JP2014181303A - ポリエチレンテレフタレート層の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】末端カルボキシル基量が20当量/t以下であり、極限粘度が0.66以上であるポリエステル(A)を60重量%以上含有するポリエステル樹脂を、溶融押出して成形することを特徴とするポリエチレンテレフタレート層の製造方法。
【選択図】なし
Description
6.0×10−6×D2.8≦Q/N≦15.0×10−6×D2.8 …(2)
6.3×10−6×D2.8≦Q/N≦14.7×10−6×D2.8 …(3)
15.8×10−6×D2.8<Q/N …(5)
ポリエチレンテレフタレートチップを粉砕した後、熱風乾燥機にて140℃で15分間乾燥させ、デシケーター内で室温まで冷却した試料から、0.1gを精秤して試験管に採取し、ベンジルアルコール3mlを加えて、乾燥窒素ガスを吹き込みながら195℃、3分間で溶解させ、次いで、クロロホルム5mlを徐々に加えて室温まで冷却した。この溶液にフェノールレッド指示薬を1〜2滴加え、乾燥窒素ガスを吹き込みながら攪拌下に、0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液で滴定し、黄色から赤色に変じた時点で終了とした。又、ブランクとして、ポリエチレンテレフタレート樹脂試料抜きで同様の操作を実施し、以下の式によって酸価を算出した。
酸価(当量/t)=(A−B)×0.1×f/W
〔ここで、Aは、滴定に要した0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の量(μl)、Bは、ブランクでの滴定に要した0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の量(μl)、Wは、ポリエチレンテレフタレート樹脂試料の量(g)、fは、0.1(N)の苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の力価である。〕
力価(f)=0.1Nの塩酸水溶液の力価×0.1Nの塩酸水溶液の採取量(μl)/0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の滴定量(μl)
ポリエチレンテレフタレートチップを粉砕した後、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒中に溶解し、毛細管粘度計を用いて、1.0(g/dl)の濃度の溶液の流下時間、および、溶媒のみの流下時間を測定し、それらの時間比率から、Hugginsの式を用いて、極限粘度を算出した。その際、Huggins定数を0.33と仮定した。
ポリエチレンテレフタレートチップを280℃環境下にてプレス後、冷却化しプレート化したサンプルを得た。蛍光X線分析装置(島津製作所社製型式「XRF−1800」)を用いて、下記表1に示す条件下で、単枚測定でフィルム中の元素量を求めた。積層フィルムの場合はフィルムを溶融してディスク状に成型して測定することにより、チタン元素(Ti)、リン元素(P)、アンチモン元素(Sb)、のポリエチレンテレフタレートチップに対する含有量を測定した。
試料10gを、イナートオーブン(ESPEC社製「IPHH−201型」) 中で、50NL/分の窒素ガス気流下160℃で2時間乾燥させた後、4.0m gを精秤し、クロロホルム/ ヘキサフルオロイソプロパノール(容量比3/2)の混合溶媒2mlに溶解させた後、さらにクロロホルム20mlを加えて希釈し、これにメタノール10mlを加えて析出させ、引き続いて濾過して得た濾液を蒸発乾固後、ジメチルホルムアミド25mlに溶解し、その溶液中の環状三量体( シクロトリエチレンテレフタレート)を、液体クロマトグラフィー(島津製作所製「LC−10A」)で定量した。
A4サイズのケント紙と熱処理を行うポリエチレンテレフタレートフィルムを合わせ、ゼムクリップ等で四隅をクリップし、ケント紙とポリエチレンテレフタレートフィルムを止める。その際、積層ポリエチレンテレフタレートフィルムの場合は、ポリエチレンテレフタレート(A)を含有させた面が外側になるようにする。窒素雰囲気下、180℃のオーブンに前記ポリエチレンテレフタレートフィルムを10分間放置し熱処理を行う。
上部が開放され、底辺の面積が250cm2となるように、熱処理後のポリエチレンテレフタレートフィルムを折って、四角の箱を作成する。積層ポリエチレンテレフタレートフィルムの場合は、ポリエチレンテレフタレート(A)を含有させた面が内側となるようにする。次いで、上記の方法で作成した箱の中に、DMF(ジメチルホルムアミド)10mlを入れ3分間放置後DMFを回収する。回収したDMFを液体クロマトグラフィー(島津LC−7A)に供給してDMF中の環状三量体量を求め、この値に対してDMFを接触させたフィルム面積:250cm2で割って、フィルム表面環状三量体量(mg/m2)とする。
なお、液体クロマトグラフの条件は下記のとおりとした。
移動相A:アセトニトリル
移動相B:2%酢酸水溶液
カラム:三菱化学(株)製『MCI GEL ODS 1HU』
カラム温度:40℃
流速:1ml/分
検出波長:254nm
○:0.1mg/m2未満
△:0.1mg/m2以上0.2mg/m2未満
×:0.2mg/m2以上
スラリー調製槽、及びそれに直列に接続された2段のエステル化反応槽、及び2段目のエステル化反応槽に直列に接続された3段の溶融重縮合槽からなる連続重合装置を用い、スラリー調製槽に、テレフタル酸とエチレングリコールをそれぞれ毎時865重量部、485重量部で連続的に供給すると共に、エチルアシッドホスフェートの0.3重量%エチレングリコール溶液を、得られるポリエチレンテレフタレート樹脂1t当たりの燐原子としての含有量が0.129モル/樹脂tとなる量で連続的に添加して、攪拌、混合することによりスラリーを調製した。このスラリーを、窒素雰囲気下で260℃、相対圧力50kPa(0.5kg/cm2)、平均滞留時間4時間に設定された第1段目のエステル化反応槽、次いで、窒素雰囲気下で260℃、相対圧力5kPa(0.05kg/cm2)、平均滞留時間1.5時間に設定された第2段目のエステル化反応槽に連続的に移送して、エステル化反応させた。又、その際、第2段目のエステル化反応槽に設けた上部配管を通じて、酢酸マグネシウム4水和物の0.6 重量% エチレングリコール溶液を、得られるポリエチレンテレフタレート樹脂1t当たりのマグネシウム原子としての含有量が0.165モル/樹脂tとなる量で連続的に添加すると共に、第2段目のエステル化反応槽に設けた別の上部配管を通じてエチレングリコールを毎時60重量部連続的に追加添加した。
