次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、一般的なパチンコ機を例にして説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、所定条件の成立(後述する始動入賞口30,31へのパチンコ球の入賞)を契機として演出用の図柄(以下飾図という)を変動表示させて図柄変動演出を行う演出実行手段としての図柄表示装置(図柄表示手段)17が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板(図示せず)で前後に開口する窓口13aを覆うよう構成された装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前記前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。
また、前枠13には、窓口13aの外周を囲繞するようランプ装置(発光手段)18が配設されると共に、前枠13の上隅部に、音声や効果音を出力可能なスピーカ(音出力手段)19が配設されている。すなわち、前記ランプ装置18に設けられたLED等の発光体(図示せず)を点灯・点滅したり、前記スピーカ19から適宜の音声を出力することで、前記図柄表示装置17での図柄変動演出に合わせて発光演出や音声演出を行い得るよう構成されている。すなわち、前記前枠13に配設された前記ランプ装置18やスピーカ19も演出実行手段として機能している。
また、前記中枠12の右下方位置には、該中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられている。前記操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20の遊技領域20aに向けて1球ずつ発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー16aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aの回動量を調節することで、前記遊技領域20aへのパチンコ球の発射位置を任意に変更し得るようになっている。なお、実施例では、前記図柄表示装置17としては、飾図の他に各種絵柄やキャラクタ等を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されているが、これに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。また、前記上球受け皿14は、前記前枠13と別体に形成して中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。
図1に示す如く、前記上球受け皿14の上面には、遊技者が操作可能な操作手段としての第1操作ボタン36および第2操作ボタン37a,37bが設けられている。実施例では、第1操作ボタン36は、1つのボタンを備えた押しボタン式とされ、第2操作ボタン37a,37bは、押しボタン式で左右2つ設けられている。操作ボタン36,37a,37bは、押下したときに押下信号を統括制御基板65の統括制御CPU65aに出力するよう構成されており、該統括制御CPU65aは、後述する有効期間(予告用有効操作期間、ランキング用有効操作期間、画像切替用有効操作期間等)において、押下信号を受け付けるよう構成されている。また、第1操作ボタン36および第2操作ボタン37a,37bの内部には、図示しないがLED等の発光体を配設したランプ装置が配設され、該ランプ装置を発光することで、操作ボタン36,37a,37bの操作時期等を知らせ得るよう構成されている。具体的には、操作が有効である場合には、ランプ装置が点灯し、操作が無効である場合にはランプ装置が消灯するようになっている。
前記パチンコ機10の裏側には、図示しないが、球払出装置を駆動制御する払出制御基板(払出制御手段)、前記打球発射装置を駆動制御する発射制御基板等が配設されている。前記払出制御基板は、前記パチンコ機10の後側に配設されるメイン制御基板(図8参照)60に配線接続されており、該メイン制御基板60のメイン制御CPU60aから出力された制御信号が払出制御基板に入力され、該制御信号に基づいて払出制御基板が球払出装置を制御することで、所要数のパチンコ球を賞球として払い出すよう構成される。
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、図2に示すように、ベニヤ材や合成樹脂材により形成された略矩形状の板部材であって、遊技盤20の裏面側に、前記図柄表示装置17が着脱可能に組み付けられている。前記遊技盤20の前面には、略円形状に湾曲形成した案内レール21が配設されており、該案内レール21により画成される略円形の遊技領域20aに、前記中枠12に配設された図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球が打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が適宜位置に開設されており、各装着口に対して各種の遊技盤設置部品(具体的には後述する枠状装飾体25、特別入賞装置40、ゲート部材47、普通入賞装置49等)が前側から取り付けられると共に、遊技領域20aの最下部位置には、該遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口22が開設されている。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤20に取り付けられる各種遊技盤設置部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜変更される。
ここで、実施例の前記遊技盤20には、図2に示すように、前記案内レール21で囲まれた遊技領域20aの略中央で開口する装着口に、前後に開口する表示窓口25aが形成されたセンター役とも称される枠状装飾体25が取り付けられ、該枠状装飾体25の表示窓口25aを介して図柄表示装置17の画像表示面17aが遊技盤20の前面側に臨むよう構成されている。なお、前記遊技盤20には、前記遊技領域20a内に多数の遊技釘23が設けられており、遊技領域20aを流下するパチンコ球が遊技釘23に接触することで、流下方向が不規則に変化するよう構成されている。また、前記遊技盤20における枠状装飾体25の右側下方位置に開設された装着口に、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な特別入賞口(特別入賞手段)41を有する特別入賞装置(入賞手段)40が取り付けられている。
ここで、前記枠状装飾体25は、その全周に亘って前記遊技盤20の前面から前方へ突出するよう形成されて、前記遊技領域20aと表示窓口25aとを区画するよう構成されており、遊技領域20aを流下するパチンコ球が枠状装飾体25の表示窓口25a内側に進入しないようになっている。すなわち、実施例の遊技領域20aは、前記枠状装飾体25の左側に画成される第1球流下経路と、当該枠状装飾体25の右側に画成される第2球流下経路とに区画されて、遊技盤20の遊技領域20aに打ち出されるパチンコ球の位置や発射強度に応じて、該第1球流下経路または第2球流下経路をパチンコ球が流下するようになっている。
前記遊技盤20には、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な入賞口30,31,41,49aが適宜の位置に設けられており、各入賞口30,31,41,49aへのパチンコ球の入賞(具体的には、後述する各入賞検出センサ34,35,44,49bの検出)を賞球の払出条件として、各入賞口毎に定めた払い出し個数の賞球が払い出されるよう構成されている。実施例のパチンコ機10では、パチンコ球の入賞を契機として賞球の払出条件が成立すると共に図柄変動演出(後述する特図変動表示)の開始条件が成立する始動入賞口(始動入賞手段)30,31と、後述する特別遊技としての当り遊技の発生を契機としてパチンコ球の入賞が可能となると共にパチンコ球の入賞を契機として賞球の払出条件が成立する特別入賞口(特別入賞手段)41と、パチンコ球の入賞を契機として賞球の払出条件が成立する普通入賞口49aとが設けられている。具体的に、前記始動入賞口30,31は、前記枠状装飾体25の下側に夫々設けられ、前記特別入賞口41は、前記遊技領域20aの第2球流下経路に設けられると共に、前記普通入賞口49aは、遊技領域20aの第1球流下経路および第2球流下経路の夫々に設けられている。なお、実施例のパチンコ機10では、当り遊技として、当り遊技後の遊技状態が当り遊技の種類に応じて定まる大当り遊技および小当り遊技が設定されており、以下大当り遊技および小当り遊技と表示する場合もある。
(第1始動入賞口30および第2始動入賞口31について)
前記枠状装飾体25の下方で遊技盤20の左右方向の中央位置に、第1始動入賞口(始動入賞手段)30が設けられると共に、該第1始動入賞口30より右側位置に、第2始動入賞口(始動入賞手段)31が設けられている。第1始動入賞口30は、遊技領域20a内で常に上方へ開口する常時開放型の入賞口とされ、枠状装飾体25の下側の遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能に構成される。前記第2始動入賞口31は、図2に示す如く、遊技盤20における枠状装飾体25の下方右側に配設された始動入賞装置29に設けられて該枠状装飾体25の右側に画成される遊技領域20a(第2球流下経路)に向けて開口している。また始動入賞装置2925に、第2始動入賞口31を開閉する開閉部材33が設けられており、駆動手段としての始動入賞ソレノイド32(図8参照)の駆動に伴って開閉部材33が第2始動入賞口31を閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。
すなわち、実施例において前記第1始動入賞口30は、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成され、第2始動入賞口31は、始動入賞ソレノイド32を駆動することでパチンコ球の入賞確率を可変し得るよう構成されており、該第2始動入賞口31が可変入賞手段として機能している。ここで、前記開閉部材33が閉鎖位置に変位した状態では、前記第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞が阻止されて、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が第1始動入賞口30へ入賞する確率よりも、遊技領域20aの第2球流下経路を流下するパチンコ球が第2始動入賞口31へ入賞する確率の方が低くなるよう設定されている。一方で、前記開閉部材33が開放位置に変位した状態では、開閉部材33で受止められたパチンコ球が第2始動入賞口31に案内されることで、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が第1始動入賞口30へ入賞する確率よりも、遊技領域20aの第2球流下経路を流下するパチンコ球が第2始動入賞口31へ入賞する確率の方が高くなるよう設定されている。実施例では、前記開閉部材33が閉鎖位置に変位した状態では、前記第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞しないよう構成されているが(入賞確率0%)、パチンコ球が入賞可能な程度に第2始動入賞口31を開放させるようにしてもよい。
また、前記第1および第2始動入賞口30,31は、該第1および第2始動入賞口30,31に入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての始動入賞検出センサ34,35(図8参照)が設けられている。前記始動入賞検出センサ34,35は、パチンコ機10の裏側に配設されたメイン制御基板60(図8参照)に配線接続されている。そして、始動入賞検出センサ34,35からの検出信号がメイン制御基板60のメイン制御CPU60aに入力されることを賞球の払出条件として、該メイン制御CPU60aが賞球の払い出しを決定するようになっている。すなわち、メイン制御CPU60aは、所定の払出条件の成立に伴い、払い出し賞球数を決定する賞球数決定手段としての機能を有している。具体的に、第1始動入賞口30に対応した始動入賞検出センサ34によるパチンコ球の検出(すなわち第1始動入賞口30へのパチンコ球の入賞)を契機として賞球の払出条件が成立した場合には、メイン制御CPU60aが所定数(実施例では3個)の賞球の払い出しを決定するよう設定されている。また、第2始動入賞口31に対応した始動入賞検出センサ35によるパチンコ球の検出(すなわち第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞)を契機として賞球の払出条件が成立した場合には、メイン制御CPU60aが所定数(実施例では3個)の賞球が払い出されるようになっている。なお、第1始動入賞口30および第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞時の払い出し賞球数を異なるようにしてもよい。
また、始動入賞検出センサ34,35によるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口30,31へのパチンコ球の入賞)を遊技の開始条件として、前記メイン制御CPU60aが各種情報(後述する各種乱数情報)を取得して、この取得した情報に基づいて後述する特図当り抽選(大当り判定および小当り判定)が行われるよう構成されている。そして、特図当り抽選の結果に基づいて前記図柄表示装置17において図柄変動演出が実行されると共に、後述する特図表示部50A,50Bにおいて特図変動が実行されるようになっている。そして、前記図柄表示装置17での図柄変動演出の結果、該図柄表示装置17に所定の当り表示(大当り表示および小当り表示)となる図柄組み合わせ(例えば同一飾図の3つ揃い等)で飾図が確定停止表示されることで、遊技者に有利な当り遊技(大当り遊技や小当り遊技)が付与され、当り遊技の発生に伴って前記特別入賞口41を所定の開放条件で開放する当り遊技が行われて、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。
ここで、実施例では、前記始動入賞検出センサ34,35が始動入賞口30,31毎が設けられており、以下の説明では、第1始動入賞口30に対応するセンサを第1始動入賞検出センサ34と指称し、第2始動入賞口31に対応するセンサを第2始動入賞検出センサ35と指称するものとする。また、メイン制御基板60は、第1始動入賞検出センサ34または第2始動入賞検出センサ35からの検出信号を受信すると、払出制御基板(図示せず)に制御信号を出力して、前記球払出装置に所定数の賞球を払い出させるよう構成される。なお、球払出装置から払い出される賞球球数は、前述したようにパチンコ球が入賞した始動口毎に予め設定されている。
(特別入賞装置40について)
前記特別入賞装置40は、図2に示すように、前記遊技盤20における枠状装飾体25の右下方位置の遊技領域20aに配置されている。この特別入賞装置40は、遊技領域20aに開口する特別入賞手段としての特別入賞口41を開閉自在に閉成する開閉体(開閉部材)43を備えており、駆動手段としての特別入賞ソレノイド42(図8参照)の駆動に伴って開閉体43が閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。また、前記特別入賞装置40には、前記特別入賞口41に入賞したパチンコ球を検出する特別入賞検出手段としての特別入賞検出センサ44(図8参照)が設けられている。特別入賞検出センサ44は、前記メイン制御基板60に配線接続されており、特別入賞検出センサ44がパチンコ球を検出すると、検出信号をメイン制御基板60のメイン制御CPU60aに出力し、メイン制御CPU60aは、特別入賞検出センサ44からの球検出信号の入力を賞球の払出条件として前記払出制御基板に制御信号を出力して前記球払出装置に予め設定された数(実施例では15個)の賞球を払い出させるようになっている。ここで、前記特別入賞ソレノイド42は、前記第1および第2始動入賞口30,31へのパチンコ球の入賞を契機として特別入賞口41を開放する当り遊技(大当り遊技および小当り遊技)が付与される場合に、当りの種類に応じた所定の開閉条件に従ってメイン制御基板60によって駆動制御される。
(普通入賞装置49について)
前記普通入賞装置49に設けられる普通入賞口49aは、図2に示すように、前記遊技盤20の遊技領域20a内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされており、該遊技領域20aを流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞し得るよう構成されている。また、前記普通入賞装置49には、該普通入賞口49aに入賞したパチンコ球を検出する普通入賞検出手段としての普通入賞検出センサ49b,49c(図8参照)が設けられている。
ここで、実施例では、図2に示すように、前記遊技領域20aの第1球流下経路に、所定数(実施例では3つ)の普通入賞口49aが設けられた普通入賞装置49が配設されると共に、前記遊技領域20aの第2球流下経路に、所定数(実施例では1つ)の普通入賞口49aが設けられた普通入賞装置49が設けられている。また、普通入賞検出センサ49b,49cが左右の普通入賞装置49,49毎に設けられており、以下の説明では、左側の普通入賞装置49に対応するセンサを第1普通入賞検出センサ49bと指称し、右側の普通入賞装置49に対応するセンサを第2普通入賞検出センサ49cと指称するものとする。両普通入賞検出センサ49b,49cは、前記メイン制御基板60に配線接続されており、普通入賞検出センサ49b,49cからの検出信号がメイン制御基板60のメイン制御CPU60aに入力されることを賞球の払出条件として、該メイン制御CPU60aが賞球の払い出しを決定するようになっている。具体的に、左側の普通入賞装置49に対応する第1普通入賞検出センサ49bによるパチンコ球の検出(すなわち左側の普通入賞装置49の普通入賞口49aへのパチンコ球の入賞)を契機として賞球の払出条件が成立した場合には、メイン制御CPU60aが所定数(実施例では7個)の賞球の払い出しを決定するよう設定されている。また、右側の普通入賞装置49に対応する第2普通入賞検出センサ49cによるパチンコ球の検出(すなわち右側の普通入賞装置49の普通入賞口49aへのパチンコ球の入賞)を契機として賞球の払出条件が成立した場合には、メイン制御CPU60aが所定数(実施例では8個)の賞球の払い出しを決定するよう設定されている。なお、左右の普通入賞装置49,49の普通入賞口49a,49aへのパチンコ球の入賞時の払い出し賞球数を同じとしてもよい。
(ゲート部材47について)
図2に示すように、前記枠状装飾体25の右側には、遊技領域20aの第2球流下経路を流下するパチンコ球が通過可能なゲート部材47が設けられている。前記ゲート部材47にはゲートセンサ48(図8参照)が配設されており、該ゲート部材47を通過するパチンコ球をゲートセンサ48で検出するよう構成されている。前記ゲートセンサ48は、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されており、該ゲートセンサ48からメイン制御基板60への球検出信号の入力(すなわちゲートセンサ48のパチンコ球の検出(ゲート部材47のパチンコ球の通過)に伴って各種通過検出情報(後述する普図当り判定用乱数等の乱数情報)が取得され、この取得した情報に基づいて後述する普図当り判定(普図当り抽選)が行われるよう構成されている。そして、この普図当り抽選の結果に応じて前記始動入賞ソレノイド32が駆動制御されて開閉部材33が開閉動作するようになっている。すなわち、実施例のメイン制御CPU60aは、ゲートセンサ48によるパチンコ球の検出に基づいて、前記第2始動入賞口31を開放するか否かを決定する入賞口開放判定手段として機能している。
(遊技情報表示部Mについて)
前記遊技盤20の所定位置(実施例では、遊技領域20a外の右下部位置)には、前記メイン制御CPU60aにより決定された各種の遊技情報を表示する遊技情報表示部Mが設けられており、当該遊技情報表示部Mを確認することで、遊技に必要な遊技情報を適宜に確認し得るようになっている。ここで、実施例の遊技情報表示部Mには、前記遊技情報を表示する各遊技状態表示部として、特図表示部50A,50B、特図保留表示部52,53、普図表示部55、普図保留表示部56および状態表示部58が設けられている。なお、前記遊技情報表示部Mの前面は、光透過性のカバー体Maにより覆蓋保護されており、カバー体Maを介して遊技状態表示部Mに表示された各種の遊技情報を確認し得るよう構成されている。
(特図表示部50A,50Bについて)
