以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して示す。
本実施形態にかかる機械式駐車場は、乗降室に進入した車両をパレットに積載し、パレットを所定の駐車スペースに収容して駐車させるパレット式の駐車場である。一部の駐車スペースは、EV車への充電に対応した充電スペースとなっており、駐車場に停める時間を利用してEV車への充電を行う。機械式駐車場は、利用者の要望に応じて充電予約を受け付け、充電が必要なEV車を充電スペースへと収容して充電を開始させる。
複数の駐車スペースは二次元に配置されており、パレットを移動させる場合には、駐車室内で複数のパレットを動かすパズル動作を決定し、そのパズル動作にしたがって複数のパレットを移動させる。このとき、充電中のパレットを移動させてしまうと、充電が中断されてしまうととともに、移動後のパレットを充電可能な所定のスペースに再移動し、充電を再開させる必要がある。また、充電が完了するまでの間に充電の中断と再開が繰り返され、バッテリ寿命に影響を与えるおそれがある。そこで、充電中のパレットがあるときは、そのパレットを移動禁止とし、それ以外のパレットを動かすパズル動作を決定する。これにより、駐車中のEV車を好適に充電することができる。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る機械式駐車場10の正面図である。図2は、B1F駐車室14の平面図である。本実施形態に係る機械式駐車場10は、地上に設けられた建物24の地下に、地下1階から地下3階まで駐車室が設けられた、いわゆる地下式の機械式駐車場である。
機械式駐車場10は、乗降室12と、地下1階の駐車室であるB1F駐車室14と、地下2階の駐車室であるB2F駐車室16と、地下3階の駐車室であるB3F駐車室18と、操作盤28と、制御装置30と、複数の通常パレット32と、複数の充電用パレット100と、給電装置42と、第1搬送装置56と、複数の第2搬送装置58と、リフトフレーム88と、4本のマスト90と、昇降装置94と、昇降路96と、を備える。
乗降室12は、建物24に設けられ、車両20を機械式駐車場10へ入庫させ、機械式駐車場10から出庫させるために用いる。乗降室12は、昇降路96の上端に設けられ、乗降室12と昇降路96とは、通常パレット32および充電用パレット100(以下、総称する場合はパレットともいう)が通過できる程度の大きさの連通孔26を介して連結される。
昇降路96は、鉛直方向(z方向)に沿って設けられ、B1F駐車室14、B2F駐車室16、B3F駐車室18のそれぞれと連通する。昇降路96の下端には、リフトフレーム88を昇降させる昇降装置94が設置される。昇降路96の四隅には、4本のマスト90が設けられる。
リフトフレーム88は、4本のマスト90に昇降自在に支持され、昇降装置94により昇降路96に沿って昇降する。リフトフレーム88の上部には第1搬送装置56が設けられる。なお、リフトフレーム88、4本のマスト90、および昇降装置94には、本出願人が先に出願した特開2009−197417号公報に記載のリフトフレーム、4本のマスト、昇降装置、をそれぞれ適用することができる。
通常パレット32および充電用パレット100は、平板状の部材であり、車両20が搭載される上面である車両積載面32a、100aが略矩形の形状を有する。通常パレット32および充電用パレット100は画一的な大きさを有し、1基のパレットに1台の車両が積載可能となる大きさを有する。
充電用パレット100は、コンセント102と、受電ユニット104と、を備える。コンセント102は、充電用パレット100の四隅のいずれかに設けられ、EV車22の給電口108につなぐ給電ケーブル110が接続される。なお、EV車の種類によって異なる位置に設けられる給電口108に対応できるよう、コンセント102が左側に設けられる充電用パレット100と、コンセント102が右側に設けられる充電用パレット100の2種類が設けられる。
受電ユニット104は、充電用パレット100の長辺に設けられ、充電用パレット100が充電スペース52に収容された場合に、給電装置42の給電ユニット44と電気的に接続される。受電ユニット104は、コンセント102と電気的に接続されており、給電装置42から供給される電力を受電し、コンセント102及び給電ケーブル110を介してEV車22へ供給する。
第1搬送装置56は、リフトフレーム88の上部に設けられ、パレットをx方向に移動させる。第1搬送装置56により、パレットは、昇降路96と各駐車室との間を移動する。第2搬送装置58は、駐車スペース50のそれぞれに設けられ、パレットをx方向またはy方向に移動させる。第2搬送装置58により、パレットは駐車スペースの間を移動する。なお、第2搬送装置58には、本出願人が先に出願した特公平7−29681号公報に記載の搬送装置を適用することができる。
B1F駐車室14は、x方向に5列、x方向と交差するy方向に2行配列される10の駐車スペース50を有する。隣接する駐車スペース50の間には、パレットが駐車スペース50をまたいで移動する際に支持する転倒防止ローラ38が設置される。なお、B2F駐車室16およびB3F駐車室18は、B1F駐車室14と同様の構成をとる。
