JP2013153885A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】隣接配置された複数の発光手段において遊技関連情報を正確に表示する。
【解決手段】始動入賞口31a,31bへの入賞を契機として特定された遊技関連情報に応じて個別に発光制御される相互に隣接した複数の特殊演出図柄表示LED101,102と、各特殊演出図柄表示LED101,102に対応して設けられ、LED101,102の発光状態により遊技関連情報を表示する光透過部材111と、特殊演出図柄表示LED101,102に隣接して設けられた発光演出LED104と、特殊演出図柄表示LED101,102の間に設けられ、何れかのLED101,102を発光した際に隣接する光透過部材111への光の入射を防止する第1遮光部115と、特殊演出図柄表示LED101,102および発光演出LED104の間に設けられ、該発光演出LED104を発光した際に、光透過部材111への光の入射を防止する遮光手段92cとを備えた。
【選択図】図19

Description

この発明は、発光表示部の発光状態により遊技関連情報を表示するよう構成された遊技機に関するものである。
代表的な遊技機であるパチンコ機は、遊技店の図示しない設置枠台に設置される固定枠としての外枠に、遊技盤や制御装置等の各種部材が設置される本体枠としての中枠を開閉および着脱可能に組み付けると共に、該遊技盤を透視保護するガラス板を備えた装飾枠としての前枠を中枠の前面側に開閉可能に組み付けて構成される。前記遊技盤には、パチンコ球(遊技球)が流下する遊技領域が画成されており、該遊技領域を流下するパチンコ球が遊技盤に配設された始動入賞装置(始動入賞手段)の入賞口へ入賞するのを契機として当りを生起するか否かを判定する当り抽選が行なわれるようになっている。また、前記遊技盤の裏側には、前記始動入賞装置の入賞口へのパチンコ球の入賞を契機として、複数列の図柄を変動表示して図柄変動演出を行なう液晶式やドラム式等の図柄表示装置(図柄表示手段)が設置されており、前記当り抽選の抽選結果に応じた最終表示が図柄表示装置に確定停止表示されることで、当り遊技(大当り遊技や小当り遊技)が発生するか否かを遊技者が認識し得るようになっている。そして、前記当り抽選の抽選結果が当りであった場合には、前記図柄変動演出後に、当り遊技の種類に応じた当り演出表示を図柄表示装置に表示すると共に、特別入賞装置(特別入賞手段)の入賞口を開閉扉(開閉手段)が開閉する当り遊技(大当り遊技または小当り遊技)が抽選結果に応じて付与されて、遊技者が賞球を獲得する機会が与えられるようになっている(特許文献1)。
また、この種のパチンコ機では、前記図柄表示装置の作動状態を表示する表示部や始動保留数を表示する表示部のように、パチンコ機に保持された内部情報としての遊技関連情報を発光状態により表示する発光表示部が設けられたものがある。このような発光表示部は、LED等の発光手段と、LEDの発光により明輝されるレンズ部とを備えており、表示するべき遊技関連情報の状態に応じてLED等の発光手段を点灯・消灯或いは点滅させて、各レンズ部の発光状態により関連付けられた遊技内容を遊技者に知らせるよう構成される。このような発光表示部を設けることにより、遊技に必要な情報を遊技者が的確に把握することが可能となり、遊技に対する関心を高めることにもなる。
特開2005−192818号公報
前述した発光表示部の点灯や点滅等の発光状態は、遊技状態の把握に直結することであり、該発光表示部の表示内容が正確であることが求められる。ところで、近年のパチンコ機では、可動体の動作による演出を行う可動演出装置や発光演出部材の発光による演出を行う演出装置が設置されるケースが多く、また図柄表示装置自体の大型化も進んでいることから、遊技関連情報を表示する発光表示部を設けるスペースが限られてきており、限られた狭いスペースに複数の発光表示部同士や、発光表示部と発光演出部材とが隣接状態で近接配置されることもある。この場合には、特定の発光表示部を点灯や点滅するために発光させた発光手段の光や発光演出部材の光が、消灯状態にあるべき隣接した発光表示部を照らしてしまい、消灯している筈の発光表示部が恰も点灯・点滅しているような誤解を与えかねないケースが増えてきており、遊技者が発光表示部の発光状態を慎重に確認しなければならず、遊技に対する注意が散漫になって遊技の興趣を低下させる要因ともなっていた。
すなわち本発明は、従来の技術に係る遊技機に内在する前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、隣接配置された複数の発光手段の夫々において遊技関連情報を正確に発光表示可能な遊技機を提供することを目的とする。
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、本発明の請求項1に係る発明は、
遊技球が流下可能な遊技領域(20a)が前側に設けられる遊技盤(20)と、該遊技盤(20)に配設されて遊技球が入賞可能な始動入賞口(31a,31b)と、遊技の進展に合わせて遊技関連情報を特定する遊技制御手段(60a)と、該遊技制御手段(60a)により特定された前記遊技関連情報に応じて発光状態を変化させるよう構成された遊技機において、
相互に隣接して配置され、前記始動入賞口(31a、31b)への入賞を契機として前記遊技制御手段(60a)により特定された遊技関連情報に応じて個別に発光制御される複数の第1の発光手段(101,102)と、
前記複数の第1の発光手段(101,102)の夫々に対応して設けられて機前面に露出し、対応する第1の発光手段(101,102)の発光状態により遊技関連情報を表示する光透過部(111)と、
前記複数の第1の発光手段(101,102)に隣接して設けられた第2の発光手段(104)と、
前記複数の第1の発光手段(101,102)の間に設けられ、何れかの第1の発光手段(101,102)を発光した際に、隣接する発光手段に対応した光透過部(111)への光の入射を防止する第1の遮光手段(92a,115)と、
前記第1の発光手段(101,102)および第2の発光手段(104)の間に設けられ、該第2の発光手段(104)を発光した際に、前記光透過部(111)への光の入射を防止する第2の遮光手段(92c)とを備えたことを要旨とする。
このように、第1の発光手段を発光させた際には、第1の発光手段の相互の光の漏れを第1の遮光手段で遮ることができる。また、第2の発光手段を発光させた際には、該第2の発光手段からの光が光透過部に入射するのを防止するようにしたことで、光透過部が意図せず明輝することはなく、光透過部の発光状態により始動入賞口への入賞を契機として遊技制御手段により特定された遊技関連情報を正確に表示することが可能となる。
請求項2に係る発明は、
前記複数の第1の発光手段(101,102)が取り付けられた基板(100)が設置される取付ベース(91)に、前記第1の遮光手段(92a,115)を支持する支持部(94)が形成されると共に、
前記第1の遮光手段(92a,115)は、
前記支持部(94)に支持された状態で前記隣接する第1の発光手段(101,102)の間に延在して前記基板(100)に当接し、隣接する第1の発光手段(101,102)への光を遮る遮光板(116)と、
前記各第1の発光手段(101,102)の光照射方向前側に設けられ、前記光透過部(111)が嵌合する嵌合凹部(118)とを備え、
前記複数の第1の発光手段(101,102)を発光した際に対応の光透過部(111)が明輝されると共に、隣接する発光手段(101,102)に対応した光透過部(111)への光の入射を前記遮光板(116)で阻止するよう構成されたことを要旨とする。
このように、複数の第1の発光手段が取り付けられた基板が設置される取付ベースに支持部を設けて、該支持部で第1の遮光手段を支持するよう構成したことで、第1の遮光手段により複数の第1の発光手段からの光が混合するのをより確実に防止することができる。しかも、隣接する第1の発光手段の間に延在して基板に当接する遮光板を第1の遮光手段に設けると共に、当該第1の遮光手段に設けた嵌合凹部に光透過部が嵌合することで、各第1の発光手段の光を対応する光透過部に対してのみ入射させることができる。
請求項3に係る発明は、
前記取付ベース(91)には、前記第2の遮光手段として前後に貫通する孔部(92c)が形成され、該孔部の開口内側に前記第2の発光手段(104)が位置するよう構成されたことを要旨とする。
このように、取付ベースに形成した孔部の開口内側に、第2の発光手段を位置させたことで、該第2の発光手段の光が照射される範囲を正確に区画することができ、第2の発光手段からの光が光透過部側に洩れるのを防止できる。
請求項4に係る発明は、
前記取付ベース(91)には、前記第1の遮光手段として前後に開口する孔部(92a)が形成され、該孔部(92a)の開口内側に前記複数の第1の発光手段(101,102)が位置すると共に、隣接する第1の発光手段(101,102)の間に、前記遮光板(116)が位置するよう構成されたことを要旨とする。
このように、取付ベースに形成した孔部の開口内側に、第1の発光手段を位置させたことで、該第1の発光手段の光が照射される範囲を正確に区画することができる。そして、孔部内で隣接位置する第1の発光手段の間に遮光板が位置することで、第1の発光手段同士をより正確に区分けすることが可能となる。
本発明に係る遊技機によれば、遊技関連情報を表示する第1の発光手段の近くに第2の発光手段が配設されていても、各第1の発光手段により遊技関連情報を正確に表示することができる。
本発明の好適な実施例に係るパチンコ機を示す正面図である。 実施例に係るパチンコ機を示す斜視図であって、中枠に対して前枠を開放した状態を示す。 実施例に係る遊技盤を示す正面図であって、特図表示器、特図保留表示部、普図表示器、普図保留表示部を拡大して示している。 大当り遊技の種類を示す説明図である。 特図入力処理の流れを示すフローチャートである。 特図開始処理の流れを示すフローチャートである。 図6のステップB15に続く処理を示すフローチャートである。 図6のステップB19に続く処理を示すフローチャートである。 実施例に係るパチンコ機の制御構成を示すブロック図である。 実施例に係る遊技演出装置を示す正面図であって、特殊演出図柄表示部の形成位置を拡大して示す。 実施例に係る遊技演出装置における取付ベース、LED基板および前面装飾カバーの夫々を分解した状態で示す斜視図である。 図10のB−B線断面図であって、取付ベース、LED基板および前面装飾カバーを分解した状態を示す。 実施例に係る取付ベースにLED基板を取り付けた状態を示す正面図である。 実施例に係る遊技演出装置を背面側から視た状態で示す分解斜視図である。 図10のC−C線断面図であって、取付ベース、LED基板および前面装飾カバーを分解した状態を示す。 実施例に係る特殊演出図柄表示部を構成する第1光透過部材および第1遮光部と第1光透過孔との関係を背面側から視た斜視図である。 (a)は第1遮光部を前側から視た斜視図であり、(b)は第1遮光部を背面側から視た斜視図であり、(c)は、第1遮光部の右側の嵌合凹部に第1光透過部材を嵌合させた状態を示す斜視図である。 図3のA−A線断面図であって、遊技演出装置の配設位置を拡大して示す。 図10のB−B線断面図であって、特殊演出図柄表示部の形成位置を拡大して示す。 実施例に係る保留表示部を構成する第2光透過部材および第2遮光部と第2光透過孔との関係を背面側から視た斜視図である。 図10のB−B線断面図であって、保留表示部の形成位置を拡大して示す。
次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、一般的なパチンコ機を例にして説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1または図2に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、所定条件の成立(後述する始動入賞装置30の始動入賞口31a,31aへのパチンコ球の入賞)を契機として演出用の図柄(以下演出図柄という)を変動表示させて図柄変動演出を行う演出実行手段としての図柄表示装置(図柄表示手段)17が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前後に開口する窓口13aがガラス板や透明な合成樹脂材で形成された透視保護板(図示せず)により覆われた装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、パチンコ球を貯留する球受け皿14,15が設けられている。なお、実施例では、前記前枠13における前記窓口13aの下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14および下球受け皿15が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上下の球受け皿14,15も一体的に開閉するよう構成される。実施例では、前記図柄表示装置17としては、演出図柄の他に各種絵柄やキャラクタ等を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されているが、これに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。
また、前記パチンコ機10の前面右下部(実施例では前枠13の前面右下部)には、前記中枠12に配設された打球発射装置77を作動する操作ハンドル16が設けられている。前記操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう回動操作することで打球発射装置77が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20の遊技領域20aに向けて1球ずつ発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー16aの回動量に応じて前記打球発射装置77によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aの回動量を変更することで、前記遊技領域20aへのパチンコ球の発射位置を任意に調節し得るようになっている。
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、図3に示すように、各種絵柄等が描かれた合成樹脂シート(図示せず)等を表面に貼付けて装飾したベニヤ材や合成樹脂材により形成された略矩形状の板部材であって、遊技盤20の裏面側に配設された設置部材80(図2、図18参照)に、前記図柄表示装置17が着脱可能に組み付けられている。前記遊技盤20の前面には、略円形状に湾曲形成した案内レール21が配設されており、該案内レール21により画成される略円形の遊技領域20aに、前記中枠12に配設された図示しない打球発射装置77から発射されたパチンコ球が打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口20b(図18参照)が適宜位置に開設されており、該装着口20bに対して各種の遊技盤設置部品(具体的には後述する枠状装飾体25、始動入賞装置30、特別入賞装置40、球通過ゲート47等)が取り付けられると共に、遊技領域20aの最下部位置には、該遊技領域20a域に打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口22が開設されている。なお、前記装着口20bの形成数は、遊技盤20に取り付けられる各種遊技盤設置部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜変更される。
実施例の前記遊技盤20には、図3に示すように、前記案内レール21で囲まれた遊技領域20aの略中央で開口する装着口20bに、前後に開口する表示窓口25aが形成されたセンター役とも称される枠状装飾体25が取り付けられ、該枠状装飾体25の表示窓口25aを介して図柄表示装置17の画像表示面17aが遊技盤20の前面側に臨むよう構成されている。ここで、前記枠状装飾体25は、図3に示すように、前記装着口20bに沿って延在する環状に形成されると共に、枠状装飾体25の上縁部から左右両側縁部に亘り延在する庇状部25bが遊技盤20の前面より前方に突出するよう設けられており、前記遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球を庇状部25bに沿って枠状装飾体25の左右側部へ案内することで、該パチンコ球が表示窓口25aを横切って流下するのを規制している。なお、枠状装飾体25には、前記表示窓口25aの開口下縁側にパチンコ球が左右に転動可能なステージ25cが配設されると共に、該表示窓口25aの左側部に、遊技領域20aに開口して該遊技領域20aを流下するパチンコ球を取込んでステージ25cに案内する球導入部25dが設けられている。なお、前記ステージ25cには、始動入賞装置30の始動入賞口(具体的には第1始動入賞口)31aの鉛直上方位置に、該始動入賞口31aに向けてパチンコ球を排出する排出部25eが設けられている。また、前記枠状装飾体25に形成された前記ステージ25cの後端部には、表示窓口25aの開口内側に延在する透明な球規制壁部25fが設けられており、ステージ25cを転動するパチンコ球が表示窓口25aを介して遊技盤20の裏側に落下するのを防止している。また、前記球規制壁部25fの上端部には、前方へ向けて延出する屋根状部25fが形成されており、遊技領域20aを流下するパチンコ球やステージ25cを転動するパチンコ球が跳ねて球規制壁部25fを飛び越えるのを防止している。
なお、前記遊技盤20には、前記遊技領域20a内に多数の遊技釘23が設けられると共に、前記枠状装飾体25の左側方に、遊技領域20aを流下するパチンコ球の接触に伴って回転する所謂「風車」とも称される回転案内部材24が回転自在に支持されており、遊技領域20aを流下するパチンコ球が遊技釘23や回転案内部材24に接触することで、流下方向が不規則に変化するよう構成されている。また、前記遊技盤20における枠状装飾体25の下方位置に開設された装着口(図示せず)に、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞口(始動入賞手段)31a,31bを有する始動入賞装置30および特別入賞口(特別入賞手段)を有する特別入賞装置40が取り付けられている。
(設置部材80について)
前記遊技盤20の裏面に配設される前記設置部材80は、前方へ開口する略矩形箱状に形成されて、外周壁部の前端部を遊技盤20の裏側に当接させた状態で固定されている。そして、前記設置部材80における遊技盤20に対向する背面板80aの裏側に、前記図柄表示装置17が着脱可能に取り付けられると共に、該背面板80aにおける図柄表示装置17の画像表示面17aに対応する位置に、前後に開口する開口部80b(図18参照)が開設されており、該設置部材80の開口部80bに臨ませた図柄表示装置17の画像表示面17aが前記枠状装飾体25の表示窓口25aを介して遊技盤20の前側から視認し得るようになっている。また、前記設置部材80における背面板80aの前面側(すなわち、遊技盤20と設置部材80により画成される空間内)には、前記開口部80bを囲うように各種の発光装置や可動装置等の遊技演出装置90が配設されており、前記表示窓口25aを介して前面から視認し得るよう構成されている。すなわち、前記設置部材80は、パチンコ機10の遊技演出に関わる図柄表示装置17や各種遊技演出装置90の設置手段として機能している。
(始動入賞装置30について)
図3に示すように、前記始動入賞装置30は、前記始動入賞口31a,31bを上下の位置関係で2つ設けられている。ここで、上側に位置する第1始動入賞口(第1始動入賞手段)31aは、遊技領域20a内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされている。下側に位置する第2始動入賞口(第2始動入賞手段)31bを挟む左右両側には、該第2始動入賞口31bを開閉可能に構成された開閉部材33が設けられており、駆動手段としての始動入賞ソレノイド32(図9参照)の駆動に伴って一対の開閉部材33,33が第2始動入賞口31bを閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。なお、実施例では、前記第2始動入賞口31bを開閉する一対の開閉部材33,33が第2始動入賞口31bを挟む左右側部に配置されて、始動入賞ソレノイド32の駆動に伴い一対の開閉部材33,33が相互に近接および離間するよう揺動される。
すなわち、実施例において前記第1始動入賞口31aは、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成され、第2始動入賞口31bは、始動入賞ソレノイド32を駆動することでパチンコ球の入賞確率を可変し得るよう構成されている。ここで、前記開閉部材33,33が閉鎖位置に変位した状態では、前記第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞が阻止されて、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞する確率よりも第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞する確率が低確率となるよう設定される一方、開閉部材33,33が開放位置に変位した状態では、開閉部材33,33で受止められたパチンコ球が第2始動入賞口31bに案内されて、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞する確率よりも高確率となるよう設定されている。
また、前記始動入賞装置30は、前記第1および第2始動入賞口31a,31bに入賞したパチンコ球を検出する始動入賞検出手段としての始動入賞検出センサ34a,34b(図9参照)が設けられている。前記始動入賞検出センサ34a,34bは、パチンコ機10の裏側に配設されたメイン制御基板60(図9参照)に配線接続されており、該始動入賞検出センサ34a,34bによるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞)を契機として所定数(実施例では3個)の賞球が払い出されるようになっている。また、始動入賞検出センサ34a,34bによるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞)に伴って各種情報(後述する各種乱数情報)が取得され、この取得した情報に基づいて後述する特図当り抽選(大当り判定)が行われるよう構成されている。そして、特図当り抽選の結果に基づいて前記図柄表示装置17において図柄変動演出が実行されると共に、後述する特図表示器50,51において特図変動が実行されるようになっている。そして、前記図柄表示装置17での図柄変動演出の結果、該図柄表示装置17に所定の組み合わせ(例えば同一演出図柄の3つ揃い等)で演出図柄が確定停止表示されることで、遊技者に有利な当り遊技(大当り遊技)が付与され、当り遊技の発生に伴って前記特別入賞装置40を所定の開放条件で開放する当り遊技が行われて、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。ここで、実施例では、前記始動入賞検出センサ34a,34bが始動入賞口31a,31b毎に設けられている。
