JP5726098B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
複数の発光装置(18,17c,85)を備えた遊技機において、
前記発光装置(18,17c,85)毎に通常モードおよび該通常モードより消費電力を抑える節電モードを個別に選択可能なモード選択手段(35,36)と、
前記通常モードに対応する第1の発光制御設定情報および前記節電モードに対応する第2の発光制御設定情報を記憶する発光制御設定情報記憶手段(65c)と、
前記モード選択手段(35,36)での選択に応じて、前記通常モードでは第1の発光制御設定情報を記憶し、前記節電モードでは第2の発光制御設定情報を記憶するモード記憶手段(65c)と、
前記モード記憶手段(65c)に記憶されている情報に基づいて各発光装置(18,17c,85)を個別に発光制御する発光制御手段(65a)と、
遊技に関する情報を記憶する主記憶手段(60c)および賞球に関する情報を記憶する払出し記憶手段(60c)と、
前記主記憶手段(60c)および払出し記憶手段(60c)を初期化するクリア手段(83,83a,84,84a)とを備え、
前記モード記憶手段(65c)は、前記クリア手段(83,83a,84,84a)では初期化されないよう構成したことを要旨とする。
請求項3に係る発明によれば、既存の遊技機に対して発光制御手段を交換するだけで、通常モードまたは節電モードを各発光装置毎に個別に選択可能な態様に変更できる。
前記第1〜第3の発光装置(18,85,17c)の発光制御設定情報が、前記モード記憶手段(65c)に第1〜第3の発光装置(18,85,17c)毎に個別に記憶されるよう構成したことを要旨とする。
請求項4に係る発明によれば、前面部材、遊技盤および図柄表示装置が備える各発光装置について、個別に通常モードまたは節電モードに選択設定することができる。
複数の発光装置(18,17c,85)を備えた遊技機において、
前記発光装置(18,17c,85)毎に通常モードおよび該通常モードより消費電力を抑える節電モードを個別に選択可能なモード選択手段(35,36)と、
前記通常モードに対応する第1の発光制御設定情報および前記節電モードに対応する第2の発光制御設定情報を記憶する発光制御設定情報記憶手段(65c)と、
前記モード選択手段(35,36)での選択に応じて、前記通常モードでは第1の発光制御設定情報を記憶し、前記節電モードでは第2の発光制御設定情報を記憶するモード記憶手段(65c)と、
前記モード記憶手段(65c)に記憶されている情報に基づいて各発光装置(18,17c,85)を個別に発光制御する発光制御手段(65a)と、
遊技に関する情報を記憶する主記憶手段(60c)と、
前記主記憶手段(60c)を初期化するクリア手段(83,83a,84,84a)とを備え、
前記モード記憶手段(65c)は、前記クリア手段(83,83a,84,84a)では初期化されないよう構成したことを要旨とする。
請求項2に係る発明によれば、複数の発光装置毎に、通常モードまたは節電モードを選択可能に構成したので、遊技機を遊技店の要望に応じた節電態様に設定することができる。また、遊技に関する記憶をクリア手段によって初期化する場合であっても、モード記憶手段に記憶している記憶内容は初期化されないので、クリア手段でクリア操作を行なう毎にモードを再び選択設定する操作を必要としない。
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、所定条件の成立(後述する始動入賞装置30の始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞)を契機として演出用の図柄(以下飾図という)を変動表示させて図柄変動演出を行なう演出実行手段としての図柄表示装置(図柄表示手段)17が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板(図示せず)で前後に開口する窓口13aを覆うよう構成された装飾枠としての前枠(機前面側を構成する前面部材)13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。実施例では、前記中枠12に配設される遊技盤20は、該中枠12に着脱自在に配設される前枠13に対して相対的に着脱自在となっているものであるが、該遊技盤20を前枠12に着脱自在に配設し、遊技盤20を配設した前枠12を中枠12に着脱自在に配設する構成を採用し得る。
前記遊技盤20は、図2に示すように、ベニヤ材や合成樹脂材により形成された略矩形状の板部材であって、遊技盤20の裏面側に前記図柄表示装置17が着脱可能に組み付けられている。前記遊技盤20の前面には、略円形状に湾曲形成した案内レール21が配設されており、該案内レール21により画成される略円形の遊技領域20aに、前記中枠12に配設された図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球が打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が適宜位置に開設されており、各装着口に対して各種の遊技盤設置部品(具体的には後述する枠状装飾体25、始動入賞装置30、特別入賞装置40、球通過ゲート47、普通入賞装置29等)が前側から取り付けられると共に、遊技領域20aの最下部位置には、該遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口22が開設されている。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤20に取り付けられる各種遊技盤設置部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜変更される。
図2に示すように、前記始動入賞装置30は、前記始動入賞口31a,31bが上下の位置関係で2つ設けられている。ここで、上側に位置する第1始動入賞口(第1始動入賞手段)31aは、遊技領域20a内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされている。下側に位置する第2始動入賞口(第2始動入賞手段)31bを挟む左右両側には、該第2始動入賞口31bを開閉可能に構成された開閉部材33,33が設けられており、駆動手段としての始動入賞ソレノイド32(図8参照)の駆動に伴って一対の開閉部材33,33が第2始動入賞口31bを閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。なお、実施例では、前記第2始動入賞口31bを開閉する一対の開閉部材33,33が第2始動入賞口31bを挟む左右側部に配置されて、始動入賞ソレノイド32の駆動に伴い一対の開閉部材33,33が相互に近接および離間するよう揺動される。