駐車スペース50は、パレット1基を収容可能に構成される。駐車スペース50は、車両20を積載するパレットを収容することにより車両20が駐車される駐車室内の1駐車領域である。
充電スペース52は、給電を要するEV車22への給電が可能な駐車スペース50である。充電スペース52には、充電スペース52に収容される充電用パレット100に電力を供給する給電装置42が設けられる。充電スペース52は、例えば、各駐車室に含まれる複数の駐車スペース50のうち、昇降路96から最も遠い位置となる2箇所に配置される。パレットのパズル動作を決定する際に、昇降路96から遠い位置の駐車スペースほど、パレットを移動させる必要性が少ないためである。
給電装置42は、外部電源から得られる電力をEV車22の充電に好適な電圧に変換して充電用パレット100に供給する。例えば、給電装置42は単相交流200Vまたは100Vの電力を供給する。給電装置42は、充電用パレット100と電気的に接続するための給電ユニット44を有する。給電ユニット44は、充電用パレット100が充電スペース52に収容されると、充電用パレット100が有する受電ユニット104の受電端子と機械的に接触する。すると、給電装置42から充電用パレット100に電力が供給され、コンセント102及び給電ケーブル110を介してEV車22が充電される。
なお、機械式駐車場10のパズル動作により通常パレット32が充電スペース52に収容される場合もあるが、通常パレット32は受電ユニット104を備えないため、給電装置42から通常パレット32へ電力は供給されない。
操作盤28は、車両のドライバまたは機械式駐車場10の係員に対するユーザインタフェースとしての機能を有する。操作盤28はタッチパネルを有する。車両の入出庫の際、操作盤28はタッチパネルを介して、車両を特定する識別番号である車両管理番号の入力を求める。操作盤28は、制御装置30と接続されており、タッチパネルに入力された操作に応じて制御装置30に制御信号を送信するとともに、制御装置30からの制御信号を受信してタッチパネルに必要な情報を表示させる。
図3は、車両を入出庫する際に操作盤28のタッチパネル60に表示される画面図である。この入出庫画面には、入力された車両管理番号を表示する番号表示領域61と、テンキー62と、入庫ボタン63と、出庫ボタン64と、が表示される。
入庫の際、ドライバまたは係員は、入庫対象の車両を乗降室12の外に停車させて操作盤28を操作する。ドライバまたは係員は、テンキー62を押下することで自己の車両の車両管理番号を番号表示領域61に表示させ、入庫ボタン63を押下する。操作盤28は、入庫ボタン63が押下されると、入力された車両管理番号を含む入庫要求信号を生成し、制御装置30に送信する。入庫要求がなされると、乗降室12に車両の積載されていない空のパレットが用意される。
乗降室12に空のパレットが用意された場合、入庫対象の車両を乗降室12に進入させてパレットに積載させる。乗降室12の内部に人がいないことを確認し、入庫準備ができた場合、タッチパネル60を操作して入庫指示をする。操作盤28は、入庫指示の操作がなされると、入庫指示信号を生成し、制御装置30に送信する。
出庫の際、ドライバまたは係員は、テンキー62を押下して自己の車両の車両管理番号を番号表示領域61に表示させ、出庫ボタン64を押下する。操作盤28は、出庫ボタン64が押下されると、入力された車両管理番号を含む出庫指示信号を生成し、制御装置30に送信する。出庫指示がなされると、入力された車両管理番号に対応する車両が積載されたパレットが乗降室12に現れる。乗降室12に現れた車両が乗降室12の外へ移動した場合、出庫が確定する。
なお、車両の中の忘れ物を取り出したいときなど、一時的に車両を乗降室12に呼び出すために出庫した場合には、車両を乗降室12の外へ移動させることなく、そのまま再入庫させることもできる。この場合、車両が乗降室12に現れた後に、タッチパネル60を操作して入庫指示をすればよい。
図4は、充電予約をする際に表示される画面図である。入庫対象の車両がEV車である場合、入庫時にこの画面を操作して充電予約をする。EV車への充電が必要な場合、ドライバまたは係員は、通常充電ボタン66または急速充電ボタン67を押下して充電方法を選択する。充電の必要がない場合、充電不要ボタン68を押下する。操作盤28は、選択された充電方法に対応する充電方法受付信号を生成し、制御装置30に送信する。
図5は、充電予約パターンを選択する画面図であり、図4において通常充電ボタン66または急速充電ボタン67が押下された場合に表示される。EV車への充電開始時刻を指定したい場合、ドライバまたは係員は、予約充電ボタン70を押下する。一方、充電開始時刻を指定せずに充電をしたい場合、適時充電ボタン71を押下する。操作盤28は、適時充電ボタン71が押下された場合、適時充電パターンが選択されたことを示す適時充電受付信号を生成し、制御装置30に送信する。予約充電ボタン65が押下された場合、次に示す画面を表示する。
図6は、充電開始時刻を指定する画面図であり、図5の画面において予約充電ボタン70を押下した場合に表示される。ドライバまたは係員は、テンキー62を押下して指定したい充電開始時刻を指定時刻表示領域74に表示させ、決定ボタン75を押下する。操作盤28は、決定ボタン75が押下された場合、指定された充電開始時刻を含む予約充電受付信号を生成し、制御装置30に送信する。充電予約を取り消したい場合には、取消ボタン76を押下する。
