JP2014185212A - ガソリン組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】オクタン価や蒸留性状を維持しつつ、環境汚染物質の前駆体物質である芳香族含有量を低減し、排出ガス等のエンジン性能を損なうことが無いガソリン組成物を提供する。
【解決手段】1種又は2種以上の分解ガソリン留分60.0〜95.0容量%と1種又は2種以上の他のガソリン基材5.0〜40.0容量%を含有し、芳香族分含有量が35.0容量%以下、炭素数10以上の芳香族分含有量が8.0容量%以下で、且つ、次式で示されるAを満たすことを特徴とするガソリン組成物。
A=Total Olefin/[((E150−E100)/100)×(C9−Aromatics)]≧4.6
(式中、Total Olefinはガソリン組成物中のオレフィン分含有量(容量%)、E150は留出温度150℃までの留出割合(容量%)、E100は留出温度100℃までの留出割合(容量%)、C9−Aromaticsはガソリン組成物中の炭素数9以下の芳香族分の含有量(容量%)を示す。)
【選択図】なし
【解決手段】1種又は2種以上の分解ガソリン留分60.0〜95.0容量%と1種又は2種以上の他のガソリン基材5.0〜40.0容量%を含有し、芳香族分含有量が35.0容量%以下、炭素数10以上の芳香族分含有量が8.0容量%以下で、且つ、次式で示されるAを満たすことを特徴とするガソリン組成物。
A=Total Olefin/[((E150−E100)/100)×(C9−Aromatics)]≧4.6
(式中、Total Olefinはガソリン組成物中のオレフィン分含有量(容量%)、E150は留出温度150℃までの留出割合(容量%)、E100は留出温度100℃までの留出割合(容量%)、C9−Aromaticsはガソリン組成物中の炭素数9以下の芳香族分の含有量(容量%)を示す。)
【選択図】なし
Description
本発明は、自動車用燃料として有用なガソリン組成物及びその製造方法に関する。
ガソリンには、原油を常圧蒸留して得られるナフサ留分や、接触分解法による接触分解ガソリン、アルキル化によって得られるアルキレート、接触改質法で得られる改質ガソリン、改質ガソリンより芳香族分を抽出した残分であるラフィネート、更にはイソオレフィンなどの様々な基材が用いられている(例えば、特許文献1、2を参照。)。最適な自動車用燃料を製造するためには、これらの基材を最適に配合することが必要とされる。
一方、現在の自動車に関わる問題としては、エンジンにデポジットが蓄積することによる性能の悪化や、二酸化炭素や環境規制物質の排出といった課題がある。特に、ガソリンエンジンの燃焼室内デポジットは、エンジンの燃焼状態を乱すことによる動力性能の悪化、燃費の悪化、排出ガスの悪化(特にNOx)や、カーボンノックを引き起こす原因となり得る。
燃料性状と燃焼室デポジットの関係についての検討により、改質ガソリンを配合すると燃焼室内のデポジットが大幅に増加してしまうことが指摘されている(例えば非特許文献1参照)。製品ガソリン中の改質ガソリンの配合量を削減できれば、燃焼室デポジットを低減できる可能性があると考えられる。また、ガソリン留分の中でもデポジットができやすい留分が存在するため、燃焼室デポジットができやすい留分を削減できれば、燃焼室デポジットを低減できる可能性があると考えられる。
しかしながら、改質ガソリン基材は高オクタン価を達成するための主要基材であり、その低減はオクタン価の低下を招く。また、密度減少による燃費の悪化、ガソリンの蒸留性状の変化などを招くおそれがある。特に、オクタン価が低下すると、ノッキングを引き起こしてエンジンに損傷を与えるおそれがあり、さらに、プレミアムガソリン仕様車においてはエンジンの性能を最大限に発揮できなくなる可能性がある。また、ガソリンの蒸留性状が大きく変化すると、車両の運転性や加速性等の悪化を招くおそれがある。
また、燃焼室デポジット生成能と燃料室デポジットのできやすい留分及び改質ガソリン基材の配合量との関係が、これまで実験的に示された例はない。
Peter J. Choateら,Relationship Between Combustion Chamber Deposit, Fuel Composition, and Combustion Chamber Deposit Structure, SAE Paper 932812, 1993
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、オクタン価や蒸留性状を維持したまま、燃焼室デポジットの生成能が小さく、低排出ガス(NOx)性能を有するガソリン組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題について鋭意研究を重ねた結果、ガソリン組成物において、E100〜E150留分の配合量、炭素数9以下の芳香族分の含有量及びオレフィン分の含有量に関する式を満たし、芳香族分含有量且つ炭素数10以上の芳香族分含有量が特定条件を満たすようにすることで、燃焼室デポジットを低減し、エンジン性能を最大限に発揮することができ、さらには排出ガスの少ない高性能なガソリンを得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、1種又は2種以上の分解ガソリン留分60.0〜95.0容量%と1種又は2種以上の他のガソリン基材5.0〜40.0容量%を含有し、芳香族分含有量が35.0容量%以下、炭素数10以上の芳香族分含有量が8.0容量%以下で、且つ、次式で示されるAを満たすことを特徴とするガソリン組成物に関する。
