次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、一般的なパチンコ機を例にして説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、所定条件の成立(後述する始動入賞装置30の始動入賞口31,32へのパチンコ球の入賞)を契機として演出用の図柄(以下飾図という)を変動表示させて図柄変動演出を行う演出実行手段としての図柄表示装置(図柄表示手段)17が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板(図示せず)で前後に開口する窓口13aを覆うよう構成された装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前記前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。前記上球受け皿14は、前記前枠13と別体に形成して中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。
前記前枠13には、窓口13aの外周を囲繞するようランプ装置(発光手段)18が配設されると共に、中枠12の上部に、音声や効果音を出力可能なスピーカ(音出力手段)19が配設されている。すなわち、前記ランプ装置18に設けられたLED等の発光体(図示せず)を点灯・点滅したり、前記スピーカ19から適宜の音声を出力することで、前記図柄表示装置17での図柄変動演出に合わせて発光演出や音声演出を行い得るよう構成されている。そして、ランプ装置18およびスピーカ19は、後述するリーチ演出等を行う演出実行手段として機能する。
前記中枠12の右下方位置には、該中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられており、該操作ハンドル16を遊技者が操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20の遊技領域20aに向けて1球ずつ発射されるようになっている。図1に示す如く、前記上球受け皿14の上面には、操作手段としての操作ボタン38が設けられており、該操作ボタン38を所定のタイミングで押下することで、モードを切替えたり、音量調節を行い得るよう構成される。この操作ボタン38は、該ボタン38を押下したときに押下信号を統括制御CPU65aに出力するよう構成される。
前記パチンコ機10の裏側には、球払出装置76を駆動制御する払出制御基板(払出制御手段)75、前記打球発射装置を駆動制御する発射制御基板等が配設されている。前記払出制御基板75は、前記パチンコ機10の後側に配設されるメイン制御基板(図8参照)60に配線接続されており、該メイン制御基板60から入力される制御信号に基づいて、払出制御基板75が球払出装置76を制御することで、所要数のパチンコ球を賞球として払い出すよう構成される。
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、図2に示すように、ベニヤ材や合成樹脂材により形成された略矩形状の板部材であって、遊技盤20の裏面側に前記図柄表示装置17が着脱可能に組み付けられている。前記遊技盤20の前面には、略円形状に湾曲形成した案内レール21が配設されており、該案内レール21により画成される略円形の遊技領域20aに、前記中枠12に配設された図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球が打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が適宜位置に開設されており、各装着口に対して各種の遊技盤設置部品(具体的には後述する枠状装飾体25、始動入賞装置30、特別入賞装置40、普通入賞装置45、ゲート部材48等)が前側から取り付けられると共に、遊技領域20aの最下部位置には、該遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口22が開設されている。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤20に取り付けられる各種遊技盤設置部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜変更される。
ここで、実施例の前記遊技盤20には、図2に示すように、前記案内レール21で囲まれた遊技領域20aの略中央で開口する装着口に、前後に開口する表示窓口25aが形成されたセンター役とも称される枠状装飾体25が取り付けられ、該枠状装飾体25の表示窓口25aを介して図柄表示装置17の図柄ドラム17a,17b,17c(後述)が遊技盤20の前面側に臨むよう構成されている。なお、前記遊技盤20には、前記遊技領域20a内に多数の遊技釘23が設けられると共に、前記枠状装飾体25の左側方に、遊技領域20aを流下するパチンコ球の接触に伴って回転する所謂「風車」とも称される回転案内部材24が回転自在に支持されており、遊技領域20aを流下するパチンコ球が遊技釘23や回転案内部材24に接触することで、流下方向が不規則に変化するよう構成されている。また、前記遊技盤20における枠状装飾体25の下方位置に開設された装着口に、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞口(始動入賞手段)31,32を有する始動入賞装置30および特別入賞口(特別入賞手段,入賞口)41を有する特別入賞装置(入賞手段)40が取り付けられている。
(始動入賞装置30について)
図2に示すように、前記始動入賞装置30は、前記始動入賞口31,32が上下の位置関係で2つ設けられている。ここで、上側に位置する第1始動入賞口(第1始動入賞手段)31は、遊技領域20a内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされている。下側に位置する第2始動入賞口(第2始動入賞手段)32を挟む左右両側には、該第2始動入賞口32を開閉可能に構成された開閉部材34,34が設けられており、駆動手段としての始動入賞ソレノイド33(図8参照)の駆動に伴って一対の開閉部材34,34が第2始動入賞口32を閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。
前記始動入賞装置30は、前記第1および第2始動入賞口31,32に入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての始動入賞検出センサ35,36(図8参照)が設けられている。前記始動入賞検出センサ35,36は、パチンコ機10の裏側に配設されたメイン制御基板60(図8参照)に配線接続されており、該始動入賞検出センサ35,36によるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口31,32へのパチンコ球の入賞)を契機として所定数の賞球が払い出されるようになっている。また、始動入賞検出センサ35,36によるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口31,32へのパチンコ球の入賞)を遊技の開始条件として、前記メイン制御CPU60aが各種入賞情報(後述する各種乱数情報)を取得して、この取得した入賞情報に基づいて特図当り抽選(大当り判定)が行われるよう構成されている。そして、特図当り抽選の結果に基づいて前記図柄表示装置17において図柄変動演出が実行されると共に、特図表示部50A,50Bにおいて特図変動が実行されるようになっている。そして、前記図柄表示装置17での図柄変動演出の結果、該図柄表示装置17に所定の組み合わせ(例えば同一飾図の3つ揃い等)で飾図が確定停止表示されることで、遊技者に有利な当り遊技(大当り遊技)が付与され、当り遊技の発生に伴って前記特別入賞装置40を所定の開放条件で開放する当り遊技が行われて、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。ここで、実施例では、前記始動入賞検出センサ35,36が始動入賞口31,32毎が設けられており、以下の説明では、第1始動入賞口31に対応するセンサを第1始動入賞検出センサ35と指称し、第2始動入賞口32に対応するセンサを第2始動入賞検出センサ36と指称するものとする。また、メイン制御基板60は、第1始動入賞検出センサ35または第2始動入賞検出センサ36からの検出信号を受信すると、前記払出制御基板75に制御信号を出力して、前記球払出装置76に所定数の賞球を払い出させるよう構成される。
(特別入賞装置40について)
前記特別入賞装置40は、図2に示すように、遊技領域20aに開口する特別入賞手段としての特別入賞口41を開閉自在に閉成する開閉扉(開閉部材)43を備えており、駆動手段としての特別入賞ソレノイド42(図8参照)の駆動に伴って開閉扉43が閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。また、前記特別入賞装置40には、前記特別入賞口41に入賞したパチンコ球を検出する特別入賞検出手段としての特別入賞検出センサ44(図8参照)が設けられている。特別入賞検出センサ44は、前記メイン制御基板60に配線接続されており、特別入賞検出センサ44がパチンコ球を検出すると、検出信号をメイン制御基板60に出力し、メイン制御基板60は、前記払出制御基板75に制御信号を出力して、前記球払出装置76に予め設定された数の賞球を払い出させるようになっている。ここで、前記特別入賞ソレノイド42は、前記始動入賞装置30へのパチンコ球の入賞を契機として特別入賞装置40を開放する当り遊技(大当り遊技)が付与される場合に、当りの種類に応じた所定の開閉条件に従ってメイン制御基板60によって駆動制御される。
(普通入賞装置45について)
前記普通入賞装置45には、該入賞装置45に設けた普通入賞口に入賞したパチンコ球を検出する普通入賞検出センサ47が設けられている。この普通入賞検出センサ47は、前記メイン制御基板60に配線接続されており、該普通入賞検出センサ47からメイン制御基板60への球検出信号の入力に伴って所定数の賞球が払い出されるようになっている。この普通入賞検出センサ47によるパチンコ球の検出(すなわち普通入賞装置45に設けた普通入賞口へのパチンコ球の入賞)を契機として所定数の賞球が払い出される。
(ゲート部材48について)
図2に示すように、前記枠状装飾体25の左側には、遊技領域20aを流下するパチンコ球が通過可能なゲート部材48が設けられている。前記ゲート部材48にはゲートセンサ49(図8参照)が配設されており、該ゲート部材48を通過するパチンコ球をゲートセンサ49で検出するよう構成されている。前記ゲートセンサ49は、前記メイン制御基板60に配線接続されており、該ゲートセンサ49からメイン制御基板60への球検出信号の入力(すなわちゲートセンサ49のパチンコ球の検出(ゲート部材48のパチンコ球の通過))に伴って各種通過検出情報(後述する普図当り判定用乱数等の乱数情報)が取得され、この取得した情報に基づいて後述する普図当り判定(普図当り抽選)が行われるよう構成されている。そして、この普図当り抽選の結果に応じて前記始動入賞装置30の始動入賞ソレノイド33が駆動制御されて開閉部材34,34が開閉動作するようになっている。
(遊技情報表示部Mについて)
前記遊技盤20の所定位置(実施例では、遊技領域20a外の右下部位置)には、前記メイン制御CPU60aにより決定された各種の遊技情報を表示する遊技情報表示部Mが設けられており、当該遊技情報表示部Mを確認することで、遊技に必要な遊技情報を適宜に確認し得るようになっている。ここで、実施例の遊技情報表示部Mには、前記遊技情報を表示する各遊技状態表示部として、特図表示部50A,50B、特図保留表示部52,53、普図表示部55、普図保留表示部56、ラウンド表示部57および状態表示部58が設けられている。なお、前記遊技情報表示部Mの前面は、光透過性のカバー体Maにより覆蓋保護されており、カバー体Maを介して遊技状態表示部Mに表示された各種の遊技情報を確認し得るよう構成されている。
(特図表示部50A,50Bについて)
前記特図表示部(表示手段)50A,50Bは、前記第1始動入賞口31および第2始動入賞口32への入賞を契機として行われる特図当り判定(特図当り抽選)の結果を示す報知用の特別図柄(以下、特図という)を特定可能に表示する表示部である。ここで、図2に示すように、特図表示部50A,50Bは、前記第1始動入賞口31への入賞(第1始動入賞検出センサ35による検出)を契機として変動表示(以下特図変動表示という場合がある)を開始する第1特図表示部50Aと、第2始動入賞口32への入賞(第2始動入賞検出センサ36による検出)を契機として特図変動表示を開始する第2特図表示部50Bとからなり、各特図表示部50A,50Bの何れも複数個(実施例では8個ずつ)の発光表示部により構成されている。そして、前記第1始動入賞口31へのパチンコ球の入賞を契機として、第1特図表示部50Aの発光表示部が順次点灯・消灯する特図変動表示が行われ、最終的に発光表示部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特図の内の1つを表示するようになっている。また、第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞を契機として、第2特図表示部50Bの発光表示部が点灯・消灯する特図変動表示が行われて、最終的に発光部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特図の内の1つを表示するよう構成されている。なお、実施例の各発光表示部はLEDにより構成されているが、これに限らず点灯位置を適宜変更して表示態様を可変し得る形態であればよく、また7セグメント表示器やドットマトリックス、小型の液晶表示器、その他特図を表示可能な表示手段を採用できる。
具体的には、各特図表示部50A,50Bにおいて表示し得る特図としては、当りの当選を認識し得る特図当り表示(大当り図柄)としての100種類の特図と、はずれを認識し得る特図はずれ表示(はずれ図柄)としての1種類の特図とが各特図表示部50A,50Bに対応して夫々設定されており、特図当り判定の判定結果に応じて決定された1つの特図が特図変動表示の結果として特図表示部50A,50Bに確定停止表示される。なお、前述した各特図表示部50A,50Bにおいて表示し得る大当り図柄やはずれ図柄としての特図の数は一例であって、適宜に変更することができる。そして、前記特図表示部50A,50Bの何れかに、大当り表示としての特図が表示されることで、当り表示に対応した大当り遊技が引き続いて遊技者に付与されるようになっている。実施例のパチンコ機10に設定された大当り遊技については後で詳細に説明する。なお、以下の説明では、第1特図表示部50Aで行われる特図変動表示を「第1特図変動表示」と称し、該第1特図変動表示の結果、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図を特図1と称する場合がある。同様に、第2特図表示部50Bで行われる特図変動表示を「第2特図変動表示」と称し、該第2特図変動表示の結果、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図を特図2と称する場合がある。
(特図保留表示部52,53について)
前記特図保留表示部52,53は、前記第1始動入賞口31および第2始動入賞口32にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)を、機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に特図始動保留情報(始動保留情報)として記憶する場合に、当該特図始動保留情報の保留数を特定可能に表示する表示部である。ここで、図2に示すように、前記特図保留表示部52,53は、前記第1始動入賞口31にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)をメイン制御RAM60cが第1特図始動保留情報として記憶した保留数を表示する第1特図保留表示部52と、第2始動入賞口32にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)をメイン制御RAM60cが第2特図始動保留情報として記憶した保留数を表示する第2特図保留表示部53とからなり、各特図保留表示部52,53の何れも複数個(実施例では2個ずつ)の発光表示部により構成されている。この第1特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第1特図保留表示部52が設けられると共に、該第2特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第2特図保留表示部53が設けられている。すなわち、前記第1および第2特図保留表示部52,53の表示内容によって、保留されている第1特図変動表示および第2特図変動表示の回数(図柄変動演出の回数)が報知される。
ここで、前記第1特図保留表示部52で表示される第1特図始動保留情報の保留数は、第1始動入賞口31へパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第1特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。同様に、前記第2特図保留表示部53で表示される第2特図始動保留情報の保留数は、第2始動入賞口32へパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第2特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。なお、第1および第2特図始動保留情報の保留数には所定の上限数(実施例では何れに対しても「4」)が設定されており、該上限数まで第1および第2特図始動保留情報の保留数を夫々加算し得るよう設定されている。なお、前記第1および第2特図保留表示部52,53の夫々は、隣接した複数(実施例では2つ)のLEDから構成されており、各始動保留記憶数が「1」〜「2」の場合には対応の特図保留表示部52,53が左から順に点灯し、各始動保留記憶数が「3」〜「4」の場合には対応の特図保留表示部52,53が左から順に点滅することで、保留情報の保留数を遊技者が把握し得るようになっている。
(普図表示部55について)
前記普図表示部55は、前記ゲートセンサ49のパチンコ球の検出(ゲート部材48のパチンコ球の通過)を契機として行われる普図当り判定(普図当り抽選)の結果を示す報知用の普通図柄(以下、普図という)を特定可能に表示する表示部である。ここで、図2に示すように、普図表示部55では、ゲートセンサ49のパチンコ球の検出(ゲート部材48のパチンコ球の通過)を契機として、複数種類の普図を変動させて1つの普図を導出する変動表示(以下普図変動表示という場合がある)が行われるようになっている。実施例では、2つのLEDの発光態様にて複数種類(実施例では3種類)の普図を表示するようになっている。具体的には、右側LEDだけが点灯する発光態様,左側LEDだけが点灯する発光態様および左右のLEDが点灯する発光態様により3種類の普図を示している。なお、以下では、右側LEDだけが点灯することにより示される普図を普図Aとし、左側LEDだけが点灯することにより示される普図を普図Bとし、左右のLEDが点灯することにより表示される普図を普図Cとする。そして、前記普図表示部55の最終的な点灯結果から普図当りまたははずれを認識できるようになっている。具体的には、普図当り判定の結果がはずれの場合に普図表示部55に普図Aが表示され、当りの場合に普図表示部55に普図Bまたは普図Cが表示されるよう構成されている。すなわち、この普図当りを認識できる普図が普図当り表示となり、はずれを認識できる普図が普図はずれ表示となる。
(普図保留表示部56について)
前記普図保留表示部56は、前記ゲート部材48をパチンコ球が通過した際に取得される球通過検出情報(普図当り判定用乱数等の各種乱数情報)を、機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に普図始動保留情報(始動保留情報)として記憶する場合に、当該普図始動保留情報の保留数を特定可能に表示する表示部である。ここで、前記普図保留表示部56は、図2に示すように、複数個(実施例では2個)の発光表示部により構成されており、該普図保留表示部56の表示内容によって保留されている普図の変動回数が報知される。前記普図保留表示部56で表示される普図始動保留記憶数は、ゲート部材48をパチンコ球が通過すると1加算され、普図変動表示が開始されることにより1減算される。なお、普図始動保留記憶数には所定の上限数(実施例では「4」)が設定されており、該上限数まで普図始動保留記憶数を加算し得るよう設定されている。具体的に、実施例の普図保留表示部56は、普図始動保留記憶数が1〜2の場合には普図保留表示部56が上から順に点灯し、普図始動保留記憶数が3〜4の場合には普図保留表示部56が上から順に点滅することで、普図変動表示が行われる保留数を把握し得るようになっている。
(ラウンド表示部57について)
前記ラウンド表示部57は、大当り判定に当選した場合に、当選した当り遊技(大当り遊技)のラウンド回数を特定可能に表示する表示部である。すなわち、実施例のパチンコ機10では、大当り判定に当選した場合に、後述するように複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定されると共に、この大当り遊技には規定のラウンド回数(規定ラウンド数)が異なる複数種類のものが設定されており、当選した大当り遊技の規定ラウンド数を報知するラウンド表示部57で表示するようになっている。このラウンド表示部57は、複数のLED(実施例では8個)から発光表示部が構成される。実施例では、大当り遊技の規定ラウンド数として、「4回」および「16回」の2種類が設定されており、規定ラウンド数毎に点灯するLEDが定められて、LEDの点灯位置に応じて当選した大当り遊技に対応した規定ラウンド数が報知されるようになっている。