前記特別入賞装置40は、図2に示すように、遊技領域20aに開口する特別入賞手段としての特別入賞口(図示せず)を開閉自在に閉成する開閉扉(開閉部材,開閉手段)43を備えており、駆動手段としての特別入賞ソレノイド42(図8参照)の駆動に伴って開閉扉43が閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。なお、実施例では、前記開閉扉43が前後方向へ揺動することで特別入賞口を開閉するよう構成されており、該開閉扉43により特別入賞口が閉鎖された状態を図2に示す。また、前記特別入賞装置40には、前記特別入賞口に入賞したパチンコ球を検出する特別入賞検出手段としての特別入賞検出センサ44(図8参照)が設けられている。特別入賞検出センサ44は、前記メイン制御基板60に配線接続されており、特別入賞検出センサ44がパチンコ球を検出すると、検出信号をメイン制御基板60に出力し、メイン制御基板60は、前記払出制御基板76に制御信号を出力して、前記球払出装置75に予め設定された数(実施例では15個)の賞球を払い出させるようになっている。ここで、前記特別入賞ソレノイド42は、前記始動入賞装置30へのパチンコ球の入賞を契機として特別入賞装置40を開放する当り遊技(大当り遊技)が付与される場合に、当りの種類に応じた所定の開閉条件に従ってメイン制御基板60によって駆動制御される。
図2に示すように、前記遊技盤20には、前記遊技領域20aの外側右下部位置に、前記始動入賞装置30(第1および第2始動入賞口31a,31b)への入賞を契機として作動する2組の特図表示器(特図表示手段)50,51が設けられている。ここで、2組の特図表示器50,51は、前記第1始動入賞口31aへの入賞を契機として変動表示を開始する第1特図表示器50と、第2始動入賞口31bへの入賞を契機として変動表示を開始する第2特図表示器51とからなり、各特図表示器50,51の何れも複数個(8個ずつ)の発光表示部により構成されている。そして、前記第1始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞を契機として、第1特図表示器50の発光表示部が順次点灯・消灯する点滅変動する特図変動表示が行われ、最終的に発光表示部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特別図柄(以下、特図という)を表示するようになっている。また、第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞を契機として、第2特図表示器51の発光表示部が点灯・消灯する点滅変動する特図変動表示が行われて、最終的に発光部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により特図を表示するよう構成されている。なお、実施例の各発光表示部はLEDにより構成されているが、これに限らず点灯位置を適宜変更し得る形態であればよく、また7セグメント表示器やドットマトリックス、小型の液晶表示器、そ他特図表示可能な表示手段を採用できる。
また、前記第1始動入賞口31aにパチンコ球が入賞した際に取得される情報(各種乱数情報)が機内部の記憶手段(メイン制御RAM60c)に第1特図始動保留情報(第1始動保留球)として記憶されるようになっている。同様に、前記第2始動入賞口31bにパチンコ球が入賞した際に取得される情報(各種乱数情報)は機内部の記憶手段(メイン制御RAM60c)に第2特図始動保留情報(第2始動保留球)として記憶されるようになっている。そして、前記遊技盤20における遊技領域20aの外側右下部位置に、この第1特図始動保留情報の記憶数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第1特図保留表示部52が設けられると共に、該第2特図始動保留情報の記憶数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第2特図保留表示部53が設けられている。すなわち、前記第1および第2特図保留表示部52,53の表示内容によって、保留されている第1特図変動表示および第2特図変動表示の回数(図柄変動演出の回数)が報知される。
実施例のパチンコ機10では、大当り判定に当選した場合に、後述する複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定される。この大当り遊技には、ラウンド回数が異異なる複数種類のものが設定されており、当選した大当り遊技のラウンド数を報知するラウンド表示部57が、前記遊技盤20における遊技領域20aの外側右下部位置に設けられている。このラウンド表示部57は、ラウンド数に対応する複数のLED(実施例では4個)から発光表示部が構成される。本実施例では、大当り遊技のラウンド数として、「16回」、「9回」および「5回」の3種類が設定されており、ラウンド表示部57では、左側の2つの発光表示部が点灯することで、ラウンド数が「16回」の大当り遊技であることが報知され、右側下部の発光表示部が点灯することで、ラウンド数が「9回」の大当り遊技であることが報知され、右側上部の発光表示部が点灯することで、ラウンド数が「5回」の大当り遊技であることが報知されるようになっている。
実施例のパチンコ機10では、後述するように、大当り遊技終了後に付与される遊技状態として、確変状態および変短状態が設けられており、該状態を報知する状態表示部58が、前記遊技盤20における遊技領域20aの外側右下部位置に設けられている。この状態表示部58は、複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成されており、左側の発光表示部の点灯で確変状態であることを報知すると共に、右側の発光表示部の点灯で変短状態であることを報知するよう設定されている。なお、前記ラウンド表示部57および状態表示部58の表示領域は、図柄表示装置17で実行される後述の報知演出等の表示領域に比較して極めて小さく設定されており、図柄表示装置17で実行されている各種演出に注目している遊技者にとっては、ラウンド表示部57および状態表示部58での点灯状態で各情報を簡単には認識し難くなっている。
前記図柄表示装置17は、前記画像表示面17aに飾図の他に各種絵柄やキャラクタ等を表示可能な表示な液晶パネル17bと、該液晶パネル17bの後方に配置され、液晶パネル17bに後側から光を照射するバックライト(発光装置、第3の発光装置)17cとを備えた液晶表示装置が採用される。なお、図柄表示装置17としては、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得、これら表示装置が備える電飾装置が第3の発光装置となる。
前記パチンコ機10には、図2に示す如く、前記枠状装飾体25における表示窓口25aに臨む図柄表示装置17における画像表示面17aの前に、図2に示す如く、該表示窓口25aを左右方向に横切るように延在する棒状の横可動体37と、該横可動体37と交差するように表示窓口25aを上下方向に横切るように延在する棒状の縦可動体38とを備えた第1可動演出装置86が配設されている。第1可動演出装置86は、横可動体37および縦可動体38が、図示しない作動機構によって夫々独立して移動するよう構成され、該横可動体37および縦可動体38が交差する位置(照準位置)を、図柄表示装置17の画像表示面17aの前側において上下左右に移動自在になっている。また、パチンコ機10には、前記表示窓口25aの上側に臨む位置に第2可動演出装置87が配設されると共に、該表示窓口25aの右側に臨む位置に第3可動演出装置88が配設されている。第2可動演出装置87および第3可動演出装置88は、図示しない作動機構によって所要の動作を行うよう構成される。
