JP6896493B2 - 超音波受信装置、欠陥検査装置、超音波受信方法、欠陥検査方法、および構造体の製造方法 - Google Patents

超音波受信装置、欠陥検査装置、超音波受信方法、欠陥検査方法、および構造体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、超音波受信装置、欠陥検査装置、超音波受信方法、欠陥検査方法、およびこれらを用いた構造体の製造方法に関する。
レーザ光を用いた超音波計測法、いわゆるレーザ光超音波法は、従来、実験室的な測定に用途が限られてきたが、大出力の受信用レーザ光源や粗面に強い干渉計測装置が開発され始めたことにより、急速に工業現場への適用が進んでいる。その最大の強みは非接触での計測が可能な点にある。このため、触れられないほど脆い、小さい、狭い、高温であるなどのプローブ接触が困難な対象物、もしくは接触により性能への影響が生ずる可能性がある対象物、あるいはその大きさのため水などの媒質に浸漬できない対象物等への適用が期待されている。
一方で、超音波の受信にレーザ光干渉計測を用いるという特性上、超音波の受信に関わる装置が大掛かりかつ高価となり、例えばフェーズドアレイ超音波のように安易にチャンネル数を増やすことは現実的には困難である。そのため、超音波の受信位置を走査することにより疑似的にチャンネル数を増やしたり、装置の高コスト化を厭わずに多チャンネル化したりといった運用が必要となり、広範な普及への妨げとなってきた。
特許第4665000号公報 特許第5721985号公報
C.B.Scruby and L.E.Drain, Laser Ultrasonic:Techniques and Applications (Adam Hilger,Bristol,1990)
上述の課題を解決すべく、光源等の系統を増やさずにレーザ光超音波の受信チャンネルを増やす試みは以前からなされてきた。例えば、複数の照射機構とそれをつなぐ切り替え手段を設けることで、単一のレーザ光源および干渉計を用いて複数点での超音波受信機能を実現する技術が知られている。しかしながら、この場合は、切り替え手段を設けて各照射点に光を分配する必要があるため機構が複雑となること、1回の超音波励起に対しては1つの受信点でしか超音波計測ができないため完全同時測定ができないことが問題であった。
また、レーザ光照射点を複数化して、単一の干渉計に戻して同時計測できる手法が示唆されている。レーザ光照射点は単一光源に途中で分岐を設ければ光源そのものを増やさずに複数化可能である。しかしながら、同時計測を実現する干渉計の構成について具体性がない上に、独立した各受信点で得られた信号を独立して扱う前提の記載であることがわかる。そのため、受信点の数だけチャンネル数を有するAD変換器もしくは受信点未満のチャンネル数を持つAD変換器に、マルチプレクサ等の切り替え手段を組合せた信号収録系の構築が必須となる。
本発明の実施形態は、これらの技術を踏まえ、複数点における超音波信号を同時計測することができ、また、同時計測した超音波信号に基づいて構造体等の高精度な検査を実現することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本実施形態に係る超音波受信装置は、被検査体に照射するレーザ光を励起するレーザ光源と、前記被検査体の第1の照射点と第2の照射点に照射可能に前記レーザ光を分割するレーザ光分割光学系と、前記第1の照射点と前記第2の照射点に照射された前記レーザ光の反射光をそれぞれ集光して合成し合成反射光として出力する反射光集光光学系と、前記合成反射光を干渉計測して得られる信号を超音波信号として経時的に出力する干渉計測手段と、起点となる時間である評価時間窓起点および終点となる時間である評価時間窓終点により定まる評価時間窓を設定可能に構成され、前記超音波信号のうち前記評価時間窓に対応する前記超音波信号を選択して評価可能に構成された信号処理手段と、を備え、前記信号処理手段は、前記第1の照射点および前記第2の照射点の位置、前記被検査体のいずれも超音波励起点側の表面、前記超音波励起点側の表面と前記被検査体を挟んでその反対側、または、前記被検査体の前記超音波励起点側の表面と開先面、のいずれかの組み合わせに設定する照射点定義手段と前記被検査体の形状並びに前記第1の照射点および前記第2の照射点の位置に基づいて、前記被検査体における所望の測定範囲から前記第1の照射点および前記第2の照射点までの超音波伝搬時間をそれぞれ算出し、前記第1の照射点および前記第2の照射点におけるそれぞれの前記超音波信号の発生時間幅をカバーするようにそれぞれの前記評価時間窓を定める評価時間窓定義手段と、を具備し、前記第1の照射点および前記第2の照射点におけるそれぞれの前記評価時間窓が互いに重複しないように設定される、ことを特徴とする。
また、本実施形態に係る超音波受信装置は、被検査体に照射するレーザ光を励起するレーザ光源と、前記被検査体の第1の照射点と第2の照射点に照射可能に前記レーザ光を分割するレーザ光分割光学系と、前記第1の照射点と前記第2の照射点に照射された前記レーザ光の反射光をそれぞれ集光して合成し合成反射光として出力する反射光集光光学系と、前記合成反射光を干渉計測して得られる信号を超音波信号として経時的に出力する干渉計測手段と、起点となる時間である評価時間窓起点および終点となる時間である評価時間窓終点により定まる評価時間窓を設定可能に構成され、前記超音波信号のうち前記評価時間窓に対応する前記超音波信号を選択して評価可能に構成された信号処理手段と、を備え、前記被検査体は、第1部材と、第2部材と、前記第1部材および前記第2部材を接合する接合部からなり、前記第1の照射点は前記第1部材にあり、前記第2の照射点は前記第2部材にあり、前記評価時間窓は、前記第1の照射点および前記第2の照射点におけるそれぞれの前記超音波信号の発生時間幅をそれぞれカバーするように定められる、ことを特徴とする。
また、本実施形態に係る欠陥検査装置は、被検査体に超音波を励起させる超音波励起手段と、上記実施形態の超音波受信装置と、を備え、前記信号処理手段は、前記被検査体の欠陥で発生する前記超音波の反射超音波の信号を前記超音波信号として評価可能に構成されることを特徴とする。
また、本実施形態に係る超音波受信方法は、レーザ光源が、被検査体に照射するレーザ光を励起し、レーザ光分割光学系が、前記レーザ光を前記被検査体の第1の照射点と第2の照射点に分割して照射し、反射光集光光学系が、前記第1の照射点および前記第2の照射点に照射された前記レーザ光の反射光をそれぞれ集光して合成反射光として合成し、干渉計測手段が、前記合成反射光を干渉計測して得られる信号を超音波信号として経時的に出力し、信号処理手段が、起点となる時間である評価時間窓起点および終点となる時間である評価時間窓終点により定まる評価時間窓を設定し、前記超音波信号のうち前記評価時間窓に対応する前記超音波信号を選択して評価する、超音波受信方法あって前記信号処理手段は、前記第1の照射点および前記第2の照射点の位置、前記被検査体のいずれも超音波励起点側の表面、前記超音波励起点側の表面と前記被検査体を挟んでその反対側、または、前記被検査体の前記超音波励起点側の表面と開先面、のいずれかの組み合わせに設定する照射点定義手段と前記被検査体の形状並びに前記第1の照射点および前記第2の照射点の位置に基づいて、前記被検査体における所望の測定範囲から前記第1の照射点および前記第2の照射点までの超音波伝搬時間をそれぞれ算出し、前記第1の照射点および前記第2の照射点におけるそれぞれの前記超音波信号の発生時間幅をカバーするようにそれぞれの前記評価時間窓を定める評価時間窓定義手段と、を具備し、前記第1の照射点および前記第2の照射点におけるそれぞれの前記評価時間窓が互いに重複しないように設定される、ことを特徴とする。
また、本実施形態に係る欠陥検査方法は、被検査体に超音波を励起して超音波受信方法を実施する欠陥検査方法であって、当該欠陥検査方法は、レーザ光源が、前記被検査体に照射するレーザ光を励起し、レーザ光分割光学系が、前記レーザ光を前記被検査体の第1の照射点と第2の照射点に分割して照射し、反射光集光光学系が、前記第1の照射点および前記第2の照射点に照射された前記レーザ光の反射光をそれぞれ集光して合成反射光として合成し、干渉計測手段が、前記合成反射光を干渉計測して得られる信号を超音波信号として経時的に出力し、信号処理手段が、起点となる時間である評価時間窓起点および終点となる時間である評価時間窓終点により定まる評価時間窓を設定し、前記超音波信号のうち前記評価時間窓に対応する前記超音波信号を選択して評価する、ものであって、前記超音波信号は、前記被検査体の欠陥で発生する前記超音波の反射超音波の信号であり、前記評価時間窓はそれぞれ、前記第1の照射点および前記第2の照射点におけるそれぞれの前記超音波信号の発生時間幅をカバーするように定められる、ことを特徴とする。