図7は、指定した充電開始時刻に空き予定がない場合に表示される画面図である。この画面は、図6の画面において充電開始時刻を指定し、その指定時刻に対応する充電スペースの空き予定がない場合に表示する。操作盤28は、代替時刻に関する通知を制御装置30から受信した場合に、指定時刻での充電予約ができない旨を示すとともに、予約可能な充電開始時刻として制御装置30から通知された代替時刻を示す画面を表示させる。
ドライバまたは係員は、提示された代替時刻を充電開始時刻として指定する場合には予約充電ボタン70を押下する。この場合、操作盤28は、予約充電受付信号を生成して制御装置30に送信する。一方、開始時刻の指定を行わない場合には適時充電ボタン71を押下する。この場合、操作盤28は、適時充電受付信号を生成して制御装置30に送信する。
図8は、充電予約を受け付けた際に表示される画面図である。図5において適時充電ボタン71が押下された場合や、図6において決定ボタン75が押下された場合、図7において予約充電ボタン70または適時充電ボタン71が押下された場合に、この受付完了画面を表示する。操作盤28は、制御装置30から充電を開始する予定時刻の通知を受け、その予定時刻を表示する。これにより、充電開始時刻を指定した場合のみならず、充電開始時刻を指定しなかった場合にも、充電開始時刻の目安を通知する。なお、制御装置30から充電にかかる予定時間の通知を受ける場合には、予定時刻のみならず、予定時間を併せて表示してもよい。
図9は、制御装置30の機能および構成を示すブロック図である。ここに示す各ブロックは、ハードウエア的には、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)をはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウエア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウエア、ソフトウエアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、本明細書に触れた当業者には理解されるところである。
制御装置30は、受付部112と、決定部114と、管理部116と、検知部118と、保持部120と、を備える。保持部120は、車両情報保持部122と、予約情報保持部124と、を備える。
車両情報保持部122は、車両管理番号と、車両管理番号によって特定される車両の種別と、を対応付けて保持する。車両の種別として、EV車であるか否かの情報を保持する。EV車である場合には、給電口の位置情報や、充電にかかる予定時間として、急速充電に必要な時間および通常充電に必要な時間を保持する。例えば、急速充電に必要な時間として30分、通常充電に必要な時間として5時間が保持される。なお、必要な充電時間は、EV車の型式や、EV車に搭載される電池容量などにより適切な値を設定することが望ましい。
図10は、予約情報保持部124に保持される予定情報の一例を示す図である。予約情報保持部124は、充電用パレットごとに積載するEV車への充電予約に関する予定情報を保持する。予約情報保持部124は、予定情報として、パレット番号と、車両管理番号と、予約パターンと、充電方法と、予定時刻と、予定時間と、入庫時刻と、充電状態と、を保持する。
本図では、充電用パレットが7基登録されており、そのうちの6基に充電予約のされたEV車に関する予定情報が登録されている状態を示している。パレット番号は、個々のパレットを識別するための識別番号である。本実施例では、複数の充電用パレットを識別するために、個々の充電用パレットに対応して「1」〜「7」の番号が付与される。予約パターンは、充電予約方法として開始時刻の指定がされるか否かを識別するものであり、「予約充電」または「適時充電」が設定される。充電方法は、通常充電または急速充電が設定される。充電状態は、車両への充電がなされたか否かを示すステータスであり、「充電待ち」、「充電中」、「充電中断」、「充電済み」が設定される。
図9に戻り、受付部112は、操作盤28から送信される制御信号を受信するとともに、タッチパネル60に表示すべき情報を含む制御信号を操作盤28に送信する。受付部112は、操作盤28から入庫要求信号や入庫指示信号、出庫指示信号を受信した場合、その内容を管理部116に通知する。受付部112は、操作盤28から充電予約に関する受付信号を受信した場合、その内容を決定部114に通知する。受付部112は、決定部114から予定時刻の通知を受けた場合、その予定時刻を含む制御信号を操作盤28に送信する。
決定部114は、受付部112が受信した制御信号をもとに、充電にかかる予定時間を決定するとともに、予約情報保持部124を参照して予定時間が確保しうる充電スペースの空き予定を確認し、空き予定に対応する充電開始の予定時刻を決定する。
決定部114は、充電方法受付信号を受信した場合、車両情報保持部122を参照して選択された充電方法での充電に必要な予定時間を決定する。例えば、急速充電が選択されたことを示す受付信号を受信した場合、充電にかかる予定時間を30分とし、通常充電が選択されたことを示す受付信号を受信した場合、予定時間を5時間とする。決定部114は、決定した予定時間を用いて充電スペースの空き予定を確認する。
