JP4251601B2 - レーザ超音波検査装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高所、狭隘、真空、腐食、高放射能等の環境にあるために非接触或いは遠隔探傷が望まれる被検査体や、超音波探傷のためのカプラントが塗布不可能な被検査体や、高温、曲面、複雑または微小形状、稼動部を有する被検査体に対してパルスレーザ光を照射して非接触探傷や材料評価を高精度に行うレーザ超音波検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザ超音波検査技術は、パルスレーザの光音響効果によって被検査体に超音波を発生させ、この超音波を干渉計などの光学的手法で検出する技術であり、非接触探傷、さらには材料評価を高精度に行うことができる技術として知られている。本技術については、例えば、超音波便覧編集委員会編「超音波便覧」(平成11年8月30日・丸善株式会社発行)の169項で説明されている。
【0003】
従来のレーザ超音波検査装置の代表的な構成を図15に示す。すなわち従来のレーザ超音波検査装置は、パルスレーザ光を発生するパルス光源50と、このパルス光源50から出射されたパルスレーザ光を被検査体51に集光照射して超音波を発生させる光学系52と、被検査体51を探傷等した超音波を検出するための光線を出射する検出光源53と、この検出光源53から出射される光線を反射させるハーフミラー54と、このハーフミラー54によって反射された光線を被検査体51に照射するための光学系55と、光学系55によって被検査体51に照射されて正反射し、光学系55およびハーフミラー54を経る反射光線において、被検査体51を探傷等した超音波の情報を抽出する抽出手段56と、抽出された超音波の情報を電気信号に変換する光電変換手段57と、この光電変換手段57が出力する電気信号から検出対象の抽出・分析・表示・保存を行う信号処理手段58で構成される。
【0004】
パルスレーザ光によって発生された超音波は、パルスレーザ光の照射点から被検査体51の表面および内部へ等方的に伝播する。そして、き裂59が被検査体51に存在する場合、表面き裂59の方向へ伝播した超音波の内、高周波の超音波成分がき裂59によって反射される。この高周波の反射超音波が光学系55によって検出され、図16に示す反射信号60が得られ、き裂59を検出することができる。
【0005】
き裂59で反射する超音波の周波数はき裂59の深さに大きく依存するので、目的とする深さのき裂探傷を効率的かつ高精度に行うためには、有効な周波数の超音波を選択的に発生させることが重要である。同様に、効率的かつ高精度な材料評価を行う観点においても、有効な周波数の超音波を選択的に発生させることが重要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来のレーザ超音波検査装置では、被検査体に発生させる超音波の周波数制御が困難であるため、目的とするき裂深さによっては高い検知精度が得られないという問題がある。さらに、目的とするき裂の深さによっては、き裂の深さ計測および分布計測を効率的かつ高精度に行うことができないという問題もある。
【0007】
そこで本発明は、被検査体内の目的とする深さのき裂等の検出対象に対し、探傷、その深さ計測および分布計測等を効率的かつ高精度に行うことのできるレーザ超音波検査装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明のレーザ超音波検査装置は、パルスレーザ光線を出射するパルス光源と、このパルス光源から出射されたパルスレーザ光線を伝送するパルス光線伝送手段と、このパルス光線伝送手段によって伝送されたパルスレーザ光線を被検査体に照射して被検査体内に超音波を発生させるパルス光線照射手段と、検出光線を出射する検出光源と、この検出光源から出射された検出光線を伝送する検出光線伝送手段と、この検出光線伝送手段によって伝送された検出光線を被検査体に照射して被検査体内の検出対象によって変調された超音波の情報を有する反射光線を受光する送受光手段と、この送受光手段によって受光され前記検出光線伝送手段によって伝送された反射光線から前記検出対象によって変調された超音波の情報を光学的に抽出する光学的抽出手段と、この光学的抽出手段によって抽出された超音波の光学的な情報を電気信号に変換する光電変換手段と、この光電変換手段が出力する電気信号から前記検出対象に関する信号の抽出と分析を行う信号処理手段とを備え、被検査体に照射するビーム形状を制御することにより目的とする検出対象の検出に有効な周波数を有する超音波を選択的に発生させるようにしたことを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、被検査体内の目的とする深さのき裂等の検出対象に対し、探傷、その深さ計測および分布計測等を効率的かつ高精度に行うことのできるレーザ超音波検査装置を提供することができる。また、パルス光線の波長を変えることにより、パルス光線照射手段の色収差によってその焦点距離を変えることができるため、被検査体に照射されるパルス光線のビーム形状を容易に制御することが可能となる。その結果、被検査体内の目的とする深さの探傷等に有効な周波数を有する表面弾性波の超音波を選択的に発生させることができ、目的とするき裂等の深さに応じ、探傷、その深さ計測および分布計測等を効率的かつ高精度に行うことが可能となる。また、被検査体に損傷を与えることなく被検査体に照射されるパルス光線のエネルギーを制御することが可能となる。
【0011】
請求項の発明は、前記パルス光源は複数波長のパルスレーザ光線を出射する複波長パルス光源である構成とする。
この発明によれば、波長が異なる複数のパルスレーザ光線とすることにより、パルス光線照射手段の色収差によって各波長のパルスレーザ光線の焦点距離を変えることができるため、ビーム形状が波長によって異なる複数のパルスレーザ光線を被検査体に照射でき、かつ各波長のパルスレーザ光線のビーム形状を制御することが可能となる。その結果、被検査体内に目的とするき裂等が複数存在する場合でもあっても、それぞれの深さの探傷等に有効な周波数を有する表面弾性波の超音波を波長毎に発生させることができ、目的とするき裂等に応じ、探傷、その深さ計測および分布計測等を効率的かつ高精度に行うことが可能となる。
【0012】
請求項の発明は、前記パルス光源は複数のものからなり、前記複数のパルス光源から出射された各パルスレーザ光線に時間遅れを持たせて重ね合わせて所定のパルス時間幅のパルスレーザ光線を生成するパルス光線重ね合わせ手段を備えた構成とする。
【0013】
この発明によれば、複数のパルス光源から出射される各パルスレーザ光線を時間的に遅らせて重ね合わせることができるパルス光線重ね合わせ手段を備えることにより、被検査体に照射されるパルスレーザ光線のパルス時間幅を調整することによって、被検査体に損傷を与えることなく、被検査体に照射されるパルス光線のエネルギーを制御することが可能となる。なお、パルスレーザ光線のエネルギーを増加させると、目的とする深さの探傷等に有効な周波数を有する表面弾性波の超音波の強度が大きくなるが、パルス時間幅の調整を行うことなくパルスレーザ光線のエネルギーのみ増加させると、被検査体が損傷する場合がある。その結果、被検査体に損傷を与えることなく、目的とする深さの探傷等に有効な周波数を有する表面弾性波の超音波を選択的に発生させることができ、目的とする深さに応じ、探傷、その深さ計測および分布計測等を効率的かつ高精度に行うことが可能となる。
【0014】
請求項の発明は、前記パルス光源の出力側に設けられパルス光源から出射された複数のレーザパルスを時間遅れをもたせて重ね合わせて所定のパルス時間幅のパルスレーザ光線を生成する時系列パルス光線重ね合わせ手段を備えた構成とする。
【0015】
この発明によれば、パルス光源から繰り返し周波数に従って出射される複数の時系列パルスレーザ光線の時間遅れを調整して重ね合わせる時系列パルス光線重ね合わせ手段をパルス光源に備えることにより、被検査体に照射されるパルスレーザ光線のパルス時間幅を調整することによって、被検査体に損傷を与えることなく、被検査体に照射されるパルス光線のエネルギーを制御することが可能となる。
【0016】
この結果、被検査体に損傷を与えることなく、目的とするき裂深さ:Cd[m]の探傷に有効なfb[Hz]の周波数を有する表面弾性波の超音波を選択的に発生させることができ、目的とするき裂深さ:Cd[m]に応じ、探傷、その深さ計測および分布計測を効率的かつ高精度に行うことが可能となる。その結果、被検査体に損傷を与えることなく、目的とする深さの探傷等に有効な周波数を有する表面弾性波の超音波を選択的に発生させることができ、目的とする深さに応じ、探傷、その深さ計測および分布計測等を効率的かつ高精度に行うことが可能となる。
【0017】
請求項の発明は、前記パルス光線伝送手段は、伝送する複数の波長のパルスレーザ光線のなかから所定の波長のパルスレーザ光線を選択する機能を有する波長選択付パルス光線伝送手段である構成とする。