A=Total Olefin/[((E150−E100)/100)×(C9−Aromatics)]≧4.6
(式中、Total Olefinはガソリン組成物中のオレフィン分の含有量(容量%)、E150は留出温度150℃までの留出割合(容量%)、E100は留出温度100℃までの留出割合(容量%)、C9−Aromaticsはガソリン組成物中の炭素数9以下の芳香族分の含有量(容量%)を示す。)
A=Total Olefin/[((E150−E100)/100)×(C9−Aromatics)]≧4.6
(式中、Total Olefinはガソリン組成物中のオレフィン分の含有量(容量%)、E150は留出温度150℃までの留出割合(容量%)、E100は留出温度100℃までの留出割合(容量%)、C9−Aromaticsはガソリン組成物中の炭素数9以下の芳香族分の含有量(容量%)を示す。)
また、本発明は、以下の(1)〜(5)を満たすことを特徴とする、前記記載のガソリン組成物に関する。
(1)リサーチ法オクタン価が89.0以上
(2)密度が0.783g/cm3以下
(3)硫黄分が10質量ppm以下
(4)ベンゼン含有量が1容量%以下
(5)10容量%留出温度(T10)が70℃以下、50容量%留出温度(T50)が110℃以下、かつ90容量%留出温度(T90)が180℃以下
(1)リサーチ法オクタン価が89.0以上
(2)密度が0.783g/cm3以下
(3)硫黄分が10質量ppm以下
(4)ベンゼン含有量が1容量%以下
(5)10容量%留出温度(T10)が70℃以下、50容量%留出温度(T50)が110℃以下、かつ90容量%留出温度(T90)が180℃以下
また、本発明は、1種又は2種以上の分解ガソリン留分60.0〜95.0容量%と1種又は2種以上の他のガソリン基材5.0〜40.0容量%を配合して、芳香族分含有量が35.0容量%以下、炭素数10以上の芳香族分含有量が8.0容量%以下で、且つ、次式で示されるAを満たすガソリン組成物を得ることを特徴とするガソリン組成物の製造方法に関する。
A=Total Olefin/[((E150−E100)/100)×(C9−Aromatics)]≧4.6
(式中、Total Olefinはガソリン組成物中のオレフィン分の含有量(容量%)、E150は留出温度150℃までの留出割合(容量%)、E100は留出温度100℃までの留出割合(容量%)、C9−Aromaticsはガソリン組成物中の炭素数9以下の芳香族分の含有量(容量%)を示す。)
A=Total Olefin/[((E150−E100)/100)×(C9−Aromatics)]≧4.6
(式中、Total Olefinはガソリン組成物中のオレフィン分の含有量(容量%)、E150は留出温度150℃までの留出割合(容量%)、E100は留出温度100℃までの留出割合(容量%)、C9−Aromaticsはガソリン組成物中の炭素数9以下の芳香族分の含有量(容量%)を示す。)
本発明のガソリン組成物は、オクタン価や蒸留性状を維持しつつ、環境汚染物質の前駆体物質である芳香族含有量を低減し、燃費や排出ガス等のエンジン性能を損なうことが無い性能を有する。
以下、本発明について詳述する。
本発明のガソリン組成物は、1種又は2種以上の分解ガソリン留分60.0〜95.0容量%と1種又は2種以上の他のガソリン基材5.0〜40.0容量%を含有してなる。
分解ガソリンの配合割合は、燃焼室デポジット低減と一般性状の維持の両立の点で、60.0〜95.0容量%であることが必要であり、60.0〜80.0容量%が好ましく、60.0〜70.0容量%がより好ましい。
分解ガソリンの配合割合は、燃焼室デポジット低減と一般性状の維持の両立の点で、60.0〜95.0容量%であることが必要であり、60.0〜80.0容量%が好ましく、60.0〜70.0容量%がより好ましい。
分解ガソリンは、接触分解法で得られる接触分解ガソリン(フルレンジ分解ガソリン)、接触分解ガソリンの軽質留分(軽質分解ガソリン)、接触分解ガソリンの中質留分(中質分解ガソリン)、接触分解ガソリンの重質留分(重質分解ガソリン)、水素化分解法で得られる水素化分解ガソリン等が挙げられ、これらの基材を1種又は2種以上を混合することで製造することができる。
