明の第3実施形態を図6及び図7に基き説明する。なお、上述した第1実施形態の溶接部測定装置1及び第2実施形態の溶接部測定装置21と同一又は相当する構成要素には、同一の名称及び符号を付与すると共にその詳細な説明を省く。図7に示されるように、第3実施形態の溶接部測定装置31は、測定対象物5の溶接部6が形成された側と反対側の面5a、すなわち、測定対象物5の裏面5aに、送信用レーザ2によってパルス発振の送信用レーザビームを照射して測定対象物5の内部に超音波を励起させる。これにより、測定対象物5の裏面5aには表面波が伝搬すると同時に、測定対象物5の内部には縦波と横波とが伝搬する。また、溶接部測定装置31は、測定対象物5の界面5bで反射した反射波(縦波、横波、表面波)を受信部3によって受信する。そして、溶接部測定装置31は、送信用レーザビームと受信用レーザビームとを溶接部6を横切るようにして図7における上下方向へ測定対象物5の裏面5aに走査させた時の、受信部3によって受信した反射波(縦波、横波、表面波)における縦波に基き、溶接部6の脚長が測定されると共に、当該反射波(縦波、横波、表面波)における横波に基き、溶接部6の溶込み深さが測定される構造になっている。
溶接部測定装置31は、溶接部6(ビード)が水平に配置されるように測定対象物5を保持すると共に保持した測定対象物5を上下方向へ移動及び位置決めさせる保持部を備える。そして、溶接部測定装置31は、保持部によって保持された測定対象物5の裏面5aに送信用レーザビーム及び受信用レーザビームが照射されるように、送信用照射ヘッド8及び受信用照射ヘッド11が配置される。導出部4は、光干渉計12から出力された光強度信号を光検出器によって電気信号に変換した後、該電気信号を画像処理して反射波の縦波、横波、表面波の各画像(図6参照)を作像する画像処理部13と、該画像処理部13によって作像された画像を解析して、縦波の画像に基き溶接部6の脚長を測定すると共に横波の画像に基き溶接部6の溶込み深さを測定する測定部14と、によって構成される。
次に、溶接部測定装置31を用いて溶接部6の脚長及び溶込み深さを測定する場合の作用を説明する。送信用レーザビームと受信用レーザビームとを溶接部6を横切るようにして図7における上下方向へ測定対象物5の裏面5aに走査させて、測定対象物5の裏面5aに送信用レーザビームを照射して測定対象物5の内部に超音波を励起させると共に測定対象物5の界面5bで反射した反射波を受信部3によって受信する。この受信部3によって受信された反射波は、光検出器によって電気信号に変換された後、導出部4の画像処理部13によって処理される。これにより、図6に示されるように、反射波(縦波、横波、表面波)の画像が作像されて測定部14及び出力装置(モニタ等)に出力される。次に、測定部14は、縦波は横波よりも伝搬速度が高く、さらに、測定対象物5の界面5bにて散乱による減衰が小さいことから、受信部3によって受信された反射波の縦波が減衰していた走査量(距離)に基き、溶接部6の脚長を測定する。例えば、図6に示されるように、保持部で保持された測定対象物5の下端部を基準(位置が0mm)として測定対象物5の界面5bで反射した縦波が得られなかった位置(Position)が3.3mmから8.8mmまでの間であった場合、溶接部6の脚長は5.5mmになる。
一方、測定部14は、画像処理部13によって作像された反射波(縦波、横波、表面波)における横波(溶接部内部散乱波)に基き測定対象物5(母材)と溶接部6との界面を検出して、該検出した界面に基き溶接部6の溶込み深さを測定する。
この実施形態では以下の効果を奏する。
第3実施形態の溶接部測定装置31によれば、送信用レーザビームと受信用レーザビームとを溶接部6を横切るようにして測定対象物5の裏面5aに走査させて、測定対象物5の裏面5aに送信用レーザビームを照射して測定対象物5の内部に超音波を励起させると共に、測定対象物5の界面5bで反射した反射波を受信部3によって受信して、この受信した反射波における縦波に基き溶接部6の脚長を測定すると同時に、横波に基き溶接部6の溶込み深さを測定する。