この発明によれば、例えば、ファイバブラッググレーティングのような伝送波長を選択できる光ファイバを波長選択付パルス光線伝送手段とすることにより、単色光のパルスレーザ光線を伝送できるためにパルス光線照射手段の構造が簡易になり、被検査体に照射されるパルスレーザ光線のビーム形状を容易に制御することが可能となる。その結果、被検査体内の目的とする深さの探傷等に有効な周波数を有する表面弾性波の超音波を選択的に発生させることができ、目的とするき裂等の深さに応じ、探傷、その深さ計測および分布計測等を効率的かつ高精度に行うことが可能となる。
【0018】
請求項の発明は、前記パルス光線伝送手段は、複数のものが束ねられた束状パルス光線伝送手段である構成とする。
この発明によれば、例えば、光ファイバを複数束ねて束状パルス光線伝送手段とすることにより、単数の光ファイバより大きいエネルギーのパルスレーザ光線を伝送できるため、被検査体に照射されるパルスレーザ光線のビーム形状を容易に制御することが可能となる。その結果、被検査体内の目的とする深さの探傷等に有効な周波数を有する表面弾性波の超音波を選択的に発生させることができ、目的とするき裂等の深さに応じ、探傷、その深さ計測および分布計測等を効率的かつ高精度に行うことが可能となる。
【0019】
請求項の発明は、前記束状パルス光線伝送手段は、その断面形状を変えることができる可変断面束状パルス光線伝送手段である構成とする。
この発明によれば、例えば、光ファイバを複数束ねて断面形状を任意の形に変えることができる可変断面束状パルス光線伝送手段とすることにより、被検査体に照射されるパルスレーザ光線のビーム形状を容易に制御することが可能となる。その結果、被検査体内の目的とする深さの探傷等に有効な周波数を有する表面弾性波の超音波を選択的に発生させることができ、目的とするき裂等の深さに応じ、探傷、その深さ計測および分布計測等を効率的かつ高精度に行うことが可能となる。
【0020】
請求項の発明は、前記パルス光線照射手段は、パルスレーザ光線の波長によることなく被検査体に対する焦点距離が一定である波長補正付パルス光線照射手段である構成とする。
【0021】
この発明によれば、例えば、アクロマティックレンズのような色収差を補正して波長に依存することなく焦点距離を一定にする波長補正手段をパルス光線照射手段に備えることにより、パルスレーザ光線の波長に依存することなく焦点距離を一定にすることができるため、被検査体に照射されるパルスレーザ光線のビーム形状を容易に制御することが可能となる。その結果、被検査体内の目的とする深さの探傷等に有効な周波数を有する表面弾性波の超音波を選択的に発生させることができ、目的とするき裂等の深さに応じ、探傷、その深さ計測および分布計測等を効率的かつ高精度に行うことが可能となる。
【0022】
請求項の発明は、前記パルス光線照射手段は、被検査体に対する距離を調整する位置調整手段を備えている構成とする。
この発明によれば、パルス光線照射手段に備えた位置調整手段により、被検査体に対するパルス光線照射手段の一部または全体の距離を変えることができるため、被検査体に照射されるパルス光線のビーム形状を容易に制御することが可能となる。その結果、被検査体内の目的とする深さの探傷等に有効な周波数を有する表面弾性波の超音波を選択的に発生させることができ、目的とするき裂等の深さに応じ、探傷、その深さ計測および分布計測等を効率的かつ高精度に行うことが可能となる。
【0023】
請求項10の発明は、前記パルス光線照射手段は、被検査体に照射したパルスレーザ光線の反射光線を計測して被検査体に対するパルス光線照射手段の距離を求める光学的距離測定手段を備えている構成とする。
【0024】
この発明によれば、例えば、被検査体に照射されるパルスレーザ光線の正反射光線を計測し、反射光線の強度から被検査体に対するパルス光線照射手段の距離を求める光学的距離測定手段を備えることにより、正反射光線の強度が相対的に最大となる場合に被検査体の位置がパルス光線照射手段の焦点位置と一致し、被検査体の位置が焦点距離より近い場合或いは遠い場合には、その距離に応じて正反射光線の強度が減少することから被検査体に対するパルス光線照射手段の距離を求めることができ、その距離に基づき被検査体に照射されるパルスレーザ光線のビーム形状を高精度に計測することが可能となる。その結果、被検査体内の目的とする深さの探傷等に有効な周波数を有する表面弾性波の超音波を選択的に発生させることができ、目的とするき裂等の深さに応じ、探傷、その深さ計測および分布計測等を効率的かつ高精度に行うことが可能となる。
【0025】
請求項11の発明は、前記パルス光線照射手段または送受光手段の少なくともいずれか一方は、パルス光線照射手段と送受光手段の間の距離を調整する距離調整手段を備えている構成とする。
【0026】
この発明によれば、パルス光線照射手段と送受光手段との間の距離を調整できる距離調整手段をパルス光線照射手段または送受光手段またはその両方に備えることにより、パルスレーザ光線の照射位置を被検査体の表面状態に応じて設定できるため、被検査体に照射されるレーザパルス光線のビーム形状を容易に制御することが可能となる。その結果、被検査体内の目的とする深さの探傷等に有効な周波数を有する表面弾性波の超音波を選択的に発生させることができ、目的とするき裂等の深さに応じ、探傷、その深さ計測および分布計測等を効率的かつ高精度に行うことが可能となる。
【0027】
請求項12の発明は、前記パルス光線照射手段は、被検査体に照射するパルスレーザ光線の方向を光学的に変化させるパルス光線照射方向調整手段を備えている構成とする。
この発明によれば、パルス光線照射手段から照射されるパルスレーザ光線の方向を光学的に調整できるパルス光線照射方向調整手段をパルス光線照射手段に備えることにより、パルスレーザ光線の照射位置を被検査体の表面状態に応じて設定できるため、被検査体に照射されるパルスレーザ光線のビーム形状を容易に制御することが可能となる。その結果、被検査体内の目的とする深さの探傷等に有効な周波数を有する表面弾性波の超音波を選択的に発生させることができ、目的とするき裂等の深さに応じ、探傷、その深さ計測および分布計測等を効率的かつ高精度に行うことが可能となる。
【0028】
請求項13の発明は、前記信号処理手段は、光電変換手段が出力する電気信号に対しパルス光線照射手段によって被検査体に発生させた超音波と同一の周波数或いは周波数帯の信号成分を抽出する特定周波数帯抽出手段を備えた構成とする。
【0029】
この発明によれば、例えば、ソフトウエアまたはハードウエアのバンドパスフィルタで構成された特定周波数帯抽出手段を信号処理手段に備えることにより、特定周波数帯の信号成分を選択的に抽出できるため、パルス光線照射手段によって被検査体に発生させた超音波と同一の周波数或いは周波数帯の信号成分のみを検出することが可能となる。その結果、目的とする深さの探傷等に有効な周波数を有する表面弾性波の超音波を選択的に抽出することができ、目的とする深さに応じ、探傷、その深さ計測および分布計測等を効率的かつ高精度に行うことが可能となる。
【0030】
請求項14の発明は、前記信号処理手段は、光電変換手段が出力する電気信号に対し実測或いは解析で予め求めておいた周波数既知の超音波の電気信号を用いて相関処理を行う相関処理手段を備えた構成とする。
【0031】
この発明によれば、例えば、ソフトウエアまたはハードウエアで相関処理を行うことができる相関処理手段を信号処理手段に備えることにより、実測或いは解析で予め求めておいた周波数が既知の超音波の電気信号と光電変換手段が出力する電気信号に対して相関処理を行い、光電変換手段が出力する電気信号の減衰量を求めることが可能となる。その結果、目的とする深さの探傷等に有効な周波数を有する表面弾性波の超音波を選択的に抽出することができ、目的とする深さに応じ、探傷、その深さ計測および分布計測等を効率的かつ高精度に行うことが可能となる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態のレーザ超音波検査装置を図1から図4を参照して説明する。すなわち本実施の形態のレーザ超音波検査装置は、図1に示すように、被検査体1に超音波を発生させるためのパルスレーザ光を出射するパルス光源2と、このパルス光源2から出射されたパルスレーザ光線を伝送するパルス光線伝送手段3と、このパルス光線伝送手段3によって伝送されたパルスレーザ光線を被検査体1に照射して超音波を発生させるパルス光線照射手段4とを備えている。
【0033】
また、前記パルス光線照射手段4によって被検査体1に発生させられた後、き裂等の検出対象5によって変調された超音波を検出するための検出光線を出射する検出光源6と、この検出光源6から出射された検出光線を伝送する検出光線伝送手段7と、この検出光線伝送手段7によって伝送された検出光線を被検査体1に照射し、検出対象5によって変調された超音波の情報を有する反射光線を受光する送受光手段8と、この送受光手段8によって受光され検出光線伝送手段7によって伝送された反射光線において、検出対象5によって変調された超音波の情報を光学的に抽出する光学的抽出手段9と、この光学的抽出手段9によって抽出された超音波の光学的な情報を電気信号に変換する光電変換手段10と、この光電変換手段10が出力する電気信号から検出対象5に関する信号の抽出・分析・表示・保存を行う信号処理手段11とを備えている。