(特別入賞装置40について)
前記特別入賞装置(入賞手段)40は、図3に示すように、遊技領域20aに開口する特別入賞手段としての特別入賞口(図示せず)を開閉自在に閉成する開閉扉(開閉部材,開閉手段)43を備えており、駆動手段としての特別入賞ソレノイド42(図9参照)の駆動に伴って開閉扉43が閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。なお、実施例では、前記開閉扉43が前後方向へ揺動することで特別入賞口を開閉するよう構成されており、該開閉扉43により特別入賞口が閉鎖された状態を図3に示す。また、前記特別入賞装置40には、前記特別入賞口に入賞したパチンコ球を検出する特別入賞検出手段としての特別入賞検出センサ44(図9参照)が設けられている。前記特別入賞検出センサ44は、前記メイン制御基板60に配線接続されており、該特別入賞検出センサ44からメイン制御基板60への入賞検出信号の入力に伴って所定数(実施例では15個)の賞球が払い出されるようになっている。ここで、前記特別入賞ソレノイド42は、前記始動入賞装置30へのパチンコ球の入賞を契機として特別入賞装置40を開放する当り遊技(大当り遊技)が付与される場合に、当りの種類に応じた所定の開閉条件に従ってメイン制御基板60によって駆動制御される。
(特図表示器50,51について)
図3に示すように、前記遊技盤20には、前記遊技領域20aの外側右下部位置に、前記始動入賞装置30(第1および第2始動入賞口31a,31b)への入賞を契機として作動する2組の特図表示器(特図表示手段)50,51が設けられている。ここで、2組の特図表示器50,51は、前記第1始動入賞口31aへの入賞を契機として変動表示を開始する第1特図表示器50と、第2始動入賞口31bへの入賞を契機として変動表示を開始する第2特図表示器51とからなり、各特図表示器50,51の何れも複数個(8個ずつ)の発光表示部により構成されている。そして、前記第1始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞を契機として、第1特図表示器50の発光表示部が順次点灯・消灯する点滅変動する特図変動表示が行われ、最終的に発光表示部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特別図柄(以下、特図という)を表示するようになっている。また、第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞を契機として、第2特図表示器51の発光表示部が点灯・消灯する点滅変動する変動表示が行われて、最終的に発光部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により特図を表示するよう構成されている。なお、実施例の各発光表示部はLEDにより構成されているが、これに限らず点灯位置を適宜変更し得る形態であればよく、また7セグメント表示器やドットマトリックス、小型の液晶表示器、その他特図表示可能な表示手段を採用できる。
ここで、前記特図は、大当りか否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄とされて、前記各特図表示器50,51では、発光表示部の点灯位置により複数種類の特図を表示し得るようになっている。具体的には、各特図表示器50,51において表示し得る特図としては、大当りを認識し得る大当り表示結果としての100種類の特図と、はずれを認識し得るはずれ表示結果としての1種類の特図とが設定されて、特図当り抽選の結果に応じて1つの特図が決定されて、特図変動表示の結果として、決定された特図が各第1特図表示器50または第2特図表示器51に確定停止表示される。そして、前記第1特図表示器50または第2特図表示器51に、大当り表示結果としての特図が表示されることで、引き続いて遊技者に大当り遊技が付与されるようになっている。なお、以下の説明では、第1特図表示器50で行われる特図変動表示を「第1特図変動表示」と称し、該第1特図変動表示の結果、第1特図表示器50に確定停止表示される特図を特図1と称する場合がある。また同様に、第2特図表示器51で行われる特図変動表示を「第2特図変動表示」と称し、該第2特図変動表示の結果、第2特図表示器51に確定停止表示される特図を特図2と称する場合がある。
(特図保留について)
また、図3に示すように、前記第1始動入賞口31aにパチンコ球が入賞した際に取得される情報(各種乱数情報)が機内部の記憶手段(メイン制御RAM60c)に第1特図始動保留情報(第1始動保留球)として記憶されるようになっている。同様に、前記第2始動入賞口31bにパチンコ球が入賞した際に取得される情報(各種乱数情報)は機内部の記憶手段(メイン制御RAM60c)に第2特図始動保留情報(第2始動保留球)として記憶されるようになっている。そして、前記遊技盤20における遊技領域20aの外側右下部位置に、この第1特図始動保留情報の記憶数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第1特図保留表示部52が設けられると共に、該第2特図始動保留情報の記憶数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第2特図保留表示部53が設けられている。すなわち、前記第1および第2特図保留表示部52,53の表示内容によって、保留されている第1特図変動表示および第2特図変動表示の回数(図柄変動演出の回数)が報知される。
ここで、前記第1特図保留表示部52で表示される第1特図始動保留情報の記憶数は、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第1特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。同様に、前記第2特図保留表示部53で表示される第2特図始動保留情報の記憶数は、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第2特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。なお、第1および第2特図始動保留情報の記憶数には所定の上限数(実施例では「4」ずつ)が設定されており、該上限数まで第1および第2特図始動保留情報の記憶数を夫々加算し得るよう設定されている。なお、前記第1および第2特図保留表示部52,53の夫々は、左右に並んだ複数(実施例では2つ)のLEDから構成されており、各始動保留記憶数が「1」〜「2」の場合には対応の特図保留表示部52,53が左から順に点灯し、各始動保留記憶数が「3」〜「4」の場合には対応の特図保留表示部52,53が左から順に点滅することで、保留情報の記憶数を遊技者が把握し得るようになっている。
(図柄表示装置17について)
実施例に係る図柄表示装置17には、前記演出図柄を変動表示可能な図柄表示列26a,26b,26cが複数列設定されており、前記第1始動入賞口31aまたは第2始動入賞口31bへの入賞を契機として、各図柄表示列26a,26b,26cにおいて演出図柄が変動開始されるようになっている。また、各図柄表示列26a,26b,26cには、演出図柄の有効停止位置27が夫々設定されており、図柄変動演出により、各図柄表示列26a,26b,26cの有効停止位置27を組み合わせた停止図柄有効ライン28に確定停止表示される演出図柄の図柄組み合わせを導出するようになっている。なお、実施例の図柄表示装置17には、3列の図柄表示列26a,26b,26cが左右横並び状に設定されると共に、各図柄表示列26a,26b,26c毎に演出図柄の有効停止位置27が1箇所ずつ定められており、3列の演出図柄からなる図柄変動演出が行われるようになっている。すなわち、実施例の図柄表示装置17には、1つの停止図柄有効ライン28が設定されている。以下の説明では、左側から順に左図柄表示列26a、中図柄表示列26b、右図柄表示列26cと指称する場合がある。
また、前記図柄表示装置17の各図柄表示列26a,26b,26cにおける演出図柄の表示領域は、第1特図表示器50および第2特図表示器51に比較して大きな領域で構成されて、特図に比較して演出図柄が遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、図柄表示装置17の停止図柄有効ライン28に停止表示された図柄組み合わせから大当りまたははずれを認識できる。
前記図柄表示装置17には、図柄変動演出の開始と共に予め定めた変動方向(実施例では上から下の縦方向)に沿って演出図柄が移動するよう変動表示されるようになっており、予め定められた停止順序で変動表示されている演出図柄が各図柄表示列26a,26b,26cの有効停止位置27に停止表示されるようになっている。なお、実施例では、図柄変動演出の開始時に、左図柄表示列26a、中図柄表示列26b、右図柄表示列26cの順で演出図柄が変動開始し、左図柄表示列26a、右図柄表示列26c、中図柄表示列26bの順で停止表示する演出図柄の変動タイミングを基本として、図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容や特図始動保留情報の記憶数等に応じて演出図柄の変動タイミングが適宜に変更されるよう構成されている。
また、図柄表示装置17では、図柄変動演出が終了する前に各図柄表示列26a,26b,26cの有効停止位置27に演出図柄が一時的に仮停止表示されて、各図柄表示列26a,26b,26cの演出図柄が確定停止表示されることで1回の図柄変動演出が終了するようになっている。すなわち、図柄変動演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示)は、1つの始動保留情報に基づいて行われる演出図柄(特図1および特図2)の変動開始から確定停止までを1回として実行されるようになっている。なお、「変動表示」とは、前記各図柄表示列26a,26b,26cにおいて、有効停止位置27に表示される演出図柄が所定順序で変化している状態である。そして、演出図柄の「確定停止」とは、前記各図柄表示列26a,26b,26cにおいて有効停止位置に演出図柄が所定の特図変動インターバル時間(実施例では600ms(ミリ秒))に亘って継続して停止表示された状態である。また、演出図柄の「仮停止」とは、前記各図柄表示列26a,26b,26cにおいて有効停止位置27に留まるよう表示された演出図柄が特図変動インターバル時間だけ継続して停止していない状態である。すなわち、演出図柄の仮停止には、有効停止位置27において演出図柄がゆれ変動状態で表示されている状態や、特図変動インターバル時間より短い時間で停止表示されている状態を含んでいる。
ここで、第1特図表示器50と図柄表示装置17では、第1特図変動表示と該第1特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図1と演出図柄とが確定停止表示される。同様に、第2特図表示器51と図柄表示装置17では、第2特図変動表示と該第2特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図2と演出図柄とが確定停止表示される。なお、第1特図表示器50および第2特図表示器51は、特図変動表示が同時に行われることはなく、一方の特図表示器50,51で特図変動表示が行われている場合には、メイン制御RAM60cに対応する第1または第2特図始動保留情報として保留記憶されるようになっている。
ここで、実施例に係る図柄表示装置17には、各図柄表示列26a,26b,26cに「0」〜「9」の10種類の数字が基本の演出図柄として設定されており、該演出図柄が各図柄表示列26a,26b,26cで順番に変動表示されるようになっている。なお、演出図柄としては、これに限られるものではなく、任意の数字や文字、絵柄等のように、遊技者が各演出図柄を区別して識別し得る形態とされる。また前記演出図柄には、大当り遊技の終了後に確変状態(後述)を付与することを確定的に遊技者が認識可能な第1の識別図柄と、大当り遊技終了後に確変状態を付与される可能性のあることを非確定的に認識可能な第2の識別図柄に分類されている。なお、本実施形態において大当り遊技終了後の付与可能な確変状態については後で詳細に説明する。ここで、第1の識別図柄としては、基本となる演出図柄の中から適宜に設定しても、基本となる演出図柄以外に定めた特別な演出図柄することもできる。なお、実施例においては、「1」、「3」、「5」、「7」、「9」の奇数図柄を第1の識別図柄とし、「0」、「2」、「4」、「6」、「8」の偶数図柄を第2の識別図柄とした例で説明する。
そして、前記図柄表示装置17における各図柄表示列26a,26b,26cの有効停止位置27(停止図柄有効ライン28)に確定停止表示された各図柄表示列26a,26b,26cの演出図柄が当りの図柄組み合わせであった場合に、当り遊技が付与されることを把握し得るようになっている。ここで、実施例では、大当りの図柄組み合わせとして、各図柄表示列26a,26b,26cの有効停止位置27に同じ演出図柄が確定停止表示される図柄組み合わせ(例えば、「222」、「777」等)が設定されると共に、中図柄表示列26bの有効停止位置27に特殊図柄が確定停止表示される図柄組み合わせ(例えば、「2特殊図柄2」、「7特殊図柄7」、「4特殊図柄7」等)が設定されている。この大当りを認識できる演出図柄の図柄組み合わせが、大当り表示結果となり、図柄変動演出の終了後に遊技者に有利な大当り遊技が付与される。一方で、図柄表示装置17の有効停止位置27に確定停止表示された全列の図柄が1つでも異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ(例えば「123」、「734」「171」等)から、原則的には大当り遊技が付与されない「はずれ」であることを認識できる。このはずれを認識できる演出図柄の図柄組み合わせが、はずれ表示結果となる。但し、このような3列の演出図柄が全て同一でない図柄組み合わせのうち、特定の図柄組み合わせを所定の演出(例えば、突然確変大当り遊技)が実行される契機として用いることも可能である。特定の図柄組み合わせとは、当該図柄組み合わせから遊技者が何らかの法則性や意味を認識または連想し得るものである。特定の図柄組み合わせの具体例としては、3列の演出図柄が連続した昇順または降順で並ぶ図柄組み合わせ(例えば、「123」、「321」)や、左図柄表示列26aおよび中図柄表示列26bの演出図柄が同一で、右図柄表示列26cの演出図柄の値が1つずれた図柄組み合わせ(例えば、「778」)、3列の演出図柄が所定の語呂合わせとなる図柄組み合わせ(例えば、「758」(名古屋))等が挙げられる。このように、特定の図柄組み合わせは、はずれ表示結果としてだけでなく大当り表示結果としても選択され得る演出図柄の図柄組み合わせとされる。
また、図柄変動演出において、複数の図柄表示列26a,26b,26cの内で、特定の図柄表示列(実施例では、左図柄表示列26aおよび右図柄表示列26c)に同じ演出図柄が停止表示され、かつ残りの図柄表示列(実施例では、中図柄表示列26b)が変動表示された表示(リーチ表示)となることで、リーチ状態(リーチ)が生起されたことを遊技者が認識し得るようになっている。具体的なリーチ表示の例としては、左図柄表示列26aおよび右図柄表示列26cに同じ演出図柄が停止表示された図柄組み合わせ(「1↓1」、「4↓4」等)となる。なお、「↓」は変動中であることを表している。また、リーチ表示を形成する特定の図柄表示列(左図柄表示列26aおよび右図柄表示列26c)の演出図柄は、仮停止表示の状態とされ、残りの図柄表示列(中図柄表示列26b)に演出図柄が停止表示(仮停止表示)された後に、全ての図柄表示列の演出図柄が確定停止表示されるようになっている。
また、図柄表示装置17には、第1特図表示器50および第2特図表示器51での特図変動表示の結果、表示される特図に応じた演出図柄の図柄組み合わせが表示される。すなわち、第1特図表示器50および第2特図表示器51に表示される特図と、図柄表示装置17に表示される演出図柄の図柄組み合わせとが夫々対応しており、図柄変動演出が終了すると、第1特図表示器50および第2特図表示器51に特図が確定停止されると共に、図柄表示装置17の各図柄表示列26a,26b,26cに演出図柄が確定停止表示されるようになっている。なお、特別図柄に対する演出図柄の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特別図柄に対して複数の演出図柄による図柄組み合わせの中から1つの演出図柄による図柄組み合わせが選択されるようになっている。
(球通過ゲート47について)
図3に示すように、前記枠状装飾体25の右側には、遊技領域20aを流下するパチンコ球が通過可能な球通過ゲート47が設けられている。前記球通過ゲート47には通過球検出センサ48(図9参照)が配設されており、該球通過ゲート47を通過するパチンコ球を通過球検出センサ48で検出するよう構成されている。前記通過球検出センサ48は、前記メイン制御基板60に配線接続されており、該通過球検出センサ48からメイン制御基板60への球検出信号の入力(すなわち通過球検出センサ48のパチンコ球の検出(球通過ゲート47のパチンコ球の通過))に伴って各種情報(後述する普図当り判定用乱数)が取得され、この取得した情報に基づいて後述する普図当り判定(普図当り抽選)が行われるよう構成されている。そして、この普図当り抽選の結果に応じて前記始動入賞装置30の始動入賞ソレノイド32が駆動制御されて開閉部材33,33が開閉動作するようになっている。
(普図表示器について)
また、図3に示すように、前記遊技盤20には、前記遊技領域20aの外側右下部位置に、複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された普図表示器55が配設されている。この普図表示器55では、通過球検出センサ48のパチンコ球の検出(球通過ゲート47のパチンコ球の通過)を契機として、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す場合がある)を変動させて1つの普図を導出する普図変動表示が行われるようになっている。実施例では、2つのLEDの発光態様にて2種類の普図を示している。具体的には、右側LEDだけが点灯する発光態様、および左側LEDだけが点灯する発光態様により普図を示している。なお、以下では、右側LEDだけが点灯することにより示される普図を普図「0」とし、説明の都合上、左側LEDだけが点灯することにより示される普図を普図「1」とする。そして、前記普図表示器55の最終的な表示結果から普図当りまたははずれを認識できるようになっている。具体的には、普図当りの場合に普図表示器55に普図「1」が表示され、はずれの場合に普図「0」が表示される。すなわち、この普図当りを認識できる普図が普図当りの表示結果となり、はずれを認識できる普図が普図はずれの表示結果となる。
(普図保留について)
また、図3に示すように、前記遊技盤20には、前記遊技領域20aの外側右下部位置に、前記球通過ゲート47をパチンコ球が通過した際に取得される情報(後述する各種乱数情報)が機内部の記憶手段(メイン制御RAM60c)で始動保留情報として記憶された際に、該普図保留情報の記憶数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された普図保留表示部56が配設されており、該普図保留表示部56の表示内容によって保留されている普図の変動回数が報知される。前記普図保留表示部56で表示される普図始動保留記憶数は、球通過ゲート47をパチンコ球が通過すると1加算され、普図変動表示が開始されることにより1減算される。なお、普図始動保留記憶数には所定の上限数(実施例では「4」)が設定されており、該上限数まで普図始動保留記憶数を加算し得るよう設定されている。なお、前記普図保留表示部56は、複数(実施例では2つ)のLEDから構成されており、普図始動保留記憶数が1〜2の場合には普図保留表示部56が左から順に点灯し、普図始動保留記憶数が3〜4の場合には普図保留表示部56が左から順に点滅することで、普図変動表示が行われる保留数を把握し得るようになっている。
(確変について)
また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第1特典遊技状態を付与する機能を備えている。ここで、第1特典遊技状態としては、前記特別入賞口へのパチンコ球の入賞契機が、当該第1特典遊技状態が付与されていない状態を較べて増加する状態である。具体的には、第1特典遊技状態では、特図当り確率を低確率から高確率に変動することにより特別入賞口へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。以下の説明では、第1特典遊技状態を、便宜的に「確変状態」というものとする。
確変機能は、確定停止表示された大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた確変図柄(特定図柄)であることを条件として、大当り遊技の終了後に大当りの抽選確率(大当り確率)が低確率(実施例では、164/65536)から高確率(実施例では、1518/65536)に変動させる確変状態を付与する機能である。なお、確変状態が付与されていない状態を非確変状態というものとする。実施例では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。また、実施例では、確変状態が付与される大当りの場合には、大当り遊技終了後、次回の大当りが生起されるまでの間継続して確変状態が付与される。このように、確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。なお、確変状態が付与される期間としては、上記のものに限られない。例えば、確変状態が付与されてから所定条件を満たすまでの間継続して確変状態を付与し、当該所定条件を満たすことを条件に非確変状態に移行させるようにすることもできる。ここで、所定条件としては、確変状態が付与されてからの図柄変動演出(特図変動表示)の変動回数とすることもできる。また、図柄変動演出(特図変動表示)毎に非確変状態に移行させるかを、始動入賞手段へのパチンコ球の入賞を契機に取得する乱数に基づいて判定(転落抽選)し、転落抽選に当選することを条件に非確変状態に移行させるようにすることもできる。