図1、図2に示すように、前記枠状装飾体25の右側には、遊技領域20aを流下するパチンコ球が通過可能な球通過ゲート47が設けられている。前記球通過ゲート47には通過球検出センサ48(図8参照)が配設されており、該球通過ゲート47を通過するパチンコ球を通過球検出センサ48で検出するよう構成されている。前記通過球検出センサ48は、前記メイン制御基板60に配線接続されており、該通過球検出センサ48からメイン制御基板60への球検出信号の入力(すなわちパチンコ球の検出)に伴って普図当り抽選(後述)が行われ、該普図当り抽選の結果に応じて前記始動入賞装置30の始動入賞ソレノイド32が駆動制御されて開閉部材33,33が開閉動作するようになっている。
また、図2に示すように、前記遊技盤20には、前記遊技領域20aの外側右下部位置に、複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された普図表示器55が配設されている。この普図表示器55では、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す場合がある)を変動させて1つの普図を導出する普図変動表示が行われるようになっている。実施例では、2つのLEDの発光態様にて2種類の普図を示している。具体的には、右側LEDだけが点灯する発光態様、および左側LEDだけが点灯する発光態様により普図を示している。なお、以下では、右側LEDだけが点灯することにより示される普図を普図「0」とし、説明の都合上、左側LEDだけが点灯することにより示される普図を普図「1」とする。そして、前記普図表示器55の最終的な表示結果から普図当りまたははずれを認識できるようになっている。具体的には、普図当りの場合に普図表示器に普図「1」が表示され、はずれの場合に普図「0」が表示される。すなわち、この普図当りを認識できる普図が普図当りの表示結果となり、はずれを認識できる普図が普図はずれの表示結果となる。
また、図2に示すように、前記遊技盤20には、前記遊技領域20aの外側右下部位置に、前記球通過ゲート47をパチンコ球が通過した際に取得される情報(後述する各種乱数情報)が機内部の記憶手段(メイン制御RAM60c)で始動保留情報として記憶された際に、該普図始動保留情報の記憶数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された普図保留表示部56が配設されており、該普図保留表示部56の表示内容によって保留されている普図の変動回数が報知される。前記普図保留表示部56で表示される普図始動保留情報の記憶数は、球通過ゲート47をパチンコ球が通過すると1加算され、普図変動表示が開始されることにより1減算される。なお、普図始動保留情報の記憶数には所定の上限数(実施例では「4」)が設定されており、該上限数まで普図始動保留情報の記憶数を加算し得るよう設定されている。なお、前記普図保留表示部56は、複数(実施例では2つ)のLEDから構成されており、普図始動保留情報の記憶数が1〜2の場合には普図保留表示部56が左から順に点灯し、普図始動保留情報の記憶数が3〜4の場合には普図保留表示部56が左から順に点滅することで、普図変動表示が行われる保留数を把握し得るようになっている。
実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第1特典遊技状態を付与する機能を備えている。ここで、第1特典遊技状態としては、前記特別入賞口へのパチンコ球の入賞契機が、当該第1特典遊技状態が付与されていない状態に較べて増加する状態である。具体的には、第1特典遊技状態では、特図当り確率を低確率から高確率に変動することにより特別入賞口へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。以下の説明では、第1特典遊技状態を、便宜的に「確変状態」というものとする。
また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第2特典遊技状態を付与する機能を備えている。ここで、第2特典遊技状態としては、前記第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞契機が、当該第2特典遊技状態が付与されていない状態に較べて増加する状態である。具体的には、第2特典遊技状態では、(1)普図変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての第2始動入賞口31bを開放する開閉部材33,33の開放時間を増やすこと、により第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。なお、第2特典遊技状態では、上記(1)〜(3)を単独または複数を組み合わせることができる。なお、普図当り1回についての第2始動入賞口31bを開放する開閉部材33,33の開放時間を増やすに際しては、開閉部材33,33の開放時間を単純に延長することで実現してもよく、また開閉部材33,33の開放回数を増やすことで実現することもでき、またこれらを複合させてもよい。なお、実施例では、第2特典遊技状態として上記(1)〜(3)を組み合わせており、以下の説明では、これら(1)〜(3)を組み合わせた状態を便宜的に「変短状態」というものとする。
次に、実施例のパチンコ機10で付与される大当り遊技について説明する。図3に示すように、大当り遊技は、特図変動表示の結果として特図表示器50,51に大当り図柄が停止表示された後に開始されるよう設定されており、大当り遊技の開始を示すオープニング演出OPと、オープニング演出終了後に行われる規定ラウンド数(実施例では5ラウンド、9ラウンドまたは16ラウンド)だけラウンド間インターバルを挟んで繰り返されるラウンド遊技と、大当り遊技の終了を示すエンディング演出EDとにより構成されている。前記ラウンド遊技では、発生した大当りの種類に応じた開放動作で特別入賞装置40の開閉扉43が開閉動作して、1回のラウンド遊技において特別入賞口に規定個数(例えば9個)のパチンコ球が入賞するか、或いは各ラウンド遊技の開始から規定時間(ラウンド遊技時間)が経過することで1回のラウンド遊技が終了する。なお、大当り遊技における各ラウンド遊技の間は、所定時間(以下「ラウンド間インターバル」という)だけ開閉扉43または開閉部材33,33が閉鎖状態で保持されるインターバルが設定されている。すなわち、大当り遊技では、前記開閉扉43が各大当り遊技の規定ラウンド数以上の開閉動作を行う。
実施例のパチンコ機10では、図3に示すように、大当り判定に当選した場合に、遊技者に与える価値が異なる複数種類(実施例では11種類)の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与される。ここで、11種類の大当り遊技の内で何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り判定に当選した際に決定される大当り図柄(特図1および特図2)の種類に基づいて決定されるようになっている。実施例において第1特図表示器50に表示可能な100種類の大当り図柄としての特図1は、図柄A、図柄B、図柄C、図柄D、図柄E、図柄Fの6つのグループに分類されており、第1特図表示器50に確定停止表示された特図1に応じて6種類の大当り遊技が付与されるようになっている。また、実施例において第2特図表示器51に表示可能な100種類の大当り図柄としての特図2は、図柄a、図柄b、図柄c、図柄d、図柄eの5つのグループに分類されており、第2特図表示器51に確定停止表示された特図2に応じて5種類の大当り遊技が付与される。
