JP2014183289A - 太陽電池モジュール、及び結晶系太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導電部材により電気的に接続され、かつ封止用樹脂により封止された複数の太陽電池セルを有し、前記複数の太陽電池セルのうちの任意の太陽電池セルと、前記任意の太陽電池セルと隣り合う少なくとも1つの太陽電池セルとが、隙間を有し、かつ双方の前記太陽電池セルに跨って前記太陽電池セルの受光面と反対側の面である裏面に貼付された固定部材により固定されてなり、前記固定部材が、前記太陽電池セルの受光面側から前記固定部材に照射された光を乱反射する太陽電池モジュールである。
【選択図】図6e
Description
前記太陽電池モジュールの一例を図1に示す。図1に示す太陽電池モジュールは、結晶系太陽電池モジュール1である。結晶系太陽電池モジュール1では、結晶系太陽電池セル2が、導電部材であるタブ線3によって直列に接続されてストリング4を形成している。そして、そのストリング4が複数配列しマトリクス5を形成している。マトリクス5は、封止用樹脂のシート6により封止され、受光面側に設けられた表面カバー7及び裏面側に設けられた防湿性のバックシート8とともにラミネートされている。マトリクス5の周囲には、アルミニウムなどの金属フレーム9が取り付けられている。
また、この提案の技術と、太陽電池用絶縁基板に凹凸を設ける前記技術とを組み合わせると、前記間隔のずれを防止することはできる。しかし、前記粘着テープでは、光の利用効率を向上できない。また、そのことに加え、前記間隔における前記粘着テープの貼付されていない箇所を通過し、又は前記粘着テープを透過した光は、前記太陽電池用絶縁基板で反射されるが、その反射光は、前記粘着テープで反射されて再び前記太陽電池用絶縁基板側(太陽電池セルの裏面側)に戻ってきてしまい、太陽電池セルの受光面側に届きにくくなるという問題がある。
<1> 導電部材により電気的に接続され、かつ封止用樹脂により封止された複数の太陽電池セルを有し、
前記複数の太陽電池セルのうちの任意の太陽電池セルと、前記任意の太陽電池セルと隣り合う少なくとも1つの太陽電池セルとが、隙間を有し、かつ双方の前記太陽電池セルに跨って前記太陽電池セルの受光面と反対側の面である裏面に貼付された固定部材により固定されてなり、
前記固定部材が、前記太陽電池セルの受光面側から前記固定部材に照射された光を乱反射することを特徴とする太陽電池モジュールである。
<2> 固定部材が、双方の太陽電池セル間の隙間の50%〜100%を占める前記<1>に記載の太陽電池モジュールである。
<3> 固定部材が、テープ部材である前記<1>から<2>のいずれかに記載の太陽電池モジュールである。
<4> テープ部材が、基材層と、前記基材層上に粘着層とを有し、
前記テープ部材が、前記粘着層により太陽電池セルの裏面に貼付されてなり、
前記基材層の前記粘着層側の面が、光を乱反射する前記<3>に記載の太陽電池モジュールである。
<5> 基材層の材質が、アルミニウムである前記<4>に記載の太陽電池モジュールである。
<6> テープ部材において、粘着層が、太陽電池セルに貼付される部分にのみ基材層上に形成されている前記<4>から<5>のいずれかに記載の太陽電池モジュールである。
<7> 結晶系太陽電池モジュール及びバックコンタクト型太陽電池モジュールのいずれかである前記<1>から<6>のいずれかに記載の太陽電池モジュールである。
<8> 透明基材上に第1の封止用樹脂を配置する第1の封止用樹脂配置工程と、
前記第1の封止用樹脂上に、複数の太陽電池セルがタブ線により電気的に接続されて形成されたマトリクスを、前記複数の太陽電池セルの受光面が前記透明基材と対向するように配置するマトリクス配置工程と、
前記マトリクスにおける、前記複数の太陽電池セルのうちの任意の太陽電池セルと、前記任意の太陽電池セルと隣り合う少なくとも1つの太陽電池セルとが有する隙間に、双方の前記太陽電池セルに跨るように前記太陽電池セルの受光面と反対側の面である裏面に固定部材を貼付して、前記双方の太陽電池セルを固定する固定工程と、
前記マトリクス上に第2の封止用樹脂を配置する第2の封止用樹脂配置工程と、
前記第1の封止用樹脂及び前記第2の封止用樹脂を加熱して、前記第1の封止用樹脂及び前記第2の封止用樹脂により前記マトリクスを封止する封止工程とを含み、
前記固定部材が、前記太陽電池セルの受光面側から前記固定部材に照射された光を乱反射することを特徴とする結晶系太陽電池モジュールの製造方法である。
本発明の太陽電池モジュールは、複数の太陽電池セルと、固定部材とを少なくとも有し、更に必要に応じて、透明基材、バックシートなどのその他の部材を有する。
前記複数の太陽電池セルは、導電部材により電気的に接続され、かつ封止用樹脂により封止されている。
前記太陽電池セルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結晶系太陽電池セルなどが挙げられる。