図11は、充電スペースの空き予定を模式的に示す図であり、図10に示す予定情報を時系列上に配置した予定表である。本図では、2箇所の充電スペースA、Bが設けられる場合の空き予定を示しており、予約充電パターンの予定情報を白抜きで、適時充電パターンの予定情報を網掛けで示している。決定部114は、予約充電受付信号を受信した場合、予約情報保持部124を参照して、指定された充電開始時刻にて充電スペースの空きが確保できるかを確認する。決定部114は、充電開始時刻から予定時間が経過するまでの時間帯に重複して登録されている予定情報の数をカウントし、そのカウント数が充電スペース数未満である場合には、充電スペースの空きが確保できると判断する。
例えば、充電開始時刻として22時が指定され、急速充電にかかる予定時間として30分が必要である場合、決定部114は、図11の「指定1」の時間帯と重複して登録されている予定情報の数をカウントする。この場合、重複する予定情報はパレット番号が「1」の予定情報だけであるため、カウント数は1となり、充電スペース数未満となる。したがって、「指定1」の時間帯は充電スペースの空きが確保できると判断する。
一方、充電開始時刻として23時が指定され、急速充電にかかる予定時間として30分が必要である場合、決定部114は、図11の「指定2」の時間帯と重複して登録されている予定情報の数をカウントする。この場合、重複する予定情報として、パレット番号が「1」の予定情報と、パレット番号が「3」の予定情報とがあるため、カウント数は2となり、充電スペース数未満とならない。したがって、「指定2」の時間帯は充電スペースの空きが確保できないと判断する。
決定部114は、予約情報保持部124に保持されている充電スペースの空きが確保できる場合には、その充電開始時刻を予定時刻として決定し、受付部112に通知する。一方、充電スペースの空きが確保できない場合には、充電スペースの空きが確保できる代替時刻を探索し、探索した代替時刻を受付部112に通知する。
決定部114は、代替時刻として複数の候補が見つかる場合には、指定された充電開始時刻に近い時刻を優先して通知する。例えば、図11の「指定2」の時間帯で空きが確保できなかった場合、予定時間である30分が確保でき、かつ、予定時刻の23時に最も近い開始時刻として、「代替」の時間帯に対応する開始時刻である22時30分を代替時刻として通知する。
また、決定部114は、適時充電受付信号を受信した場合、予約情報保持部124を参照して、充電スペースの空きが確保できる開始時刻を探索する。決定部114は、探索した開始時刻を充電開始の予定時刻として決定し、受付部112に通知する。なお、決定部114は、充電スペースの空きが確保可能なできるだけ早い時刻を予定時刻として決定する。
例えば、21時40分に適時充電パターンによる充電予約があり、急速充電にかかる予定時間として30分が必要である場合、図11に示す空き予定において充電スペースの空きが最も早く確保できる時間帯は22時からの30分間である。したがって、決定部114は、充電開始の予定時刻を22時と決定する。なお、23時に同様の充電予約があった場合、決定部114は、充電開始の予定時刻を1時30分とする。
決定部114は、予定時刻を決定した場合、決定した内容に対応する予定情報を予約情報保持部124に登録する。このとき、決定部114は、充電状態を「充電待ち」として予定情報を登録する。
図9に戻り、管理部116は、第1搬送装置56、第2搬送装置58、昇降装置94を制御し、所定のパレットを乗降室12または特定の駐車スペース50へと移動させる。管理部116は、パレットの移動に必要な機械式駐車場10内でのパレットの動きを公知のパズル動作のアルゴリズムを使用して決定する。このとき、充電中の充電用パレットがある場合には、その充電用パレットの移動を禁止し、充電中のパレット以外のパレットを移動させるパズル動作を決定する。管理部116は、決定されたパレットの動きが実現されるよう第1搬送装置56、第2搬送装置58、昇降装置94に指令を送信する。
管理部116は、入庫要求信号を受信した場合、車両が積載されていない空のパレットを乗降室12に移動させる。管理部116は、車両情報保持部122を参照して入庫要求信号に含まれる車両管理番号に対応する車両の種別を確認し、通常パレット32または充電用パレット100をいずれかを選択する。車両がEV車であり、給電口の位置情報が登録されている場合には、給電口の位置に対応する側にコンセントが設けられる充電用パレット100を選択する。管理部116は、入庫指示信号を受信した場合、車両が積載されたパレットを所定の駐車スペースに移動させる。
管理部116は、充電スペースが空き状態となった場合、予約情報保持部124を参照して、充電を開始すべき充電用パレットを空いている充電スペースに移動させて充電を開始させる。複数の充電スペースに空きがある場合には、充電用パレットが収容されている駐車スペースから近い充電スペースに収容する。また、充電を開始させる充電用パレットに対応する予定情報の充電状態を「充電中」に変更する。