(変短状態について)
また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第2特典遊技状態を付与する機能を備えている。ここで、第2特典遊技状態としては、前記第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞契機が、当該第2特典遊技状態が付与されていない状態を較べて増加する状態である。具体的には、第2特典遊技状態では、(1)普図変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての第2始動入賞口31bを開放する開閉部材33,33の開放時間を増やすこと、により第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。なお、第2特典遊技状態では、上記(1)〜(3)を単独または複数を組み合わせることができる。なお普図当り1回についての第2始動入賞口31bを開放する開閉部材33,33の開放時間を増やすに際しては、開閉部材33,33の開放時間を単純に延長することで実現してもよく、また開閉部材33,33の開放回数を増やすことで実現することもでき、またこれらを複合させてもよい。なお、実施例では、第2特典遊技状態として上記(1)〜(3)を組み合わせており、以下の説明では、これら(1)〜(3)を組み合わせた状態を便宜的に「変短状態」というものとする。
実施例の変短機能では、大当り遊技終了後の前記普図表示器で行われる普図変動表示の変動時間を短縮すると共に、普図当り確率を低確率(実施例では、1125/65536)から高確率(実施例では、65535/65536)に変動させる機能である。実施例において普図変動表示の変動時間は、変短状態が付与されていない状態で、普図変動の開始から5000msに設定され、変短状態が付与されている状態で、普図変動の開始から1000msに設定されている。なお、普図が確定停止表示されてから次回の普図変動が行われるまでの間(普図変動インターバル)は、600msに設定されている。
また、変短状態が付与された状態では、変短状態が付与されていない状態とは異なる動作パターンで開閉部材33,33が開閉動作されるようになっている。具体的には、変短状態が付与されていない状態では、普図変動表示で当選した場合(普図当りの場合)に、始動入賞装置30の開閉部材33,33が開放してから所定時間(実施例では300ms)が経過するまで開放状態を維持する開放動作を1回行う。一方で、変短状態が付与されている状態では、普図変動表示に当選した場合(普図当りの場合)に、始動入賞装置30の開閉部材33,33は開放してから所定時間(実施例では800ms)が経過するまで開放状態を維持する開放動作を、所定時間間隔(実施例では980ms)で3回繰り返すようになっている。すなわち、変短状態が付与されている状態では、変短状態が付与されていない状態と比較して、始動入賞装置30の開閉部材33,33の合計開放時間が長く、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。なお、1回の普図当りにおいて第2始動入賞口31bへの入賞を許容する入賞上限数(実施例では10個)が設定されており、前記開閉部材33,33を開放してからの入賞数が入賞上限個数に達した場合には、開放時間および開放回数を満たす前であっても開閉部材33,33を閉鎖させるようになっている。ここで、実施例では、大当りに当選した大当り図柄(特図1または特図2)の種類に応じて、変短状態が付与される期間(以下、変短回数という)が変化するよう構成されている。具体的には、大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた確変図柄である場合には、次回の大当りが生起されるまでの間、変短状態が付与されるよう設定され、大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた非確変図柄である場合には、所定回数(実施例では80回)の図柄変動演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示の合計回数)が実行されるまでの間、変短状態が付与されるよう設定されている。
(大当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与される大当り遊技について説明する。図4に示すように、大当り遊技は、特図変動表示の結果として特図表示器50,51に大当り図柄が停止表示された後に開始されるよう設定されており、大当り遊技の開始を示すオープニング演出OPと、オープニング演出終了後に行われる規定ラウンド数(実施例では5ラウンドまたは16ラウンド)だけラウンド間インターバルを挟んで繰り返されるラウンド遊技と、大当り遊技の終了を示すエンディング演出EDとにより構成されている。前記ラウンド遊技では、発生した大当りの種類に応じた開放動作で特別入賞装置40の開閉扉43が開閉動作して、1回のラウンド遊技において特別入賞口に規定個数(例えば9個)のパチンコ球が入賞するか、或いは各ラウンド遊技の開始から規定時間(ラウンド遊技時間)が経過することで1回のラウンド遊技が終了する。なお、大当り遊技における各ラウンド遊技の間は、所定時間(以下「ラウンド間インターバル」という)だけ開閉扉43または開閉部材33,33が閉鎖状態で保持されるインターバルが設定されている。すなわち、大当り遊技では、前記開閉扉43が各大当り遊技の規定ラウンド数以上の開閉動作を行う。
ここで、前記大当り遊技の各ラウンド遊技における特別入賞装置40の開閉扉43の開閉態様(開閉パターン)には、パチンコ球を所定間隔で連続的に発射した条件において、1回の開放動作(開放してから閉鎖するまでの動作)においてラウンド遊技に定められた規定個数のパチンコ球が入賞可能な時間だけ開放を継続する長時間開放動作と、該長時間開放動作よりも開閉扉43の開放時間が短く、1回の開放動作(開放してから閉鎖するまでの動作)においてパチンコ球の入賞が実質的に不可能な時間または入賞可能な開放時間であっても前記規定個数のパチンコ球の入賞は実質的に不可能な時間だけ開放する短時間開放動作とを適宜に組み合わせて構成されている。
(大当り遊技の種類)
実施例のパチンコ機では、図4に示すように、大当り判定に当選した場合に、遊技者に与える価値が異なる複数種類(実施例では11種類)の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与される。ここで、11種類の大当り遊技の内で何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り判定に当選した際に決定される大当り図柄(特図1および特図2)の種類に基づいて決定されるようになっている。実施例において第1特図表示器50に表示可能な100種類の大当り図柄としての特図1は、図柄A、図柄B、図柄C、図柄D、図柄E、図柄Fの6つのグループに分類されており、第1特図表示器50に確定停止表示された特図1に応じて6種類の大当り遊技が付与されるようになっている。また、実施例において第2特図表示器51に表示可能な100種類の大当り図柄としての特図2は、図柄a、図柄b、図柄c、図柄d、図柄eの5つのグループに分類されており、第2特図表示器51に確定停止表示された特図2に応じて5種類の大当り遊技が付与される。
ここで、図柄Aには、26種類の特図1が振り分けられている。同様に、図柄Bには、1種類の特図1が振り分けられている。図柄Cには、1種類の大当り図柄としての特図1が振り分けられている。図柄Dには、26種類の特図1が振り分けられている。図柄Eには、18種類の特図1が振り分けられている。図柄Fには、28種類の特図1が振り分けられている。また、図柄aには、42種類の特図2が振り分けられている。同様に、図柄bには、10種類の特図2が振り分けられている。図柄cには、2種類の特図2が振り分けられている。図柄dには、18種類の特図2が振り分けられている。そして、図柄eには、28種類の特図2が振り分けられている。
(特別確変大当り遊技)
ここで、図柄A、図柄Bに分類される特図1が第1特図表示器50に表示されるか、図柄aに分類される種類の特図2が第2特図表示器51に表示された場合には、大当り遊技として特別確変大当り遊技(特別当り遊技)が付与されるようになっている。前記特別確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。そして、特別確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および変短状態が継続して付与されるようになっている。そして、特別確変大当り遊技の各ラウンド遊技では、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。すなわち、前記確変大当り遊技の全てのラウンド遊技は、ラウンド遊技開始から終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成されている。従って、特別確変大当り遊技では、各ラウンド遊技において開閉扉43が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で16回の開閉動作を開閉扉43が繰り返すようになっている。
特別確変大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉扉が最大で「25.0(秒)」に亘って開放動作するようになっている。なお、特別確変大当り遊技では、オープニング演出時間として「10.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「9.5(秒)」が夫々設定されている。また、特別確変大当り遊技のラウンド間インターバルは、最終ラウンドの開始前を除いて「2.0(秒)」に、最終ラウンドの開始前では「1.6(秒)」に夫々設定されている。すなわち、図柄A、図柄Bおよび図柄aに分類される大当り図柄が決定された場合に付与される大当り遊技の価値は等しく設定されている。そして、図柄Aおよび図柄aに分類される大当り図柄が決定された場合には、大当り遊技の終了後の遊技演出モードが後述する確変モードに移行し、図柄Bに分類される大当り図柄が決定された場合には、大当り遊技後の遊技演出モードが後述する潜伏モードに移行するよう設定されている。
(5R特別確変大当り遊技)
本実施例では、全てのラウンド遊技が、長時間開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成された特別確変大当り遊技(特別当り遊技)として、規定ラウンド数が「5回」に設定された5R特別確変大当り遊技が設けられている。この5R特別確変大当り遊技は、図柄dに分類される特図2が第2特図表示器51に表示された場合に付与される大当り遊技であって、図柄A、図柄Bまたは図柄aに分類される特図1または特図2が第1特図表示器50または第2特図表示器51に表示された場合に付与される前記特別確変大当り遊技と規定ラウンド数が異なるだけで、その他の設定(各ラウンド遊技の入賞上限個数、ラウンド遊技時間、オープニング演出時間、エンディング演出時間、ラウンド間インターバル等)は同じである。なお、図柄dに分類される大当り図柄が決定された場合には、大当り遊技の終了後の遊技演出モードが後述する確変モードに移行するよう設定されている。
(第1の特殊確変大当り遊技)
図柄Cに分類される特図1が第1特図表示器50に表示された場合には、大当り遊技として第1の特殊確変大当り遊技(以下、ジャンプアップ確変大当り遊技という)が付与されるようになっている。前記ジャンプアップ確変大当り遊技(第1当り遊技)は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。そして、ジャンプアップ確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および変短状態が継続して付与されるようになっている。
ジャンプアップ確変大当り遊技では、1ラウンド目のラウンド遊技において特別入賞装置40の開閉扉43を複数回(実施例では16回)開放させ、2ラウンド目〜16ラウンド目のラウンド遊技においてラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。すなわち、ジャンプアップ確変大当り遊技の1ラウンド目のラウンド遊技は、複数回(16回)の短時間開放動作を開閉扉43に繰り返し行わせた後にラウンド遊技の終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を行う特殊ラウンド遊技で構成され、該2ラウンド目のラウンド遊技以降の残りラウンド遊技(15ラウンド分)が全開放ラウンド遊技で構成されている。
ここで、ジャンプアップ確変大当り遊技の1ラウンド目のラウンド遊技では、開放1回目〜開放16回目における開閉扉43の開放時間が「0.04(秒)」に夫々設定され、開放17回目の開閉扉43の開放時間が「24.36(秒)」に設定されている。また、開放1回目から開放17回目の間の16回分のラウンド内インターバル時間として「2.0(秒)」が夫々設定されている。これにより、ジャンプアップ確変大当り遊技の1ラウンド目のラウンド遊技時間は、「{0.04(秒)+2.0(秒)}×16+24.36(秒)」からなる「57.0(秒)」に設定されていることになる。そして、ジャンプアップ確変大当り遊技における2ラウンド目以降の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉扉43が最大で「25.0(秒)」の長時間に亘って開放動作するようになっている。なお、ジャンプアップ確変大当り遊技では、オープニング演出時間として「0.004(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「9.5(秒)」が夫々設定されている。また、ジャンプアップ確変大当り遊技のラウンド間インターバルは、最終ラウンドの開始前を除いて「2.0(秒)」に、最終ラウンドの開始前では「1.996(秒)」に夫々設定されている。そして、図柄Cに分類される特図1が決定された場合には、大当り遊技後の遊技演出モードとして後述する確変モードに移行するよう設定されている。
(16R突然確変大当り遊技、5R突然確変大当り遊技)
図柄Dに分類される特図1が第1特図表示器50に表示された場合には、大当り遊技として16R突然確変大当り遊技(第2当り遊技、第1短開放当り遊技)が付与されるようになっている。また、図柄Eに分類される特図1が第1特図表示器50に表示された場合には、大当り遊技として5R突然確変大当り遊技(第2当り遊技、第2短開放当り遊技)が付与されるようになっている。前記16R突然確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。そして、16R突然確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および変短状態が継続して付与されるようになっている。16R突然確変大当り遊技の各ラウンド遊技では、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を短時間開放する短時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。そして、16R突然確変大当り遊技では、各ラウンド遊技において開閉扉が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で16回の開閉動作を開閉扉43が繰り返すようになっている。
一方で、前記5R突然確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「5回」に設定された5ラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。そして、5R突然確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および変短状態が継続して付与されるようになっている。すなわち、前記16R突然確変大当り遊技と同様に、5R突然確変大当り遊技も各ラウンド遊技において開閉扉43が1回だけ開放し、大当り遊技の全体では5回の開閉動作を開閉扉43が繰り返すようになっている。すなわち、突然確変大当り遊技および5R突然確変大当り遊技では、短時間開放動作のみを開閉扉43に行わせるよう構成されている。そして、5R突然確変大当り遊技では、各ラウンド遊技において開閉扉43が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で5回の開閉動作を開閉扉43が繰り返すようになっている。
ここで、16R突然確変大当り遊技および5R突然確変大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「0.04(秒)」が設定されている。なお、これらの大当り遊技では、オープニング演出時間として「0.004(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「0.004(秒)」が夫々設定されている。また、これらの大当り遊技のラウンド間インターバル時間は「2.0(秒)」に設定されている。すなわち、16R突然確変大当り遊技および5R突然確変大当り遊技における各ラウンド遊技時間(2.04(秒))は、1回のラウンド遊技において、特別入賞装置40に入賞するパチンコ球の入賞個数が入賞上限個数を満たさないような時間に設定されている。このため、16R突然確変大当り遊技および5R突然確変大当り遊技での入賞球は殆ど発生することはなく、各ラウンド遊技において入賞上限個数のパチンコ球の入賞の可能性がある前記ジャンプアップ確変大当り遊技とは、遊技者に与える価値が異なる遊技である。
また、16R突然確変大当り遊技および5R突然確変当り遊技におけるオープニング演出時間は、前述したジャンプアップ確変大当り遊技のオープニング演出時間と同一時間に設定されている。また、16R突然確変大当り遊技および5R突然確変当り遊技におけるラウンド遊技時間は、ジャンプアップ確変大当り遊技の1ラウンド目における開放1回目から開放2回目における特別入賞装置の開閉扉43の開放時間と同一時間に設定されている。そして、突然確変大当り遊技において、1ラウンド目で開閉扉43が開放してから2ラウンド目で開閉扉43が閉鎖するまでのラウンド間インターバル時間(「2.0(秒)」)は、ジャンプアップ確変大当り遊技の1ラウンド目におけるラウンド内インターバル時間(「2.0(秒)」)と同一時間とされている。従って、ジャンプアップ確変大当り遊技が開始してから開閉扉43が16回開閉するまでの開閉扉43の開閉動作は、16R突然確変大当り遊技が開始してから16ラウンド目で特別入賞装置の開閉扉43が閉鎖するまでの開閉扉43の開閉動作と見た目上は同じ開閉動作を行うようになっており、開閉扉43の開閉動作からジャンプアップ確変大当り遊技か、16R突然確変大当り遊技かを見分けることは不可能になっている。そして、図柄D、図柄Eに分類される特図1が決定された場合には、大当り遊技後の遊技演出モードとして後述する確変モードに移行するよう設定されている。
(通常非確変大当り遊技)
図柄Fに分類される特図1が第1特図表示器50に表示された場合には、大当り遊技として通常非確変大当り遊技が付与されるようになっている。前記通常非確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。そして、通常非確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない(非確変状態とされる)と共に、大当り遊技終了時から予め決められた変短回数(実施例では80回)の特図変動表示が行われるまでの間だけ変短状態が付与されるようになっている。なお、通常非確変大当り遊技における各ラウンド遊技での開閉扉43の開閉態様は、前述した特別確変大当り遊技と同じである。すなわち、通常非確変大当り遊技の各ラウンド遊技では、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。すなわち、前記非確変大当り遊技の全てのラウンド遊技は、ラウンド遊技開始から終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成されている。従って、通常非確変大当り遊技では、各ラウンド遊技において開閉扉43が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で16回の開閉動作を開閉扉43が繰り返すようになっている。
また、通常非確変大当り遊技では、オープニング演出時間として「10.0(秒)」が、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間(規定時間)として「25.0(秒)」が、エンディング演出時間として「9.5(秒)」が夫々設定されている。各ラウンド遊技は、入賞上限個数分の遊技球が入賞することにより終了する場合もある。このため、通常非確変大当り遊技において、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間である「25.0(秒)」は最大時間となる。なお、通常非確変大当り遊技におけるラウンド間インターバル時間は、「2.0(秒)」に設定されている。そして、図柄Fに分類される特図1が決定された場合には、大当り遊技後の遊技演出モードとして後述する潜伏モードに移行するよう設定されている。
(ステップアップ確変大当り遊技)
図柄bに分類される特図2が第2特図表示器51に表示された場合には、大当り遊技として第2の特殊確変大当り遊技(以下、ステップアップ確変大当り遊技という)が付与されるようになっている。前記ステップアップ確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。そして、ステップアップ確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および変短状態が継続して付与されるようになっている。