したがって、第3実施形態の溶接部測定装置31では、溶接部6の脚長及び溶込み深さを非破壊、非接触で測定することができる。また、従来技術では、圧電素子等の超音波センサを液体媒質を介して溶接部6に接触させる際に水槽が必要であったが、第3実施形態の溶接部測定装置31では、この水槽を必要としないので、装置31を小型化することができる。さらに、レーザビームを溶接部6に照射して超音波を励起させるので、従来技術のように超音波センサと溶接部とをジェル状のカプラント(液体媒質)を介して接触させることがなく、溶接部6が狭小であったり複雑な形状であっても適用が可能である。また、第3実施形態の溶接部測定装置31では、測定対象物5の裏面5aに送信用レーザビーム及び受信用レーザビームが照射されるので、レーザビームを溶接部6に直接照射することが難しい測定対象物5の脚長及び溶込み深さの測定にも対応することが可能である。
第3実施形態の溶接部測定装置31によれば、送信用レーザビームと受信用レーザビームとを溶接部6を横切るようにして測定対象物5の裏面5aに走査させて、測定対象物5の裏面5aに送信用レーザビームを照射して測定対象物5の内部に超音波を励起させると共に、測定対象物5の界面5bで反射した反射波を受信部3によって受信して、この受信した反射波における縦波に基き溶接部6の脚長を測定すると同時に、横波に基き溶接部6の溶込み深さを測定する。
したがって、第3実施形態の溶接部測定装置31では、溶接部6の脚長及び溶込み深さを非破壊、非接触で測定することができる。また、従来技術では、圧電素子等の超音波センサを液体媒質を介して溶接部6に接触させる際に水槽が必要であったが、第3実施形態の溶接部測定装置31では、この水槽を必要としないので、装置31を小型化することができる。さらに、レーザビームを溶接部6に照射して超音波を励起させるので、従来技術のように超音波センサと溶接部とをジェル状のカプラント(液体媒質)を介して接触させることがなく、溶接部6が狭小であったり複雑な形状であっても適用が可能である。また、第3実施形態の溶接部測定装置31では、測定対象物5の裏面5aに送信用レーザビーム及び受信用レーザビームが照射されるので、レーザビームを溶接部6に直接照射することが難しい測定対象物5の脚長及び溶込み深さの測定にも対応することが可能である。
なお、実施形態は上記第1実施形態から第3実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように構成してもよい。
送信用レーザ2は、連続発振ではなくロングパルス発振のNd:YAGレーザを用いてもよい。
溶接部6の継手形状は、重ね継手でなくてもよく、突合せ継手、すみ肉継手等であってもよい。
測定対象物5は、鋼板でなくてもよく、検出波形のパルス幅Hと溶接部6の溶込み深さとの対応を明らかにすれば、例えばアルミ板等であってもよい。また、溶接部6の溶接方式もTIG溶接の他、MIG溶接、シーム溶接、或いは抵抗溶接であってもよい。
送信用レーザ2は、連続発振ではなくロングパルス発振のNd:YAGレーザを用いてもよい。
溶接部6の継手形状は、重ね継手でなくてもよく、突合せ継手、すみ肉継手等であってもよい。
測定対象物5は、鋼板でなくてもよく、検出波形のパルス幅Hと溶接部6の溶込み深さとの対応を明らかにすれば、例えばアルミ板等であってもよい。また、溶接部6の溶接方式もTIG溶接の他、MIG溶接、シーム溶接、或いは抵抗溶接であってもよい。
1 溶接部測定装置、2 送信用レーザ(送信部)、3 受信部、4 導出部、5 測定対象物、6 溶接部、6a 溶接部底面
Claims (10)
- 測定対象物の溶接部を測定する方法であって、
前記溶接部にパルス発振の送信用レーザビームを照射して前記溶接部の内部に超音波を励起させて、前記溶接部の底面で反射した前記超音波の反射波を前記溶接部に照射した受信用レーザビームによって受信して、該受信用レーザビームによって受信された前記反射波に基き、前記溶接部の溶込み深さを測定することを特徴とする溶接部測定方法。 - 前記受信用レーザビームによって受信された前記超音波の反射波のパルス幅に基き、前記溶接部の溶込み深さを測定することを特徴とする請求項1に記載の溶接部測定方法。
- 前記受信用レーザビームによって受信された前記超音波の反射波の減衰量に基き、前記溶接部の溶込み深さを測定することを特徴とする請求項1に記載の溶接部測定方法。
- 測定対象物の溶接部を測定する方法であって、
前記測定対象物の前記溶接部が形成された側と反対側の面から前記測定対象物にパルス発振の送信用レーザビームを照射して前記測定対象物の内部に超音波を励起させて、前記測定対象物の界面で反射した反射波を前記測定対象物の前記溶接部が形成された側と反対側の面に照射した受信用レーザビームによって受信して、前記溶接部を横切るようにして前記測定対象物の前記溶接部が形成された側と反対側の面から前記送信用レーザビームと前記受信用レーザビームとを走査させた時の、前記受信用レーザビームによって受信された前記超音波の反射波の縦波に基き、前記溶接部の脚長を測定することを特徴とする溶接部測定方法。 - 前記受信用レーザビームによって受信された前記反射波の横波に基き、前記溶接部の溶込み深さを測定することを特徴とする請求項4に記載の溶接部測定方法。