(状態表示部58について)
前記状態表示部58は、パチンコ機10において遊技が行われる複数種類の遊技状態が設定されている場合に、当該遊技状態を特定可能に表示する表示部であって、複数個(実施例では3個)のLEDにより構成されている。ここで、実施例ではパチンコ機10に対しては、遊技が行われる遊技状態として後述のように確変状態および変短状態が設定されていることから、状態表示部58のLEDが異なった点灯パターンで点灯することで遊技状態としての確変状態および変短状態を特定するようになっている。ここで、実施例の状態表示部58は、前記ラウンド表示部57の上方に隣接する1個のLEDと、普図保留表示部56の上端側に直線的に隣接する2個のLEDとから構成されており、ラウンド表示部57に隣接するLEDにより確変状態であることを報知すると共に、普図保留表示部56に隣接するLEDにより変短状態であることを報知するよう構成されている。ここで、パチンコ機10は、当選した大当り図柄の種類に応じて大当り遊技の終了後の遊技状態が定まるよう設定され、大当りの当選を契機に遊技状態を変更可能になっている。また、前記状態表示部58は、特図表示部50A,50Bが大当り図柄を表す点灯パターンで点灯したと同時またはその後の大当り遊技が行われる時に、当選した大当り図柄に対応した大当り遊技の終了後の遊技状態を表示するパターンで点灯するよう設定される。また、状態表示部58は、特図表示部50A,50Bにおいて次の特図変動表示が行われるまで、点灯パターンを維持するよう設定されている。
(図柄表示装置17について)
前記図柄表示装置17は、複数の図柄(飾図)を周面に表示した複数(実施例では3つ)の図柄ドラム17a,17b,17cを左右方向に並列に配置して構成され(図9参照)、各図柄ドラム17a,17b,17cが夫々ドラム用駆動モータ29a,29b,29cによって回転駆動されるよう構成される。この図柄表示装置17は、前記枠状装飾体25の表示窓口25aに対して各図柄ドラム17a,17b,17cの回転方向に並ぶ3つの飾図を1度に臨ませ(表示させ)得るよう構成されている。そして、図柄表示装置17は、前記第1始動入賞口31または第2始動入賞口32への入賞を契機として、各図柄ドラム17a,17b,17cが回転することで表示窓口25aに臨む飾図が変動開始されて所要の図柄変動演出を行い、各図柄ドラム17a,17b,17cが回転停止することで表示窓口25aに各種図柄(飾図)の組み合わせを表示可能に構成される。なお、図柄表示装置17で行われる図柄変動演出を前側から視認可能とする表示窓口25aによって、図柄表示装置25の図柄表示領域が規定されている。
前記図柄表示装置17には、前記図柄表示領域において、各図柄ドラム17a,17b,17cの回転によって飾図が変動する図柄列26a,26b,26cが設定されている。また、図柄変動演出の結果として1つの飾図を停止表示可能な複数の有効停止位置S1〜S9が各図柄列26a,26b,26c毎に定められている。具体的には、図10に示す如く、図柄表示装置17には、図柄ドラム17a,17b,17cに対応して左右に並んだ3列の図柄列26a,26b,26cが設定されると共に、該図柄列26a,26b,26cの夫々に3箇所の有効停止位置が縦並び状に定められており、3列・3段の飾図からなる図柄変動演出が行われるようになっている。以下の説明では、左側から順に左図柄列26a、中図柄列26b、右図柄列26cと指称し、各図柄列26a,26b,26cにおける上側の有効停止位置から順に、上有効停止位置S1,S4,S7、中有効停止位置S2,S5,S8、下有効停止位置S3,S6,S9と指称する場合がある。
また、実施例のパチンコ機10では、各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置S1〜S9を1つずつ直線的に組み合わせて、図柄変動演出の結果として有効停止位置S1〜S9に確定停止表示される飾図の図柄組み合わせを導出する5つの有効ラインL1〜L5が設定されている(図10参照)。以下の説明では、各図柄列26a,26b,26cの上有効停止位置S1,S4,S7を組み合わせた左右直線状の有効ラインを上有効ラインL1と指称し、各図柄列26a,26b,26cの中有効停止位置S2,S5,S8を組み合わせた左右直線状の有効ラインを中有効ラインL2と指称し、各図柄列26a,26b,26cの下有効停止位置S3,S6,S9を組み合わせた左右直線状の有効ラインを下有効ラインL3と指称する場合がある。また、左図柄列26aの上有効停止位置S1、中図柄列26bの中有効停止位置S5および右図柄列26cの下有効停止位置S9を組み合わせた右下がり直線状の有効ラインを第1傾斜有効ラインL4と指称し、左図柄列26aの下有効停止位置S3、中図柄列26bの中有効停止位置S5および右図柄列26cの上有効停止位置S7を組み合わせた左下がり直線状の有効ラインを第2傾斜有効ラインL5と指称する場合がある。実施例では、上有効ラインL1、中有効ラインL2および下有効ラインL3が、図柄の変動方向に並ぶ有効ラインとして設定される。ここで、前記各図柄列26a,26b,26cにおける各有効停止位置S1〜S9の表示領域は、特図表示部50A,50Bに比較して大きな表示態様で飾図を表示可能に構成されて、特図に比較して飾図が遥かに大きく表示されるようになっている。すなわち、各図柄ドラム17a,17b,17cに表示される飾図が、各有効停止位置S1〜S9の表示領域に合わせて大きく形成されている。このため、遊技者は、図柄表示装置17の有効ラインL1〜L5に停止表示された図柄組み合わせから大当りまたははずれを認識できる。
実施例のパチンコ機10では、前記表示窓口25aに表われる図柄表示装置17の図柄列26a,26b,26cによる表示態様を、後述する可動手段95によって全ての有効ラインL1〜L5を露出する第1状態と、一部の有効ラインL1,L3,L4,L5を隠した第2状態とに切り替えるよう構成されている。実施例では、第2状態で中有効ラインL2のみが露出するように設定される。なお、「有効ラインを隠す」とは、有効ラインを構成する有効停止位置の全てを隠す場合に限らず、一部の有効停止位置を隠すことで有効ラインが構成できなくなる状態を含んでいる。すなわち、各図柄列26a,26b,26cの上有効停止位置S1,S4,S7を可動手段95で隠すことで、上有効停止位置S1、中有効停止位置S5、下有効停止位置S9を組み合わせた第1傾斜有効ラインL4および下有効停止位置S3、中有効停止位置S5、上有効停止位置S7を組み合わせた第2傾斜有効ラインL5での3つの飾図による図柄組み合わせは形成されなくなる。そして、第1状態および第2状態は遊技状態に応じて切り替えられるよう構成されており、実施例では非確変状態で第1状態となり、確変状態で第2状態となるよう設定される。但し、前記第1始動入賞口31または第2始動入賞口32への入賞を契機としてメイン制御CPU60aでの抽選によって特図変動パターンとして後述する特殊特図変動パターン(リーチはずれ特殊特図変動パターンまたはリーチ大当り特殊特図変動パターン)が決定された場合は、第1状態および第2状態が切り替わる場合もある。
前記図柄表示装置17には、図柄列26a,26b,26cの前側から退避する第1位置および図柄列26a,26b,26cの前側に臨む第2位置との間を進退移動する一対の可動部材95a,95bを備える可動手段95が配設される(図9参照)。一対の可動部材95a,95bは、前記枠状装飾体25の表示窓口25aを挟んで上下(図柄ドラムの回転方向)に対向し、移動手段としての可動部材用駆動モータ96(図8参照)によって相互に近接離間移動するよう構成される。可動部材用駆動モータ96は、後述する統括制御基板65に配線接続されており、該統括制御基板65からの制御信号に基づいて可動部材95a,95bを第1位置および第2位置に移動するよう構成されている。また、各可動部材95a,95bは、図柄列26a,26b,26cにおける横方向に並ぶ3つの有効停止位置を一度に覆い隠すことが可能な大きさに設定されている。そして、一対の可動部材95a,95bは、表示窓口25aにおける上下の縁部の外側の第1位置(図10参照)から相互に近接した第2位置(図23(a),図24(a)参照)では、上有効停止位置S1,S4,S7および下有効停止位置S3,S6,S9を覆い隠し、両可動部材95a,95bの間に中有効停止位置S2,S5,S8のみが表示窓口25aを介して前側から視認可能に構成される。実施例では、可動手段95と、可動部材用駆動モータ96と、統括制御基板65とから第1状態および第2状態を切り替える状態切替手段が構成される。
前記図柄表示装置17の各図柄列には、図柄変動演出の開始と共に予め定めた変動方向に沿って飾図が移動するよう変動表示されて、予め定められた停止順序で各図柄列26a,26b,26cに変動表示されている飾図が有効停止位置S1〜S9に停止表示されるようになっている。ここで、実施例では、各図柄列26a,26b,26cにおいて飾図が上から下方向へ移動する変動態様を基本として、図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容等に応じて各図柄列26a,26b,26cにおいて飾図が下から上方向となる逆方向へ移動するよう構成される。なお、以下の説明では、各図柄列26a,26b,26cにおいて飾図が上から下方向へ移動する変動態様を順変動と指称し、飾図が下から上方向へ移動する変動態様を逆変動と指称する場合もある。また、実施例では、図柄変動演出の開始時に、左図柄列26a、中図柄列26b、右図柄列26cの順で飾図が変動開始し、左図柄列26a、右図柄列26c、中図柄列26bの順で停止表示する飾図の変動タイミングを基本として、図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容等に応じて各図柄列26a,26b,26cの飾図の変動タイミングが適宜に変更されるよう構成されている。
前記図柄表示装置17では、図柄変動演出が終了する前に各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置S1〜S9に飾図が一時的に仮停止表示されて、各図柄列26a,26b,26cの飾図が確定停止表示されることで1回の図柄変動演出が終了する表示様態および飾図が仮停止表示されることなく確定停止表示されることで1回の図柄変動演出が終了する表示様態を表示し得るようになっている。すなわち、図柄変動演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示)は、1つの始動保留情報に基づいて行われる飾図(特図1および特図2)の変動開始から確定停止までを1回として実行されるようになっている。なお、「変動表示」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて、有効停止位置S1〜S9に表示される飾図が所定の配列順序(後述)で変化している状態である。そして、飾図の「確定停止」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて有効停止位置S1〜S9に飾図が所定の特図変動インターバル時間(実施例では1000ms(ミリ秒))に亘って継続して停止表示された状態である。また、飾図の「仮停止」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて有効停止位置S1〜S9に留まるよう表示された飾図が特図変動インターバル時間だけ継続して停止していない状態である。すなわち、飾図の仮停止には、有効停止位置S1〜S9において飾図がゆれ変動状態で表示されている状態や、特図変動インターバル時間より短い時間で停止表示されている状態を含んでいる。
ここで、前記第1特図表示部50Aと図柄表示装置17では、第1特図変動表示と該第1特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図1と飾図とが確定停止表示される。同様に、第2特図表示部50Bと図柄表示装置17では、第2特図変動表示と該第2特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図2と飾図とが確定停止表示される。なお、特図表示部50A,50Bは、特図変動表示が同時に行われることはなく、一方の特図表示部50A,50Bで特図変動表示が行われている場合には、メイン制御RAM60cに対応する第1または第2特図始動保留情報として保留記憶されるようになっている。
実施例の図柄表示装置17の各図柄列26a,26b,26cに変動表示される飾図は当り表示やリーチ表示等として有効な図柄組み合わせを形成可能な複数の有効図柄と、当り表示やリーチ表示等として有効な図柄組み合わせを形成不能なブランク図柄とからなり、図柄列26a,26b,26c毎に変動表示される飾図の順序を規定する図柄配列が設定されている(図11参照)。具体的には、左図柄列26aおよび中図柄列26bでは、前記有効図柄とブランク図柄とを交互に配置した図柄配列が定められるのに対し、右図柄列26cでは、有効図柄とブランク図柄とを交互に配置する部分とブランク図柄を連続して配置した部分とから図柄配列が定められている。そして、該図柄配列に定められた順序で各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置S1〜S9に有効図柄およびブランク図柄が表示されるようになっている。以下、必要に応じて飾図を有効図柄またはブランク図柄として区別する場合がある。
具体的に、左図柄列26a用の図柄配列は、図11に示すように、前記有効図柄としての3個(「3」,「5」,「7」)の数字および1個のBIG図柄と4個のブランク図柄とが交互に配置されると共に、図柄変動(順変動)に伴って左図柄列26aの上有効停止位置S1に、「3」,「BIG図柄」,「5」,「7」の順序で飾図が表れるように設定されている。また、中図柄列26b用の図柄配列は、前記有効図柄としての3個(「3」,「5」,「7」)の数字および1個のBIG図柄と4個のブランク図柄とが交互に配置されると共に、図柄変動(順変動)に伴って中図柄列26bの上有効停止位置S4に、「3」,「BIG図柄」,「5」,「7」の順序で飾図が表れるように設定されている。このように、左および中の図柄列26a,26c用の図柄配列は、8個の飾図が同じ順序で配置してある。なお、BIG図柄は、上中下の3つの有効停止位置に臨む大きさに設定されて、その中央に有効図柄として機能する「☆」の飾図が表示されている。例えば、BIG図柄が左図柄列26aの有効停止位置S1,S2,S3に臨むように停止した場合は、中有効停止位置S2に「☆」が停止表示され、上有効停止位置S1および下有効停止位置S3には、「☆」の上下の図柄部分が停止表示される。そして、「☆」の上下の図柄部分については、ブランク図柄として機能するよう設定されており、該上下の図柄部分によって他の図柄列26b,26cで停止表示された飾図との間でリーチ表示が形成されたり当り表示が形成されないようになっている。なお、図中および以下の説明において、BIG図柄における「☆」の上側の図柄部分については「☆上」で表し、「☆」の下側の図柄部分については「☆下」と表すものとする。
前記右図柄列26c用の図柄配列は、図11に示す如く、前記有効図柄としての3個(「3」,「5」,「7」)の数字および1個のBIG図柄と4個のブランク図柄とが交互に配置されると共に、図柄変動(順変動)に伴って中図柄列26aの上有効停止位置S7に、「5」,「BIG図柄」,「3」,「7」の順序で飾図が表れるように設定されている。なお、右図柄列26cでは、有効図柄の「5」と「BIG図柄」との間に、2つのブランク図柄が続いて配置されている。このように、実施例の右図柄列26c用の図柄配列は、左および中の図柄列26a,26b用の図柄配列とは有効図柄の配置順が異なると共に、ブランク図柄が一部で続くように設定されている。これにより、図11に示すように、左、中、右の図柄列26a,26b,26cにおいて、有効図柄の「7」が左右方向に整列する状態では、左および中の図柄列26a,26bで並ぶ有効図柄の「3」,「3」に並んで右図柄列26cでは有効図柄の「5」が表示されると共に、左および中の図柄列26a,26bで並ぶ有効図柄の「5」,「5」に並んで右図柄列26cでは有効図柄の「3」が表示される。また、右図柄列26cでは、左および中の図柄列26a,26bで並ぶ「BIG図柄」に対して有効停止位置の1つ分ずれて「BIG図柄」が表示される。なお、各図柄列26a,26b,26cに表示される飾図としては、これに限られるものではなく、任意の数字や文字、絵柄等のように、遊技者が各飾図を区別して識別し得る形態とされる。
前述した図柄配列で飾図が表示された図柄列26a,26b,26cでは、各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置S1〜S9に飾図が停止表示された状態では、各図柄列26a,26b,26cにおける飾図の表示態様は、2つの有効図柄としての数字と1つのブランク図柄(「☆上」および「☆下」を含む)からなる3つの飾図が一度に停止表示される表示態様か、1つの有効図柄と2つのブランク図柄(「☆上」および「☆下」を含む)からなる3つの飾図が一度に停止表示される表示態様かの何れかの表示態様となる(図14参照)。なお、上中下の有効停止位置に亘ってBIG図柄が停止表示された状態は、1つの有効図柄と2つのブランク図柄からなる3つの飾図が一度に停止表示された状態と同じである。ここで、全ての有効停止位置S1〜S9に停止表示される飾図の組み合わせは、図柄停止パターンとして予め設定されており(図15,図16,図17参照)、1つの図柄停止パターンを決定することで、全ての有効停止位置S1〜S9に停止表示される飾図が定まるようになっている。
また、以下の説明では、前記各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置S1〜S9に表示された飾図(有効図柄およびブランク図柄を含む)が各図柄列26a,26b,26cの図柄配列に従って変動方向にN個(N:自然数)だけ移動する変動態様を「飾図がNコマ移動する」と表すものとする。具体的には、左図柄列26aおよび中図柄列26bの中有効停止位置S2,S5に「5」の飾図が表示された状態を基準とした場合に、2コマ移動するよう左図柄列26aおよび中図柄列26bの飾図を順変動させると、左図柄列26aおよび中図柄列26bの中有効停止位置S2,S5に「7」が表示された状態となり、7コマ移動するよう順変動させると、左図柄列26aおよび中図柄列26bの中有効停止位置S2,S5に「☆」が表示された状態となる(図11参照)。これに対し、右図柄列26cの中有効停止位置S8に「5」の飾図が表示された状態を基準とした場合に、2コマ移動するよう右図柄列26cの飾図を順変動させると、右図柄列26cの中有効停止位置S8に「5」と「☆上」との間の2つのブランク図柄の内の「☆上」側のブランク図柄が表示された状態となり、7コマ移動するよう順変動させると、右図柄列26cの中有効停止位置S8に「3」と「7」との間のブランク図柄が表示された状態となる(図11参照)。
そして、前記図柄表示装置17における各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置S1〜S9(有効ラインL1〜L5)に確定停止表示された各図柄列26a,26b,26cの有効図柄が当りの図柄組み合わせであった場合に、当り遊技が付与されることを把握し得るようになっている。ここで、実施例では、当りの図柄組み合わせとして、各図柄列26a,26b,26cの何れかの有効ラインL1〜L5上の有効停止位置S1〜S9に同じ有効図柄が確定停止表示される図柄組み合わせ(例えば、「333」、「777」等)が設定されている。この大当りを認識できる飾図の図柄組み合わせが、当り表示となり、図柄変動演出の終了後に遊技者に有利な大当り遊技が付与される。一方で、図柄表示装置17の各有効ラインL1〜L5上の有効停止位置S1〜S9に確定停止表示された図柄の組み合わせにおいて、1つでも異なる種類の飾図(有効図柄およびブランク図柄を含む)が含まれる場合には、その図柄組み合わせ(例えば「3・5」、「7・☆」「5・5」等)から、原則的には大当り遊技が付与されない「はずれ」であることを認識でき、このはずれを認識可能な飾図の図柄組み合わせが、はずれ表示となる。なお、「・」はブランク図柄であることを示す。
また、図柄変動演出において、複数の図柄列26a,26b,26cの内で、所定の2つの図柄列(実施例では、左図柄列26aおよび右図柄列26c)の何れかの有効ラインL1〜L5上に同じ有効図柄が停止表示され、かつ残りの図柄列(実施例では、中図柄列26b)が変動表示された表示(リーチ表示)となることで、リーチ状態(リーチ)が生起されたことを遊技者が認識し得るようになっている。具体的なリーチ表示の例としては、左図柄列26aおよび右図柄列26cに有効図柄が停止表示された状態で、何れかの有効ラインL1〜L5上に同じ有効図柄が停止表示された図柄組み合わせ(「3↓3」、「5↓5」等)となる。なお、「↓」は変動中であることを表している。ここで、実施例では、左右直線状の上有効ラインL1、中有効ラインL2、下有効ラインL3、第1傾斜有効ラインL4および第2傾斜有効ラインL5の内の何れか1つの有効ラインで前記リーチ表示となるシングルリーチと、斜めに延在する2つの第1および第2傾斜有効ラインL4,L5上で同時にリーチ表示となるダブルリーチとを生起させることができる。また、リーチ表示を形成する図柄列(左図柄列26aおよび右図柄列26c)の飾図は、残りの図柄列(中図柄列26b)に飾図が停止表示(仮停止表示)されるまでの間、仮停止表示の状態とされ、その後に全ての図柄列の飾図が確定停止表示されるようになっている。
前記図柄表示装置17には、特図表示部50A,50Bでの特図変動表示の結果、表示される特図に応じた飾図の図柄組み合わせが表示される。すなわち、特図表示部50A,50Bに表示される特図と、図柄表示装置17に表示される飾図の図柄組み合わせとが夫々対応しており、図柄変動演出が終了すると、特図表示部50A,50Bに特図が確定停止されると共に、図柄表示装置17の各図柄列26a,26b,26cに飾図が確定停止表示されるようになっている。なお、特別図柄に対する飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特別図柄に対して複数の飾図による図柄組み合わせの中から1つの飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。