前記特図表示部(表示手段)50A,50Bは、前記第1始動入賞口30および第2始動入賞口31への入賞を契機として行われる特図当り判定(特図当り抽選)の結果を示す報知用の特別図柄(以下、特図という)を特定可能に表示する表示部である。ここで、図2に示すように、特図表示部50A,50Bは、前記第1始動入賞口30への入賞(第1始動入賞検出センサ34による検出)を契機として変動表示(以下特図変動表示という場合がある)を開始する第1特図表示部50Aと、第2始動入賞口31への入賞(第2始動入賞検出センサ35による検出)を契機として特図変動表示を開始する第2特図表示部50Bとからなり、各特図表示部50A,50Bの何れも複数個(実施例では8個ずつ)の発光表示部により構成されている。そして、前記第1始動入賞口30へのパチンコ球の入賞を契機として、第1特図表示部50Aの発光表示部が順次点灯・消灯する特図変動表示が行われ、最終的に発光表示部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特図の内の1つを表示するようになっている。また、第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞を契機として、第2特図表示部50Bの発光表示部が点灯・消灯する特図変動表示が行われて、最終的に発光表示部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特図の内の1つを表示するよう構成されている。なお、実施例の各発光表示部はLEDにより構成されているが、これに限らず点灯位置を適宜変更して表示態様を可変し得る形態であればよく、また7セグメント表示器やドットマトリックス、小型の液晶表示器、その他特図を表示可能な表示手段を採用できる。
ここで、前記特図は、大当りまたは小当りか否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄とされ、前記各特図表示部50A,50Bでは、発光表示部の点灯位置により複数種類の特図を表示し得るようになっている。具体的には、各特図表示器50A,50Bにおいて表示し得る特図としては、大当りを認識し得る大当り表示(大当り図柄)としての100種類の特図と、小当りを認識し得る小当り表示(小当り図柄)としての2種類の特図と、はずれを認識し得るはずれ表示(はずれ図柄)としての1種類の特図とが各特図表示部50A,50Bに対応して夫々設定されて、特図当り抽選の結果に応じて1つの特図が決定されて、特図変動表示の結果として、決定された特図が各特図表示器50A,50Bに確定停止表示される。なお、前述した各特図表示部50A,50Bにおいて表示し得る大当り図柄、小当り図柄およびはずれ図柄としての特図の数は一例であって、適宜に変更することができる。そして、前記特図表示部50A,50Bの何れかに、当り表示(大当り表示および小当り表示)としての特図が表示されることで、当り表示に対応した当り遊技(大当り遊技および小当り遊技)が引き続いて遊技者に付与されるようになっている。実施例のパチンコ機10に設定された大当り遊技および小当り遊技については後で詳細に説明する。ここで、小当り抽選(小当り判定)は、大当り抽選(大当り判定)に当選しなかった場合に行われるようになっている。なお、以下の説明では、第1特図表示部50Aで行われる特図変動表示を「第1特図変動表示」と称し、該第1特図変動表示の結果、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図を特図1と称する場合がある。同様に、第2特図表示部50Bで行われる特図変動表示を「第2特図変動表示」と称し、該第2特図変動表示の結果、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図を特図2と称する場合がある。
(特図保留表示部52,53について)
前記特図保留表示部52,53は、前記第1始動入賞口30および第2始動入賞口31にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)を、機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に特図始動保留情報(始動保留情報)として記憶する場合に、当該特図始動保留情報の保留数を特定可能に表示する表示部である。ここで、図2に示すように、前記特図保留表示部52,53は、前記第1始動入賞口30にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)をメイン制御RAM60cが第1特図始動保留情報として記憶した保留数を表示する第1特図保留表示部52と、第2始動入賞口31にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)をメイン制御RAM60cが第2特図始動保留情報として記憶した保留数を表示する第2特図保留表示部53とからなり、各特図保留表示部52,53の何れも複数個(実施例では2個ずつ)の発光表示部により構成されている。この第1特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第1特図保留表示部52が設けられると共に、該第2特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第2特図保留表示部53が設けられている。すなわち、前記第1および第2特図保留表示部52,53の表示内容によって、保留されている第1特図変動表示および第2特図変動表示の回数(図柄変動演出の回数)が報知される。
ここで、前記第1特図保留表示部52で表示される第1特図始動保留情報の保留数は、第1始動入賞口30へパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第1特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。同様に、前記第2特図保留表示部53で表示される第2特図始動保留情報の保留数は、第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第2特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。なお、第1および第2特図始動保留情報の保留数には所定の上限数(実施例では何れに対しても「4」)が設定されており、該上限数まで第1および第2特図始動保留情報の保留数を夫々加算し得るよう設定されている。なお、前記第1および第2特図保留表示部52,53の夫々は、隣接した複数(実施例では2つ)のLEDから構成されており、各始動保留記憶数が「1」〜「2」の場合には対応の特図保留表示部52,53が左から順に点灯し、各始動保留記憶数が「3」〜「4」の場合には対応の特図保留表示部52,53が左から順に点滅することで、保留情報の保留数を遊技者が把握し得るようになっている。
(普図表示部55について)
前記普図表示部55は、前記ゲートセンサ48のパチンコ球の検出(ゲート部材47のパチンコ球の通過)を契機として行われる普図当り判定(普図当り抽選)の結果を示す報知用の普通図柄(以下、普図という)を特定可能に表示する表示部である。ここで、図2に示すように、普図表示部55では、ゲートセンサ48のパチンコ球の検出(ゲート部材47のパチンコ球の通過)を契機として、複数種類の普図を変動させて1つの普図を導出する変動表示(以下普図変動表示という場合がある)が行われるようになっている。実施例では、2つのLEDの発光態様にて複数種類(実施例では2種類)の普図を表示するようになっている。具体的には、左側LEDだけが点灯する発光態様および右側LEDだけが点灯する発光態様により普図を示している。なお、以下では、右側LEDだけが点灯することにより示される普図を普図「0」とし、左側LEDだけが点灯することにより示される普図を普図「1」とする。そして、前記普図表示部55の最終的な点灯結果から普図当りまたははずれを認識できるようになっている。具体的には、普図当りの場合に普図表示部55に普図「1」が表示され、はずれの場合に普図「0」が表示される。すなわち、この普図当りを認識できる普図が普図当りの表示結果となり、はずれを認識できる普図が普図はずれの表示結果となる。
(普図保留表示部56について)
前記普図保留表示部56は、前記ゲート部材47をパチンコ球が通過した際に取得される球通過検出情報(普図当り判定用乱数等の各種乱数情報)を、機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に普図始動保留情報(始動保留情報)として記憶する場合に、当該普図始動保留情報の保留数を特定可能に表示する表示部である。ここで、前記普図保留表示部56は、図2に示すように、複数個(実施例では2個)の発光表示部により構成されており、該普図保留表示部56の表示内容によって保留されている普図の変動回数が報知される。前記普図保留表示部56で表示される普図始動保留記憶数は、ゲート部材47をパチンコ球が通過すると1加算され、普図変動表示が開始されることにより1減算される。なお、普図始動保留記憶数には所定の上限数(実施例では「4」)が設定されており、該上限数まで普図始動保留記憶数を加算し得るよう設定されている。具体的に、実施例の普図保留表示部56は、普図始動保留記憶数が1〜2の場合には普図保留表示部56が上から順に点灯し、普図始動保留記憶数が3〜4の場合には普図保留表示部56が上から順に点滅することで、普図変動表示が行われる保留数を把握し得るようになっている。
(状態表示部58について)
前記状態表示部58は、パチンコ機10において遊技が行われる複数種類の遊技状態が設定されている場合に、当該遊技状態を特定可能に表示する表示部であって、複数個(実施例では3個)のLEDにより構成されている。ここで、実施例ではパチンコ機10に対しては、遊技が行われる遊技状態として後述のように確変状態および変短状態が設定されていることから、状態表示部58のLEDが異なった点灯パターンで点灯することで遊技状態としての確変状態および変短状態を特定するようになっている。ここで、実施例の状態表示部58は、前記第1特図表示部50Aの上方に隣接する1個のLEDと、普図表示部55の上端側に直線的に隣接する2個のLEDとから構成されており、第1特図表示部50Aに隣接するLEDにより確変状態であることを報知すると共に、普図表示部55に隣接するLEDにより変短状態であることを報知するよう構成されている。ここで、パチンコ機10は、当選した大当り図柄の種類に応じて大当り遊技の終了後の遊技状態が定まるよう設定され、大当りの当選を契機に遊技状態を変更可能になっている。また、前記状態表示部58は、特図表示部50A,50Bが大当り図柄を表す点灯パターンで点灯したと同時またはその後の大当り遊技が行われる時に、当選した大当り図柄に対応した大当り遊技の終了後の遊技状態を表示するパターンで点灯するよう設定される。また、状態表示部58は、特図表示部50A,50Bにおいて次の特図変動表示が行われるまで、点灯パターンを維持するよう設定されている。
(図柄表示装置17について)
前記図柄表示装置17には、図2に示すように、前記飾図を変動表示可能な図柄列26a,26b,26cが複数列設定されており、前記第1始動入賞口30または第2始動入賞口31への入賞を契機として、各図柄列26a,26b,26cの飾図が変動開始されるようになっている。実施例の図柄表示装置17には、図柄変動演出の結果として1つの飾図を停止表示可能な複数の有効停止位置27が夫々設定されており、図柄変動演出により、各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27を組み合わせた停止図柄有効ライン28に確定停止表示される飾図の図柄組み合わせを導出するようになっている。なお、実施例の図柄表示装置17には、3列の図柄列26a,26b,26cが左右横並び状に設定されると共に、各図柄列26a,26b,26c毎に飾図の有効停止位置27が1箇所ずつ定められており、3列の飾図からなる図柄変動演出が行われるようになっている。すなわち、実施例の図柄表示装置17には、1つの停止図柄有効ライン28が設定されている。以下の説明では、左側から順に左図柄列26a、中図柄列26b、右図柄列26cと指称する場合がある。
また、前記図柄表示装置17の各図柄列26a,26b,26cにおける飾図の表示領域は、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bに比較して大きな領域で構成されて、特図に比較して飾図が遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、図柄表示装置17の停止図柄有効ライン28に停止表示された図柄組み合わせから大当り、小当りまたははずれを認識できる。
前記図柄表示装置17には、図柄変動演出の開始と共に予め定めた変動方向(実施例では上から下の縦方向)に沿って飾図が移動するよう変動表示されるようになっており、予め定められた停止順序で変動表示されている飾図が各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に停止表示されるようになっている。なお、実施例では、図柄変動演出の開始時に、左図柄列26a、中図柄列26b、右図柄列26cの順で飾図が変動開始し、左図柄列26a、右図柄列26c、中図柄列26bの順で停止表示する飾図の変動タイミングを基本として、図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容や特図始動保留情報(後述)の記憶数等に応じて飾図の変動タイミングが適宜に変更されるよう構成されている。
また、前記図柄表示装置17では、図柄変動演出が終了する前に各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に飾図が一時的に仮停止表示されて、各図柄列26a,26b,26cの飾図が確定停止表示されることで1回の図柄変動演出が終了するようになっている。すなわち、図柄変動演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示)は、1つの特図始動保留情報に基づいて行われる飾図(特図1および特図2)の変動開始から確定停止までを1回として実行されるようになっている。なお、「変動表示」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて、有効停止位置27に表示される飾図が所定順序で変化している状態である。そして、飾図の「確定停止」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて有効停止位置27に飾図が所定の特図変動インターバル時間に亘って継続して停止表示された状態である。なお、実施例では、第1始動入賞検出センサ34の検出に基づく図柄変動演出(第1特図変動表示)の特図変動インターバル時間として500ms(ミリ秒)が設定され、第2始動入賞検出センサ35の検出に基づく図柄変動演出(第2特図変動表示)の特図変動インターバル時間として500msが設定されている。また、飾図の「仮停止」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて有効停止位置27に留まるよう表示された飾図が特図変動インターバル時間だけ継続して停止していない状態である。すなわち、飾図の仮停止には、有効停止位置27において飾図がゆれ変動状態で表示されている状態や、特図変動インターバル時間より短い時間で停止表示されている状態を含んでいる。
ここで、第1特図表示部50Aと図柄表示装置17では、第1特図変動表示と該第1特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図1と飾図とが確定停止表示される。同様に、第2特図表示部50Bと図柄表示装置17では、第2特図変動表示と該第2特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図2と飾図とが確定停止表示される。なお、第1および第2特図表示部50A,50Bにおいて特図変動表示が同時に行われることはなく、一方の特図表示部50A,50Bで特図変動表示が行われている場合には、メイン制御RAM60cに対応する第1または第2特図始動保留情報として保留記憶されるようになっている。
ここで、実施例に係る図柄表示装置17には、各図柄列26a,26b,26cに「0」〜「9」の10種類の数字が基本の飾図として設定されており、該基本の飾図が各図柄列26a,26b,26cで順番に変動表示されるようになっている。なお、飾図としては、これに限られるものではなく、任意の数字や文字、絵柄等のように、遊技者が各飾図を区別して識別し得る形態とされる。実施例の飾図は、大当り遊技の終了後に確変状態(後述)を付与することを確定的に遊技者が認識可能な第1の識別図柄と、大当り遊技終了後に確変状態を付与される可能性のあることを非確定的に認識可能な第2の識別図柄に分類されている。なお、本実施形態において大当り遊技終了後に付与可能な確変状態については後で詳細に説明する。ここで、第1の識別図柄としては、基本となる飾図の中から適宜に設定しても、基本となる飾図以外に定めた特別な飾図を用いることもできる。なお、実施例においては、「1」、「3」、「5」、「7」、「9」の奇数図柄を第1の識別図柄とし、「0」、「2」、「4」、「6」、「8」の偶数図柄を第2の識別図柄とした例で説明する。
そして、前記図柄表示装置17における各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27(停止図柄有効ライン28)に確定停止表示された各図柄列26a,26b,26cの飾図が当りの図柄組み合わせであった場合に、当り遊技(大当り遊技または小当遊技)が付与されることを把握し得るようになっている。ここで、実施例では、大当りの図柄組み合わせとして、各図柄列の有効停止位置27に同じ飾図が確定停止表示される図柄組み合わせ(例えば、「222」、「777」等)が設定されている。この大当りを認識できる飾図の図柄組み合わせが、図柄表示装置17に表示される大当り表示となり、図柄変動演出の終了後に遊技者に有利な大当り遊技が付与される。また、実施例では、図柄表示装置17で変動表示される前述した基本の飾図とは別に、特殊飾図(特殊図柄)を表示し得るよう設定されており、各図柄列の有効停止位置27の何れか(例えば中図柄列の有効停止位置)に特殊飾図が確定停止表示されることで、所定の大当り遊技または小当り遊技が付与されることを認識できるよう構成されている。この大当り遊技や小当り遊技が発生する可能性を認識できる飾図の図柄組み合わせが、図柄表示装置17に表示される当り示唆表示となる。一方で、図柄表示装置17の有効停止位置27に確定停止表示された全列の図柄が1つでも異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ(例えば「123」、「734」、「171」等)から、原則的には当り遊技(大当り遊技や小当り遊技)が付与されない「はずれ」であることを認識できる。このはずれを認識できる飾図の図柄組み合わせが、図柄表示装置17のはずれ表示となる。但し、このような3列の飾図が全て同一でない図柄組み合わせのうち、特定の図柄組み合わせを所定の演出(例えば、所定の大当り遊技)が実行される契機として用いることも可能である。特定の図柄組み合わせとは、当該図柄組み合わせから遊技者が何らかの法則性や意味を認識または連想し得るものである。特定の図柄組み合わせの具体例としては、3列の飾図が連続した昇順または降順で並ぶ図柄組み合わせ(例えば、「123」、「321」)や、左図柄列26aおよび中図柄列26bの飾図が同一で、右図柄列26cの飾図の値が1つずれた図柄組み合わせ(例えば、「778」)、3列の飾図が所定の語呂合わせとなる図柄組み合わせ(例えば、「758」(名古屋))等が挙げられる。このように、特定の図柄組み合わせは、はずれ表示結果としてだけでなく大当り表示結果としても選択され得る飾図の図柄組み合わせとされる。
また、図柄変動演出において、複数の図柄列の内で、特定の図柄列(実施例では、左図柄列26aおよび右図柄列26c)に同じ飾図が停止表示され、かつ残りの図柄列(実施例では、中図柄列26b)が変動表示された表示(リーチ表示)となることで、リーチが生起されたことを遊技者が認識し得るようになっている。具体的なリーチ表示の例としては、左図柄列26aおよび右図柄列26cに同じ飾図が停止表示された図柄組み合わせ(「1↓1」、「4↓4」等)となる。なお、「↓」は変動中であることを表している。また、リーチ表示を形成する特定の図柄列(左図柄列26aおよび右図柄列26c)の飾図は、仮停止表示の状態とされ、残りの図柄列(中図柄列26b)に飾図が停止表示(仮停止表示)された後に、全ての図柄列の飾図が確定停止表示されるようになっている。
また、前記図柄表示装置17には、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bで行われる特図変動表示の結果、表示される特図に応じた飾図の図柄組み合わせが表示される。すなわち、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bに表示される特図と、図柄表示装置17に表示される飾図の図柄組み合わせとが夫々対応しており、図柄変動演出が終了すると、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bに特図が確定停止されると共に、図柄表示装置17の各図柄列26a,26b,26cに飾図が確定停止表示されるようになっている。なお、特別図柄に対する飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特別図柄に対して複数の飾図による図柄組み合わせの中から1つの飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。
(確変状態について)
実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第1特典遊技状態を付与する機能を備えている。第1特典遊技状態では、特図当り確率を低確率から高確率に変更することにより特別入賞口41へのパチンコ球の入賞機会を高めることができる。以下の説明では、第1特典遊技状態を、便宜的に「確変状態」というものとする。