また、その他のガソリン基材は特に制限されないが、具体的には例えば、原油蒸留装置、ナフサ改質装置、アルキレーション装置等から得られるプロパンを中心とした直留系プロパン留分、ブタンを中心とした直留系ブタン留分、それらを脱硫した直留系脱硫プロパン留分、直留系脱硫ブタン留分、接触分解装置等から得られるプロパン・プロピレンを中心とした分解系プロパン留分、ブタン・ブテンを中心とした分解系ブタン留分、原油を常圧蒸留して得られるナフサ留分(フルレンジナフサ)、ナフサの軽質留分(軽質ナフサ)、ナフサの重質留分(重質ナフサ)、フルレンジナフサを脱硫した脱硫フルレンジナフサ、軽質ナフサを脱硫した脱硫軽質ナフサ、重質ナフサを脱硫した脱硫重質ナフサ、軽質ナフサを異性化装置でイソパラフィンに転化して得られる異性化ガソリン、イソブタン等の炭化水素に低級オレフィンを付加(アルキル化)することによって得られるアルキレート、接触改質法で得られる改質ガソリン、改質ガソリンより芳香族分を抽出した残分であるラフィネート、改質ガソリンの軽質留分(軽質改質ガソリン)、改質ガソリンの中重質留分(中重質改質ガソリン)、改質ガソリンの重質留分(重質改質ガソリン)、接触分解法で得られる接触分解ガソリン(フルレンジ分解ガソリン)、接触分解ガソリンの軽質留分(軽質分解ガソリン)、接触分解ガソリンの重質留分(重質分解ガソリン)、水素化分解法で得られる水素化分解ガソリン、エチル−tert−ブチルエーテル(ETBE)、及び天然ガス等を一酸化炭素と水素に分解した後にF−T(Fischer−Tropsch)合成で得られるGTL(Gas to Liquids)の軽質留分等の基材を1種又は2種以上を混合することで製造することができる。これらのガソリン基材の中でも、重質ナフサ、軽質改質ガソリン、中質改質ガソリン、フルレンジ分解ガソリン、軽質分解ガソリン、中質分解ガソリン、重質分解ガソリン、アルキレートなどの基材が好ましく用いられる。
本発明のガソリン組成物は、分解ガソリンを60.0〜95.0容量%含有して成り、芳香族分含有量が35.0容量%以下、炭素数10以上の芳香族分含有量が8.0容量%以下で、且つ、次式で示される指標Aを満たすことを特徴とする。
A=Total Olefin/[((E150−E100)/100)×(C9−Aromatics)]≧4.6
(式中、Total Olefinはガソリン組成物中のオレフィン分の含有量(容量%)、E150は留出温度150℃までの留出割合(容量%)、E100は留出温度100℃までの留出割合(容量%)、(C9−Aromatics)はガソリン組成物中の炭素数9以下の芳香族分の含有量(容量%)を示す。)
A=Total Olefin/[((E150−E100)/100)×(C9−Aromatics)]≧4.6
(式中、Total Olefinはガソリン組成物中のオレフィン分の含有量(容量%)、E150は留出温度150℃までの留出割合(容量%)、E100は留出温度100℃までの留出割合(容量%)、(C9−Aromatics)はガソリン組成物中の炭素数9以下の芳香族分の含有量(容量%)を示す。)
本発明のガソリン組成物においては、芳香族分含有量が35.0容量%以下であることが必要であり、30.0容量%以下が好ましく、25.0容量%以下がさらに好ましく、20.0容量%以下が最も好ましい。
本発明のガソリン組成物に含まれる芳香族分には、例えば、ガソリン基材に由来する炭素数6のベンゼン、炭素数7のトルエン、炭素数8のキシレンやエチルベンゼン、炭素数9の1,2,4−トリメチルベンゼンや1−メチル−3−エチルベンゼン等、炭素数10の1,3−ジエチルベンゼン等が包含される。
また、本発明のガソリン組成物においては、炭素数10以上の芳香族分含有量は8.0容量%以下であることが必要で、燃焼室デポジット生成の観点から、7.0容量%以下が好ましく、6.0容量%以下がより好ましく、5.0容量%以下がさらに好ましい。
本発明のガソリン組成物においては、前記した指標Aが4.6以上であることが必要である。
すなわち、本発明者らは、ガソリン留分のデポジット化に関与する性状として、E150−E100及び炭素数9以下の芳香族分と、それらを低減する時の振替としてのオレフィン分が主に関与することを見出し、各種のデータを用いた数多くの実験結果(エンジン試験結果)との相関から、前記した指標Aの式を導き出し、その値が4.6以上であるとき、オクタン価や蒸留性状を維持したまま、燃焼室デポジット性能が小さく、低排出ガス(NOx)性能を有するガソリン組成物が得られることが分かったものである。
すなわち、本発明者らは、ガソリン留分のデポジット化に関与する性状として、E150−E100及び炭素数9以下の芳香族分と、それらを低減する時の振替としてのオレフィン分が主に関与することを見出し、各種のデータを用いた数多くの実験結果(エンジン試験結果)との相関から、前記した指標Aの式を導き出し、その値が4.6以上であるとき、オクタン価や蒸留性状を維持したまま、燃焼室デポジット性能が小さく、低排出ガス(NOx)性能を有するガソリン組成物が得られることが分かったものである。
指標Aの式において、Total Olefinはガソリン組成物中のオレフィン分の含有量(容量%)を示す。
本発明のガソリン組成物に含まれるオレフィン分には、例えば、ガソリン基材に由来する炭素数4の1−ブテン等、炭素数5の2−メチル―2−ブテン等、炭素数6の2−メチル−2ペンテンや等、炭素数7の3−メチル−1−ヘキセン等、炭素数8の2−オクテン等、炭素数9の1−ノネン等、炭素数10の1−デセン等が包含される。
本発明のガソリン組成物に含まれるオレフィン分には、例えば、ガソリン基材に由来する炭素数4の1−ブテン等、炭素数5の2−メチル―2−ブテン等、炭素数6の2−メチル−2ペンテンや等、炭素数7の3−メチル−1−ヘキセン等、炭素数8の2−オクテン等、炭素数9の1−ノネン等、炭素数10の1−デセン等が包含される。