また、本実施形態に係る構造体の製造方法は、構造体を準備する準備ステップと、前記構造体を被検査体として上記実施形態の欠陥検査方法を実施する検査ステップと、を備えることを特徴とする。
本発明の実施形態によれば、複数点における超音波信号を同時計測することができ、また、同時計測した超音波信号に基づいて構造体等の高精度な検査を実現することができる。
第1の実施形態に係る超音波受信装置の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る超音波受信方法の手順を示すフロー図である。 第1の実施形態に係る超音波受信装置のレーザ光分割手段に分岐型ファイバを用いた場合の体系を概念的に示すブロック図である。 第1の実施形態に係る超音波受信装置の分割反射光合流手段に分岐型ファイバを用いた場合の体系を概念的に示す断面図である。 第1の実施形態に係る超音波受信装置のレーザ光分割手段にハーフミラーを用いた場合の体系を概念的に示す断面図である。 第1の実施形態に係る超音波受信装置の分割反射光合流手段にハーフミラーを用いた場合の体系を概念的に示す断面図である。 第1の実施形態に係る超音波受信装置のレーザ光分割手段に偏光ビームスプリッタを用いた場合の体系を概念的に示す断面図である。 第1の実施形態に係る超音波受信装置の分割反射光合流手段に偏光ビームスプリッタを用いた場合の体系を概念的に示す断面図である。 第1の実施形態に係る超音波受信装置のレーザ光分割光学系と反射光集光光学系とで一部を共用する場合の体系を概念的に示す断面図である。 第1の実施形態に係る超音波受信装置の検出位置を示す断面図である。 図10に示す検出位置の場合の超音波信号の時間的変化を示すグラフである。 第1の実施形態に係る超音波受信装置の別の検出位置を示す断面図である。 図12に示す検出位置の場合の超音波信号の時間的変化を示すグラフである。 第1の実施形態に係る超音波受信装置の検出位置を示す断面図である。 図14に示す検出位置の場合の超音波信号の時間的変化を示すグラフである。 第1の実施形態に係る超音波受信装置による評価時間窓と超音波の伝搬経路との関係を説明するための断面図である。 図16に示す検出位置の場合の超音波信号の時間的変化を示すグラフである。 第1の実施形態に係る超音波受信装置の検出位置を示す断面図である。 図18に示す検出位置の場合の超音波信号の時間的変化を示すグラフである。 第1の実施形態に係る超音波受信装置の検出位置を示す断面図である。 図20に示す検出位置の場合の超音波信号の時間的変化を示すグラフである。 第1の実施形態に係る超音波受信装置により異なる検出目的の計測を並行して行う第1の例を示す断面図である。 第1の実施形態に係る超音波受信装置により異なる検出目的の計測を並行して行う第2の例を示す斜視図である。 第2の実施形態に係る超音波受信装置の構成を示すブロック図である。 第2の実施形態に係る超音波受信装置の検出位置の例を示す断面図である。 図21に示す検出位置の場合の超音波信号の時間的変化を示すグラフである。 第2の実施形態に係る超音波受信装置の検出位置の他の例を示す断面図である。 図21に示す検出位置の場合の超音波信号の時間的変化を示すグラフである。 第3の実施形態に係る構造体の製造方法の手順を示すフロー図である。 第3の実施形態に係る構造体の製造方法において、超音波受信装置による分割レーザ光の照射点を同一母材部の異なる位置に設定した場合の状態を示す断面図である。 第3の実施形態に係る構造体の製造方法において、表面検査と体積検査を同時に行った場合の超音波の時間変化の例を示すグラフである。 第3の実施形態に係る構造体の製造方法において、欠陥由来のモード変換波の伝搬を説明する概念的な断面図である。 第3の実施形態に係る構造体の製造方法において、超音波受信装置による分割レーザ光の照射点を異なる部材にまたがって設定した場合の状態を示す断面図である。 第3の実施形態に係る構造体の製造方法において、溶接の終了後に、表面検査と体積検査を同時に行っている状態を示す断面図である。 第3の実施形態に係る構造体の製造方法において、超音波の波形弁別を説明するための超音波の時間変化の例を示す第1のグラフである。 第3の実施形態に係る構造体の製造方法において、超音波の波形弁別を説明するための超音波の時間変化の例を示す第2のグラフである。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る超音波受信装置、欠陥検査装置、超音波受信方法、および構造体の製造方法について説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には、共通の符号を付して、重複説明は省略する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る超音波受信装置の構成を示すブロック図である。超音波受信装置100は、被検査体91を伝搬した超音波を、レーザ光照射により測定するものである。
超音波受信装置100は、レーザ光源10、レーザ光分割光学系20、反射光集光光学系30、干渉計測手段40、信号処理手段50、表示手段60、および入力手段80を有する。
レーザ光源10は、超音波を受信するためのレーザ光1を照射するためのレーザ光源である。レーザ光源10に用いるレーザ光としては、例えばNd:YAGレーザ光、CO2レーザ光、Er:YAGレーザ光、チタンサファイアレーザ光、アレキサンドライトレーザ光、ルビーレーザ光、色素(ダイ)レーザ光およびエキシマレーザ光などが挙げられる。また、これらに限定するものではない。レーザ光源10は、連続波またはパルス波を用いる。
レーザ光源10で生成されたレーザ光1は、レーザ光伝送手段11によりレーザ光分割光学系20に移送される。レーザ光伝送手段11は、レンズ、ミラー、ファイバのいずれか、もしくはその組合せから成り、それぞれのレーザ光を長距離伝送するのは空間伝送でもファイバ伝送でもよい。
レーザ光分割光学系20は、レーザ光1を2系統以上の分割レーザ光2a、2bに分割するレーザ光分割手段21と、分割レーザ光2a、2bのそれぞれを移送する複数のレーザ光移送手段22a、22bと、分割レーザ光2a、2bのそれぞれを照射する複数の分割レーザ光照射手段23a、23bとを有する。
レーザ光分割手段21は、レーザ光源10から分割レーザ光照射手段23a、23bの間に1つ以上設けられる。レーザ光分割手段21は、例えば、分岐型ファイバや、ハーフミラーといった偏光を利用しないものでもよいし、偏光ビームスプリッタのように偏光を
利用したものでもよい。いずれにおいても、透過率や偏光を制御することで、任意の光量割合でレーザ光1を分岐することができる。
複数の分割レーザ光照射手段23a、23bは、被検査体91における異なる照射点96a、96b(照射点96と総称)に、それぞれの分割レーザ光2a、2bを照射するように、互いに異なる位置に配されている。
分割レーザ光照射手段23a、23bは、分割レーザ光2a、2bをそれぞれの照射点96a、96bに照射したときに、任意のスポット形状を形成するための光学系を有する。スポット形状は点状、線状、楕円状、リング(ドーナツ)状、三日月状等が考えられるがそれ以外の形状でもよい。光学系はレンズやミラーもしくはその組合せでよく、非球面ミラーや非球面レンズを用いてもよい。
反射光集光光学系30は、被検査体91にそれぞれ照射された分割レーザ光2の反射光である分割反射光3a、3bをそれぞれ集光する分割反射光集光手段31a、31bと、それぞれの反射光である分割反射光3a、3bを伝送する反射光伝送手段32a、32bと、それぞれの分割反射光3a、3bを1系統の伝送系に合流してひとつの合成反射光4とする分割反射光合流手段33と、合成反射光4を伝送する反射光伝送手段34とを有する。
分割反射光集光手段31a、31bは、照射点96a、96bにそれぞれ照射され反射した分割反射光3a、3bをそれぞれ集光する。反射光伝送手段32a、32bは、集光された分割反射光3a、3bを、分割反射光合流手段33まで伝送する。
分割反射光合流手段33は、レーザ光分割手段21と同様に、分岐型ファイバや、ハーフミラーといった偏光を利用しないものでもよいし、偏光ビームスプリッタのように偏光を利用したものでもよい。
