JP5521052B2 - 伸線加工性に優れた伸線用線材、超高強度鋼線及びその製造方法 - Google Patents

伸線加工性に優れた伸線用線材、超高強度鋼線及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、大口径高強度鋼線に用いられる伸線用線材、鋼線及びその製造方法に関し、より詳細には、Siを添加しなくても超高強度及びねじり特性が確保できる伸線加工性に優れた伸線用線材、超高強度鋼線及びその製造方法に関する。
近年、産業化が高度化するにつれ、国土利用の効率性を高めるために内陸と島を連結する海上橋梁の建設が活発に行われている。この橋梁は中央径間が2km超過の超長径間の橋梁である。超長径間の橋梁の場合、荷重を支持するために大口径高強度鋼線が用いられる。また、大陸棚油田が枯渇していくにつれ、より深海で油田を探査したり、開発作業を行っている。このような作業にも大口径高強度鋼線が用いられる。
大口径高強度鋼線の代表的な例としては、つり橋や斜張橋などのケーブル、トンネル工事などにコンクリート補強用として用いられるPC鋼線、大型建物や構造物用ケーブル、海上油田や各種構造物を支持するアンカーロープなどがある。そして、このような産業全般の多様な要求を満たすために、鋼線の高強度化が求められている。また、鋼線は橋梁や建物等に複数の鋼線をよって束にした形態で適用されるため、優れたねじり特性も求められる。
鋼線の強度は、伸線前の鋼素材の強度と伸線による加工硬化によって増加される鋼強度によって確保される。当分野で知られているように、鋼線の強度は、延性と相対的な値を示すため、伸線前の鋼素材の強度が高いと、伸線加工の限界が小さくなって、加工硬化量が相対的に小さい。逆に、鋼線の強度が低いと、伸線の限度を向上できるため、加工硬化量が相対的に大きい。さらに、鋼の加工硬化量が大きくなると、鋼素材の延性が急激に低下し、ねじり特性が悪くなる。
従って、従来は、ねじり特性を低下させないために、伸線による強度の向上より、伸線前の鋼素材の強度を最大限にするように鋼線が作製された。一般的に、Siを鋼素材に一定含量以上含ませて、Siによる固溶強化効果を通じて、伸線用鋼線の強度を最大限確保している。しかし、このような線材を伸線すると、鋼線の延性が低下し、ねじり特性が低下する。また、線材の伸線の限界が小さいため、最終製品である鋼線の線径に該当する伸線用線材をそれぞれ製造しなければならず、その生産性も低下する。
従って、優れた強度とねじり特性をともに確保できる鋼線が求められている。そのために、伸線量の限界を増加させて、強度を確保しながら、ねじり特性も低下させない方法に対する研究が求められている。
本発明の一側面は、伸線加工性に優れた線材、引張強度とねじり特性に優れた超高強度鋼線及びその製造方法を提供する。
本発明の一側面としては、重量%で、C:0.8〜1.0%、Mn:0.3〜0.7%、Cr:0.2〜0.6%、残部Fe及びその他不可避な不純物を含む伸線加工性に優れた伸線用線材である。
上記線材は、粒度100μm以上の旧オーステナイトより形成された微細パーライトを含むことが好ましい。
上記パーライトのラメラ間隔は100nm以下であり、ラメラ間隔の偏差は50nm以下であることが好ましい。
本発明の他の側面としては、上記線材をパス当たりの減面率30%以下及び総減面率85%以上で伸線して製造した超高強度鋼線である。
上記鋼線は、引張強度が2000MPa以上の超高強度鋼線であることが好ましい。
上記鋼線は、ねじり破断時の破断形態が長方形破断形態であり、ねじり回数が20回/100D(D:鋼線径)以上であることが好ましい。
本発明のさらに他の側面として、重量%で、C:0.8〜1.0%、Mn:0.3〜0.7%、Cr:0.2〜0.6%、残部Fe及びその他不可避な不純物を含む線材を加熱して1100〜1200℃で保持する第1熱処理段階と、上記加熱された線材を900〜1000℃で保持する第2熱処理段階と、上記第2熱処理段階の線材を540〜640℃で鉛パテンティングする段階と、上記鉛パテンティングした線材を伸線する段階とを含む超高強度鋼線の製造方法である。