確変機能は、確定停止表示された大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた確変図柄(特定図柄)であることを条件として、大当り遊技の終了後に大当りの抽選確率(大当り確率)が低確率(実施例では、168/65536)から高確率(実施例では、1516/65536)に変動させる確変状態を付与する機能である。なお、確変状態が付与されていない状態を非確変状態というものとする。実施例では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。このように、確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当り遊技が生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。また、実施例では、確変状態が付与される大当りの場合には、大当り遊技終了後、次回の大当りが生起されるまでの間継続して確変状態が付与されるよう設定してある。なお、確変状態が付与される期間としては、上記のものに限られない。例えば、確変状態が付与されてから所定条件を満たすまでの間継続して確変状態を付与し、当該所定条件を満たすことを条件に非確変状態に移行させるようにすることもできる。ここで、所定条件としては、確変状態が付与されてから実行される図柄変動演出(特図変動表示)の回数とすることもできる。また、図柄変動演出(特図変動表示)毎に非確変状態に移行させるかを、始動入賞手段へのパチンコ球の入賞を契機に取得する乱数に基づいて判定(転落抽選)し、転落抽選に当選することを条件に非確変状態に移行させるようにすることもできる。
(変短状態について)
また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第2特典遊技状態(第2の遊技状態)を付与する機能を備えている。ここで、第2特典遊技状態としては、前記第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞契機が、当該第2特典遊技状態が付与されていない状態(第1の遊技状態)と較べて増加する入賞率向上状態である。具体的には、第2特典遊技状態では、(1)普図変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての第2始動入賞口31を開放する開閉部材33の開放時間を増やすこと、により第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。なお、第2特典遊技状態では、上記(1)〜(3)を単独または複数を組み合わせることができる。なお、普図当り1回についての第2始動入賞口31を開放する開閉部材33の開放時間を増やすに際しては、開閉部材33の開放時間を単純に延長することで実現してもよく、また開閉部材33の開放回数を増やすことで実現することもでき、またこれらを複合させてもよい。なお、実施例では、第2特典遊技状態を変短状態と指称するものとし、実施例の変短状態は上記(1)〜(3)を組み合わせて設定されている。また、変短状態が付与されていない状態を非変短状態というものとする。すなわち、変短状態は、第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞率が向上した入賞率向上状態である。
すなわち、実施例では、非変短状態において普図表示部55で行われる普図変動表示の変動時間が2000msに設定され、変短状態において普図表示部55で行われる普図変動表示の変動時間が非変短状態よりも短い820msに設定されており、変短状態の付与に伴い普図表示部55で行われる普図変動表示の変動時間が短縮されるようになっている。また、非変短状態における普図当り確率が低確率(実施例では、1/65536)に設定されると共に、変短状態における普図当り確率が高確率(実施例では、65535/65536)に設定されており、変短状態の付与に伴い普図当り確率が低確率から高確率に変動するようになっている。なお、実施例において、普図が確定停止表示されてから次回の普図変動が行われるまでの間(普図変動インターバル)は、700msに設定されている。
また、変短状態が付与された状態では、変短状態が付与されていない状態とは異なる動作パターンで開閉部材33が開閉動作されるようになっている。具体的には、変短状態が付与されていない状態では、普図変動表示で当選した場合(普図当りの場合)に、開閉部材33が開放してから所定時間(実施例では200ms)が経過するまで開放状態を維持する開放動作を1回行う。一方で、変短状態が付与されている状態では、普図変動表示に当選した場合(普図当りの場合)に、開閉部材33は開放してから所定時間が経過するまで開放状態を維持する開放動作を5回行うようになっている。具体的には、896ms,960ms,960ms,960ms,1024msの開放動作を行うと共に、各開放動作の間の開閉部材33が閉鎖状態で保持されるインターバル時間が、640ms,560ms,560ms,560msに設定されている。すなわち、変短状態が付与されている状態では、変短状態が付与されていない状態と比較して、開閉部材33の合計開放時間が長く、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。なお、1回の普図当りにおいて第2始動入賞口31への入賞を許容する入賞上限数(実施例では3個)が設定されており、前記開閉部材33を開放してからの入賞数が入賞上限個数(閉鎖条件)に達することで、開閉部材33を閉鎖させるようになっている。
実施例では、大当り判定に当選した時点における遊技状態に応じて変短状態が付与される変動回数(以下、変短回数という)が変化するよう構成されている。具体的には、大当り図柄(特図1または特図2)の種類に応じて、変短状態が付与される変動回数(以下、変短回数という)が変化するよう構成されている。より具体的には、大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた図柄(実施例において後述する図柄a、図柄b)である場合に、大当り遊技終了後、次回の大当りが生起されるまでの間継続して変短状態が付与されるよう設定されている。また、大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた別の図柄(実施例において後述する図柄c)である場合に、100回の変短状態が付与され、更に別の図柄(実施例において後述する図柄d)である場合に、75回の変短状態が付与され、更にまた別の図柄(実施例において後述する図柄e)である場合に、50回の変短状態が付与されれるよう設定されている。
また、大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた特定の図柄(実施例において後述する図柄A、図柄B、図柄C、図柄D、図柄E)である場合には、大当り時点における遊技状態に応じて付与される変短回数が変わるよう設定されている。具体的に、実施例では、大当り時点における遊技状態に応じて変短回数が、0回、1回、100回、次回の大当りが生起されるまでの何れかとなるよう設定されている。ここで、変短状態の付与条件は、大当り遊技(大当り図柄)の種類毎に定められている。
(大当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与される大当り遊技について説明する。大当り遊技は、特図変動表示の結果として第1特図表示部50Aまたは第2特図表示部50Bに大当り図柄が確定停止表示された後に開始されるよう設定されており、当選した大当り遊技(大当り図柄)の種類に応じて特別入賞装置40の開閉体43が開閉動作される。なお実施例の大当り遊技では、特別入賞装置40の開閉体43を開放するラウンド遊技を規定ラウンド数(実施例では15回)だけ実行することで、大当り遊技が終了するようになっている。1回のラウンド遊技は、特別入賞口41に規定個数(例えば7個)のパチンコ球が入賞するか、あるいは各ラウンド遊技の開始から規定時間(ラウンド遊技時間)が経過することで終了する。なお、大当り遊技における各ラウンド遊技の間は、所定時間だけ開閉体43が閉鎖状態で保持されるラウンド間インターバル時間が設定されている。ここで、前記大当り遊技の各ラウンド遊技における特別入賞装置40の開閉体43の開閉態様(開閉パターン)には、パチンコ球を所定間隔で連続的に発射した条件において、1回の開放動作(開放してから閉鎖するまでの動作)においてラウンド遊技に定められた規定個数(例えば7個)のパチンコ球が入賞可能な時間だけ開放を継続する長時間開放動作と、該長時間開放動作よりも開閉体43の開放時間が短く設定された短時間開放動作とを適宜に組み合わせて構成されている。なお、実施例では、長時間開放動作において開閉体43が最大で25秒間開放するよう設定されると共に、短時間放動作において開閉体43が最大で0.024秒間開放するよう設定される。
(大当り遊技の種類について)
実施例のパチンコ機10では、図3A,図3Bに示すように、大当り判定に当選した場合に、遊技者に与える価値が異なる複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与される。ここで、複数種類の大当り遊技の内で何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り判定に当選した際に決定される大当り図柄(特図1および特図2)の種類に基づいて決定されるようになっている。実施例において第1特図表示部50Aに表示可能な100種類の大当り図柄としての特図1は、図柄A、図柄B、図柄C、図柄D、図柄Eの5つのグループに分類されており、第1特図表示部50Aに確定停止表示された大当り図柄としての特図1に応じた大当り遊技が付与されるようになっている。同様に、実施例において第2特図表示部50Bに表示可能な100種類の大当り図柄としての特図2は、図柄a、図柄b、図柄c、図柄d、図柄eの5つのグループに分類されており、第2特図表示部50Bに確定停止表示された大当り図柄としての特図2に応じた大当り遊技が付与される。ここで、100種類の大当り図柄としての特図1は、図柄Aに47種類、図柄Bに10種類、図柄Cに20種類、図柄Dに2種類、図柄Eに21種類が夫々振り分けられている。また、100種類の大当り図柄としての特図2は、図柄aに70種類、図柄bに9種類、図柄cに10種類、図柄dに7種類、図柄eに4種類が夫々振り分けられている。
(大当り遊技について)
次に、実施例に係るパチンコ機10で付与される大当り遊技について説明する。実施例のパチンコ機10では、前記第1〜第2始動入賞口30,31へのパチンコ球の入賞に基づいて行われる大当り判定の判定結果が肯定の場合に、大当り図柄毎に定められた大当り遊技が決定される。なお、実施例では、特定の大当り図柄(図柄A,B,C,D,E)に関しては、大当り判定の判定結果が肯定判定であった時点における遊技状態に応じて、大当り遊技後に変短状態が付与される期間(変短回数)が変化するようになっている。この変短回数の振分条件となる遊技状態として、非確変・非変短状態(確変状態および変短状態が何れも付与されていない遊技状態)、非確変・変短状態(確変状態が付与されない一方で変短状態が付与された遊技状態)、確変・非変短状態(確変状態が付与される一方で変短状態が付与されない遊技状態)および確変・変短状態(確変状態および変短状態が付与された遊技状態)がある。
(第1特図始動保留情報に基づく大当り遊技について)
前記第1特図始動保留情報(第1始動入賞口30へのパチンコ球の入賞)に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合には、前記メイン制御CPU60aは、予め定められた複数種類の大当り図柄の中から1つの大当り図柄を決定するよう設定されている。具体的に、実施例では、図3Aに示すように、第1始動入賞口30へパチンコ球が入賞した際に取得された特図決定用乱数に基づいて、5種類の大当り図柄(図柄A、図柄B、図柄C、図柄D、図柄E)の中から1つの大当り図柄を決定するようになっている。実施例のパチンコ機では、第1特図始動保留情報に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合に、47%の割合で大当り図柄としての図柄Aが選択され、10%の割合で大当り図柄としての図柄Bが選択され、20%の割合で大当り図柄としての図柄Cが選択され、2%の割合で大当り図柄としての図柄Dが選択され、21%の割合で大当り図柄としての図柄Eが選択されされるよう特図決定用判定値が割り当てられている。なお、前述した大当り図柄の振分け割合は一例であり、これに限られるものではない。
(第1の大当り遊技について)
前記図柄Aに対応した第1の大当り遊技は、当該第1の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第1の大当り遊技の終了後に確変状態および変短状態が付与される大当り遊技として設定されている。具体的に、実施例では、図3Aに示すように、図柄A(第1の大当り遊技)が決定された場合に、第1の大当り遊技の終了後、次回の大当りが生起されるまでの間は確変状態が継続して付与されるよう設定されている。また、図柄A(第1の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間は、図柄A(第1の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に応じて可変するよう設定されている。
具体的に、図柄A(第1の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が非確変・非変短状態および確変・非変短状態である場合には、当該第1の大当り遊技後に付与される変短状態の付与期間(変短回数)として1回が設定されている。また、図柄A(第1の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が非確変・変短状態および確変・変短状態である場合には、当該第1の大当り遊技後、次回の大当りが生起されるまでの間変短状態が継続するように設定されている。
また、実施例における第1の大当り遊技は、当該第1の大当り遊技(図柄A)が決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に関わりなく、前記特別入賞装置40の特別入賞口41が同じ開閉態様で開閉されるようになっている。具体的に、前記第1の大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「7個」に設定されている。また第1の大当り遊技では、1ラウンド目のラウンド遊技において特別入賞装置40の開閉体43を複数回(実施例では11回)開放させ、2ラウンド目〜15ラウンド目のラウンド遊技においてラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口41を開放する長時間開放動作を開閉体43に行わせるよう設定されている。すなわち、第1の大当り遊技の1ラウンド目のラウンド遊技は、複数回(11回)の短時間開放動作を開閉体43に繰り返し行わせた後にラウンド遊技の終了まで継続して特別入賞口41を開放する長時間開放動作を行う特殊ラウンド遊技で構成され、該2ラウンド目のラウンド遊技以降の残りラウンド遊技(14ラウンド分)が全開放ラウンド遊技で構成されている。
ここで、第1の大当り遊技の1ラウンド目のラウンド遊技では、開放1回目〜開放11回目における開閉体43の開放時間が「0.024(秒)」に夫々設定されている。また、開放1回目から開放11回目の間の各1回分のラウンド内インターバル時間として「1.5(秒)」が夫々設定されている。これにより、第1の大当り遊技の1ラウンド目のラウンド遊技時間は、「(0.024(秒)+1.5(秒))×11」からなる「16.764(秒)」に設定されている。そして、第1の大当り遊技における2ラウンド目以降の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉体43が最大で「25.0(秒)」の長時間に亘って開放動作するようになっている。なお、第1の大当り遊技では、オープニング演出時間として「13.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「11.5(秒)」が設定されている。また、第1の大当り遊技のラウンド間インターバル時間は、「1.5(秒)」に設定されている。すなわち、第1の大当り遊技における1ラウンド目における開閉体43の1回の開放時間(0.024(秒))は、特別入賞口41にパチンコ球が殆ど入賞する可能性のない時間に設定されている。このように、第1の大当り遊技では、1ラウンド目のラウンド遊技では入賞球は殆ど発生することはなく、実質的には残りの2ラウンド目から15ラウンド目までの14ラウンド遊技で賞球が得られる大当り遊技として設定されている。
(第2の大当り遊技について)
前記図柄Bに対応した第2の大当り遊技は、当該第2の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第2の大当り遊技の終了後に確変状態および変短状態が付与される大当り遊技として設定されている。具体的に、実施例では、図3Aに示すように、図柄B(第2の大当り遊技)が決定された場合に、第2の大当り遊技の終了後、次回の大当りが生起されるまでの間は確変状態が継続して付与されるよう設定されている。また、図柄B(第2の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間は、図柄B(第2の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に関係なく、次回の大当りが生起されるまでの間は変短状態が付与されるように設定されている。
また、実施例における第2の大当り遊技は、当該第2の大当り遊技(図柄B)が決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に関わりなく、前記特別入賞装置40の特別入賞口41が同じ開閉態様で開閉されるようになっている。具体的に、前記第2の大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「7個」に設定されている。この第2の大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「0.024(秒)」が設定されている。また、第2の大当り遊技のラウンド間インターバル時間は「1.5(秒)」に設定されている。なお、第2の大当り遊技は、第2の大当り遊技に当選した時点における遊技状態(確変状態や変短状態の付与状態)の違いによって、オープニング演出時間およびエンディング演出時間として異なる時間が設定されるようになっている。具体的には、第2の大当り遊技に当選した時点の遊技状態が非確変・非変短状態および確変・非変短状態である場合は、オープニング演出時間として「13.0(秒)」が設定されると共に、エンディング演出時間として「11.5(秒)」が設定され、第2の大当り遊技に当選した時点の遊技状態が非確変・変短状態および確変・変短状態である場合は、オープニング演出時間として「0.004(秒)」が設定されると共に、エンディング演出時間として「0.004(秒)」が設定されている。すなわち、第2の大当り遊技における各ラウンド遊技時間(0.024(秒))は、1回のラウンド遊技において、特別入賞口41に入賞するパチンコ球の入賞個数が入賞上限個数を満たさないような時間に設定されている。このように、第2の大当り遊技は、入賞球は殆ど発生することはなく賞球数が最も少ない大当り遊技として設定されている。
(第3の大当り遊技について)
前記図柄Cに対応した第3の大当り遊技は、当該第3の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第3の大当り遊技の終了後に確変状態が付与される一方で変短状態が付与される可能性がある大当り遊技として設定されている。具体的に、実施例では、図3Aに示すように、図柄C(第3の大当り遊技)が決定された場合に、第3の大当り遊技の終了後、次回の大当りが生起されるまでの間は確変状態が継続して付与されるよう設定されている。そして、変短状態に関しては、第3の大当り遊技に当選した時点における遊技状態(確変状態や変短状態の付与状態)の違いによって付与される場合と付与されない場合がある。すなわち、第3の大当り遊技に当選した時点の遊技状態が非確変・非変短状態である場合は、変短状態が付与されないように設定される一方で、第3の大当り遊技に当選した時点の遊技状態が確変・非変短状態、非確変・変短状態および確変・変短状態である場合は、変短状態が次回の大当りが生起されるまでの間継続して付与されるように設定されている。