なお、それぞれのレーザ光伝送手段は、前述のように空間伝送でもファイバ伝送でもよいが、分割レーザ光照射手段23a、23bから被検査体91に照射される分割レーザ光2a、2b、および被検査体91で反射して分割反射光集光手段31a、31bまでに到達する分割反射光3a、3bは全て空間伝送である必要がある。
干渉計測手段40は、合成反射光4の波長変化量から超音波信号97を抽出する。分割レーザ光2a、2bの照射点96a、96bに照射された分割レーザ光2a、2bは、被検査体91によって反射もしくは散乱される。分割レーザ光2a、2bの照射点96a、96bに超音波が到達してその表面が振動していた場合、振幅変調や位相変調、反射角度の変化などを受け、分割反射光3a、3bが超音波信号成分を含むレーザ光となる。超音波信号成分を含んだ合成反射光4を干渉計測すると、位相変調量が電圧信号の変化として出力され、これが超音波信号97となる。
干渉計測手段40としては、例えば、マイケルソン干渉計、ホモダイン干渉計、ヘテロダイン干渉計、フィゾー干渉計、マッハツェンダー干渉計、ファブリー=ペロー干渉計およびフォトリフラクティブ干渉計などが挙げられ、もちろんこれ以外のレーザ光干渉計も考えられる。また干渉計測以外の方法として、ナイフエッジ法も考えられる。
信号処理手段50は、超音波信号97をデジタル化するAD変換器51と、評価時間窓定義手段52と、照射点定義手段53と、信号評価手段54とを有する。
評価時間窓定義手段52は、被検査体91の形状および音速を用いて、被検査体91における所望の測定範囲から分割レーザ光2が照射されている照射点96a、96bまでの超音波伝搬時間をそれぞれ算出し、評価時間窓61a、61bそれぞれの評価時間窓起点62a、62bと評価時間窓終点63a、63bをそれぞれ定める。
照射点定義手段53は、複数の分割レーザ光照射手段23a、23bによる被検査体91における照射点96a、96bの位置を設定する。具体的には、照射点96a、96bについて、それぞれの評価時間窓起点62a、62bもしくは評価時間窓終点63a、63bが一致しないように逆算して、分割レーザ光照射点を定義する。
信号評価手段54は、この評価時間窓61a、61b内の超音波信号97から、振幅、周波数もしくは位相情報の少なくとも1つ以上を抽出する。
表示手段60は、超音波信号97を可視的なグラフとして表示する。図1で示しているブロック図は一例であり、各々の機能を別個の機器に分割してもよいし、統合してもよい。
欠陥検査装置200は、被検査体91の欠陥を検査するために、超音波励起点95にて超音波を励起させる超音波励起手段94と、超音波受信装置100とを有する。
図2は、第1の実施形態に係る超音波受信方法の手順を示すフロー図である。
まず、受信用のレーザ光を励起する(ステップS01)。具体的には、レーザ光源10を起動し、受信用のレーザ光であるレーザ光1を照射可能な状態にする。なお、この時点で、被検査体91には、たとえば、超音波励起手段94により超音波励起点95から超音波が生じている状態であるものとする。
次に、照射点定義手段53が、第1の照射点96aおよび第2の照射点96bを定義する(ステップS02)。なお、照射点96は、2箇所に限定されず、3か所以上でもよい。
次に、レーザ光1を、分割レーザ光2a、2bに分割し、それぞれ、第1の照射点96aおよび第2の照射点96bに照射する(ステップS03)。すなわち、レーザ光1を、レーザ光分割手段21が分割レーザ光2a、2bに分割し、分割レーザ光照射手段23a、23bがそれぞれ第1の照射点96aおよび第2の照射点96bに照射する。
次に、反射光を第1の照射点96aおよび第2の照射点96bで集光し合成反射光4に合成する(ステップS04)。すなわち、第1の照射点96aおよび第2の照射点96bのそれぞれにおいて、分割反射光集光手段31a、31bが反射光すなわち分割反射光3a、3bを集光し、集光された分割反射光3a、3bを分割反射光合流手段33が合成反射光4に合成する(ステップS04)。
次に、合成反射光4を干渉計測し経時的に出力する(ステップS05)。すなわち、干渉計測手段40は、合成反射光4を干渉計測して超音波信号97として信号処理手段50に出力し、表示手段60が、超音波信号97を経時的に表示する。
また、評価時間窓定義手段52が、評価時間窓を設定する(ステップS06)。すなわち、評価時間窓定義手段52は、評価対象時間領域の起点となる時間である評価時間窓起点62a、62bおよび終点となる時間である評価時間窓終点63a、63bのそれぞれにより定まる評価時間窓61a、61bを設定する。評価時間窓定義手段52は、評価点定義手段53においてまず評価された超音波励起手段94から照射点96a、96bまでの伝搬時間に基づいて、超音波励起手段94から発せられる超音波に対応する超音波信号97が発生する時間幅を想定する。具体的には、評価時間窓定義手段52は、超音波信号97が発生する時間幅に、例えば超音波信号97の2周期分などの余裕をもって評価時間窓起点62a、62bおよび評価時間窓終点63a、63bなどを設定する。この結果、基本的には、この評価時間窓起点62a、62bおよび評価時間窓終点63a、63bによりそれぞれ定まる評価時間窓61a、61bが、超音波信号97の発生時間幅をカバーすることができる。
なお、ステップS06は、次のステップS07より前である必要はあるが、ステップS02ないしステップS05との前後を問わない。
次に、評価時間窓内の超音波信号を選択し評価する(ステップS07)。すなわち、信号評価手段54は、評価時間窓61a、61b内の超音波信号97から、振幅、周波数もしくは位相情報の少なくとも1つ以上を抽出し、超音波信号97に基づいて、欠陥98に関する情報等の被検査体91に関する情報を確保する。
次に、超音波信号97の評価が可能か否かを判定する(ステップS08)。すなわち、信号評価手段54は、超音波信号97に基づいて、欠陥98(図30)に関する情報等の被検査体91に関する情報を確保しようとするが、第1の照射点96aおよび第2の照射点96bの位置が不適切で、超音波信号97において信号の弁別ができない場合等がある。このような場合は、信号評価手段54は、超音波信号97の評価は可能ではないと判定する。
ステップS08において、超音波信号97の評価は可能ではないと判定された場合(ステップS08 NO)には、ステップS02ないしステップS08を繰り返す。ステップS08において、超音波信号97の評価は可能であると判定された場合(ステップS08 YES)には、超音波受信装置100による超音波の受信は終了する。
図3は、第1の実施形態に係る超音波受信装置のレーザ光分割手段に分岐型ファイバを用いた場合の体系を、また、図4は、分割反射光合流手段に分岐型ファイバを用いた場合の体系を概念的に示す断面図である。
分岐型ファイバは、たとえば複数本のコアで構成されたバンドルファイバ等が代表的であり、その分配数によって強度を調整できる。レーザ光伝送手段11におけるファイバは、レーザ光分割手段21においてレーザ光伝送手段22a、22bにおけるそれぞれのファイバに分割される。
この結果、レーザ光源10から発せられたレーザ光1は、レーザ光伝送手段11で伝送された後、レーザ光分割手段21において分割されるレーザ光伝送手段22a、22bにおけるそれぞれのファイバに分かれて伝送される。
レーザ光伝送手段22aで伝送された分割レーザ光2aは、分割レーザ光照射手段23aによって、被検査体91に照射される。同様に、レーザ光伝送手段22bで伝送された分割レーザ光2bは、分割レーザ光照射手段23bによって、被検査体91に照射される。
分割レーザ光照射手段23aによって被検査体91に照射され反射した分割反射光3aは、分割反射光集光手段31aにより集光され、反射光伝送手段32aにより伝送され、分割反射光合流手段33に到達する。同様に、分割レーザ光照射手段23bによって被検査体91に照射され反射した分割反射光3bは、分割反射光集光手段31bにより集光され、反射光伝送手段32bにより伝送され、分割反射光合流手段33に到達する。
反射光伝送手段32aおよび反射光伝送手段32bによりそれぞれ伝送された分割反射光3a、3bは、分割反射光合流手段33で合流し、合成反射光4として反射光伝送手段34により伝送され、干渉計測手段40に至る。
図5は、第1の実施形態に係る超音波受信装置のレーザ光分割手段にハーフミラーを用いた場合の体系を、また、図6は、分割反射光合流手段にハーフミラーを用いた場合の体系を概念的に示す断面図である。
