JP2014185368A - 高炭素鋼線材の加工熱処理方法及び線材 - Google Patents

高炭素鋼線材の加工熱処理方法及び線材 Download PDF

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Abstract

【課題】 設備の増大を招くことなく量産可能な方法によって、微細なパーライト組織を有する線材を得る。
【解決手段】 炭素を0.55〜1.1質量%含有する高炭素鋼線材を、850℃以上に加熱して完全オーステナイト組織にした後、650〜750℃にて歪量0.2〜1.0、かつ歪速度2/s以上〜10/s未満である加工を行い、加工終了後500℃まで冷却速度10〜50℃/sで冷却する。
【選択図】なし

Description

本発明は、スチールコード又はその構成要素であるスチールフィラメント、ソーワイヤ、ビードワイヤ、ホースワイヤ等の原料である線材及びその線材を製造するための高炭素鋼線材の加工熱処理に関する。特に、線材の最終伸線加工の前に行うパテンティング方法の改良を図ったものである。
一般に、スチールコードやソーワイヤに代表されるような鋼線を、高炭素鋼線材に伸線加工を行って製造する方法においては、製造途中での伸線加工性の確保や、製品の強度の調整のためにパテンティング処理が行われている。パテンティング処理は通常、素材ワイヤをAcm点又はAc3点以上に加熱してオーステナイト化した後、鉛浴や流動槽等を用いて500〜600℃の温度範囲で一定時間恒温保持してオーステナイト相からパーライト相へと変態させており、一定の大きさのパーライトブロック径(以下、「PBS」ともいう。)を持つ金属組織を得ている。
このPBSは、小さいほど延性が向上し伸線加工性が高くなるとされ、伸線中の断線抑制や製品の細径化に有利となることが期待できる。このため、PBSを小さくすることについてこれまで多くの検討がなされている。
高強度極細鋼線の製造方法に関し、熱履歴については通常のパテンティングとほぼ同一条件のままパーライト変態の核となるS(硫黄)の含有量を種々に変えて微細分散硫化物の分布状態を変化させることによりPBSをコントロールする方法がある(特許文献1)。しかし、特許文献1に記載の方法では、所望の物性やPBSに合わせて素材を種々に変更することが必要となる。
特開平10−102143号公報
本発明は、上記の問題を有利に解決するものであり、設備の増大を招くことなく量産可能な方法によって、微細なパーライト組織を有する線材を得ることのできる高炭素鋼線材の加工熱処理方法を、当該加工熱処理を経て得られた線材と共に提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明者は高炭素鋼線材の加工熱処理方法につき鋭意検討した結果、加工歪導入の手段として圧延加工を採用することが、PBSの微細化に有効であることを見出した。この知見から更に研究開発を進めた結果、本発明を得た。
本発明の高炭素鋼線材の加工熱処理方法及び線材は、炭素を0.55〜1.1質量%含有する高炭素鋼線材を、850℃以上に加熱して完全オーステナイト組織にした後、650〜750℃にて歪量0.2〜1.0、かつ歪速度2/s以上〜10/s未満である加工を行い、加工終了後500℃まで冷却速度10〜50℃/sで冷却することを特徴とする。
本発明の高炭素鋼線材の加工熱処理方法においては、上記加工が圧延加工であることが好ましい。また、完全オーステナイト組織にした後、加工前に線材を冷却速度30℃/s未満で冷却することが好ましい。
本発明によれば、設備の増大を招くことなく圧延加工のような従来よりも低い歪速度による加工を行って、パーライトブロック径が小さい線材を製造することができ、ひいては高炭素鋼線材の高延性化により鋼線の線径の小径化や強度調整を容易にすることが可能となる。
以下、本発明の高炭素鋼線材の加工熱処理方法及び当該加工熱処理方法を行って製造される本発明の線材を、より具体的に説明する。