また、実施例における第3の大当り遊技は、当該第3の大当り遊技(図柄C)が決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に関わりなく、前記特別入賞装置40の特別入賞口41が同じ開閉態様で開閉されるようになっている。具体的に、前記第3の大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「7個」に設定されている。この第3の大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「0.024(秒)」が設定されている。また、第3の大当り遊技のラウンド間インターバル時間は「1.5(秒)」に設定されている。なお、第3の大当り遊技は、第3の大当り遊技に当選した時点における遊技状態(確変状態や変短状態の付与状態)の違いによって、オープニング演出時間およびエンディング演出時間として異なる時間が設定されるようになっている。具体的には、第2の大当り遊技に当選した時点の遊技状態が非確変・非変短状態、非確変・変短状態および確変・変短状態である場合は、オープニング演出時間として「0.004(秒)」が設定されると共に、エンディング演出時間として「0.004(秒)」が設定され、第3の大当り遊技に当選した時点の遊技状態が確変・非変短状態である場合は、オープニング演出時間として「13.0(秒)」が設定されると共に、エンディング演出時間として「11.5(秒)」が設定されている。すなわち、第3の大当り遊技における各ラウンド遊技時間(0.024(秒))は、前記第2の大当り遊技と同様に、1回のラウンド遊技において、特別入賞口41に入賞するパチンコ球の入賞個数が入賞上限個数を満たさないような時間に設定されている。このように、第3の大当り遊技は、入賞球は殆ど発生することはなく賞球数が最も少ない大当り遊技として設定されている。
(第4の大当り遊技について)
前記図柄Dに対応した第4の大当り遊技は、当該第4の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第4の大当り遊技の終了後に確変状態が付与される一方で変短状態が付与される可能性がある大当り遊技として設定されている。具体的に、実施例では、図3Aに示すように、図柄D(第4の大当り遊技)が決定された場合に、第4の大当り遊技の終了後、次回の大当りが生起されるまでの間は確変状態が継続して付与されるよう設定されている。そして、変短状態に関しては、第4の大当り遊技に当選した時点における遊技状態(確変状態や変短状態の付与状態)の違いによって付与される場合と付与されない場合がある。すなわち、第4の大当り遊技に当選した時点の遊技状態が非確変・非変短状態および確変・非変短状態である場合は、変短状態が付与されないように設定される一方で、第4の大当り遊技に当選した時点の遊技状態が非確変・変短状態および確変・変短状態である場合は、変短状態が次回の大当りが生起されるまでの間継続して付与されるように設定されている。
また、実施例における第4の大当り遊技は、当該第4の大当り遊技(図柄D)が決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に関わりなく、前記特別入賞装置40の特別入賞口41が同じ開閉態様で開閉されるようになっている。具体的に、前記第4の大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「7個」に設定されている。この第4の大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「0.024(秒)」が設定されている。また、第4の大当り遊技のラウンド間インターバル時間は「1.5(秒)」に設定されている。なお、第4の大当り遊技では、オープニング演出時間として「0.004(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「0.004(秒)」が設定されている。すなわち、第4の大当り遊技における各ラウンド遊技時間(0.024(秒))は、前記第2および第3の大当り遊技と同様に、1回のラウンド遊技において、特別入賞口41に入賞するパチンコ球の入賞個数が入賞上限個数を満たさないような時間に設定されている。このように、第4の大当り遊技は、入賞球は殆ど発生することはなく賞球数が最も少ない大当り遊技として設定されている。
(第5の大当り遊技について)
前記図柄Eに対応した第5の大当り遊技は、当該第5の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第5の大当り遊技の終了後に確変状態が付与されない一方で変短状態が付与される大当り遊技として設定されている(図3A参照)。また、図柄E(第5の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間は、図柄E(第5の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に応じて可変するよう設定されている。具体的に、図3Aに示すように、図柄E(第5の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が非確変・非変短状態および確変・非変短状態である場合には、当該第5の大当り遊技後に付与される変短状態の付与期間(変短回数)として1回が設定されている。また、図柄E(第5の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が非確変・変短状態および確変・変短状態である場合には、当該第5の大当り遊技後の変短状態の付与期間(変短回数)として100回が設定されている。
また、実施例における第5の大当り遊技は、当該第5の大当り遊技(図柄E)が決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に関わりなく、前記特別入賞装置40の特別入賞口41が同じ開閉態様で開閉されるようになっている。なお、前記第5の大当り遊技は、規定ラウンド数、各ラウンド遊技の入賞上限個数、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間、ラウンド間インターバル時間、オープニング演出時間、エンディング演出時間等の各種条件は、前記第1の大当り遊技(図柄A)と同じに設定されている。すなわち、第5の大当り遊技においても、前記第1の大当り遊技と同様に1ラウンド目における開閉体43の1回の開放時間(0.024(秒))は、特別入賞口41にパチンコ球が殆ど入賞する可能性のない時間に設定されており、第5の大当り遊技では、2ラウンド目から15ラウンド目までの14ラウンド遊技で賞球が得られる大当り遊技として設定されている。
(第2特図始動保留情報に基づく大当り遊技について)
前記第2特図始動保留情報(第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞)に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合には、前記メイン制御CPU60aは、予め定められた複数種類の大当り図柄の中から1つの大当り図柄を決定するよう設定されている(図3B参照)。具体的に、実施例では、第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞した際に取得された特図決定用乱数に基づいて、5種類の大当り図柄(図柄a、図柄b、図柄c、図柄d、図柄e)の中から1つの大当り図柄を決定するようになっている。実施例のパチンコ機では、第2特図始動保留情報に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合に、70%の割合で大当り図柄としての図柄aが選択され、9%の割合で大当り図柄としての図柄bが選択され、10%の割合で大当り図柄としての図柄cが選択され、7%の割合で大当り図柄としての図柄dが選択され、4%の割合で大当り図柄としての図柄eが選択されるよう特図決定用判定値が割り当てられている。なお、前述した大当り図柄の振分け割合は一例であり、これに限られるものではない。
(第6および第7の大当り遊技について)
前記図柄aに対応した第6の大当り遊技および図柄bに対応した第7の大当り遊技は、当該第6または第7の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第6または第7の大当り遊技の終了後に確変状態および変短状態が付与される大当り遊技として設定されている(図3B参照)。具体的に、実施例では、図柄a,b(第6または第7の大当り遊技)が決定された場合に、第6または第7の大当り遊技の終了後、次回の大当りが生起されるまでの間は確変状態が継続して付与されるよう設定されている。また、図柄a,b(第6または第7の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間は、図柄a,b(第6または第7の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に関係なく、次回の大当りが生起されるまでの間は変短状態が継続して付与されるよう設定されている。
また、実施例における第6および第7の大当り遊技は、当該第6および第7の大当り遊技(図柄a,b)が決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に関わりなく、前記特別入賞装置40の特別入賞口41が同じ開閉態様で開閉されるようになっている。具体的に、前記第6および第7の大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「7個」に設定されている。また第6および第7の大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されている。なお、第6および第7の大当り遊技では、オープニング演出時間として「13.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「11.5(秒)」が夫々設定されている。また、第6および第7の大当り遊技のラウンド間インターバル時間は「1.5(秒)」に設定されている。このように、第6および第7の大当り遊技は、各大当り遊技によって得られる利益が等しく設定されると共に、実施例のパチンコ機10に設定された大当り遊技の種類の内で最も付与される利益が大きい大当り遊技として設定されている。
(第8、第9および第10の大当り遊技について)
前記図柄cに対応した第8の大当り遊技、図柄dに対応した第9の大当り遊技および図柄eに対応した第10の大当り遊技は、当該第8、第9および第10の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第8、第9および第10の大当り遊技の終了後に確変状態が付与されない一方で変短状態が付与される大当り遊技として設定されている(図3B参照)。また、図柄c(第8の大当り遊技)、図柄d(第9の大当り遊技)および図柄e(第10の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間は、図柄c(第8の大当り遊技)、図柄d(第9の大当り遊技)および図柄e(第10の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に関係なく、一定に設定されている。具体的には第8の大当り遊技の場合には、当該第8の大当り遊技後の変短状態の付与期間(変短回数)として100回が設定され、第9の大当り遊技の場合には、当該第9の大当り遊技後の変短状態の付与期間(変短回数)として75回が設定され、第10の大当り遊技の場合には、当該第10の大当り遊技後の変短状態の付与期間(変短回数)として50回が設定されている。
また、実施例における第8、第9および第10の大当り遊技は、当該第8、第9および第10の大当り遊技(図柄c、d、e)が決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に関わりなく、前記特別入賞装置40の特別入賞口41が同じ開閉態様で開閉されるようになっている。具体的に、前記第8、第9および第10の大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「7個」に設定されている。また第8、第9および第10の大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されている。なお、第8、第9および第10の大当り遊技では、オープニング演出時間として「13.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「11.5(秒)」が夫々設定されている。また、第8、第9および第10の大当り遊技のラウンド間インターバル時間は「1.5(秒)」に設定されている。このように、第8、第9および第10の大当り遊技は、前述した第6および第7大当り遊技と同様に実施例のパチンコ機10に設定された大当り遊技の種類の内で最も獲得可能な賞球数が多い大当り遊技として設定されている。
このように、実施例のパチンコ機10では、第1始動入賞口30への入賞を契機とする第1特図始動保留情報に基づく当り判定の判定結果が肯定の場合には、規定ラウンド数が「15回」ではあるが、該規定ラウンド数(15回)より1ラウンド分少ないラウンド遊技(14回)でしか入賞上限個数までの入賞球の発生が期待できない第1および第5の大当り遊技に対して大当り図柄としての特図1(図柄A,図柄E)が割り当てられると共に、規定ラウンド数(15回)の全てのラウンド遊技において入賞球が殆ど発生することのない第2〜第4の大当り遊技に対して大当り図柄としての特図1(図柄B,図柄C,図柄D)が割り当てられている。これに対して、第2始動入賞口31への入賞を契機とする第2特図始動保留情報に基づく当り判定の判定結果が肯定の場合には、規定ラウンド数である「15回」の全てのラウンド遊技において入賞上限個数までの入賞球の発生が期待できる第6〜第10の大当り遊技に対して大当り図柄としての特図2(図柄a,図柄b,図柄c,図柄d,図柄e)が割り当てられている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、大当り図柄として何れの図柄が決定された場合であっても、第2始動入賞口31への入賞に基づいた当り判定の判定結果が肯定の場合に、第1始動入賞口30への入賞に基づいた当り判定の判定結果が肯定の場合と比べて、獲得可能な賞球数(付与される特典量)が多くなるように設定されている。
(小当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与される小当り遊技について説明する。小当り遊技は、特図変動表示の結果として特図表示部50A,50Bに小当り図柄が停止表示された後に開始されるよう設定されており、発生した小当り遊技の種類に応じた開閉動作で特別入賞装置40の開閉体43が開閉動作した後に、小当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われるよう設定されている。ここで、小当り遊技では、パチンコ球を連続的に発射する条件において、数個のパチンコ球が入賞可能か或いはパチンコ球が入賞不能な時間だけ特別入賞装置40の開閉体43が開放する開閉動作が行われるよう構成される。すなわち、前記小当り遊技は、短時間開放動作を含んだ開放動作を特別入賞装置40の開閉体43に行なわせる当り遊技を構成している。そして、小当り遊技では、当該小当り遊技終了後の遊技状態を、小当り判定の当選時における遊技状態のまま継続させるようになっている。すなわち、小当り判定の当選時に確変状態が付与されていれば小当り遊技終了後にも確変状態が継続して付与される一方、確変状態が付与されていなければ小当り遊技終了後にも確変状態が付与されることはない。また、小当り判定の当選時に変短状態が付与されていれば小当り遊技終了後にも変短状態が継続して付与される一方、変短状態が付与されていなければ小当り遊技終了後にも変短状態が付与されることはない。
また、実施例のパチンコ機では、図3A,図3Bに示すように、小当り判定に当選した場合に、所定種類(実施例では2種類)の小当り遊技の中から1つの小当り遊技が決定され、その決定された小当り遊技が付与される。ここで、小当り遊技の内で何れの小当り遊技が付与されるかは、小当り判定に当選した際に決定される小当り図柄(特図1および特図2)の種類に基づいて決定されるようになっている。実施例では、第1特図表示部50Aに表示可能な小当り図柄としての特図1(実施例では1種類の特図1)は、図柄Fに分類されており、第1特図表示部50Aに確定停止表示された特図1が小当り図柄の場合に、その小当り図柄(図柄F)の種類に応じた小当り遊技が付与されるようになっている。同様に、実施例において第2特図表示部50Bに表示可能な小当り図柄として特図2(実施例では1種類の特図2)は、図柄fに分類されており、第2特図表示部50Bに確定停止表示された特図2が小当り図柄の場合に、その小当り図柄(図柄f)の種類に応じた小当り遊技が付与されるようになっている。
実施例のパチンコ機10では、図柄Fに分類された小当り図柄としての特図1が第1特図表示部50Aに表示された場合には、小当り遊技として第1の小当り遊技が付与され、図柄fに分類された小当り図柄としての特図2が第2特図表示部50Bに表示された場合には、小当り遊技として第2の小当り遊技が付与されるようになっている。実施例における第1および第2の小当り遊技は、1回の開放時間が「0.024(秒)」に設定された開放動作を特別入賞装置40の開閉体43に15回行わせるよう設定されている。なお、複数種類の小当り遊技における開閉体43の開閉態様(開放回数や開放時間)を異ならせることも可能である。なお、第1および第2の小当り遊技では、オープニング演出時間として「0.004(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「0.004(秒)」が夫々設定されている。また、第1および第2の小当り遊技の開閉体43の開放動作間のインターバル時間は「1.5(秒)」に設定されている。
(遊技演出モードについて)
実施例のパチンコ機10は、前記図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容(表示内容)が異なる複数の遊技演出モードを備えている。ここで、遊技演出モードは、その時点での遊技状態が確変状態であるか否かを遊技者に示唆すると共に、変短状態であるか否かを遊技者に示唆する遊技状態示唆画像を図柄表示装置17に表示させて遊技演出を行うようになっている。そして、実施例のパチンコ機10では、所定のモード移行条件が成立することで遊技演出モードが変更され得るようになっている。ここで、実施例では、大当り遊技の発生および大当り遊技後の図柄変動(第1または第2特図変動表示)の変動回数(実施例では1回,50回,75回,100回)がモード移行条件とされている。
実施例に係る遊技演出モードには、メイン制御CPU60aにより確変状態および変短状態を何れも付与しないことが決定された遊技状態(非確変・非変短状態)に対応する通常モードと、確変状態および変短状態を何れも付与することが決定された遊技状態(確変・変短状態)に対応した確変モードと、確変状態が付与されていることを示唆する遊技状態(すなわち、確変状態が付与されている状態と付与されていない状態とがある)に対応した潜伏モードとが設定されている。また、実施例のパチンコ機10には、確変状態において小当り判定の判定が肯定となったことをモード移行条件とする特殊モードが設定されている。なお、遊技演出モードの種類としては、これらに限定されるものではなく、その他の遊技演出モードを設定することもでき、例えば確変状態を付与しないことが決定されると共に変短状態を付与することが決定された遊技状態(非確変・変短状態)に対応した時短モードを設けることも可能である。また、各遊技演出モード(通常モード、確変モードおよび潜伏モード)の夫々において図柄表示装置17に表示される遊技状態示唆画像は1種類である必要はなく、これらの遊技演出モード毎に複数種類の遊技状態示唆画像を設定することができる。なお、本実施例における潜伏モードは、内部的に確変状態および変短状態が付与された遊技状態または変短状態のみが付与された遊技状態の何れかの状態となっている。
そして、図柄表示装置17には、遊技演出モードに対応した内容の遊技状態示唆画像が表示されるようになっている。具体的には、遊技演出モード毎に、図柄表示装置17の飾図の背面に映し出される背景画像が異なるように設定されており、背景画像の種類から現在の遊技演出モードを遊技者が認識し得るようになっている。また、各遊技演出モードでは、図柄表示装置17で行われる図柄変動演出の演出内容(後述する変動パターンや演出パターン)の一部または全部が異なっており、これらの遊技演出モード毎に特有の演出が実行され得るよう設定されている。
(パチンコ機の制御構成について)
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。実施例のパチンコ機10には、図8に示す如く、パチンコ機10を全体的に制御する制御手段としてのメイン制御基板(メイン制御手段)60と、該メイン制御基板60からの制御信号に基づいて各制御対象を制御する制御手段としてのサブ制御基板(サブ制御手段)65,70とが設けられている。すなわち、メイン制御基板60では、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板65,70に出力されるようになっている。
また、実施例のパチンコ機10には、サブ制御基板として、遊技演出を全体的に制御する統括制御基板65と、図柄表示装置17での表示内容を制御する表示制御基板70と、パチンコ機10が備える各種発光演出手段(ランプ装置18等)の発光制御を行うランプ制御基板72と、パチンコ機10が備えるスピーカ19の音出力制御を行う音制御基板73とを備えている。すなわち、メイン制御基板60が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、前記統括制御基板65が表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄変動演出や発光演出、音声演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。ここで、表示制御基板70は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、図柄表示装置17に表示される図柄(飾図)や背景画像等の図柄変動演出の表示内容を制御するよう構成される。また、ランプ制御基板72は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える各種発光演出手段の点灯・消灯のタイミングや、発光強度等を制御するものである。そして、音制御基板73は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備える各スピーカ19からの音声出力のタイミングや出力内容等を制御するものである。