【0034】
被検査体1に超音波を発生させるためのレーザパルス光線を出射するパルス光源2は、Nd:YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザやNd:YLF(イットリウム・リチウム・ふっ素)レーザ、Nd:YVO4(イットリウム・バナジウム・テラオキサイド)レーザ、XeCl、KrF、ArFのエキシマレーザ、CO2レーザ、などのパルス発振の光源で構成される。
【0035】
また、パルス光源2から出射されるパルスレーザ光線を伝送するパルス光線伝送手段3は、石英やプラスティックの光ファイバで構成される。この場合、パルス光線伝送手段3には、パルス光源2から出射されるパルスレーザ光線を高効率で入射させるための光学レンズが備えられている。一方、光ファイバを用いることなくミラーやレンズでパルス光線伝送手段3を構成し、パルスレーザ光線を空間伝送させるようにしてもよい。
【0036】
パルス光線伝送手段3によって伝送されたパルスレーザ光線を被検査体1に照射して超音波を発生させるパルス光線照射手段4は、図2に示すような光学系で構成される。すなわち、パルス光線伝送手段3によって伝送されたパルスレーザ光線は、レンズ12と集光レンズ13を経て被検査体1に集光照射されるようになっている。そして、被検査体1に対するパルス光線照射手段4の距離を調整するため、モータ機構によって位置調整ができる位置調整手段14がパルス光線照射手段4に備えられている。さらに、送受光手段8に対するパルス光線照射手段4の距離も調整できるように、モータ機構の距離調整手段15がパルス光線照射手段4に備えられている。なお、光学系は図2に示した光学系に限定されることなく、パルスレーザ光線を被検査体1に焦点を合わせて集光し照射することができるような光学系であればいかなる光学系でもよい。
【0037】
検出対象5には、被検査体1の表面に発生するき裂や欠陥のほか、腐食割れ、表面粗さ、溶接部におけるき裂や欠陥なども含まれる。検出対象5によって変調された超音波を検出するための検出光線を出射する検出光源6は、LD(レーザダイオード)、LD励起等の固体レーザ、ArレーザやHe-Cdレーザ等の気体レーザなどの連続発振する光源で構成される。
【0038】
また、検出光源6から出射された検出光線を伝送する検出光線伝送手段7は、パルス光線伝送手段3と同様、例えば、石英やプラスティックの光ファイバで構成される。そして、検出光線伝送手段7には、検出光源6および光学的抽出手段9から出射された検出光線を高効率で入射させるための光学レンズが各々備えられている。一方、パルス光線伝送手段3と同様、光ファイバを用いることなくミラーやレンズで検出光線伝送手段7を構成し、検出光線を空間伝送させるようにしてもよい。
【0039】
検出光線伝送手段7によって伝送された検出光線を被検査体1に照射し、検出対象5によって変調された超音波の情報を有する反射光線を受光する送受光手段8は、図2に示したパルス光線照射手段4と同様の光学系で構成される。また、送受光手段8では、位置調整手段14および距離調整手段15は有っても無くてどちらでもよい。なお、パルス光線照射手段4と同様、図2に示した光学系に限定されることなく、被検査体1に検出光線を照射でき、検出対象5によって変調された超音波の情報を有する反射光線を受光できるような光学系であればいかなる光学系でも適用可能できる。
【0040】
送受光手段8によって受光され、検出光線伝送手段7によって伝送された反射光線において、検出対象5によって変調された超音波の情報を光学的に抽出する光学的抽出手段9は、マイケルソン干渉計やファブリペロー干渉計、或いはフォトリフラクティブ素子を用いた光学系などで構成される。そして、光学的抽出手段9によって抽出された、検出対象5によって変調された超音波に関する光信号は、レンズやミラーなどによって光電変換手段10へ伝送される。
【0041】
光電変換手段10は、PD(フォトダイオード)、APD(アバランシェ・フォトダイオード)、光電子増倍管などの光電変換素子で構成され、光信号を電気信号へ変換するようになっている。
【0042】
光電変換手段10が出力する電気信号から検出対象5に関する信号の抽出・分析・表示・保存を行う信号処理手段11は、電気信号をデジタルデータに変換するためのAD変換器と、デジタルデータに対して信号処理を行うための計算機で構成される。信号処理手段11では、図3に示すような超音波の検知信号16が得られるため、ソフトウエアまたはハードウエアによる信号処理によって、き裂の探傷、深さ計測および分布計測を行うようになっている。これに加え、信号処理手段11には、例えば図4に示すように、超音波の検知信号16の振幅強度とそのき裂深さに関する情報のようなき裂の探傷、深さ計測および分布計測に必要な各種の情報、被検査体1における超音波の検知信号16の伝播減衰に関する情報などが記憶されている。
【0043】
また、信号処理手段11に備える特定周波数抽出手段17は、超音波の検知信号16の信号周波数解析を行うことができるようになっており、ソフトウエアまたはハードウエアのバンドパスフィルタで構成される。
【0044】
以上のように構成された第1の実施の形態のレーザ超音波検査装置において、パルス光源2から出射するパルス光線は、パルス光線伝送手段3によって伝送されると同時に、その空間的強度分布が均一になる。そして、空間的強度分布が均一となったパルスレーザ光線をパルス光線照射手段4によって光学的に整形することにより、任意のビーム形状のパルスレーザ光線を被検査体1に照射することができる。この結果、被検査体1に発生する超音波の周波数を容易に制御することが可能となる。
【0045】
被検査体1に照射されたパルスレーザ光線のビーム形状が円形ビームの場合、ビーム径Φ[m]と発生する超音波の周波数f[Hz]および速度V[m/s]とのあいだには次の式(1)の関係がある。
【0046】
【数1】
Figure 0004251601
【0047】
そして、発生する超音波の内、表面弾性波は、その波長程度まで被検査体1内に浸み込むため、被検査体に対する表面弾性波の浸み込み深さをD[m]とすると、次の式(2)に示す関係が成り立つ。
【0048】
【数2】
Figure 0004251601
【0049】
従って、表面弾性波を用い、き裂深さ:Cd[m]より小さいき裂の探傷およびその深さ計測を行う場合、(き裂深さ:Cd[m])=(被検査体に対する表面弾性波の浸み込み深さ:D[m])を満足する周波数の表面弾性波が発生するようにすれば、表面弾性波がき裂の深さに対して敏感に作用し、効率的かつ高精度な探傷およびその深さ計測を行うことができる。この表面弾性波の周波数fb[Hz]は、式(1)、(2)により、式(3)となる。
【0050】
【数3】
Figure 0004251601
【0051】
以上のように、探傷およびその深さ計測を行うき裂深さ:Cd[m]を予め決定し、被検査体1に照射するパルスレーザ光線のビーム形状を制御することにより、目的とするき裂深さ:Cd[m]の探傷に有効なfb[Hz]の周波数を有する表面弾性波の超音波を選択的に発生させることができ、目的とするき裂深さ:Cd[m]に応じ、探傷、その深さ計測および分布計測を効率的かつ高精度に行うことが可能となる。
【0052】
上記した構成の第1の実施の形態のレーザ超音波検査装置において、パルスレーザ光源2から繰り返し周波数:1/TL[Hz]毎に出射されるパルスレーザ光線は、パルス光線伝送手段3に入射してパルス光線照射手段4へ伝送される。この伝送の過程において、パルスレーザ光線がパルス光線伝送手段3の内部で多重反射するため、パルス光線照射手段4への入力時にはパルスレーザ光線の空間的強度分布が均一になる。そして、式(3)に示した探傷するき裂深さ:Cd[m]と同じ浸み込み深さ:D[m]を有する周波数:fb[Hz]の超音波を選択的に発生させるため、式(2)に従ってパルス光線照射手段4により空間的強度分布が均一なビーム径:Φ[m]の円形状のパルス光線を被検査体1に照射する。
【0053】
なお、パルス光線照射手段4には、空間的強度分布を均一化させるための光学系を備えることもできる。このパルスレーザ光線照射により発生した浸み込み深さ:D[m]を有する超音波は、被検査体1内を伝播する。そして、伝播経路上にき裂や欠陥等の検出対象5が存在する場合、検出対象5の深さに応じてその透過量が減衰して伝播する。この場合、超音波は探傷するき裂深さ:Cd[m]と同じ深さまで浸み込んでいるため、き裂深さ:Cd[m]より浅いき裂に対しては、深さに応じて敏感に透過量が減衰することになる。
【0054】
一方、検出光源6から連続的に出射される検出光線は、検出光線伝送手段7に入射して伝送され、光学的抽出手段9を経て送受光手段8へ伝送される。そして、送受光手段8により被検査体1に照射され、その正反射光線が送受光手段8によって受光されるようになっている。この正反射光線は、検出光線伝送手段7によって伝送され、光学的抽出手段9へ伝送される。正反射光線は被検査体1を伝播する超音波よって光学的な変調を受けるため、光学的抽出手段9により光学的変調が光強度の変化として抽出される。そして、この光強度の変化は、光電変換手段10においてアナログ電気信号に変換され、信号処理手段11へ伝送されて信号処理される。