ハーフミラーを用いた場合、理想的な条件で議論すると、図5に示す体系において、もともと100%の出力をもつレーザ光1は、レーザ光分割手段21により分割されて例えば50%ずつの出力をもつ分割レーザ光2a、2bとなる。すなわち、たとえば、レーザ光分割手段21のハーフミラー21aの透過率が50%の場合、ハーフミラー21aに到達したレーザ光1は、50%が透過して、分割レーザ光2aとして分割レーザ光照射手段23aに到達する。また、ハーフミラー21aに到達したレーザ光1の残りの50%は、反射して、分割レーザ光2bとしてミラー21bに到達し全量が反射して、分割レーザ光照射手段23bに到達する。なお、ハーフミラー21aは、透過率と反射率がそれぞれ50%ずつとは限らず、たとえば、それぞれ40%と60%ずつなどのように一方の割合が多い場合でもよい。
被検査体91の反射率が100%の場合、それぞれ全量が反射される。それぞれで、反射された50%出力の分割反射光3a、3bは、それぞれ、分割反射光集光手段31a、31bで集光され、分割反射光合流手段33により合流し、図6に示す体系を経て、干渉計測手段40に到達する。
具体的には、分割レーザ光照射手段23aにより照射され反射して分割反射光集光手段31aに集光された分割反射光3aは、分割反射光合流手段33のハーフミラー33aに到達し、その50%、すなわち元のレーザ光1の25%の強度の分割反射光3aが透過して反射光伝送手段34により干渉計測手段40に伝送される。また、他方の分割レーザ光照射手段23bにより照射され反射して分割反射光集光手段31bに集光された分割反射光3bは、分割反射光合流手段33のミラー33bに到達して全量が反射された後にハーフミラー33aに到達する。ハーフミラー33aではその50%、すなわち元のレーザ光1の25%の強度の分割反射光3bが反射して反射光伝送手段34により干渉計測手段40に伝送される。
以上のように、合流後の合成反射光4は、元のレーザ光1に対して、最大でも50%の強度で干渉計測手段40に到達する。
図7は、レーザ光分割手段に偏光ビームスプリッタを用いた場合、また、図8は、分割反射光合流手段に偏光ビームスプリッタを用いた場合の体系を、それぞれ概念的に示す断面図である。
いま、光学系への入射面に対して、偏光方向が互いに垂直な成分を、それぞれ、P波およびS波とする。もともとレーザ光源10から発せられたレーザ光1は、それらの成分が混合している。図7に示すように、レーザ光分割光学系20に偏光ビームスプリッタを用いる場合、それぞれの成分にレーザ光1を分岐させることができる。たとえば、図7に示すように、P波を透過してS波を反射する偏光ビームスプリッタを用いる。あるいはS波を透過してP波を反射する偏光ビームスプリッタを用いてもよい。
まず、P波とS波とが混合したレーザ光1が、レーザ光分割手段21の偏光ビームスプリッタ21cに到達する。ここで、この偏光ビームスプリッタ21cは、P波を透過しS波を反射するものである。
偏光ビームスプリッタ21cを全量透過したP波は、レーザ光伝送手段22aにより単独のP波成分の分割レーザ光2aとして伝送され、分割レーザ光照射手段23aに到達し、被検査体91の第1の照射点96aに照射される。また、偏光ビームスプリッタ21cで反射した単独のS波成分は、分割レーザ光2bとして、ミラー21bで全量が反射され、レーザ光伝送手段22bにより伝送され、分割レーザ光照射手段23bに到達し、被検査体91の第2の照射点96bに照射される。
第1の照射点96aへの照射によるP波成分単独の分割反射光3aは、分割反射光集光手段31aにより集光された後、反射光伝送手段32aで単独のP波成分として伝送され、分割反射光合流手段33の偏光ビームスプリッタ33cに到達する。偏光ビームスプリッタ33cに到達したP波成分単独の分割反射光3aは全量が透過し、反射光伝送手段34により干渉計測手段40に送られる。
他方の分割反射光集光手段31bにより集光されたS波成分単独の分割反射光3bは、分割反射光合流手段33の中のミラー33bに送られ全量が反射し、さらに偏光ビームスプリッタ33cでも全量が反射して、反射光伝送手段34により干渉計測手段40に送られる。
このように、分割反射光合流手段33を通すことでS波とP波の混合された合成反射光4として干渉計測手段40に伝送される。
この際、反射レーザ光の偏光方向をそろえたい場合は、例えばP波かS波単体の通り道にλ/2波長板を1枚、もしくはλ/4波長板を2枚挿入して偏光方向を90度回転させるとともに、反射分割レーザ光をハーフミラーとすることにより、たとえばS波だけに位相を揃えた反射光を得ることもできる。
なお、以上の構成において、往路で偏光ビームスプリッタを用い、復路ではファイバ分岐を用いる等、異なる形式を組合せて構成してもよい。
図9は、第1の実施形態に係る超音波受信装置のレーザ光分割光学系と反射光集光光学系とで一部を共用する場合の体系を概念的に示す断面図である。図9に示す構成において、レーザ光分割手段21の偏光ビームスプリッタ21cは、P波透過、S波反射の特性を有する。レーザ光分割光学系20のレーザ光伝送手段22aの途中に設けられた偏光ビームスプリッタ21dも、P波透過、S波反射の特性を有する。また、レーザ光分割光学系20のレーザ光伝送手段22bの途中に設けられた偏光ビームスプリッタ21eは、P波反射、S波透過の特性を有する。さらに、分割反射光合流手段33に設けられた偏光ビームスプリッタ33cは、P波透過、S波反射の特性を有する。
レーザ光源10から発せられレーザ光分割手段21の偏光ビームスプリッタ21cに到達したレーザ光1のうちP波成分は、偏光ビームスプリッタ21cを透過し、S波成分は全量が反射し、ミラー21bでさらに反射する。
偏光ビームスプリッタ21cを透過したP波成分単独の分割レーザ光2aは、さらに、レーザ光伝送手段22aの経路上に設けられた偏光ビームスプリッタ21dを全量が透過し、λ/4波長板21fに到達する。P波成分単独の分割レーザ光2aは、λ/4波長板21fを通過すると、偏光は90度回転し、P波成分とS波成分が混合した円偏光の状態にある分割レーザ光2aとなり、分割レーザ光照射手段23aにより被検査体91に照射される。
一方、偏光ビームスプリッタ21cで反射しミラー21bでさらに反射したS波成分単独の分割レーザ光2bは、さらに、レーザ光伝送手段22bの経路上に設けられた偏光ビームスプリッタ21eを全量透過し、λ/4波長板21gに到達する。S波成分単独の分割レーザ光2bは、λ/4波長板21gを通過すると、偏光は90度回転し、P波成分とS波成分が混合した円偏光の状態にある分割レーザ光2bとなり、分割レーザ光照射手段23bにより被検査体91に照射される。
被検査体91に照射された一方の円偏光の分割レーザ光2aは、被検査体91で反射し、分割反射光3aとして分割反射光集光手段31aにより集光される。ここで、分割レーザ光照射手段23aと分割反射光集光手段31aとは、同じものを兼用してもよい。この分割反射光3aは、反射光伝送手段32aにも兼用されるλ/4波長板21fにおいて90度回転しS波成分単独の分割反射光3aとなる。
S波成分単独となった分割反射光3aは、偏光ビームスプリッタ21dで全量反射し、分割反射光合流手段33の偏光ビームスプリッタ33cに到達する。S波成分単独の分割反射光3aは、偏光ビームスプリッタ33cで全量反射し、反射光伝送手段34により干渉計測手段40に伝送される。
一方、被検査体91に照射された他方の円偏光の分割レーザ光2bは、被検査体91で反射し、分割反射光3bとして分割反射光集光手段31bにより集光される。ここで、分割レーザ光照射手段23bと分割反射光集光手段31bとは、同じものを兼用してもよい。この分割反射光3bは、反射光伝送手段32bにも兼用されるλ/4波長板21gにおいて90度回転し、P波成分単独の分割反射光3bとなる。P波成分単独となった分割反射光3bは、偏光ビームスプリッタ21eで全量反射し、分割反射光合流手段33のミラー33bに到達する。P波成分単独の分割レーザ光3bは、ミラー33bで全量反射した後、偏光ビームスプリッタ33cに到達する。P波成分単独の分割反射光3bは、偏光ビームスプリッタ33cを透過し、反射光伝送手段34により干渉計測手段40に伝送される。
なお、分割反射光合流手段33では、前述のように、偏光ビームススプリッタを用いない手段と組合せてもよい。
図10は、超音波受信装置の検出位置を示す断面図である。また、図11は、図10に示す検出位置の場合の超音波信号の時間的変化を示すグラフである。