本発明のガソリン組成物のオレフィン分の含有量は、40容量%以下であることが好ましく、30容量%以下であることがより好ましい。オレフィン分が40容量%を超えると、一定期間貯蔵した後のガソリンの酸化安定性を急激に悪化させ吸気バルブデポジットを増加させ、また、エンジン排ガスを悪化させる可能性がある。また、オレフィン分の含有量は、20容量%以上であることが好ましく、23容量%以上であることがより好ましく、25容量%以上であることがさらに好ましい。オレフィン分の含有量が20容量%未満であると、デポジット生成能の小さい(指標Aが大きい)ガソリン組成物を製造する際、オクタン価や密度・その他の性状を維持することが困難となる可能性がある。なお、本発明でいうオレフィン分とは、JIS K 2536「石油製品−成分試験法−ガスクロマトグラフによる全成分の求め方」に準拠して測定されるガソリン組成物中のオレフィン分の含有量(容量%)を意味する。
指標Aの式において、E150は留出温度150℃までの留出割合(容量%)、E100は留出温度100℃までの留出割合(容量%)を示す。
ガソリンの断熱火炎温度は1500K程度であり、エンジン内の燃焼室は火炎からの熱伝達を受けて温度が上昇する。しかし、実際には燃焼室は消炎領域と呼ばれる冷たい空気の層で覆われているため、重質な燃料留分が液相のまま存在する。ただし、燃焼室の外に排出されるまで、液相のまま液滴が存在していればデポジット化しない。
ガソリン留分のデポジット化し易さについては、例えばE100までの軽質留分は、インテークマニホールドや燃焼室からの熱伝達により、完全に気層となるためデポジット化しない。また、E150より重い留分については燃焼室の中で液相のままで存在し、デポジット化しない。さらに、E150より重い留分については、洗い流し効果による燃焼室内の清浄効果も期待される。
一方、E150−E100の留分についてはインテークマニホールドや燃焼室内からの熱伝達を受けても気化しにくく、E150より重い留分と同様に、壁面に付着する。そして壁面付着後、壁面からの熱伝達によってデポジット前駆体を生成しながら気化する。すると、デポジット前駆体の凝集によって、燃焼室デポジット(CCD)が生成される。
上記観点から、本発明のガソリン組成物においては、E150−E100は35.0容量%以下であることが好ましく、30.0容量%以下であることがより好ましく、20.0容量%以下がさらに好ましい。
上記観点から、本発明のガソリン組成物においては、E150−E100は35.0容量%以下であることが好ましく、30.0容量%以下であることがより好ましく、20.0容量%以下がさらに好ましい。
芳香族分はデポジット生成に関与するが、単純低下させるとオクタン価の維持が困難となる。芳香族分の割合を低下させた際には、炭素数10以上の芳香族とオレフィンでオクタン価を維持することになる。芳香族は炭素数が大きいほど、ラジカルトラップ能力が強くなるため、見かけのオクタン価よりブレンディングオクタン価が大きくなる。
すなわち、前記指標Aが大きいケースとは、デポジット低減とオクタン価維持の観点から、炭素数9以下の芳香族分から、オレフィン分と、よりオクタン価向上能が大きい炭素数10以上の芳香族分に振替えられていることを意味する。
ただし、炭素数10以上の芳香族分については、指数関数的なデポジット生成傾向を示すことが一般に知られているため、デポジットが急激に増加し始める範囲を超えてはならないことから、炭素数10以上の芳香族分は先に記載した量を超えてはならない。
したがって、本発明のガソリン組成物においては、炭素数9以下の芳香族分含有量は20.0容量%以下であることが好ましく、15.0容量%以下がより好ましく、10.0容量%以下がさらに好ましい。
ただし、炭素数10以上の芳香族分については、指数関数的なデポジット生成傾向を示すことが一般に知られているため、デポジットが急激に増加し始める範囲を超えてはならないことから、炭素数10以上の芳香族分は先に記載した量を超えてはならない。
したがって、本発明のガソリン組成物においては、炭素数9以下の芳香族分含有量は20.0容量%以下であることが好ましく、15.0容量%以下がより好ましく、10.0容量%以下がさらに好ましい。
指標Aが大きいケースとは、E150−E100の留分が少ないか、もしくは炭素数9以下の芳香族分の割合が少ないか、またはその両方であることを意味する。
なお、本発明でいう「ガソリン組成物中のオレフィン分」と「ガソリン組成物中の芳香族分」あるいは「炭素数9以下の芳香族分・炭素数10以上の芳香族分」とは、それぞれJIS K 2536「石油製品−成分試験法−ガスクロマトグラフによる全成分の求め方」に準拠して測定される「ガソリン組成物中のオレフィン分(単位:容量%)」と「ガソリン組成物中の芳香族分(単位:容量%)」あるいは「炭素数9以下の芳香族分・炭素数10以上の芳香族分(単位:容量%)」であることを意味する。
また、本発明でいうE150、E100とは、それぞれJIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法」によって測定されるE150およびE100を意味する。
また、本発明でいうE150、E100とは、それぞれJIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法」によって測定されるE150およびE100を意味する。