上記第1熱処理段階は、5分以上保持されることが好ましい。
上記線材は、上記第1熱処理段階により100μm以上の粒度を有する旧オーステナイトを含むことが好ましい。
伸線段階は、パス当たりの減面率30%以下及び総減面率85%以上で行われることが好ましい。また、伸線加工歪みが1.0〜3.0%であることが好ましい。
本発明によると、引張強度2000MPa以上、且つねじり特性に優れた超高強度鋼線を提供することができる。また、鋼線と同一線径の素材を用いて多様な線径の鋼線を提供することができる。
図1は、発明例1及び比較例1のパーライト内のラメラ間隔の分布を示すグラフである。 図2は、0.92C−0.5Mn−0.6Crの合金成分を有する試片を、旧オーステナイト粒度がそれぞれ(a)44.9μm、(b)110.6μmになるよう制御した後、540〜640℃の鉛槽で試片を恒温変態させる際の、温度毎の変態完了時間を示したTTT曲線である。
鋼線の強度は、伸線前の鋼素材の強度と伸線による加工硬化によって生じる強度とによって確保することができる。従来のSiを含んだ鋼線は、Siがフェライト内に分布され、固溶強化効果を発生させて、伸線前の鋼素材の強度を高める。しかし、このような線材は、強度は高いものの、延性が低い。これにより伸線時の伸線量が低下し、ねじり特性も十分でない。そこで、本発明によれば、この欠点を解決するために、Siを添加しない伸線用線材を用いて、超高強度鋼線を提供する。この伸線用線材は、Siを含まないため、Siによる固溶強化効果が得られない。しかし、線材のオーステナイト化温度を上げて旧オーステナイトの平均粒子のサイズを大きくし、これによりパーライトの変態を遅らせることで、微細、且つ均一なパーライトを得て、線材の伸線量の限界を増加させることで、伸線後の強度とねじり特性が向上した超高強度鋼線を提供することができる。
本発明において、「線材」は鉛パテンティングした状態のものを意味し、「鋼線」は上記線材を伸線した後の状態のものを意味する。
以下、本発明の成分系について説明する。
「C(炭素):0.8〜1.0重量%」
Cは、鋼素材の強度を確保するために鋼材に添加される必須元素である。上記Cの含量が0.8重量%未満では、パーライト組織内のセメンタイト分率が相対的に少ないため、鋼材に求められる最小強度が確保できない。しかし、Cの含量が1.0重量%を超えると、鉛パテンティングの際、線材内部に初析セメンタイトが生成され、線材の伸線加工性を著しく低下させることがある。従って、上記Cの含量は0.8〜1.0重量%に限定することが好ましい。
「Mn(マンガン):0.3〜0.7重量%」
Mnは、鋼材内に存在すると、鋼材の焼入れ性を向上させて鋼材の強度を確保するのに有利な元素である。上記Mnの含量が0.3重量%未満では、鋼材に求められる十分な強度及び焼入れ性を得ることが困難で、Mnの含量が0.7重量%を超えると、オーステナイトからパーライトへの変態が著しく遅延され、変態完了前に鋼材が水冷されるようになり、マルテンサイトが望まないで生成されるという問題点がある。従って、上記Mnの含量は0.3〜0.7重量%に限定することが好ましい。
「Cr(クロム):0.2〜0.6重量%」
Crは、固溶強化、セメンタイト安定化及び耐酸化性に効果的で、パーライトラメラ間隔を微細化するのにも有用な元素である。上記Crの含量が0.2重量%未満では、パーライトのラメラ間隔を微細化する効果が不十分であり、セメンタイトの安定化効果が期待できない。しかし、上記Crの含量が0.6重量%を超えると、TTT曲線(時間−温度変態曲線)上のノーズ温度を上げて、パーライト内のセメンタイトの形状を不均質にするため、微細、かつ均質なパーライトを得ることが困難となる。従って、上記Crの含量は0.2〜0.6重量%に限定することが好ましい。
本発明の鋼組成では、残り成分は鉄(Fe)である。但し、通常の鉄鋼製造過程では原料または周囲環境から意図しない不純物が鋼材にやむを得ず混入されることがあるため、それを排除することはできない。これら不純物は、通常の鉄鋼製造過程の技術者であれば、如何なる者でも分かるため、その全不純物は、本明細書で特に言及しない。