図10に示すように、超音波励起手段94により被検査体91の超音波励起点95から超音波が発せられる。この体系において被検査体91における第1の照射点96aに分割レーザ光2aが照射される場合を示している。図10に示す干渉計測手段40により得られた超音波信号97は、図11のように表示される。
図11では、超音波信号97aに評価時間窓61が合わせられている。具体的には、時間軸方向に評価時間窓起点62、評価時間窓終点63で挟んだ時間領域である測定範囲64内に、超音波励起点95から発せられる超音波に対応して検出された超音波信号97aが示されている。
図12は、超音波受信装置の別の検出位置を示す断面図である。また、図13は、図12に示す検出位置の場合の超音波信号の時間的変化を示すグラフである。
図12に示すように、超音波励起手段94により被検査体91の超音波励起点95から超音波が発せられる。この体系において被検査体91における第2の照射点96bにレーザ光が照射される場合を示している。図12に示す干渉計測手段40により得られた超音波信号97の受信波の部分である超音波信号97は、図13のように表示される。
図13では、超音波信号97bに評価時間窓61が合わせられている。具体的には、時間軸方向に評価時間窓起点62、評価時間窓終点63で挟んだ時間領域である測定範囲64内に、超音波励起点95から発せられる超音波に対応して検出された超音波信号97bが示されている。
図11および図13に示すように、分割レーザ光2a、2bそれぞれの照射点である第1の照射点96aおよび第2の照射点96bと超音波励起点95の相対位置や、伝搬してくる超音波が表面波であるか体積波であるか等のモードの違いによって、得られる波形のピークの強度や時間位置が異なる。
図14は、超音波受信装置の検出位置を示す断面図であり、検出位置が2つの場合を示す。すなわち、分割レーザ光2a、2bがそれぞれ、第1の照射点96aおよび第2の照射点96bに照射された場合である。また、図15は、図14に示す検出位置の場合の超音波信号の時間的変化を示すグラフである。超音波励起点95から第1の照射点96aへの超音波信号97aと、超音波励起点95から第2の照射点96bへの超音波信号97bが示されている。図15では、1点目の受信波形である超音波信号97aに評価時間窓61が合わせられている。
ここで、超音波信号97aと超音波信号97bとは、明確に伝搬してくる時間が異なる。このように、明確に時間が異なって伝搬してくる超音波信号97aと超音波信号97bの2つの波は、図15に示すように1つの波形にまとめられても判別が可能である。すなわち、ここでは、超音波励起点95から分割レーザ光2a、2bの第1の照射点96aと第2の照射点96bのそれぞれまでの距離が異なるため、時間差が生じてそれぞれ計測される。
信号処理手段50の評価時間窓定義手段52は、評価時間窓起点62と評価時間窓終点63により評価時間窓61を定義する。信号処理手段50の信号評価手段54は、その範囲内で、超音波信号97から、振幅、周波数もしくは位相情報の少なくとも1つ以上を抽出する機能を有する。
ここで、振幅とは最大ピークをもつ波の最大値と最小値との幅だけでなく、複数の波がある場合はそれぞれの最大値と最小値との幅を抽出してもよい。また、ピークだけでなくバックグラウンドとなるノイズの振幅情報(最大、最小、RMS値等)を取得することもできる。周波数情報は、高速フーリエ変換等の代表的な解析方法だけでなくウェーブレット解析の機能を有してもよいし、周波数解析範囲をさらに限定するために評価時間窓の中に更に細かい解析用時間窓を設けてもよい。
位相情報は、所望の波形の最大、最小ピーク時間位置やゼロクロス点、半値幅等があり、その他の情報でもよい。また、信号評価手段54は上記情報の評価を簡便化するために周波数フィルタや加算平均といった信号制御機能を備えたり、使用者が容易に利用できるようにPCモニタ等の表示手段、マウスやキーボード、タッチパネルといった入力手段と組合せたりしてもよい。
前述のように、被検査体91における超音波励起点95と、分割レーザ光2a、2bそれぞれの第1の照射点96a、第2の照射点96bとの相対距離によって、分割レーザ光2aの第1の照射点96aと、分割レーザ光2bの第2の照射点96bとで、超音波の到達する時間は異なる。
被検査体91における音速および形状の一部に関する情報が得られていれば、演繹的に、分割レーザ光2a、2bそれぞれの第1の照射点96aと第2の照射点96bに超音波信号97aが到達する時間が得られる。このため評価時間窓定義手段52では、その時間を目安にそれぞれの分割レーザ光の照射点に合わせた評価時間窓61を設定することが可能となる。
図16は、超音波受信装置による評価時間窓と超音波の伝搬経路との関係を説明するための断面図である。また、図17は、図16に示す検出位置の場合の超音波信号の時間的変化を示すグラフである。
被検査体91のある領域を測定領域91aと定義し、その測定領域91aの中から最速で応答が得られる伝搬時間からある余裕分早い時間を評価時間窓61の評価時間窓起点62と定義し、最も応答に時間がかかる領域からの伝搬時間からある余裕分遅い時間を評価時間窓61の評価時間窓終点63と定義してもよい。すなわち、測定範囲64が広くなる方向に評価時間窓起点62および評価時間窓終点63を定義する。それぞれの余裕分は、経験値等に基づき設定する。
図18は、第1の実施形態に係る超音波受信装置の検出位置を示す断面図である。また、図19は、図18に示す検出位置の場合の超音波信号の時間的変化を示すグラフである。
図18に示すように、超音波励起手段94により超音波が励起される超音波励起点95から第1の照射点96aと第2の照射点96bのそれぞれとの距離が、ほぼ等しい。この結果、第1の照射点96aからの超音波信号97aについての評価時間窓61aと、第2の照射点96bからの超音波信号97bについての評価時間窓61bとの間で、それぞれの評価時間窓起点62aと評価時間窓起点62bとが、あるいはそれぞれの評価時間窓終点63aと評価時間窓終点63bとがほとんど一致してしまう。
このように、評価時間窓61a、61bそれぞれの評価時間窓起点62a、62bもしくは評価時間窓終点63a、63bがそれぞれの分割レーザ光の照射点ごとに一致してしまう場合に、照射点定義手段53は、超音波励起点95から第1の照射点96a、第2の照射点96bまでの伝搬時間を逆算し、評価時間窓起点62a、62bもしくは評価時間窓終点63a、63bが重畳しないような分割レーザ光2bの照射点96bを定義する機能を有する。
図20は、第1の実施形態に係る超音波受信装置の検出位置を示す断面図である。
図21は、図20に示す検出位置の場合の超音波信号の時間的変化を示すグラフである。図21では、超音波信号97aの到達する時間と、超音波信号97bの到達する時間が異なっており、評価時間窓61aと評価時間窓61bとが重畳しない時間関係となっている。照射点定義手段53は、このような状態にするために、第2の照射点96bの位置をどれくらい変更すればよいかを演算する。演算した結果は、表示手段60に表示される。
以下に、本実施形による超音波受信装置100の2つの利用例を示す。
図22は、第1の実施形態に係る超音波受信装置により異なる検出目的の計測を並行して行う第1の例を示す断面図である。
第1の照射点96aは、超音波励起点95と、被検査体91を挟んで反対側にある。この結果、第1の照射点96aで測定される超音波は、超音波励起点95から被検査体91の内部を透過してきたものであるから、伝搬速度を把握することにより、被検査体91の板厚を計測する状態である。
一方、第2の照射点96bで測定される超音波は、超音波励起点95から被検査体91の表面を伝搬してきたものである。この結果、表面に生じている欠陥98を同時に探傷する状態である。
このように、透過配置で板厚計測を行う一方で、同時に探傷を行うことができる。
図23は、第1の実施形態に係る超音波受信装置により異なる検出目的の計測を並行して行う第2の例を示す斜視図である。2つの圧延製鋼ラインで異なる板厚の鋼材が流れている状態においての計測である。
一方の圧延製鋼ライン上を流れる第1の被検査体91gである鋼材に、分割レーザ光2aの照射点である第1の照射点96aがある。また、他方の延製鋼ライン上を流れる第2の被検査体91hである鋼材に、分割レーザ光2bの照射点である第2の照射点96bがある。
それぞれで反射した分割反射光3a、3bは、干渉計測手段40に到達し、それぞれについての超音波信号97a、97bが取得され評価される。この結果、第1の被検査体91gおよび第2の被検査体91hのそれぞれについての板厚計測が同時に実施でき、少ないリソースによって、品質の向上、測定の効率化が期待できる。