このステップアップ確変大当り遊技では、1ラウンド目〜8ラウンド目のラウンド遊技および10ラウンド目〜16ラウンド目のラウンド遊技は、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。また、ステップアップ確変大当り遊技の9ラウンド目のラウンド遊技は、特別入賞装置40の開閉扉43を複数回(実施例では、8回)開放させるように設定されている。すなわち、ステップアップ確変大当り遊技は、最初のラウンド遊技から予め定めた回数(8回)のラウンド遊技が、ラウンド遊技開始から終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成され、次の1回のラウンド遊技が短時間開放動作および長時間開放動作を開閉扉43に行わせる特殊ラウンド遊技で構成されると共に、該特殊ラウンド遊技以降の残りの回数(7ラウンド分)のラウンド遊技が全開放ラウンド遊技で構成されている。ここで、前記ステップアップ確変大当り遊技の特殊ラウンド遊技(9ラウンド目のラウンド遊技)では、後述する短縮確変大当り遊技および短縮非確変大当り遊技における9ラウンド目〜16ラウンド目となる短時間ラウンド遊技の回数分(8回)だけ、該短時間ラウンド遊技と略同じ開放時間となる短時間開放動作を開閉扉43に行わせた後は該特殊ラウンド遊技終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定される。そして、図柄bに分類される特図2が決定された場合には、大当り遊技後の遊技演出モードとして後述する確変モードに移行するよう設定されている。
ここで、ステップアップ確変大当り遊技では、1ラウンド目〜8ラウンド目および10ラウンド目〜16ラウンド目の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉扉43が最大で「25.0(秒)」の長時間に亘って開放動作するようになっている。一方で、9ラウンド目のラウンド遊技では、開放1回目〜開放8回目における開閉扉43の開放時間が「0.04(秒)」に夫々設定され、開放9回目の開閉扉43の開放時間が「24.68(秒)」に設定されている。また、開放1回目〜開放8回目の開放後には、ラウンド内インターバル時間として「2.0(秒)」が夫々設定されている。これにより、ステップアップ確変大当り遊技の9ラウンド目のラウンド遊技時間は、「{0.04(秒)+2.0(秒)}×8+24.68(秒)」からなる「41.0(秒)」に設定されていることになる。
また、ステップアップ確変大当り遊技の9ラウンド目において開閉扉43の1回目の開放から8回目の閉鎖までの時間(「16.32(秒)」)は、後述する16R短縮確変大当り遊技および16R短縮非確変大当り遊技において9ラウンド目で特別入賞装置40の開閉扉43が開放してから16ラウンド目で特別入賞装置40の開閉扉43が閉鎖するまでの時間と同一時間とされる。なお、ステップアップ確変大当り遊技では、オープニング演出時間として「10.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「9.5(秒)」が夫々設定されている。また、ラウンド間インターバル時間は、最終ラウンドの開始前を除いて「2.0(秒)」に、最終ラウンドの開始前では「1.996(秒)」に夫々設定されている。従って、ステップアップ確変大当り遊技が開始してから9ラウンド目において開閉扉43が8回目に閉鎖するまでの開閉扉43の開閉動作は、16R短縮確変大当り遊技および16R短縮非確変大当り遊技が開始してから16ラウンド目で特別入賞装置40の開閉扉43が閉鎖するまでの開閉扉43の開閉動作と見た目上は同じ開閉動作を行うようになっている。
(16R短縮確変大当り遊技、16R短縮非確変大当り遊技)
図柄cに分類される特図2が第2特図表示器51に表示された場合には、大当り遊技として短縮確変大当り遊技が付与されるようになっている。また、図柄eに分類される特図2が第2特図表示器51に表示された場合には、大当り遊技として短縮非確変大当り遊技が付与されるようになっている。前記16R短縮確変大当り遊技および16R短縮非確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定される。そして、16R短縮確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および変短状態が継続して付与されるようになっている。一方、16R短縮非確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない(非確変状態とされる)と共に、大当り遊技終了時から予め決められた変短回数(実施例では80回)の特図変動表示が行われるまでの間だけ変短状態が付与されるようになっている。
この16R短縮確変大当り遊技および16R短縮非確変大当り遊技では、1ラウンド目〜8ラウンド目のラウンド遊技は、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。一方で、16R短縮確変大当り遊技および16R短縮非確変大当り遊技の9ラウンド目以降のラウンド遊技は、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放させるものの、8ラウンド目までに開閉扉43に行わせる前記長時間開放動作よりも特別入賞口の開放時間が短くなる短時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。すなわち、16R短縮確変大当り遊技および16R短縮非確変大当り遊技は、最初のラウンド遊技から予め定めた回数(8回)のラウンド遊技が、ラウンド遊技開始から終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成される一方、残りの回数(8ラウンド分)のラウンド遊技が短時間開放動作を開閉扉43に行わせる短時間ラウンド遊技で構成されている。
ここで、16R短縮確変大当り遊技および16R短縮非確変大当り遊技では、1ラウンド目〜8ラウンド目の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉扉43が最大で「25.0(秒)」の長時間に亘って開放動作するようになっている。一方で、9ラウンド目〜16ラウンド目の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「0.04(秒)」が設定されている。なお、これらの大当り遊技では、オープニング演出時間として「10.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「9.5(秒)」が夫々設定されている。また、これらの大当り遊技のラウンド間インターバル時間は、最終ラウンドの開始前を除いて「2.0(秒)」に、最終ラウンドの開始前では「1.996(秒)」に夫々設定されている。これにより、16R短縮確変大当り遊技および16R短縮非確変大当り遊技において、9ラウンド目で特別入賞装置40の開閉扉43が開放してから16ラウンド目で特別入賞装置40の開閉扉43が閉鎖するまでの時間(「16.32(秒)」)は、ステップアップ確変大当り遊技の9ラウンド目において開閉扉43の1回目の開放から8回目の閉鎖までの時間と同一時間とされる。そして、図柄c,eに分類される大当り図柄が決定された場合には、大当り遊技の終了後の遊技演出モードが後述する潜伏モードに移行するよう設定されている。
ここで、ジャンプアップ確変大当り遊技に振分けられている特図1が1種類であるのに対し、特図2はジャンプアップ確変大当り遊技に振分けられておらず、実施例では、第1始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞を契機とした大当り判定が肯定の場合にジャンプアップ確変大当り遊技が当選する確率は「0/100(零)」である。すなわち、第1始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞に基づき大当り判定が肯定の場合にジャンプアップ確変大当り遊技が決定される確率(「1/100」)は、第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞に基づき大当り判定が肯定の場合にジャンプアップ確変大当り遊技が決定される確率より高く設定されている。また、突然確変大当り遊技(16R突然確変大当り遊技および5R突然確変大当り遊技)に振分けられている特図1が44種類であるのに対し、特図2は突然確変大当り遊技(16R突然確変大当り遊技および5R突然確変大当り遊技)に振分けられておらず、実施例では、第1始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞を契機とした大当り判定が肯定の場合に突然確変大当り遊技が当選する確率は「0/100(零)」である。すなわち、第1始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞に基づき大当り判定が肯定の場合に突然確変大当り遊技が決定される確率(「44/100」)は、第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞に基づき大当り判定が肯定の場合に突然確変大当り遊技が決定される確率より高く設定されている。
また、全ラウンド遊技が開閉扉43を長時間開放動作させる全開放ラウンド遊技で構成される特別確変大当り遊技および普通非確変大当り遊技に振分けられている特図1が45種類であるのに対し、特別確変大当り遊技および普通非確変大当り遊技に振分けられている特図2は60種類であり、第1始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞に基づき大当り判定が肯定の場合に特別確変大当り遊技および普通非確変大当り遊技が決定される確率(「45/100」)は、第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞に基づき大当り判定が肯定の場合に特別確変大当り遊技および普通非確変大当り遊技が決定される確率(「60/100」)より低く設定されている。
(遊技演出モードについて)
実施例のパチンコ機10は、前記図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容(表示内容)が異なる複数(実施例では4つ)の遊技演出モードを備えている。ここで、遊技演出モードは、その時点での遊技状態が確変状態であるか否かを遊技者に示唆すると共に、変短状態であるか否かを遊技者に示唆する遊技状態示唆画像を図柄表示装置17に表示させて遊技演出を行うようになっている。そして、実施例のパチンコ機10では、所定のモード移行条件が成立することで遊技演出モードが変更され得るようになっている。ここで、実施例では、大当りの発生および大当り遊技後の図柄変動(第1または第2特図変動表示)の変動回数(実施例では80回)がモード移行条件とされている。
実施例に係る遊技演出モードには、遊技状態が非確変状態で、かつ変短状態が付与されていないことを示唆する通常モードと、遊技状態が確変状態で、かつ変短状態が付与されていることを示唆する確変モードと、遊技状態が確変状態または非確変状態で、かつ変短状態が付与されていることを示唆する潜伏モードと、遊技状態が非確変状態で、かつ変短状態が付与されていることを示唆する時短モードとが設定されている。そして、図柄表示装置には、遊技演出モードに対応した内容の異なる遊技状態示唆画像が表示されるようになっている。具体的には、図柄表示装置17の演出図柄の背面に映し出される背景画像が遊技演出モード毎に異なるように設定されており、背景画像の種類から現在の遊技演出モードを遊技者が認識し得るようになっている。また、各遊技演出モードでは、図柄表示装置17で行われる図柄変動演出の演出内容の一部または全部が異なっており、遊技演出モード毎に特有の演出が実行され得るよう設定されている。
(パチンコ機の制御構成について)
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。実施例のパチンコ機10には、図9に示す如く、パチンコ機10を全体的に制御するメイン制御基板(メイン制御手段)60と、該メイン制御基板60からの制御信号に基づいて各制御対象を制御するサブ制御基板(サブ制御手段)65,70とが設けられている。すなわち、メイン制御基板60では、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板65,70に出力されるようになっている。
また、実施例のパチンコ機10には、サブ制御基板として、遊技演出を全体的に制御する統括制御基板65と、図柄表示装置17での表示内容を制御する表示制御基板70と、パチンコ機10が備える各種発光演出手段(ランプ装置18や発光演出部150等)の発光制御を行うランプ制御基板72と、パチンコ機10が備えるスピーカ19の音出力制御を行う音制御基板73とを備えている。すなわち、メイン制御基板60が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、前記統括制御基板65が表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄変動演出や発光演出、音声演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。また、実施例の統括制御基板65は、後述する特殊演出図柄表示部110や保留表示部120の表示態様、可動演出部130における可動体131の動作を制御するよう構成されている。ここで、表示制御基板70は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、図柄表示装置17に表示される図柄(演出図柄)や背景画像等の図柄変動演出の表示内容を制御するよう構成される。また、ランプ制御基板72は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える各種発光演出手段の点灯・消灯のタイミングや、発光強度等を制御するものである。そして、音制御基板73は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備える各種スピーカ19からの音声出力のタイミングや大きさ等を制御するものである。
(メイン制御基板60について)
前記メイン制御基板60は、図9に示に示す如く、制御処理を実行するメイン制御CPU60a、該メイン制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM60b、当該メイン制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM60c等が備えられている。そして、前記始動入賞検出センサ31a,31b、特別入賞検出センサ44、通過球検出センサ48等の各種センサが前記メイン制御CPU60aに接続されている。また、メイン制御CPU60aには、第1および第2特図表示器50,51、第1および第2特図保留表示部52,53、普図表示器55、普図保留表示部56等の各表示器が接続されて、各検出センサ31a,31b,44,48の検出を契機としてメイン制御CPU60aで実行された制御処理に基づいて、各表示器50,51の表示制御が実行されるようになっている。また、メイン制御CPU(開放制御手段)60aには、前記始動入賞装置30および特別入賞装置40に設けられたソレノイド32,42が接続されており、該メイン制御CPU60aでの制御処理結果に基づいて各ソレノイド32,42の駆動制御が行われるようになっている。そして、メイン制御CPU60aは、当り遊技の種類に応じて前記特別入賞ソレノイド42を駆動制御し、開閉扉43を長時間開放動作させる長時間開放制御および開閉扉43を短時間開放動作させる短時間開放制御を実行するよう構成される。
(判定用乱数について)
メイン制御CPU60aは、判定用乱数としての大当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数(リーチ判定用乱数)、変動パターン振分用乱数、普図当り判定用乱数等の各種乱数の値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
大当り判定用乱数は、図柄変動演出の結果として大当りを発生するか否かの大当り判定(当り抽選)で用いる乱数である。実施例では、大当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。また、特図決定用乱数は、大当り判定の結果に応じて第1特図表示器50に確定停止表示させる特図1または第2特図表示器51に確定停止表示させる特図2を決定する際に用いる乱数である。ここで、実施例では、特図決定用乱数として、「0」〜「100」の全101通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。特図決定用乱数の各値には、前述したはずれを示す1種類の特図表示に対応する乱数と、大当りを示す100種類の特図表示に対応する乱数とが設定されており、該特図決定用乱数の値により、第1特図表示器50に確定停止表示される特図1または第2特図表示器51に確定停止表示される特図2が特定されるようになっている。また、前述したように、前記大当り図柄としての特図1および特図2は、大当り遊技の種類毎に分類されており、特図1または特図2が特定されることで、図柄変動演出の終了後に付与される大当りの種類を特定し得るようになっている。また、前述したように、大当りの種類毎に大当り遊技後に確変状態および変短状態が付与されるか否かが一義的に定められており、特図決定用乱数が確変状態および変短状態を付与するか否かを決定する乱数としての機能も有している。
また、演出実行判定用乱数は、前述した大当り判定における判定結果が否定となった場合に(大当りに当選しなかったはずれの場合に)、当り表示が表示される可能性を示唆する演出を行うか否かの演出実行判定(リーチ判定)で用いられる乱数である。実施例では、演出実行判定用乱数として、「0」〜「238」の全239通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。前記変動パターン振分用乱数は、図柄変動演出における図柄変動の変動パターンの決定に用いる乱数である。実施例では、変動パターン振分用乱数として、「0」〜「250」の全251通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。普図当り判定用乱数は、普図変動の結果として普図当りを発生するか否かの普図当り判定(普図当り抽選)で用いられる乱数である。実施例では、普図当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。
実施例のパチンコ機では、大当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数、および変動パターン振分用乱数は、第1始動入賞口31aまたは第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ34aまたは第2始動入賞検出センサ34bがパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている各乱数を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。また、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数は、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数と同一のものが共通で使用され、各始動入賞口31a,31bへの入賞タイミングに応じた乱数を前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。なお、前記普図当り判定用乱数は、球通過ゲート47をパチンコ球が通過したこと(より具体的には通過球検出センサ48がパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている乱数を前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。
(判定値について)
一方、メイン制御ROM60bには、図柄変動演出の結果、大当りを発生させることを示す大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、前記大当り判定用乱数を用いて大当りか否かの判定(大当り判定)で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、大当り判定値は、大当り判定を行う時点で前述した確変状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、確変状態のときに設定される大当り判定値の数(実施例では15個)は、非確変状態の場合に設定される大当り判定値の数(実施例では4個)よりも多く設定されている。すなわち、確変状態のときの大当り判定値の設定数を多くすることで、大当りが発生し易くなっている。
また、メイン制御ROMには、演出実行判定値(リーチ判定値)が記憶されている。演出実行判定値は、大当り判定の結果が否定の場合に、大当り表示結果が図柄表示装置17に表示される可能性を示唆するリーチ演出等の演出を実行させるか否かの演出実行判定(リーチ抽選)で用いる判定値であり、演出実行判定用乱数の取り得る数値「0」〜「238」までの全239通りの整数の中から定められている。ここで、演出実行判定値は、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ34aがパチンコ球を検出したこと)を契機として行われる演出実行判定の場合と、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第2始動入賞検出センサ34bがパチンコ球を検出したこと)を契機として行われる演出実行判定の場合とで、判定値の設定数が異なっている。また、演出実行判定値は、演出実行判定を行う時点で前述した確変状態が付与されているか否か、および変短状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。