管理部116は、充電スペースの空き状態が継続している場合、定期的に充電を開始すべき充電用パレットがあるかを確認し、条件を満たす充電用パレットがある場合には、そのパレットの充電を開始させる。定期的に確認する時間間隔は例えば5分である。また、定期的な確認タイミング以外にも、機械式駐車場10への入出庫や、予約時間の変更処理などが行われたタイミングに充電を開始すべき充電用パレットの確認を行う。
管理部116は、予約情報保持部124に保持される予定時刻が現在時刻以降である充電待ちの充電用パレットがあるか確認し、条件を満たす充電用パレットがあれば、その充電用パレットを充電開始すべき充電用パレットとする。このとき、条件を満たす充電用パレットが複数ある場合には、予定時刻が古い充電用パレットを優先する。
一方、予約情報保持部124に保持される予定時刻が現在時刻以降である充電待ちの充電用パレットがない場合、管理部116は、予約モードが「適時充電」である充電用パレットについて充電開始時刻の前倒しが可能であるかを確認する。入庫時に決められた予定時間と実際に充電にかかる実績時間は、必ずしも一致しないため、予定よりも早くに充電スペースが空き状態となる可能性がある。また、充電待ちの車両が充電されずに出庫される場合には、その車両のために確保していた時間帯に充電スペースの空きが生じる。このような場合に、充電開始時刻が指定されていない適時充電モードの充電予約について充電開始時刻の前倒しを行い、より早く充電が開始されるようにする。なお、複数の予定情報が前倒し可能である場合、入庫時刻が古い予定情報を優先して前倒しする。
図12は、充電予約を前倒して実施する場合の予定を模式的に示す図である。本図の上段は、予約の前倒し前の充電スペースBの予定を示し、下段は、前倒し後の実績を示す。前倒し前の予定では、パレット番号が「2」の予定情報として開始時刻の17時10分から5時間の予定時間が設定されているため、充電スペースBは22時10分に空く予定となっている。下段に示す実績では、パレット番号が「2」の充電用パレットの充電が予定よりも早い21時40分に完了し、充電スペースBは、21時40分から空き状態となっている。
管理部116は、21時40分の時点で予定時刻が現在時刻以降となる充電待ちの充電用パレットがないため、予約パターンが「適時充電」であって「充電待ち」の予定情報であるパレット番号「4」と「5」について前倒しの可否を確認する。パレット番号「4」および「5」の予定情報には、予定時間として1時間が設定されているため、パレット番号「3」の充電用パレットの充電が開始される23時までの時間帯に前倒しが可能と判断する。管理部116は、入庫時刻が古い予定情報の前倒しを優先するため、入庫時刻の古いパレット番号「4」の予定情報を前倒して、パレット番号「4」の充電用パレットを充電開始すべき充電用パレットとする。
管理部116は、充電スペースに収容される車両への充電が完了した場合、充電用パレットを充電スペースの外へと移動させ、所定の駐車スペースに収容させる。また、充電が完了した充電用パレットに対応する予定情報の充電状態を「充電済み」に変更する。
なお、車両への充電が完了したか否かについては、給電装置42が供給する電力の電流値や、充電を実施した実績時間などにより判断する。例えば、時間により充電完了の判断をする場合、充電を実施した実績時間が、特定の充電上限時間を超えた場合に充電を終了する。これにより、当初予定していた予定時間を大幅に超えて充電が継続されることを防ぐ。充電上限時間は、下記の式で算出する。
(充電上限時間)=(予定時間)×(係数)+(余裕時間)
ここで、予定時間は、予約情報保持部124に保持される予定時間であり、充電用パレットごとに設定される値である。係数および余裕時間は、車両によらず一律で予め設定される値である。係数は、充電上限時間を予定時間に比例させるために設定される値であり、1以上の値が設定される。例えば1.1や、1.5とすればよい。余裕時間は、一律で加算される時間であり、例えば、5分〜30分程度とすればよい。
管理部116は、出庫要求信号を受信した場合、出庫要求信号に含まれる車両管理番号に対応する車両が積載されたパレットを乗降室12に移動させる。その後、車両が乗降室12の外へ移動し、乗降室12の充電用パレットが車両を積載しない状態となって出庫が確定した場合、管理部116は、予約情報保持部124から対応する予定情報を削除する。
なお、出庫要求がなされた車両が充電中である場合、管理部116は、車両への充電を中断し、充電用パレットを乗降室12に移動させる。このとき、管理部116は、充電を中断した充電用パレットに対応する予定情報の充電状態を「充電中断」に変更するとともに、充電を中断した充電用パレットのために充電スペースを一時的に確保する。例えば、充電用パレットが収容されていた充電スペースにて、他の充電用パレットが充電を開始することを一時的に禁止する。充電を中断した充電用パレットが再入庫された場合、再入庫後に充電をすぐ再開できるようにするためである。
一方、充電を中断した充電用パレットについて出庫が確定した場合、一時的に確保していた充電スペースを解放し、充電待ちの充電用パレットが利用できるようにする。また、再入庫時に充電予約の設定を変更した場合にも、一時的に確保していた充電スペースを解放する。新たな充電予約が設定されるため、他の充電待ちの充電用パレットよりも優先して充電を再開させる必要性がなくなる場合があるためである。