ここで、図柄A、図柄Bに分類される特図1が第1特図表示器50に表示されるか、図柄aに分類される種類の特図2が第2特図表示器51に表示された場合には、大当り遊技として特別確変大当り遊技(特別当り遊技,第1当り遊技)が付与されるようになっている。前記特別確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。そして、特別確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および変短状態が継続して付与されるようになっている。そして、特別確変大当り遊技の各ラウンド遊技では、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。すなわち、前記確変大当り遊技の全てのラウンド遊技は、ラウンド遊技開始から終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成されている。従って、特別確変大当り遊技では、各ラウンド遊技において開閉扉43が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で16回の開閉動作を開閉扉43が繰り返すようになっている。
本実施例では、全てのラウンド遊技が、長時間開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成された特別確変大当り遊技(特別当り遊技,第1当り遊技)として、規定ラウンド数が「9回」に設定された9R特別確変大当り遊技が設けられている。この9R特別確変大当り遊技は、図柄dに分類される特図2が第2特図表示器51に表示された場合に付与される大当り遊技であって、図柄A、図柄Bまたは図柄aに分類される特図1または特図2が第1特図表示器50または第2特図表示器51に表示された場合に付与される前記特別確変大当り遊技と規定ラウンド数が異なるだけで、その他の設定(各ラウンド遊技の入賞上限個数、ラウンド遊技時間、オープニング演出時間、エンディング演出時間、ラウンド間インターバル等)は同じである。なお、図柄dに分類される大当り図柄が決定された場合には、大当り遊技の終了後の遊技演出モードが後述する確変モードに移行するよう設定されている。
図柄Cに分類される特図1が第1特図表示器50に表示された場合には、大当り遊技として第1の特殊確変大当り遊技(以下、ジャンプアップ確変大当り遊技という)が付与されるようになっている。前記ジャンプアップ確変大当り遊技(第2当り遊技)は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。そして、ジャンプアップ確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および変短状態が継続して付与されるようになっている。
図柄Dに分類される特図1が第1特図表示器50に表示された場合には、大当り遊技として16R突然確変大当り遊技(第2当り遊技、短縮当り遊技)が付与されるようになっている。また、図柄Eに分類される特図1が第1特図表示器50に表示された場合には、大当り遊技として5R突然確変大当り遊技(第2当り遊技、短縮当り遊技)が付与されるようになっている。前記16R突然確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。そして、16R突然確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および変短状態が継続して付与されるようになっている。16R突然確変大当り遊技の各ラウンド遊技では、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を短時間開放する短時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。そして、16R突然確変大当り遊技では、各ラウンド遊技において開閉扉43が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で16回の開閉動作を開閉扉43が繰り返すようになっている。
図柄Fに分類される特図1が第1特図表示器50に表示された場合には、大当り遊技として通常非確変大当り遊技が付与されるようになっている。前記通常非確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。そして、通常非確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない(非確変状態とされる)と共に、大当り遊技終了時から予め決められた変短回数(実施例では80回)の特図変動表示が行われるまでの間だけ変短状態が付与されるようになっている。なお、通常非確変大当り遊技における各ラウンド遊技での開閉扉43の開閉態様は、前述した特別確変大当り遊技と同じである。すなわち、通常非確変大当り遊技の各ラウンド遊技では、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。すなわち、前記非確変大当り遊技の全てのラウンド遊技は、ラウンド遊技開始から終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成されている。従って、通常非確変大当り遊技では、各ラウンド遊技において開閉扉43が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で16回の開閉動作を開閉扉43が繰り返すようになっている。
図柄bに分類される特図2が第2特図表示器51に表示された場合には、大当り遊技として特殊当り遊技としての第2の特殊確変大当り遊技(以下、ステップアップ確変大当り遊技という)が付与されるようになっている。前記ステップアップ確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。そして、ステップアップ確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および変短状態が継続して付与されるようになっている。
図柄cに分類される特図2が第2特図表示器51に表示された場合には、大当り遊技として短縮確変大当り遊技が付与されるようになっている。また、図柄eに分類される特図2が第2特図表示器51に表示された場合には、大当り遊技として短縮非確変大当り遊技が付与されるようになっている。前記16R短縮確変大当り遊技および16R短縮非確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定される。そして、16R短縮確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および変短状態が継続して付与されるようになっている。一方、16R短縮非確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない(非確変状態とされる)と共に、大当り遊技終了時から予め決められた変短回数(実施例では80回)の特図変動表示が行われるまでの間だけ変短状態が付与されるようになっている。