すなわち、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、確変状態のときに設定される演出実行判定値の数よりも非確変状態のときに設定される演出実行判定値の数の方が多くなるよう設定されている。また、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、変短状態ありのときに設定される演出実行判定値の数よりも変短状態なしのときに設定される演出実行判定値の数の方が多くなるよう設定されている。なお、実施例では、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合において、非確変状態かつ変短状態なしの場合に35個の演出実行判定値が設定され、非確変状態かつ変短状態ありの場合に6個の演出実行判定値が設定され、確変状態かつ変短状態ありの場合に4個の演出実行判定値が設定されている。なお、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の記憶数に応じて、演出実行判定値の設定数が変動するようにしてもよい。具体的には、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の記憶数が増えるにつれて演出実行判定値の設定数が減少するように、該設定数を設定することができる。すなわち、第1特図始動保留情報の記憶数が「4」の場合に、演出実行判定値の設定数が最小とされる。
そして、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、変短状態ありのときに設定される演出実行判定値の数よりも変短状態なしのときに設定される演出実行判定値の数の方が少なくなるよう設定されている。なお、実施例では、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合において、非確変状態かつ変短状態ありの場合に6個の演出実行判定値が設定され、確変状態かつ変短状態ありの場合に4個の演出実行判定値が設定されている。また、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合において、非確変状態かつ変短状態なしの場合に演出実行判定値が0個に設定される。なお、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の記憶数に応じて、演出実行判定値の設定数が変動するようにしてもよい。具体的には、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の記憶数が増えるにつれて演出実行判定値の設定数が減少するように、該設定数を設定することができる。すなわち、第1特図始動保留情報の記憶数が「4」の場合に、演出実行判定値の設定数が最小とされる。
また、メイン制御ROM60bには、普図変動演出の結果、普図当りを発生させることを示す普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、前記普図当り判定用乱数を用いて普図当りか否かの判定(普図当り判定)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、普図当り判定値は、普図当り判定を行う時点で前述した変短状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、変短状態あり時に設定される普図当り判定値の数(実施例では65535個)は、変短状態なしの場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では1125個)よりも多く設定されている。すなわち、変短状態あり時の普図当り判定値の設定数を多くすることで、普図当りが発生し易くなっている。
更にまた、メイン制御ROM60bには、複数種類の変動内容としての変動パターンが記憶されている。前記変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから確定停止表示されるまでの間に実行される演出内容(図柄変動演出の表示内容、発光演出態様、音声演出態様)の基本的なベースとなるパターンを特定するものである。また、変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから特図1または特図2が確定停止表示されるまでの変動時間を、演出内容に応じて特定している。
そして、メイン制御ROM60bに記憶される変動パターンには、大当り演出用の変動パターンと、はずれ演出用の変動パターンとに分類されており、変動パターン毎に特定の変動パターン判定値が定められている。なお、大当り演出用の変動パターンは、大当り判定の結果が肯定の場合に選択可能な変動パターンである。また、はずれ演出用の変動パターンは、大当り判定の結果が否定の場合に選択される変動パターンである。そして、はずれ演出用の変動パターンには、リーチ演出が行われた後に最終的にはずれとするはずれリーチ演出用の変動パターンと、リーチを形成せずにはずれとするはずれ演出用の変動パターンとがある。
なお、大当り演出用の変動パターンに基づき行われる図柄変動演出には、図柄変動演出の途中でリーチ演出を実行し、最終的に大当りとなる演出図柄の図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開されるリーチあり大当り演出と、図柄変動演出の途中でリーチ演出を実行することなく、最終的に大当りとなる演出図柄の図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開されるリーチなし大当り演出とが設けられている。はずれリーチ演出は、図柄変動演出の途中でリーチ演出を実行し、最終的にはずれとなる演出図柄の図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。はずれ演出は、図柄変動演出の途中でリーチ演出を行うことなく最終的にはずれとなる演出図柄の図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。なお、リーチ演出は、図柄表示装置17の演出図柄による図柄変動演出において、リーチの図柄組み合わせが形成されてから、大当りまたははずれとなる演出図柄の図柄組み合わせが停止表示されるまでの間に行われる演出である。
(統括制御基板について)
前記統括制御基板65には、統括制御CPU65aが備えられている。該統括制御CPU65aには、図9に示す如く、統括制御ROM65bおよび統括制御RAM65cが接続されている。また、統括制御CPU65aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を統括制御RAM65cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
また、統括制御ROM65bには、表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を統括的に制御するための統括制御プログラムが記憶されている。統括制御CPU65aは、各種制御コマンドが入力されると、当該統括制御プログラムに基づき各種制御を実行する。
次に、図9に基づき表示制御基板70について説明する。表示制御基板70には、表示制御CPU70aが備えられている。該表示制御CPU70aには、表示制御ROM70bおよび表示制御RAM70cが接続されている。また、表示制御基板70(表示制御CPU70a)には、図柄表示装置17が接続されている。表示制御ROM70bには、図柄表示装置17の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、表示制御ROM70bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。更に、表示制御RAM70cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
すなわち、複数種類の当り遊技の中から付与する当り遊技の種類を決定する当り遊技決定手段(大当り判定手段)および決定した種類の当り遊技を特図変動表示終了後(図柄変動演出終了後)に付与する当り遊技付与手段としての機能を前記メイン制御CPU60aが備えている。また、前記メイン制御CPU60aは、大当りが発生する確率(大当り判定手段による判定結果が肯定となる確率)が通常よりも高確率となる確変状態を付与するか否かを判定する確変判定手段として機能すると共に、大当り遊技終了後に確変状態を付与する確変付与手段として機能するよう構成されている。ここで、前記メイン制御CPU60aは、大当りが発生する場合(大当り判定手段の判定結果が肯定の場合)にのみ、確変状態を付与するか否かを判定するようになっている。更に、前記メイン制御CPU60aは、大当りが発生する場合(大当り判定手段の判定結果が肯定の場合)に、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞する確率が高確率となる変短状態(入賞率向上状態)を付与するか否かを判定する変短状態判定手段として機能し、入賞率向上状態を付与する場合に、大当り遊技の終了後から予め決められた回数の特図変動表示(図柄変動演出)が実行されるまでの間、あるいは次回の大当り遊技が付与されるまでの間の何れかの期間を、変短状態を付与する期間として決定する入賞率向上状態付与期間決定手段として機能すると共に、大当り遊技終了後に決定された入賞率向上状態を付与する期間だけ変短状態を付与する変短状態付与手段としても機能している。
(メイン制御)
次に、メイン制御基板60のメイン制御CPU60aが制御プログラムに基づき実行する各種処理について具体的に説明する。
(特図処理について)
特図入力処理では、図5に示すように、始動入賞装置30の第1始動入賞口31aにパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する(ステップA11)。すなわち、ステップA11においてメイン制御CPU60aは、第1始動入賞口31aに対応する第1始動入賞検出センサ34aがパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA11の判定結果が否定の場合には、ステップA15に移行する。ステップSA11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA12)。ステップA12の判定結果が否定(すなわち第1特図始動保留情報の記憶数が4)の場合には、メイン制御CPU60aは、ステップA15に移行する。
ステップA12の判定結果が肯定(第1特図始動保留情報の記憶数<4)の場合には、第1特図始動保留情報の記憶数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第1特図始動保留情報の記憶数を書き換える(ステップA13)。この書き換えた第1特図始動保留情報の記憶数は、適宜のタイミングで第1特図始動保留コマンドとして統括制御基板65に対して出力されるようになっている。なお、第1特図始動保留コマンドが出力されるタイミングは、後述する特図開始処理の開始前とされる。続いて、メイン制御RAM60cから大当り判定用乱数の値、リーチ判定用乱数の値、特図振分用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および変動パターン振分用乱数の値をメイン制御CPU60aが読み出して、当該乱数の値を第1特図始動保留情報の記憶数に対応付けたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に設定する(ステップA14)。これにより、ステップA15に移行する。
また、ステップA15では、始動入賞装置30の第2始動入賞口31bにパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する。すなわち、ステップA15においてメイン制御CPU60aは、第2始動入賞口31bに対応する第2始動入賞検出センサ34bがパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA15の判定結果が否定の場合には、特図入力処理を終了する。ステップA15の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA16)。ステップA16の判定結果が否定(すなわち第2特図始動保留情報の記憶数が4)の場合には、メイン制御CPU60aは、特図入力処理を終了する。
ステップA16の判定結果が肯定(第2特図始動保留情報の記憶数<4)の場合には、第2特図始動保留情報の記憶数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第2特図始動保留情報の記憶数を書き換える(ステップA17)。この書き換えた第2特図始動保留情報の記憶数は、適宜のタイミングで第2特図始動保留コマンドとして統括制御基板65に対して出力されるようになっている。なお、第2特図始動保留コマンドが出力されるタイミングは、後述する特図開始処理の開始前とされる。続いて、メイン制御RAM60cから大当り判定用乱数の値、リーチ判定用乱数の値、特図振分用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および変動パターン振分用乱数の値をメイン制御CPU60aが読み出して、当該乱数の値を第2特図始動保留情報の記憶数に対応付けたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に設定する(ステップA18)。これにより、特図入力処理が終了する。
(特図開始処理について)
次に、特図開始処理について図6に基づき説明する。メイン制御CPU60aは、特図開始処理を所定の周期(実施例では4ms)毎に実行している。特図開始処理では、メイン用制御CPU60aは、特図表示器50,51および図柄表示装置17において特図1または特図2が変動表示中であるか、または大当り遊技中であるか否かを判定する(ステップB11)。そして、ステップB11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。一方、ステップB11の判定結果が否定の場合には、第2特図始動保留情報の記憶数を読み出し(ステップB12)、第2特図始動保留情報の記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB13)。ステップB13の判定結果が否定の場合には(第2特図始動保留情報の記憶数=0の場合には)、メイン制御CPU60aは、ステップB16の処理に移行する。ステップB13の判定結果が肯定の場合には(第2特図始動保留情報の記憶数>0)の場合には、第2特図始動保留情報の記憶数を1減算して(ステップB14)、当該第2特図始動保留情報の記憶数に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数の値、リーチ判定用乱数の値、特図振分用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および変動パターン振分用乱数の値をメイン制御CPU60aが取得する(ステップB15)。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶される第2特図記憶領域MB1から乱数を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第2特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域MB2の情報(乱数)を、前記第2特図記憶領域MB1に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域MB3の情報(乱数)を前記第2特図記憶領域MB2に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第2特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域MB4の情報(乱数)を前記第3特図記憶領域MB3に記憶させる。すなわち、第2特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第2特図始動保留情報の記憶数に対応するように第2特図表示器51の表示を変更させる。
前記ステップB15の処理により各種乱数が取得されると、図7に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した大当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定(当り抽選)を行う(ステップB22)。なお、前述したように、非確変の時(低確率の時)に大当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち大当り確率)は、164/65536に設定され、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、1518/65536に設定されている。そして、ステップB22における大当り判定の判定結果が肯定の場合には(大当りが発生する場合には)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB23)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図振分用乱数の値に基づき、第2特図表示器51に確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図2)を決定する(ステップB24)。ここで、特図振分用乱数の値は、特図2の大当り図柄が各別に対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図振分用乱数の値に対応付けられた特図2を決定することで大当り図柄を決定することになる。大当り図柄(特図)が決定されると、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいて大当り演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する(ステップB25)。
一方、ステップB22の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB27)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB15の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB27の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示器51にて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB28)。次に、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する(ステップB29)。
また、ステップB27での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示器51にて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB30)。次に、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれ演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する(ステップB31)。
ここで、ステップB28,B29,B30,B31において変動パターンおよび最終停止図柄(特図2)を決定したメイン制御CPUは、統括制御基板65に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB26)。具体的には、メイン制御CPU60aは、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力すると共に、変動パターンで特定された演出時間の計測を開始する。これと同時に、メイン制御CPU60aは、第2特図変動表示が開始させるように第2特図表示器51を制御する。また、メイン制御CPU60aは、最終停止図柄となる特図2を指示するための特図2指定コマンドを出力する。更に、メイン制御CPU60aは、減算された第2特図始動保留情報の記憶数を第2特図始動保留コマンドとして統括制御基板65に対して出力するようになっている。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU60aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第2特図表示器51の表示内容を制御する。また、メイン制御CPU60aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、演出図柄の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
一方、ステップB13の判定結果が否定の場合(第2特図始動保留情報の記憶数=0の場合)には、第1特図始動保留情報の記憶数を読み出し(ステップB16)、第1特図始動保留情報の記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB17)。メイン制御CPU60aは、ステップB17の判定結果が肯定の場合には(第1特図始動保留情報の記憶数>0)の場合には、第1特図始動保留情報の記憶数を1減算して(ステップB18)、当該第1特図始動保留情報に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数の値、リーチ判定用乱数の値、特図振分用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および変動パターン振分用乱数の値をメイン制御CPU60aが取得して(ステップB19)、次いで当り判定処理を実行する。すなわち、実施例のパチンコ機10では、第2始動入賞口31bへの入賞を契機として取得される第2特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されている場合には、第1始動入賞口31aへの入賞を契機として取得される第1特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されていたとしても、該第2特図始動保留情報に基づく図柄変動演出が優先的に実行されるようになっている。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域M1から乱数を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第1特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域M2の情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域M1に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域M3の情報(乱数)を前記第2特図記憶領域M2に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第1特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域M4の情報(乱数)を前記第3特図記憶領域M3に記憶させる。これにより、すなわち、第1特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第1特図始動保留情報の記憶数に対応するように第1特図保留表示部52の表示を変更させる。