前記結晶系太陽電池セルとしては、受光面及び受光面の反対面である裏面に電極を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、光電変換部としての光電変換素子と、フィンガー電極と、バスバー電極とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
前記結晶系太陽電池セルの形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、多角形、円形などが挙げられる。前記多角形としては、四角形、八角形などが挙げられる。
前記導電部材としては、複数の太陽電池セルを電気的に接続する部材であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、前記太陽電池モジュールが結晶系太陽電池モジュールの場合には、タブ線などが挙げられる。例えば、前記太陽電池モジュールがバックコンタクト型太陽電池モジュールの場合には、タブ線、導電回路などが挙げられる。
前記タブ線は、隣り合う一方の結晶系太陽電池セルの受光面の電極と他方の結晶系太陽電池セルの裏面の電極とを接続する導電部材である。
前記タブ線の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銅、アルミニウム、鉄、金、銀、ニッケル、パラジウム、クロム、モリブデン、及びこれらの合金などが挙げられる。
前記タブ線は、銅及びアルミニウムのいずれかを含有することが好ましい。
前記平均厚みは、例えば、前記タブ線の任意の10点において前記タブ線の厚みを測定し、測定した値を平均することにより求めることができる。
前記導電回路は、複数の太陽電池セルの裏面(受光面と反対側の面)と接続し、前記複数の太陽電池セルを電気的に接続する導電パターンである。
前記導電回路の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銅、アルミニウム、鉄−ニッケル合金などが挙げられる。
前記導電回路は、例えば、バックコンタクト型太陽電池モジュールにおいて、複数の太陽電池セルの裏面側に配置された絶縁基材上に形成されている。前記導電回路を形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記封止用樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン/酢酸ビニル/トリアリルイソシアヌレート(EVAT)、ポリビニルブチラート(PVB)、ポリイソブチレン(PIB)、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂などが挙げられる。
前記複数の太陽電池セルのうちの任意の太陽電池セルと、前記任意の太陽電池セルと隣り合う少なくとも1つの太陽電池セルとは、隙間を有している。
前記固定部材は、前記任意の太陽電池セルと、前記任意の太陽電池セルと隣り合う少なくとも1つの太陽電池セルとの双方に跨って前記太陽電池セルの受光面と反対側の面である裏面に貼付されている。
前記固定部材は、前記太陽電池セルの受光面側から前記固定部材に照射された光を乱反射する。
前記隙間の間隔としては、例えば、1mm〜5mmなどが挙げられる。
また、前記固定部材は、封止の際の太陽電池セルのずれを防止する。
更に、前記固定部材は、前記太陽電池セルと接している部分を除いた全てが前記隙間に位置しているため、前記固定部材に光を乱反射する加工を行っても、不必要な加工を施す部分が少なく、費用対効果が十分に得られる。
前記テープ部材の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、基材層と、前記基材層上に粘着層とを有することが好ましい。
この場合、前記粘着層により、前記太陽電池セルの裏面に前記テープ部材が貼付される。そして、前記基材層の前記粘着層側の面が、光を乱反射することが好ましい。
前記粘着層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記基材層が導電性を有する場合、前記粘着層は、前記基材層を介して前記双方の太陽電池セルがショートしないように絶縁性を有することが好ましい。
前記基材層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記非平滑面を形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、前記基材層の材質が金属の場合には、非平滑面を有するローラにより前記基材層の表面に非平滑面を転写する方法、前記基材層をエッチングして前記基材層の表面を粗面化する方法などが挙げられる。例えば、前記基材層の材質が樹脂の場合には、前記樹脂に微小ビーズを練り込むことにより、前記基材層の表面をマット処理(つや消し処理)する方法などが挙げられる。
図4aに固定部材の一例の概略断面図を示す。
図4aに示す固定部材は、テープ状の固定部材11であって、基材層13と粘着層12とを有している。基材層13の材質は金属である。粘着層12と接する基材層13の一方の面13aは、非平滑面であり、図の上方から照射された光は面13aにより乱反射する。
固定部材11は、2つの太陽電池セルの隙間に、前記2つの太陽電池セルを跨るように貼付される。