- 測定対象物の溶接部の形状を測定する装置であって、
前記溶接部にパルス発振の送信用レーザビームを照射して前記溶接部の内部に超音波を励起させる送信部と、
前記溶接部に受信用レーザビームを照射して前記溶接部の底面で反射した前記超音波の反射波を受信する受信部と、
前記受信部によって受信した前記超音波の反射波を解析して該反射波のパルス幅に基き前記溶接部の溶込み深さを導出する導出部と、
を具備することを特徴とする溶接部測定装置。 - 測定対象物の溶接部の形状を測定する装置であって、
前記溶接部にパルス発振の送信用レーザビームを照射して前記溶接部の内部に超音波を励起させる送信部と、
前記溶接部に受信用レーザビームを照射して前記溶接部の底面で反射した前記超音波の反射波を受信する受信部と、
前記受信部によって受信した前記超音波の反射波を解析して該反射波の減衰量に基き前記溶接部の溶込み深さを導出する導出部と、
を具備することを特徴とする溶接部測定装置。 - 測定対象物の溶接部の形状を測定する装置であって、
前記測定対象物の前記溶接部が形成された側と反対側の面から前記溶接部に向けてパルス発振の送信用レーザビームを照射して前記測定対象物の内部に超音波を励起させる送信部と、
前記測定対象物の前記溶接部が形成された側と反対側の面に受信用レーザビームを照射して前記測定対象物の界面で反射した前記超音波の反射波を受信する受信部と、
前記送信用レーザビームと前記受信用レーザビームとを前記溶接部を横切るようにして走査させた時の、前記受信部によって受信した前記超音波の反射波の縦波に基き、前記溶接部の脚長を導出する導出部と、
を具備することを特徴とする溶接部測定装置。 - 前記導出部は、前記受信部によって受信した前記超音波の反射波の横波に基き、前記溶接部の溶込み深さを導出することを特徴とする請求項8に記載の溶接部測定装置。
- 前記導出部は、前記反射波の10MHz以上の周波数帯の波形を検出して、該検出波形に基き前記溶接部を測定することを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の溶接部測定装置。
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JP2007104969A JP2008151763A (ja) | 2006-11-20 | 2007-04-12 | 溶接部測定方法及び溶接部測定装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011189407A (ja) * | 2010-02-16 | 2011-09-29 | Panasonic Corp | レーザ溶接装置およびレーザ溶接方法 |
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JP2017181048A (ja) * | 2016-03-28 | 2017-10-05 | 株式会社東芝 | レーザ超音波計測装置およびレーザ超音波計測方法ならびに溶接装置および溶接方法 |
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US11396061B2 (en) | 2018-12-21 | 2022-07-26 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Laser welding apparatus and laser welding method |
EP2388572B1 (en) * | 2010-05-21 | 2023-01-04 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Welding method |
-
2007
- 2007-04-12 JP JP2007104969A patent/JP2008151763A/ja active Pending
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