図9に戻り、検知部118は、駐車室に設けられる地震計からの信号を受信し、地震等による所定の揺れを検知したときに、安全のため、給電装置42から充電用パレットへの電力供給を停止させる。充電中に揺れが生じると、給電端子に接触する受電端子が、電流が流れている状態で一時的に外れてしまう可能性があるためである。なお、検知した揺れの最大値が所定未満であり、その揺れが収まった場合には、停止させていた給電装置42から充電用パレットへの電力供給を再開させてもよい。
以上の構成による機械式駐車場10の動作を説明する。
図13は、充電予約の処理の流れを示すフローチャートである。車両の入庫を受け付け(S10)、その車両への充電予約がされる場合(S12のY)、充電にかかる予定時間を確認する(S14)。充電開始時刻の指定がある場合(S16のY)、指定された開始時刻において充電スペースの空き予定があるかを確認する(S18)。充電スペースの空き予定がある場合(S18のY)、予約充電パターンとして予定情報を登録する(S20)。指定された開始時刻において充電スペースの空き予定がなかった場合には(S18のN)、充電スペースが確保できる代替時刻を探索して提示する(S22)。提示した代替時刻が充電開始時刻として指定された場合(S24のY)、予約充電パターンとして予定情報を登録する(S20)。
充電開始時刻の指定がなかった場合(S16のN)や、代替時刻を充電開始時刻として指定しない場合(S24のN)、充電用スペースの空き予定を確認して充電開始の予定時刻を決定し(S26)、適時充電パターンとして予定情報を登録する(S28)。車両の充電予約をしない場合(S12のN)、S14以降のステップをスキップする。
図14は、充電用パレットへの充電を開始させる処理の流れを示すフローチャートである。予定時刻が現在時刻以降であって充電待ちの予定情報があるかを確認し、予定時刻を超過した予定情報がある場合(S32のY)、その予定情報に対応する充電用パレットのうち、予定時刻が古い充電用パレットを充電スペースに移動させて充電を開始させる(S34)。
予定時刻を超過した予定情報がない場合(S32のN)、適時充電パターンであって充電待ちの予定情報があるかを確認する(S36)。適時充電パターンであって充電待ちの予定情報がある場合(S36のY)、充電スペースの空き予定を確認して充電開始時刻の前倒しが可能であるか確認する(S38)。開始時刻の前倒しが可能である場合には(S38のY)、前倒しが可能な予定情報に対応する充電用パレットのうち、入庫時刻が古い充電用パレットを充電スペースに移動させ、予定時刻より前倒しで充電を開始させる(S40)。適時充電パターンであって充電待ちの予定情報がない場合(S36のN)や、充電開始時刻の前倒しができない場合(S38のN)、本フローを終了する。
図15は、車両を出庫させる処理の流れを示すフローチャートである。車両の出庫指示を受け付けると(S50)、出庫指示対象の車両が充電中であるか確認する(S52)。充電中であった場合(S52のY)、車両への充電を中断して充電状態を「充電中断」とし(S54)、その車両の充電に使用していた充電スペースを再入庫に備えて一時的に確保する(S56)。車両が充電中でない場合には(S52のN)、S54、S56のステップをスキップする。
出庫指示がされた車両が再入庫された場合であって(S58のY)、再入庫時に充電予約の設定が変更されず(S60のY)、充電状態が「充電中断」であった場合(S62のY)、その車両を一時的に確保していた充電スペースへ移動させ(S64)、充電を再開させる(S66)。充電状態が「充電中断」でない場合(S62のN)、再入庫させる車両を所定の駐車スペースに移動させる。再入庫時に充電予約の設定が変更された場合には(S60のN)、充電予約の予定情報を更新し(S68)、所定の駐車スペースへ移動させる(S70)。出庫指示がなされた車両が乗降室の外へ移動し、出庫が確定した場合(S58のN)、出庫確定処理として、一時的に確保していた充電スペースがある場合にはそれを解放し、その車両に対応する充電予約の予定情報をクリアする(S72)。
本実施形態に係る機械式駐車場10では、EV車を入庫させるときに充電開始時刻を指定して充電予約をすることができるため、ユーザの要望に沿った時間帯に車両への充電をすることができる。また、充電開始時刻を指定しない場合にも、入庫時に充電開始の予定時刻としてできるだけ早い時刻が決定されるため、その後に入庫されるEV車が開始時刻を指定して充電予約したとしても、その時刻よりも早い時刻に充電を開始させることができる。
また、指定した充電開始時刻に充電スペースの空き予定がない場合に代替時刻を探索して提示するため、充電スペースの空き時間が見つかるまで何度も開始時刻を指定して予約可能な時間を探す手間を省くことができる。
本実施形態に係る機械式駐車場10では、充電スペースの空き予定に応じて、充電開始時刻が指定されなかった車両について、入庫時に決定した予定時刻よりも前倒して充電を開始させるため、より早い時刻に充電を開始させることができる。また、充電開始時刻が指定された車両については、充電開始時刻の前倒しをしないため、指定された予定時刻に充電を開始させることができる。これにより、ユーザの要望に沿った時間帯に車両への充電をするとともに、時間指定のない車両についてはより早く充電することができる。また、限られた充電スペースを効率的に利用することで、充電スペースの空き予定が歯抜けとなることを抑え、予約充電できる時間帯を広げることができる。