実施例のパチンコ機10は、前記図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容(表示内容)が異なる複数(実施例では4つ)の遊技演出モードを備えている。ここで、遊技演出モードは、その時点での遊技状態が確変状態であるか否かを遊技者に示唆すると共に、変短状態であるか否かを遊技者に示唆する遊技状態示唆画像を図柄表示装置17に表示させて遊技演出を行うようになっている。そして、実施例のパチンコ機10では、所定のモード移行条件が成立することで遊技演出モードが変更され得るようになっている。ここで、実施例では、大当りの発生および大当り遊技後の図柄変動(第1または第2特図変動表示)の変動回数(実施例では80回)がモード移行条件とされている。
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。実施例のパチンコ機10には、パチンコ機10を全体的に制御するメイン制御基板(メイン制御手段)60と、該メイン制御基板60からの制御信号に基づいて各制御対象を制御するサブ制御基板(サブ制御手段)65,70,72,73とが設けられている。すなわち、メイン制御基板60では、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)34a,34b,44,48からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板65,70,72,73に出力されるようになっている。
前記メイン制御基板60は、制御処理を実行するメイン制御CPU60a、該メイン制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM60b、当該メイン制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM60c等が備えられている(図8参照)。そして、前記始動入賞検出センサ34a,34b、特別入賞検出センサ44、通過球検出センサ48、普通入賞検出センサ等の各種センサが前記メイン制御CPU60aに接続されている。また、メイン制御CPU60aには、第1および第2特図表示器50,51、第1および第2特図保留表示部52,53、普図表示器55、普図保留表示部56、ラウンド表示部57、状態表示部58等の各表示器や表示部が接続されて、各検出センサ34a,34b,44,48の検出を契機としてメイン制御CPU60aで実行された制御処理に基づいて、各表示器50,51,55や各表示部52,53,56,57,58の表示制御が実行されるようになっている。また、メイン制御CPU(開放制御手段)60aには、前記始動入賞装置30および特別入賞装置40に設けられたソレノイド32,42が接続されており、該メイン制御CPU60aでの制御処理結果に基づいて各ソレノイド32,42の駆動制御が行われるようになっている。そして、メイン制御CPU60aは、当り遊技の種類に応じて前記特別入賞ソレノイド42を駆動制御し、開閉扉43を長時間開放動作させる長時間開放制御および開閉扉43を短時間開放動作させる短時間開放制御を実行するよう構成される。
前記メイン制御CPU60aは、判定用乱数としての大当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数(リーチ判定用乱数)、変動パターン振分用乱数、普図当り判定用乱数等の各種乱数の値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
一方、メイン制御ROM60bには、図柄変動演出の結果、大当りを発生させることを示す大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、前記大当り判定用乱数を用いて大当りか否かの判定(大当り判定)で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、大当り判定値は、大当り判定を行う時点で前述した確変状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、確変状態のときに設定される大当り判定値の数(実施例では1518個)は、非確変状態の場合に設定される大当り判定値の数(実施例では164個)よりも多く設定されている。すなわち、確変状態のときの大当り判定値の設定数を多くすることで、大当りが発生し易くなっている。
前記統括制御基板65には、統括制御CPU65aが備えられている。該統括制御CPU65aには、統括制御ROM65bおよび統括制御RAM60cが接続されている。また、統括制御CPU65aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を統括制御RAM65cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。更に、統括制御CPU65aは、前記図柄表示装置17で実行される表示演出の1種類であるバトル演出に際して出現する敵キャラクタ毎の勝敗情報や、大当り遊技中における獲得出球情報を統括制御RAM65cの設定領域に記憶すると共に、該情報を更新するよう設定される。
次に、図8に基づき表示制御基板70について説明する。表示制御基板70には、表示制御CPU70aが備えられている。該表示制御CPU70aには、表示制御ROM70bおよび表示制御RAM70cが接続されている。また、表示制御基板70(表示制御CPU70a)には、図柄表示装置17が接続されている。表示制御ROM70bには、図柄表示装置17の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、表示制御ROM70bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。更に、表示制御RAM70cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
次に、メイン制御基板60のメイン制御CPU60aが制御プログラムに基づき実行する各種処理について具体的に説明する。
特図入力処理では、図4に示すように、始動入賞装置30の第1始動入賞口31aにパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する(ステップA11)。すなわち、ステップA11においてメイン制御CPU60aは、第1始動入賞口31aに対応する第1始動入賞検出センサ34aがパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA11の判定結果が否定の場合には、ステップA15に移行する。ステップA11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の記憶数が上限数の「4」未満であるか否かを判定する(ステップA12)。ステップA12の判定結果が否定(すなわち第1特図始動保留情報の記憶数が「4」)の場合には、メイン制御CPU60aは、ステップA15に移行する。