(確変状態について)
実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第1特典遊技状態を付与する機能を備えている。ここで、第1特典遊技状態としては、前記特別入賞口41へのパチンコ球の入賞契機が、当該第1特典遊技状態が付与されていない状態に較べて増加する状態である。具体的には、第1特典遊技状態では、特図当り確率を低確率から高確率に変動することにより特別入賞口41へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。以下の説明では、第1特典遊技状態を、便宜的に「確変状態」というものとする。
確変機能は、確定停止表示された大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた確変図柄(特定図柄)であることを条件として、大当り遊技の終了後に大当りの抽選確率(大当り確率)が低確率(実施例では、509/65536)から高確率(実施例では、510/65536)に変動させる確変状態を付与する機能である。なお、確変状態が付与されていない状態を非確変状態というものとする。実施例では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。このように、確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当り遊技が生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行うことができる。また、実施例では、確変状態が付与される大当り遊技の場合には、大当り遊技終了後、所定回数の図柄変動演出(特図変動表示)が実行されるまでの間継続して確変状態が付与される。実施例では、大当り遊技終了後、32回の図柄変動演出(特図変動表示)が実行されるまでの間継続して確変状態が付与されるよう設定してある。なお、確変状態が付与される期間としては、上記のものに限られない。例えば、確変状態が付与されてから所定条件を満たすまでの間継続して確変状態を付与し、当該所定条件を満たすことを条件に非確変状態に移行させるようにすることもでき、また次回の大当り遊技が生起されるまでの間継続して確変状態が付与されるようにすることもできる。また、図柄変動演出(特図変動表示)毎に非確変状態に移行させるかを、始動入賞手段へのパチンコ球の入賞を契機に取得する乱数に基づいて判定(転落抽選)し、転落抽選に当選することを条件に非確変状態に移行させるようにすることもできる。
(変短状態について)
また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第2特典遊技状態(第2の遊技状態)を付与する機能を備えている。ここで、第2特典遊技状態としては、前記第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞契機が、当該第2特典遊技状態が付与されていない状態(第1の遊技状態)と較べて増加する入賞率向上状態である。言い換えると、入賞率向上状態は、前記ゲートセンサ49の検出に伴って行われる普図当り判定において単位時間に普図当りと判定される割合が向上した状態である。具体的には、第2特典遊技状態では、(1)普図変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての第2始動入賞口32を開放する開閉部材34の開放時間を増やすこと、により第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。第2特典遊技状態では、上記(1)〜(3)を単独または複数を組み合わせることができる。なお、普図当り1回についての第2始動入賞口32を開放する開閉部材34の開放時間を増やすに際しては、開閉部材34の開放時間を単純に延長することで実現してもよく、また開閉部材34の開放回数を増やすことで実現することもでき、またこれらを複合させてもよい。実施例では、第2特典遊技状態を変短状態と指称するものとし、実施例の変短状態は上記(1)〜(3)を組み合わせて設定されている。また、変短状態が付与されていない状態を非変短状態というものとする。すなわち、変短状態は、第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞率が向上した入賞率向上状態である。
実施例の変短状態では、大当り遊技終了後の前記普図表示部55で行われる普図変動表示の変動時間を短縮すると共に、普図当り確率を低確率(実施例では、14563/65536)から高確率(実施例では、65535/65536)に変動させる機能である。なお、普図が確定停止表示されてから次回の普図変動が行われるまでの間(普図変動インターバル)は、500msに設定されている。
また、1回の普図当りにおいて第2始動入賞口32への入賞を許容する入賞上限個数(実施例では10個)が設定されており、前記開閉部材34,34を開放してからの入賞数が入賞上限個数に達した場合には、開閉部材34,34の開閉動作を強制的に終了して閉鎖させるようになっている。ここで、実施例では、大当りに当選した大当り図柄(特図1または特図2)の種類に応じて、変短状態が付与される期間(以下、変短回数という)が変化するよう構成されている。具体的には、大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた図柄(実施例において後述する図柄Aおよび図柄a)である場合に、所定回数(実施例では32回)の図柄変動演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示の合計回数)が実行されるまでの間、変短状態が付与されるよう設定され、大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた別の図柄(実施例において後述する図柄Bおよび図柄b)である場合に、異なった回数(実施例では16回)の図柄変動演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示の合計回数)が実行されるまでの間、変短状態が付与されるよう設定されている。ここで、変短状態の付与条件は、大当り遊技(大当り図柄)の種類毎に定められているが、これに関しては後で詳述する。
(大当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与される大当り遊技について説明する。大当り遊技は、特図変動表示の結果として第1特図表示部50Aまたは第2特図表示部50Bに大当り図柄が確定停止表示された後に開始されるよう設定されており、当選した大当り遊技(大当り図柄)の種類に応じて特別入賞装置40の開閉扉43が開閉動作される。なお実施例の大当り遊技では、特別入賞装置40の開閉扉43を開放するラウンド遊技を規定ラウンド数(実施例では4回、16回)だけ実行することで、大当り遊技が終了するようになっている。1回のラウンド遊技は、特別入賞口41に規定個数(例えば9個)のパチンコ球が入賞するか、あるいは各ラウンド遊技の開始から規定時間(ラウンド遊技時間)が経過することで終了する。なお、大当り遊技における各ラウンド遊技の間は、所定時間だけ開閉扉43が閉鎖状態で保持されるラウンド間インターバル時間が設定されている。ここで、前記大当り遊技の各ラウンド遊技における特別入賞装置40の開閉扉43の開閉態様(開閉パターン)は、パチンコ球を所定間隔(実施例では0.6秒間隔)で連続的に発射した条件において、1回の開放動作(開放してから閉鎖するまでの動作)においてラウンド遊技に定められた規定個数(例えば9個)のパチンコ球が入賞可能な時間だけ開放を継続する長時間開放動作と、該長時間開放動作よりも開閉扉43の開放時間が短く設定された短時間開放動作とを適宜に組み合わせて構成されるものである。なお、実施例では、開閉扉43が最大で25秒間開放する長時間開放動作のみを行うよう設定されている。
(大当り遊技の種類について)
実施例のパチンコ機10では、図3に示すように、大当り判定に当選した場合に、遊技者に与える価値が異なる複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与される。ここで、複数種類の大当り遊技の内で何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り判定に当選した際に決定される大当り図柄(特図1および特図2)の種類に基づいて決定されるようになっている。実施例において第1特図表示部50Aに表示可能な100種類の大当り図柄としての特図1は、図柄A、図柄Bの2つのグループに分類されており、第1特図表示部50Aに確定停止表示された大当り図柄としての特図1に応じた大当り遊技が付与されるようになっている。同様に、実施例において第2特図表示部50Bに表示可能な100種類の大当り図柄としての特図2は、図柄a、図柄bの2つのグループに分類されており、第2特図表示部50Bに確定停止表示された大当り図柄としての特図2に応じた大当り遊技が付与される。ここで、100種類の大当り図柄としての特図1は、図柄Aに50種類、図柄Bに50種類が夫々振り分けられている。また、100種類の大当り図柄としての特図2は、図柄aに50種類、図柄bに50種類が夫々振り分けられている。
(大当り図柄と大当り遊技との関係について)
前記第1特図始動保留情報(第1始動入賞口31へのパチンコ球の入賞)に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合には、前記メイン制御CPU60aは、予め定められた複数種類の大当り図柄の中から1つの大当り図柄を決定するよう設定されている。具体的に、実施例では、図3に示すように、第1始動入賞口31へパチンコ球が入賞した際に取得された特図決定用乱数に基づいて、2種類の大当り図柄(図柄A、図柄B)の中から1つの大当り図柄を決定するようになっている。実施例のパチンコ機では、第1特図始動保留情報に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合に、50%の割合で大当り図柄としての図柄Aが選択され、50%の割合で大当り図柄としての図柄Bが選択されるよう特図決定用判定値が割り当てられている。同様に、前記第2特図始動保留情報(第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞)に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合には、前記メイン制御CPU60aは、予め定められた複数種類の大当り図柄の中から1つの大当り図柄を決定するよう設定されている。具体的に、実施例では、図3に示すように、第2始動入賞口32へパチンコ球が入賞した際に取得された特図決定用乱数に基づいて、2種類の大当り図柄(図柄a、図柄b)の中から1つの大当り図柄を決定するようになっている。実施例のパチンコ機では、第2特図始動保留情報に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合に、50%の割合で大当り図柄としての図柄aが選択され、50%の割合で大当り図柄としての図柄bが選択されるよう特図決定用判定値が割り当てられている。なお、前述した大当り図柄の振分割合は一例であり、これに限られるものではない。
(第1の大当り遊技について)
前記図柄Aおよび図柄aに対応した第1の大当り遊技は、当該第1の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第1の大当り遊技の終了後に確変状態および変短状態が付与される大当り遊技として設定されている。具体的に、実施例では、図3に示すように、図柄Aまたは図柄a(第1の大当り遊技)が決定された場合に、第1の大当り遊技の終了後に所定の変動回数(実施例では32回)の図柄変動演出(第1または第2特図変動表示)が実行されるまで確変状態が継続して付与されるよう設定されている。また、図柄Aまたは図柄a(第1の大当り遊技)が決定された場合に、第1の大当り遊技の終了後に所定の変動回数(実施例では32回)の図柄変動演出(第1または第2特図変動表示)が実行されるまで変短状態が継続して付与されるよう設定されている。すなわち、第1の大当り遊技は、大当り遊技の終了後に、確変状態と変短状態とが同じ変動回数分だけ付与されるようになっている。
第1の大当り遊技は、各ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口41を開放する開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。すなわち、前記第1の大当り遊技の全てのラウンド遊技は、ラウンド遊技開始から終了まで開放する開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成されている。従って、第1の大当り遊技では、各ラウンド遊技において開閉扉43が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で所定回数(規定ラウンド数)の開閉動作を開閉扉43が繰り返すようになっている。具体的に、前記第1の大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。また第1の大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉扉43が最大で「25.0(秒)」に亘って開放動作するようになっている。なお、第1の大当り遊技におけるラウンド間インターバル時間は、「2.0(秒)」に設定されている。また、第1の大当り遊技では、オープニング演出時間として「6.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「10.0(秒)」が設定されている。
(第2の大当り遊技について)
前記図柄Bおよび図柄bに対応した第2の大当り遊技は、当該第2の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第2の大当り遊技の終了後に確変状態および変短状態が付与される大当り遊技として設定されている。具体的に、実施例では、図3に示すように、図柄Bまたは図柄b(第2の大当り遊技)が決定された場合に、第2の大当り遊技の終了後に所定の変動回数(実施例では32回)の図柄変動演出(第1または第2特図変動表示)が実行されるまで確変状態が継続して付与されるよう設定されている。また、図柄Bまたは図柄b(第2の大当り遊技)が決定された場合に、第2の大当り遊技の終了後に所定の変動回数(実施例では16回)の図柄変動演出(第1または第2特図変動表示)が実行されるまで変短状態が継続して付与されるよう設定されている。すなわち、第2の大当り遊技は、大当り遊技の終了後に、確変状態が付与される変動回数よりも少ない変動回数分だけ変短状態が付与されるようになっている。
第2の大当り遊技は、各ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口41を開放する開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。すなわち、前記第2の大当り遊技の全てのラウンド遊技は、ラウンド遊技開始から終了まで開放する開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成されている。従って、第2の大当り遊技では、各ラウンド遊技において開閉扉43が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で所定回数(規定ラウンド数)の開閉動作を開閉扉43が繰り返すようになっている。具体的に、前記第2の大当り遊技は、規定ラウンド数が「4回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。また第2の大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉扉43が最大で「25.0(秒)」に亘って開放動作するようになっている。なお、第2の大当り遊技におけるラウンド間インターバル時間は、「2.0(秒)」に設定されている。また、第2の大当り遊技では、オープニング演出時間として「6.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「10.0(秒)」が設定されている。このように、第2の大当り遊技は、第1の大当り遊技と比べて、1回の大当り遊技において遊技者に付与される特典の少ない大当り遊技として設定される。
(パチンコ機の制御構成について)
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。実施例のパチンコ機10には、図8に示す如く、パチンコ機10を全体的に制御する制御手段としてのメイン制御基板(メイン制御手段)60と、該メイン制御基板60からの制御信号に基づいて各制御対象を制御する制御手段としてのサブ制御基板(サブ制御手段)65とが設けられている。すなわち、メイン制御基板60では、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板65,72,73に出力されるようになっている。
実施例のパチンコ機10には、サブ制御基板として、遊技演出を全体的に制御する統括制御基板65と、パチンコ機10が備える各種発光演出手段(ランプ装置18等)の発光制御を行うランプ制御基板72と、パチンコ機10が備えるスピーカ19の音出力制御を行う音制御基板73とを備えている。すなわち、メイン制御基板60が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、前記統括制御基板65がランプ制御基板72および音制御基板73を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(発光演出、音声演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。実施例では、統括制御基板65が図柄表示装置17を直接制御するよう構成されており、該統括制御基板65によって図柄表示装置17に表示される図柄(飾図)の図柄変動演出の表示内容を制御するよう構成される。また、ランプ制御基板72は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える各種発光演出手段の点灯・消灯のタイミングや、発光強度等を制御するものである。そして、音制御基板73は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備える各種スピーカ19からの音声出力のタイミングや出力内容等を制御するものである。なお、図柄表示装置として液晶式の図柄表示装置を採用した場合は、サブ制御基板(サブ制御手段)として統括制御基板65で制御される表示制御基板を設け、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて表示制御基板が図柄表示装置に表示される図柄(飾図)や背景画像等の図柄変動演出の表示内容を制御するよう構成することができる。
(メイン制御基板60について)
前記メイン制御基板60は、図8に示す如く、制御処理を実行するメイン制御CPU60a、該メイン制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM60b、当該メイン制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM60c等が備えられている。そして、前記始動入賞検出センサ35,36、特別入賞検出センサ44、普通入賞検出センサ47、ゲートセンサ49等の各種センサが前記メイン制御CPU60aに接続されている。また、メイン制御CPU60aには、遊技情報表示部Mの各表示部(第1および第2特図表示部50A,50B、第1および第2特図保留表示部52,53、普図表示部55、普図保留表示部56、ラウンド表示部57、状態表示部58)が接続されて、各検出センサ35,36,44,49の検出を契機としてメイン制御CPU60aで実行された制御処理に基づいて、遊技情報表示部Mの各表示部50A,50B,52,53,55,56,57,58の表示制御が実行されるようになっている。また、メイン制御CPU60aには、前記第2始動入賞口32を開閉する開閉部材34,34に連繋する始動入賞ソレノイド33および特別入賞口41を開閉する開閉扉43に連繋する特別入賞ソレノイド42が接続されており、該メイン制御CPU60aでの制御処理結果に基づいて各ソレノイド33,42を駆動させることで、対応する開閉部材34,34や開閉扉43が開閉するようになっている。
メイン制御CPU60aは、第1始動入賞口31または第2始動入賞口32へパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ35または第2始動入賞検出センサ36がパチンコ球を検出したこと)を契機として入賞情報としての各種乱数を取得するよう設定されている。ここで、メイン制御CPU60aが始動入賞検出センサ35,36の検出を契機として取得する乱数としては、当り判定用乱数(特図当り判定用乱数)、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数(リーチ判定用乱数)、特図変動パターン振分用乱数等の各種乱数が設定されている。そして、メイン制御CPU60aがこれらの乱数値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の乱数値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えることにより、第1または第2始動入賞検出センサ35,36の検出信号がメイン制御CPU60aに入力されたタイミングに応じて乱数が取得されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