本実施形態に係る機械式駐車場10では、所定のパズル動作に基づいてパレットを移動させる場合に、充電中の充電用パレットの移動を禁止し、それ以外の充電用パレットを移動させる。これにより、パズル動作に伴って充電中の充電用パレットが移動して車両への充電の中断と再開が繰り返されることを防ぎ、充電の中断と再開が繰り返されることによるバッテリ寿命への影響を抑えることができる。
また、充電スペースは、昇降路96から最も遠い位置に設けられているため、充電中の充電用パレットの移動を禁止させたとしても、その他のパレットを移動させるパズル動作の解を得るための制約となりにくい。また、充電中の充電用パレットを移動禁止とする制約を課しても、その制約がない場合と比べてパズル動作における移動回数が増えにくいため、入出庫のかかる時間が長くなってしまうことを抑えることができる。これにより、ユーザの利便性が低下してしまうことを防ぐことができる。
一方で、充電中の車両に出庫指示がかかる場合には、その車両への充電を中断して出庫させるとともに、その車両が収容されていた充電スペースを再入庫に備えて一時的に確保しておく。これにより、充電を中断して再入庫したときに充電予約がリセットされて充電開始時刻が当初予定よりも遅くなってしまうことを防ぐことができる。したがって、一時的に車両を乗降室へ呼び出す必要があったとしても、駐車場に入庫したときに決めた当初の予定に沿って充電することができ、ユーザの利便性を高めることができる。
本実施形態に係る機械式駐車場10では、一律で設定される係数および余裕時間により充電上限時間を算出し、充電を実施した実績時間がその充電上限時間を超えた場合に充電を終了させる。これにより、当初の予定時間を大幅に超えて車両への充電がなされ、後続の車両の充電開始が予定時刻から大幅に遅れてしまうことを防ぐことができる。また、一律で設定される値に基づき、車両の種別や充電方法の違いにより異なる予定時間に応じた充電上限時間を算出できるため、比較的簡便な制御方法で、それぞれの車両に合った上限時間を課すことができる。また、車両への過充電も防止できる。
本実施形態に係る機械式駐車場10では、地震などによる所定の揺れを検知した場合、給電装置42から充電用パレットへの電力供給を停止させる。これにより、給電装置42から電力を供給している際に、給電ユニット44と受電ユニット104とが一時的に外れてしまうことを防ぐことができ、安全性を高めることができる。
(第2の実施形態)
図16は、第2の実施形態に係る制御装置30の機能および構成を示すブロック図である。第2の実施形態に係る機械式駐車場10では、制御装置30の保持部120が許可属性保持部126をさらに備える点で第1の実施形態と相違する。許可属性保持部126は、充電スペースと、その充電スペースでの充電を許可する充電用パレットとの対応関係を保持し、例えば、急速充電に対応した給電装置が設置される充電スペースには、急速充電に対応したパレットのみが収容されるようにする。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略する。
図17は、許可属性保持部126が保持する許可属性情報の一例を示す図である。許可属性保持部126は、充電スペースと、その充電スペースにて充電を許可する充電用パレットの属性情報との関係を示す許可属性情報を保持する。本図では、2箇所の充電スペースA、Bのうち、充電スペースAに許可属性「α」が設定され、充電スペースBに許可属性「β」が設定された状態を示している。
図18は、予約情報保持部124に保持される属性情報の一例を示す図である。本実施形態では、予約情報保持部124が保持する予定情報として、さらに属性情報が設定される。属性情報は、パレットの種別を示す情報として充電用パレットごとに設定される。本図では、複数の充電用パレットのうち、パレット番号「1」「2」の充電用パレットに属性情報「α」が設定され、パレット番号「3」〜「7」の充電用パレットに属性情報「β」が設定された状態を示している。
管理部116は、許可属性保持部126を参照し、特定の充電スペースでは、特定の属性を有する充電用パレットのみ充電を許可し、それ以外の属性を有する充電用パレットへの充電を禁止する。充電スペースAには許可属性として「α」が設定されているため、属性情報が「α」であるパレット番号「1」「2」の充電用パレットのみ充電スペースAでの充電を許可する。パレット番号「3」〜「7」の充電用パレットは、充電スペースAでの充電が禁止され、その代わりに許可属性が一致する充電スペースBでの充電が許可される。
決定部114は、充電開始の予定時刻を決定する際に、充電用パレットに付される属性情報に対応した許可属性が設定される充電スペースの空き予定を確認する。例えば、パレット番号「1」の予定時刻を決定する際には、充電スペースAの空き予定を確認して予定時刻を決定する。充電開始時刻の指定を受けた場合も、充電スペースAに空きがある場合にのみ予約充電を受け付けする。充電スペースAに空きがない場合には、指定時刻に充電スペースBに空きがあったとしても、充電スペースAの空き予定を確認して代替時刻を探索し、利用者に提示する。