本発明のガソリン組成物のリサーチ法オクタン価(RON)は、ノッキングを防止し、加速性及び運転性を向上させる点から、89.0以上であることが好ましく、90.0以上であることがより好ましい。
また、本発明のガソリン組成物のモーター法オクタン価(MON)は、高速走行中の耐ノッキング性能の改善の点から、80.0以上が好ましい。
なお、本発明でいうリサーチ法オクタン価及びモーター法オクタン価とは、それぞれJIS K 2280「石油製品−燃料油−オクタン価及びセタン価試験方法並びにセタン指数算出方法」により測定されるリサーチ法オクタン価およびモーター法オクタン価を意味する。
また、本発明のガソリン組成物のモーター法オクタン価(MON)は、高速走行中の耐ノッキング性能の改善の点から、80.0以上が好ましい。
なお、本発明でいうリサーチ法オクタン価及びモーター法オクタン価とは、それぞれJIS K 2280「石油製品−燃料油−オクタン価及びセタン価試験方法並びにセタン指数算出方法」により測定されるリサーチ法オクタン価およびモーター法オクタン価を意味する。
また、本発明のガソリン組成物の硫黄分の含有量は、組成物全量基準で、10質量ppm以下であることが好ましく、8質量ppm以下であることがより好ましく、5質量ppm以下であることがさらに好ましい。硫黄分の含有量が10質量ppmを超える場合、排出ガス処理触媒の性能に悪影響を及ぼし、排出ガス中のNOx、CO、HCの濃度が高くなる可能性があり、また、ベンゼンの排出量も増加する可能性がある。
なお、本発明でいう硫黄分の含有量とは、JIS K 2541「原油及び石油製品−硫黄分試験方法」により測定される硫黄含有量を意味する。
なお、本発明でいう硫黄分の含有量とは、JIS K 2541「原油及び石油製品−硫黄分試験方法」により測定される硫黄含有量を意味する。
本発明のガソリン組成物におけるジエン類の含有量は、ガソリン組成物の貯蔵安定性を確保する観点から、組成物全量を基準として、0.1容量%以下であることが好ましく、0.05容量%以下であることがより好ましく、0.01容量%以下であることが更に好ましい。
本発明のガソリン組成物においては、エンジンの出力性能を確保する観点から、沸点範囲が100〜150℃にある留分の15℃における密度が、0.730g/cm3以上であることが好ましく、0.860g/cm3以下であることが好ましい。
また、本発明のガソリン組成物の15℃における密度(組成物全体の密度)は、0.783g/cm3以下であることが好ましく、0.765g/cm3以下がより好ましい。 下限は、好ましくは0.710g/cm3以上である。ガソリンの密度が0.710g/cm3に満たない場合は燃費が悪化する可能性があり、一方、0.783g/cm3を超える場合は加速性の悪化やプラグのくすぶりを生じる可能性がある。
なお、本発明でいう密度とは、JIS K 2249「原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・容量換算表」により測定される密度を意味する。
また、本発明のガソリン組成物の15℃における密度(組成物全体の密度)は、0.783g/cm3以下であることが好ましく、0.765g/cm3以下がより好ましい。 下限は、好ましくは0.710g/cm3以上である。ガソリンの密度が0.710g/cm3に満たない場合は燃費が悪化する可能性があり、一方、0.783g/cm3を超える場合は加速性の悪化やプラグのくすぶりを生じる可能性がある。
なお、本発明でいう密度とは、JIS K 2249「原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・容量換算表」により測定される密度を意味する。
本発明のガソリン組成物の蒸留性状に関し、10容量%留出温度(T10)は70℃以下であることが好ましく、65℃以下であることがより好ましく、60℃以下であることが更に望ましい。T10が70℃を超える場合には、低温始動性に不具合を生じる可能性がある。一方、T10は、35℃以上であることが好ましい。T10が35℃に満たない場合は排出ガス中の炭化水素が増加する可能性があり、また、ベーパーロックにより高温運転性の不具合を生じる可能性がある。
本発明のガソリン組成物の50容量%留出温度(T50)は、加速性の向上及び排出ガス中の炭化水素(HC)の増加の抑制の観点から、110℃以下であることが好ましく、105℃以下がより好ましい。また、T50は、燃費の悪化を防止する観点から、75℃以上であることが好ましく、78℃以上であることがより好ましい。
本発明のガソリン組成物の90容量%留出温度(T90)は、冷機時の中低温運転性における不具合の防止、排出ガス中の炭化水素の増加の抑制、エンジンオイルのガソリンによる希釈の増加の抑制、エンジンオイルの劣化の抑制、及びスラッジの発生の抑制の観点から、180℃以下であることが好ましく、170℃以下であることがより好ましい。また、T90は、燃費の悪化を防止する観点から、115℃以上であることが好ましい。
本発明のガソリン組成物の蒸留終点(EP)は、吸気バルブデポジット及び燃焼室デポジットの増加の抑制、並びにプラグくすぶりの防止の観点から、220℃以下であることが好ましく、200℃以下であることがより好ましい。