固定部材11は、2つの太陽電池セルの隙間に、前記2つの太陽電池セルに跨るように貼付される。貼付される際、面13aの端部上に形成された2つの粘着層12がそれぞれの太陽電池セルと接することにより、固定部材11が太陽電池セルに貼付される。
前記透明基材としては、太陽光を透過する基材であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記太陽電池モジュールにおいて、前記透明基材は、前記太陽電池セルの受光面側に配置される。
前記透明基材の材質は、太陽光を100%透過する材質である必要はなく、前記太陽電池セルが光電変換を十分に行うことができる程度に太陽光を透過できればよい。
前記透明基材の大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記バックシートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アルミニウム(Al)、PETとAlとポリエチレン(PE)との積層体などが挙げられる。
本発明の結晶系太陽電池モジュールの製造方法は、第1の封止用樹脂配置工程と、マトリクス配置工程と、固定工程と、第2の封止用樹脂配置工程と、封止工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて、バックシート配置工程などのその他の工程を含む。
前記結晶系太陽電池モジュールの製造方法は、前記太陽電池モジュールの製造に好適に用いることができる。
前記第1の封止用樹脂配置工程としては、透明基材上に第1の封止用樹脂を配置する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記透明基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、本発明の前記太陽電池モジュールの説明において例示した前記透明基材などが挙げられる。
前記第1の封止用樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、本発明の前記太陽電池モジュールの説明において例示した前記封止用樹脂などが挙げられる。
前記マトリクス配置工程としては、前記第1の封止用樹脂上に、マトリクスを、複数の太陽電池セルの受光面が前記透明基材と対向するように配置する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記マトリクスは、前記複数の太陽電池セルがタブ線により電気的に接続されて形成された構造をしている。
前記太陽電池セルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、本発明の前記太陽電池モジュールの説明において例示した前記結晶系太陽電池セルなどが挙げられる。
前記タブ線としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、本発明の前記太陽電池モジュールの説明において例示した前記タブ線などが挙げられる。
前記固定工程としては、前記マトリクスにおける、前記複数の太陽電池セルのうちの任意の太陽電池セルと、前記任意の太陽電池セルと隣り合う少なくとも1つの太陽電池セルとが有する隙間に、双方の前記太陽電池セルに跨るように前記太陽電池セルの裏面(受光面と反対側の面)に固定部材を貼付して、前記双方の太陽電池セルを固定する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記固定部材は、本発明の前記太陽電池モジュールの説明で例示した前記固定部材である。
前記固定部材は、前記太陽電池セルの受光面側から前記固定部材に照射された光を乱反射する。
前記第2の封止用樹脂配置工程としては、前記マトリクス上に第2の封止用樹脂を配置する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記第2の封止用樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、本発明の前記太陽電池モジュールの説明において例示した前記封止用樹脂などが挙げられる。
前記第2の封止用樹脂は、前記第1の封止用樹脂と同じ材質であることが、封止の精度が高くなる点で好ましい。
前記封止工程としては、前記第1の封止用樹脂及び前記第2の封止用樹脂を加熱して、前記第1の封止用樹脂及び前記第2の封止用樹脂により前記マトリクスを封止する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記加熱の温度としては、前記第1の封止用樹脂及び前記第2の封止用樹脂が軟化する温度であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記加熱の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記封止の際には、前記加熱に加えて、十分に封止できるように押圧することが好ましい。前記押圧の圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記バックシート配置工程としては、前記第2の封止用樹脂配置工程において配置された前記第2の封止用樹脂上にバックシートを配置する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記バックシート配置工程は、通常、前記封止工程の前に行われる。