【0055】
信号処理手段11では、図3に示すような超音波の検知信号16を検知する。前述のように、超音波は、検出対象5の深さに応じてその透過量が敏感に減衰するようになっているため、超音波の検知信号16の強度から検出対象5のき裂深さを求めることができる。このために、信号処理によって超音波の検知信号16の波高値を抽出する。そして、超音波の検知信号16の振幅強度とそのき裂深さの関係を示した図4のグラフより、検出対象5の深さを求めることができる。
【0056】
以上に述べた作用の結果、探傷およびその深さ計測を行うべき検出対象5のき裂深さ:Cd[m]を予め決定し、パルス光線伝送手段3およびパルス光線照射手段4によって被検査体1に照射するパルスレーザ光線のビーム形状を制御することにより、目的とするき裂深さ:Cd[m]の探傷に有効な周波数fb[Hz]を有する超音波を選択的に発生させることができ、目的とするき裂深さ:Cd[m]に応じ、探傷、その深さ計測および分布計測を効率的かつ高精度に行うことが可能となる。また、被検査体1の劣化、脆化、軟化、硬化などの材料評価も効率的かつ高精度に行うことができる。
【0057】
この第1の実施の形態のレーザ超音波検査装置において、探傷およびその深さ計測を行うべき検出対象5の深さをき裂深さ:Cd´[m]に変更する場合には、位置調整手段14を用い、被検査体1に対するパルス光線照射手段4の距離を前後に調整する。これにより、空間的強度分布が均一なビーム径:Φ´[m]の円形状のパルスレーザ光線を被検査体1に照射することができ、き裂深さ:Cd´[m]と同じ浸み込み深さ:D´[m]を有する周波数:fb´[Hz]の超音波を選択的に発生させることができる。
【0058】
以上に述べた作用の結果、探傷およびその深さ計測を行うべき検出対象5の深さをき裂深さ:Cd´[m]に変更する場合には、位置調整手段14によって被検査体1に照射するパルスレーザ光線のビーム形状を制御することにより、目的とするき裂深さ:Cd´[m]の探傷に有効なfb´[Hz]の周波数を有する超音波を選択的に発生させることができ、目的とするき裂深さ:Cd´[m]に応じ、探傷、その深さ計測および分布計測を効率的かつ高精度に行うことが可能となる。
【0059】
またこの第1の実施の形態のレーザ超音波検査装置において、被検査体1の表面状態或いは部位によっては、パルスレーザ光線のビーム形状の制御が困難な場合がある。また、異なる材質間で超音波を伝播させる場合、或いは伝播経路上に異なる材質の接合部や境界面が存在する場合、或いは検出対象5が溶接部に存在する場合などでは超音波の検知信号16のSN比が低下する。
【0060】
このような場合、距離調整手段15を用いて被検査体1の表面に沿ってパルス光線照射手段4の位置を移動させることにより、ビーム形状の制御が容易な部位や超音波の検知信号16のSN比が低下しない部分を選択してパルスレーザ光線を照射することができる。なお、信号処理手段11では、パルス光線照射手段4と送受光手段8の間の距離が変わることによる超音波の検知信号16の伝播減衰を補正できるようになっている。
【0061】
また、距離調整手段15を用い、パルス光線照射手段4と送受光手段8の間の距離を短くすることにより、被検査体1での伝播減衰に対する超音波の検知信号16の検知感度向上、複雑形状への適応なども可能となる。
【0062】
以上に述べた作用の結果、被検査体1の表面状態によりパルスレーザ光線のビーム形状の制御が困難な場合や超音波の検知信号16のSN比が低下する場合には、ビーム形状の制御が容易な部位や超音波の検知信号16のSN比が低下しない部分を距離調整手段15によって選択してパルスレーザ光線を照射することにより、目的とするき裂深さ:Cd[m]の探傷に有効な周波数fb[Hz]を有する超音波を容易に発生させることができ、目的とするき裂深さ:Cd[m]に応じ、探傷、その深さ計測および分布計測を効率的かつ高精度に行うことが可能となる。さらには、超音波の検知信号16の検知感度向上、複雑形状への適応なども可能となる。
【0063】
さらにこの第1の実施の形態のレーザ超音波検査装置において、超音波の検知信号16には、目的とするき裂深さ:Cd[m]の探傷に有効な周波数fb[Hz]以外に不要な周波数成分が含まれている場合がある。不要な周波数成分は、探傷、その深さ計測および分布計測における計測精度を低下させる。このような場合、特定周波数抽出手段17により周波数fb[Hz]の信号を選択的に抽出することによって、不要な周波数成分を除去し、目的とするき裂深さ:Cd[m]の探傷に有効な周波数fb[Hz]の信号のみを抽出することができる。
【0064】
以上に述べた作用の結果、目的とするき裂深さ:Cd[m]の探傷に有効な周波数fb[Hz]以外に不要な周波数成分が超音波の検知信号16に含まれている場合には、特定周波数抽出手段17によって目的とするき裂深さ:Cd[m]の探傷に有効な周波数fb[Hz]の信号を選択的に抽出することができ、目的とするき裂深さ:Cd[m]に応じ、探傷、その深さ計測および分布計測を効率的かつ高精度に行うことが可能となる。
【0065】
次に本発明の第2の実施の形態のレーザ超音波検査装置を図5から図9を参照して説明する。すなわち、本実施の形態のレーザ超音波検査装置は、図5に示すように、可変波長のパルスレーザ光線を発生する第1および第2の波長可変パルス光源18,19と、これら第1および第2の波長可変パルス光源18,19から出射されたパルスレーザ光線に時間遅れを持たせて重ね合わせて任意のパルス時間幅のパルスレーザ光線を生成するパルス光線重ね合わせ手段20と、このパルス光線重ね合わせ手段20から出射されたパルスレーザ光線を伝送する束状パルス光線伝送手段21と、この束状パルス光線伝送手段21によって伝送されたパルスレーザ光線を被検査体1に照射して超音波を発生させるパルス光線照射手段4とを備えている。
【0066】
また、前記パルス光線照射手段4によって被検査体1に発生させられた後、き裂等の検出対象5によって変調された超音波を検出するための検出光線を出射する検出光源6と、この検出光源6から出射された検出光線を伝送する検出光線伝送手段と、この検出光線伝送手段7によって伝送された検出光線を被検査体1に照射し、検出対象5によって変調された超音波の情報を有する反射光線を受光する送受光手段8と、この送受光手段8によって受光され、検出光線伝送手段7によって伝送された反射光線において、検出対象5によって変調された超音波の情報を光学的に抽出する光学的抽出手段9と、この光学的抽出手段9によって抽出された超音波の光学的な情報を電気信号に変換する光電変換手段10と、この光電変換手段10が出力する電気信号から検出対象5に関する信号の抽出・分析・表示・保存を行う信号処理手段11とを備えている。また、信号処理手段11には、相関処理手段22が備えられている。
【0067】
発生するパルスレーザ光線の波長が可変である第1および第2の波長可変パルス光源18,19は、例えば、Ti:サファイヤ等の波長可変固体レーザ、Dyeレーザ等の波長可変液体レーザ、などの波長可変のパルス光源で構成される。
【0068】
第1および第2の波長可変パルス光源18,19から出射されるパルスレーザ光線に時間遅れを持たせて重ね合わせて任意のパルス時間幅のパルスレーザ光線を生成するパルス光線重ね合わせ手段20は、例えば、図6に示すような光学系で構成される。すなわち、まず、第1の波長可変パルス光源18よりパルス時間幅:tp[s]の第1のパルスレーザ光線が出射され、ミラー23によって反射されてハーフミラー24へ進む。一方、タイミング調整装置などによって時間:tp[s]だけ遅らせて、第2の波長可変パルス光源19よりパルス時間幅:tp[s]の第2のパルスレーザ光線が出射される。これら第1および第2のパルス光線は、ハーフミラー24において重ね合わせられて一つのパルスレーザ光線となる。このパルスレーザ光線がミラー25で反射され、パルス光線重ね合わせ手段20から出射される。この場合、パルス時間幅:2tp[s]のパルスレーザ光線となる。
【0069】
なお、ミラー23とハーフミラー24の間の距離を十分長くでき、第1のパルスレーザ光線がハーフミラー24に時間:tp[s]だけ遅れて到着できるようにできれば、タイミング調整装置などを用いることなく第1および第2のパルスレーザ光線を重ね合わせることができる。また、このパルス光線重ね合わせ手段20では、二つの波長可変パルス光源のパルスレーザ光線の重ね合わせであるが、重ね合わせる光源数に特に制限はなく、光源数:Nに応じてパルス時間幅:N・tp[s]のパルスレーザ光線を生成することができる。
【0070】
パルス光線重ね合わせ手段20から出射されたパルス光線を伝送する束状パルス光線伝送手段21は、光ファイバを複数束ねて束状にして構成される。