例えば、「α」を急速充電に対応することを示す属性情報とし、「β」を通常充電に対応することを示す属性情報とした場合、急速充電に対応した給電装置42が備えられる充電スペースに許可属性「α」を設定し、そうでない充電スペースに「β」を設定する。同様に、急速充電に対応した充電用パレットに属性情報「α」を設定し、そうでない充電用パレットに属性情報「β」を設定する。このように充電スペースと充電用パレットとの間の対応関係を設定し、対応関係が満たされる充電用パレットのみ特定の充電スペースに向かわせることで、異なる種類の給電装置を設けた場合にも、一体的に管理することができる。また、急速充電用の充電予約と、通常充電用の充電予約とを別々に管理することができ、利便性を高めることができる。
また、駐車場の定期契約者向けの属性情報を「α」とし、一時利用者向けの属性情報を「β」とすることで、それぞれの利用者が利用できる充電スペースおよび充電用パレットに差を付けて管理することができる。この場合、充電スペースAを定期契約者向けの専用スペースとし、定期契約者の人数に応じて専用の充電用パレットを用意することで、一時利用者が車両の充電をする場合にも、定期契約者は、専用のスペースを利用することができる。
なお、属性情報は、パレットに積載される車両の種別に応じて設定してもよい。例えば、車両管理番号が登録されている定期契約者の車両が入庫される場合には、その入庫時に属性情報として「α」を設定し、車両管理番号が登録されていない一時利用者の車両が入庫される場合には、属性情報として「β」を設定する。この場合にも、属性情報として「α」が設定される定期契約者の車両は、専用のスペースを利用することができる。
また、属性情報は、パレットに積載される車両の車両管理番号に応じて設定してもよい。例えば、占有スペースとして指定される所定の充電スペースを特定の占有車両のみ使用できるように、特定の車両管理番号に対応付けされる占有車両が積載された充電用パレットにのみ占有スペースに与えられる許可属性を設定することとする。例えば、充電スペースAの許可属性を「γ」とし、占有車両が積載される場合にのみ充電用パレットの属性情報を「γ」とする。これにより、占有車両以外の車両はこの充電スペースでの充電ができないこととなり、占有車両はいつでも特定の充電スペースを利用することができる。
以上、実施の形態に係る機械式駐車場の構成と動作について説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
実施の形態では、制御装置に保持される車両管理番号から車両の種別を決定する場合について説明したが、これに限られず、車両の入庫時に操作盤が車両の種別の入力を要求してもよい。
実施の形態では、制御装置に保持される車両管理番号から充電にかかる予定時間を決定する場合について説明したが、これに限られず、車両の入庫時に操作盤が予定時間の入力を要求してもよい。また、車両の種別などによらず、予め設定される一律の予定時間を適用してもよい。
実施の形態では、操作盤に設けられるタッチパネルを通じて、充電予約の指示をすることとしたが、制御装置への指示の方法はこれに限られない。例えば、充電予約用のWebページを用意し、インターネットなどのネットワークを経由して制御装置の外部から充電予約をしてもよい。また、Webページからの照会により、充電スペースの空き予定や、各車両への充電開始の予定時刻などが確認できるようにしてもよい。
実施の形態では、許可属性として1箇所の充電スペースにつき、一つの属性情報を設定することとしたが、複数の属性情報を設定してもよい。例えば、充電スペースBに設定する許可属性として、「α」と「β」の双方を設定するようにしてもよい。また、パレットの種別に応じて設定される属性情報と、パレットに積載される車両の種別に応じて設定される属性情報とを組み合わせて許可属性を設定してもよい。
実施の形態では、充電スペース52を、昇降路96から最も遠い位置に配置することとしたが、その他の位置に配置することとしてもよい。この場合、パレットのパズル動作を決定する際に移動させる必要性が少ない位置とすることが望ましく、例えば、矩形の駐車室であれば、その四隅の位置に設ければよい。また、駐車室内に柱や壁などが設けられている場合には、隣接する駐車スペースが一つしかなく、袋小路となっている位置などを充電スペースとしてもよい。
実施の形態では、乗降室が昇降路の上端に位置する、いわゆる地下式の機械式駐車場10について説明したが、これに限られず、乗降室が昇降路の下端に位置する場合や、昇降路の中間に乗降室を設ける場合にも適用できる。また、昇降路の四隅に支柱としてマストが設置されている例について説明したが、昇降路および昇降装置の構造として実施の形態として例示したもの以外を用いることとしてもよい。
実施の形態では、充電用パレットの長辺に受電ユニットが設けられる場合について示したが、これに限られず、受電ユニットを短辺に設けてもよい。また、給電ユニットの配置に合わせて複数の受電ユニットを2つの長辺または2つの短辺に対応するように設けてもよい。
実施の形態では、平板状のパレットを使用する場合について説明したが、これに限られない。例えば、轍状の溝を形成したパレットや、櫛歯型のパレットなど、車両を積載して格納することができる形状を有するパレットであればいかなる形状のパレットでも採用することができる。