まず、図6aに示すように、透明基材16上に第1の封止用樹脂15aを配置する。
続いて、図6bに示すように、複数の結晶系太陽電池セル2がタブ線3により電気的に接続されて形成されたマトリクス5を、第1の封止用樹脂15a上に配置する。マトリクス5は、例えば、図2に示すような構造をしている。
続いて、図6cに示すように、マトリクス5における、複数の結晶系太陽電池セル2のうちの任意の結晶系太陽電池セル2と、任意の結晶系太陽電池セル2と隣り合う少なくとも1つの結晶系太陽電池セル2とが有する隙間に、双方の結晶系太陽電池セル2に跨るように結晶系太陽電池セル2の裏面(受光面と反対側の面)に固定部材(テープ部材)11を貼付して、双方の結晶系太陽電池セル2を固定する。ここで、固定部材11は、光を乱反射させる面を有している。そして、その面は、図中下側を向いている。テープ部材の幅のうちの2mm程度が結晶系太陽電池セル2の裏面に貼付されていれば、双方の結晶系太陽電池セル2を固定するのに十分な固定力(接着力)を得ることができる。
続いて、図6dに示すように、マトリクス5上に第2の封止用樹脂15bを配置する。
続いて、図6eに示すように、第2の封止用樹脂15b上にバックシート17を配置する。
続いて、第1の封止用樹脂15a及び第2の封止用樹脂15bを加熱する。そうすることにより、第1の封止用樹脂15a及び第2の封止用樹脂15bが一体となった封止用樹脂15によりマトリクス5が封止される(図6f)。
まず、図7aに示すように、特定のパターンを有する導電部材23が形成された絶縁基板21を用意する。
続いて、図7bに示すように、2つの太陽電池セル22に跨って太陽電池セル22の裏面(受光面と反対側の面)に貼付された固定部材11により固定された複数の太陽電池セル22を、絶縁基板21上に配置し、導電部材23と太陽電池セル22とを電気的に接続する。この際、導電部材23と太陽電池セル22との間には、接続を補助するスタッドバンプが配されていてもよい。
続いて、図7cに示すように、複数の太陽電池セル22上に、封止用樹脂15を配置する。
続いて、封止用樹脂15を加熱して、複数の太陽電池セル22を封止する(図7d)。 続いて、図7eに示すように、封止用樹脂15上に、透明基材16を配置する。
<太陽電池モジュールの作製>
結晶系太陽電池セルが4つ接続された結晶系太陽電池モジュールを作製した。具体的な方法を以下に示す。
以下の材料を用いた。
・結晶系太陽電池セル2:6インチ(156mm)多結晶Siセル〔縦6インチ×横6インチ(1インチは2.54cm)〕
・タブ線3a:平均幅2mm×平均厚み0.2mm、はんだが被覆された銅線
・横タブ線3b:平均幅6mm×平均厚み0.3mm、はんだが被覆された銅線
・導電性接着フィルム:SP103F1(デクセリアルズ株式会社製)、平均厚み25μm×平均幅2mm×平均長さ150mm
・第1の封止用樹脂及び第2の封止用樹脂:EVA(エチレン/酢酸ビニル共重合体)(平均厚み600μm)
・固定部材11:粘着層12(アクリル系粘着剤、平均厚み50μm)と基材層13(アルミニウム、平均厚み100μm)とを有する図4aに示すようなテープ部材(平均幅6mm、平均長さ156mm)。基材層13の粘着層12側の面13aは、光を乱反射する面である。この面は、ローラを用い前記基材層の表面に非平滑面を施すことにより作製した。
・透明基材:太陽電池用強化ガラス(平均厚み3.2mm)
・バックシート:TPT〔テドラー(登録商標)−ポリエステル−テドラー(登録商標)〕構造(平均厚み250μm)
続いて、マトリクス5を、第1の封止用樹脂15aの上に置いた(図8d)。
続いて、第2の封止用樹脂15b上に、バックシート17を置いた(図8g)
続いて、第1の封止用樹脂15a及び第2の封止用樹脂15bを、150℃×900秒間、0.1MPaで加熱、及び押圧して第1の封止用樹脂15a及び第2の封止用樹脂15bを一体化し、マトリクス5を封止して、結晶系太陽電池モジュールを完成させた(図8h)。
実施例1において、固定部材11が双方の結晶系太陽電池セル2間の隙間を占める割合を75%とした以外は、実施例1と同様にして、結晶系太陽電池モジュールを作製した。
実施例1において、固定部材11が双方の結晶系太陽電池セル2間の隙間を占める割合を50%とした以外は、実施例1と同様にして、結晶系太陽電池モジュールを作製した。
実施例1において、固定部材を、以下の固定部材に変えた以外は、実施例1と同様にして、結晶系太陽電池モジュールを作製した。
・固定部材:粘着層12(アクリル系粘着剤平均厚み50μm)と基材層13(アルミニウム、平均厚み100μm)とを有するテープ部材(平均幅6mm、平均長さ156mm)。基材層13の粘着層12側の面は、光を乱反射しない面(光を正反射する面)である。
実施例1において、固定部材を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、結晶系太陽電池モジュールを作製した。