但し、そのうち、O(酸素)、P(リン)、S(硫黄)は、頻繁に言及される不純物であり、以下ではこれについて簡単に説明する。
「O(酸素):0.0015重量%以下」
上記Oの含量は0.0015重量%以下に限定する。0.0015重量%を超えると、酸化物系非金属介在物が粗大に形成され、鋼材の伸線加工性が低下するという問題点がある。
「P:0.02重量%以下」
Pは、鋼材の製造時に不可避に鋼材に含まれる元素である。結晶粒界に偏析して鋼材の靭性を低下させるため、できる限り低く制御することが好ましい。理論上ではPの含量を0%に制限することが有利であるが、製造工程上、必然的に添加される。そのため、Pの含量の上限を管理することが重要である。本発明では、上記Pの含量の上限を0.02重量%に限定することが好ましい。
「S:0.02重量%以下」
Sは、鋼材の製造時に不可避に鋼材に含まれる元素である。Sは、低沸点元素で粒界に偏析して鋼材の靭性を低下させる。Sは、硫化物を形成させて鋼材の伸線加工性に悪影響を与え得る。そのため、その含量を最大限低く制御することが好ましい。理論上ではSの含量を0%に制限することが有利であるが、製造工程上、必然的に添加される。そのため、Sの含量の上限を管理することが重要である。本発明では、上記Sの含量の上限を0.02重量%に限定することが好ましい。
本発明では、鋼組成は、Siを含まないことが好ましい。但し、Siが不純物として0.1重量%以下の量で含まれても、本発明が意図する鋼線の強度及びねじり特性を確保することができる。Siは、上述のように、フェライト内に分布され、フェライトの延性を低下させて鋼材の伸線加工性を減少させる。これより、鋼線はSiを含まないため、伸線加工性を画期的に増加させることができる。但し、鋼材がSiを含まないことにより発生する鋼線の強度の低下は、下記に説明する伸線を通じた加工硬化を利用して補完することができる。本発明の鋼線は、加工硬化が大きく起きるが、鋼材はSiを含んでいないため、鋼線の延性が確保され、ねじり特性が良好である。
本発明の線材の微細組織はパーライト組織を含み、上記パーライト組織は粒度100μm以上の旧オーステナイトより形成される。このパーライト組織は、後述する製造方法により形成される。また、上記パーライト組織のラメラ間隔は100nm以下で、上記ラメラ間隔の偏差は50nm以下であることが好ましい。これにより、Siを含まなくても微細なパーライトにより伸線加工性に優れた線材を提供することができる。
以下、本発明の製造方法について説明する。
本発明は、重量%で、C:0.8〜1.0%、Mn:0.3〜0.7%、Cr:0.2〜0.6%、残部Fe及びその他不可避な不純物を含む線材を加熱して1100〜1200℃で保持する第1熱処理段階と、上記加熱された線材を900〜1000℃で保持する第2熱処理段階と、上記第2熱処理段階の線材を540〜640℃で鉛パテンティングする段階と、上記鉛パテンティングした線材を伸線する段階と、を含む、超高強度鋼線の製造方法を提供する。
図2は、従来の熱処理方法により旧オーステナイト粒度を44.9μmに制御した場合(図2(a))と、本発明の熱処理方法により110.6μmに制御した場合(図2(b))とで、上記線材を540〜640℃の鉛槽で恒温変態させるときの温度毎の変態完了時間を示したTTT曲線である。熱力学計算プログラムであるサーモカルク(Thermocalc)を用いて、与えられた成分の共析温度を計算した結果、733℃であった。これから、パーライト変態の過冷度を共析温度から計算すると、旧オーステナイト粒度が110μmの場合、粒度が44.9μmまでの場合と比べて、線材の表面部と中心部の過冷度差がさらに少ないことが分かる。即ち、旧オーステナイト粒子を粗大化した場合、線材の表面部と中心部の温度差がさらに少ない。本発明では、下記説明を通じて旧オーステナイト粒子を粗大化できる方法について説明する。
「熱処理段階」