通常、ひとつの波形に複数測定点の情報が混在するのは忌避すべき現象だが、本実施形態では、上述のように、評価時間窓61と分割レーザ光2a、2bそれぞれの照射点96a、96bの座標とを連携して管理することにより、ひとつの波形の中にある複数測定点の情報を個別に抽出することができる。これにより、光源や干渉計、またAD変換器のチャンネル等重要な信号収録系統等を増設することなく、複数点の測定が可能となる。
[第2の実施形態]
図24は、第2の実施形態に係る超音波受信装置の構成を示すブロック図である。本実施形態は、第1の実施形態の変形である。本実施形態に係る超音波受信装置100は、照射点位置調整手段をさらに有する。照射点位置調整手段は、第1の照射点96aおよび/または第2の照射点96bのそれぞれの位置、あるいは相対的な位置を調節する。照射点位置調整手段の具体的な例としては、図24に示すような走査手段71である。走査手段71は、第2の照射点96bを走査するように、分割レーザ光照射手段23bおよび分割反射光集光手段31bを、所定の方向および所定の距離に移動駆動する。なお、走査手段71は、第1の照射点96aも、あるいは全ての照射点を走査することでもよい。また、超音波励起点95を走査するために超音波励起手段94を移動駆動してもよい。
走査手段71は、パルスやサーボモータ駆動の一般的に自動ステージと呼ばれるものでよく自動制御で移動が可能なものであれば何を用いてもよい。走査手段71は、走査するだけでなく走査位置情報をフィードバックする機能を有してもよい。
評価時間窓定義手段52は、走査手段71による移動駆動により変化する分割レーザ光2bの照射点96bの座標に基づいて、逐次超音波伝搬時間を計算し、これらの走査位置に追従して、評価時間窓61の評価時間窓起点62と評価時間窓終点63をそれぞれ定める機能をさらに有する。
図25は、超音波受信装置の検出位置の例を示す断面図である。また、図26は、図21に示す検出位置の場合の超音波信号の時間的変化を示すグラフである。
図25は、走査手段71によって、例えば分割レーザ光2bの照射点である第2の照射点96bを96b1、96b2、および96b3のように移動させ、走査する場合を示している。1点目の超音波信号97aと2点目の超音波信号97b1の場合は、互いに分かち難いほどにそれぞれの発生時間が接近している。走査手段71によって、第1の照射点96aおよび第2の照射点96bのそれぞれへの超音波伝搬時間を変化させることにより、2点目の超音波信号97b2あるいは97b3のように、1点目の超音波信号97aとの間で、互いに弁別可能となる。
図27は、超音波受信装置の検出位置の他の例を示す断面図である。また、図28は、図21に示す検出位置の場合の超音波信号の時間的変化を示すグラフである。
図27は、例えば表面波と縦波等、異なるモードの超音波をそれぞれの照射点96で測定する体系である場合を示す。ここで、第1の照射点96aの位置が、96a1から96a2に変化すると、超音波伝搬時間は、超音波のモードごとに音速が異なるため、図28に示すような結果となる。
体積波(縦波)は、第1の照射点96aの位置が96a1のときはVL1で示す経路であったものが、第1の照射点96aの位置が96a2のときはVL2で示す経路となる。すなわち、径路VL2と径路VL1の差だけ伝搬距離が増加する。
一方、表面波(横波)は、第1の照射点96aの位置が96a1のときはSL1で示す経路であったものが、第1の照射点96aの位置が96a2のときはSL2で示す経路となる。すなわち、径路SL2と径路SL1の差だけ伝搬距離が増加する。
図28において、第1の照射点96aの位置が96a1のときの体積波に起因する超音波97V1と、第1の照射点96aの位置が96a2のときの体積波に起因する超音波97V2との発生時刻の差をΔTVとする。また、第1の照射点96aの位置が96a1のときの表面波に起因する超音波97S1と第1の照射点96aの位置が96a2のときの表面波に起因する超音波97S2との発生時刻の差をΔTSとする。
体積波(縦波)は、表面波(横波)に比べて、伝搬速度すなわち音速が大きい。この結果、第1の照射点96aの位置の変化によるそれぞれの伝搬距離の増加に対して、超音波の伝搬時間の変化は、体積波(縦波)の場合のΔTVより表面波(横波)の場合のΔTSの方が大きくなる。すなわち、体積波に起因する超音波97V1および97V2と、表面波に起因する超音波97S1および97S2との弁別が可能である。
このように走査手段を用いることで複数のピークをもつ超音波信号から目当ての信号を抽出することが容易となる。
[第3の実施形態]
図29は、第3の実施形態に係る構造体の製造方法の手順を示すフロー図である。本実施形態は、第1の実施形態および第2の実施形態のいずれかもしくはその組合せを、構造体を被検査体として用いる場合の例である。特に本実施形態においては、構造体を、2つの部材を接合してなる接合部材とした場合を例として以下説明する。なお、構造体については、接合部材に限られるものではなく、第1の実施形態および第2の実施形態の超音波受信装置および超音波受信方法を用いて内部の欠陥検査を行なうことができる種々の物体とすることができる。
まず、構造体を構成することとなる第1部材99a(図30)と第2部材(図30)99bとを準備し、それぞれに開先を形成し、開先合わせを行う(ステップS11)。次に所定の層数の溶接を実施する(ステップS12)。ステップS12にて第1部材99aと第2部材99bの開先の間に所定の層数の溶接を実施することで、第1部材99a、第2部材99bおよび接合部92としての溶接部が接合部材(構造体)となる(準備ステップ)。この準備ステップの後、溶接過程での欠陥検査を実施する(ステップS13:検査ステップ)。なお、溶接過程での検査では、後述するように、欠陥98の検出と並行して、接合部の厚みの情報も取得することができる。
ここで、所定の層数は、1層でも複数層でもよい。所定の層数が少ないと、溶接検査の回数が増加する。また、所定の回数が多いと、欠陥98(図30)が確認されたときの補修規模が増大する。したがって、両者を勘案して所定の層数を決めればよい。また、所定の層数は、順次、変化させてもよい。
ステップS13の欠陥検査の結果、欠陥98が検出されたか否かを判定する(ステップS14)。欠陥98が検出されたと判定された場合(ステップS14 YES)は、欠陥98を含めてのハツリと、溶接の再施行を実施する(ステップS15)。
欠陥98が検出されなかったと判定された場合(ステップS14 NO)には、全層について終了したか否かを判定する(ステップS16)。全層終了していないと判定された場合(ステップS16 NO)には、ステップS12ないしステップS16を繰り返す。全層終了したと判定された場合(ステップS16 YES)には、仕上がり状態での欠陥検査を実施する(ステップS17)。この段階では、接合部材99(図34)が被検査体91(図34)である。なお、図示していないが、この検査で最終層あるいは表面に欠陥があれば、補修を実施する。
図30は、第3の実施形態に係る構造体の製造方法において、超音波受信装置による分割レーザ光の照射点を同一母材部の異なる位置に設定した場合の状態を示す断面図である。
接合部材99(図34)は、第1部材99aの母材部93a、第2部材99bの母材部93bと、接合部92によって構成される。母材部93a、93bの材質は、音が伝搬し、接合可能な材料であれば、本実施形態の適用上、制限はない。例えば炭素鋼やステンレス鋼と言った鉄鋼材料および非鉄金属材料、セラミックス材料、樹脂や生体といった高分子材料のほか、GFRPのような複合繊維強化材料等でもよく、あるいはそれらの組合せ材料でもよい。
接合部92は、母材部93a、93bどうしの融合もしくは溶材などによって成る。接合手法は、一般的な溶接だけでなく摩擦撹拌接合やろう付といった、母材部93a、93bどうし、もしくは溶材と母材部93a、93bそれぞれとの間が密着する手法であればよい。本実施形態では、接合部材99の製造を、厚板の突合せ溶接により行う場合を代表例として説明する。以下の接合部材99の製造過程においては、接合過程にあるものが被検査体91である。
図30に示す場合は、第1の照射点96aを第2部材99bの開先面に、また、第2の照射点96bを同じ第2部材99bの表面に設定している。また、超音波励起点95を、接合部92の最終層の表面としている。
超音波励起点95から発せられた超音波は、接合部92の内部を通過した後に、一部は、接合部92内の超音波励起点95の反対側の端部、すなわち裏波の表面で反射し、第2部材99bの母材部93b内を体積波として伝搬する。また、他の一部は、第2部材99bの開先面を表面波として伝搬する。