前記ステップB19の処理により各種乱数が取得されると、図8に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した大当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定(当り抽選)を行う(ステップB32)。なお、前述したように、非確変の時(低確率の時)に大当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち大当り確率)は、164/65536に設定され、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、1518/65536に設定されている。そして、ステップB32における大当り判定の判定結果が肯定の場合には(大当りが発生する場合には)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB33)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図振分用乱数の値に基づき、第1特図表示器50に確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図1)を決定する(ステップB34)。ここで、特図振分用乱数の値は、特図1毎に大当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図振分用乱数の値に対応付けられた特図1を決定することで大当り図柄を決定することになる。大当り図柄(特図1)が決定されると、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいて大当り演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する(ステップB35)。
一方、ステップB32の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB37)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB19の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB37の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示器50にて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB38)。次に、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する(ステップB39)。
また、ステップB37での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示器50にて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB40)。次に、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれ演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する(ステップB41)。
ここで、ステップB38,B39,B40,B41において変動パターンおよび最終停止図柄(特図1)を決定したメイン制御CPU60aは、統括制御基板65に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB36)。具体的には、メイン制御CPU60aは、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力すると共に、変動パターンで特定された演出時間の計測を開始する。これと同時に、メイン制御CPU60aは、第1特図変動表示を開始させるように第1特図表示器50を制御する。また、メイン制御CPU60aは、最終停止図柄となる特図1を指示するための特図1指定コマンドを出力する。更に、メイン制御CPU60aは、減算された第1特図始動保留情報の記憶数を第1特図始動保留コマンドとして統括制御基板65に対して出力するようになっている。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU60aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第1特図表示器50の表示内容を制御する。また、メイン制御CPU60aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、演出図柄の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
一方、ステップB17の判定結果が否定の場合(第1特図始動保留情報の記憶数=0の場合)には、メイン制御CPU60aは、デモ演出の実行を開始させるデモンストレーション指定コマンドを既に出力したか否かを判定し(ステップB20)、判定結果が否定の場合には、デモンストレーション指定コマンドを出力して特図開始処理を終了する(ステップB21)。また、ステップB20の判定結果が肯定の場合には(デモンストレーション指定コマンドを既に出力していた場合には)、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。
(統括制御)
次に、統括制御基板65で実行される処理について説明する。統括制御基板65の統括制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aから入力された変動パターン指定コマンドに基づいて、当該図柄変動演出において実行する演出パターンを決定し、決定した演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。ここで、統括制御CPU65aが選択可能な演出パターンは、演出モード毎に分類されており、統括制御基板65に入力される演出モードフラグの設定値に基づいて選択可能な演出パターンから変動パターンに対応する演出パターンが選択される。また、統括制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドが入力されると、該コマンドに対応する特図の停止図柄指定に応じて図柄表示装置17に最終停止表示させる各図柄表示列26a,26b,26cの演出図柄を決定する。すなわち、統括制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指定された図柄が大当り図柄の場合には、大当り表示となる演出図柄の図柄組み合わせとなるよう各図柄表示列26a,26b,26cの演出図柄が決定される。そして、前記演出パターンで特定される各図柄表示列26a,26b,26cの演出図柄の停止タイミングにおいて、各列の演出図柄指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。具体的には、統括制御CPU60aは、変動パターン指定コマンドが入力されると同時にタイマ手段(図示せず)により時間の計測を開始し、左図柄表示列26aの演出図柄の停止タイミングにおいて左演出図柄指定コマンドを出力し、右図柄表示列26cの演出図柄の停止タイミングにおいて右演出図柄指定コマンドを出力し、中図柄表示列26bの演出図柄の停止タイミングにおいて中演出図柄指定コマンドを出力する。
ここで、大当り図柄が図柄A、図柄a、図柄bまたは図柄dの場合には、特別確変大当り遊技に当選していることを昇格演出や再抽選演出で報知するか否かによって演出図柄の図柄組み合わせを決定する。すなわち、統括制御CPU65aは、昇格演出または再抽選演出にて報知する場合には、大当り遊技の終了後に確変状態となることを確定的に遊技者に報知しない演出図柄(具体的には偶数図柄)の同一図柄での図柄組み合わせとなるように決定し、昇格演出または再抽選演出にて報知しない場合には、確変状態となることを確定的に遊技者に報知可能な演出図柄(具体的には奇数図柄)からなる大当りの図柄組み合わせを決定する。そして、大当り図柄が図柄Bまたは図柄cである場合には、大当り遊技の終了後に確変状態となることを確定的に遊技者に報知しない演出図柄(具体的には偶数図柄)の同一図柄での図柄組み合わせとなるように決定する。また、大当り図柄が図柄C、図柄Dまたは図柄Eである場合には、突然確変大当り遊技の可能性を示唆する演出図柄(具体的には突確示唆図柄)を含む図柄組み合わせとなるように決定する。また、大当り図柄が図柄Fまたは図柄eである場合には、確変状態となることを確定的に遊技者に報知しない演出図柄(具体的には偶数図柄)の同一図柄での図柄組み合わせとなるように決定する。
また、統括制御CPU65aは、特図指定コマンドで指定された停止図柄が、はずれ図柄の場合、はずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、統括制御CPU65aは、はずれリーチ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含むはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。一方、統括制御CPU65aは、はずれ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含まないはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、統括制御CPU65aは、全図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。
また、統括制御CPUは、メイン制御CPUが出力する特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指示された大当り図柄の種類と、変短状態の作動/非作動(終了)に係る各指定コマンドと、演出モードフラグの設定値をもとに、演出モードの種類を決定し、当該決定した演出モードを示す値に演出モードフラグを更新する。演出モードフラグは、現在滞在している演出モードを識別可能な情報で構成されており、統括制御RAM65aに設定される。統括制御CPU65aは、演出モードフラグを更新すると、演出モードを指示するモード指定コマンドを表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73等に出力する。
(表示制御)
前記表示制御基板70では、変動パターン指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定される変動パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該演出パターンに対応した表示内容で図柄変動演出を実行させるように図柄表示装置17を制御する。そして、表示制御CPU70aは、図柄変動演出の開始に伴って演出開始からの経過時間を計時し、計測した時間毎に演出パターンに基づいた画像が表示されるよう図柄表示装置17に映し出す画像を所定の周期毎に切り替える。そして、表示制御CPU70aは、各図柄表示列26a,26b,26cの図柄停止コマンドが入力されると、対応する図柄表示列26a,26b,26cの有効停止位置27に演出図柄指定コマンドで指定された演出図柄を仮停止させ、全図柄停止コマンドが入力されると、各図柄表示列26a,26b,26cの有効停止位置27に演出図柄指定コマンドで指示された演出図柄を図柄表示装置17に確定停止表示させるように図柄表示装置17の表示内容を制御し、図柄変動演出を終了させる。また、表示制御CPU70aは、モード指定コマンドが入力されると、指示された演出モードに対応する背景画像を表示させる。
(特図演出図柄について)
また、実施例のパチンコ機10は、図9に示すように、所定条件の成立(始動入賞装置の始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞)を契機として、前記画像表示面17aにおいて演出図柄の図柄変動演出を行う前記図柄表示装置17とは別に、特殊演出図柄を変動表示させる特殊演出図柄表示部110が設けられている。ここで、前記特殊演出図柄表示部110は、前記始動入賞口31a,31bへの入賞を契機として前記メイン制御CPU60aにより特定された遊技関連情報をLED101,102(以下特殊演出図柄表示LEDという)の発光状態により表示するよう構成されたものである。具体的には、実施例の特殊演出図柄表示部110では、前記遊技関連情報として、前記始動入賞口31a,31bへの入賞を契機として前記メイン制御CPU60aにおいて決定された図柄変動演出の結果として大当りを発生するか否かの大当り判定結果を表示すると共に、大当り判定結果が肯定の場合に決定される大当り遊技の種類を示唆するようになっている。ここで、実施例の特殊演出図柄表示部110は、前記設置部材80における開口部80bの下部位置に配設された前記遊技演出装置90に設けられている。
前記特殊演出図柄表示部110は、前記第1始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞を契機として前記メイン制御CPU60aにより特定された遊技関連情報表示する第1特殊演出図柄と、前記第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞を契機としてメイン制御CPU60aにより特定された遊技関連情報表示する第2特殊演出図柄とが設定されている。従って、前記第1特図表示器50で行われる第1特図変動表示に伴って、前記演出図柄を変動させて行われる図柄変動演出とは別に、第1特殊演出図柄を表示する第1特殊演出図柄表示LED101の発光状態を変動させて第1特殊演出図柄変動表示が行われると共に、第2特図表示器51で行われる第2特図変動表示に伴って、演出図柄を変動させて行われる図柄変動演出とは別に、第2特殊演出図柄を表示する第2特殊演出図柄表示LED102の発光状態を変動させて第2特殊演出図柄変動表示が行われるようになっている。なお、実施例では、前記第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始すると、実行されている特図変動表示に対応して、第1特殊演出図柄表示LED101または第2特殊演出図柄表示LED102の何れかが所定の間隔で点滅することで行われるようになっている。
また、前記第1特殊演出図柄変動表示は、前記第1特図変動表示の開始と同時に発光状態の変動(点滅)が開始され、該第1特図変動表示の終了と同時に、第1特殊演出図柄表示LED101の発光状態が確定して特殊演出図柄が確定停止表示されるよう構成されている。同様に、前記第2特殊演出図柄変動表示は、前記第2特図変動表示の開始と同時に発光状態の変動(点滅)が開始され、該第2特図変動表示の終了と同時に、第2特殊演出図柄表示LED102の発光状態が確定して特殊演出図柄が確定停止表示される。ここで、前記第1特殊演出図柄表示LED101および第2特殊演出図柄表示LED102は、前述した特図変動インターバル時間(例えば600ms)に亘って点灯状態が継続するか、或いは消灯状態が継続することで、発光状態が確定したことを知らせるよう設定されている。
そして、前記特殊演出図柄表示部110,111は、前述のように、特殊演出図柄表示LED101,102の発光状態の確定により特殊演出図柄を表示するよう構成されたものであり、前記図柄表示装置17における演出図柄が仮停止したり、演出内容に応じて一時的に表示されない状態となった場合であっても、第1または第2特図変動表示の終了まで継続して変動表示されるよう構成される。ここで、実施例のパチンコ機では、前記図柄表示装置17の画像表示面17aにおいて演出図柄が表示されると共に各種の演出表示が実行され、また第1特殊演出図柄および第2特殊演出図柄の夫々は、後述するように1個のLEDにより表示されたものであって、図柄表示装置17に表示される演出図柄と比較して第1特殊演出図柄および第2特殊演出図柄が遥かに小さく目立たない状態で表示される。従って、第1特殊演出図柄や第2特殊演出図柄が変動表示されていたとしても、図柄表示装置17で行われる演出に遊技者の関心が向けられるから、該図柄表示装置17での図柄変動演出の興趣を損なうことはなく、また必要に応じて第1特殊演出図柄や第2特殊演出図柄の状態を確認することで、図柄変動演出の継続を容易に確認することができる。
前記特殊演出図柄を表示する第1特殊演出図柄表示LED101および第2特殊演出図柄表示LED102には、複数色を発光可能なLED素子が採用されており、第1特殊演出図柄および第2特殊演出図柄を複数色(実施例では、赤色、緑色の2色)に分けて表示するようになっている。そして、第1特図表示器50に表示される特図1または第1特図表示器50に表示される特図2の種類に応じて、第1特殊演出図柄および第2特殊演出図柄としての発光色を統括制御CPU65aが決定するよう構成されている。具体的には、図柄A、図柄B、図柄Fに分類される特図1が第1特図表示器50に表示される場合には、前記特殊演出図柄表示部110の第1特殊演出図柄表示LED101が最終的に赤色で点灯するよう統括制御CPU65aが決定する。また、図柄C、図柄D、図柄Eに分類される特図1が第1特図表示器50に表示される場合には、前記特殊演出図柄表示部110の第1特殊演出図柄表示LED101が最終的に緑色で点灯するよう統括制御CPU65aが決定する。そして、図柄a、図柄bに分類される特図2が第2特図表示器51に表示される場合には、前記特殊演出図柄表示部110の第2特殊演出図柄表示LED102が最終的に赤色で点灯するよう統括制御CPU65aが決定し、図柄c、図柄d、図柄eに分類される特図2が第2特図表示器51に表示される場合には、第2特殊演出図柄表示LED102が最終的に緑色で点灯するよう統括制御CPUが決定するようになっている。
このように、実施例の特殊演出図柄表示部110では、第1特殊演出図柄および第2特殊演出図柄の夫々において複数種類の大当り遊技を同一の表示形態で表示するようにしてあるから、特殊演出図柄の表示を確認しただけでは、どの種類の大当り遊技が付与されたかは直接認識することはできないから、第1特殊演出図柄および第2特殊演出図柄により大当り遊技を示唆したとしても、遊技の興趣が損なわれることはない。また、第1特殊演出図柄および第2特殊演出図柄を確認することで、大当り遊技の種類をある程度まで絞ることができるから、該第1特殊演出図柄および第2特殊演出図柄の表示形態から大当り遊技の種類を推測する今までにない新たな楽しみを創出することができる。
ここで、前記統括制御基板65の統括制御CPU65aによる特殊演出図柄の表示制御について説明する。統括制御CPU65aは、変動パターン指定コマンド及び特別図柄指定コマンドが入力されると、当該変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンおよび特別図柄指定コマンドにより指定された最終停止図柄に基づき、特殊演出図柄表示部110に表示させる第1特殊演出図柄または第2特殊演出図柄を決定する。そして、指定された最終停止図柄が大当り図柄である場合には、予め決められた大当りを認識できる表示形態の中から第1特殊演出図柄または第2特殊演出図柄の表示形態を統括制御CPU65aが決定する。ここで、指定された最終停止図柄がはずれ図柄である場合には、予め決められたはずれを認識できる表示形態の中から第1特殊演出図柄または第2特殊演出図柄の表示形態を決定する。なお、実施例では、はずれを認識できる表示形態として、第1特殊演出図柄表示LED101および第2特殊演出図柄表示LED102を消灯して特殊演出図柄を表示するよう決定する。そして、統括制御CPU65aが特殊演出図柄を決定すると、決定した特殊演出図柄を指定する特殊演出図柄指定コマンドを表示制御基板に出力する。
統括制御CPU65aは、変動パターン指定コマンドが入力されると、第1特殊演出図柄または第2特殊演出図柄を変動表示させて特殊演出図柄変動表示を開始させるように第1特殊演出図柄表示LED101または第2特殊演出図柄表示LED102の発光を制御する。具体的には、当該変動において実行される特図変動表示が第1特図変動表示および第2特図変動表示であるかを統括制御CPU65aが判定し、第1特図変動表示が実行される場合には、第1特殊演出図柄表示LED101を点滅させて第1特殊演出図柄変動表示を開始させ、第2特図変動表示が実行される場合には、第2特殊演出図柄表示LED102を点滅させて第2特殊演出図柄変動表示を開始させるよう特殊演出図柄表示部110を制御する。そして、全図柄停止コマンドが入力されると、変動開始時に入力された特殊演出図柄指定コマンドで指定された種類の特殊演出図柄を停止表示させるように第1特殊演出図柄表示LED101または第2特殊演出図柄表示LED102の表示態様を制御する。
ここで、実施例では、特殊演出図柄変動表示が一旦開始されると、全図柄停止コマンドが入力されるまでの間、変動開始した第1特殊演出図柄表示LED101または第2特殊演出図柄表示LED102が一定間隔の点滅を継続するよう設定される。すなわち、図柄表示装置17で行われる演出の関係上、演出図柄が非表示の状態となった場合であっても、第1特殊演出図柄表示LED101または第2特殊演出図柄表示LED102が変動を継続することにより、図柄変動演出が続いているか否かを特定することができ、遊技者に不要な誤解を与えることなく図柄表示装置17において多様な演出を行うことが可能となる。
(遊技演出装置90について)
次に、前記特殊演出図柄表示部110を備えた前記遊技演出装置90につき説明する。ここで、実施例の遊技演出装置90は、前記特殊演出図柄を表示する特殊演出図柄表示部110としての他に、前記始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞に基づいて記憶された特図始動保留情報を表示する保留表示部120や、前記遊技盤20を光により装飾する発光演出部150、可動体131,131の動作により演出を行う可動演出部130としての機能を備えた複合的な遊技演出部品として構成されている。