また、パルス光線照射手段4には、例えば図7に示すような構成のパルスレーザ光線の照射方向を光学的に変化させるパルス光線照射方向調整手段26が備えられている。図7に示したものは、ミラー27を駆動することにより、パルス光線照射手段4から照射されるパルスレーザ光線の照射方向を変化させることができる。なお、パルス光線照射方向調整手段26は、音響光学素子で構成することもできる。
【0071】
一方、信号処理手段11に備える相関処理手段22はソフトウエアまたはハードウエアで構成され、実測或いは解析で予め求めておいた周波数既知の超音波の電気信号と超音波の検知信号16に関する相関処理を行うことができるようになっている。これに加え、信号処理手段11には、例えば、図8に示すように、実測或いは解析で予め求めておいた周波数既知の超音波の電気信号に対する超音波の検知信号16の相関値とそのき裂深さに関する情報が記憶されている。
【0072】
以上のように構成した第1の実施の形態のレーザ超音波検査装置において、探傷およびその深さ計測を行うべき検出対象5の深さをき裂深さ:Cd´[m]に変更する場合には、第1および第2の波長可変パルス光源18,19におけるパルスレーザ光線の波長を変える。これにより、パルス光線照射手段4を構成する集光レンズ13の色収差によって焦点距離を変えることができるため、変更されたビーム径:Φ´[m]の円形状のパルスレーザ光線を被検査体1に照射することができ、き裂深さ:Cd´[m]と同じ浸み込み深さ:D´[m]を有する周波数:fb´[Hz]の超音波を選択的に発生させることができる。
【0073】
以上に述べた作用の結果、探傷およびその深さ計測を行う検出対象5の深さをき裂深さ:Cd´[m]に変更する場合には、第1および第2の波長可変パルス光源18,19の発生するパルスレーザ光線の波長を変えてパルス光線照射手段4を構成する集光レンズ13の焦点距離を変えることにより、被検査体1に照射するパルスレーザ光線のビーム形状を制御することによって、目的とするき裂深さ:Cd´[m]の探傷に有効な周波数fb´[Hz]を有する超音波を選択的に発生させることができ、目的とするき裂深さ:Cd´[m]に応じ、探傷、その深さ計測および分布計測を効率的かつ高精度に行うことが可能となる。また、被検査体1の劣化、脆化、軟化、硬化などの材料評価も効率的かつ高精度に行うことができる。
【0074】
この第2の実施の形態のレーザ超音波検査装置において、被検査体1に照射する円形状のパルス光線のビーム径:Φ[m]が大きくなる場合には、空間的なエネルギー密度が低下するため、パルスレーザ光線のビーム形状の制御が困難になる。このような場合にも、束状パルス光線伝送手段21を用いることにより単数の光ファイバより大きいエネルギーのパルス光線を伝送できるため、空間的なエネルギー密度が大きいビーム径:Φ[m]の円形状のパルスレーザ光線を容易に被検査体1へ照射することができる。
【0075】
以上に述べた作用の結果、被検査体1に照射する円形状のパルスレーザ光線のビーム径:Φ[m]が大きくなって空間的なエネルギー密度が低下する場合には、束状パルス光線伝送手段21を用いてエネルギーの大きいパルスレーザ光線を伝送し、ビーム径:Φ[m]の円形状のパルスレーザ光線として被検査体1へ照射することにより、被検査体1に照射されるパルスレーザ光線のビーム形状を容易に制御することができる。そして、目的とするき裂深さ:Cd[m]の探傷に有効な周波数fb[Hz]の超音波を容易に発生させることができ、目的とするき裂深さ:Cd[m]に応じ、探傷、その深さ計測および分布計測を効率的かつ高精度に行うことが可能となる。
【0076】
またこの第2の実施の形態のレーザ超音波検査装置において、被検査体1の表面状態或いは部位によっては、前述と同様、パルスレーザ光線のビーム形状の制御が困難な場合や超音波の検知信号16のSN比が低下する場合がある。このような場合、パルス光線照射方向調整手段26を用いて、パルス光線照射手段4から照射されるパルスレーザ光線の照射方向を光学的に変化させる。これにより、パルス光線照射手段4を移動させることなく、ビーム形状の制御が容易な部位を選択してパルスレーザ光線を照射することができる。なお、信号処理手段11では、パルスレーザ光線の照射位置と送受光手段8の間の距離が変わることによる超音波の検知信号16の伝播減衰を補正できるようになっている。
【0077】
また、パルス光線照射方向調整手段26を用いて、パルスレーザ光線の照射位置と送受光手段8の間の距離を短くすることにより、被検査体1での伝播減衰に対する超音波の検知信号16の検知感度向上、複雑形状への適応なども可能となる。
【0078】
以上に述べた作用の結果、被検査体1の表面状態によりパルスレーザ光線のビーム形状の制御が困難な場合や超音波の検知信号16のSN比が低下する場合には、ビーム形状の制御が容易な部位や超音波の検知信号16のSN比が低下しない部分をパルス光線照射方向調整手段26によって選択してパルスレーザ光線を照射することにより、目的とするき裂深さ:Cd[m]の探傷に有効な周波数fb[Hz]の超音波を容易に発生させることができ、目的とするき裂深さ:Cd[m]に応じ、探傷、その深さ計測および分布計測を効率的かつ高精度に行うことが可能となる。さらには、超音波の検知信号16の検知感度向上、複雑な形状の被検査体への適応なども可能となる。
【0079】
またこの第2の実施の形態のレーザ超音波検査装置において、超音波の検知信号16の検知感度を向上させる場合には、被検査体1に照射するパルスレーザ光線のエネルギーを大きくする必要があるが、パルス時間幅によってはパルスレーザ光線の瞬時強度が大きくなるため、被検査体1に大きな損傷を与える場合がある。例えば、被検査体1の表面にアブレーションが発生し、被検査体1が損傷する場合がある。さらには、パルス光線照射手段4のレンズ12や集光レンズ13、パルス光線照射方向調整手段26のミラー27が損傷を受ける可能性もある。
【0080】
このような場合、パルス光線重ね合わせ手段20を用いることにより、パルス時間幅:N・tp[s]のパルスレーザ光線にして被検査体1に照射する。これにより、照射するパルスレーザ光線の瞬時強度を下げることによって、被検査体1に損傷を与えることなくパルスレーザ光線のエネルギーを大きくでき、超音波の検知信号16の検知感度を向上させることができる。また、パルス光線照射手段4のレンズ12や集光レンズ13、パルス光線照射方向調整手段26のミラー27も損傷を受けることがない。
【0081】
以上に述べた作用の結果、超音波の検知信号16の検知感度を向上させる場合には、パルス光線重ね合わせ手段20によってパルス時間幅を調整して、被検査体1に照射するパルスレーザ光線のエネルギーを制御することにより、被検査体に損傷を与えることなく、目的とするき裂深さ:Cd[m]の探傷に有効な周波数をfb[Hz]の表面弾性波の超音波を選択的に発生させることができ、目的とするき裂深さ:Cd[m]に応じ、探傷、その深さ計測および分布計測を効率的かつ高精度に行うことが可能となる。
【0082】
さらのこの第2の実施の形態のレーザ超音波検査装置において、超音波の検知信号16には、目的とするき裂深さ:Cd[m]の探傷に有効な周波数fb[Hz]以外にノイズ成分が含まれている場合がある。ノイズ成分は、探傷、その深さ計測および分布計測における計測精度を低下させる。このような場合、相関処理手段22により、実測或いは解析で予め求めておいた周波数:ft[Hz]の超音波の電気信号と超音波の検知信号16の相関処理を行い相関値を求める。この相関値は、検出対象5の深さによる超音波の透過量の減衰を表している。このため、図8のグラフより、検出対象5の深さを求めることができる。
【0083】
以上に述べた作用の結果、目的とするき裂深さ:Cd[m]の探傷に有効な周波数fb[Hz]以外にノイズ成分が超音波の検知信号16に含まれている場合には、相関処理手段22によって目的とするき裂深さ:Cd[m]の探傷に有効なfb[Hz]の周波数の減衰量を選択的に抽出することができ、目的とするき裂深さ:Cd[m]に応じ、探傷、その深さ計測および分布計測を効率的かつ高精度に行うことが可能となる。
【0084】
次に本発明の第3の実施の形態のレーザ超音波検査装置を図9および図10を参照して説明する。本実施の形態のレーザ超音波検査装置は、図9に示すように、複数波長のパルスレーザ光線を出射する複波長パルス光源28と、繰り返し周波数毎に前記複波長パルス光源28から出射された複数のパルスレーザ光線において時間遅れを調整して重ね合わせて任意のパルス時間幅のパルスレーザ光線を生成する時系列パルス光線重ね合わせ手段29と、この時系列パルス光線重ね合わせ手段29から出射されたパルス光線を伝送し、その断面形状を任意の形に変える可変断面束状パルス光線伝送手段30と、この可変断面束状パルス光線伝送手段30によって伝送されたパルスレーザ光線を被検査体1に照射して超音波を発生させるパルス光線照射手段4とを備える。
【0085】