また、前記第1始動入賞口31および第2始動入賞口32にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数値)は、対応する第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報としてメイン制御RAM60cの所定の始動保留領域(記憶領域)に一時的に記憶保持されるよう構成されている。第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶する順序で記憶する始動保留領域が定まっており、各特図始動保留情報に基づいて図柄変動演出(特図変動表示)を実行する場合に、メイン制御RAM60cに記憶した順序で特図始動保留情報がメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。実施例では、第1特図始動保留情報か第2特図始動保留情報かを区別可能に個別にメイン制御RAM60cに記憶されており、第2特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されている場合には、第1特図始動保留情報よりも第2特図始動保留情報をメイン制御CPU60aが優先して読み出して図柄変動演出(特図変動表示)を実行させるよう設定されている。
具体的に、メイン制御RAM60cには、第1始動保留情報を記憶可能な第1始動保留領域と、第2始動保留情報を記憶可能な第2始動保留領域とが設けられており、第1始動入賞検出センサ35の検出を契機に取得される入賞情報(各種乱数値)が第1始動保留領域に記憶され、第2始動入賞検出センサ36の検出を契機に取得される入賞情報(各種乱数値)が第2始動保留領域に記憶されるようになっている。また、第1始動保留領域および第2始動保留領域は、第1領域〜第4領域の4つの記憶領域から構成されており、始動入賞検出センサ35,36の1回の検出を契機に取得される入賞情報(各種乱数値)が第1領域〜第4領域に順に記憶されると共に、図柄変動演出(特図変動表示)を実行する場合に、メイン制御RAM60cに記憶した順序で特図始動保留情報がメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。
特図当り判定用乱数は、図柄変動演出の結果として当り遊技(大当り遊技)を発生するか否かの当り判定(大当り判定)で用いる乱数である。実施例では、特図当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。また、特図決定用乱数は、大当り判定の結果に応じて第1特図表示部50Aに確定停止表示させる特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示させる特図2を決定する際に用いる乱数である。ここで、実施例では、特図決定用乱数として、「0」〜「100」の全101通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。特図決定用乱数の各値には、前述したはずれを示す1種類の特図に対応する乱数と、大当りの当選を示す100種類の特図に対応する乱数とが設定されており、該特図決定用乱数の値により、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図2が特定されるようになっている。すなわち、第1始動入賞検出センサ35の検出を契機として取得される特図決定用乱数の値により、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図1が特定され、第2始動入賞検出センサ36の検出を契機として取得される特図決定用乱数の値により、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図2が特定される。また、前述したように、前記大当り図柄としての特図1および特図2は、大当り遊技の種類毎に分類されており、特図1または特図2が特定されることで、図柄変動演出の終了後に付与される大当り遊技の種類が特定されるようになっている。すなわち、特図決定用乱数が当り遊技(大当り遊技)の種類を決定する乱数としての機能を有している。また、前述したように、大当り遊技の種類毎に大当り遊技後に確変状態および変短状態が付与されるか否か定められており、特図決定用乱数が確変状態および変短状態を付与するか否かを決定する乱数としての機能も有している。更に、大当り遊技の種類毎に大当り遊技後に付与される変短状態の付与期間(変短回数)が定められており、特図決定用乱数が変短状態の付与期間を決定する乱数としての機能も有している。
また、演出実行判定用乱数は、前述した当り判定(大当り判定)における判定結果が否定となった場合に(大当り遊技に当選しなかったはずれの場合に)、当り表示が表示される可能性を示唆する演出を行うか否かの演出実行判定(リーチ判定)で用いられる乱数である。実施例では、演出実行判定用乱数として、「0」〜「238」の全239通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。ここで、当り表示が表示される可能性を示唆する演出としては、図柄表示装置17に図柄変動の過程で表示されるリーチ表示を契機として行われるリーチ演出や、図柄表示装置17に表示される当り表示される可能性を示唆する予告演出や、ランプ装置18の光やスピーカ19から出力される音声により当り表示が表示される可能性を遊技者に示唆する予告演出を含むものである。
前記特図変動パターン振分用乱数は、図柄変動演出における演出内容を特定する複数の特図変動パターンから1つの特図変動パターンを決定する際に用いられる乱数である。実施例では、一次振分用乱数として、「0」〜「253」の全254通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。
実施例のパチンコ機10では、特図当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数、特図変動パターン振分用乱数は、第1始動入賞口31または第2始動入賞口32へパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ35または第2始動入賞検出センサ36がパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている各乱数を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。また、第1始動入賞口31へパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数は、第2始動入賞口32へパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数と同一のものが共通で使用され、各始動入賞口31,32への入賞タイミングに応じた乱数を前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。
(判定値について)
一方、メイン制御ROM60bには、図柄変動演出の結果、大当りを発生させることを示す大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、前記特図当り判定用乱数を用いて大当りか否かの判定(大当り判定)で用いる判定値であり、特図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、大当り判定値は、大当り判定を行う時点で前述した確変状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、確変状態のときに設定される大当り判定値の数(実施例では510個)は、非確変状態の場合に設定される大当り判定値の数(実施例では509個)よりも多く設定されている。すなわち、確変状態における大当り判定値の設定数を多くすることで、大当り遊技が発生し易くなっている。
また、メイン制御ROM60bには、特図決定用判定値が記憶されている。特図決定用判定値は、大当り判定の結果が肯定の場合に、第1特図表示部50Aに確定停止表示させる大当り図柄としての特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示させる大当り図柄としての特図2を、特図決定用乱数を用いて決定する判定値である。ここで、実施例では、特図決定用判定値には、前述した101種類の特図決定用乱数に対応した「0」〜「100」の整数値が設定されており、特図決定用判定値の夫々に個別に特図1および特図2が対応付けられている。
また、メイン制御ROM60bには、演出実行判定値(リーチ判定値)が記憶されている。演出実行判定値は、当り判定(大当り判定)の結果が否定の場合に、当り表示が図柄表示装置17に表示される可能性を示唆するリーチ演出を実行させるか否かの演出実行判定(リーチ判定)で用いる判定値であり、演出実行判定用乱数の取り得る数値「0」〜「238」までの全239通りの整数の中から定められている。すなわち、取得された演出実行判定用乱数の値が、設定された演出実行判定値と一致する場合に、リーチ演出等の演出を実行させることをメイン制御CPU60aが決定するようになっている。
ここで、演出実行判定値は、演出実行判定を行う時点の遊技状態(確変状態や変短状態か否か)に応じて判定値の設定数が異なっている。すなわち、第1始動保留情報および第2始動保留情報に基づいて行われる演出実行判定の場合では、変短状態が付与されていない非変短状態のときに設定される演出実行判定値の数よりも変短状態のときに設定される演出実行判定値の数の方が多くなるよう設定されている。また、演出実行判定値は、メイン制御RAM60cに記憶されている特図始動保留情報の記憶数に応じて、演出実行判定値の設定数が変動するよう設定されている。具体的には、メイン制御RAM60cに記憶されている特図始動保留情報の記憶数が増えるにつれて演出実行判定値の設定数が減少するよう設定されている。実施例のパチンコ機10では、第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報の記憶数を合算した合算数が増えるにつれて演出実行判定値の設定数が減少するよう設定されている。
具体的に、非確変状態かつ非変短状態(低確非変短状態)または確変状態かつ非変短状態(高確非変短状態)において、特図始動保留情報の合算数が「0」の場合に32個の演出実行判定値が設定され、合算数が「1」の場合に25個の演出実行判定値が設定され、合算数が「2」の場合に22個の演出実行判定値が設定され、合算数が「3」〜「7」の場合に20個の演出実行判定値が設定されている。同様に、確変状態かつ変短状態(高確変短状態)において、特図始動保留情報の合算数が「0」の場合に40個の演出実行判定値が設定され、合算数が「1」の場合に30個の演出実行判定値が設定され、合算数が「2」の場合に25個の演出実行判定値が設定され、合算数が「3」〜「7」の場合に20個の演出実行判定値が設定されている。すなわち、変短状態の場合には、非変短状態の場合に比べてリーチ演出が発生し易くなるよう構成されており、変短状態で行われる図柄変動演出において大当りが発生する期待感を高めるようになっている。
また、メイン制御ROM60bには、特図変動パターン振分用判定値が記憶されている。特図変動パターン振分用判定値は、前記特図変動パターン振分用乱数を用いて複数種類の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンの決定に用いる判定値であり、特図変動パターン毎に所定数の判定値が割当てられており、取得された特図変動パターン振分用乱数に対応する判定値が割り当てられた特図変動パターンがメイン制御CPU60aにより選択されるようになっている。
(特図変動パターンについて)
メイン制御ROM60bには、複数種類の特図変動パターンが記憶されている。前記特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから飾図が確定停止表示されるまでの間に実行される演出内容(図柄変動演出の表示内容、発光演出態様、音声演出態様)の基本的なベースとなる内容を特定するものである。また、特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから特図1または特図2が確定停止表示されるまでの変動時間(図柄変動演出および特図変動表示の時間)を特定している。
ここで、前記特図変動パターンとして、複数種類の大当り用の特図変動パターンと、リーチ演出が行われる複数種類のリーチはずれ用の特図変動パターンと、リーチ演出が行われないリーチなしはずれ用の特図変動パターンとが設けられている。なお、大当り用の特図変動パターンは、大当り判定の結果が肯定の場合にメイン制御CPU60aが選択可能な特図変動パターンであり、リーチはずれ用の特図変動パターンは、演出実行判定の結果が肯定の場合にメイン制御CPU60aが選択可能な特図変動パターンであり、リーチなしはずれ用の特図変動パターンは、演出実行判定の結果が否定の場合にメイン制御CPU60aが選択可能な特図変動パターンである。なお、リーチ演出は、図柄表示装置17で行われる図柄変動演出においてリーチ表示が表示されてから、大当りまたははずれとなる飾図の図柄組み合わせが停止表示されるまでの間に行われる演出である。
(統括制御基板について)
前記統括制御基板65には、統括制御CPU65aが備えられている。該統括制御CPU65aには、図8に示す如く、統括制御ROM65bおよび統括制御RAM65cが接続されている。また、統括制御CPU65aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を統括制御RAM65cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
ここで、前記統括制御ROM65bには、図柄変動演出において実行する図柄変動演出の具体的な演出内容を特定する演出パターンが記憶されている。各演出パターンは前記特図変動パターンに対応付けられており、メイン制御CPU60aにより決定された特図変動パターンに基づいて対応する演出パターンを統括制御CPU65aが決定するようになっている。すなわち、統括制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aが取得した入賞情報(乱数値)に基づいて、前記図柄表示装置17で行わせる図柄変動演出の演出内容を決定する演出内容決定手段として機能するよう構成されている。なお、前記演出パターンは、前記特図変動パターンに対して一対一の関係で対応付けられたものではなく、1つの特図変動パターンに対して複数の演出パターンが対応付けられており、特図変動パターンに対応付けられた演出パターンの中から1つの演出パターンを統括制御CPU65aが決定するようになっている。また、演出パターンには、図柄変動演出において各図柄表示列26a,26b,26cの飾図の停止タイミングが定められており、該演出パターンで定められる停止タイミングに従って各列に飾図が停止されると共に、該飾図の停止に合わせてスピーカ19から適宜の効果音が出力されたり、ランプ装置18が適宜の発光を行ったりするようになっている。なお、演出パターンの具体的構成については後述する。
前記統括制御ROM65bには、図柄表示装置17、ランプ制御基板72および音制御基板73を統括的に制御するための統括制御プログラムが記憶されている。統括制御CPU65aは、各種制御コマンドを入力すると、当該統括制御プログラムに基づき各種制御を実行する。
すなわち、可変入賞口としての第2始動入賞口32を含む始動入賞口31,32への入賞を契機として入賞情報を取得する入賞情報取得手段、入賞情報取得手段が取得した入賞情報に基づいて当り遊技を生起するか否かを判定する当り判定手段、当り判定手段の判定結果が肯定の場合に、複数種類の当り遊技の中から付与する当り遊技を決定する当り遊技決定手段としての夫々の機能を前記メイン制御CPU60aが備えている。またメイン制御CPU60aは、決定した種類の当り遊技を特図変動表示終了後(図柄変動演出終了後)に付与する当り遊技付与手段としての機能を備えている。メイン制御CPU60aは、前記入賞情報取得手段が取得した入賞情報に基づいて、図柄表示手段で行わせる図柄変動演出の変動時間を特定する変動パターンを記憶手段としてのメイン制御ROM60bが記憶する複数の変動パターンの中から決定する変動パターン決定手段としての機能を備えている。また、前記メイン制御CPU60aは、当りが発生する確率(当り判定手段による判定結果が肯定となる確率)が通常よりも高確率となる確変状態を付与するか否かを決定する第1遊技状態決定手段として機能すると共に、当り遊技終了後に確変状態を付与する第1遊技状態付与手段として機能するよう構成されている。ここで、前記メイン制御CPU60aは、当りが発生する場合(当り判定手段の判定結果が肯定の場合)にのみ、確変状態を付与するか否かを判定するようになっている。
更に、前記メイン制御CPU60aは、当りが発生する場合(当り判定手段の判定結果が肯定の場合)に、第2始動入賞口32へパチンコ球が入賞する確率が高確率となる入賞率向上状態(変短状態)を付与するか否かを決定する第2遊技状態決定手段として機能し、入賞率向上状態を付与する場合に、入賞率向上状態を付与する期間を決定する期間決定手段として機能すると共に、当り遊技終了後に決定された入賞率向上状態を付与する期間だけ変短状態を付与する第2遊技状態付与手段としても機能している。ここで、前記メイン制御CPU60aは、当り遊技の終了後から予め決められた回数の特図変動表示(図柄変動演出)が実行されるまでの間、あるいは次回の当り遊技が付与されるまでの間の何れかの期間を、入賞率向上状態の付与期間として決定するようになっている。また、メイン制御CPU60aは、入賞率向上状態の付与期間として複数種類の期間を、決定された当り遊技の種類に応じて決定するようになっている。このように、前記メイン制御CPU60aは、当り判定が肯定判定の場合に、始動入賞口31,32への入賞に基づいて当り遊技後に遊技者に有利な特典状態(確変状態、変短状態)を付与するか否かを決定する特典状態決定手段としての機能を備えている。また、前記メイン制御RAM60cは、図柄表示装置17で図柄変動演出が行われている間(すなわち第1および第2特図表示部50A,50Bで特図変動表示が行われている間)に取得された入賞情報を始動保留情報として複数記憶可能な保留記憶手段として機能する。具体的に、表示手段(図柄表示装置17や第1特図表示部50A)で変動表示が行われている間に第1始動入賞検出センサ35の検出を契機として取得される入賞情報を第1始動保留情報として記憶する第1保留記憶手段および表示手段(図柄表示装置17や第2特図表示部50B)で変動表示が行われている間に第2始動入賞検出センサ36の検出を契機として取得される入賞情報を第2始動保留情報として記憶する第2保留記憶手段として機能する。また、前記図柄表示手段を制御する統括制御CPU65aは、入賞情報取得手段が取得した入賞情報に基づいて、前記図柄表示手段で行わせる図柄変動演出の演出内容を決定する演出内容決定手段としての機能を有している。
次に、メイン制御基板60のメイン制御CPU60aが制御プログラムに基づき実行する特図入力処理および特図開始処理について具体的に説明する。
(特図入力処理について)
特図入力処理では、図4に示すように、第1始動入賞口31にパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する(ステップA11)。すなわち、ステップA11においてメイン制御CPU60aは、第1始動入賞口31に対応する第1始動入賞検出センサ35がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA11の判定結果が否定の場合には、ステップA15に移行する。ステップA11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA12)。ステップA12の判定結果が否定(すなわち第1特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、メイン制御CPU60aは、ステップA15に移行する。
ステップA12の判定結果が肯定(第1特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第1特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第1特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA13)。続いて、メイン制御RAM60cから入賞情報(特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値、特図変動パターン振分用乱数の値等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を第1入賞時始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM60cにおける第1始動保留領域の第1〜第4領域に設定する(ステップA14)。これにより、ステップA15に移行する。
また、ステップA15では、第2始動入賞口32にパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する。すなわち、ステップA15においてメイン制御CPU60aは、第2始動入賞口32に対応する第2始動入賞検出センサ36がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA15の判定結果が否定の場合には、特図入力処理を終了する。ステップA15の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA16)。ステップA16の判定結果が否定(すなわち第2特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、特図入力処理を終了する。