なお、本発明でいうT10、T50、T90、EPとは、それぞれJIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法」によって測定されるT10、T50、T90、EPを意味する。
本発明のガソリン組成物のリード蒸気圧(RVP)はガソリンが使用される季節や地域によって調整する必要があるが、低温始動性やベーパーロックなどによる運転性の不具合防止の点から、一般に夏期(5月〜9月)には好ましくは44〜65kPa、より好ましくは50〜65kPa、最も好ましくは55〜65kPaに調整することが望ましい。一方、冬期(10月〜4月)では、好ましくは65〜93kPa、より好ましくは70〜93kPa、最も好ましくは70〜90kPaに調整することが望ましい。なお、本発明でいうリード蒸気圧とは、JIS K 2258「原油及び石油製品−蒸気圧の求め方(リード法)」により測定されるリード蒸気圧(RVP)を意味する。
本発明のガソリン組成物の酸化安定度は、240分以上であることが好ましく、480分以上であることがより好ましく、960分以上であることが最も好ましい。酸化安定度が240分に満たない場合は、貯蔵中にガムが生成する可能性がある。なお、本発明でいう酸化安定度とは、JIS K 2287「ガソリン−酸化安定度試験方法−誘導期間法」によって測定した値を意味する。
本発明のガソリン組成物の銅板腐食(50℃、3h)は1以下であることが好ましく、1aであるのがより好ましい。銅板腐食が1を超える場合は、燃料系統の導管が腐食する可能性がある。なお、本発明でいう銅板腐食とは、JIS K 2513「石油製品−銅板腐食試験方法」(試験温度50℃、試験時間3時間)に準拠して測定した値を意味する。
本発明のガソリン組成物の未洗実在ガム量は、20mg/100mL以下であることが好ましく、18mg/100mL以下であることがより好ましい。また洗浄実在ガム量は、5mg/100mL以下であることが好ましく、2mg/100mL以下であることがより好ましく、1mg/100mL以下であることが更に好ましい。未洗実在ガム量及び洗浄実在ガム量が上記上限値を超えた場合は、燃料導入系統において析出物が生成したり、吸入バルブが膠着したりするおそれがある。なお、本発明でいう未洗実在ガム量および洗浄実在ガム量とは、JIS K 2261「石油製品−自動車ガソリン及び航空燃料油−実在ガム試験方法−噴射蒸発法」により測定した値を意味する。
本発明のガソリン組成物におけるベンゼン含有量は、1容量%以下であることが好ましく、0.5容量%以下であることがより好ましい。なお、本発明でいうベンゼン含有量とは、JIS K 2536「石油製品−成分試験方法」により測定した値を意味する。
本発明のガソリン組成物における灯油混入量は、4容量%以下であることが好ましく、1容量%以下であることがより好ましい。なお、本発明でいう灯油混入量とは、JIS K 2536「石油製品−成分試験方法」により測定される値を意味する。
本発明のガソリン組成物の製造方法は、1種又は2種以上の分解ガソリン留分60.0〜95.0容量%と1種又は2種以上の他のガソリン基材5.0〜40.0容量%を配合して、芳香族分含有量が35.0容量%以下、炭素数10以上の芳香族分含有量が8.0容量%以下で、且つ、次式で示されるAを満たすガソリン組成物を得ることを特徴とするものである。具体的には、1種又は2種以上の分解ガソリン留分の性状および1種又は2種以上の他のガソリン基材の性状を予め測定しておいて、目的とする性状となるように、適宜混合して調整することで容易に本発明の性状を有するガソリン組成物を製造することができる。
また、本発明のガソリン組成物は、その酸化安定度を向上させるために、酸化防止剤をさらに含有することが好ましい。酸化防止剤としては、具体的には、N,N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジイソブチル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、ヒンダードフェノール類などのガソリン酸化防止剤として公知の化合物が用いることができる。
本発明のガソリン組成物が酸化防止剤を含有する場合、酸化防止剤の含有量Xは下記式(1)で表される条件を満たすことが好ましい。Xが式(1)で表される条件を満たすことによって、酸化防止剤の添加による酸化安定度の向上効果をより有効に得ることができる。
X≧5+250×C (1)
(式中、Xは前記酸化防止剤の含有量(単位:g/kL)を示し、Cは前記ジエン類の含有量(単位:容量%)を示す。)
X≧5+250×C (1)
(式中、Xは前記酸化防止剤の含有量(単位:g/kL)を示し、Cは前記ジエン類の含有量(単位:容量%)を示す。)
また、本発明のガソリン組成物は金属不活性化剤を更に含有することが好ましい。金属不活性化剤としては、N,N’−ジサリチリデン−1,2−ジアミノプロパンのようなアミンカルボニル縮合化合物等が挙げられる。
本発明のガソリン組成物において、金属不活性化剤の含有量は、組成物全量を基準として、好ましくは0〜100g/kL、より好ましくは0〜10g/kLである。
本発明のガソリン組成物において、金属不活性化剤の含有量は、組成物全量を基準として、好ましくは0〜100g/kL、より好ましくは0〜10g/kLである。