(メイン制御基板60について)
前記メイン制御基板60は、図8に示に示す如く、制御処理を実行するメイン制御CPU60a、該メイン制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM60b、当該メイン制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM60c等が備えられている。そして、前記始動入賞検出センサ34,35、特別入賞検出センサ44、普通入賞検出センサ49b,49c、ゲートセンサ48等の各種センサが前記メイン制御CPU60aに接続されている。また、メイン制御CPU60aには、遊技情報表示部Mの各表示部(第1および第2特図表示部50A,50B、第1および第2特図保留表示部52,53、普図表示部55、普図保留表示部56、状態表示部58)が接続されて、各検出センサ34,35,44,48,49b,49cの検出を契機としてメイン制御CPU60aで実行された制御処理に基づいて、遊技情報表示部Mの各表示部50A,50B,52,53,55,56,58の表示制御が実行されるようになっている。また、メイン制御CPU60aには、前記第2始動入賞口31を開閉する開閉部材33に連繋する始動入賞ソレノイド32および特別入賞口41を開閉する開閉体43に連繋する特別入賞ソレノイド42が接続されており、該メイン制御CPU60aでの制御処理結果に基づいて各ソレノイド32,42を駆動させることで、対応する開閉部材33や開閉体43が開閉するようになっている。そして、メイン制御CPU60aは、大当り遊技の種類に応じた開閉態様で開閉体43が開閉するよう前記特別入賞ソレノイド42を駆動制御し、開閉体43を長時間開放動作させる長時間開放制御および開閉体43を短時間開放動作させる短時間開放制御を実行するよう構成される。
メイン制御CPU60aは、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ34または第2始動入賞検出センサ35がパチンコ球を検出したこと)を契機として入賞情報としての各種乱数を取得するよう設定されている。ここで、メイン制御CPU60aが始動入賞検出センサ34,35の検出を契機として取得する乱数としては、当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数(リーチ判定用乱数)、特図変動パターン振分用乱数、普図当り判定用乱数、普図決定用乱数等の各種乱数が設定されている。そして、メイン制御CPU60aがこれらの乱数値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の乱数値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えることにより、第1または第2始動入賞検出センサ34,35の検出信号がメイン制御CPU60aに入力されたタイミングに応じて乱数が取得されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
また、前記第1始動入賞口30および第2始動入賞口31にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数値)は、対応する第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報としてメイン制御RAM60cの所定の特図記憶領域(記憶領域)に一時的に記憶保持されるよう構成されている。第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶する順序で記憶する特図記憶領域が定まっており、各特図始動保留情報に基づいて図柄変動演出(特図変動表示)を実行する場合に、メイン制御RAM60cに記憶した順序で特図始動保留情報がメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。実施例では、第1特図始動保留情報か第2特図始動保留情報かを区別可能に個別にメイン制御RAM60cに記憶されており、第2特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されている場合には、第1特図始動保留情報よりも第2特図始動保留情報をメイン制御CPU60aが優先して読み出して図柄変動演出(特図変動表示)を実行させるよう設定されている。
当り判定用乱数は、図柄変動演出の結果として当り遊技(大当り遊技または小当り遊技)を発生するか否かの当り判定(大当り判定および小当り判定)で用いる乱数である。実施例では、当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。また、特図決定用乱数は、大当り判定の結果に応じて第1特図表示部50Aに確定停止表示させる特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示させる特図2を決定する際に用いる乱数である。ここで、実施例では、特図決定用乱数として、「0」〜「100」の全101通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。特図決定用乱数の各値には、前述したはずれを示す1種類の特図表示に対応する乱数と、小当りの当選を示す2種類の特図表示に対応する乱数と、大当りの当選を示す100種類の特図表示に対応する乱数とが設定されており、該特図決定用乱数の値により、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図2が特定されるようになっている。すなわち、第1始動入賞検出センサ34の検出を契機として取得される特図決定用乱数の値により、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図1が特定され、第2始動入賞検出センサ35の検出を契機として取得される特図決定用乱数の値により、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図2が特定される。また、前述したように、前記大当り図柄としての特図1および特図2は、大当り遊技の種類毎に分類されており、特図1または特図2が特定されることで、図柄変動演出の終了後に付与される大当り遊技の種類が特定されるようになっている。同様に、前記小当り図柄としての特図1および特図2は、小当り遊技の種類毎に分類されており、特図1または特図2が特定されることで、図柄変動演出の終了後に付与される小当り遊技の種類が特定されるようになっている。すなわち、特図決定用乱数が当り遊技(大当り遊技や小当り遊技)の種類を決定する乱数としての機能を有している。また、前述したように、大当り遊技の種類毎に大当り遊技後に確変状態および変短状態が付与されるか否かが一義的に定められており、特図決定用乱数が確変状態および変短状態を付与するか否かを決定する乱数としての機能も有している。更に、大当り遊技の種類毎に大当り遊技後に付与される変短状態の付与期間(変短回数)が1つまたは複数定められており、特図決定用乱数が変短状態の付与期間を決定する乱数としての機能も有している。
また、演出実行判定用乱数は、前述した当り判定(大当り判定または小当り判定)における判定結果が否定となった場合に(大当りおよび小当りに当選しなかったはずれの場合に)、当り表示が表示される可能性を示唆する演出を行うか否かの演出実行判定(リーチ判定)で用いられる乱数である。実施例では、演出実行判定用乱数として、「0」〜「238」の全239通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。ここで、当り表示が表示される可能性を示唆する演出としては、図柄表示装置17に図柄変動の過程で表示されるリーチ表示を契機として行われるリーチ演出や、飾図の変動開始から変動停止までを1回とした変動サイクルを複数回連続して実行可能とする連続予告演出(先読み予告演出)や、図柄表示装置17に表示される当り表示される可能性を示唆する予告演出や、ランプ装置18の光やスピーカ19から出力される音声により当り表示が表示される可能性を遊技者に示唆する予告演出を含むものである。前記特図変動パターン振分用乱数は、図柄変動演出における図柄変動の変動パターンの決定に用いる乱数である。実施例では、特図変動パターン振分用乱数として、「0」〜「99」の全100通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。
実施例のパチンコ機10では、当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数および特図変動パターン振分用乱数は、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ34または第2始動入賞検出センサ35がパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている各乱数を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。また、第1始動入賞口30へパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数は、第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数と同一のものが共通で使用され、各始動入賞口30,31への入賞タイミングに応じた乱数を前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。
また、メイン制御CPU60aは、ゲート部材47をパチンコ球が通過したこと(より具体的にはゲートセンサ48がパチンコ球を検出したこと)を契機として通過検出情報としての各種乱数を取得するよう設定されている。ここで、メイン制御CPU60aがゲートセンサ48の検出を契機に取得する乱数としては、普図当り判定用乱数、普図変動パターン決定用乱数等の各種乱数が設定されている。そして、メイン制御CPU60aがこれらの乱数値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の乱数値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えることにより、ゲートセンサ48の検出信号がメイン制御CPU60aに入力されたタイミングに応じて乱数が取得されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
また、前記ゲートセンサ48をパチンコ球が通過した際に取得される通過検出情報(各種乱数値)は、普図始動保留情報としてメイン制御RAM60cの所定の普図記憶領域(記憶領域)に一時的に記憶保持されるよう構成されている。普図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶する順序で記憶する普図記憶領域が定まっており、普図始動保留情報に基づいて普図変動表示を実行する場合に、メイン制御RAM60cに記憶した順序で普図始動保留情報がメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。
普図当り判定用乱数は、普図変動の結果として第2始動入賞口31の開放(普図当り)を発生させるか否かの普図当り判定(普図当り抽選)で用いられる乱数である。実施例では、普図当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。前記普図変動パターン振分用乱数は、普図変動表示における普図変動の変動時間を定めた普図変動パターンの決定に用いる乱数である。実施例では、普図変動パターン振分用乱数として、「0」〜「8」の全9通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。そして、ゲート部材47をパチンコ球が通過したこと(より具体的にはゲートセンサ48がパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている通過検出情報(普図当り判定用乱数および普図変動パターン振分用乱数等)を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。
(判定値について)
一方、メイン制御ROM60bには、図柄変動演出の結果、大当りを発生させることを示す大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、前記当り判定用乱数を用いて大当りか否かの判定(大当り判定)で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、大当り判定値は、大当り判定を行う時点で前述した確変状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、確変状態のときに設定される大当り判定値の数(実施例では1516個)は、非確変状態の場合に設定される大当り判定値の数(実施例では168個)よりも多く設定されている。すなわち、確変状態における大当り判定値の設定数を多くすることで、大当り遊技が発生し易くなっている。
また、メイン制御ROM60bには、特図決定用判定値が記憶されている。特図決定用判定値は、大当り判定の結果が肯定の場合に、第1特図表示部50Aに確定停止表示させる大当り図柄としての特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示させる大当り図柄としての特図2を、特図決定用乱数を用いて決定する判定値である。ここで、実施例では、特図決定用判定値には、前述した101種類の特図決定用乱数に対応した「0」〜「100」の整数値が設定されており、特図決定用判定値の夫々に個別に特図1および特図2が対応付けられている。
また、メイン制御ROM60bには、図柄変動演出の結果、小当りを発生させることを示す小当り判定値が記憶されている。小当り判定値は、大当り判定の結果が否定の場合に、前記当り判定用乱数を用いて小当りか否かの判定(小当り判定)で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る数値(実施例では「0」〜「65535」までの全65536通りの整数)の中から所定数(実施例では9個)の判定値が定められている。すなわち、当り判定用乱数は、大当り判定および小当り判定において使用される乱数である。なお、当り判定用乱数として、大当り判定用の大当り判定用乱数と、小当り判定用の小当り判定用乱数とを個別に設定することも可能である。ここで、小当り判定値は、第1始動入賞検出センサ34の検出を契機として入賞情報(当り判定用乱数)が取得されたか、第2始動入賞検出センサ35の検出を契機として入賞情報(当り判定用乱数)が取得されたかに応じて判定値の設定数が異なっている。具体的には、第1始動入賞検出センサ34の検出を契機として入賞情報(当り判定用乱数)が取得された場合に設定される小当り判定値の数(実施例では222個)は、第2始動入賞検出センサ35の検出を契機として入賞情報(当り判定用乱数)が取得された場合に設定される小当り判定値の数(実施例では1個)よりも多く設定されている。すなわち、第2始動入賞検出センサ35の検出を契機とした場合よりも、第1始動入賞検出センサ34の検出を契機とした場合の方に、小当り遊技が発生し易くなっている。
また、メイン制御ROM60bには、演出実行判定値(リーチ判定値)が記憶されている。演出実行判定値は、当り判定(大当り判定および小当り判定)の結果が否定の場合に、当り表示が図柄表示装置17に表示される可能性を示唆するリーチ演出等の演出を実行させるか否かの演出実行判定(リーチ抽選)で用いる判定値であり、演出実行判定用乱数の取り得る数値「0」〜「238」までの全239通りの整数の中から定められている。すなわち、取得された演出実行判定用乱数の値が、設定された演出実行判定値と一致する場合に、リーチ演出等の演出を実行させることをメイン制御CPU60aが決定するようになっている。
ここで、演出実行判定値は、第1始動入賞口30へパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ34がパチンコ球を検出したこと)を契機として行われる演出実行判定の場合と、第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第2始動入賞検出センサ35がパチンコ球を検出したこと)を契機として行われる演出実行判定の場合とで、判定値の設定数が異なっている。また、演出実行判定値は、演出実行判定を行う時点で前述した確変状態が付与されているか否か、および当該時点で変短状態が付与されているか否かに応じても、判定値の設定数が異なっている。
すなわち、第1始動入賞口30へパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、確変状態のときに設定される演出実行判定値の数よりも非確変状態のときに設定される演出実行判定値の数の方が多くなるよう設定されている。また、第1始動入賞口30へパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、変短状態のときに設定される演出実行判定値の数よりも非変短状態のときに設定される演出実行判定値の数の方が多くなるよう設定されている。なお、実施例では、第1始動入賞口30へパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合において、非確変状態かつ非変短状態の場合に35個の演出実行判定値が設定され、非確変状態かつ変短状態の場合に1個の演出実行判定値が設定され、確変状態かつ変短状態の場合に2個の演出実行判定値が設定されている。なお、第1始動入賞口30へパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の記憶数に応じて、演出実行判定値の設定数が変動するようにしてもよい。具体的には、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の記憶数が増えるにつれて演出実行判定値の設定数が減少するように、該設定数を設定することができる。すなわち、第1特図始動保留情報の記憶数が「4」の場合に、演出実行判定値の設定数が最小とされる。
そして、第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、変短状態のときに設定される演出実行判定値の数よりも非変短状態のときに設定される演出実行判定値の数の方が少なくなるよう設定されている。なお、実施例では、第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合において、非確変状態かつ変短状態の場合に5個の演出実行判定値が設定され、確変状態かつ変短状態の場合に1個の演出実行判定値が設定されている。また、第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合において、非確変状態かつ非変短状態の場合に演出実行判定値が0個に設定される。なお、第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の記憶数に応じて、演出実行判定値の設定数が変動するようにしてもよい。具体的には、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の記憶数が増えるにつれて演出実行判定値の設定数が減少するように、該設定数を設定することができる。すなわち、第1特図始動保留情報の記憶数が「4」の場合に、演出実行判定値の設定数が最小とされる。
また、メイン制御ROM60bには、変動内容を特定する複数種類の特図変動パターンが記憶されており、各特図変動パターンに対応して特図変動パターン振分判定値が記憶されている。ここで、前記特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから確定停止表示されるまでの間に実行される演出内容(図柄変動演出の表示内容、発光演出態様、音声演出態様)の基本的なベースとなる内容を特定するものである。また、特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから特図1または特図2が確定停止表示されるまでの変動時間(図柄変動演出および特図変動表示の時間)を特定している。特図変動パターン振分判定値は、前記特図変動パターン振分用乱数を用いて特図変動パターンの決定に用いる判定値であり、特図変動パターン毎に所定の判定値が割当てられており、取得された特図変動パターン振分用乱数に対応する特図変動パターン振分判定値が割り当てられた特図変動パターンが特定されるようになっている。