前記特殊演出図柄表示部110を備えた遊技演出装置90は、図10〜図14に示すように、前記設置部材80に配設される取付ベース91と、前記取付ベース91に配設されると共に前面に複数のLED(発光手段)101,102,103,104が実装されたLED基板(基板)100とを備えており、当該取付ベース91に対して、前述した特殊演出図柄表示部110、保留表示部120、発光演出部150、可動演出部130の夫々を構成する各種構成部品が組み付けられている。そして、実施例の遊技演出装置90は、前記設置部材80に配設された状態において、前記始動入賞装置30の第1始動入賞口31aを通る鉛直線を基準として略左右対称な形態に形成されている。ここで、前記取付ベース91は、平板状に形成されて前記設置部材80における開口部80bの下部位置に配設されており、前記遊技演出装置90を設置部材80に配設した状態において、取付ベース91の前面上部が前記枠状装飾体25に形成された前記球規制壁部25fと前後の関係で重なるようになっている。なお、実施例の取付ベース91は、前記設置部材80に形成された開口部80bの左右全幅に亘って延在する平板状に形成された透明な部材として形成されている。
また、前記取付ベース91の前面上部位置には、図11、図13に示すように、前記球規制壁部25fと前後の関係で対向する位置に、該取付ベース91の前面を装飾する前面装飾カバー95,96が配設されており、球規制壁部25fを透過した前面装飾カバー95,96を遊技盤20の前面側から目視し得るようになっている。前記前面装飾カバー95,96は、前記球規制壁部25fよりも上方まで延在するよう形成されると共に、該前面装飾カバー95,96の前面における球規制壁部25fより上方位置に前後に貫通する光透過孔95a,95bが形成されており、当該前面装飾カバー95,96に設けた光透過孔95a,95bに、前記特殊演出図柄表示部110および保留表示部120を構成する光透過部材(後述)111,121が嵌合するようになっている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、前記球規制壁部25f(屋根状部25g)の上方において、前記特殊演出図柄表示部110および保留表示部120を遊技者が直接目視し得るようになっている。なお、実施例の遊技演出装置90では、左右対称な一対の前面装飾カバー95,96が前記取付ベース91に配設されており、該取付ベース91の前面右上部位置を覆う第1前面装飾カバー95に前記特殊演出図柄表示部110を構成する複数(実施例では2つ)の第1光透過孔95aが横並び状に形成され、取付ベース91の前面左上部位置を覆う第2前面装飾カバー96に前記特殊演出図柄表示部110を構成する複数(実施例では4つ)の第2光透過孔96aが形成されている。
(LED基板100について)
図11、図13に示すように、前記LED基板100は、前記取付ベース91の後面側に配設されると共に、該LED基板100の前面に、前記特殊演出図柄表示部110を構成する複数(実施例では2個)のLED101,102、前記保留表示部120を構成する複数(実施例では4個)のLED103および前記発光演出部150を構成する複数(実施例では16個)のLED104の夫々が実装されている。なお、前記特殊演出図柄表示部110を構成するLEDを特殊演出図柄表示LED101,102と指称し、前記保留表示部120を構成するLEDを保留表示LED103と指称し、前記発光演出部150を構成するLEDを発光演出LED104と指称する場合がある。更に、特殊演出図柄表示LED101,102に関して、第1特図変動表示に対応したLED(図11において左側に位置するLED)を第1特殊演出図柄表示LED101と指称し、第2特図変動表示に対応したLED(図11において右側に位置するLED)を第2特殊演出図柄表示LED102と指称する場合がある。
ここで、前記LED基板100に配設される各LEDは、前記始動入賞装置30の第1始動入賞口31aを通る鉛直線を基準として略左右対称な形態に形成されて、LEDの前面において当該鉛直線を基準として略左右対称となる位置に複数のLEDが実装されている(図13参照)。具体的には、前記LED基板100の前面右上端部に2つの特殊演出図柄表示LED101,102が左右に隣接した状態で設けられると共に、該LED基板100の前面左上端部に4つの保留表示LED103が左右に隣接した状態で設けられており、該特殊演出図柄表示LED101,102と保留表示LED103とが、前記始動入賞装置30の第1始動入賞口31aを通る鉛直線を基準として略左右対称となる位置に配置されている。また、前記複数の発光演出LED104は、前記鉛直線上に複数(実施例では3つ)のLEDが並ぶよう配置されると共に、該鉛直線上を基準として略左右対称となる位置に、複数(実施例では5個ずつ)のLEDが配置され、当該複数の発光演出LED104だけで鉛直線を基準として略左右対称となるよう構成されている。そして、前記発光演出LED104は、前記特殊演出図柄表示LED101,102の左側方および下方を囲むように配置されると共に、前記保留表示LED103の右側方および下方を囲むように配置されている。すなわち、実施例では、前記特殊演出図柄表示LED101,102および発光演出LED104が、同一基板上において相互に比較的近接した位置に配置されている。同様に、前記保留表示LED103および前記発光演出LED104に関しても、同一基板上において相互に比較的近接した位置に配置されている。
また、図11、図13に示すように、前記取付ベース91には、前記LED基板100に実装された前記特殊演出図柄表示LED101,102の配置位置と対応する位置に、前後に開口する第1挿入孔(孔部)92aが形成されており、該取付ベース91の後面にLED基板100を配設した状態で、各特殊演出図柄表示LED101,102が第1挿入孔92aの開口内側に位置するようになっている。そして、前記第1挿入孔92aは、第1特殊演出図柄表示LED101および第2特殊演出図柄表示LED102が一度に開口内側に位置する大きさの開口形状にされる。また、前記取付ベース91には、前記第1挿入孔92aの上端縁および下端縁の中間位置に、後述する第1遮光部115を支持する支持部としての位置決め溝94が形成されており、該位置決め溝94で位置決め支持された第1遮光部115が、第1挿入孔92aの開口内側で第1特殊演出図柄表示LED101および第2特殊演出図柄表示LED102を区分けするようになっている。また、前記第1挿入孔92aに臨んだ前記特殊演出図柄表示LED101,102の夫々は、該第1挿入孔92aの開口内周面に近接位置するよう構成されている。すなわち、前記第1挿入孔92aの開口内周面に対する各特殊演出図柄表示LED101,102から発せられた光の入射角を大きくすることで、該特殊演出図柄表示LED101,102からの光が第1挿入孔92aの開口内面から入射して取付ベース91を透過して外部に漏れ出るのを防止している。このように、前記取付ベース91における第1挿入孔92aの開口内周面は、特殊演出図柄表示LED101,102の光を遮る遮光手段(第1の遮光手段)としての機能を有している。
また、前記取付ベース91には、前記LED基板100に実装された前記保留表示LED103の配置位置と対応する位置に、前後に開口する第2挿入孔(孔部)92bが形成されており、該取付ベース91の後面にLED基板100を配設した状態で、各保留表示LED103が第2挿入孔92bの開口内側に位置するようになっている。ここで、前記第2挿入孔92bは、複数の保留表示LED103の夫々が開口内側に位置する大きさの開口形状にされている。また、前記第2挿入孔92bに臨んだ前記保留表示LED103の夫々は、該第2挿入孔92bの開口内周面に近接位置するよう構成されている。すなわち、前記第2挿入孔92bの開口内周面に対する各保留表示LED103から発せられた光の入射角を大きくすることで、該保留表示LED103の光が第2挿入孔92bの開口内周面を介して取付ベース91を透過して外部に漏れ出るのを防止している。このように、前記取付ベース91における第2挿入孔92bの開口内周面は、保留表示LED103の光を遮る遮光手段としての機能を有している。
更に、記取付ベース91には、前記LED基板100に実装された前記発光演出LED104の配置位置と夫々対応する位置に、前後に開口する第3挿入孔(孔部)92cが形成されており、該取付ベース91の後面にLED基板100を配設した状態で、各発光演出LED104が第3挿入孔92cの開口内側に位置するようになっている。また、前記第3挿入孔92cに臨んだ前記発光演出LED104の夫々は、該第3挿入孔92cの開口内周面に近接位置するよう構成されている。すなわち、前記第3挿入孔92cの開口内周面に対する発光演出LED104から発せられた光の入射角を大きくすることで、該発光演出LED104の光が第3挿入孔92cの開口内周面を介して取付ベース91を透過して外部に漏れ出るのを防止している。このように、前記取付ベース91における第3挿入孔92cの開口内周面は、発光演出LED104の光を遮る遮光手段(第2の遮光手段)としての機能を有している。
(特殊演出図柄表示部110について)
次に、前記遊技演出装置90に設けられた特殊演出図柄表示部110について説明する。前記特殊演出図柄表示部110は、図10に示すように、前記LED基板100に隣接して設けられた複数の前記特殊演出図柄表示LED101,102と、該複数の特殊演出図柄表示LED101,102の夫々に対応して設けられてパチンコ機10の前面に露出し、対応する特殊演出図柄表示LED101,102の発光により明輝される光透過部材(光透過部)111と、当該複数の特殊演出図柄表示LED101,102の間に設けられ、何れかの特殊演出図柄表示LED101,102を発光した際に、隣接する他方の特殊演出図柄表示LED101,102に対応した光透過部材111への光の入射を防止する遮光部(第1の遮光手段)115とを備えている。すなわち、実施例の特殊演出図柄表示部110では、各特殊演出図柄表示LED101,102を発光した際には、発光した特殊演出図柄表示LED101,102に対応する光透過部材111のみが明るく照らされて、特殊演出図柄の変動状態を遊技者が確実に判別し得るよう構成されている。なお、特殊演出図柄表示部110を構成する前記光透過部材111および遮光部115に関する以下の説明では、必要に応じて各構成の最初に「第1」を付加して、前記保留表示部120を構成する後述の光透過部材121および遮光部125と区別する。
前記第1光透過部材111は、前記第1特殊演出図柄表示LED101および第2特殊演出図柄表示LED102の夫々に個別に対応して、全体が透明な合成樹脂材により同一の形態で形成されている。具体的に、前記第1光透過部材111は、前記第1前面装飾カバー95に形成された一方の第1光透過孔95aに嵌合する断面形状に形成された第1嵌合部112と、該第1嵌合部112の後端部から外方(実施例では上下方向)へ延出し、第1前面装飾カバー95の裏面に係止する第1係止部113と、該第1嵌合部112の後端部から対応する第1特殊演出図柄表示LED101または第2特殊演出図柄表示LED102側へ延在する第1導光部114とを備えている。そして、前記各第1光透過部材111を第1前面装飾カバー95の第1光透過孔95aに取り付けた状態で、前記第1導光部114の後端部に対応の第1特殊演出図柄表示LED101または第2特殊演出図柄表示LED102が対向するよう構成される。すなわち、前記第1特殊演出図柄表示LED101および第2特殊演出図柄表示LED102を発光した際に、各特殊演出図柄表示LED101,102に対応する第1光透過部材111の第1導光部114の後端部に光が入射し、該第1光透過部材111を透過した光が前記第1前面装飾カバー95の第1光透過孔95aを介して遊技盤20の前面に照射されるようになっている。また、前記各第1光透過部材111の第1嵌合部112は、前記第1前面装飾カバー95の第1光透過孔95aに整合する形状(実施例では断面略平行四辺形)に形成されて、該第1前面装飾カバー95の第1光透過孔95aが第1嵌合部112で充填されるようになっている。
前記第1遮光部115は、図11、図12、図13、図15、図16、図19に示すように、前記第1挿入孔92aに前側から挿入されて前記第1特殊演出図柄表示LED101および第2特殊演出図柄表示LED102の間に延在する遮光板116と、該遮光板116の前端部(第1特殊演出図柄表示LED101および第2特殊演出図柄表示LED102の光照射方向前側)に設けられた当接板117とを備えており、全体が光を透過しない合成樹脂材により形成されている。ここで、前記第1遮光板116は、前記第1挿入孔92aの上下の端縁に形成された位置決め溝94に上下の端部が嵌り込むよう形成されており、該第1遮光板116が位置決め溝94に嵌り込むことで、第1挿入孔92aに対する第1遮光部115の左右位置が位置決めされるようになっている。また、前記遮光板116の前端部には、該遮光板116に交差する両側方(具体的には左右側方)へ延出する当接板117が形成されており、前記第1挿入孔92aの位置決め溝94に遮光板116を嵌合させた際に、前記取付ベース91の前面に当接板117が当接して第1遮光部115の後方移動が規制されるようになっている。そして、前記取付ベース91の前面に当接板117が当接した状態において、前記遮光板116の後端部が前記LED基板100の前面に当接して、前記第1特殊演出図柄表示LED101および第2特殊演出図柄表示LED102の間を区切るよう構成されており、該第1特殊演出図柄表示LED101および第2特殊演出図柄表示LED102の光が遮光板116で区切られた他方の領域へ入射するのを防止している。
また、前記当接板117には、前記第1光透過部材111の夫々と対応する位置に、前後に開口する嵌合凹部118が形成されており、前記取付ベース91と第1前面装飾カバー95とを組み付けた状態で、該第1光透過部材111の導光部114が嵌合凹部118に嵌り込んで、当該第1光透過部材111に形成された前記第1係止部113の後端部に当接板117の前面が当接するようになっている。すなわち、前記第1前面装飾カバー95の第1光透過孔95aに前記第1光透過部材111の第1嵌合部112が嵌合した状態で、前記第1係止部113が第1前面装飾カバー95および第1遮光部115(当接板117)により挟持されることにより、前記嵌合凹部118に第1導光部114が嵌合した状態で第1光透過部材111が保持されるようになっている。これにより、前記第1特殊演出図柄表示LED101および第2特殊演出図柄表示LED102を発光した際に、発光したLED101,102に対応する第1光透過部材111が明輝され、隣接する他方のLED101,102に対応する第1光透過部材111へ光が入るのを、前記第1遮光部115の遮光板116で遮るようになっている。このように、実施例の特殊演出図柄表示部110では、各特殊演出図柄表示LED101,102を発光した際には、発光した特殊演出図柄表示LED101,102に対応する第1光透過部材111のみが明るく照らされて、特殊演出図柄の変動状態を遊技者が確実に判別し得るよう構成されている。
(保留表示部120について)
次に、前記遊技演出装置90に設けられた保留表示部120について説明する。前記保留表示部120は、図11、図12、図13、図20、図21に示すように、前記LED基板100に設けられた複数の前記保留表示LED103と、該複数の保留表示LED103の夫々に対応して設けられてパチンコ機10の前面に露出し、対応する保留表示LED103の発光により明輝される複数(実施例では4つ)の光透過部材(光透過部)121と、何れかの保留表示LED103を発光した際に、隣接する他方の保留表示LED103に対応した光透過部材121への光の入射を防止する遮光部125とを備えている。すなわち、実施例の特殊演出図柄表示部110では、各保留表示LED103を発光した際には、発光した保留表示LED103に対応する光透過部材121のみが明るく照らされて、特殊演出図柄の変動状態を遊技者が確実に判別し得るよう構成されている。なお、保留表示部120を構成する前記光透過部材121および遮光部125に関する以下の説明では、必要に応じて各構成の最初に「第2」を付加して、前記特殊演出図柄表示部110を構成する第1光透過部材111および第1遮光部115と区別する。
前記第2光透過部材121は、前記保留表示LED103の夫々に個別に対応して、全体が透明な合成樹脂材により同一の形態で形成されている。具体的に、前記第2光透過部材121は、前記第2前面装飾カバー96に形成された第2光透過孔96aの1つに嵌合する断面形状に形成された第2嵌合部122と、該第2嵌合部122の後端部から外方(実施例では第2嵌合部122の径方向外方)へ延出し、第2前面装飾カバー96の裏面に係止する第2係止部123と、該第2嵌合部122の後端部から対応する保留表示LED103側へ延在する第2導光部124とを備えている。そして、前記各第2光透過部材121を第2前面装飾カバー96の第2光透過孔96aに取り付けた状態で、前記第2導光部124の後端部に対応の保留表示LED103が対向するよう構成されており、保留表示LED103を発光して第2導光部124の後端部に入射した光が、前記第2前面装飾カバー96の第2光透過孔96aを介して遊技盤20の前面に照射されるようになっている。また、前記各第2光透過部材121の第2嵌合部122は、前記第2前面装飾カバー96の第2光透過孔96aに整合する形状(実施例では断面円形)に形成されて、該第2前面装飾カバー96の第2光透過孔96aが第2嵌合部122で充填されるようになっている。
前記第2遮光部125は、図20、図21に示すように、光を透過しない合成樹脂材により前記第2挿入孔92bの前側を覆うブロック状に形成された本体部126に、前後に貫通する複数の嵌合孔部127が形成されている。前記複数の嵌合孔部127は、前記各保留表示LED103の光照射方向前側に対応する位置に夫々形成されており、各保留表示LED103からの光が対応の嵌合孔部127に照射されるようになっている。また、前記嵌合孔部127は、前記第2光透過部材121の第2導光部124が嵌合する大きさで形成されており、該嵌合孔部127の夫々に第2導光部124を前側から嵌合した際に、当該第2光透過部材121に形成された前記第2係止部123の後端部が第2遮光部125の本体部126の前面に当接するようになっている。更に、前記取付ベース91と第2前面装飾カバー96とを組み付けた状態で、該取付ベース91の前面に第2遮光部125が当接するよう構成されている。すなわち、前記第2前面装飾カバー96の各第2光透過孔96aに前記第2光透過部材121の第2嵌合部122が嵌合した状態で、前記第2光透過部材121の第2係止部123が第2前面装飾カバー96および第2遮光部125(本体部126)により挟持され、該第2遮光部125が取付ベース91により挟持されて、前記嵌合孔部127に第2導光部124が嵌合した状態で第2光透過部材121が保持されるようになっている。これにより、前記保留表示LED103を発光した際に、発光したLEDに対応する第2光透過部材121が明輝され、隣接する他のLEDに対応する第2光透過部材121へ光が入るのを、前記第2遮光部125で遮られるようになっている。
ここで、前記保留表示部120は、前記始動入賞口31a,31bにパチンコ球が入賞したことを契機として取得される情報(各種乱数情報)が機内部の記憶手段(メイン制御RAM)に特図始動保留情報(第1始動保留球)として記憶された際に、前記統括制御CPU65aに出力される特図始動保留コマンドに基づいて前記保留表示LED103が発光制御されるようになっている。実施例では、第1特図始動保留情報(第1始動保留球)として記憶された際に前記統括制御CPU65aに出力される第1特図始動保留コマンドに基づいて、統括制御CPU65aが保留表示部120の保留表示LED103を発光制御するようになっている。すなわち、図柄表示装置17の画像表示面17aの直下方に位置する前記保留表示部120の表示内容によって、保留されている第1特図変動表示の回数(図柄変動演出の回数)を遊技者が容易に認識し得るよう構成される。なお、実施例では、第2特図始動保留情報(第2始動保留球)として記憶された際に前記統括制御CPU65aに出力される第2特図始動保留コマンドに基づいて、統括制御CPU65aが図柄表示装置17の画像表示面17a上において当該第2特図始動保留球数を数字により表示するようになっている。
前記保留表示部120で表示される第1特図始動保留情報の記憶数は、前記第1特図保留表示部52で表示される第1特図始動保留情報の記憶数と一致するようになっており、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第1特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。そして、保留表示部120で表示可能な第1特図始動保留情報の記憶数に所定の上限数(実施例では「4」)が設定されており、前記第1特図始動保留コマンドに基づいて上限数まで記憶数を夫々加算し得るよう設定されている。なお、前記保留表示部120では、第1特図始動保留球数が「0」の場合には、全ての保留表示LED103が消灯し、第1始動保留球数が1増える毎に左側の保留表示LED103から順に点灯し、第1始動保留球数が1減る毎に右側の保留表示LED103から順に消灯するようになっている。すなわち、保留表示部120における保留表示LED103の点灯数を把握するだけで、第1始動保留球数を直感的に容易に把握することができる。
(発光演出部150について)
次に、前記遊技演出装置90に設けられた発光演出LED140について説明する。前記発光演出部150は、図11、図13に示すように、前記LED基板100に設けられた複数の前記発光演出LED104と、該複数の発光演出LED104の前方に位置して、発光演出LED104の発光により明輝される前記前面装飾カバー95,96と、当該発光演出LED104を発光した際に、隣接する特殊演出図柄表示LED101,102および保留表示LED103に対応した光透過部材111,121への光の入射を防止する前記取付ベース91の第3挿入孔92cとから構成されている。ここで、前記前面装飾カバー95,96は、前記発光演出LED104の配設位置に対応して光を透過する透光部が設けられており、発光演出LED104を発光することで、該発光演出LED104の前側に位置する前面装飾カバー95,96が明輝されようになっている。また、前述のように、前記取付ベース91の後面にLED基板100を配設した状態において、各発光演出LED104が第3挿入孔92cの開口内側に位置するようになっており、発光演出LED104の光が第3挿入孔92cの開口内周面を介して取付ベース91を透過して、前記特殊演出図柄表示部110や保留表示部120側に光が漏れるのを防止している。従って、前記発光演出LED104の発光による演出を実行した場合でも、該発光演出LED104からの光により前記特殊演出図柄表示部110や保留表示部120が明輝されないようになっている。