ステップA16の判定結果が肯定(第2特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第2特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA17)。続いて、メイン制御RAM60cから入賞情報(特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値、特図変動パターン振分用乱数の値等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を第2入賞時始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM60cの第2始動保留領域の第1〜第4領域に設定し(ステップA18)、特図入力処理を終了する。
(特図開始処理について)
次に、特図開始処理について図5に基づき説明する。メイン制御CPU60aは、特図開始処理を所定の周期(実施例では4ms)毎に実行している。特図開始処理では、メイン制御CPU60aは、特図表示部50A,50Bおよび図柄表示装置17において特図1または特図2が変動表示中であるか、または大当り遊技中であるか否かを判定する(ステップB11)。そして、ステップB11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。一方、ステップB11の判定結果が否定の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップB12)、第2特図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB13)。ステップB13の判定結果が否定の場合には(第2特図始動保留情報の保留数=0の場合には)、メイン制御CPU60aは、ステップB16の処理に移行する。またメイン制御CPU60aは、ステップB13の判定結果が肯定の場合には(第2特図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第2特図変動演出を実行することを示す値「1」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第2特図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップB14)、保留数に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている当該第2特図始動保留情報(特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および特図変動パターン振分用乱数の値等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが取得する(ステップB15)。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域から第2特図始動保留情報(乱数)を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第2特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を前記第2特図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第2特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を前記第3特図記憶領域に記憶させる。すなわち、第2特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第2特図始動保留情報の保留数に対応するように第2特図保留表示部53の表示を変更させる。
前記ステップB15の処理により第2特図始動保留情報としての各種乱数が取得されると、図6に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した特図当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定(当り判定)を行う(ステップB22)。なお、前述したように、非確変状態の時(低確率の時)に大当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち大当り確率)は、509/65536に設定され、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、510/65536に設定されている。そして、ステップB22における大当り判定の判定結果が肯定の場合には(大当りが発生する場合には)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB23)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第2特図表示部50Bに確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図2)を決定する(ステップB24)。ここで、特図決定用乱数の値は、特図2の大当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図2を決定することで大当り図柄を決定することになる。また、メイン制御CPU60aは、大当り図柄が確変状態を付与する大当り図柄の場合には、確変状態を示す確変フラグを大当り遊技の終了後に「1」に設定し、確変状態を付与しない大当り図柄の場合に確変フラグを「0」に設定する。また、大当り図柄が変短状態を付与する大当り図柄の場合には、変短状態を示す変短フラグを大当り遊技の終了後に「1」に設定し、変短状態を付与しない大当り図柄の場合に変短フラグを「0」に設定する。なお、変短フラグは、変短状態の終了条件が満たされると、変短フラグが「0」に設定される。大当り図柄(特図)が決定されると、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいて当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB25)。
一方、ステップB22の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB27)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB15の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB27の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示部50Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB28)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB29)。
また、ステップB27での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示部50Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB30)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB31)。
ここで、ステップB25,B29,B31において特図変動パターンおよび最終停止図柄(特図2)を決定したメイン制御CPU60aは、統括制御基板65に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB26)。具体的には、メイン制御CPU60aは、特図変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドを出力し、更に特図変動パターンで特定された変動時間の計測を開始する。これと同時に、メイン制御CPU60aは、第2特図変動表示を開始させるように第2特図表示部50Bを制御する。また、メイン制御CPU60aは、最終停止図柄となる特図2を指示するための特図2指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第2特図表示部50Bの表示内容を制御する。また、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。また、変短状態の終了条件を満たした場合には、変短終了コマンドを出力する。
一方、ステップB13の判定結果が否定の場合(第2特図始動保留情報の保留数=0の場合)には、第1特図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップB16)、第1特図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB17)。メイン制御CPU60aは、ステップB17の判定結果が肯定の場合には(第1特図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第1特図変動演出を実行することを示す値「0」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第1特図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップB18)、当該第1特図始動保留情報に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および特図変動パターン振分用乱数の値をメイン制御CPU60aが取得して(ステップB19)、次いで当り判定処理を実行する。すなわち、実施例のパチンコ機10では、第2始動入賞口32への入賞を契機として取得される第2特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されている場合には、第1始動入賞口31への入賞を契機として取得される第1特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されていたとしても、該第2特図始動保留情報に基づく図柄変動演出が優先的に実行されるようになっている。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域から第1特図始動保留情報(乱数)を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第1特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を前記第2特図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第1特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を前記第3特図記憶領域に記憶させる。すなわち、第1特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第1特図始動保留情報の保留数に対応するように第1特図保留表示部52の表示を変更させる。
前記ステップB19の処理により各種乱数が取得されると、図7に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した特図当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定(当り抽選)を行う(ステップB32)。なお、前述したように、非確変状態の時(低確率の時)に大当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち大当り確率)は、509/65536に設定され、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、510/65536に設定されている。そして、ステップB32における大当り判定の判定結果が肯定の場合には(大当りが発生する場合には)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB33)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第1特図表示部50Aに確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図1)を決定する(ステップB34)。ここで、特図決定用乱数の値は、特図1毎に大当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図1を決定することで大当り図柄を決定することになる。また、メイン制御CPU60aは、決定した大当り図柄に応じて該大当り図柄により特定される大当り遊技後の遊技状態を示す確変フラグおよび変短フラグを大当り遊技後に設定する。大当り図柄(特図1)が決定されると、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいて当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB35)。
一方、ステップB32の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB37)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB19の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB37の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示部50Aにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB38)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB39)。
また、ステップB37での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示部50Aにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB40)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB41)。
ここで、ステップB35,B39,B41において特図変動パターンおよび最終停止図柄(特図1)を決定したメイン制御CPU60aは、統括制御基板65に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB36)。具体的には、メイン制御CPU60aは、特図変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドを出力すると共に、特図変動パターンで特定された変動時間の計測を開始する。これと同時に、メイン制御CPU60aは、第1特図変動表示を開始させるように第1特図表示部50Aを制御する。また、メイン制御CPU60aは、最終停止図柄となる特図1を指示するための特図1指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第1特図表示部50Aの表示内容を制御する。また、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。また、変短状態の終了条件を満たした場合には、変短終了コマンドを出力する。
一方、ステップB17の判定結果が否定の場合(第1特図始動保留情報の保留数=0の場合)には、メイン制御CPU60aは、デモ演出の実行を開始させるデモンストレーション指定コマンドを既に出力したか否かを判定し(ステップB20)、判定結果が否定の場合には、デモンストレーション指定コマンドを出力して特図開始処理を終了する(ステップB21)。また、ステップB20の判定結果が肯定の場合には(デモンストレーション指定コマンドを既に出力していた場合には)、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。
(統括制御について)
次に、統括制御基板65で実行される処理について説明する。統括制御基板65の統括制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aから入力された特図変動パターン指定コマンドに基づいて、当該図柄変動演出において実行する演出パターンを決定し、決定した演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを図柄表示装置17やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。なお、統括制御CPU65aが選択可能な演出パターンは、特図変動パターン毎に分類されており、特図変動パターンに対応する演出パターンが選択される。すなわち、統括制御CPU65aは、決定された変動パターンに基づいた図柄変動演出を実行させる演出実行制御手段として機能する。
また、統括制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドが入力されると、該コマンドに対応する特図の停止図柄指定に応じて図柄表示装置17に最終停止表示させる各図柄列26a,26b,26cの飾図を決定する。すなわち、統括制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指定された図柄が大当り図柄の場合には、大当り表示となる飾図の図柄組み合わせとなるよう各図柄列26a,26b,26cの飾図が決定される。
また、メイン制御CPU60aから出力される特図1指定コマンドおよび特図2指定コマンドに基づいて、確変フラグおよび変短フラグを統括制御CPU65aが設定するようになっている。具体的には、特図1指定または特図2指定コマンドで特定される特図1または特図2が、確変状態を付与する大当り図柄に対応する場合に確変状態を示す確変フラグを「1」に設定し、確変状態を付与しない大当り図柄に対応する場合に確変フラグを「0」に設定する。また、特図1指定または特図2指定コマンドで特定される特図1または特図2が、変短状態を付与する大当り図柄に対応する場合に変短状態を示す変短フラグを「1」に設定し、変短状態を付与しない大当り図柄に対応する場合に変短フラグを「0」に設定する。
そして、前記演出パターンで特定される各図柄列26a,26b,26cの飾図の停止タイミングにおいて、各列の飾図指定コマンドを図柄表示装置17やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。具体的には、統括制御CPU65aは、特図変動パターン指定コマンドが入力されると同時にタイマ手段(図示せず)により時間の計測を開始し、左図柄列26aの飾図の停止タイミングにおいて左飾図指定コマンドを出力し、右図柄列26cの飾図の停止タイミングにおいて右飾図指定コマンドを出力し、中図柄列26bの飾図の停止タイミングにおいて中飾図指定コマンドを出力する。
また、前記統括制御CPU65aは、特図指定コマンドで指定された停止図柄が、はずれ図柄の場合、はずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、統括制御CPU65aは、リーチはずれ用の特図変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含むはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。一方、統括制御CPU65aは、はずれ用の特図変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含まないはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、統括制御CPU65aは、全図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを図柄表示装置17やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。
(特図変動パターンの詳細について)
次に、実施例のメイン制御ROM60bに記憶されているはずれ変動用および大当り変動用の特図変動パターンの詳細について説明する。前記メイン制御ROM60bには、図12に示すように、はずれ変動用の特図変動パターンとして、図柄変動演出においてリーチ演出が行われることなく(リーチ表示が表示されることなく)はずれ表示となるはずれ演出用の通常はずれ特図変動パターンP1と、図柄変動演出においてリーチ演出が行われて最終的にはずれ表示となるはずれリーチ演出用のリーチはずれ特図変動パターンP2〜P38とが設定されている。また、はずれ変動用の特図変動パターンとして、図柄変動演出において各図柄列26a,26b,26cの第2状態で用いられる中有効ラインL2を構成する有効停止位置S2,S8にリーチ表示となる飾図を仮停止させた後に、左右の図柄列26a,26cの飾図を再び変動させる演出内容を特定したリーチはずれ特殊特図変動パターンP39〜P48が設定されている。