また、本発明のガソリン組成物は、吸気バルブデポジットの防止効果及び燃焼室デポジットの低減効果を向上できる点から、清浄分散剤を更に含有することが好ましい。清浄分散剤としては、コハク酸イミド、ポリアルキルアミン、ポリエーテルアミンなどのガソリン清浄分散剤などが挙げられる。これらの中でも空気中300℃で熱分解を行った場合にその残分が無いものが好ましく、ポリイソブテニルアミン及び/またはポリエーテルアミンが特に好ましい。
本発明のガソリン組成物が清浄分散剤を含有する場合、清浄分散剤の含有量は、組成物全量基準で、25〜1000g/kLであることが好ましく、吸気バルブデポジットを防止し、燃焼室デポジットをより低減させる点から、50〜500g/kLが更に好ましく、100〜300g/kLが最も好ましい。
また、本発明のガソリン組成物は、潤滑性を向上できる点から、摩擦調整剤を更に含有することが好ましい。摩擦調整剤としては、例えば、アルコール;ヒドロキシル基を1〜4個有する炭素数1〜30のアルコール化合物;カルボン酸;モノカルボン酸と、グリコール又は3価アルコールとの反応物であるヒドロキシル基含有エステル;ポリカルボン酸と多価アルコールとのエステル;>NR(Rは炭素数5〜40の炭化水素基を示す。)で表される構造を有しかつ1以上の置換基を有する少なくとも1個の窒素化合物と、多価アルコールとのエステル;カルボン酸とアルコールアミンとのアミド化合物等が挙げられる。これらの中でも、炭素数10〜25のモノカルボン酸と、グリコール又は3価アルコールとの反応物であるヒドロキシル基含有エステル及び/又は炭素数5〜25のカルボン酸とアルコールアミンとのアミド化合物がより好ましく、炭素数10〜25のモノカルボン酸とグリセリンエステル及び/又は炭素数5〜25のモノカルボン酸とジエタノールアミンとのアミド化合物がさらに好ましい。これらの摩擦調整剤は、1種を単独で用いてもよく、または、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のガソリン組成物が摩擦調整剤を含有する場合、摩擦調整剤の含有量は特に制限されないが、他の添加剤と合わせて添加後のガソリン組成物の未洗実在ガム量が前述の好ましい範囲を満たすように添加することが好ましい。また、十分な燃費及び出力改善効果を発揮させ、一方、それ以上添加しても効果の向上が期待できない等の観点から、摩擦調整剤の含有量は、好ましくは10〜300g/kL、より好ましくは30〜250g/kLである。
なお、摩擦調整剤と称して市販されている商品は、耐摩耗性に寄与する有効成分が適当な溶剤で希釈されていることがある。このような市販の摩擦調整剤を本発明のガソリン組成物に添加する場合、上記の含有量は、摩擦調整剤の有効成分の含有量を意味する。
また、本発明のガソリン組成物においては、ガソリン基材等に本来的に含まれ得る含酸素化合物の他に、必要に応じて含酸素化合物を更に添加してもよい。添加する含酸素化合物としては、例えば、炭素数2〜4のアルコール類、炭素数4〜8のエーテル類などが含まれる。具体的な含酸素化合物としては、例えば、エタノール、メチル−tert−ブチルエーテル(MTBE)、エチル−tert−ブチルエーテル(ETBE)、tert−アミルメチルエーテル(TAME)、tert−アミルエチルエーテルなどが挙げられる。なお、メタノールは排出ガス中のアルデヒド濃度が高くなる可能性があり、腐食性もあるので好ましくない。
本発明のガソリン組成物における含酸素化合物の含有量は、組成物全量を基準として、酸素元素換算で、5.0質量%以下であることが好ましく、より好ましくは3.0質量%以下、最も好ましくは2.0質量%以下である。5.0質量%を超える場合は、排出ガス中のNOxが増加する可能性がある。なお、ここでいう含酸素化合物の含有量とは、ガソリン基材等に本来的に含まれ得る含酸素化合物の含有量と、添加剤として添加される上記含酸素化合物の含有量との合計を意味する。
また、本発明のガソリン組成物が含有し得るその他の添加剤としては、有機リン系化合物などの表面着火防止剤;多価アルコールあるいはそのエーテルなどの氷結防止剤;有機酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩;高級アルコール硫酸エステルなどの助燃剤;アニオン系界面活性剤;カチオン系界面活性剤;両性界面活性剤などの帯電防止剤;アゾ染料などの着色剤;有機カルボン酸あるいはそれらの誘導体類;アルケニルコハク酸エステル等の防錆剤;ソルビタンエステル類等の水抜き剤;キリザニン、クマリンなどの識別剤;天然精油合成香料などの着臭剤等が挙げられる。これらの添加剤は、1種を単独で、または、2種以上を組み合せて添加することができる。これらの添加剤の含有量の合計は組成物全量基準で0.1質量%以下であることが好ましい。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(ガソリン基材)
ガソリン組成物を調製するための基材として、ブタン、軽質分解ガソリン、中質分解ガソリン、重質分解ガソリン、アルキレートガソリン、ETBE、改質ガソリン及び市販レギュラーガソリンを準備した。各基材の性状を表1に示す。