また、前記パルス光線照射手段4によって被検査体1に発生させられた後、検出対象5によって変調された超音波を検出するための検出光線を出射する検出光源6と、この検出光源6から出射された検出光線を伝送する検出光線伝送手段7と、この検出光線伝送手段7によって伝送された検出光線を被検査体1に照射し、検出対象5によって変調された超音波の情報を有する反射光線を受光する送受光手段8と、この送受光手段8によって受光され、検出光線伝送手段7によって伝送された反射光線において、検出対象5によって変調された超音波の情報を光学的に抽出する光学的抽出手段9と、この光学的抽出手段9によって抽出された超音波の光学的な情報を電気信号に変換する光電変換手段10と、この光電変換手段10が出力する電気信号から検出対象5に関する信号の抽出・分析・表示・保存を行う信号処理手段11とを備えている。
【0086】
複数波長のパルスレーザ光線を出射する複波長パルス光源28は、例えば、光パラメトリック発振器で構成される。光パラメトリック発振器では、アイドラ光およびシグナル光と呼ばれる波長が異なる2種類のパルスレーザ光線を出射することができる。そして、複波長パルス光源28の繰り返し周波数:1/TL[Hz]に従い、アイドラ光およびシグナル光を交互またはバースト的に出射することができるようになっている。これとは別に、発振波長が異なる2種類のパルス光源を用いて複波長パルス光源28を構成することもできる。
【0087】
繰り返し周波数毎に複波長パルス光源28から出射された複数のパルスレーザ光線において時間遅れを調整して重ね合わせて任意のパルス時間幅のレーザパルス光線を生成する時系列パルス光線重ね合わせ手段29は、例えば、図10に示すような光学系で構成される。すなわち、まず、ミラー31がパルスレーザ光線の経路上から外れた状態にあり、この時、パルス時間幅:tp[s]の第1番目のパルスレーザ光線が複波長パルス光源28より出射される。この第1番目のパルスレーザ光線は、ミラー32,33を経てハーフミラー34へ進む。続いて、繰り返し周波数:1/TL[Hz]に従って時間:TL[s]だけ遅れ、パルス時間幅:tp[s]の第2番目のパルスレーザ光線が複波長パルス光源28より出射される。この時、駆動機構35を駆動させ、ミラー31がパルスレーザ光線の経路上に置かれた状態とし、第2番目のパルスレーザ光線がハーフミラー34へ直接進むようにする。
【0088】
そして、第1番目および第2番目のパルスレーザ光線は、ハーフミラー34において重ね合わさって一つのパルスレーザ光線となる。このパルスレーザ光線がミラー36で反射され、時系列パルス光線重ね合わせ手段29から出射される。この場合、第1番目のパルスレーザ光線が、ハーフミラー34に至るまでに、ハーフミラー34に到着した第2番目のパルスレーザ光線に対して遅れ時間:TL+tp[s]だけ遅れるようになっている。このため、重ね合わさって一つになったパルスレーザ光線は、パルス時間幅:2tp[s]のパルスレーザ光線となる。なお、この時系列パルス光線重ね合わせ手段29では、繰り返し周波数:1/TL[Hz]で照射される二つのパルスレーザ光線の重ね合わせであるが、重ね合わせるレーザパルス光線数に特に制限はなく、パルスレーザ光線数:N´に応じてパルス時間幅:N´・tp[s]のパルスレーザ光線を生成することができる。
【0089】
可変断面束状パルス光線伝送手段30は、光ファイバを複数束ねて断面形状を任意の形状に固定した構成である。この場合、時系列パルス光線重ね合わせ手段29と接続される側の光ファイバの断面形状のみを変えることもできるし、パルス光線照射手段4と接続される側の断面形状を変えることもできる。また、その両方および中間部分の断面形状も変えることができる。
【0090】
以上のように構成した第3の実施の形態のレーザ超音波検査装置において、探傷およびその深さ計測を行うべき検出対象5の深さが、き裂深さ:Cd[m]およびき裂深さ:Cd´[m]の複数存在する場合は、複波長パルス光源28から異なる波長のレーザパルス光線を交互に出射させる。そして、各パルスレーザ光線の波長を調整することにより、パルス光線照射手段4を構成する集光レンズ13の色収差によって焦点距離を波長毎に調整することができるため、ビーム径:Φ[m]およびビーム径:Φ´[m]の円形状のパルスレーザ光線を被検査体1に交互に照射することができる。その結果、き裂深さ:Cd[m]と同じ浸み込み深さ:D[m]を有する周波数:fb[Hz]の超音波、および、き裂深さ:Cd´[m]と同じ浸み込み深さ:D´[m]を有する周波数:fb´[Hz]の超音波をそれぞれ選択的に発生させることができる。
【0091】
以上に述べた作用の結果、探傷およびその深さ計測を行うべき検出対象5の深さが、き裂深さ:Cd[m]およびき裂深さ:Cd´[m]またはそれ以上の複数存在する場合には、複波長パルス光源28から異なる波長の複数のパルスレーザ光線を交互に出射させることによって、パルス光線照射手段4を構成する集光レンズ13の焦点距離が波長毎に変わることにより、被検査体1に照射するパルスレーザ光線のビーム形状を波長毎に制御する。その結果、目的とするき裂深さ:Cd[m]と同じ浸み込み深さ:D[m]を有する周波数:fb[Hz]の超音波、およびき裂深さ:Cd´[m]と同じ浸み込み深さ:D´[m]を有する周波数:fb´[Hz]の超音波、またそれ以上多くの目的とするき裂深さがある場合もそれに合わせた超音波をそれぞれ選択的に発生させることができ、目的とするき裂深さ:Cd[m]が複数存在する場合であっても、探傷、その深さ計測および分布計測を効率的かつ高精度に行うことが可能となる。また、被検査体1の劣化、脆化、軟化、硬化などの材料評価も効率的かつ高精度に行うことができる。
【0092】
またこの第3の実施形態のレーザ超音波検査装置において、被検査体1に照射する各波長のパルスレーザ光線のビーム形状を円形状以外のビーム形状にする場合には、パルス光線照射手段4において円形状から目的とするビーム形状への整形が各波長に対して必要となり、パルスレーザ光線のビーム形状の制御が複雑になる。このような場合、可変断面束状パルス光線伝送手段30を備えているので、可変断面束状パルス光線伝送手段30のパルス光線照射手段4への出力側における断面形状を目的とするビーム形状にすることによって、パルス光線照射手段4においてビーム形状を整形する必要がなく、各波長のパルスレーザ光線を目的とするビーム形状へ容易に整形して被検査体1へ照射することができる。なお、一般的に、円形状のパルスレーザ光線は等方的に伝播し、長方形や楕円形のパルスレーザ光線は、非等方的に伝播するという特徴がある。
【0093】
以上に述べた作用の結果、被検査体1に照射するパルスレーザ光線のビーム形状を円形状以外のビーム形状にする場合には、可変断面束状パルス光線伝送手段30を用いてパルス光線照射手段4へ出力するパルスレーザ光線の断面形状を目的の断面形状とすることにより、パルス光線照射手段4においてビーム形状を整形させることなく、被検査体1に照射されるパルスレーザ光線のビーム形状を容易に制御することができる。そして、目的とするき裂深さ:Cd[m]の探傷に有効なfb[Hz]の周波数を有する超音波を容易に発生させることができ、目的とするき裂深さ:Cd[m]に応じ、探傷、その深さ計測および分布計測を効率的かつ高精度に行うことが可能となる。
【0094】
さらにこの、第3の実施の形態のレーザ超音波探傷装置において、各波長のパルスレーザ光線によって得られる各々の超音波の検知信号16の検知感度を向上させる場合には、前述の第2の実施の形態の説明で述べたように、被検査体1に損傷を与えないようにして各波長のパルスレーザ光線のエネルギーを大きくする必要がある。このような場合、時系列パルス光線重ね合わせ手段29を用いることにより、各波長のパルスレーザ光線について、パルス時間幅:N´・tp[s]のパルスレーザ光線にして被検査体1に照射する。これにより、被検査体1に照射する各波長のパルスレーザ光線の瞬時強度を下げることによって、被検査体1に損傷を与えることなく各波長のパルスレーザ光線のエネルギーを大きくでき、各々の超音波の検知信号16の検知感度を向上させることができる。
【0095】
以上に述べた作用の結果、超音波の検知信号16の検知感度を向上させる場合には、時系列パルス光線重ね合わせ手段29によってパルス時間幅を調整して被検査体1に照射するパルスレーザ光線のエネルギーを制御することにより、被検査体に損傷を与えることなく、目的とするき裂深さ:Cd[m]の探傷に有効なfb[Hz]の周波数を有する表面弾性波の超音波を選択的に発生させることができ、目的とするき裂深さ:Cd[m]に応じ、探傷、その深さ計測および分布計測を効率的かつ高精度に行うことが可能となる。
【0096】
次に、本発明の第4の実施の形態のレーザ超音波検査装置を図11から図14を参照して説明する。本実施の形態のレーザ超音波検査装置は、図11に示すように、被検査体1に超音波を発生させるためのパルスレーザ光線を出射するパルス光源2と、このパルス光源2から出射されたパルスレーザ光線を伝送し、伝送するパルスレーザ光線の波長を選択できる波長選択付パルス光線伝送手段37と、この波長選択付パルス光線伝送手段37によって伝送されたパルスレーザ光線の波長によることなく焦点距離を一定にし、被検査体1に照射して超音波を発生させる波長補正付パルス光線照射手段38とを備えている。
【0097】