また、前記メイン制御ROM60bには、図12に示すように、大当り変動用の特図変動パターンとして、図柄変動演出においてリーチ演出が行われて最終的に当り表示となる大当り演出用のリーチ大当り特図変動パターンP49〜P61と、図柄変動演出においてリーチ演出が行われることなく当り表示となるリーチなし大当り演出用のリーチなし大当り特図変動パターンP66とが設定されている。更に、メイン制御ROM60bには、図柄変動演出において各図柄列26a,26b,26cの第2状態で用いられる中有効ラインL2を構成する有効停止位置S2,S8にリーチ表示となる飾図を仮停止させた後に、左右の図柄列26a,26cの飾図を再び変動させる演出内容を特定したリーチ大当り特殊特図変動パターンP62〜P65が設定されている。そして、始動入賞口31,32への入賞に基づいて行われる大当り判定や演出実行判定の判定結果に基づいて、メイン制御CPU60aが何れか1つの特図変動パターンP1〜P66を決定するよう構成されている。ここで、実施例では、前記メイン制御ROM60bに対して合計で66個の特図変動パターンが記憶されており、以下の説明では必要に応じて各特図変動パターンに対してP1〜P66を付加して区別することがある。なお、特図変動パターンの設定数としては、これに限られるものではなく、パチンコ機10に設ける演出のバリエーションに応じて適宜に増減されるものであることは云うまでもない。
(通常はずれ特図変動パターンについて)
前記通常はずれ特図変動パターンP1は、始動入賞口31,32への入賞に基づいて行われる大当り判定および演出実行判定の判定結果が何れも否定の場合にメイン制御CPU60aが決定する特図変動パターンである。すなわち、通常はずれ特図変動パターンP1は、パチンコ機10において遊技が行われた際に選択頻度が最も高い特図変動パターンである。ここで、実施例のメイン制御ROM60bには、所定数(実施例では1種類)の通常はずれ特図変動パターンP1が記憶されている。
(リーチはずれ特図変動パターンおよびリーチ大当り特図変動パターンについて)
前記リーチはずれ特図変動パターンP2〜P38は、始動入賞口31,32への入賞に基づいて行われる大当り判定が否定判定となり、演出実行判定の判定結果が否定結果となる場合にメイン制御CPU60aが決定する特図変動パターンである。ここで、実施例のメイン制御ROM60bには、リーチはずれ特図変動パターンP2〜P38として複数種類(実施例では37種類)の特図変動パターンが記憶されると共に、リーチ大当り特図変動パターンP49〜P61として複数種類(実施例では13種類)の特図変動パターンが記憶されている。そして、リーチはずれ特図変動パターンP2〜P38では、図柄変動演出において何れかの有効ラインL1〜L5においてリーチ表示を形成してリーチ演出を実行した後に、最終的にはずれ表示(リーチはずれ表示)となる図柄組み合わせで飾図が確定停止表示される演出を特定している。また、前記リーチ大当り特図変動パターンP49〜P61は、始動入賞口31,32への入賞に基づいて行われる大当り判定が肯定判定の場合にメイン制御CPU60aが決定可能な特図変動パターンである。リーチ大当り特図変動パターンP49〜P61では、図柄変動演出において何れかの有効ラインL1〜L5においてリーチ表示を形成してリーチ演出を実行した後に、最終的に当り表示となる図柄組み合わせで飾図が確定停止表示される演出を特定している。このように、図柄変動演出においてリーチ演出を行って当り表示が表示される可能性を示唆した後にはずれ表示または当り表示が表示されることで、図柄変動演出に対する期待感を持たせている。なお、リーチ表示が表示される有効ラインL1〜L5をリーチラインとする。
また、前記リーチなし大当り特図変動パターンP66は、リーチ大当り特図変動パターンP49〜P61と同様に、始動入賞口31,32への入賞に基づいて行われる大当り判定が肯定判定の場合にメイン制御CPU60aが決定可能な特図変動パターンである。ここで、実施例のメイン制御ROM60bには、所定数(実施例では1種類)のリーチなし大当り特図変動パターンP66が記憶されている。リーチなし大当り特図変動パターンP66では、図柄変動演出において何れかの有効ラインL1〜L5においてもリーチ表示が形成されることなく当り表示となる図柄組み合わせで飾図が確定停止表示される演出を特定する特図変動パターンであって、リーチ表示が表示されずに当り表示となることで、遊技に対する意外性や演出のバリエーションを付与するようにしている。ここで、リーチなし大当り特図変動パターンP66で特定される具体的な演出内容としては、例えば各図柄列26a,26b,26cの飾図が当り表示となる図柄組み合わせのまま変動表示する所謂全回転演出や、前述した通常はずれ特図変動パターンで特定される各図柄列26a,26b,26cの飾図の停止タイミングで停止させた飾図が当り表示となる突然当り演出等が例示されるが、これに限られるものではない。
(リーチはずれ特殊特図変動パターンについて)
前記メイン制御ROM60bに記憶されるリーチはずれ特殊特図変動パターンP39〜P48は、始動入賞口31,32への入賞に基づいて行われる大当り判定が否定判定の場合に決定され得る特図変動パターンである。このリーチはずれ特殊特図変動パターンでは、図柄変動演出において左図柄列26aおよび右図柄列26cにおける中有効ラインL2上にリーチ表示を形成する飾図を仮停止させた後に、飾図を再び変動してはずれ表示となる飾図を確定停止させる演出内容を特定したものである。実施例では、リーチはずれ特殊特図変動パターンP39〜P48として複数種類(実施例では10種類)の特図変動パターンがメイン制御ROM60bに記憶されている。
(リーチ大当り特殊特図変動パターンについて)
前記メイン制御ROM60bに記憶されるリーチ大当り特殊特図変動パターンP62〜P65は、始動入賞口31,32への入賞に基づいて行われる大当り判定が肯定判定の場合に決定され得る特図変動パターンである。このリーチ大当り特殊特図変動パターンP62〜P65では、図柄変動演出において左図柄列26aおよび右図柄列26cにおける中有効ラインL2上にリーチ表示を形成する飾図を仮停止させた後に、飾図を再び変動して第1傾斜有効ラインL4および第2傾斜有効ラインL5でダブルリーチとなる飾図を停止表示させる演出内容を特定したものである。実施例では、リーチ大当り特殊特図変動パターンP62〜P65として複数種類(実施例では4種類)の特図変動パターンがメイン制御ROM60bに記憶されている。
(演出パターンについて)
前記統括制御ROM65bには、特図変動パターンP1〜P66で特定される演出の具体的内容を規定する演出パターンおよび該特図変動パターンP1〜P66に基づいて決定可能な第1〜第9有効停止位置S1〜S9に確定停止する飾図の図柄停止パターンが記憶されている。そして、統括制御基板65の統括制御CPU65aは、メイン制御CPU60aから入力された特図変動パターン指定コマンドに基づいて、当該図柄変動演出において実行する演出パターンを決定し、決定した演出パターンに基づいて図柄表示装置17を制御する。また、統括制御CPU65aは、特図変動パターン指定コマンドに基づいて、図柄表示装置17に最終的に確定停止表示させる各図柄列26a,26b,26cの飾図(停止図柄)の図柄停止パターンを決定する。すなわち、統括制御CPU65aは、図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容を決定する演出内容決定手段としての機能を有する。ここで、統括制御CPU65aが選択可能な演出パターンおよび図柄停止パターンは、特図変動パターン毎に分類されており、統括制御基板65に入力される特図変動パターン指定コマンドで指定された特図変動パターンに対応する演出パターンおよび図柄停止パターンが選択される。
ここで、前記演出パターンは、前記図柄表示装置17で実行させる図柄変動演出であるリーチ演出や再変動演出等の具体的内容を特定するものである。また、該演出パターンは、前記可動手段95、ランプ装置18およびスピーカ19で実行される演出(動作)を特定する情報も含んでいる。すなわち、可動手段95の可動部材95a,95bを近接離間する動作、ランプ装置18における発光体の点灯,消灯(点滅)による演出およびスピーカ19から出力する特定効果音による演出等が演出パターンによって特定されるものであって、該演出パターンに基づいて統括制御CPU65aが可動手段95、ランプ装置18およびスピーカ19を制御するよう構成されている。演出パターンは、特図変動パターンに対応して演出内容が異なる複数種類が設定されるものであって、例えば、リーチ用の特図変動パターンに対応する演出パターンでは、該演出パターンに基づいてランプ装置18やスピーカ19においてもリーチ演出が実行される。
前記統括制御ROM65bに記憶される演出パターンとして、図13に示す如く、前記通常はずれ特図変動パターンP1で特定される図柄変動演出の具体的内容を規定する通常はずれ演出パターン、前記リーチはずれ特図変動パターンP2〜P38で特定される図柄変動演出の具体的内容を規定するリーチはずれ演出パターン、前記リーチはずれ特殊特図変動パターンP39〜P48で特定される図柄変動演出の具体的内容を規定するリーチはずれ特殊演出パターン、前記リーチ大当り特図変動パターンP49〜P61が特定する図柄変動演出の具体的内容を規定するリーチ大当り演出パターン、前記リーチ大当り特殊特図変動パターンP62〜P65で特定される図柄変動演出演出の具体的内容を規定するリーチ大当り特殊演出パターンおよび前記リーチなし大当り特図変動パターンP66で特定される図柄変動演出の具体的内容を規定するリーチなし大当り演出パターンが設定される。また、通常はずれ演出パターン、リーチはずれ演出パターン、リーチはずれ特殊演出パターン、リーチ大当り演出パターン、リーチ大当り特殊演出パターンおよびリーチなし大当り演出パターンは夫々複数種類が設定される。そして、統括制御CPU65aは、通常はずれ特図変動パターンP1、リーチはずれ特図変動パターンP2〜P38、リーチはずれ特殊特図変動パターンP39〜P48、リーチ大当り特図変動パターンP49〜P61、リーチ大当り特殊特図変動パターンP62〜P65およびリーチなし大当り特図変動パターンP66の何れかを指定する特図変動パターン指定コマンドが入力されると、演出パターンとして対応する通常はずれ演出パターン、リーチはずれ演出パターン、リーチはずれ特殊演出パターン、リーチ大当り演出パターン、リーチ大当り特殊演出パターンおよびリーチなし大当り演出パターンを決定し、決定した演出パターンに基づいて図柄表示装置17を制御する。
前記通常はずれ演出パターンは、図柄変動演出の途中でリーチ演出を行うことなく最終的にはずれとなる飾図(有効図柄およびブランク図柄を含む)の図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出を特定するものであり、リーチはずれ演出パターンおよびリーチはずれ特殊演出パターンは、図柄変動演出の途中でリーチ演出を実行し、最終的にはずれとなる飾図(有効図柄およびブランク図柄を含む)の図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出を特定するものである。また、前記リーチ大当り演出パターンおよびリーチ大当り特殊演出パターンは、図柄変動演出の途中でリーチ演出を実行し、最終的に大当りとなる有効図柄の図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開されるリーチあり大当り演出を特定するものであり、リーチなし大当り演出パターンは、図柄変動演出の途中でリーチ演出を実行することなく、最終的に大当りとなる有効図柄の図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開されるリーチなし大当り演出を特定するものである。
前記リーチはずれ演出パターンおよびリーチ大当り演出パターンには、前記第2状態で用いられる中有効ラインL2でリーチ表示を形成する演出内容を特定した特定リーチはずれ演出パターンおよび特定リーチ大当り演出パターンが夫々複数種類含まれている。そして、前記統括制御CPU65aは、リーチはずれ特図変動パターンP2〜P38を指定する特図変動パターン指定コマンドが入力された場合は、第1状態においては特定リーチはずれ演出パターンを含む全てのリーチはずれ演出パターンの中から1つのリーチはずれ演出パターンを決定するのに対し、第2状態では特定リーチはずれ演出パターンの中から1つの特定リーチはずれ演出パターンを決定するよう設定されている。また、統括制御CPU65aは、リーチ大当り特図変動パターンP49〜P61を指定する特図変動パターン指定コマンドが入力された場合は、第1状態においては特定リーチ大当り演出パターンを含む全てのリーチ大当り演出パターンの中から1つのリーチはずれ演出パターンを決定するのに対し、第2状態では特定リーチ大当り演出パターンの中から1つの特定リーチはずれ演出パターンを決定するよう設定されている。
ここで、前記統括制御ROM65bに記憶されるリーチはずれ演出パターンおよびリーチはずれ特殊演出パターンは、始動入賞口31,32への入賞に基づいて行われる大当り判定が否定結果で演出実行判定が否定結果となる場合に統括制御CPU65aが決定するリーチ用の演出パターンであり、リーチ大当り演出パターンおよびリーチ大当り特殊演出パターンは、始動入賞口31,32への入賞に基づいて行われる大当り判定が肯定結果となる場合に統括制御CPU65aが決定するリーチ用の演出パターンである。そして、これらリーチ用の演出パターンは、図柄変動演出の途中においてリーチ表示を形成する飾図(図柄)の組み合わせを特定するものであるので、これらリーチ用の演出パターンがリーチ表示パターンである。また、統括制御ROM65bに記憶される通常はずれ演出パターンおよびリーチなし大当り演出パターンは、図柄変動演出の途中においてリーチ表示を形成しない非リーチ表示パターンである。そして、これらリーチはずれ演出パターン、リーチはずれ特殊演出パターン、リーチ大当り演出パターン、リーチ大当り特殊演出パターン、通常はずれ演出パターンおよびリーチなし大当り演出パターンが、全ての有効ラインL1〜L5での図柄組み合わせを特定する図柄表示パターンとなる。すなわち、統括制御ROM65bは、図柄変動演出における図柄表示パターンを記憶する図柄表示パターン記憶手段として機能し、統括制御CPU65aが、統括制御ROM65bに記憶されているリーチ表示パターンの中から1つのリーチ表示パターンを決定するリーチ表示パターン決定手段としての機能を有する。
前記各演出パターンには、各図柄列26a,26b,26cの飾図の停止タイミング(仮停止や確定停止のタイミング)が設定されると共に、各種演出の実行タイミングが設定されている。そして、前記演出パターンで特定される各図柄列26a,26b,26cの飾図の停止タイミングにおいて、各列の飾図停止制御信号を図柄表示装置17(ドラム用駆動モータ29a,29b,29c)に出力する。具体的には、統括制御CPU65aは、左図柄列26aでの飾図の停止タイミング(左図柄ドラム17aの停止タイミング)において左飾図停止制御信号を出力し、右図柄列26cでの飾図の停止タイミング(右図柄ドラム17bの停止タイミング)において右飾図停止制御信号を出力し、中図柄列26bでの飾図の停止タイミング(中図柄ドラム17cの停止タイミング)において中飾図停止制御信号を出力する。また、演出パターンにおいて前記可動手段95の動作タイミングが設定されている場合は、該動作タイミングに合わせて統括制御CPU65aは動作制御信号を前記可動手段95(可動部材用駆動モータ96)に出力し、該可動手段95は入力された動作制御信号に基づいて可動部材95a,95bを第1位置または第2位置に移動するよう設定される。すなわち、統括制御CPU65aは、可動手段95(可動部材95a,95b)を第1位置および第2位置に移動させるように可動部材用駆動モータ(移動手段)96を制御する移動制御手段として機能する。
前記統括制御CPU65aは、メイン制御CPU60aが出力する特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指示された大当り図柄の種類と、変短状態の作動/非作動(終了)に係る各指定コマンドと、演出モードフラグの設定値をもとに、演出モードの種類を決定し、当該決定した演出モードを示す値に演出モードフラグを更新する。演出モードフラグは、現在滞在している演出モードを識別可能な情報で構成されており、統括制御RAM65cに設定される。統括制御CPU65aは、演出モードフラグを更新すると、演出モードに応じた制御信号を図柄表示装置17、可動手段95、ランプ制御基板72および音制御基板73等に出力する。
前記リーチはずれ特殊演出パターンおよびリーチ大当り特殊演出パターンでは、前記図柄表示装置17での図柄変動演出中において、前記可動手段95によって第1状態および第2状態を切り替える演出を行うことが特定されている。すなわち、リーチはずれ特殊演出パターンおよびリーチ大当り特殊演出パターンでは、可動手段95の可動部材95a,95bを第2位置に移動して上有効停止位置S1,S4,S7(上有効ラインL1)および下有効停止位置S3,S6,S9(下有効ラインL3)を隠す第2状態において、図柄変動演出を行い、左図柄列26aおよび右図柄列26cにおける中有効ラインL2上にリーチ表示を形成する飾図を仮停止させた後に、可動部材95a,95bを第1位置に移動して全ての有効停止位置S1〜S9(全ての有効ラインL1〜L5)を露出する第1状態とする動作が特定されている。そして、可動部材95a,95bが第1位置に移動した後に、図柄表示装置17では、左図柄列26aおよび右図柄列26cの飾図を再び1コマ分だけ変動して、可動部材95a,95bの移動により露出することとなった上有効停止位置S1またはS7および下有効停止位置S3またはS9にリーチ表示を形成していた飾図を停止することでダブルリーチを形成するよう構成される。具体的には、例えば図23(a)に示すように、可動部材95a,95bによって上有効停止位置S1,S4,S7および下有効停止位置S3,S6,S9を隠す第2状態において、左図柄列26aおよび右図柄列26cにおける中有効ラインL2上にリーチ表示を形成する「7」の飾図が仮停止された後、可動部材95a,95bが移動して上有効停止位置S1,S4,S7および下有効停止位置S3,S6,S9を露出した状態で、図23(b)に示す如く、左図柄列26aの飾図が逆変動することで、該左図柄列26aでは上有効停止位置S1に「7」の飾図が停止すると共に、下有効停止位置S3に「3」の飾図が停止するのに対し、右図柄列26cの飾図が順変動することで、該右図柄列26cでは上有効停止位置S7に「3」の飾図が停止すると共に、下有効停止位置S9に「7」の飾図が停止して、第1傾斜有効ラインL4および第2傾斜有効ラインL5においてリーチ表示が形成される。すなわち、リーチはずれ特殊演出パターンおよびリーチ大当り特殊演出パターンで特定される演出内容が、第2状態で用いられる有効ラインでリーチを形成するように図柄を仮停止した後に、該リーチを形成している図柄を移動して第1状態で用いられる有効ラインでリーチの図柄組み合わせとなるように変化させる特殊演出内容である。そして、このように可動手段95の動作と飾図の再変動との組み合わせでダブルリーチが形成される特殊演出パターンを設定することで、最終的に当り表示となる飾図の図柄組み合わせとなる(すなわち大当りとなる)期待感を高めることができる。
なお、以下の説明では、中図柄列26bの飾図の変動中においてリーチ表示となる飾図を左図柄列26aおよび右図柄列26cの中有効ラインL2上(中有効図柄停止位置S2,S5)に仮停止させた後に、当該左図柄列26aおよび右図柄列26cを再び変動させてリーチ表示となる飾図を左図柄列26aおよび右図柄列26cの第1傾斜有効ラインL4上(有効停止位置S1,S9)および第2傾斜有効ラインL5上(有効停止位置S3,S7)に停止させる演出を、再変動演出と指称する場合がある。また、仮停止してリーチ表示を形成する飾図を仮リーチ飾図と指称する場合がある。
(図柄停止パターンについて)
前記統括制御ROM65bに記憶される図柄停止パターンとして、図13に示す如く、前記通常はずれ特図変動パターンP1に基づいて決定可能な通常はずれ図柄停止パターン、前記リーチはずれ特図変動パターンP2〜P38に基づいて決定可能なリーチはずれ図柄停止パターン、前記リーチはずれ特殊特図変動パターンP39〜P48に基づいて決定可能なリーチはずれ特殊図柄停止パターン、前記リーチ大当り特図変動パターンP49〜P61およびリーチなし大当り特図変動パターンP66に基づいて決定可能な大当り図柄停止パターン、前記リーチ大当り特殊特図変動パターンP62〜P65に基づいて決定可能なリーチ大当り特殊図柄停止パターンが設定される。また、通常はずれ図柄停止パターン、リーチはずれ図柄停止パターン、リーチはずれ図柄停止パターン、大当り図柄停止パターンおよびリーチ大当り図柄停止パターンは夫々複数種類が設定される。そして、統括制御CPU65aは、通常はずれ特図変動パターンP1、リーチはずれ特図変動パターンP2〜P38、リーチはずれ特殊特図変動パターンP39〜P48およびリーチ大当り特殊特図変動パターンP62〜P65の何れかを指定する特図変動パターン指定コマンドが入力されると、図柄停止パターンとして対応する通常はずれ図柄停止パターン、リーチはずれ図柄停止パターン、リーチはずれ特殊図柄停止パターンおよびリーチ大当り特殊図柄停止パターンを決定し、決定した図柄停止パターンに基づいて図柄表示装置17を制御する。また、統括制御CPU65aは、リーチ大当り特図変動パターンP49〜P61およびリーチなし大当り特図変動パターンP66の何れかを指定する特図変動パターン指定コマンドが入力されると、図柄停止パターンとして複数種類の大当り図柄停止パターンの中から1つの大当り図柄停止パターンを決定し、決定した大当り図柄停止パターンに基づいて図柄表示装置17を制御する。なお、実施例では、リーチ大当り特図変動パターンP49〜P61およびリーチなし大当り特図変動パターンP66に基づく図柄停止パターンの決定は、共通の大当り図柄停止パターンの中から1つを決定するようにしているが、図柄停止パターンとしてリーチ大当り特図変動パターンP49〜P61に対応するリーチ大当り図柄停止パターンおよびリーチなし大当り特図変動パターンP66に対応するリーチなし大当り図柄停止パターンを夫々複数種類設定して、対応する図柄停止パターンの中から決定するようにしてもよい。
すなわち、統括制御CPU65aは、特図変動パターン指定コマンドにより大当りリーチ演出用の特図変動パターンが指定されている場合には、当り表示となる有効図柄の図柄組み合わせとなる図柄停止パターンを決定する。また、統括制御CPU65aは、特図変動パターン指定コマンドによりはずれ演出用の特図変動パターンが指定されている場合には、はずれを認識可能な図柄組み合わせとなる図柄停止パターンを決定する。更に、統括制御CPU65aは、特図変動パターン指定コマンドによりリーチはずれ演出用の特図変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含むはずれを認識可能な図柄組み合わせとなる図柄停止パターンを決定する。