本発明の高炭素鋼線材の加工熱処理方法は、炭素を0.55〜1.1質量%含有する高炭素鋼線材を、850℃以上に加熱して完全オーステナイト組織にした後、650〜750℃にて歪量0.2〜1.0、かつ歪速度2/s以上〜10/s未満である加工を行い、加工終了後500℃まで冷却速度10〜50℃/sで冷却するという、パテンティング時の加工熱処理に特徴がある。
出発材としての高炭素鋼線材は、主にスチールコードやソーワイヤに要求される高強度を具備するために必要な化学成分組成として、炭素含有量が定められる。
(炭素含有量)
スチールコード、ホースワイヤおよびソーワイヤなどの用途に要求されるワイヤ強度と延性を確保するために、高炭素鋼線材の炭素含有量は、0.55〜1.1質量%である。
まず、強度確保の面から0.55質量%以上が必要であり、これより少ないと初析フェライトが生成し易くなるため、伸線加工性も劣化する。一方、炭素含有量が1.1質量%を超えると、初析セメンタイトの生成が避けられず、これにより伸線加工性を著しく劣化させる。
上記高炭素鋼線材に行う加工熱処理は、良好な伸線加工性を具備するために必要な金属組織を得るために、以下に述べる種々の処理条件により行う。
(加熱温度)
オーステナイト中に炭素を完全固溶させるために、高炭素鋼線材は850℃以上の加熱を必要とする。加熱温度の上限に関しては、融点以下の温度であれば特に限定はしないが、加熱温度が1050℃を超えると結晶粒の成長が著しくなり、伸線加工性を確保する上で重要となるPBSに影響を及ぼす。したがって、オーステナイト化のための加熱温度のより好ましい範囲は、850〜1050℃である。
(完全オーステナイト化温度からの冷却速度)
高炭素鋼線材をオーステナイト化後、次に述べる加工までの冷却速度は初析フェライトの析出量に影響を及ぼす。本発明の高炭素鋼線材の加工熱処理方法では、オーステナイト化後、加工までの冷却速度を、30℃/s未満として既存の設備で冷却することが好ましい。この理由は、本発明では後工程で歪速度2/s以上〜10/s未満である加工、特に圧延加工を繰り返し行うことで30℃/s未満の速度であっても十分微細なパーライトが得られるためである。この30℃/s未満の冷却速度には、放冷を含む。
(加工温度)
加工温度は、微細パーライト組織を生成させるための極めて重要な条件の一つである。加工温度が750℃を上回ると加工中に再結晶や回復が生じるため、加工歪の導入が困難となる。一方、加工温度が650℃を下回ると加工中にパーライト変態が生じる場合があり、その後に行われる伸線等の加工でパーライト組織に加工歪を導入してしまうためセメンタイトの分断が生じ、健全なパーライト組織が得られなくなる。
(加工歪量)
加工により加熱後の高炭素鋼線材に加えられる加工歪の増加は、パーライト変態の核生成サイトを増加させるためにPBSを微細化させる効果がある。この効果は、加工歪量が0.2以上でより顕著となって現れるため下限を0.2とする。また、加工歪は高いほどパーライトブロック径の微細化に効果があるが、加工歪が高過ぎると多段加工の段数が多くなり、この段数が多くなるに従い温度制御が極めて困難となり実用に耐えられない。したがって、上限を1.0とする。なお、加工歪の量εは、加工前の鋼線材の直径をd0(mm)とし、加工後の鋼線材の直径をd1(mm)とするとき、次式ε=2・ln(d0/d1)で求められる。lnは自然対数である。
(歪速度)
加工熱処理時の加工は、歪速度が2/s以上〜10/s未満とする。発明者の知見によれば、圧延加工のように歪速度10/s未満であっても微細なパーライトブロック径を有する金属組織が得られる。より好ましい歪速度は、4〜7/sである。
(加工方法)
上述した加工歪量及び歪速度を満たす加工方法であれば本発明の高炭素鋼線材の加工熱処理方法に適用することができる。なかでも、圧延加工は、上述した加工歪量及び歪速度を満たし、かつ、加工前後の冷却をともに比較的低い冷却速度で行ってPBSの微細化を図ることができ、しかも実機で量産可能であるので好ましい。