ガソリン組成物を調製するための基材として、ブタン、軽質分解ガソリン、中質分解ガソリン、重質分解ガソリン、アルキレートガソリン、ETBE、改質ガソリン及び市販レギュラーガソリンを準備した。各基材の性状を表1に示す。
[実施例1〜4、比較例1〜3]
実施例1〜4及び比較例1、2においては、それぞれ表1に示す基材を適宜配合して表2に示す性状を有するガソリン組成物を調製した。比較例1のガソリン組成物は燃料組成の影響を明確化するために、清浄剤未添加の市販ガソリンを模擬した。また、比較例3のガソリン組成物として、市販されているレギュラーガソリンを準備した。
実施例1〜4及び比較例1、2においては、それぞれ表1に示す基材を適宜配合して表2に示す性状を有するガソリン組成物を調製した。比較例1のガソリン組成物は燃料組成の影響を明確化するために、清浄剤未添加の市販ガソリンを模擬した。また、比較例3のガソリン組成物として、市販されているレギュラーガソリンを準備した。
[排出ガス測定]
実施例1〜4及び比較例1〜3の各ガソリン組成物について、下記の試験車両を使用して10・15モード走行による排出ガス測定を実施した。得られた結果を表2に示す。なお、燃料性状の影響を明確に把握するため、排出ガス測定値はエンジンアウトの結果である。
実施例1〜4及び比較例1〜3の各ガソリン組成物について、下記の試験車両を使用して10・15モード走行による排出ガス測定を実施した。得られた結果を表2に示す。なお、燃料性状の影響を明確に把握するため、排出ガス測定値はエンジンアウトの結果である。
(試験車両)
エンジン:直列4気筒
排気量:1795cc
噴射方式:電子制御式MPI
駆動方式:FF
エンジン:直列4気筒
排気量:1795cc
噴射方式:電子制御式MPI
駆動方式:FF
[燃焼室デポジット試験]
実施例1〜4及び比較例1〜3の各ガソリン組成物について、下記の試験エンジンを使用し、JASO法による燃焼室デポジット試験を実施した。試験後のデポジット量を表2に示す。
(試験エンジン)
エンジン:直列4気筒
排気量:2156cc
噴射方式:電子制御式MPI
実施例1〜4及び比較例1〜3の各ガソリン組成物について、下記の試験エンジンを使用し、JASO法による燃焼室デポジット試験を実施した。試験後のデポジット量を表2に示す。
(試験エンジン)
エンジン:直列4気筒
排気量:2156cc
噴射方式:電子制御式MPI
表2に示す通り、実施例1〜4のガソリン組成物は、JIS K 2202に規定する自動車ガソリンの規格を満足するものであり、また、蒸留性状を維持したまま、燃焼室デポジットを低減するとともに環境汚染物質(NOx、THC,CO)や二酸化炭素を低減することを可能としていることが分かる。
本発明のガソリン組成物は、オクタン価や蒸留性状を維持しつつ、環境汚染物質の前駆体物質である芳香族分含有量を低減し、排出ガス等のエンジン性能を損なうことがないガソリン組成物である。
Claims (3)
- 1種又は2種以上の分解ガソリン留分60.0〜95.0容量%と1種又は2種以上の他のガソリン基材5.0〜40.0容量%を含有し、芳香族分含有量が35.0容量%以下、炭素数10以上の芳香族分含有量が8.0容量%以下で、且つ、次式で示されるAを満たすことを特徴とするガソリン組成物。
A=Total Olefin/[((E150−E100)/100)×(C9−Aromatics)]≧4.6
(式中、Total Olefinはガソリン組成物中のオレフィン分の含有量(容量%)、E150は留出温度150℃までの留出割合(容量%)、E100は留出温度100℃までの留出割合(容量%)、C9−Aromaticsはガソリン組成物中の炭素数9以下の芳香族分の含有量(容量%)を示す。) - 以下の(1)〜(5)を満たすことを特徴とする請求項1に記載のガソリン組成物。
(1)リサーチ法オクタン価が89.0以上
(2)密度が0.783g/cm3以下
(3)硫黄分が10質量ppm以下
(4)ベンゼン含有量が1容量%以下
(5)10容量%留出温度(T10)が70℃以下、50容量%留出温度(T50)が110℃以下、かつ90容量%留出温度(T90)が180℃以下 - 1種又は2種以上の分解ガソリン留分60.0〜95.0容量%と1種又は2種以上の他のガソリン基材5.0〜40.0容量%を配合して、芳香族分含有量が35.0容量%以下、炭素数10以上の芳香族分含有量が8.0容量%以下で、且つ、次式で示されるAを満たすガソリン組成物を得ることを特徴とするガソリン組成物の製造方法。
A=Total Olefin/[((E150−E100)/100)×(C9−Aromatics)]≧4.6
(式中、Total Olefinはガソリン組成物中のオレフィン分の含有量(容量%)、E150は留出温度150℃までの留出割合(容量%)、E100は留出温度100℃までの留出割合(容量%)、C9−Aromaticsはガソリン組成物中の炭素数9以下の芳香族分の含有量(容量%)を示す。)
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JP2011137114A (ja) * | 2009-12-29 | 2011-07-14 | Showa Shell Sekiyu Kk | ガソリン燃料組成物 |
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