本発明では、鉛パテンティングの前に2段階の熱処理段階が行われる。まず、線材を1100〜1200℃まで加熱(オーステナイト化)してこの温度で保持する第1熱処理段階を行うことが好ましい。このとき、保持時間は、5分以上であることが好ましい。線材のオーステナイト化温度を上げて、この温度で線材を5分以上保持させることで、旧オーステナイト粒子の平均粒度を100μm以上に粗大化することができる。但し、工程上の設備機能及び経済的な条件を考慮して、上記オーステナイト化温度は1200℃に制限されてよく、保持時間の上限も適切に制限されてよい。また、温度及び時間の範囲に応じて上記旧オーステナイト粒度の上限も限定されてよい。
上記第1熱処理段階後の線材の表面部と中心部の冷却速度が互いに異なるため、冷却速度を互いに同等にするために、線材は、900〜1000℃で第2熱処理段階を行うことが好ましい。第1熱処理段階後は、如何なる冷却方法によって上記線材を冷却してもよく、空冷することが好ましい。線材の表面部と中心部の冷却速度を同等に保持すると、線材の表面部と中心部のパーライトの変態が略同じ温度で開始するため、表面部と中心部の間の微細組織上の差異を最小化し、均質な微細組織を確保することができる。
また、通常のフェライト組織では、旧オーステナイト粒子のサイズが大きくなると、フェライト結晶粒度も共に大きくなるため、フェライトの強度と延性が共に低下する。しかし、パーライト組織の場合、ラメラ間隔は旧オーステナイト粒子のサイズとは関係がなく、パーライト組織の過冷度によってのみ支配されるため、過冷度はパーライト組織の強度と延性を支配する最も強力な微細組織学的因子である。よって、パーライト組織に鉛パテンティングすることが必要である。
「鉛パテンティング段階」
第1及び第2熱処理段階が施された線材を鉛パテンティングする。このとき、上記鉛パテンティング段階での温度範囲は540〜640℃であることが好ましく、580〜600℃であることがさらに好ましい。上記温度範囲で線材を恒温変態させると、微細パーライト組織が得られる。上記パーライトのラメラ間隔は100nm未満であり、ラメラ間隔の偏差は50nm以下に制御することができる。
「伸線段階」
上記鉛パテンティングした線材を伸線する。上記伸線段階は、パス当たりの減面率30%以下及び総減面率85%以上で行われることが好ましい。また、伸線量の限界を十分に確保するため、鋼線と同一線径の素材を利用して多様な減面率を適用し、多様な線径の鋼線を製造することができる。伸線加工歪み(ε)は1.0〜3.0%であることが好ましい。
上述した製造方法により製造された鋼線は、2000MPa以上の引張強度を確保することができる。また、25回/100D(D:線径)以上のねじり回数を確保することができ、ねじり破断時の破断形態は長方形破断形態である。破断面不良は、様々な原因により現れるが、線材が伸線に適さない場合、スパイラル、せん断、円錐状、破れた形態等、様々な微細組織欠陥で現れる。本発明では、伸線前の線材の内部と外部の組織が均一であるため、ねじり回数が多い鋼線得られる。また、鋼線の破断形態が正常状態で、鋼線の長さ方向に直角に現われる。
以下、実施例を通じて本発明を詳しく説明する。
(実施例)
下記表1に示した成分系(P、S及びO省略)を有するインゴットでビレットを鋳造して板圧延した。その後、この板を13Φmmの直径を有する線材に切削した。発明例1及び発明例2は、線材を1100℃に加熱して10分間保持し、1000℃まで空冷した後、590℃で、5分間、鉛パテンティングした。比較例1は、線材を1000℃に加熱して10分間保持し、590℃で、5分間、鉛パテンティングした。上記線材の引張強度を測定して下記表2に示す。上記線材が7.44Φmm(減面率:67.2%)、5.95Φmm(減面率:79.1%)、5.32Φmm(減面率:83.3%)、4.92Φmm(減面率:85.7%)、4.40Φmm(減面率:88.5%)、3.96Φmm(減面率:90.7%)の直径を有するように伸線した後、それぞれの引張強度及びねじり回数(破断形態)を測定して、下記表2に示す。なお、発明例1及び比較例1のラメラ間隔を測定し、その間隔のサイズを比較することができるグラフを図1に示す。