また、前記波長補正付パルス光線照射手段38によって被検査体1に発生させられた後、検出対象5によって変調された超音波を検出するための検出光線を出射する検出光源6と、この光源6から出射された検出光線を伝送する検出光線伝送手段7と、この検出光線伝送手段7によって伝送された検出光線を被検査体1に照射し、検出対象5によって変調された超音波の情報を有する反射光線を受光する送受光手段8と、この送受光手段8によって受光され、検出光線伝送手段7によって伝送された反射光線において、検出対象5によって変調された超音波の情報を光学的に抽出する光学的抽出手段9と、この光学的抽出手段9によって抽出された超音波の光学的な情報を電気信号に変換する光電変換手段10と、この光電変換手段10が出力する電気信号から検出対象5に関する信号の抽出・分析・表示・保存を行う信号処理手段11とを備えている。
【0098】
パルス光源2から出射されたパルスレーザ光線を伝送し、伝送するパルスレーザ光線の波長を選択できる波長選択付パルス光線伝送手段37は、例えば、ファイバブラッググレーティングのような伝送波長を選択できる波長フィルタリング機能を備えた光ファイバで構成される。或いは、光ファイバの入力側または出力側、或いは途中において、光ファイバ同士の接続損失を抑えるミラーなどの光学素子と共に、波長フィルタ、回折格子、過飽和吸収体などの波長フィルタリング機能を備えた波長選択素子を挿入して構成することもできる。さらには、ミラーやレンズでパルスレーザ光線を空間伝送するようにし、空間伝送の入力側または出力側、或いは途中において、波長選択素子を挿入して構成することもできる。
【0099】
波長選択付パルス光線伝送手段37によって伝送されたパルスレーザ光線の波長によることなく焦点距離を一定にし、被検査体1に照射して超音波を発生させる波長補正付パルス光線照射手段38は、例えば、図12に示すような光学系で構成される。すなわち、波長選択付パルス光線伝送手段37によって伝送されたパルスレーザ光線は、レンズ12、ハーフミラー39、波長補正集光レンズ40を経て被検査体1に集光照射されるようになっている。波長補正集光レンズ40は、例えば、アクロマティックレンズのような色収差を補正して波長に依存することなく焦点距離を一定することができるレンズ素子で構成される。なお、屈折率分布型レンズ、或いは複数個のレンズ群によっても、波長補正集光レンズ40を構成することができる。
【0100】
また、波長補正付パルス光線照射手段38には、被検査体1に照射されたパルスレーザ光線の反射光線を計測し、その反射光線の強度から被検査体1に対する波長補正付パルス光線照射手段38の距離を求める光学的距離測定手段41が備えられている。光学的距離測定手段41では、被検査体1に照射されたパルスレーザ光線による反射光線の内、波長補正集光レンズ40を経てハーフミラー39によって反射する正反射光線を光検出素子42において検知するようになっている。光検出素子42は、光電変換手段10と同様、PD、APD、光電子増倍管などの光電変換素子で構成される。
【0101】
信号処理手段11では、超音波の検知信号16に対するフーリエ解析を行う。そのために、図13に示すような各き裂深さ:43a,43b,43c,43d,43eの超音波の検知信号16に関する周波数スペクトルが記憶されている。さらには、超音波の検知信号16に対するウエーブレット解析も可能であり、例えば、各き裂深さ:43a,43b,43c,43d,43eの超音波の検知信号16に関する周波数分解波形が記憶されている。また、信号処理手段11では、図14に示すように検出対象5を画面44上に可視化することができる。この場合、検出対象5の深さは、画像45の色調によって表すことができる。
【0102】
以上のように構成した第4の実施の形態のレーザ超音波検査装置において、請求項6に関する作用について説明する。パルス光源2から出射されるパルスレーザ光線の波長幅が広がる場合、或いは異なる波長の光線が混ざる場合でも、波長選択付パルス光線伝送手段37において伝送波長を選択できるため、単色光のパルスレーザ光線とすることができる。これにより、パルス光源2から出射されるパルス光線の波長幅が広がる場合、或いは異なる波長の光線が混ざる場合でも、それに応じて波長補正付パルス光線照射手段38の内部の調整を行う必要がなく、波長選択付パルス光線伝送手段37の構造を簡易にでき、被検査体1に照射されるパルス光線のビーム形状を容易に制御することが可能となる。
【0103】
以上に述べた作用の結果、パルス光源2から出射されるパルスレーザ光線の波長幅が広がる場合、或いは異なる波長の光線が混ざる場合には、波長選択付パルス光線伝送手段37によって伝送波長を選択して単色光のパルス光線とすることにより、パルス光線の波長に応じた波長補正付パルス光線照射手段38の内部の調整が不要となるため、波長選択付パルス光線伝送手段37の構造を簡易にすることができる。この結果、目的とするき裂深さ:Cd[m]の探傷に有効なfb[Hz]の周波数を有する表面弾性波の超音波を容易に発生させることができ、目的とするき裂深さ:Cd[m]に応じ、探傷、その深さ計測および分布計測を効率的かつ高精度に行うことが可能となる。また、被検査体1の劣化、脆化、軟化、硬化などの材料評価も効率的かつ高精度に行うことができる。
【0104】
この第4の実施の形態のレーザ超音波検査装置においては、波長補正付パルス光線照射手段38において異なる波長の光線が混ざる場合でも、波長補正集光レンズ40においては、パルスレーザ光線の波長に依存することなくその焦点距離が一定になる。これにより、波長補正付パルス光線照射手段38において異なる波長の光線が混ざる場合でも、パルスレーザ光線の波長に依存することなく、被検査体1に対する波長補正付パルス光線照射手段38の焦点距離を一定にすることができ、被検査体1に照射されるパルスレーザ光線のビーム形状を容易に制御することが可能となる。
【0105】
以上に述べた作用の結果、波長補正付パルス光線照射手段38において異なる波長の光線が混ざる場合でも、波長補正集光レンズ40においてはパルスレーザ光線の波長に依存することなくその焦点距離が一定になるため、パルスレーザ光線の波長に依存することなく、波長補正付パルス光線照射手段38の焦点距離を一定にすることができる。この結果、目的とするき裂深さ:Cd[m]の探傷に有効な周波数fb[Hz]を有する表面弾性波の超音波を容易に発生させることができ、目的とするき裂深さ:Cd[m]に応じ、探傷、その深さ計測および分布計測を効率的かつ高精度に行うことが可能となる。
【0106】
またこの第4の実施の形態のレーザ超音波検査装置において、被検査体1に対する波長補正付パルス光線照射手段38の距離を求める場合は、光学的距離測定手段41の光検出素子42よって検知される正反射光線の強度を用いる。この場合、正反射光線の強度が相対的に最大であるときに、被検査体1の位置が波長補正付パルス光線照射手段38の焦点位置に一致する。また、被検査体1の位置が焦点距離より近い場合或いは遠い場合には、その距離に応じて正反射光線の強度が減少する。これにより、光学的距離測定手段41の光検出素子42よって検知される正反射光線の強度によって、被検査体1に対する波長補正付パルス光線照射手段38の距離を求めることができ、その距離に基づき被検査体1に照射されるパルス光線のビーム形状を高精度に制御することが可能となる。そして、必要に応じて、位置調整手段14によって波長補正付パルス光線照射手段38の位置を調整し、被検査体1に対する波長補正付パルス光線照射手段38の距離を変えることによって、被検査体1に照射されるパルス光線のビーム形状を制御する。
【0107】
なお、被検査体1に対する波長補正付パルス光線照射手段38の距離と正反射光線の強度との関係は、信号処理手段11において予め記憶しておくか理論的に求めておくようにする。特に、被検査体1が波長補正付パルス光線照射手段38の焦点位置にあるようにする制御のみの場合は、正反射光線の強度が最大となるように位置調整手段14によって波長補正付パルス光線照射手段38の位置を調整するだけでよい。また、被検査体1に対する波長補正付パルス光線照射手段38の傾きや被検査体1の表面状態に関する情報も、上記と同様に正反射光線の強度から求めることができる。
【0108】
信号処理手段11では、超音波の検知信号16の周波数スペクトルから検出対象5の深さを求める。検出対象5のき裂深さ:Cd[m]より浸み込み深さの浅い超音波は、検出対象5によって減衰する。このため、き裂深さ:Cd[m]に応じて式(3)に示されたfb[Hz]より高い周波数スペクトル成分が減衰することを利用して、検出対象5の深さを求めることができる。そこで、超音波の検知信号16に対するフーリエ解析を行って周波数スペクトルを求める。そして、図13に示したグラフと比較することにより、検出対象5の深さを求めることができる。
【0109】
また、超音波の検知信号16に対するウエーブレット解析を行って周波数分解波形を求め、信号処理手段11に予め記憶してある各き裂深さ:43a,43b,43c,43d,43eの超音波の検知信号16に関する周波数分解波形と比較することによっても、検出対象5の深さを求めることができる。
【0110】