次に、特図開始処理について図5に基づき説明する。メイン制御CPU60aは、特図開始処理を所定の周期(実施例では4ms)毎に実行している。特図開始処理では、メイン用制御CPU60aは、特図表示器50,51および図柄表示装置17において特図1または特図2が変動表示中であるか、または大当り遊技中であるか否かを判定する(ステップB11)。そして、ステップB11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。一方、ステップB11の判定結果が否定の場合には、第2特図始動保留情報の記憶数を読み出し(ステップB12)、第2特図始動保留情報の記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB13)。ステップB13の判定結果が否定の場合には(第2特図始動保留情報の記憶数=0の場合には)、メイン制御CPU60aは、ステップB16の処理に移行する。メイン制御CPU60aは、ステップB13の判定結果が肯定の場合には(第2特図始動保留情報の記憶数>0の場合には)、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第2特図変動演出を実行することを示す値「1」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第2特図始動保留情報の記憶数を1減算して(ステップB14)、当該第2特図始動保留情報の記憶数に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数の値、リーチ判定用乱数の値、特図振分用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および変動パターン振分用乱数の値をメイン制御CPU60aが取得する(ステップB15)。
次に、統括制御基板65で実行される処理について説明する。統括制御基板65の統括制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aから入力された変動パターン指定コマンドに基づいて、当該図柄変動演出において実行する演出パターンを決定し、決定した演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。ここで、統括制御CPU65aが選択可能な演出パターンは、演出モード毎に分類されており、統括制御基板65に入力される演出モードフラグの設定値に基づいて選択可能な演出パターンから変動パターンに対応する演出パターンが選択される。また、統括制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドが入力されると、該コマンドに対応する特図の停止図柄指定に応じて図柄表示装置17に最終停止表示させる各図柄表示列26a,26b,26cの飾図を決定する。すなわち、統括制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指定された図柄が大当り図柄の場合には、大当り表示となる飾図の図柄組み合わせとなるよう各図柄表示列26a,26b,26cの飾図が決定される。そして、前記演出パターンで特定される各図柄表示列26a,26b,26cの飾図の停止タイミングにおいて、各列の飾図指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。具体的には、統括制御CPU60aは、変動パターン指定コマンドが入力されると同時にタイマ手段(図示せず)により時間の計測を開始し、左図柄表示列26aの飾図の停止タイミングにおいて左飾図指定コマンドを出力し、右図柄表示列26cの飾図の停止タイミングにおいて右飾図指定コマンドを出力し、中図柄表示列26bの飾図の停止タイミングにおいて中飾図指定コマンドを出力する。
前記表示制御基板70では、演出パターン指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定される演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該演出パターンに対応した表示内容で図柄変動演出を実行させるように図柄表示装置17を制御する。そして、表示制御CPU70aは、図柄変動演出の開始に伴って演出開始からの経過時間を計時し、計測した時間毎に演出パターンに基づいた画像が表示されるよう図柄表示装置17に映し出す画像を所定の周期毎に切り替える。そして、表示制御CPU70aは、各図柄表示列26a,26b,26cの図柄停止コマンドが入力されると、対応する図柄表示列26a,26b,26cの有効停止位置27に飾図指定コマンドで指定された飾図を仮停止させ、全図柄停止コマンドが入力されると、各図柄表示列26a,26b,26cの有効停止位置27に飾図指定コマンドで指示された飾図を図柄表示装置17に確定停止表示させるように図柄表示装置17の表示内容を制御し、図柄変動演出を終了させる。また、表示制御CPU70aは、モード指定コマンドが入力されると、指示された演出モードに対応する背景画像を表示させる。
本実施例では、パチンコ機10において遊技が行われていることを検出する遊技検出手段が設けられる。遊技検出手段として、遊技盤20の盤面に設けられた始動入賞検出センサ34a,34b、普通入賞検出センサ、通過球検出センサ48が用いられ、これら検出センサ43a,43b,48による球検出の信号がメイン制御基板60に入力されることで、該メイン制御基板60のメイン制御CPU60aが、遊技が行われていると判定するよう設定される。またメイン制御CPU60aは、前記遊技検出手段43a,43b,48からの球検出信号が入力されると同時にメインタイマ手段により時間の計時を開始し、該メインタイマ手段が予め設定されたデモ設定時間を計時しても新たな球検出信号が入力しないことを条件(所定条件)として、パチンコ機10をデモ演出モードに移行するよう設定される。すなわち、メイン制御CPU60aが、デモ演出を図柄表示装置17で実行させるデモ演出実行制御手段の機能を有している。
前記デモ演出モードにおける図柄表示装置17の表示態様としては、図柄変動演出の変動停止時の背景画面をそのまま継続して表示すると共に、飾図や背景の一部が揺動する演出が実行される。なお、デモ演出モード中において、前記遊技検出手段43a,43b,48からの球検出信号がメイン制御基板60に入力されると、デモ演出モードから直前の遊技演出モードに移行する。また、デモコマンドがメイン制御CPU60aから送信されたときの遊技演出モードからデモ演出モードへの移行条件は、該デモコマンドを統括制御CPU65aが受信したときに前記第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報の記憶数が無いことが条件とされる。
本実施例のパチンコ機10では、当該パチンコ機10が備える各種電飾装置18,85やバックライト17cを、消費電力量が所定の値となる通常発光制御モード(通常モード)と、各種電飾装置18,85やバックライト17cの消費電力量を通常発光制御モードで制御した場合より低くし得る節電モードとを選択可能に構成されているので、該モードを選択するための関連構成について以下説明する。
電力消費モード選択設定処理の具体的な流れについて、図9を参照して説明する。なお、図9では、電力消費モード選択設定処理を含む環境設定の各工程毎の図柄表示装置17の画像表示面17aに表示される画面を概略的に示しており、該画像表示面17a上に表示されている操作ボタンの画像について、符号35,36(36a,36b)を付して示している。
(1) 第1電飾装置18、第2電飾装置85およびバックライト17cの夫々を、通常発光制御モードまたは節電モードに個別に選択し得るように構成したので、パチンコ機10を遊技店の要望に応じた節電態様に設定することができる。例えば、前枠13が備える第1電飾装置18または遊技盤20が備える第2電飾装置85のみを節電モードとしたり、図柄表示装置17が備えるバックライト17cのみを節電モードとする等、各種の組み合わせで節電モードを設定することができる。