前記統括制御ROM65bには、前記図柄表示装置17の各図柄列26a,26b,26cにおいて第1〜第9有効停止位置S1〜S9に停止する飾図の図柄列停止パターンが記憶されている。左図柄列26aにおいて、第1〜第3有効停止位置S1,S2,S3に停止する飾図を特定する左図柄列停止パターンは、図14(a)に示す如く、左図柄列停止パターン番号のLP0〜LP9で示す10種類である。また、中図柄列26bにおいて、第4〜第6有効停止位置S4,S5,S6に停止する飾図を特定する中図柄列停止パターンは、図14(b)に示す如く、中図柄列停止パターン番号のCP0〜CP9で示す10種類であり、左図柄列停止パターンと同じである。また、右図柄列26cにおいて、第7〜第9有効停止位置S7,S8,S9に停止する飾図を特定する右図柄列停止パターンは、図14(c)に示す如く、右図柄列停止パターン番号のRP0〜RP9で示す10種類である。右図柄列26cは、前述したように図柄配列が左図柄列26aおよび中図柄列26bとは異なることから、右図柄列停止パターンは、左図柄列停止パターンおよび中図柄列停止パターンと異なっている。そして、実施例では、前記各図柄停止パターンは、前記左図柄列26a、中図柄列26b、右図柄列26cの夫々の図柄列停止パターン番号の組み合わせで特定される(図15,図16,図17参照)。
前記統括制御ROM65bに記憶されている図柄停止パターンを具体的に説明する。統括制御ROM65bには、図15,図16,図17に示すように、通常はずれ図柄停止パターンとして、ZP1〜ZP200までの200種類が設定され、リーチはずれ図柄停止パターンとしてZP201〜ZP238までの38種類が設定され、大当り図柄停止パターンとして、ZP239〜ZP257までの13種類が設定されている。通常はずれ図柄停止パターンZP1〜ZP200は、図柄変動演出において全ての有効停止位置S1〜S9に飾図が最終的に確定停止表示されたときの飾図の組み合わせが、全ての有効ラインL1〜L5でリーチ表示が形成されないパターンである。これに対し、リーチはずれ図柄停止パターンおよび大当り図柄停止パターンは、図柄変動演出において全ての有効停止位置S1〜S9に飾図が最終的に確定停止表示されたときの飾図の組み合わせが、有効ラインL1〜L5の何れかでリーチ表示が形成可能なパターンである。すなわち、リーチはずれ図柄停止パターンおよび大当り図柄停止パターンは、中図柄列26bの飾図が停止する前の左図柄列26aおよび右図柄列26cで飾図が仮停止した際に、有効ラインL1〜L5の何れかでリーチ表示が形成されるパターンである。
実施例では、リーチはずれ図柄停止パターンに、前記リーチはずれ特殊図柄停止パターンが含まれており、ZP207,ZP215,ZP216,ZP225,ZP226,ZP235,ZP236,ZP237,ZP238の9種類がリーチはずれ特殊図柄停止パターンとして設定されている。また、大当り図柄停止パターンに、前記リーチ大当り特殊図柄停止パターンが含まれており、ZP244,ZP245,ZP246,ZP247の4種類がリーチ大当り特殊図柄停止パターンとして設定されている。リーチはずれ特殊図柄停止パターンおよびリーチ大当り特殊図柄停止パターンは、図柄変動演出において全ての有効停止位置S1〜S9に飾図が最終的に確定停止表示されたときの飾図の組み合わせが、第4有効ラインL4および第5有効ラインL5が同時にリーチ表示が形成可能なパターンである。すなわち、リーチはずれ特殊図柄停止パターンおよびリーチ大当り特殊図柄停止パターンは、中図柄列26bの飾図が停止する前の左図柄列26aおよび右図柄列26cで飾図が仮停止した際に、第4有効ラインL4および第5有効ラインL5でリーチ表示(ダブルリーチ)が形成されるパターンである。なお、図柄停止パターンの設定数としては、これに限られるものではなく、パチンコ機10に設ける演出のバリエーションに応じて適宜に増減されるものであることは云うまでもない。
(統括制御CPUにおける図柄停止パターンの決定について)
次に、統括制御CPU65aにおける図柄停止パターンの決定について、以下に詳細に説明する。
前記統括制御ROM65bには、図18に示すように、通常はずれ特図変動パターンP1に基づいて図柄停止パターンを決定する通常はずれ図柄停止パターン振分テーブルが記憶されている。通常はずれ図柄停止パターン振分テーブルは、前記第1状態(非確変状態)および第2状態(確変状態)で図柄停止パターンを決定するのに用いられる振分テーブルであって、前記通常はずれ図柄停止パターンの全て(ZP1〜ZP200までの200種類)が設定されている。また、統括制御ROM65bには、図19(a),(b)に示すように、リーチはずれ特図変動パターンP2〜P38に基づいて図柄停止パターンを決定する2つのリーチはずれ図柄停止パターン振分テーブルが記憶されている。第1のリーチはずれ図柄停止パターン振分テーブルは、第1状態において図柄停止パターンを決定するのに用いられる振分テーブルであって、前記リーチはずれ図柄停止パターンの全て(ZP201〜ZP238までの38種類)が設定されている。これに対し、第2のリーチはずれ図柄停止パターン振分テーブルは、第2状態において図柄停止パターンを決定するのに用いられる振分テーブルであって、前記リーチはずれ図柄停止パターンの中で、中有効ラインL2(第2状態で用いられる有効ライン)においてリーチ表示を形成することが可能な図柄停止パターンのみが設定されている。具体的には、リーチはずれ図柄停止パターンの中のZP201,ZP204,ZP209,ZP212,ZP217,ZP219,ZP222,ZP227,ZP229,ZP232の10種類が設定されている。
また、統括制御ROM65bには、図20(a),(b)に示すように、リーチ大当り特図変動パターンP49〜P61に基づいて図柄停止パターンを決定する2つの大当り図柄停止パターン振分テーブルが記憶されている。第1の大当り図柄停止パターン振分テーブルは、第1状態において図柄停止パターンを決定するのに用いられる振分テーブルであって、前記大当り図柄停止パターンの全て(ZP239〜ZP251までの13種類)が設定されている。これに対し、第2の大当り図柄停止パターン振分テーブルは、第2状態において図柄停止パターンを決定するのに用いられる振分テーブルであって、前記大当り図柄停止パターンの中で、中有効ラインL2(第2状態で用いられる有効ライン)においてリーチ表示を形成することが可能な図柄停止パターンのみが設定されている。具体的には、大当り図柄停止パターンの中のZP248,ZP249,ZP250,ZP251の4種類が設定されている。
更に、統括制御ROM65bには、図21(a)に示すように、リーチはずれ特殊特図変動パターンP39〜P48に基づいて図柄停止パターンを決定するリーチはずれ特殊図柄停止パターン振分テーブルが記憶されている。このリーチはずれ特殊図柄停止パターン振分テーブルには、前記リーチはずれ図柄停止パターンの中で、第1傾斜有効ラインL4および第2傾斜有効ラインL5(第2状態から第1状態に切り替わることでリーチラインを形成することが可能となった有効ライン)でダブルリーチを形成することが可能なリーチはずれ特殊図柄停止パターンのみが設定されている。すなわち、リーチはずれ特殊図柄停止パターンZP207,ZP215,ZP216,ZP225,ZP226,ZP235,ZP236,ZP237,ZP238の9種類がリーチはずれ特殊図柄停止パターン振分テーブルに設定されている。また、統括制御ROM65bには、図21(b)に示すように、リーチ大当り特殊特図変動パターンP62〜P65に基づいて図柄停止パターンを決定するリーチ大当り特殊図柄停止パターン振分テーブルが記憶されている。このリーチ大当り特殊図柄停止パターン振分テーブルには、前記リーチ大当り図柄停止パターンの中で、第1傾斜有効ラインL4および第2傾斜有効ラインL5(第2状態から第1状態に切り替わることでリーチラインを形成することが可能となった有効ライン)でダブルリーチを形成することが可能なリーチ大当り特殊図柄停止パターンのみが設定されている。すなわち、リーチ大当り特殊図柄停止パターンZP244,ZP245,ZP246,ZP247の4種類がリーチ大当り特殊図柄停止パターン振分テーブルに設定されている。なお、リーチはずれ特殊図柄停止パターン振分テーブルおよびリーチ大当り特殊図柄停止パターン振分テーブルは、第1状態において図柄停止パターンを決定するのに用いられる。
前記各図柄停止パターン振分テーブルでは、各図柄停止パターン毎に判定値が所定数ずつ割当てられている。そして、特図変動パターン指定コマンドが入力された際に統括制御CPU65aが図柄停止パターン決定用の乱数を取得し、特図変動パターン指定コマンドにより指定された特図変動パターンに基づいて、当該乱数に対応する判定値が割当てられた図柄停止パターンを決定するよう構成される。前記図柄停止パターン決定用の乱数は所定の周期(実施例では4ms)で更新されると共に更新後の値を統括制御RAM65cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えるよう構成される。なお、取得した乱数と対応する判定値が割当てられた図柄停止パターンを決定することを「乱数抽選により決定する」という場合がある。
(統括制御CPUにおける図柄仮停止パターンの決定について)
前記統括制御ROM65bには、統括制御CPU65aがリーチはずれ特殊特図変動パターンP39〜P48に基づいて決定したリーチはずれ特殊図柄停止パターンおよびリーチ大当り特殊特図変動パターンP62〜P65に基づいて決定したリーチ大当り特殊停止パターンに基づいて、第2位置に位置する前記可動部材95a,95bが第1位置に移動する前に左図柄列26aおよび右図柄列26cの飾図を仮停止する図柄仮停止パターンを決定する図柄仮停止パターン振分テーブルが記憶されている(図22参照)。実施例では、リーチはずれ特殊図柄停止パターンZP207,ZP215,ZP216,ZP225,ZP226,ZP235,ZP236,ZP237,ZP238の夫々に対して2種類の図柄仮停止パターンが設定される。この図柄仮停止パターンは、左図柄列停止パターン番号および右図柄列停止パターン番号で特定されている。実施例では左図柄列停止パターン番号LP0と右図柄列停止パターン番号RP0の第1図柄仮停止パターン、左図柄列停止パターン番号LP2と右図柄列停止パターン番号RP8の第2図柄仮停止パターン、左図柄列停止パターン番号LP8と右図柄列停止パターン番号RP2の第3図柄仮停止パターンの3種類が設定されており、この中の2種類が各リーチはずれ特殊図柄停止パターンに対応して設定されている。具体的には、リーチはずれ特殊図柄停止パターンZP207,ZP215,ZP225,ZP235,ZP237の夫々に第1図柄仮停止パターンおよび第2図柄仮停止パターンが対応して設定され、リーチはずれ特殊図柄停止パターンZP216,ZP226,ZP236,ZP238の夫々に第1図柄仮停止パターンおよび第3図柄仮停止パターンが対応して設定されている。各図柄仮停止パターンにおける具体的な飾図の停止組み合わせは、第1図柄仮停止パターンでは左図柄列26aが「・7・」で右図柄列26cが「・7・」となり、第2図柄仮停止パターンでは左図柄列26aが「・5・」で右図柄列26cが「・5・」となり、第3図柄仮停止パターンでは左図柄列26aが「・3・」で右図柄列26cが「・3・」となる。なお、「 」内に示す飾図の順番は、左図柄列26aでは「第1有効停止位置S1・第2有効停止位置S2・第3有効停止位置S3」の順であり、右図柄列26cでは「第7有効停止位置S7・第8有効停止位置S8・第9有効停止位置S9」の順である。
また、前記図柄仮停止パターン振分テーブルでは、前記リーチ大当り特殊図柄停止パターンZP244,ZP245,ZP246,ZP247の夫々に対しても2種類の図柄仮停止パターンが設定される。具体的には、リーチ大当り特殊図柄停止パターンZP244,ZP247の夫々に第1図柄仮停止パターンおよび第2図柄仮停止パターンが対応して設定され、リーチ大当り特殊図柄停止パターンZP245,ZP246の夫々に第1図柄仮停止パターンおよび第3図柄仮停止パターンが対応して設定されている。なお、図柄仮停止パターン振分テーブルでは、各図柄仮停止パターン毎に判定値が所定数ずつ割当てられており、統括制御CPU65aは予め取得した図柄仮停止パターン決定用の乱数に対応する判定値が割当てられた図柄仮停止パターンを決定するよう構成される。
すなわち、統括制御CPU65aは、リーチはずれ特殊特図変動パターンP39〜P48およびリーチ大当り特殊特図変動パターンP62〜P65を指定する特図変動パターン指定コマンドが入力されると、該特図変動パターン指定コマンドにより指定された特図変動パターンP39〜P48,P62〜P65に基づいて特殊演出パターンおよび特殊図柄停止パターンを乱数抽選により決定すると共に、決定された特殊図柄停止パターンに基づいて、左図柄列26aおよび右図柄列26cの組み合わせからなる図柄仮停止パターンを乱数抽選により決定するように構成される。
〔実施例の作用〕
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
〔非確変状態の場合について〕
(通常はずれ特図変動パターンが決定された場合)
非確変状態では、前記可動手段95の可動部材95a,95bは第1位置に保持されて、前記図柄表示装置17の全ての有効ラインL1〜L9が露出した状態となっている(図10参照)。この状態で、前記始動入賞口31,32への入賞を契機とした乱数抽選によって通常はずれ特図変動パターンP1が決定され、該通常はずれ特図変動パターンを指定する特図変動パターン指定コマンドが統括制御CPU65aに入力されると、該統括制御CPU65aは複数種類の通常はずれ演出パターンの中から1つの通常はずれ演出パターンを乱数抽選により決定する。また、特図変動パターン指定コマンドで指定されるはずれ特図変動パターンP1に基づいて統括制御CPU65aは、通常はずれ図柄停止パターン振分テーブル(図18)を用いて複数種類の通常はずれ図柄停止パターンZP1〜ZP200の中から1つの通常はずれ図柄停止パターンを乱数抽選により決定する。そして、統括制御CPU65aは、決定した通常はずれ演出パターンおよび通常はずれ図柄停止パターンに基づいて、前記図柄表示装置17を制御することで、該図柄表示装置17において図柄変動演出が実行され、最終的に通常はずれ図柄停止パターンで特定されたはずれ表示となる図柄組み合わせで飾図が停止表示される。
(リーチはずれ特図変動パターンが決定された場合)
前記始動入賞口31,32への入賞を契機とした乱数抽選によってリーチはずれ特図変動パターンP2〜P38が決定され、該通常はずれ特図変動パターンを指定する特図変動パターン指定コマンドが統括制御CPU65aに入力されると、該統括制御CPU65aは特定リーチはずれ演出パターンを含む複数種類のリーチはずれ演出パターンの中から1つのリーチはずれ演出パターンを乱数抽選により決定する。また、特図変動パターン指定コマンドで指定されるリーチはずれ特図変動パターンP2〜P38に基づいて統括制御CPU65aは、第1のリーチはずれ図柄停止パターン振分テーブル(図19(a))を用いて複数種類のリーチはずれ図柄停止パターンZP201〜ZP238の中から1つのリーチはずれ図柄停止パターンを乱数抽選により決定する。そして、統括制御CPU65aは、決定したリーチはずれ演出パターンおよびリーチはずれ図柄停止パターンに基づいて、前記図柄表示装置17を制御することで、該図柄表示装置17において有効ラインL1〜L5の何れかにリーチ表示を形成した後に、最終的にリーチはずれ図柄停止パターンで特定されたはずれ表示(リーチはずれ表示)となる図柄組み合わせで飾図が停止表示される。
(リーチ大当り特図変動パターンが決定された場合)
前記始動入賞口31,32への入賞を契機とした乱数抽選によってリーチ大当り特図変動パターンP49〜P61が決定され、該リーチ大当り特図変動パターンを指定する特図変動パターン指定コマンドが統括制御CPU65aに入力されると、該統括制御CPU65aは特定リーチ大当り演出パターンを含む複数種類のリーチ大当り演出パターンの中から1つのリーチ大当り演出パターンを乱数抽選により決定する。また、特図変動パターン指定コマンドで指定されるリーチ大当り特図変動パターンP49〜P61に基づいて統括制御CPU65aは、第1の大当り図柄停止パターン振分テーブル(図20(a))を用いて複数種類の大当り図柄停止パターンZP239〜ZP251の中から1つの大当り図柄停止パターンを乱数抽選により決定する。そして、統括制御CPU65aは、決定したリーチ大当り演出パターンおよび大当り図柄停止パターンに基づいて、前記図柄表示装置17を制御することで、該図柄表示装置17において有効ラインL1〜L5の何れかにリーチ表示を形成した後に、最終的に大当り図柄停止パターンで特定された大当り表示(リーチ当り表示)となる図柄組み合わせで飾図が停止表示される。
(リーチなし大当り特図変動パターンが決定された場合)
また、前記始動入賞口31,32への入賞を契機とした乱数抽選によってリーチなし大当り特図変動パターンP66が決定され、該リーチなし大当り特図変動パターンを指定する特図変動パターン指定コマンドが統括制御CPU65aに入力されると、該統括制御CPU6aは複数種類のリーチなし大当り演出パターンの中から1つのリーチなし大当り演出パターンを乱数抽選により決定する。また、特図変動パターン指定コマンドで指定されるリーチなし大当り特図変動パターンP66に基づいて統括制御CPU65aは、第1の大当り図柄停止パターン振分テーブル(図20(a))を用いて複数種類の大当り図柄停止パターンZP239〜ZP251の中から1つの大当り図柄停止パターンを乱数抽選により決定する。そして、統括制御CPU65aは、決定したリーチなし大当り演出パターンおよび大当り図柄停止パターンに基づいて、前記図柄表示装置17を制御することで、該図柄表示装置17においてリーチ表示を経ることなく最終的に大当り図柄停止パターンで特定された大当り表示となる図柄組み合わせで飾図が停止表示される。
(リーチはずれ特殊特図変動パターンが決定された場合)
次に、前記始動入賞口31,32への入賞を契機とした乱数抽選によってリーチはずれ特殊特図変動パターンP39〜P48およびリーチ大当り特殊特図変動パターンP62〜P65が決定された場合につき説明する。リーチはずれ特殊特図変動パターンを指定する特図変動パターン指定コマンドが統括制御CPU65aに入力されると、該統括制御CPU65aは複数種類のリーチはずれ特殊演出パターンの中から1つのリーチはずれ特殊演出パターンを乱数抽選により決定する。また、特図変動パターン指定コマンドで指定されるリーチはずれ特殊特図変動パターンに基づいて統括制御CPU65aは、リーチはずれ特殊図柄停止パターン振分テーブル(図21(a))を用いて複数種類のリーチはずれ特殊図柄停止パターンZP207,ZP215,ZP216,ZP225,ZP226,ZP235,ZP236,ZP237,ZP238の中から1つのリーチはずれ特殊図柄停止パターンを乱数抽選により決定する。更に、統括制御CPU65aは、決定されたリーチはずれ特殊図柄停止パターンに基づいて、図柄仮停止パターン振分テーブル(図22)を用いて複数種類の図柄仮停止パターンの中から1つの図柄仮停止パターンを乱数抽選により決定する。そして、統括制御CPU65aは、決定したリーチはずれ特殊演出パターン、図柄仮停止パターンおよびリーチはずれ特殊図柄停止パターンに基づいて、前記図柄表示装置17および可動手段95を制御する。
すなわち、前記可動手段95では、前記第1位置に位置する可動部材95a,95bが相互に近接することで、図柄表示装置17に設定された上有効停止位置S1,S4,S7(上有効ラインL1)および下有効停止位置S3,S6,S9(下有効ラインL3)を隠す第2位置に移動する。また図柄表示装置17では、リーチはずれ特殊演出パターンで特定される図柄変動演出が実行され、露出している中有効停止位置S3,S6,S9(中有効ラインL2)において図柄仮停止パターンで特定されたリーチ表示となる図柄組み合わせとなるように左図柄列26aおよび右図柄列26cで飾図が仮停止される。その後、可動部材95a,95bが相互に離間移動して上有効停止位置S1,S4,S7および下有効停止位置S3,S6,S9を露出した状態で、左図柄列26aおよび右図柄列26cの飾図が1コマ分だけ再変動して第1傾斜有効ラインL4および第2傾斜有効ラインL5においてリーチ表示(ダブルリーチ)となるように左図柄列26aおよび右図柄列26cの飾図が停止される。そして、リーチはずれ特殊演出パターンに基づいて中図柄列26bの飾図が変動表示され、最終的に第1傾斜有効ラインL4および第2傾斜有効ラインL5において大当り表示とならないはずれ表示となる図柄組み合わせで飾図が停止表示される。
前記リーチはずれ特殊特図変動パターンP39〜P48が決定された場合の具体例につき、リーチはずれ特殊図柄停止パターンとしてZP216が決定されると共に、図柄仮停止パターンとして第1図柄仮停止パターンが決定された場合で説明する。なお、リーチはずれ特殊図柄停止パターンZP216は、左図柄列26aが「7・3」、中図柄列26bが「・☆上☆」、右図柄列26cが「3・7」の図柄組み合わせで飾図が確定停止表示されるパターンであり、第1図柄仮停止パターンは、左図柄列26aおよび右図柄列26cが夫々「・7・」の図柄組み合わせで飾図が仮停止するパターンである。