さらには、周波数スペクトルや周波数分解波形から高周波成分が減衰するカットオフ周波数を求め、き裂深さ:Cd[m]が深くなると共にカットオフ周波数が低周波側にシフトすることより、検出対象5の深さを求めることもできる。
【0111】
そして、信号処理手段11では、図14に示すような検出対象5の可視化画像45を得ることができる。この場合、検出対象5はスリット状き裂であり、それぞれ平行で3箇所存在する。各スリット状き裂の深さは、色調によって表される。従って、図14に示す可視化画像45により、検出対象5の位置、形状、深さ、個数を把握することができる。
【0112】
以上に述べた作用の結果、被検査体1に対する波長補正付パルス光線照射手段38の距離を光学的距離測定手段41の光検出素子42より検知される正反射光線の強度から求めることができる。そして、その距離に基づき被検査体1に照射されるパルスレーザ光線のビーム形状を高精度に制御することが可能となる。
【0113】
この結果、目的とするき裂深さ:Cd[m]の探傷に有効な周波数fb[Hz]を有する表面弾性波の超音波を容易に発生させることができ、目的とするき裂深さ:Cd[m]に応じ、探傷、その深さ計測および分布計測を効率的かつ高精度に行うことが可能となる。
以上、本発明の4つの実施の形態を説明したが、それらの構成要素を入れ替えたレーザ超音波検査装置においても同様の作用効果を得ることができる。
【0114】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、被検査体内の目的とする深さのき裂等の検出対象に対し、被検査体に損傷を与えることなく、探傷、その深さ計測および分布計測等を効率的かつ高精度に行うことのできるレーザ超音波検査装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のレーザ超音波検査装置の構成を示す図。
【図2】本発明の第1の実施の形態のレーザ超音波検査装置におけるパルス光線照射手段の構成を示す図。
【図3】超音波の検知信号波形を示す図。
【図4】超音波の検知信号の振幅強度と検出対象のき裂深さとの関係を示す図。
【図5】本発明の第2の実施の形態のレーザ超音波検査装置の構成を示す図。
【図6】本発明の第2の実施の形態のレーザ超音波検査装置におけるパルス光線重ね合わせ手段の構成を示す図。
【図7】本発明の第2の実施の形態のレーザ超音波検査装置におけるパルス光線照射方向調整手段の構成を示す図。
【図8】超音波の検知信号に対する相関処理値と検出対象のき裂深さとの関係を示す曲線図。
【図9】本発明の第3の実施の形態のレーザ超音波検査装置の構成を示す図。
【図10】本発明の第3の実施の形態のレーザ超音波検査装置における時系列パルス光線重ね合わせ手段の構成を示す図。
【図11】本発明の第4の実施の形態のレーザ超音波検査装置の構成を示す図。
【図12】本発明の第4の実施の形態のレーザ超音波検査装置における波長補正付パルス光線照射手段の構成を示す図。
【図13】本発明の第4の実施の形態のレーザ超音波検査装置における各き裂深さの超音波の検知信号の周波数スペクトルを示す図。
【図14】本発明の第4の実施の形態のレーザ超音波検査装置において得られる検出対象の可視化画像を示す図。
【図15】従来のレーザ超音波検査装置の構成を示す図。
【図16】従来レーザ超音波検査装置において得られる超音波の検知信号波形を示す図。
【符号の説明】
1…被検査体、2…パルス光源、3…パルス光線伝送手段、4…パルス光線照射手段、5…検出対象、6…検出光源、7…検出光線伝送手段、8…送受光手段、9…光学的抽出手段、10…光電変換手段、11…信号処理手段、12…レンズ、13…集光レンズ、14…位置調整手段、15…距離調整手段、16…超音波の検知信号、17…特定周波数抽出手段、18…第1の波長可変パルス光源、19…第2の波長可変パルス光源、20…パルス光線重ね合わせ手段、21…束状パルス光線伝送手段、22…相関処理手段、23…ミラー、24…ハーフミラー、25…ミラー、26…パルス光線照射方向調整手段、27…ミラー、28…複波長パルス光源、29…時系列パルス光線重ね合わせ手段、30…可変断面束状パルス光線伝送手段、31…ミラー、32…ミラー、33…ミラー、34…ハーフミラー、35…駆動機構、36…ミラー、37…波長選択付パルス光線伝送手段、38…波長補正付パルス光線照射手段、39…ハーフミラー、40…波長補正集光レンズ、41…光学的距離測定手段、42…光検出素子、43a,43b,43c,43d,43e…各き裂深さの超音波の検知信号の周波数スペクトル、44…画面、45…画像、50…パルス光源、51…被検査体、52…光学系、53…検出光源、54…ハーフミラー、55…光学系、56…抽出手段、57…光電変換手段、58…信号処理手段、59…き裂、60…反射信号。

Claims (14)

  1. パルスレーザ光線を出射するパルス光源と、
    このパルス光源から出射されたパルスレーザ光線を伝送するパルス光線伝送手段と、
    このパルス光線伝送手段によって伝送されたパルスレーザ光線を被検査体に照射して被検査体内に超音波を発生させるパルス光線照射手段と、
    検出光線を出射する検出光源と、
    この検出光源から出射された検出光線を伝送する検出光線伝送手段と、
    この検出光線伝送手段によって伝送された検出光線を被検査体に照射して被検査体内の検出対象によって変調された超音波の情報を有する反射光線を受光する送受光手段と、
    この送受光手段によって受光され前記検出光線伝送手段によって伝送された反射光線から前記検出対象によって変調された超音波の情報を光学的に抽出する光学的抽出手段と、
    この光学的抽出手段によって抽出された超音波の光学的な情報を電気信号に変換する光電変換手段と、
    この光電変換手段が出力する電気信号から前記検出対象に関する信号の抽出と分析を行う信号処理手段とを備え、
    被検査体に照射するビーム形状を制御することにより目的とする検出対象の検出に有効な周波数を有する超音波を選択的に発生させるようにしたことを特徴とするレーザ超音波検査装置。
  2. パルス光源は複数波長のパルスレーザ光線を出射する複波長パルス光
    源であることを特徴とする請求項1記載のレーザ超音波検査装置。
  3. パルス光源は複数のものからなり、前記複数のパルス光源から出射さ
    れた各パルスレーザ光線に時間遅れを持たせて重ね合わせて所定のパルス時間幅のパルスレーザ光線を生成するパルス光線重ね合わせ手段を備えていることを特徴とする請求項1記載のレーザ超音波検査装置。
  4. パルス光源の出力側に設けられパルス光源から出射された複数のレーザパルスを時間遅れをもたせて重ね合わせて所定のパルス時間幅のパルスレーザ光線を生
    成する時系列パルス光線重ね合わせ手段を備えていることを特徴とする請求項1記載のレーザ超音波検査装置。
  5. パルス光線伝送手段は、伝送するパルスレーザ光線の波長を選択する
    機能を有する波長選択付パルス光線伝送手段であることを特徴とする請求項1記載のレーザ超音波検査装置。
  6. パルス光線伝送手段は、複数のものが束ねられた束状パルス光線伝送
    手段であることを特徴とする請求項1記載のレーザ超音波検査装置。
  7. 束状パルス光線伝送手段は、その断面形状を変えることができる可変
    断面束状パルス光線伝送手段であることを特徴とする請求項6記載のレーザ超音波検査装置。
  8. パルス光線照射手段は、パルスレーザ光線の波長によることなく被検
    査体に対する焦点距離が一定である波長補正付パルス光線照射手段であることを特徴とする請求項1記載のレーザ超音波検査装置。
  9. パルス光線照射手段は、被検査体に対する距離を調整する位置調整手
    段を備えていることを特徴とする請求項1記載のレーザ超音波検査装置。
  10. パルス光線照射手段は、被検査体に照射したパルスレーザ光線の反
    射光線を計測して被検査体に対するパルス光線照射手段の距離を求める光学的距離測定手段を備えていることを特徴とする請求項1記載のレーザ超音波検査装置。
  11. パルス光線照射手段または送受光手段の少なくともいずれか一方は
    、パルス光線照射手段と送受光手段の間の距離を調整する距離調整手段を備えていることを特徴とする請求項1記載のレーザ超音波検査装置。
  12. パルス光線照射手段は、照射するパルスレーザ光線の方向を光学的
    に変化させるパルス光線照射方向調整手段を備えていることを特徴とする請求項1記載のレーザ超音波検査装置。
  13. 信号処理手段は、光電変換手段が出力する電気信号に対しパルス光
    線照射手段によって被検査体に発生させた超音波と同一の周波数或いは周波数帯の信号成分を抽出する特定周波数帯抽出手段を備えていることを特徴とする請求項1記載のレーザ超音波検査装置。
  14. 信号処理手段は、光電変換手段が出力する電気信号に対し実測或い
    は解析で予め求めておいた周波数既知の超音波の電気信号を用いて相関処理を行う相関処理手段を備えていることを特徴とする請求項1記載のレーザ超音波検査装置。
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