(2) 遊技盤20に配設される統括制御基板65に、パチンコ機10が備える電飾装置18,85およびバックライト17cの夫々を通常発光制御モードまたは節電モードに選択設定する機能および該モードに対応する発光制御設定情報を記憶する機能を備えるよう構成したので、既存のパチンコ機10に対して統括制御基板65を交換するだけで、通常発光制御モードまたは節電モードを電飾装置18,85およびバックライト17cの夫々で個別に選択可能な態様に変更できる。
(3) 本実施例では、遊技に関する記憶や貸球および賞球に関する記憶を初期化するクリア回路84からのクリア信号(クリアスイッチ84aをON操作した状態で電源スイッチ83aをON操作するラムクリ操作)によっては、統括制御RAM65cに記憶されている記憶内容(電力消費モードに係る情報)は初期化されないよう構成したので、クリア回路84からクリア信号が出力される毎に、電力消費モード選択設定で選択されたモードを再び選択設定する操作を必要としない。また、統括制御基板65はバックアップ電源を備えているので、電気の供給が停止した場合であっても、前記統括制御RAM65cに記憶されている発光制御設定情報を保持することができ、電気の供給が再開されたときにモード選択によって新ためてモードを設定する作業を不要とし得る。
(4) 本実施例では、図柄変動ゲーム中や大当り遊技中等に図柄表示装置17での演出画像を変化させたり可動体37,38等を移動させる際に用いられる演出用の操作ボタン35,36を利用して電力消費モードの選択を行い得るよう構成したから、専用の操作手段を設ける必要はなく、部品点数の増加やコスト上昇を抑えることができる。
(5) 本実施例では、クリア回路84からのクリア信号がメイン制御CPU60aに入力された条件、および左右のボタン35a,36aの同時長押しの条件が揃わない限り、電力消費モードを選択することはできないので、電力消費モードの選択を行う操作手段として演出用の操作ボタン35,36を利用しても、遊技者が不用意に電力消費モードを変更等してしまう事態を防止し得る。
本願は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1) 実施例では、メイン制御CPUから出力された電源ON信号コマンドおよびクリアコマンドが統括制御CPUに入力されると、先ず環境設定移行画面が図柄表示装置に表示されるよう構成したが、統括制御CPUに電源ON信号コマンドおよびクリアコマンドが入力されたときに、モード設定対象項目選択画面(図9(c))を図柄表示装置に表示するよう構成してもよい。そして、この場合は、統括制御CPUに電源ON信号コマンドおよびクリアコマンドが入力された時点(電源投入時点)から計時されるモード選択可能期間を統括制御CPU(モード選択可能期間設定手段)で設定し、該モード選択可能期間中においてのみ操作ボタンの操作を有効として、既に統括制御RAM(モード記憶手段)に記憶されている発光制御設定情報を、このモード選択可能期間中に操作ボタンで選択されたモードに対応する発光制御設定情報に書き替えて記憶させるようにすればよい。
(2) 実施例では、電力消費モード選択設定に際してモードを選択する操作手段として演出用の操作ボタンを用いた場合で説明したが、専用の操作ボタンを設けたものであってもよい。この場合に、モード選択用の操作ボタンを統括制御基板に設ければ、既存のパチンコ機を、複数の発光装置の夫々について個別に通常発光制御モードまたは節電モードに選択設定し得る態様に変更する場合の作業性がよい。また、統括制御基板は、外枠に対して中枠を開放しない限り機前側からアクセスできない箇所(遊技盤の裏側)に設けられるものであるので、該統括制御基板にモード選択用の操作ボタンを設けておけば、遊技者によって不要に電力消費モードが変更されるのを確実に防止し得る。
(3) 実施例では、統括制御RAMに設定された第1記憶領域および第2記憶領域に、発光制御設定情報を記憶するよう構成したが、統括制御基板に、発光制御設定情報を記憶する専用のRAM(記憶手段)を設けてもよく、この場合はクリア回路からクリア信号が出力された際に統括制御RAMが初期化される構成であってもよい。
(4) 実施例では、クリア回路からのクリア信号によっては統括制御RAMが初期化されないよう構成したが、メイン制御RAMと同様に初期化されるものであってもよい。また、統括制御RAMについて、統括制御基板に切替えスイッチを設け、クリア信号によって初期化する態様と、初期化されない態様とを選択可能な構成を採用することもできる。
(5) 統括制御基板を外部端子板を介してホールコンピュータに電気的に接続し、統括制御RAMの第2記憶領域に記憶されている発光制御設定情報を、統括制御基板(統括制御CPU)からホールコンピュータに出力するよう構成してもよい。この構成によれば、ホールコンピュータにおいて、各パチンコ機の発光装置が現在どのモードで制御されているかを把握することができる。
(6) 実施例では、電力消費モードを選択設定する対象の範囲として、前枠が備える第1電飾装置、遊技盤が備える第2電飾装置および図柄表示装置が備えるバックライトで区分した場合で説明したが、より細かい範囲でモードを選択設定し得るようにしてもよい。例えば、遊技盤に配設した可動演出装置に配設される発光装置と、遊技盤の盤面に配設されるその他の発光装置とを区別して個々にモードを選択する等、モード選択する区分は任意に設定可能である。
(7) 節電モードに関し、消費電力が異なる複数のモードを設定して選択可能に構成してもよい。例えば、通常発行制御モードに対する消費電力の差が異なる第1節電モード、第2節電モード、第3節電モード・・・を設定し、各発光装置の夫々について、第1節電モード、第2節電モード、第3節電モード・・・から選択して設定することも可能である。
(8) 電源起動時のクリア処理後における初期起動時に、可動演出装置や電飾装置等の遊技部品の動作チェックを行うように構成してもよく、環境設定移行画面は、前記動作チェックを行う期間(例えば、20〜30秒程度の動作チェック期間)に対応するように表示期間を設定してもよい。各遊技部品の動作チェック期間は、実質的に遊技を行うことができない期間であるので、該動作チェック期間を利用して環境設定を行えるようにすることで、パチンコ機の稼働可能な期間に影響を与えるのは抑制される。
(9) 通常発光制御モードでの発光制御と、節電モードでの発光制御とについては、遊技者がパチンコ機の遊技を行なっている状態および遊技を行っていないデモ演出中の何れの状態でも、電力消費モードとして設定されたモードで常に各発光装置を制御する構成に限らず、電力消費モードとして節電モードが設定されている状態において、遊技者がパチンコ機の遊技を行っていないデモ演出中の発光制御は節電モードで行い、遊技者によりパチンコ機の遊技が行われているときの発光制御は通常発光制御モードで行う構成を採用可能である。すなわち、電力消費モードとして節電モードが設定されている場合は、デモ演出モードから通常の遊技演出モードへの移行条件の成立、および遊技演出モードからデモ演出モードへの移行条件の成立によって、発光装置の発光制御のモードが対応する節電モードまたは通常発光制御モードに変更されるよう構成されていればよい。
(10) 実施例では、メイン制御RAMに貸球や賞球の情報を記憶するよう構成したが、払出制御基板に払出制御ROMや払出制御RAMを備えるよう構成し、メイン制御RAMには遊技に関する情報のみを記憶すると共に、払出制御RAMに貸球や賞球の情報を記憶するようにしたものであってもよい。