第1の照射点96aに至る超音波は、主として開先面を伝搬してくる表面波である。また、第2の照射点96bに至る超音波は、主として母材部93b内を伝搬してくる体積波である。いずれの波も、接合部92に欠陥98が存在する場合は、その影響を受けるため、第1の照射点96aおよび第2の照射点96bそれぞれからの分割反射光3a、3bから、欠陥98に関する情報を含んだ超音波を取得することができる。
図31は、第3の実施形態に係る構造体の製造方法において、表面検査と体積検査を同時に行った場合の超音波の時間変化の例を示すグラフである。すなわち、図30の体系での測定結果の一例である。
超音波信号97bは、第2の照射点96bに直接到達する体積波に対応する。実線で表される超音波信号97bは、音速の高い体積波であり、裏波深さのエコーを示す。すなわち、接合部の溶接の厚さに対応する信号となる。また、超音波信号97a1は、第1の照射点96aに直接到達する表面波に対応する。音速の低い表面波は、体積波より遅れて受信される。また、超音波信号97a2は、欠陥98に由来し体積波から表面波に変換したモード変換波に対応する。
図32は、第3の実施形態に係る構造体の製造方法において、欠陥由来のモード変換波の伝搬を説明する概念的な断面図である。
超音波励起手段94により超音波励起点95において発生した超音波の一部は、接合部92内を伝搬し、その端部(裏波部)で反射し、母材部93内を体積波として伝搬し、照射点96に至る。体積波の速度が表面波の速度に比べて大きいため、この超音波に対応する超音波信号97が、最も早く検出される。
また、超音波励起手段94により超音波励起点95において発生した超音波の一部は、そのまま、表面波として開先面に沿って伝搬し照射点96に至る。一方、超音波励起点95において発生した超音波の一部は、接合部92内を体積波として伝搬し欠陥98で反射する。この反射超音波は体積波として接合部92内を伝搬し、接合部92あるいは開先面に到達した後に、表面波に変わり、開先面を伝搬し照射点96に至る。この結果、図31に示すように、欠陥98に由来するこのモード変換波に対応する超音波信号97a2は、第1の照射点96aに直接到達する表面波に対応する超音波信号97a1より遅れて検出される。
図32のような原理で励起された欠陥由来のモード変換波に対応する超音波信号97a2が、直接に励起された表面波に対応する超音波信号97a1より少し遅れて観察されることにより、両者の区別が可能となり、板厚計測と欠陥計測が同時に行えるようになる。
このように、分割レーザ光2aの1つ目の照射点96aを母材部93の表面に設置することで裏波の溶け込み深さをモニタリングしながら、2つ目の照射点96bを開先面に設置することによって、開先面を伝わってくるビード直下に生じた欠陥98からのエコーも受信が可能となる。
図33は、第3の実施形態に係る構造体の製造方法において、超音波受信装置による分割レーザ光の照射点を異なる部材にまたがって設定した場合の状態を示す断面図である。
図33に示す場合は、第1の照射点96aを第1部材99aの開先面に、また、第2の照射点96bを第2部材99bの開先面に設定している。また、超音波励起点95を、接合部92の最終層の表面としている。
超音波励起点95から発せられた超音波は、接合部92の内部を通過した後に、一部は、第1部材99aの開先面を表面波として伝搬し、第1の照射点96aに至る。また、他の一部は、第2部材99bの開先面を表面波として伝搬し、第2の照射点96bに至る。
このように、異なる部材にまたがって照射することで、例えば2パス以上の幅広な接合部において、第1部材99aの母材部93aあるいは第2部材99bの母材部93bの位置に発生した欠陥98も見逃さずに検出することが可能となる。
分割レーザ光2a、2bそれぞれの照射点96である第1の照射点96a、第2の照射点96bを、例えば図30に示すように同一部材の異なる位置に設定してもよいし、図33に示すように異なる部材にまたがって設定してもよい。
接合には欠陥98が発生するリスクが必ずあり、本実施形態によりそれらを効率的に検出することが可能となる。例えば図30や図33に示すような突合せ溶接では、溶接途中に欠陥を検出できれば、溶接完了後に欠陥を見つけた場合よりも、補修にかかる時間を大幅に低減することができる。
図34は、第3の実施形態に係る構造体の製造方法において、溶接の終了後に、表面検査と体積検査を同時に行っている状態を示す断面図である。
図34に示す場合は、第1の照射点96aを第1部材99aの表面に、また、第2の照射点96bを第2部材99bの表面に設定している。また、超音波励起点95を、第1部材99aの表面に設定している。超音波励起点95は、第1の照射点96aを挟んで、第2の照射点96bの反対側に位置している。
超音波励起点95から発された超音波は、第2の照射点96bに至るまでに、接合部92を経由してくる。このため、第2の照射点96bには、接合部92における欠陥98aに関する情報を含む体積波が到達する。
一方、超音波励起点95から発された母材部93aの表面を伝搬する超音波は、直近の第1の照射点96aに到達する。また、母材部93aの表面を伝搬する超音波の一部は、表面欠陥98bに到達した後反射され、第1の照射点96aに到達する。
図35は、超音波の波形弁別を説明するための超音波の時間変化の例を示す第1のグラフであり、図34に示す体系における検査結果の例を示すものである。
この場合は、超音波励起点95から第1の照射点96aまでの距離が、超音波励起点95から第2の照射点96bまでの距離に比べて短い。したがって、第1の照射点96aに直接に到達する表面波に対応する超音波信号97a1が、第2の照射点96bに直接に到達する表面波に対応する超音波信号97bに比べて先行している。また、欠陥98からモード変換して到達する表面波に対応する超音波信号97a2は、第1の照射点96aに直接に到達する表面波に対応する超音波信号97a1に少し遅れて発生する。
図35に示すように、同じ音速である表面波を用いる場合でも、超音波励起点95からの相対位置を変えて照射点96を設定することにより、それぞれの波形弁別が可能となり、元の第1部材99aおよび第2部材99bそれぞれの開先面の近傍に発生した欠陥であっても検出することができる。
図36は、超音波の波形弁別を説明するための超音波の時間変化の例を示す第2のグラフである。
前述の図34に示す体系において、まず、超音波励起点95において発生し第1の照射点96aに直接に到達する表面波に対応する超音波信号97a1が検出される。次に、内在欠陥98aから散乱されて照射点96bに到達する体積波に対応する超音波信号97b2が検出される。超音波信号97b2に遅れて、接合部の底面(裏波の表面)から反射して照射点96bに到達する体積波に対応する超音波信号97b1が検出される。最後に、表面欠陥98bから反射されてくる表面波に対応する超音波97a2が検出される。
図36には、以上のような時系列が表示されており、それぞれ全ての波が時間的に弁別可能となっている。
溶接完了後の表面に発生しやすいアンダカットや遅れ割れを、超音波励起点95と同じ第1部材99aに配置した分割レーザ光2aの第1の照射点96aで受信する表面波で検出する。また、超音波励起点95と異なる第2部材99bに配置した第2の照射点96bで受信する体積波を用いて、溶接部すなわち接合部92内のボイドや融合不良といった内在する欠陥98を検出することが可能となる。
このように第1の照射点96a、第2の照射点96b、および超音波励起点95のそれぞれの位置を適切に設定することによって、表面検査と体積検査を同時に行うことが可能となる。
以上のような欠陥検査により製造された接合部材などの構造体は、大掛かりな検査装置を用いずに十分な品質を確保することができる。また、接合部材などの構造体の製造コストの増大の抑制も図ることができる。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態を説明したが、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。