(可動演出部130について)
次に、前記遊技演出装置90に設けられた可動演出部130について説明する。前記可動演出部130は、図10、図14に示すように、前記取付ベース91に動作可能に支持された可動体131と、該可動体131の駆動手段としてのソレノイド135と、該ソレノイド135を可動体131に連繋接続する駆動伝達手段137,140,142とから構成されている。ここで、実施例の可動演出部130は、左右に相互に近接・離間移動可能な左右一対の可動体131を備えており、各可動体131の下端部に、前記駆動伝達手段137,140,142に接続する連結軸131aが後方へ向けて突出するよう設けられている。この連結軸131aは、前記取付ベース91に前後に貫通するよう形成された対応する横長の第1ガイド孔132を介して取付ベース91の後方へ突出するよう構成されている。そして、前記取付ベース91の後面側には、前記ソレノイド135を設置する設置部133が前記LED基板100の下部位置に設けられており、プランジャ135aを下方へ向けた姿勢で設置部133に取り付けられて、前記駆動伝達手段137,140,142を介してプランジャ135aと連結軸131aとを連繋接続している。
前記駆動伝達手段137,140,142は、図14に示すように、前記取付ベース91に揺動可能に枢支され、前記ソレノイド135に接続する第1作動アーム137と、取付ベース91に対して上下にスライド移動可能に支持されると共に第1作動アーム137の自由端部側に接続されたスライダ140と、当該取付ベース91に揺動可能に枢支され、該スライダ140と可動体131とを接続する一対の第2作動アーム142とから基本的に構成されている。前記第1作動アーム137は、前記取付ベース91におけるソレノイド135の配設側端部(実施例では取付ベース91の左端部)に枢支されると共に、該取付ベース91の左右中央まで延在する長尺な部材として形成されており、ソレノイド135のプランジャ135aに取り付けられた連結部材138が略中間位置に形成された第1連結孔137aに接続するよう構成されている。なお、図14における符号139は、前記第1作動アーム137を覆う保護カバーである。
また、図14に示すように、前記スライダ140は、前記始動入賞装置30の後方に位置するよう前記取付ベース91に支持されて、該スライダ140に後方へ突出するよう形成されたピン140aが、前記第1作動アーム137の自由端部に形成された第2連結孔137bに接続するよう構成されている。なお、前記取付ベース91には、前記スライダ140を挟んだ後方に、上下に延在する第2ガイド孔141aが形成された支持板141が配設されており、該支持板141の第2ガイド孔141aにスライダ140のピン140aが挿入されて当該スライダ140を上下に案内するようになっている。
また、前記一対の第2作動アーム142は、図14に示すように、略L字状に形成された左右対称な形状に形成されており、前記スライダ140を挟んで左右に位置する前記取付ベース91に枢支される。そして、前記スライダ140の左方に位置する第2作動アーム142の下端がスライダ140に接続されると共に、該第2作動アーム142の上端が前記左側の可動体131に接続されており、該スライダ140の上下移動に伴い左側の可動体131が左右に移動するよう構成されている。また、前記スライダ140の右方に位置する第2作動アーム142の下端がスライダ140に接続されると共に、該第2作動アーム142の上端が前記右側の可動体131に接続されており、該スライダ140の上下移動に伴い右側の可動体131が左右に移動するよう構成されている。すなわち、前記可動体131を動作させる演出パターンが選択された際に、ソレノイド135の通電・通電停止を演出パターンで特定されるタイミングで統括制御CPU65aが切替えることで、前記第1作動アーム137、スライダ140および第2作動アーム142の夫々を介して前記一対の可動体131が左右に近接・離間移動して、可動体131の動作による演出を行ない得るようになっている。ここで、実施例の遊技演出装置90では、前記特殊演出図柄表示部110および保留表示部120の夫々と前後に重ならない範囲で、前記一対の可動体131が相互に近接および離間した位置に移動するよう構成されて、特殊演出図柄表示部110および保留表示部120の夫々を視認可能な状態を常に維持するよう構成されている。
〔実施例の作用〕
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
前記中枠12の前面側に設けられた前記操作ハンドル16を遊技者が回転操作すると、前記打球発射装置77から発射されたパチンコ球が前記遊技盤20に設けた案内レール21により画成された遊技領域20a内に打ち出されて、遊技釘23等に接触して流下方向を変更しながら遊技領域20a内を流下する。そして、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が前記始動入賞装置30の第1始動入賞口31aまたは第2始動入賞口31bに入賞することで、前記図柄表示装置17での図柄変動演出が開始され、図柄変動演出の結果、図柄表示装置17に所定の図柄組み合わせで演出図柄が表示されると大当りが発生する。大当りが発生すると、前記遊技盤20の下方に設けられた特別入賞装置40が開放されると共に、図柄表示装置17において大当り演出が行われる。
前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が前記始動入賞装置30の第1始動入賞口31aに入賞して前記図柄表示装置17において図柄変動演出が行われると、前記特殊演出図柄表示部110に設けた第1特殊演出図柄表示LED101が点滅して第1特殊演出図柄が変動を開始し、該始動入賞装置30の第2始動入賞口31bに入賞して図柄表示装置17において図柄変動演出が行われると、特殊演出図柄表示部110に設けた第2特殊演出図柄表示LED102が点滅して第2特殊演出図柄が変動を開始する。この第1特殊演出図柄表示LED101は、前記第1特図変動表示の開始と同時に発光状態の変動(点滅)が開始され、該第1特図変動表示の終了と同時に第1特殊演出図柄表示LED101の発光状態が確定して特殊演出図柄が確定停止表示されると共に、第2特殊演出図柄表示LED102は、前記第2特図変動表示の開始と同時に発光状態の変動(点滅)が開始され、該第2特図変動表示の終了と同時に第2特殊演出図柄表示LED102の発光状態が確定して特殊演出図柄が確定停止表示される。
すなわち、前記図柄表示装置17において実行される図柄変動演出において演出図柄が仮停止したり、演出内容に応じて演出図柄が一時的に表示されない状態となった場合であっても、第1特殊演出図柄表示LED101または第2特殊演出図柄表示LED102の点滅変動が対応する第1または第2特図変動表示終了まで継続して変動表示されるから、該特殊演出図柄表示部110を確認することで図柄変動演出が継続しているのか否かを容易に確認することができる。このとき、前記図柄表示装置17に表示される演出図柄と比較して特殊演出図柄表示部110で行われる第1特殊演出図柄変動表示および第2特殊演出図柄変動表示を遥かに小さく目立たない状態で表示するようにしたことで、第1特殊演出図柄や第2特殊演出図柄が変動表示されていたとしても、図柄表示装置17で行われる演出に遊技者の関心を向けることができ、該図柄変動演出の興趣を損なうことはない。
ここで、前記特殊演出図柄表示部110は、前記第1特殊演出図柄変動表示および第2特殊演出図柄変動表示を行う第1特殊演出図柄表示LED101および第2特殊演出図柄表示LED102の間に、第1遮光部115を設けてあるから、第1特殊演出図柄表示LED101を発光させた際には、第1遮光部115の遮光板116により第1特殊演出図柄表示LED101からの光が第2特殊演出図柄表示LED102に対応した右側の第1光透過部材111側に洩れるのを防止し得る。また、同様に、前記第2特殊演出図柄表示LED102を発光させた際には、前記第1遮光部115の遮光板116により第2特殊演出図柄表示LED102からの光が第1特殊演出図柄表示LED101に対応した左側の第1光透過部材111側に洩れるのを防止し得る。すなわち、前記第1特殊演出図柄表示LED101および第2特殊演出図柄表示LED102を発光させた際に、該第1特殊演出図柄表示LED101および第2特殊演出図柄表示LED102の相互の光の漏れを第1遮光部115(遮光板116)により遮ることができる。従って、発光させていない特殊演出図柄表示LED101,102側の第1光透過部材111が明輝されるのを効果的に防止できるから、第1特殊演出図柄変動表示および第2特殊演出図柄変動表示の何れが行われているのかを正確に知らせることが可能になる。
また、前記第1特殊演出図柄表示LED101および第2特殊演出図柄表示LED102は、前記取付ベース91の第1挿入孔92aの内周壁面に近接位置する状態で該第1挿入孔92aの開口内側に臨むから、該第1特殊演出図柄表示LED101および第2特殊演出図柄表示LED102の光が第1挿入孔92aの外部に漏れることも効果的に防止することができる。このため、前記特殊演出図柄表示部110の周囲に設けられた発光演出部150に対して第1特殊演出図柄表示LED101および第2特殊演出図柄表示LED102の光が影響を与えることも効果的に防止できる。
また、前記特殊演出図柄表示部110の周囲に設けられた前記発光演出部150を構成する発光演出LED104は、前記取付ベース91の第3挿入孔92cの内周壁面に近接位置する状態で該第3挿入孔92cの開口内側に臨んでいる。すなわち、前記取付ベース91に形成した第3挿入孔92cの開口内側に、発光演出LED104を位置させたことで、該発光演出LED104の光が照射される範囲を正確に区画することができる。このため、前記発光演出LED104の光が第3挿入孔92cの外部に漏れることを効果的に防止して、前側に対向する前面装飾カバー95,96に正確に光を照射して発光演出を行うことができる。そして、前記第3挿入孔92cの外部への発光演出LED104の光の漏れを防止することで、該発光演出LED104の光が前記特殊演出図柄表示部110の各第1光透過部材111に入射するのを効果的に防止することができ、各第1光透過部材111が意図せず明輝されるのを阻止し得る。従って、前記第1光透過部材111の発光状態により第1始動入賞口31aまたは第2始動入賞口31bへの入賞を契機としてメイン制御CPU60aにおいて特定された遊技関連情報(変動パターンに基づく変動時間に亘る点滅表示)や、統括制御CPU65aにおいて特定された遊技関連情報(特殊演出図柄表示LED101,102の発光色)を正確に表示することが可能となる。
更に、前記第3挿入孔92cの外部への発光演出LED104の光の漏れを防止することで、該発光演出LED104の光が前記保留表示部120の各第2光透過部材121に入射することも効果的に防止することができ、各第2光透過部材121が意図せず明輝されるのを阻止し得る。従って、前記第2光透過部材121の発光状態により第1始動入賞口31aまたは第2始動入賞口31bへの入賞を契機としてメイン制御CPU60aにおいて特定された遊技関連情報(第1始動保留情報数)を正確に表示することも可能になる。
ここで、前記第1遮光部115は、前記取付ベース91に形成された位置決め溝94に遮光板116が位置決め支持されるよう構成したことで、第1特殊演出図柄表示LED101および第2特殊演出図柄表示LED102の間に遮光板116を正確に位置させることができ、該第1特殊演出図柄表示LED101および第2特殊演出図柄表示LED102の光が混合するのをより確実に防止することができる。しかも、隣接する第1特殊演出図柄表示LED101および第2特殊演出図柄表示LED102の間に延在してLED基板100に当接する遮光板116を第1遮光部115に設けると共に、当該第1遮光部115に設けた当接板117の嵌合凹部118に第1光透過部材111を嵌合させて保持することで、第1特殊演出図柄表示LED101および第2特殊演出図柄表示LED102の光が照射される第1光透過部材111を遮光板116で明確に区分けすることができ、対応する第1光透過部材111に対してのみ光を入射させることが可能となる。
ここで、特殊演出図柄表示部110では、前記第1特殊演出図柄表示LED101および第2特殊演出図柄表示LED102として複数色を発光可能なLED素子を採用して、大当り図柄の種類に応じて第1特殊演出図柄および第2特殊演出図柄を複数色に分けて表示するよう構成されている。すなわち、実施例の特殊演出図柄表示部110において、第1特殊演出図柄表示LED101および第2特殊演出図柄表示LED102の光が照射される第1光透過部材111を遮光板116で明確に区分けしたことで、対応のLED101,102の発光色で各第1光透過部材111を明輝されるから、第1特殊演出図柄および第2特殊演出図柄の表示形態(発光色)を遊技者が勘違いしたり、光の混合により判別不能になったりするのを防止でき、第1特殊演出図柄および第2特殊演出図柄の表示形態から大当り遊技の種類を推測するという今までにない演出効果を実現することが可能となる。また、前述のように、前記特殊演出図柄表示部110の周囲に設けられた発光演出部150の発光演出LED104を第3挿入孔92cの開口内側に臨ませて、発光演出LED104の光が前記特殊演出図柄表示部110の各第1光透過部材111に入射しないよう構成してあるから、発光演出LED104の発光による発光演出と、第1特殊演出図柄および第2特殊演出図柄の表示形態から大当り遊技の種類を推測する遊技演出とを両立することが可能となる。
(変更例)
(1) 実施例では、遊技制御手段により特定された遊技関連情報として、第1特殊演出図柄を第1特殊演出図柄表示LED(第1の発光手段)で表示すると共に、第2特殊演出図柄を第2特殊演出図柄表示LED(第1の発光手段)で表示するよう構成し、該第1特殊演出図柄表示LEDおよび第2特殊演出図柄表示LEDの間に第1の遮光手段としての第1遮光部を設けるよう構成したが、これに限られるものではなく、該遊技関連情報として遊技制御手段により特定される始動保留情報を表示するようにして、保留表示部を構成する保留表示LEDの間に第1の遮光手段としての第1遮光部を設けることも可能である。
(2) 実施例では、複数の第1の発光手段の夫々に対応した光透過部としての第1光透過部材を、前面装飾カバーと第1の遮光手段としての第1遮光部とにより挟持するよう構成したが、これに限られるものではなく、光透過部としての第1光透過部材を個別に固定するようにしてもよい。
(3) また、前記光透過部は、実施例のように独立した部材である必要はない。例えば、第1の遮光手段と光透過部とを同じ部材に設けるようにしてもよく、また第1の遮光手段の前側に配設される部材(実施例では前面装飾カバー)に一体的に設けることも可能である。
(4) 実施例では、第2の発光手段として、発光演出を行う発光演出LEDを用いたが、これに限られるものではなく、第1の発光手段と同様に、遊技制御手段により特定された遊技関連情報を表示する発光手段を第2の発光手段とすることもできる。
(5) また、第1の遮光手段の構成としては、実施例に示した第1遮光部の構成に限られるものではなく、複数の第1の発光手段の間に設けられ、何れかの第1の発光手段を発光した際に、隣接する発光手段に対応した光透過部への光の入射を防止可能な形状・構成であればよい。
(6) 実施例では、第1の遮光手段として第1遮光部を設けるだけでなく、取付ベースに形成した孔部(第3挿入孔)を形成するようにしたが、該孔部を形成することを省略することもできる。例えば、第1の遮光手段としての第1遮光部を、貫通孔を有する筒状に形成して、該第1遮光部の貫通孔に第1の発光手段を個別に臨ませることができる。
(7) 実施例では、第2の遮光手段として取付ベースに形成した孔部(第3挿入孔)を形成するようにしたが、これに限られるものではなく、実施例の第1遮光部と同様に、別途独立した部材を第1の発光手段と第2の発光手段との間に設けるようにしてもよい。
(8) 実施例では、特殊演出図柄表示部、保留表示部、発光演出部および可動演出部の夫々を備えた遊技演出装置を例示したが、これに限られるものはなく、遊技制御手段により特定された遊技関連情報に応じて個別に発光制御される発光手段(第1の発光手段)により構成される表示部を含む任意の組み合わせで遊技演出装置を構成することができる。
(9) 実施例では、遊技球が一定の確率で入賞可能な第1始動入賞手段と、遊技球の入賞確率を可変可能な第2始動入賞手段とを始動入賞手段として備え、各始動入賞手段毎に検出手段を設けて個別に遊技球の入賞を検出するよう構成したが、該第1および第2始動入賞検出手段の入賞検出手段を共通にしてもよい。すなわち、第1始動入賞手段への入賞と、第2始動入賞検出手段への入賞とを区別しないよう構成してもよい。
(10) 実施例においてメイン制御手段(メイン制御CPU)が備える機能の全部または一部をサブ制御手段(統括制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対にサブ制御手段が備える機能の全部または一部をメイン制御手段が備えるようにしてもよい。そして実施例では、メイン制御基板とサブ制御基板(統括制御基板)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例におけるメイン制御手段およびサブ制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。更に別途制御基板を備えて、実施例のメイン制御手段やサブ制御手段が備える機能の全部または一部を、別の制御手段に備えさせてもよい。
(11) また、実施例において統括制御手段(統括制御CPU)が備える機能の全部または一部を、表示制御手段(表示制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対に表示制御手段(表示手段CPU)が備える機能の全部または一部を統括制御手段(統括制御CPU)が備えるようにしてもよい。そして実施例では、統括制御手段(統括制御CPU)と表示制御手段(表示制御CPU)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例における統括制御基板および表示制御基板の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が兼用するようにしてもよい。また、発光制御を行うランプ制御手段や音出力制御を行う音制御手段に関しても同様に、統括制御手段が兼用することができる。
(12) 実施例では、第1特典遊技状態が付与されている状態を確変状態としたが、これに限られるものではなく、第1特典遊技状態および第2特典遊技状態を組み合わせた状態を確変状態とすることもできる。この場合に、第1特典遊技状態および第2特典遊技状態の何れも付与されていない状態を非確変状態とすることができる。
(13) 実施例では、演出用の図柄(飾図)を表示する図柄表示手段(図柄表示装置)とは独立して、特図を表示する特図表示手段(特図表示器)を設けるようにしたが、これに限られるものではない。例えば、図柄表示手段において飾図および特図の両方を表示するようにしてもよい。また飾図と特図とを共用して、図柄表示手段に表示するようにしてもよい。
(14) 実施例では、遊技機としてパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機、スロットマシン機等の各種遊技機を採用し得る。
20 遊技盤
20a 遊技領域
31a 第1始動入賞口(始動入賞口)
31b 第2始動入賞口(始動入賞口)
60a メイン制御CPU
92a 第1挿入孔(第1の遮光手段、孔部)
92c 第3挿入孔(第2の遮光手段、孔部)
94 位置決め溝(支持部)
101 第1特殊演出図柄表示LED(第1の発光手段)
102 第2特殊演出図柄表示LED(第1の発光手段)
104 発光演出LED(第2の発光手段)
111 第1光透過部材(光透過部)
115 第1遮光部(第1の遮光手段)
116 遮光板
118 嵌合凹部

Claims (4)

  1. 遊技球が流下可能な遊技領域が前側に設けられる遊技盤と、該遊技盤に配設されて遊技球が入賞可能な始動入賞口と、遊技の進展に合わせて遊技関連情報を特定する遊技制御手段と、該遊技制御手段により特定された前記遊技関連情報に応じて発光状態を変化させるよう構成された遊技機において、
    相互に隣接して配置され、前記始動入賞口への入賞を契機として前記遊技制御手段により特定された遊技関連情報に応じて個別に発光制御される複数の第1の発光手段と、
    前記複数の第1の発光手段の夫々に対応して設けられて機前面に露出し、対応する第1の発光手段の発光状態により遊技関連情報を表示する光透過部と、
    前記複数の第1の発光手段に隣接して設けられた第2の発光手段と、
    前記複数の第1の発光手段の間に設けられ、何れかの第1の発光手段を発光した際に、隣接する発光手段に対応した光透過部への光の入射を防止する第1の遮光手段と、
    前記第1の発光手段および第2の発光手段の間に設けられ、該第2の発光手段を発光した際に、前記光透過部への光の入射を防止する第2の遮光手段とを備えた
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 前記複数の第1の発光手段が取り付けられた基板が設置される取付ベースに、前記第1の遮光手段を支持する支持部が形成されると共に、
    前記第1の遮光手段は、
    前記支持部に支持された状態で前記隣接する第1の発光手段の間に延在して前記基板に当接し、隣接する第1の発光手段への光を遮る遮光板と、
    前記各第1の発光手段の光照射方向前側に設けられ、前記光透過部が嵌合する嵌合凹部とを備え、
    前記複数の第1の発光手段を発光した際に対応の光透過部が明輝されると共に、隣接する発光手段に対応した光透過部への光の入射を前記遮光板で阻止するよう構成された請求項1記載の遊技機。
  3. 前記取付ベースには、前記第2の遮光手段として前後に貫通する孔部が形成され、該孔部の開口内側に前記第2の発光手段が位置するよう構成された請求項2記載の遊技機。
  4. 前記取付ベースには、前記第1の遮光手段として前後に開口する孔部が形成され、該孔部の開口内側に前記複数の第1の発光手段が位置すると共に、隣接する第1の発光手段の間に、前記遮光板が位置するよう構成された請求項2または3記載の遊技機。
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