Figure 0005521052
比較例1はSiを1.3重量%含んでいるため、本発明で限定する含量範囲の上限を超えていた。発明例1及び発明例2は本発明で限定する成分系及び含量を全て満たしていた。
Figure 0005521052
上記表2に示す通り、発明例1及び発明例2は、Siを含まず、Siによる固溶強化効果がないため、伸線前の熱処理状態での線材の引張強度は200MPa程度と比較例より低かった。しかし、発明例1及び発明例2では、ラメラ間隔が小さく、ラメラ間隔の偏差が小さいため、伸線初期段階の硬化率が大きく、発明例1及び発明例2の減面率67.2%の線径7.44Φmm以上の線材は、比較例1と略同じ水準の引張強度が確保できることが分かった。
ねじり回数と破断面形態の変化から判断すると、発明例1及び発明例2は、すべて良好な正常状態(破断面が線材の長さ方向に直角形態)を示したが、比較例1の線材は、総減面率83.3%の線径5.32Φmm以上で破断不良が現われた。発明例1及び発明例2の減面率では、79%から91%の増加で、約12%増加したが、発明例1及び発明例2の歪みでは、1.56から2.41の増加で、発明例1及び発明例2が比較例1より153%程度向上した。
図1から分かるように、発明例1及び発明例2のラメラ間隔が比較例1のラメラ間隔より小さく、内外部の偏差も少なかった。
本発明は例示的な実施形態を通じて表現及び説明されたが、当業者にとって明らかなように、添付の特許請求の範囲によって定義される発明の精神及び範囲から逸脱することなく、変更及び変形することが可能である。

Claims (10)

  1. 重量%で、C:0.8〜1.0%、Mn:0.3〜0.7%、Cr:0.2〜0.6%、残部Fe及びその他不可避な不純物を含む線材であって、
    前記線材は、粒度が100μm以上の旧オーステナイトより形成された微細パーライトを含む、伸線加工性に優れた伸線用線材。
  2. 前記パーライト組織のラメラ間隔は100nm以下であり、前記ラメラ間隔の偏差は50nm以下である、請求項1に記載の伸線加工性に優れた伸線用線材。
  3. 請求項1または2に記載の伸線用線材をパス当たりの減面率30%以下及び総減面率85%以上に伸線して製造した、超高強度鋼線。
  4. 前記鋼線は、引張強度が2000MPa以上である、請求項に記載の超高強度鋼線。
  5. 前記鋼線は、ねじり破断時の破断形態が長方形破断形態であり、ねじり回数が20回/100D(D:鋼線径)以上である、請求項3または4に記載の超高強度鋼線。
  6. 重量%で、C:0.8〜1.0%、Mn:0.3〜0.7%、Cr:0.2〜0.6%、残部Fe及びその他不可避な不純物を含む線材を加熱して1100〜1200℃で保持する第1熱処理段階と、
    前記加熱された線材を900〜1000℃で保持する第2熱処理段階と、
    前記第2熱処理段階の線材を540〜640℃で鉛パテンティングする段階と、
    前記鉛パテンティングした線材を伸線する段階と、を含む、超高強度鋼線の製造方法。
  7. 前記第1熱処理段階は、5分以上保持される、請求項に記載の超高強度鋼線の製造方法。
  8. 前記線材は、前記第1熱処理段階により100μm以上の粒度を有する旧オーステナイトを含む、請求項6または7に記載の超高強度鋼線の製造方法。
  9. 前記伸線段階は、パス当たりの減面率30%以下及び総減面率85%以上で行われる、請求項6から8のいずれか1項に記載の超高強度鋼線の製造方法。
  10. 前記伸線段階は、伸線加工歪み(ε)が1.0〜3.0%で行われる、請求項6から9のいずれか1項に記載の超高強度鋼線の製造方法。
JP2012536657A 2009-11-03 2010-10-22 伸線加工性に優れた伸線用線材、超高強度鋼線及びその製造方法 Expired - Fee Related JP5521052B2 (ja)

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