前記一対の可動部材95a,95bで上有効停止位置S1,S4,S7(上有効ラインL1)および下有効停止位置S3,S6,S9(下有効ラインL3)が隠された第2状態において、図23(a)に示す如く、図柄変動演出の途中で左図柄列26aおよび右図柄列26cの飾図が仮停止し、露出している中有効停止位置S3,S6,S9(中有効ラインL2)において中有効停止位置S3に「7」の飾図が仮停止すると共に、中有効停止位置S8に「7」の飾図が仮停止して中有効ラインL2においてリーチ表示が形成される。そして、可動部材95a,95bが第1位置に移動して上有効停止位置S1,S4,S7および下有効停止位置S3,S6,S9を露出した状態で、左図柄列26aの飾図が1コマ分だけ逆変動して停止することで、該左図柄列26aには「7・3」の図柄組み合わせで飾図が停止すると共に、右図柄列26cの飾図が1コマ分だけ順変動して停止することで、該右図柄列26cには「3・7」の図柄組み合わせで飾図が停止する(図23(b)参照)。これにより、第1傾斜有効ラインL4において「7↓7」のリーチ表示が形成されると共に、第2傾斜有効ラインL5において「3↓3」のリーチ表示が形成されたダブルリーチの状態となる。その後、中図柄列26bに「・☆上☆」の組み合わせで飾図が確定停止してはずれ表示となる(図23(c)参照)。
(リーチ大当り特殊特図変動パターンが決定された場合)
前記リーチ大当り特殊特図変動パターンP62〜P65を指定する特図変動パターン指定コマンドが統括制御CPU65aに入力された場合では、該統括制御CPU65aは複数種類のリーチ大当り特殊演出パターンの中から1つのリーチ大当り特殊演出パターンを乱数抽選により決定する。また、特図変動パターン指定コマンドで指定されるリーチ大当り特殊特図変動パターンに基づいて統括制御CPU65aは、リーチ大当り特殊図柄停止パターン振分テーブル(図21(b))を用いて複数種類のリーチ大当り特殊図柄停止パターンZP244,ZP245,ZP246,ZP247の中から1つのリーチ大当り特殊図柄停止パターンを乱数抽選により決定する。更に、統括制御CPU65aは、決定されたリーチ大当り特殊図柄停止パターンに基づいて、図柄仮停止パターン振分テーブル(図22)を用いて複数種類の図柄仮停止パターンの中から1つの図柄仮停止パターンを乱数抽選により決定する。そして、統括制御CPU65aは、決定したリーチ大当り特殊演出パターン、図柄仮停止パターンおよびリーチ大当り特殊図柄停止パターンに基づいて、前記図柄表示装置17および可動手段95を制御する。
前記リーチ大当り特殊特図変動パターンP62〜P65が決定された場合の図柄変動演出および可動手段95の動作態様は、最終的に有効停止位置S1〜S9に停止表示される飾図の組み合わせが大当り表示になる点でリーチはずれ特殊特図変動パターンP39〜P48が決定された場合と異なる。そこで、リーチ大当り特殊図柄停止パターンとしてZP244が決定されると共に、図柄仮停止パターンとして第2図柄仮停止パターンが決定された場合で、図柄変動演出および可動手段95の動作態様を具体的に説明する。なお、リーチ大当り特殊図柄停止パターンZP244は、左図柄列26aが「5・7」、中図柄列26bが「・7・」、右図柄列26cが「7・5」の図柄組み合わせで飾図が確定停止表示されるパターンであり、第2図柄仮停止パターンは、左図柄列26aおよび右図柄列26cが夫々「・7・」の図柄組み合わせで飾図が仮停止するパターンである。
前記一対の可動部材95a,95bで上有効停止位置S1,S4,S7(上有効ラインL1)および下有効停止位置S3,S6,S9(下有効ラインL3)が隠された第2状態において、図24(a)に示す如く、図柄変動演出の途中で左図柄列26aおよび右図柄列26cの飾図が仮停止し、露出している中有効停止位置S3,S6,S9(中有効ラインL2)において中有効停止位置S3に「7」の飾図が仮停止すると共に、中有効停止位置S9に「7」の飾図が仮停止して中有効ラインL2においてリーチ表示が形成される。そして、可動部材95a,95bが第1位置に移動して上有効停止位置S1,S4,S7および下有効停止位置S3,S6,S9を露出した状態で、左図柄列26aの飾図が1コマ分だけ順変動して停止することで、該左図柄列26aには「5・7」の図柄組み合わせで飾図が停止すると共に、右図柄列26cの飾図が1コマ分だけ逆変動して停止することで、該右図柄列26cには「7・5」の図柄組み合わせで飾図が停止する(図24(b)参照)。これにより、第1傾斜有効ラインL4において「5↓5」のリーチ表示が形成されると共に、第2傾斜有効ラインL5において「7↓7」のリーチ表示が形成されたダブルリーチの状態となる。その後、中図柄列26cに「・7・」の図柄組み合わせで飾図が確定停止し、第2傾斜有効ラインL5において「777」の大当り表示となる(図24(c)参照)。
このように、一対の可動部材95a,95bの間に露出する中有効ラインL2でシングルリーチを形成した後に、可動部材95a,95bが移動して全ての有効ラインL1〜L5を露出すると共に、該中有効ラインL2でシングルリーチを形成していた仮リーチ飾図を変動して、該仮リーチ飾図および別の飾図でダブルリーチを形成するよう構成したので、最終的に当り表示となる飾図の図柄組み合わせとなる(すなわち大当りとなる)期待感を高めることができる。
〔確変状態の場合について〕
(通常はずれ特図変動パターンが決定された場合)
確変状態では、前記可動手段95の可動部材95a,95bは第2位置に保持されて、前記図柄表示装置17の上有効停止位置S1,S4,S7(上有効ラインL1)および下有効停止位置S3,S6,S9(下有効ラインL3)が隠され、中有効停止位置S2,S5,S8(中有効ラインL2)のみが露出した第2状態となっている(図23(a),図24(a)参照)。この状態で、前記始動入賞口31,32への入賞を契機とした乱数抽選によって通常はずれ特図変動パターンP1が決定され、該通常はずれ特図変動パターンを指定する特図変動パターン指定コマンドが統括制御CPU65aに入力された場合は、前記第1状態の場合と同様に、統括制御CPU65aは複数種類の通常はずれ演出パターンの中から1つの通常はずれ演出パターンを乱数抽選により決定する。また、特図変動パターン指定コマンドで指定されるはずれ特図変動パターンP1に基づいて統括制御CPU65aは、通常はずれ図柄停止パターン振分テーブル(図18)を用いて複数種類の通常はずれ図柄停止パターンZP1〜ZP200の中から1つの通常はずれ図柄停止パターンを乱数抽選により決定する。そして、統括制御CPU65aは、決定した通常はずれ演出パターンおよび通常はずれ図柄停止パターンに基づいて、前記図柄表示装置17を制御することで、該図柄表示装置17において図柄変動演出が実行され、最終的に通常はずれ図柄停止パターンで特定されたはずれ表示となる図柄組み合わせで飾図が停止表示される。
すなわち、通常はずれ図柄停止パターン振分テーブルには、全ての有効ラインL1〜L9においてリーチ表示を形成しない通常はずれ図柄停止パターンのみが設定されているので、第2状態において通常はずれ図柄停止パターン振分テーブルに設定されている全ての通常はずれ図柄停止パターンの中から1つの通常はずれ図柄停止パターンを決定しても、中有効ラインL2にリーチ表示が形成されることはない。このように、通常はずれ特図変動パターンが決定された場合に、第1状態および第2状態で共通の通常はずれ図柄停止パターン振分テーブルを用いることができるので、各状態毎に振分テーブルを設定する場合に比べてデータ容量を削減できる。
(リーチはずれ特図変動パターンが決定された場合)
前記始動入賞口31,32への入賞を契機とした乱数抽選によってリーチはずれ特図変動パターンP2〜P38が決定され、該通常はずれ特図変動パターンを指定する特図変動パターン指定コマンドが統括制御CPU65aに入力されると、該統括制御CPU65aは複数種類の特定リーチはずれ演出パターンの中から1つの特定リーチはずれ演出パターンを乱数抽選により決定する。また、特図変動パターン指定コマンドで指定されるリーチはずれ特図変動パターンP2〜P38に基づいて統括制御CPU65aは、第2のリーチはずれ図柄停止パターン振分テーブル(図19(b))を用いて複数種類のリーチはずれ図柄停止パターンZP201,ZP204,ZP209,ZP212,ZP217,ZP219,ZP222,ZP227,ZP229,ZP232の中から1つのリーチはずれ図柄停止パターンを乱数抽選により決定する。そして、統括制御CPU65aは、決定した特定リーチはずれ演出パターンおよびリーチはずれ図柄停止パターンに基づいて、前記図柄表示装置17を制御することで、該図柄表示装置17において中有効ラインL2にリーチ表示を形成した後に、最終的にリーチはずれ図柄停止パターンで特定されたはずれ表示(リーチはずれ表示)となる図柄組み合わせで飾図が確定停止表示される。
前記第2のリーチはずれ図柄停止パターン振分テーブルには、中有効ラインL2でのみリーチ表示を形成することが可能なリーチはずれ図柄停止パターンのみが設定されているので、前記可動部材95a,95bで隠されている有効ラインL1,L3〜L5でリーチ表示が形成されることはない。すなわち、リーチ用の特図変動パターンが決定された場合は、統括制御CPU65aが決定する演出パターンで特定されるリーチ演出が、前記ランプ装置18やスピーカ19で実行されるため、該ランプ装置18やスピーカ19でリーチ演出が行われているのにも関らず、図柄表示装置17でリーチ表示が表示されない齟齬が生ずることはなく、遊技者に不信感を与えることはない。
(リーチ大当り特図変動パターンが決定された場合)
前記始動入賞口31,32への入賞を契機とした乱数抽選によってリーチ大当り特図変動パターンP49〜P61が決定され、該リーチ大当り特図変動パターンを指定する特図変動パターン指定コマンドが統括制御CPU65aに入力されると、該統括制御CPU65aは複数種類の特定リーチ大当り演出パターンの中から1つの特定リーチ大当り演出パターンを乱数抽選により決定する。また、特図変動パターン指定コマンドで指定されるリーチ大当り特図変動パターンP49〜P61に基づいて統括制御CPU65aは、第2の大当り図柄停止パターン振分テーブル(図20(b)参照)を用いて複数種類の大当り図柄停止パターンZP248,ZP249,ZP250,ZP251の中から1つの大当り図柄停止パターンを乱数抽選により決定する。そして、統括制御CPU65aは、決定した特定リーチ大当り演出パターンおよび大当り図柄停止パターンに基づいて、前記図柄表示装置17を制御することで、該図柄表示装置17において中有効ラインL2にリーチ表示を形成した後に、最終的に大当り図柄停止パターンで特定された大当り表示(リーチ当り表示)となる図柄組み合わせで飾図が確定停止表示される。
(リーチなし大当り特図変動パターンが決定された場合)
また、前記始動入賞口31,32への入賞を契機とした乱数抽選によってリーチなし大当り特図変動パターンP66が決定され、該リーチなし大当り特図変動パターンを指定する特図変動パターン指定コマンドが統括制御CPU65aに入力されると、該統括制御CPU65aは複数種類のリーチなし大当り演出パターンの中から1つのリーチなし大当り演出パターンを乱数抽選により決定する。また、特図変動パターン指定コマンドで指定されるリーチなし大当り特図変動パターンP66に基づいて統括制御CPU65aは、第2の大当り図柄停止パターン振分テーブルを用いて複数種類の大当り図柄停止パターンZP248,ZP249,ZP250,ZP251の中から1つの大当り図柄停止パターンを乱数抽選により決定する。そして、統括制御CPU65aは、決定したリーチ大当り演出パターンおよび大当り図柄停止パターンに基づいて、前記図柄表示装置17を制御することで、該図柄表示装置17において中有効ラインL2にリーチ表示を形成することなく最終的に大当り図柄停止パターンで特定された大当り表示となる図柄組み合わせで飾図が停止表示される。
すなわち、第2の大当り図柄停止パターン振分テーブルには、中有効ラインL2でのみリーチ表示を形成し得る大当り図柄停止パターンのみが設定されているので、前記可動部材95a,95bが隠されている有効ラインL1,L3〜L5でリーチ表示が形成されることはなく、ランプ装置18やスピーカ19によるリーチ演出との齟齬が生ずることはなく、遊技者に不信感を与えることはない。また、リーチ大当り特図変動パターンP49〜P61およびリーチなし大当り特図変動パターンP66が決定された場合に、共通の第2の大当り図柄停止パターン振分テーブルを用いるので、各特図変動パターン毎に振分テーブルを設定する場合に比べてデータ容量を削減できる。
実施例のパチンコ機10では、図柄表示装置17の図柄変動演出の表示態様を、可動手段95によって図柄表示装置17に設定される有効ラインL1〜L5の全てを露出した第1状態と、一部の有効ラインL1,L3,L4,L5を隠した第2状態とに切り替えるよう構成したので、遊技演出の多様化を図って興趣を向上することができる。第1状態と第2状態との切り替えによって有効ライン数を変化させ得るので、リーチ演出の多様化を図ることができ、より興趣を向上し得る。また、図柄変動演出の結果として最終的に確定停止表示される図柄の組み合わせを図柄停止パターンとして統括制御ROM65aに記憶するよう構成したので、確定停止表示される図柄の組み合わせを決定する際の制御負荷を軽減することができる。更に、リーチはずれ特図変動パターンP2〜P38およびリーチ大当り特図変動パターンP49〜P61を特定する特図変動パターン指定コマンドが統括制御CPU65aに入力された場合に、該統括制御CPU65aは、第1状態では全ての有効ラインL1〜L5でリーチ表示が形成可能な演出パターン(リーチ表示パターン)および図柄停止パターンを決定可能であるのに対し、第2状態では該第2状態で用いられる中有効ラインL2でのみリーチ表示が形成可能な演出パターン(リーチ表示パターン)および図柄停止パターンを決定可能としたので、図柄表示装置17の表示態様が切り替わる構成であっても、対応する有効ラインL1〜L5またはL2にリーチ表示を確実に表示させることができ、演出の齟齬が生ずることはない。
実施例では図柄表示装置17の前側を進退移動する可動部材95a,95bによって有効ラインを隠したり露出するよう構成したので、可動部材95a,95bの動作と図柄表示装置17で実行されている図柄変動演出との組み合わせによって興趣を向上することができる。また、実施例では、図柄表示装置17の図柄表示領域を挟む上下位置から該図柄表示領域に対して一対の可動部材95a,95bを進退移動するよう構成したので、第2状態において一対の可動部材95a,95bで露出する有効ラインL2(中有効停止位置S2,S5,S8)を遮ることなく他の有効ラインL1,L3,L4,L5(上有効停止位置S1,S4,S7および下有効停止位置S3,S6,S9)を隠したり露出することができる。すなわち、第1状態と第2状態とに切り替える際においても、少なくとも一部の有効ラインL2は露出する状態を維持しているので、該有効ラインL2(中有効停止位置S2,S5,S8)上で行われる図柄変動演出が可動部材95a,95bによって遮られて演出を注視している遊技者の興味を削ぐのを防ぐことができる。
また、実施例のパチンコ機10は、図柄変動演出中に可動部材95a,95bを移動した際に、リーチ表示が形成される有効ラインが変化する再変動演出の内容を特定した特殊演出パターンを設定しているので、可動部材95a,95bによる第1状態と第2状態との切り替え動作と、リーチ表示のライン変化演出とによってリーチ演出の多様化を図ることができ、より興趣を向上し得る。
(変更例)
本願は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1) 実施例では、確変状態において可動手段により一部の有効ラインを隠す第2状態としたが、非確変状態においても予め設定された条件が成立したときに可動手段により一部の有効ラインを隠す第2状態とするようにしてもよい。また、各演出パターンを決定するのに合わせて第1状態とするか第2状態とするかを乱数抽選により決定するようにしてもよい。更に、可動手段の動作パターンを統括制御ROMに複数種類記憶しておき、各演出パターンを決定するのに合わせて複数種類の動作パターンから1つの動作パターンを乱数抽選により決定する構成を採用し得る。また、可動手段の動作パターンは、図柄表示装置による図柄変動演出中に進退移動して一部の有効ラインを隠した状態としたり露出する状態とすることを反復するものを設定することができる。
(2) 実施例では、一対の可動部材を1基の可動部材用駆動モータにより近接離間移動するよう構成したが、各可動部材を夫々独立した駆動手段(移動手段)によって移動する構成を採用し得る。このように、各可動部材を夫々独立して移動する構成とした場合は、実施例において上有効停止位置(上有効ライン)のみを隠す状態や、下有効停止位置(下有効ライン)のみを隠す状態を設けることができ、演出の幅が広がる。そして、可動手段の動作パターンとして、一対の可動部材を同時に移動するパターンや各可動部材を個々に移動するパターン等、多数の動作パターンを設定することができ、可動手段の動作パターンと図柄表示装置による図柄変動演出との組み合わせによって演出の幅をより広げることができる。
(3) 実施例では、特殊演出パターン(特殊演出内容)として、可動手段が隠していた有効ラインを露出した際に、第2状態で露出する有効ラインでリーチ表示を形成していた仮リーチ飾図を1コマ分だけ変動してダブルリーチを形成するよう構成したが、可動手段が隠していた有効ラインを露出した際に変動する飾図の変動コマ数はこれに限られるものではない。すなわち、仮リーチ飾図がダブルリーチの一方を形成する飾図とする必要はなく、全く別の飾図によってダブルリーチを形成するようにしてもよい。
(4) 実施例では、リーチ用の特殊演出パターンで特定される可動手段の動作パターンとして、第2状態で用いられる有効ラインでリーチ表示となる組み合わせで仮停止された飾図が再変動する前に可動手段が移動して第1状態で用いる有効ラインを露出するパターンを設定したが、仮停止された飾図が再変動した後に可動手段が移動する動作パターンを設定してもよい。この場合には、仮リーチ飾図が再変動することで第2状態で用いられる有効ラインでリーチ表示が形成されなくなったと落胆した遊技者に対し、可動手段が移動して第1状態とすることでダブルリーチが形成されていることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
(5) 特殊図柄停止パターンとして、第2状態で用いられる有効ラインでははずれ表示となると共に第1状態で用いられる有効ラインでは大当り表示となる飾図の組み合わせになる第2の特殊図柄停止パターンを設定し、該第2の特殊図柄停止パターンが決定された場合に、可動手段により第2状態に切り替えられた状態で該第2状態で用いられる有効ラインではずれ表示となる組み合わせで飾図を停止した後、可動手段を移動して第1状態とする構成を採用し得る。この構成では、露出している有効ラインではずれ表示の結果となった状態から可動手段の動作に伴って露出する有効ラインで大当り表示が表示されるので、インパクトのある演出ができ、遊技の興趣を向上し得る。
(6) 実施例では、複数の図柄列を左右方向に並列に設けて各図柄列において飾図を縦方向に変動するよう構成したが、複数の図柄列を上下方向に並列に設けて各図柄列において飾図を横方向に変動する構成を採用することができる。そして、この構成においては、図柄表示領域における左右の縁部から図柄表示領域に対して横方向に進退移動する可動部材によって左右両端側の有効停止位置を隠した第2状態と露出した第1状態とにするよう構成すればよい。
(7) 各図柄列に設定する有効停止位置は3つに限られるものではなく、各図柄列に1つの有効停止位置を設定してもよく、任意数の有効停止位置を設定することができる。また、各図柄列の有効停止位置の数は、同じである必要はなく、例えば左右の図柄列に3つの有効停止位置を設定する一方で、中図柄列に中有効停止位置に相当する1つの有効停止位置のみを設定することもできる。
(8) 実施例では、遊技球が一定の確率で入賞可能な第1始動入賞手段と、遊技球の入賞確率を可変可能な第2始動入賞手段とを始動入賞手段として備え、各始動入賞手段毎に検出手段を設けて個別に遊技球の入賞を検出するよう構成したが、該第1および第2始動入賞手段の入賞検出手段を共通にしてもよい。すなわち、第1始動入賞手段への入賞と、第2入賞手段への入賞とを区別しないよう構成してもよい。
(9) 実施例においてメイン制御手段(メイン制御CPU)が備える機能の全部または一部をサブ制御手段(統括制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対にサブ制御手段が備える機能の全部または一部をメイン制御手段が備えるようにしてもよい。そして実施例では、メイン制御基板とサブ制御基板(統括制御基板)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例におけるメイン制御手段およびサブ制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。更に、別途制御基板を備えて、実施例のメイン制御手段やサブ制御手段が備える機能の全部また一部を、別の制御手段に備えさせてもよい。
(10) 統括制御基板から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて図柄表示装置(図柄表示手段)を制御する表示制御基板を用いる場合は、該表示制御基板に備えた表示制御CPUに、図柄表示装置の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されて表示制御ROMおよび各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている表示制御RAMを接続するよう構成すればよい。また、統括制御手段(統括制御CPU)が備える機能の全部または一部を表示制御手段(表示制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対に表示制御手段が備える機能の全部または一部を統括制御手段が備えるようにしてもよい。統括制御基板(統括制御CPU)と表示制御基板(表示制御CPU)とは分けて設けても、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、統括制御手段および表示制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。また、発光制御を行うランプ制御手段や音出力制御を行う音制御手段に関しても同様に、統括制御手段が兼用することができる。
(11) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。