また、これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…レーザ光、2a、2b…分割レーザ光、3a、3b…分割反射光、4…合成反射光、10…レーザ光源、11…レーザ光伝送手段、20…レーザ光分割光学系、21…レーザ光分割手段、21a…ハーフミラー、21b…ミラー、21c、21d、21e…偏光ビームスプリッタ、21f、21g…λ/4波長板、22a、22b…レーザ光伝送手段、23a、23b…分割レーザ光照射手段、30…反射光集光光学系、31a、31b…分割反射光集光手段、32a、32b…反射光伝送手段、33…分割反射光合流手段、33a…ハーフミラー、33b…ミラー、33c…偏光ビームスプリッタ、34…反射光伝送手段、40…干渉計測手段、50…信号処理手段、51…AD変換器、52…評価時間窓定義手段、53…照射点定義手段、54…信号評価手段、60…表示手段、61、61a、61b…評価時間窓、62、62a、62b…評価時間窓起点、63、63a、63b…評価時間窓終点、64…測定範囲、71…走査手段(照射点位置調整手段)、80…入力手段、91…被検査体、91a…測定領域、91g、91h…被検査体、92…接合部、93a、93b…母材部、94…超音波励起手段、95…超音波励起点、96、96a、96b…照射点、97、97a、97b、97b1,97b2、97b3…超音波信号、98、98a、98b…欠陥、99…接合部材、99a…第1部材、99b…第2部材、100…超音波受信装置、200…欠陥検査装置

Claims (10)

  1. 被検査体に照射するレーザ光を励起するレーザ光源と、
    前記被検査体の第1の照射点と第2の照射点に照射可能に前記レーザ光を分割するレーザ光分割光学系と、
    前記第1の照射点と前記第2の照射点に照射された前記レーザ光の反射光をそれぞれ集光して合成し合成反射光として出力する反射光集光光学系と、
    前記合成反射光を干渉計測して得られる信号を超音波信号として経時的に出力する干渉計測手段と、
    起点となる時間である評価時間窓起点および終点となる時間である評価時間窓終点により定まる評価時間窓を設定可能に構成され、前記超音波信号のうち前記評価時間窓に対応する前記超音波信号を選択して評価可能に構成された信号処理手段と、
    を備え、
    前記信号処理手段は、
    前記第1の照射点および前記第2の照射点の位置、前記被検査体のいずれも超音波励起点側の表面、前記超音波励起点側の表面と前記被検査体を挟んでその反対側、または、前記被検査体の前記超音波励起点側の表面と開先面、のいずれかの組み合わせに設定する照射点定義手段と
    前記被検査体の形状並びに前記第1の照射点および前記第2の照射点の位置に基づいて、前記被検査体における所望の測定範囲から前記第1の照射点および前記第2の照射点までの超音波伝搬時間をそれぞれ算出し、前記第1の照射点および前記第2の照射点におけるそれぞれの前記超音波信号の発生時間幅をカバーするようにそれぞれの前記評価時間窓を定める評価時間窓定義手段と、
    を具備し、
    前記第1の照射点および前記第2の照射点におけるそれぞれの前記評価時間窓が互いに重複しないように設定される、
    ことを特徴とする超音波受信装置。
  2. 前記信号処理手段は、前記超音波信号から振幅、周波数および位相情報の少なくとも1つを抽出可能に構成されたことを特徴とする請求項1記載の超音波受信装置。
  3. 前記評価時間窓起点および前記評価時間窓終点は、前記被検査体の前記形状、前記第1の照射点の位置、および前記第2の照射点の位置に基づいてそれぞれ設定されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の超音波受信装置。
  4. 前記第1の照射点および前記第2の照射点の少なくともいずれかの位置を調整する照射点位置調整手段が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の超音波受信装置。
  5. 前記照射点位置調整手段は、調整する前記第1の照射点および前記第2の照射点の少なくともいずれかの位置を走査することを特徴とする請求項4記載の超音波受信装置。
  6. 被検査体に照射するレーザ光を励起するレーザ光源と、
    前記被検査体の第1の照射点と第2の照射点に照射可能に前記レーザ光を分割するレーザ光分割光学系と、
    前記第1の照射点と前記第2の照射点に照射された前記レーザ光の反射光をそれぞれ集光して合成し合成反射光として出力する反射光集光光学系と、
    前記合成反射光を干渉計測して得られる信号を超音波信号として経時的に出力する干渉計測手段と、
    起点となる時間である評価時間窓起点および終点となる時間である評価時間窓終点により定まる評価時間窓を設定可能に構成され、前記超音波信号のうち前記評価時間窓に対応する前記超音波信号を選択して評価可能に構成された信号処理手段と、
    を備え、
    前記被検査体は、第1部材と、第2部材と、前記第1部材および前記第2部材を接合する接合部からなり、前記第1の照射点は前記第1部材にあり、前記第2の照射点は前記第2部材にあり、
    前記評価時間窓は、前記第1の照射点および前記第2の照射点におけるそれぞれの前記超音波信号の発生時間幅をそれぞれカバーするように定められる、
    ことを特徴とする超音波受信装置。
  7. 前記被検査体に超音波を励起させる超音波励起手段と、
    請求項1ないし請求項6のいずれか1項記載の超音波受信装置と、
    を備え、
    前記信号処理手段は、前記被検査体の欠陥で発生する前記超音波の反射超音波の信号を前記超音波信号として評価可能に構成されることを特徴とする欠陥検査装置。
  8. レーザ光源が、被検査体に照射するレーザ光を励起し、
    レーザ光分割光学系が、前記レーザ光を前記被検査体の第1の照射点と第2の照射点に分割して照射し、
    反射光集光光学系が、前記第1の照射点および前記第2の照射点に照射された前記レーザ光の反射光をそれぞれ集光して合成反射光として合成し、
    干渉計測手段が、前記合成反射光を干渉計測して得られる信号を超音波信号として経時的に出力し、
    信号処理手段が、起点となる時間である評価時間窓起点および終点となる時間である評価時間窓終点により定まる評価時間窓を設定し、前記超音波信号のうち前記評価時間窓に対応する前記超音波信号を選択して評価する、超音波受信方法あって
    前記信号処理手段は、
    前記第1の照射点および前記第2の照射点の位置、前記被検査体のいずれも超音波励起点側の表面、前記超音波励起点側の表面と前記被検査体を挟んでその反対側、または、前記被検査体の前記超音波励起点側の表面と開先面、のいずれかの組み合わせに設定する照射点定義手段と
    前記被検査体の形状並びに前記第1の照射点および前記第2の照射点の位置に基づいて、前記被検査体における所望の測定範囲から前記第1の照射点および前記第2の照射点までの超音波伝搬時間をそれぞれ算出し、前記第1の照射点および前記第2の照射点におけるそれぞれの前記超音波信号の発生時間幅をカバーするようにそれぞれの前記評価時間窓を定める評価時間窓定義手段と、
    を具備し、
    前記第1の照射点および前記第2の照射点におけるそれぞれの前記評価時間窓が互いに重複しないように設定される、
    ことを特徴とする超音波受信方法。
  9. 被検査体に超音波を励起して超音波受信方法を実施する欠陥検査方法であって、
    当該欠陥検査方法は、
    レーザ光源が、前記被検査体に照射するレーザ光を励起し、
    レーザ光分割光学系が、前記レーザ光を前記被検査体の第1の照射点と第2の照射点に分割して照射し、
    反射光集光光学系が、前記第1の照射点および前記第2の照射点に照射された前記レーザ光の反射光をそれぞれ集光して合成反射光として合成し、
    干渉計測手段が、前記合成反射光を干渉計測して得られる信号を超音波信号として経時的に出力し、
    信号処理手段が、起点となる時間である評価時間窓起点および終点となる時間である評価時間窓終点により定まる評価時間窓を設定し、前記超音波信号のうち前記評価時間窓に対応する前記超音波信号を選択して評価する、
    ものであって、
    前記超音波信号は、前記被検査体の欠陥で発生する前記超音波の反射超音波の信号であり、
    前記評価時間窓はそれぞれ、前記第1の照射点および前記第2の照射点におけるそれぞれの前記超音波信号の発生時間幅をカバーするように定められる、
    ことを特徴とする欠陥検査方法。
  10. 構造体を準備する準備ステップと、
    前記構造体を前記被検査体として請求項9記載の欠陥検査方法を実施する検査ステップと、
    を備えることを特徴とする構造体の製造方法。
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