(11) 実施例では、メイン制御基板とサブ制御基板(統括制御基板、表示制御基板、ランプ制御基板、音制御基板)とで分けて各種制御を行うようにしたが、メイン制御基板で行う制御をサブ制御基板で行うようにしたり、逆にサブ制御基板が行う制御をメイン制御基板で行うようにしてもよい。すなわち、メイン制御基板とサブ制御基板とを分けることなく1つの制御基板で、パチンコ機の全体を制御する構成を採用し得る。
(12) なお、発光装置のモードを設定する作業は、基本的には遊技店の従業員が行うものであるが、遊技者によっては発光装置の発光演出が過度で煩わしいと感じる場合も考えられることから、デモ演出時のように遊技を行っていない場合に、図柄表示装置に電力消費モードを選択し得る画像を表示し、遊技者が操作ボタンによって発光装置を通常発光制御モードで制御するか節電モードで制御するかを選択可能を構成を採用し得る。
(13) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。
本願には、例えば以下のような技術的思想が含まれている。
(A)複数の発光装置(18,17c,85)を備えた遊技機において、
前記発光装置(18,17c,85)毎に通常モードおよび該通常モードより消費電力を抑える節電モードを個別に選択可能なモード選択手段(35,36)と、
前記通常モードに対応する第1の発光制御設定情報および前記節電モードに対応する第2の発光制御設定情報を記憶する発光制御設定情報記憶手段(65c)と、
前記モード選択手段(35,36)での選択に応じて、前記通常モードでは第1の発光制御設定情報を記憶し、前記節電モードでは第2の発光制御設定情報を記憶するモード記憶手段(65c)と、
前記モード記憶手段(65c)に記憶されている情報に基づいて各発光装置(18,17c,85)を個別に発光制御する発光制御手段(65a)とを備えたことを要旨とする。
このように、複数の発光装置毎に、通常モードまたは節電モードを選択可能に構成したので、遊技機を遊技店の要望に応じた節電態様に設定することができる。
(B)前記(A)の構成を含む遊技機において、
前記発光制御手段(65a)は、発光制御設定情報記憶手段(65c)およびモード選択手段(35,36)を備えたことを要旨とする。
このような構成によれば、既存の遊技機に対して発光制御手段を交換するだけで、通常モードまたは節電モードを各発光装置毎に個別に選択可能な態様に変更できる。
(C)前記(A)または(B)の構成を含む遊技機において、
機前面側を構成し、第1の発光装置(18)を備える前面部材(13)と、該前面部材(13)に着脱自在に配設され、第2の発光装置(85)を備える遊技盤(20)と、該遊技盤(20)に配設され、第3の発光装置(17c)を備える図柄表示装置(17)とを有し、
前記第1〜第3の発光装置(18,85,17c)の発光制御設定情報が、前記モード記憶手段(65c)に第1〜第3の発光装置(18,85,17c)毎に個別に記憶されるよう構成したことを要旨とする。
このような構成によれば、前面部材、遊技盤および図柄表示装置が備える各発光装置について、個別に通常モードまたは節電モードに選択設定することができる。
(D)前記(A),(B),(C)の何れか一項の構成を含む遊技機において、
遊技に関する情報を記憶する主記憶手段(60c)および貸球や賞球に関する情報を記憶する払出し記憶手段(60c)と、
前記主記憶手段(60c)および払出し記憶手段(60c)を初期化するクリア手段(83,83a,84,84a)とを備え、
前記モード記憶手段(65c)は、前記クリア手段(83,83a,84,84a)では初期化されないよう構成したことを要旨とする。
このような構成によれば、遊技に関する記憶や貸球および賞球に関する記憶をクリア手段によって初期化する場合であっても、モード記憶手段に記憶している記憶内容は初期化されないので、クリア手段でクリア操作を行なう毎にモードを再び選択設定する操作を必要としない。
(E)前記(A),(B),(C),(D)の何れか一項の構成を含む遊技機において、
前記モード選択手段は、演出用の操作手段(35,36)であり、
電源投入時点から計時されるモード選択可能期間を設定するモード選択可能期間設定手段(65a)を備え、
前記発光制御手段(65a)は、前記モード選択可能期間設定手段(65a)で設定したモード選択可能期間中は、前記モード記憶手段(65c)に記憶されている発光制御設定情報を、前記操作手段(35,36)で選択されたモードの発光制御設定情報に書き換えて記憶させ得るよう構成したことを要旨とする。
このような構成によれば、演出用の操作手段によってモードを選択することができる。
13 前枠(前面部材)
17 図柄表示装置
17c バックライト(発光装置、第3の発光装置)
18 第1電飾装置(発光装置、第1の発光装置)
20 遊技盤
35 第1操作ボタン(操作手段、モード選択手段)
36 第2操作ボタン(操作手段、モード選択手段)
60c メイン制御RAM(主記憶手段、払出し記憶手段)
65a 統括制御CPU(発光制御手段、モード選択可能期間設定手段)
65c 統括制御RAM(発光制御設定情報記憶手段、モード記憶手段)
85 第2電飾装置(発光装置、第2の発光装置)
Claims (4)
- 複数の発光装置を備えた遊技機において、
前記発光装置毎に通常モードおよび該通常モードより消費電力を抑える節電モードを個別に選択可能なモード選択手段と、
前記通常モードに対応する第1の発光制御設定情報および前記節電モードに対応する第2の発光制御設定情報を記憶する発光制御設定情報記憶手段と、
前記モード選択手段での選択に応じて、前記通常モードでは第1の発光制御設定情報を記憶し、前記節電モードでは第2の発光制御設定情報を記憶するモード記憶手段と、
前記モード記憶手段に記憶されている情報に基づいて各発光装置を個別に発光制御する発光制御手段と、
遊技に関する情報を記憶する主記憶手段および賞球に関する情報を記憶する払出し記憶手段と、
前記主記憶手段および払出し記憶手段を初期化するクリア手段とを備え、
前記モード記憶手段は、前記クリア手段では初期化されないよう構成した
ことを特徴とする遊技機。 - 複数の発光装置を備えた遊技機において、
前記発光装置毎に通常モードおよび該通常モードより消費電力を抑える節電モードを個別に選択可能なモード選択手段と、
前記通常モードに対応する第1の発光制御設定情報および前記節電モードに対応する第2の発光制御設定情報を記憶する発光制御設定情報記憶手段と、
前記モード選択手段での選択に応じて、前記通常モードでは第1の発光制御設定情報を記憶し、前記節電モードでは第2の発光制御設定情報を記憶するモード記憶手段と、
前記モード記憶手段に記憶されている情報に基づいて各発光装置を個別に発光制御する発光制御手段と、
遊技に関する情報を記憶する主記憶手段と、
前記主記憶手段を初期化するクリア手段とを備え、
前記モード記憶手段は、前記クリア手段では初期化されないよう構成した
ことを特徴とする遊技機。 - 前記発光制御手段は、発光制御設定情報記憶手段およびモード選択手段を備えた請求項1または2記載の遊技機。
- 機前面側を構成し、第1の発光装置を備える前面部材と、該前面部材が組み付けられる本体枠に配設され、第2の発光装置を備える遊技盤と、該遊技盤に配設され、第3の発光装置を備える図柄表示装置とを有し、
前記第1〜第3の発光装置の発光制御設定情報が、前記モード記憶手段に第1〜第3の発光装置毎に個別に記憶されるよう構成した請求項1〜3の何れか一項に記載の遊技機。
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