メイン制御ROM60bに記憶される特図変動パターンは、当り用の特図変動パターンと、はずれ用の特図変動パターンとに分類されており、遊技演出モードに応じて特図変動パターン毎に特定の特図変動パターン振分判定値が定められている。なお、当り用の特図変動パターンは、大当り判定の結果が肯定の場合または小当り判定の結果が肯定の場合に決定可能な特図変動パターンである。また、はずれ用の特図変動パターンは、当り判定(大当り判定および小当り判定)の結果が否定の場合に選択される当り特図変動パターンである。そして、はずれ用の特図変動パターンには、リーチ演出が行われた後に最終的にはずれとする演出実行判定の結果が肯定の場合に決定可能なはずれリーチ変動パターンと、リーチを形成せずにはずれとする演出実行判定の結果が否定の場合に決定可能なはずれ変動パターンとがある。なお、リーチ演出は、図柄変動演出においてリーチ表示となる有効図柄の図柄組み合わせが図柄表示装置17に表示されてから、当り表示(大当り表示や小当り表示)またははずれ表示となる飾図の図柄組み合わせが停止表示されるまでの間に行われる演出である。
また、メイン制御ROM60bには、普図変動演出の結果、普図当りを発生させることを示す普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、前記普図当り判定用乱数を用いて普図当りか否かの判定(普図当り判定)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、普図当り判定値は、普図当り判定を行う時点で前述した変短状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、変短状態の場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では65535個)は、非変短状態の場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では1個)よりも多く設定されている。すなわち、変短状態における普図当り判定値の設定数を多くすることで、普図当りが発生し易くなっている。
メイン制御ROM60bには、複数種類の普図変動パターンが記憶されており、各普図変動パターンに対応して普図変動パターン振分判定値が記憶されている。ここで、前記普図変動パターンは、普図変動表示を開始してから普図が確定停止表示されるまでの普図変動表示の変動時間を特定している。普図変動パターン振分判定値は、前記普図変動パターン振分用乱数を用いて普図変動パターンの決定に用いる判定値であり、普図変動パターン決定用乱数の取り得る数値「0」〜「8」までの全9通りの整数の中から定められている。そして、普図変動パターン毎に所定の判定値が割当てられており、取得された普図変動パターン振分用乱数に対応する普図変動パターン振分判定値が割り当てられた普図変動パターンがメイン制御CPU60aにより特定されるようになっている。ここで、普図変動パターン決定用判定値は、普図当り判定を行った時点での遊技状態が変短状態か非変短状態であるかによって、割当てられる普図変動パターンの種類および割当数が異なっている。具体的に、実施例では、非変短状態の場合に1つの普図変動パターンに対して普図変動パターン決定用判定値が割り当てられて、所定時間の変動時間(例えば2000ms)を定める普図変動パターンが決定されるのに対し、変短状態の場合に複数(実施例では2つ)の普図変動パターンに対して普図変動パターン決定用判定値が割り当てられて、各普図変動パターンに対する普図変動パターン決定用判定値の割当数に応じた割合で、所定時間の変動時間(例えば820ms)を定める普図変動パターンおよびこれと異なる変動時間(例えば200ms)を定める普図変動パターンの何れかの普図変動パターンが決定される。
(統括制御基板について)
前記統括制御基板65には、統括制御CPU65aが備えられている。該統括制御CPU65aには、図8に示す如く、統括制御ROM65bおよび統括制御RAM65cが接続されている。また、統括制御CPU65aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を統括制御RAM65cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
ここで、前記統括制御ROM65bには、図柄変動演出において実行する図柄変動演出の具体的な演出内容を特定する演出パターンが記憶されている。前記演出パターンは前記特図変動パターンに対応付けられており、メイン制御CPU60aにより決定された特図変動パターンに基づいて対応する演出パターンを統括制御CPU65aが決定するようになっている。なお、前記演出パターンは、前記特図変動パターンに対して一対一の関係で対応付けられたものではなく、1つの特図変動パターンに対して複数の演出パターンが対応付けられている。また、演出パターンには、図柄変動演出において各図柄表示列26a,26b,26cの飾図の停止タイミングが定められており、該演出パターンで定められる停止タイミングに従って各列に飾図が停止されると共に、該飾図の停止に合わせてスピーカ19から適宜の効果音が出力されたり、ランプ装置18が適宜の発光を行ったりするようになっている。
また、統括制御ROM65bには、表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を統括的に制御するための統括制御プログラムが記憶されている。統括制御CPU65aは、各種制御コマンドを入力すると、当該統括制御プログラムに基づき各種制御を実行する。
(表示制御基板70について)
次に、図8に基づき表示制御基板70について説明する。表示制御基板70には、表示制御CPU70aが備えられている。該表示制御CPU70aには、表示制御ROM70bおよび表示制御RAM70cが接続されている。また、表示制御基板70(表示制御CPU70a)には、図柄表示装置17が接続されている。表示制御ROM70bには、図柄表示装置17の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、表示制御ROM70bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。更に、表示制御RAM70cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
すなわち、メイン制御CPU60aは、始動入賞口30,31への入賞を契機として各種乱数を取得する乱数取得手段としての機能を有すると共に、図柄変動演出の開始時に、乱数取得手段により取得された乱数の値が予め定められた当り判定値(大当り判定値または小当り判定値)と一致するか否かを判定することで、当り遊技(大当り遊技または小当り遊技)が付与されるか否かの当り判定を行う当り判定手段としての機能を備えている。また、始動入賞口30,31への入賞を契機として当りか否かを判定する当り判定手段、複数種類の当り遊技の中から付与する当り遊技の種類を決定する当り遊技決定手段(当り判定手段)および決定した種類の当り遊技を特図変動表示終了後(図柄変動演出終了後)に付与する当り遊技付与手段としての夫々の機能を前記メイン制御CPU60aが備えている。メイン制御CPU60aは、前記始動入賞口30,31への入賞に基づいて、前記メイン制御ROM60bが記憶する複数の特図変動パターン(変動パターン)の中から1つの特図変動パターンを決定する特図変動パターン決定手段(変動パターン決定手段)としての機能を備えている。また、前記メイン制御CPU60aは、当りが発生する確率(当り判定手段による判定結果が肯定となる確率)が通常よりも高確率となる確変状態を付与するか否かを決定する確変決定手段として機能すると共に、当り遊技終了後に確変状態を付与する確変付与手段として機能するよう構成されている。ここで、前記メイン制御CPU60aは、当りが発生する場合(当り判定手段の判定結果が肯定の場合)にのみ、確変状態を付与するか否かを判定するようになっている。
更に、前記メイン制御CPU60aは、当りが発生する場合(当り判定手段の判定結果が肯定の場合)に、第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞する確率が高確率となる入賞率向上状態(変短状態)を付与するか否かを判定する入賞率向上状態判定手段として機能し、入賞率向上状態を付与する場合に、入賞率向上状態を付与する期間を決定する入賞率向上状態付与期間決定手段として機能すると共に、当り遊技終了後に決定された入賞率向上状態を付与する期間だけ変短状態を付与する変短状態付与手段としても機能している。ここで、前記メイン制御CPU60aは、当り遊技の終了後から予め決められた回数の特図変動表示(図柄変動演出)が実行されるまでの間、あるいは次回の当り遊技が付与されるまでの間の何れかの期間を、入賞率向上状態付与期間として決定するようになっている。このように、前記メイン制御CPU60aは、当り判定が肯定判定の場合に、始動入賞口30,31への入賞に基づいて当り遊技後に遊技者に有利な特典状態(確変状態、変短状態)を付与するか否かを決定する特典状態決定手段としての機能を備えている。また、前記メイン制御RAM60cは、図柄表示装置17で図柄変動演出が行われている間(すなわち第1および第2特図表示部50A,50Bで特図変動表示が行われている間)に取得された入賞情報を始動保留情報として複数記憶可能な保留記憶手段として機能する。具体的に、表示手段(図柄表示装置17や第1特図表示部50A)で変動表示が行われている間に第1始動入賞検出センサ34の検出を契機として取得される入賞情報を第1始動保留情報として記憶する第1保留記憶手段および表示手段(図柄表示装置17や第2特図表示部50B)で変動表示が行われている間に第2始動入賞検出センサ35の検出を契機として取得される入賞情報を第2始動保留情報として記憶する第2保留記憶手段として機能する。
次に、メイン制御基板60のメイン制御CPU60aが制御プログラムに基づき実行する特図処理および特図開始処理について具体的に説明する。
(特図入力処理について)
特図入力処理では、図4に示すように、第1始動入賞口30にパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する(ステップA11)。すなわち、ステップA11においてメイン制御CPU60aは、第1始動入賞口30に対応する第1始動入賞検出センサ34がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA11の判定結果が否定の場合には、ステップA15に移行する。ステップA11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA12)。ステップA12の判定結果が否定(すなわち第1特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、メイン制御CPU60aは、ステップA15に移行する。
ステップA12の判定結果が肯定(第1特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第1特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第1特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA13)。続いて、メイン制御RAM60cから入賞情報(当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および特図変動パターン振分用乱数等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を第1特図始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に設定する(ステップA14)。これにより、ステップA15に移行する。
また、ステップA15では、第2始動入賞口31にパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する。すなわち、ステップA15においてメイン制御CPU60aは、第2始動入賞口31に対応する第2始動入賞検出センサ35がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA15の判定結果が否定の場合には、特図入力処理を終了する。ステップA15の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA16)。ステップA16の判定結果が否定(すなわち第2特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、メイン制御CPU60aは、特図入力処理を終了する。
ステップA16の判定結果が肯定(第2特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第2特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA17)。続いて、メイン制御RAM60cから入賞情報(当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および特図変動パターン振分用乱数等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を第2特図始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に設定する(ステップA18)。これにより、特図入力処理を終了する。
(特図開始処理について)
次に、特図開始処理について図5に基づき説明する。メイン制御CPU60aは、特図開始処理を所定の周期(実施例では4ms)毎に実行している。特図開始処理では、メイン制御CPU60aは、特図表示部50A,50Bおよび図柄表示装置17において特図1または特図2が変動表示中であるか、または大当り遊技または小当り遊技中であるか否かを判定する(ステップB11)。そして、ステップB11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。一方、ステップB11の判定結果が否定の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップB12)、第2特図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB13)。ステップB13の判定結果が否定の場合には(第2特図始動保留情報の保留数=0の場合には)、メイン制御CPU60aは、ステップB16の処理に移行する。またメイン制御CPU60aは、ステップB13の判定結果が肯定の場合には(第2特図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第2特図変動演出を実行することを示す値「1」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第2特図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップB14)、保留数に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている当該第2特図始動保留情報(当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および特図変動パターン振分用乱数等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが取得する(ステップB15)。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域から第2特図始動保留情報(乱数)を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第2特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を前記第2特図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第2特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を前記第3特図記憶領域に記憶させる。すなわち、第2特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第2特図始動保留情報の保留数に対応するように第2特図保留表示部53の表示を変更させる。
前記ステップB15の処理により第2特図始動保留情報としての各種乱数が取得されると、図6に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定(当り抽選)を行う(ステップB22)。なお、前述したように、非確変状態の時(低確率の時)に大当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち大当り確率)は、168/65536に設定され、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、1516/65536に設定されている。そして、ステップB22における大当り判定の判定結果が肯定の場合には(大当りが発生する場合には)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB23)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第2特図表示部50Bに確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図2)を決定する(ステップB24)。ここで、特図決定用乱数の値は、特図2の大当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図2を決定することで大当り図柄を決定することになる。また、メイン制御CPU60aは、大当り図柄が確変状態を付与する大当り図柄の場合には、確変状態を示す確変フラグを大当り遊技の終了後に「1」に設定し、確変状態を付与しない大当り図柄の場合に確変フラグを「0」に設定する。また、大当り図柄が変短状態を付与する大当り図柄の場合には、変短状態を示す変短フラグを大当り遊技の終了後に「1」に設定し、変短状態を付与しない大当り図柄の場合に変短フラグを「0」に設定する。なお、変短フラグは、変短状態の終了条件が満たされると、変短フラグが「0」に設定される。大当り図柄(特図)が決定されると、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいて当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB25)。
一方、ステップB22の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、小当りを発生させるか否かを判定する小当り判定(当り抽選)を行う(ステップB27)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB15の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した当り判定用乱数の値が、小当り判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。なお、前述したように、第2始動入賞検出センサ35の検出を契機として入賞情報(当り判定用乱数)が取得された場合に小当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち小当り確率)は、1/65536に設定されている。そして、ステップB27における小当り判定の判定結果が肯定の場合には(小当りが発生する場合には)、小当りの変動であることを示す小当りフラグに「1」が設定される(ステップB28)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第2特図表示部50Bに確定停止表示される小当り図柄となる最終停止図柄(特図2)を決定する(ステップB29)。ここで、特図決定用乱数の値は、特図2の小当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図2を決定することで小当り図柄を決定することになる。なお、実施例のパチンコ機10では、小当り判定した時点の確変フラグおよび変短フラグの値を維持するよう設定されており、小当りの場合に確変フラグおよび変短フラグの値を変化させないよう構成されている。そして、小当り図柄(特図)が決定されると、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいて当り用の特図変動パターン(当り変動パターン)の中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB30)。
ステップB27の小当り判定の判定結果が否定の場合には(すなわち大当りおよび小当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB31)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB15の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB31の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示部50Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB32)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ用の特図変動パターン(はずれリーチ変動パターン)の中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB33)。なお、リーチ演出とは、同一飾図が2つ揃って残りの1つが変動中となる演出に限らず、特定の図柄変動が行われる状態を含むものである。