ポリエチレンテレフタレート(1)を出発原料とし、窒素雰囲気下で約160℃に保持された攪拌結晶化機内に滞留時間が約60分となるように連続的に供給して結晶化させた後、塔型の固相重縮合装置に連続的に供給し、窒素雰囲気下215℃で、得られるポリエチレンテレフタレート樹脂の極限粘度が0.82(dl/g)となるように滞留時間を調整して固相重縮合させ、ポリエチレンテレフタレート(2)を得た。末端カルボキシル基量は8(当量/トン)、ポリエチレンテレフタレートチップ中の環状三量体量は、3000(ppm)であった。
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒としてテトラ−n−ブチルチタネートを得られるポリエチレンテレフタレート樹脂1t当たりのチタン原子としての含有量が5g/樹脂tとなる量で加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物を重縮合槽に移し、平均粒子径2 .5μmのシリカ粒子のエチレングリコールスラリーを、粒子のポリエチレンテレフタレートに対する含有量が1.5重量%となるように添加し、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.60に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエチレンテレフタレート(3)を得た。極限粘度は0.60(dl/g)、末端カルボキシル基量は21(当量/トン)、ポリエチレンテレフタレートチップ中の環状三量体量は、7000(ppm)であった。
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム四水塩を0.02部加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃ とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドホスフェート0.03部を添加した後、重縮合槽に移し、三酸化アンチモンを0.04部加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエチレンテレフタレートのチップ(4) を得た。この、ポリエチレンテレフタレートの極限粘度は0.63(dl/g)、ポリマーの末端カルボキシル基量は35(当量/トン)、ポリエチレンテレフタレートチップ中の環状三量体量は8500(ppm)であった。
ポリエチレンテレフタレート(4)を出発原料とし、真空下220℃にて固相重合を行って、ポリエチレンテレフタレート(5)を得た。ポリエチレンテレフタレート(5)の極限粘度は0.85(dl/g)、ポリマーの末端カルボキシル基量は21(当量/トン)、ポリエチレンテレフタレートチップ中の環状三量体量は、5500(ppm)であった。
上記ポリエチレンテレフタレート(2)およびポリエチレンテレフタレート(3)を96:4の比率で混合したポリエチレンテレフタレートを原料とし、直径90mmのベント付き二軸押出機にて、吐出量450kg/hr、スクリュー回転数100rpmにて押出し、290℃で溶融押出し、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定したキャスティングドラム上で急冷固化させて未延伸の単層シートを得た。得られたシートを縦方向に83℃で3.3倍延伸した後、テンターに導き、110℃で横方向に3.7倍延伸し、さらに220℃で熱固定を行った。得られたフィルムの平均厚さは125μmであった。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表3に示す。
表2に示す配合比としたポリエチレンテレフタレート原料とすることを除いて、実施例1と同様の方法でポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表3に示す。
上記ポリエチレンテレフタレート(2)およびポリエチレンテレフタレート(3)を96:4の比率で混合したポリエチレンテレフタレートをX層のポリエチレンテレフタレート原料とし、上記ポリエチレンテレフタレート(4)をY層のポリエチレンテレフタレート原料として、二台の押出機に各々を供給し、各々290℃で溶融した後、X層を最外層(表層)、Y層を中間層として、40℃に冷却したキャスティングドラム上に、二種三層(XYX)で、厚み構成比がX:Y:X=6.25:112.5:6.25になるように共押出し冷却固化させて無配向シートを得た。その際、X層形成のためには、直径44mmのベント付き二軸押出機にて、吐出量25kg/hr、スクリュー回転数100rpmにて押出し、Y層形成のためには、直径90mmのベント付き二軸押出機にて、吐出量225kg/hr、スクリュー回転数50rpmにて押出した。得られたシートを縦方向に83℃で3.3倍延伸した後、テンターに導き、110℃で横方向に3.7倍延伸し、さらに220℃で熱固定を行った。得られたフィルムの平均厚さは125μmであった。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表3に示す。
実施例1において、混合物中のポリエチレンテレフタレート原料に関して、表4に示すポリエチレンテレフタレートに変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表4に示す。
Claims (4)
- 末端カルボキシル基量が20当量/t以下であり、極限粘度が0.66以上であるポリエステル(A)を60重量%以上含有するポリエステル樹脂を、溶融押出して成形することを特徴とするポリエチレンテレフタレート層の製造方法。
- チタン元素含有量が20ppm以下であり、リン元素含有量が30ppm以下であるポリエステル(A)を含有する請求項1に記載のポリエチレンテレフタレート層の製造方法。
- ポリエステル(A)が、連続重合法で製造されたものである請求項1または2に記載のポリエチレンテレフタレート層の製造方法。
- 積層構造のフィルムの少なくとも一つの最外層が、請求項1〜3のいずれかに記載のポリエチレンテレフタレート層であるポリエチレンテレフタレートフィルムの製造方法。
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