(加工終了後500℃までの冷却速度)
加工終了後の冷却速度が遅すぎると高温でパーライト変態が生じ、微細パーライト組織が得られないため下限を10℃/sとする。また、パーライト変態を安定的に、かつワイヤ内で均一に生じさせるために、上限を50℃/sとする。冷却速度を10〜50℃/sであることにより、実機による製造ラインに容易に適用することができ、線材の実際の量産が可能となり、しかも十分に微細なPBSが得られる。好ましくは50℃/s未満、より好ましい冷却速度は20〜40℃/sである。
上記冷却速度は加工終了から500℃までの平均速度の値である。500℃より低い温度における冷却は、特に限定されない。500℃以下では結晶粒の成長が抑制されて微細パーライト組織が維持されるので上記冷却速度は加工終了から500℃までの温度域の速度としている。
(線径)
上記加工前の高炭素鋼材の線径は、1.5〜7.0mmが好ましい。加工前の高炭素鋼材の線径が7.0mmより大きいと加工後の冷却時に線材の中心部まで十分な速度で冷却させることができないため微細化効果が得られず、線径が1.5mmより細いと材料自体の耐荷重特性が低くなり、加工そのものが困難となる。
これまで説明した本発明の高炭素鋼線材の加工熱処理方法により加工熱処理、冷却した後の線材は、パーライト組織の健全性を維持しつつ、かつ、PBSが微細化された線材である。この線材は、その後に伸線加工が施され、ソーワイヤ、ビードワイヤ、ホースワイヤ等や、また、撚線又は無撚りのスチールコードの構成要素としてのスチールフィラメントといった製品にされる。
以下に述べる実施例では、素材には線径がφ3.0〜3.5mmの伸線加工した線材を用いた。この線材の化学成分組成は、表1に示すとおりである。
Figure 2014185368
この線材に様々な条件で加工熱処理を加えて線径φ2.5〜3.0mmの線材を製造し、得られた線材の金属組織の観察を実施した。製造条件は表2のとおりであり、加熱温度、加工前の冷却速度、加工温度、加工歪、歪速度、加工後の冷却速度をパラメータとして変動させた。加工は、一対の圧延ロールを線材の進行方向に4段に設けた圧延設備による圧延を行った。金属組織はPBSの目標を15μmに設定し、疑似パーライトを含むパーライト組織の体積分率が90%以上の組織を健全なパーライト組織として評価した。表2に得られた結果も併せて示している。表2中、組織の健全性は、健全なパーライト組織であった場合を○印、健全なパーライト組織ではなかった場合を×印で示した。
Figure 2014185368
表2から、本発明に従い、圧延による加工熱処理を行った各実施例は、加工前及び/又は加工後の冷却速度を比較的低い速度で行っても、微細なPBSであり、金属組織が健全であった。

Claims (4)

  1. (A)炭素を0.55〜1.1質量%含有する高炭素鋼線材を、850℃以上に加熱して完全オーステナイト組織にした後、650〜750℃にて歪量0.2〜1.0、かつ歪速度2/s以上〜10/s未満である加工を行い、加工終了後500℃まで冷却速度10〜50℃/sで冷却することを特徴とする高炭素鋼線材の加工熱処理方法。
  2. (B)前記加工が圧延加工である請求項1記載の高炭素鋼線材の加工熱処理方法。
  3. (C)完全オーステナイト組織にした後、加工前に線材を冷却速度30℃/s未満で冷却する請求項1又は2記載の高炭素鋼線材の加工熱処理方法。
  4. (D)炭素を0.55〜1.1質量%含有する高炭素鋼線材を、850℃以上に加熱して完全オーステナイト組織にした後、650〜750℃にて歪量0.2〜1.0、かつ歪速度2/s以上〜10/s未満である加工を行い、加工終了後500℃まで冷却速度10〜50℃/sで冷却して得られ、微細パーライト組織を有することを特徴とする線材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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