また、ステップB31での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示部50Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB34)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれ用の特図変動パターン(はずれ変動パターン)の中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB35)。
ここで、ステップB25,B30,B33,B35において特図変動パターンおよび最終停止図柄(特図2)を決定したメイン制御CPU60aは、統括制御基板65に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB26)。具体的には、メイン制御CPU60aは、特図変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドを出力すると共に、特図変動パターンで特定された変動時間の計測を開始する。これと同時に、メイン制御CPU60aは、第2特図変動表示を開始させるように第2特図表示部50Bを制御する。また、メイン制御CPU60aは、最終停止図柄となる特図2を指示するための特図2指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第2特図表示部50Bの表示内容を制御する。また、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。また、変短状態の終了条件を満たした場合には、変短終了コマンドを出力する。
一方、ステップB13の判定結果が否定の場合(第2特図始動保留情報の保留数=0の場合)には、第1特図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップB16)、第1特図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB17)。メイン制御CPU60aは、ステップB17の判定結果が肯定の場合には(第1特図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第1特図変動演出を実行することを示す値「0」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第1特図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップB18)、当該第1特図始動保留情報に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および特図変動パターン振分用乱数の値をメイン制御CPU60aが取得して(ステップB19)、次いで当り判定処理を実行する。すなわち、実施例のパチンコ機10では、第2始動入賞口31への入賞を契機として取得される第2特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されている場合には、第1始動入賞口30への入賞を契機として取得される第1特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されていたとしても、該第2特図始動保留情報に基づく図柄変動演出が優先的に実行されるようになっている。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域から第1特図始動保留情報(乱数)を読み込む。そして、メイン制御CPU60aは、第1特図始動保留情報に関連付けられた乱数を読み込んだ後、2番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を前記第2特図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第1特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を前記第3特図記憶領域に記憶させる。すなわち、第1特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第1特図始動保留情報の保留数に対応するように第1特図保留表示部52の表示を変更させる。
前記ステップB19の処理により各種乱数が取得されると、図7に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定(当り抽選)を行う(ステップB36)。なお、前述したように、非確変状態の時(低確率の時)に大当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち大当り確率)は、164/65536に設定され、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、1516/65536に設定されている。そして、ステップB36における大当り判定の判定結果が肯定の場合には(大当りが発生する場合には)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB37)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第1特図表示部50Aに確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図1)を決定する(ステップB38)。ここで、特図決定用乱数の値は、特図1毎に大当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図1を決定することで大当り図柄を決定することになる。また、メイン制御CPU60aは、決定した大当り図柄に応じて該大当り図柄により特定される大当り遊技後の遊技演出モード(遊技状態)を示す遊技演出モードフラグ(すなわち確変フラグ、変短フラグ)を設定する。大当り図柄(特図1)が決定されると、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいて当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB39)。
一方、ステップB36の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、小当りを発生させるか否かを判定する小当り判定(当り抽選)を行う(ステップB41)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB19の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した当り判定用乱数の値が、小当り判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。なお、前述したように、第1始動入賞検出センサ34の検出を契機として入賞情報(当り判定用乱数)が取得された場合に小当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち小当り確率)は、222/65536に設定されている。そして、ステップB41における小当り判定の判定結果が肯定の場合には(小当りが発生する場合には)、小当りの変動であることを示す小当りフラグに「1」が設定される(ステップB42)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第1特図表示部50Aに確定停止表示される小当り図柄となる最終停止図柄(特図1)を決定する(ステップB43)。ここで、特図決定用乱数の値は、特図1の小当り図柄が各別に対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図1を決定することで小当り図柄を決定することになる。なお、実施例のパチンコ機10では、小当り判定した時点の確変フラグおよび変短フラグの値を維持するよう設定されており、小当りの場合に確変フラグおよび変短フラグの値を変化させないよう構成されている。そして、小当り図柄(特図1)が決定されると、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいて当り用の特図変動パターン(当り変動パターン)の中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB44)。
また、ステップB41の小当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りおよび小当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB45)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB19の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB45の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示部50Aにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB46)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ用の特図変動パターン(はずれリーチ変動パターン)の中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB47)。
また、ステップB45での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示部50Aにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB48)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれ用の特図変動パターン(はずれ変動パターン)の中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB49)。
ここで、ステップB39,B44,B47,B49において特図変動パターンおよび最終停止図柄(特図1)を決定したメイン制御CPU60aは、統括制御基板65に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB40)。具体的には、メイン制御CPU60aは、特図変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドを出力すると共に、特図変動パターンで特定された変動時間の計測を開始する。これと同時に、メイン制御CPU60aは、第1特図変動表示を開始させるように第1特図表示部50Aを制御する。また、メイン制御CPU60aは、最終停止図柄となる特図1を指示するための特図1指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第1特図表示部50Aの表示内容を制御する。また、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。また、変短状態の終了条件を満たした場合には、変短終了コマンドを出力する。
一方、ステップB17の判定結果が否定の場合(第1特図始動保留情報の保留数=0の場合)には、メイン制御CPU60aは、デモ演出の実行を開始させるデモンストレーション指定コマンドを既に出力したか否かを判定し(ステップB20)、判定結果が否定の場合には、デモンストレーション指定コマンドを出力して特図開始処理を終了する(ステップB21)。また、ステップB20の判定結果が肯定の場合には(デモンストレーション指定コマンドを既に出力していた場合には)、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。
(統括制御について)
次に、統括制御基板65で実行される処理について説明する。統括制御基板65の統括制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aから入力された特図変動パターン指定コマンドに基づいて、当該図柄変動演出において実行する演出パターンを決定し、決定した演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。統括制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドが入力されると、該コマンドに対応する特図の停止図柄指定に応じて図柄表示装置17に最終停止表示させる各図柄列26a,26b,26cの飾図を決定する。すなわち、統括制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指定された図柄が大当り図柄の場合には、大当り表示となる飾図の図柄組み合わせとなるよう各図柄列26a,26b,26cの飾図が決定される。
また、メイン制御CPU60aから出力される特図1指定コマンドおよび特図2指定コマンドに基づいて、確変情報フラグおよび変短情報フラグを統括制御CPU65aが設定するようになっている。具体的には、特図1指定または特図2指定コマンドで特定される特図1または特図2が、確変状態を付与する大当り図柄に対応する場合に確変状態を示す確変情報フラグを「1」に設定し、確変状態を付与しない大当り図柄に対応する場合に確変情報フラグを「0」に設定する。また、特図1指定または特図2指定コマンドで特定される特図1または特図2が、変短状態を付与する大当り図柄に対応する場合に変短状態を示す変短情報フラグを「1」に設定し、変短状態を付与しない大当り図柄に対応する場合に変短情報フラグを「0」に設定する。
そして、前記演出パターンで特定される各図柄列26a,26b,26cの飾図の停止タイミングにおいて、各列の飾図指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。具体的には、統括制御CPU65aは、特図変動パターン指定コマンドが入力されると同時にタイマ手段(図示せず)により時間の計測を開始し、左図柄列26aの飾図の停止タイミングにおいて左飾図指定コマンドを出力し、右図柄列26cの飾図の停止タイミングにおいて右飾図指定コマンドを出力し、中図柄列26bの飾図の停止タイミングにおいて中飾図指定コマンドを出力する。
また、前記統括制御CPU65aは、特図指定コマンドで指定された停止図柄が、はずれ図柄の場合、はずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、統括制御CPU65aは、はずれリーチ演出用の特図変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含むはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。一方、統括制御CPU65aは、はずれ演出用の特図変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含まないはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、統括制御CPU65aは、全図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。
前記統括制御CPU65aは、メイン制御CPU60aが出力する特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指示された大当り図柄の種類と、変短状態の開始および終了に係る各指定コマンドと、演出モードフラグの設定値をもとに、遊技演出モードの種類を決定し、当該決定した遊技演出モードを示す値に演出モードフラグを更新する。遊技演出モードフラグは、現在滞在している遊技演出モードを識別可能な情報で構成されており、統括制御RAM65cに設定される。統括制御CPU65aは、遊技演出モードフラグを更新すると、遊技演出モードを指示するモード指定コマンドを表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73等に出力する。
(表示制御について)
前記表示制御基板70では、演出パターン指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定される演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該演出パターンに対応した表示内容で図柄変動演出を実行させるように図柄表示装置17を制御する。そして、表示制御CPU70aは、図柄変動演出の開始に伴って演出開始からの経過時間を計時し、計測した時間毎に演出パターンに基づいた画像が表示されるよう図柄表示装置17に映し出す画像を所定の周期毎に切り替える。そして、表示制御CPU70aは、各図柄列26a,26b,26cの図柄停止コマンドが入力されると、対応する図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に飾図指定コマンドで指定された飾図を仮停止させ、全図柄停止コマンドが入力されると、各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に飾図指定コマンドで指示された飾図を図柄表示装置17に確定停止表示させるように図柄表示装置17の表示内容を制御し、図柄変動演出を終了させる。
ここで、前記図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の内容は、メイン制御CPU60aから出力される特図変動パターン指定コマンドまたは統括制御CPU65aから出力される演出パターン指定コマンドに応じて設定されるものであり、メイン制御CPU60aおよび統括制御CPU65aが図柄変動演出の内容を特定する演出内容を決定する図柄変動演出決定手段としての機能を有している。
(予告演出について)
本実施例のパチンコ機10では、始動入賞口30,31へのパチンコ球の入賞を契機とした図柄変動演出中において、大当りが付与され得ることを示唆する予告演出を、統括制御ROM65bに記憶されている予告演出情報に基づいてパチンコ機10が備える演出手段(図柄表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19、可動体等)で実行し得るよう構成される。予告演出としては、前記操作ボタン(第1操作ボタン)36の操作を契機として実行されるものと、操作ボタン36の操作を伴うことなく予め設定されたタイミングで実行されるものとがある。予告演出は、前記統括制御ROM65bに複数種類が記憶されており、前記始動入賞口30,31へのパチンコ球の入賞を契機とした大当り判定の判定結果に応じて、前記統括制御CPU65aが複数種類の中から予告演出を決定し得るよう構成される。そして、第1操作ボタン(操作ボタン)36の操作を契機に実行される操作予告演出が決定された場合は、図柄変動演出が開始されてから予告演出情報に基づいた予告演出開始可能タイミングとなったときに、前記第1操作ボタン36の操作を所定期間(予告用有効操作期間)に亘って有効とする操作有効コマンドを統括制御CPU65aが表示制御基板70(表示制御CPU70a)に出力する。そして、表示制御基板70では、操作有効コマンドが入力されると、該コマンドで特定される演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該演出パターンに対応した表示内容の演出を実行させるように図柄表示装置17を制御するよう構成される。実施例では、第1操作ボタン36を操作(押下)することを促す表示(ボタン操作促進表示)が図柄表示装置17に表示される。なお、統括制御CPU65aは、前記予告演出開始可能タイミングに際してランプ制御基板72に制御コマンドを出力し、該制御コマンドに基づいてランプ制御基板72が前記第1操作ボタン36に内蔵のランプ装置を発光するように制御し、ボタン操作が可能であることを遊技者に報知し得るようになっている。
前記図柄表示装置17にボタン操作促進表示が表示されている間(予告用有効操作期間)に、第1操作ボタン36を操作(押下)することで、出力された押下信号が統括制御CPU65aに入力されると、該統括制御CPU65aは予告演出用制御コマンドを表示制御基板70に出力し、これにより表示制御基板70の表示制御CPU70aは予告演出を図柄表示装置17に表示するよう制御する。これに対し、第1操作ボタン36が操作(押下)されることなく予告用有効操作期間が経過すると、表示制御基板70の表示制御CPU70aはボタン操作促進表示を消すように図柄表示装置17を制御する。すなわち、実施例では、予告用有効操作期間が、操作予告演出を実行可能な予告実行期間として設定されている。また、始動入賞口30,31へのパチンコ球の入賞時に取得した遊技情報(乱数等)に基づいて、図柄変動演出の終了後に大当り遊技(当り遊技)が付与され得ることを予告する予告演出を実行するか否かを決定する予告演出実行可否決定手段、該予告演出実行可否決定手段が予告演出を実行することを決定した場合に、複数種類の予告演出情報の中から1つの予告演出情報を決定可能な演出情報決定手段および決定した予告演出情報に基づく演出を図柄表示装置17で実行させる演出実行制御手段としての機能を、統括制御CPU65aが備えている。