得られた結晶系太陽電池モジュールについて、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
発電効率を測定し、以下の方法で出力結果を評価した。
発電効率は、JIS C8913(結晶系太陽電池セル出力測定方法)に準拠し、ソーラーシュミレーター(日清紡メカトロニクス株式会社製、ソーラーシュミレーターPVS1116i−M)を用いて、測定条件:照度1,000W/m2、温度25℃、スペクトルAM1.5Gにより測定した。
実施例1〜3及び比較例1〜2の結晶系太陽電池モジュールの出力を測定した。
比較例1の結晶系太陽電池モジュールの出力を1.00とした場合の、実施例1〜3、及び比較例2の結晶系太陽電池モジュールの出力を求めた。結果を表1に示す。
封止の際に太陽電池セルのずれが生じていないかを目視により確認した。具体的には、結晶系太陽電池セル間の間隔の変化、及び並列するストリングの並びのずれを目視により確認し、以下の評価基準で評価した。結果を表1に示す。
〔評価基準〕
○:結晶系太陽電池セル間の間隔の変化、及び並列するストリングの並びのずれがない
×:結晶系太陽電池セル間の間隔の変化、及び並列するストリングの並びのずれの少なくともいずれかがある
実施例3では、比較例1と比べて、出力が1.005倍に向上していた。太陽電池セル自体の発電効率の向上が非常に高度な技術を必要とする点、及び再生可能エネルギーへの注目から太陽電池モジュールの出力向上が望まれている点からすると、この出力向上は、非常に優れた効果である。
また、実施例1では、比較例1と比べて出力が1.010倍に向上している。また、実施例2では、比較例1と比べて出力が1.008倍に向上している。これらの結果は、実施例1及び2が顕著に優れた効果を示すことを表している。
実施例1〜3では、封止の際の太陽電池セルのずれもなかった。
2 結晶系太陽電池セル
3 タブ線
4 ストリング
5 マトリクス
6 シート
7 表面カバー
8 バックシート
9 金属フレーム
10 粘着テープ
11 固定部材
12 粘着層
13 基材層
14 貼付層
15 封止用樹脂
15a 第1の封止用樹脂
15b 第2の封止用樹脂
16 透明基材
17 バックシート
21 絶縁基板
22 太陽電池セル
23 導電部材
Claims (8)
- 導電部材により電気的に接続され、かつ封止用樹脂により封止された複数の太陽電池セルを有し、
前記複数の太陽電池セルのうちの任意の太陽電池セルと、前記任意の太陽電池セルと隣り合う少なくとも1つの太陽電池セルとが、隙間を有し、かつ双方の前記太陽電池セルに跨って前記太陽電池セルの受光面と反対側の面である裏面に貼付された固定部材により固定されてなり、
前記固定部材が、前記太陽電池セルの受光面側から前記固定部材に照射された光を乱反射することを特徴とする太陽電池モジュール。 - 固定部材が、双方の太陽電池セル間の隙間の50%〜100%を占める請求項1に記載の太陽電池モジュール。
- 固定部材が、テープ部材である請求項1から2のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
- テープ部材が、基材層と、前記基材層上に粘着層とを有し、
前記テープ部材が、前記粘着層により太陽電池セルの裏面に貼付されてなり、
前記基材層の前記粘着層側の面が、光を乱反射する請求項3に記載の太陽電池モジュール。 - 基材層の材質が、アルミニウムである請求項4に記載の太陽電池モジュール。
- テープ部材において、粘着層が、太陽電池セルに貼付される部分にのみ基材層上に形成されている請求項4から5のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
- 結晶系太陽電池モジュール及びバックコンタクト型太陽電池モジュールのいずれかである請求項1から6のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
- 透明基材上に第1の封止用樹脂を配置する第1の封止用樹脂配置工程と、
前記第1の封止用樹脂上に、複数の太陽電池セルがタブ線により電気的に接続されて形成されたマトリクスを、前記複数の太陽電池セルの受光面が前記透明基材と対向するように配置するマトリクス配置工程と、
前記マトリクスにおける、前記複数の太陽電池セルのうちの任意の太陽電池セルと、前記任意の太陽電池セルと隣り合う少なくとも1つの太陽電池セルとが有する隙間に、双方の前記太陽電池セルに跨るように前記太陽電池セルの受光面と反対側の面である裏面に固定部材を貼付して、前記双方の太陽電池セルを固定する固定工程と、
前記マトリクス上に第2の封止用樹脂を配置する第2の封止用樹脂配置工程と、
前記第1の封止用樹脂及び前記第2の封止用樹脂を加熱して、前記第1の封止用樹脂及び前記第2の封止用樹脂により前記マトリクスを封止する封止工程とを含み、
前記固定部材が、前記太陽電池セルの受光面側から前記固定部材に照射された光を乱反射することを特徴とする結晶系太陽電池モジュールの製造方法。
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