(遊技検出手段について)
本実施例では、パチンコ機10において遊技が行われていることを検出する遊技検出手段が設けられる。遊技検出手段として、遊技盤の盤面に設けられた始動入賞検出センサ34,35、普通入賞検出センサ49b,49c、ゲートセンサ48が用いられ、これら検出センサ34,35,48,49b,49cによる球検出の信号が前記メイン制御基板60に入力されることで、該メイン制御基板60のメイン制御CPU60aが、遊技が行われていると判定するよう設定される。またメイン制御CPU60aは、前記遊技検出手段34,35,48,49b,49cからの球検出信号が入力されると同時にメインタイマ手段により時間の計時を開始し、該メインタイマ手段が予め設定されたデモ設定時間を計時しても新たな球検出信号が入力しないことを条件(デモ移行条件)として、パチンコ機10をデモ演出モードに移行するよう設定される。すなわち、本実施例では、メイン制御CPU60aが、デモンストレーション演出(以後デモ演出という場合がある)を図柄表示装置17で実行させるデモ演出実行制御手段の機能を有している。なお、デモ演出モードは、デモ設定時間が経過した際に、前記メイン制御CPU60aから出力されるデモンストレーション指定コマンドに基づいて移行するようになっている。
(デモ演出モードについて)
前記デモンストレーション指定コマンドを前記統括制御CPU65aが受信すると、該統括制御CPU65aは、デモ演出指定コマンドを表示制御基板70(表示制御CPU70a)に出力するようになっている。そして、表示制御基板70では、デモ演出指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定される演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該演出パターンに対応した表示内容の演出を実行させるように図柄表示装置17を制御する。このデモ演出モードにおける図柄表示装置17の表示態様としては、当該パチンコ機10の機種説明の動画や、パチンコ機10のモチーフとなっているキャラクタ等の静止画を表示すようになっている。なお、デモ演出モード中において、前記遊技検出手段34,35,48,49b,49cからの球検出信号がメイン制御基板60に入力されると、該メイン制御基板60から遊技検出コマンドが統括制御CPU65aに出力され、該遊技検出コマンドを受信した統括制御CPU65aは、デモ演出終了指定コマンドを表示制御基板70(表示制御CPU70a)に出力し、これにより表示制御CPU70aはデモ演出を終了して直前の演出状態に移行するように図柄表示装置17を制御する。
(遊技実績情報について)
本実施例のパチンコ機10では、通常モード(通常の遊技状態)において前記第1および第2始動入賞口30,31へのパチンコ球の入賞を契機とする大当り判定が肯定で大当り遊技(特定の当り遊技)が付与され、該大当り遊技(以後「初回大当り遊技」という場合もある)の終了後に変短状態が付与された場合に、当該変短状態から通常状態に移行するまでの間の特定期間中に発生する後述する遊技実績情報に基づいて、遊技者を特定する識別情報を対応付けたランキング用実績情報をランキングして図柄表示装置17に表示可能に構成されている。すなわち、大当り遊技の終了後に変短状態が付与される図柄(A〜E,a〜e)で当選した場合の初回大当り遊技(最初に入賞率向上状態が付与される当り遊技)の終了後から、次回大当りが付与(大当り判定で肯定)される前に変短状態が付与されなくなる可能性のある図柄(A,E,c〜e)で当選した大当り遊技が終了した後に、変短状態が終了するまでの間、または変短状態で当った大当りが大当り遊技の終了後に変短状態を付与しない大当りであった場合には、該大当り遊技が終了するまでの間が、特定期間(遊技実績情報を集計する期間)となるものであるが、該特定期間の長さは、後述する連荘回数等によって変化する。なお、以後、特定期間の最後の大当り遊技については、最終大当り遊技という場合もある。
ここで、初回大当り遊技の終了後に変短状態が付与されている状態は、変短状態が付与されていない非変短状態に比べて第2始動入賞口32への入賞率が向上することで、当り抽選(大当り判定)の機会が多くなる。本実施例では、このような当り抽選(大当り判定)の機会が多くなる遊技者にとって有利な状態での遊技を、特定の遊技が行われる特定期間としている。そして、該特定期間では、変短状態の付与が途切れることなく大当りに続けて当選する連荘が発生し易く、また得られる賞球も非変短状態で得られる賞球に比べて極めて多くなり、遊技者はこの特定期間においてより多くの賞球を獲得することに関心を持って遊技を行っている。そこで、本実施例では、遊技者が関心のある特定期間中に得られた賞球の総出球数である獲得出球数および特定期間中において大当り判定において肯定判定された回数である連荘回数を遊技実績情報としている。本実施例では、特定期間中の獲得出球数は、該特定期間中においてパチンコ機10に設けられた全ての入賞口(始動入賞口30,31,特別入賞口41および普通入賞口49a)へのパチンコ球の入賞に基づく賞球の総数としている。なお、特定期間中の獲得出球数としては、特定期間中における大当り遊技において特別入賞口41へのパチンコ球の入賞(具体的には特別入賞検出センサ44の検出)に基づく賞球のみの総数としてもよい。
(ランキング用実績情報について)
前記統括制御RAM65cには、遊技情報として、最新の特定期間中に発生した遊技実績情報である獲得出球数および連荘回数を、所定の領域に更新可能に記憶するようになっている。なお、統括制御RAM65cにおける最新の遊技実績情報を記憶する領域について、以後遊技実績用記憶領域と指称する場合がある。そして、統括制御RAM65cは、特定期間が終了した場合に、当該特定期間中に発生した遊技実績情報(獲得出球数、連荘回数)を上書きすることで、該遊技実績用記憶領域には常に最新の遊技実績情報(獲得出球数、連荘回数)が記憶されるよう構成される。
また、前記統括制御RAM65cには、最新の特定期間以前の特定期間中に発生した獲得出球数、連荘回数および後述する識別情報としての遊技者の名前を対応付けたランキング用実績情報をランク付けしたランキング情報が更新可能に記憶されるようになっている。なお、統括制御RAM65cにおけるランキング情報を記憶する領域について、以後ランキング用記憶領域と指称する場合がある。本実施例では、統括制御RAM65cのランキング用記憶領域に、遊技実績情報を比較してランク付けした1位〜10位までの10個のランキング用実績情報が記憶されるようになっている(図9参照)。すなわち、特定期間中に発生した遊技実績情報および遊技実績情報と遊技者の識別情報とを対応付けたランキング用実績情報をランク付けしたランキング情報を記憶する記憶手段としての機能を統括制御RAM65cが有している。
本実施例のパチンコ機10では、前記特定期間が終了した際に、当該特定期間中に発生して前記遊技実績用記憶領域に記憶されている最新の遊技実績情報(獲得出球数、連荘回数)を、前記統括制御CPU65aが前記ランキング用記憶領域に記憶されている各ランキング用実績情報の遊技実績情報(獲得出球数、連荘回数)と比較し、予め設定された基準ランクより上位か否かを判定するランキング判定処理を実行するよう構成される。すなわち、遊技実績情報の高いものから順に並べられたランキング用実績情報における1位から数えて所定番目を基準ランクとして、該基準ランクに位置するランキング用実績情報の遊技実績情報より最新の遊技実績情報の数値が高いか低いかによって、基準ランクより上位か否かを判定するようになっている。
前記ランキング判定処理は、図10に示す如く、最新の遊技実績情報と、既にランキングされているランキング用実績情報の遊技実績情報とを、上位のものから下位へ順に比較(ステップC11)する。そして、ステップC11が肯定であれば、統括制御CPU65aは、最新の遊技実績情報が基準ランクより上位(遊技実績情報の数値が高い)であると判断し、前記図柄表示装置17にランキング入力画像90(図11参照)を表示して遊技者が識別可能な名前等の識別情報を入力可能とする(ステップC12)。これに対し、ステップC11が否定、すなわち最下位(10位)のランキング用実績情報の遊技実績情報より最新の遊技実績情報が下位(遊技実績情報の数値が低い)であれば、統括制御CPU65aは、前記図柄表示装置17にランキング入力画像90を表示することなく処理を終了する。このように、本実施例では基準ランクが10位に設定されており、10位以内にランクしなければ識別情報を入力し得ないように構成される。すなわち、基準ランクより上位か否かが、ランキング入力画像90を図柄表示装置17に表示するか否かの表示条件となっており、本実施例では前記統括制御CPU65aが、表示条件を満しているか否かを判定する比較判定手段としての機能を有している。
なお、本実施例では、前記統括制御RAM65cのランキング用記憶領域に、10個のランキング用実績情報が記憶可能に構成されており、該ランキング用記憶領域に10個のランキング用実績情報が記憶されている状態で、基準ランクが10位に設定されるものであって、ランキング用記憶領域に記憶されているランキング用実績情報が10個に満たない場合は、ランキング用実績情報が10個となるまでは最新の遊技実績情報は基準ランクより上位であると判定されてランキング入力画像90が表示される。すなわち、基準ランクとは、前記ランキング用記憶領域に記憶可能なランキング用実績情報の数ということもできる。
ここで、前記遊技実績情報を比較してランク付けする際の条件として、本実施例では獲得出球数と連荘回数の中で、獲得出球数(第1遊技実績情報)を優先するよう設定されている。すなわち、統括制御CPU65aでは、先ず最新の獲得出球数と、ランキング情報に既にランキングされているランキング用実績情報における獲得出球数とを上位のものから下位へ順に比較し、比較したランキング用実績情報の獲得出球数より最新の獲得出球数が多い場合は、最新の獲得出球数(最新のランキング用実績情報)を、比較したランキング用実績情報のランクに決定する。これに対し、最新の獲得出球数と、比較したランキング用実績情報の獲得出球数とが同一であった場合は、統括制御CPU65aは最新の連荘回数(第2遊技実績情報)と、対象となるランキング用実績情報の連荘回数とを比較し、連荘回数の多い方を上位のランクに決定する。すなわち、例えば5位のランキング用実績情報の獲得出球数と最新の獲得出球数とが同一で、5位のランキング用実績情報の連荘回数が最新の連荘回数より少なければ、最新の連荘回数(最新のランキング用実績情報)を5位にランクすると共に、5位であったランキング用実績情報を6位にランクする。更に、最新の獲得出球数および連荘回数と、比較したランキング用実績情報の獲得出球数および連荘回数とが何れも同一であった場合は、既にランキングされていたランキング用実績情報が優先されてランク付けされるよう設定される。例えば、10位のランキング用実績情報における獲得出球数および連荘回数が、最新の獲得出球数および連荘回数と同一であった場合は、最新の獲得出球数および連荘回数は、基準ランクより上位でない(図10のステップC11で否定)と判定されて、識別情報を入力し得ないようになっている。なお、最新の獲得出球数および連荘回数と、比較したランキング用実績情報の獲得出球数および連荘回数とが何れも同一であった場合に、最新の獲得出球数および連荘回数を優先してランク付けするようにしてもよい。
すなわち、本実施例では、基準ランクより上位か否かの判定を行う際に、複数種類の遊技実績情報(獲得出球数、連荘回数)に優先順位を設定し、上位に設定された遊技実績情報(実施例では獲得出球数)を先に比較し、当該上位に設定された遊技実績情報(実施例では獲得出球数)の比較では基準ランクより上位か否かが判定できない場合は、下位に設定された遊技実績情報(実施例では連荘回数)を比較して基準ランクより上位か否かを判定するよう構成される。ここで、複数種類の遊技実績情報に優先順位を設定する場合の基準としては、遊技者にとって有益な遊技実績情報を上位に設定することで、ランキングされた際の遊技者の優越感をより高めることができる。なお、複数種類の遊技実績情報(獲得出球数、連荘回数)での比較でも基準ランクより上位か否かが判定できない場合(全ての遊技実績情報が比較した情報と同一であった場合)は、例えば、基準ランクより上位でないと判定するように設定する。
図11は、ランキング判定処理において最新の遊技実績情報が基準ランクより上位であると判定(図10のステップC11で肯定)された場合に、前記図柄表示装置17にランキング入力画像90が表示された状態を示すものである。すなわち、ランキング判定処理において最新の遊技実績情報が基準ランクより上位になったと統括制御CPU65aが判定した場合は、該統括制御CPU65aがランキング入力画像90を指定するランキング表示入力指定コマンドを表示制御基板70に出力し、これにより表示制御基板70の表示制御CPU70aは、ランキング入力画像90を図柄表示装置17に表示するよう制御する。ランキング入力画像90は、図柄表示装置17における画像表示面17aの全体より小さい領域に表示されるよう設定されており、該ランキング入力画像90の表示領域外において通常の図柄変動演出が実行し得るようになっている。本実施例では、特定期間の終了後におけるランキング判定処理で最新の遊技実績情報が基準ランクより上位であった場合は、特定期間の終了後において図柄表示装置17で図柄変動演出が実行されている最中に、該図柄変動演出と同時並行してランキング入力画像90を図柄表示装置17に表示して識別情報の入力が可能に構成されている。すなわち、特定期間の終了後における図柄変動演出と並行して識別情報の入力画像であるランキング入力画像90を図柄表示装置17に表示する入力画像表示実行制御手段としての機能を、統括制御CPU65aが有している。また、図柄変動演出と並行してランキング入力画像90が図柄表示装置17に表示される場合は、図柄変動演出は、例えば画像表示面17aの左上隅部に小さく表示されて、ランキング入力画像90と重ならないようになっている。なお、図11,図12(a)において符号Sは、画像表示面17aにおいて表示される図柄変動演出を示すものであって、3つの丸と矢印で飾図が変動している状態を示している。
前記ランキング入力画像90には、図11に示す如く、ランキングしたランクが表示されるランク表示部90aと、入力された名前が表示される名前表示部90bと、入力可能な文字や数字(実施例ではアルファベットと数字)からなる文字列が表示される文字表示部90cとが設けられると共に、該ランキング入力画像90には、遊技者の名前の入力を要求するメッセージ(「あなたの名前を入力して下さい」)が表示されるようになっている。また、文字表示部90cにおける入力する文字を選択する文字選択位置の下方位置に対応して第1操作ボタン36の画像が表示されると共に、文字表示部90cの左右両側に第2操作ボタン37a,37bの画像が表示される。また、前記統括制御CPU65aは、最新の遊技実績情報が基準ランクより上位であると判定された場合に、ランキング入力画像90が図柄表示装置17に表示されるタイミングで前記操作ボタン36,37a,37bの操作を所定期間(ランキング有効操作期間)に亘って有効とする操作有効コマンドを表示制御基板70(表示制御CPU70a)に出力するよう設定される。なお、図11において、ランキング入力画像90に表示されている操作ボタンの画像について、符号36,37a,37bを付して示している。
すなわち、前記ランキング入力画像90が図柄表示装置17に表示された状態では、第2操作ボタン37a,37bを押下することで、文字表示部90cに表示されている文字が対応する第2操作ボタン37a,37bの方向に移動すると共に、文字選択位置に位置する文字が名前表示部90bに表示されるように表示制御基板70(表示制御CPU70a)が図柄表示装置17を制御する。実施例では、第1操作ボタン36を押下することで、文字選択位置に位置する文字が確定されて文字表示部90cに確定表示されると共に、次の文字が入力可能となる。すなわち、第2操作ボタン37a,37bを押下して入力しようとする文字を文字選択位置に位置させた状態で第1操作ボタン36を押下して決定することで、複数の文字を名前表示部90bに確定表示させ得るようになっている。本実施例では、名前表示部90bには3文字が入力可能とされているが、該文字数は4つ以上であってもよい。なお、ランキング入力画像90が表示された状態で、操作ボタン36,37a,37bが操作されずにランキング有効操作期間が経過した場合は、統括制御CPU65aは、予め設定された識別記号(例えば「・」)を名前表示部90bに確定表示するよう設定されている。
本実施例では、前記操作ボタン36,37a,37bの操作を有効とするランキング有効操作期間に亘って、前記ランキング入力画像90が図柄表示装置17に表示されるようになっており、該ランキング有効操作期間がランキング入力画像90の表示期間となっている。なお、統括制御CPU65aは、ランキング有効操作期間の経過または名前表示部90bに全ての文字が確定表示されたタイミングで、ランキング入力画像90の表示を消すための制御コマンドを表示制御基板70(表示制御CPU70a)に出力し、該制御コマンドに基づいて表示制御CPU70aがランキング入力画像90を消すように図柄表示装置17を制御する。本実施例では、ランキング有効操作期間の経過または名前表示部90bに全ての文字が確定表示されることが、識別情報のランキング入力画像(入力画像)90の表示を終了する表示終了条件として設定されている。
前記統括制御CPU65aは、前記ランキング入力画像90の表示状態で入力された名前(識別情報)を、最新の遊技実績情報(獲得出球数、連荘回数)と対応付けて最新のランキング用実績情報を生成するよう構成される。また統括制御CPU65aは、前記ランキング情報の各ランキング用実績情報と比較した結果に基づいて最新のランキング用実績情報をランキングした新たなランキング情報を生成し、該ランキング情報を前記統括制御RAM65cのランキング用記憶領域に記憶する。すなわち、最新のランキング用実績情報が5位にランクするようになっている場合は、最新のランキング用実績情報を5位として、更新前のランキング情報における5位から9位までのランキング用実績情報を夫々1つずつ繰り下げ、10位のランキング用実績情報を削除したランキング情報がランキング用記憶領域に記憶される。このように、ランキング入力画像90の表示中に前記操作ボタン36,37a,37bの操作に基づいて入力された識別情報を遊技実績情報と対応付けたランキング用実績情報がランキングされたランキング情報が、統括制御CPU65aによって統括制御RAM65cに記憶されるようになっており、該統括制御CPU65aは、統括制御RAM65cに記憶された最新の遊技実績情報を、該最新の遊技実績情報以前の遊技実績情報と比較してランキング情報を生成するランキング情報生成手段としての機能を有している。
前記統括制御CPU65aは、ランキング情報を統括制御RAM65cに記憶しておく期間(記憶継続期間)を任意に設定し得るよう構成されている。例えば、記憶継続期間を1週間、1ケ月、3ケ月等の任意に設定することで、ランキング情報がいつまでたっても更新されることなく常に同じとなっているのを抑制することができる。なお、統括制御RAM65cは、パチンコ機10の主電源が切られて電力の供給が停止した状態でもランキング情報を保持し得るよう構成されている。
ここで、本実施例では、前述したように始動入賞口30,31へのパチンコ球の入賞を契機とする(第1特図始動保留情報または第2特図始動保留情報に基づく)図柄変動演出中にランキング入力画像90が表示されるように構成されており、図柄変動演出中における予告演出として操作予告演出が実行されることが決定されて、該操作予告演出が実行可能な予告用有効操作期間と、前記ランキング有効操作期間とが重なった場合は、前記統括制御CPU65aは、前記第1操作ボタン36の操作(押下)によって出力される押下信号に基づいて、操作予告演出および識別情報の入力を並行して行うよう構成される。すなわち、図柄表示装置17に第1操作ボタン36を操作(押下)することを促すボタン操作促進表示およびランキング入力画像90が表示されている状態で、第1操作ボタン36を操作(押下)することで、ランキング入力画像90における文字表示部90cの文字選択位置に位置する文字が確定されて名前表示部90bに確定表示されると同時に、図柄表示装置17で操作予告演出が開始されるようになっている。
また、前記ランキング用有効操作期間が経過(表示終了条件が成立)する前に、前記デモ移行条件(図柄表示装置17にデモ演出を表示させる移行条件)が成立し、前記メイン制御CPU60aから出力されたデモンストレーション指定コマンドが前記統括制御CPU65aに入力された場合は、該統括制御CPU65aは、ランキング用有効操作期間の経過または名前表示部90bに全ての文字が確定表示されることの何れかの表示終了条件が成立するまでは、ランキング入力画像90の表示を消すための制御コマンドを表示制御基板70に出力しないよう構成される。すなわち、デモ移行条件が成立して図柄表示装置17にデモ演出が表示されている状態(デモ演出モードに移行した状態)で、表示終了条件が成立するまではランキング入力画像90をデモ演出と並行して表示させるようになっている。
(ランキング情報の表示について)
前記統括制御CPU65aは、所定条件において前記図柄表示装置17に表示する画像を変更可能な画像移行可能期間を設定し得るよう構成される。そして、この画像移行可能期間(画像切替用有効操作期間)は、前記操作ボタン36,37a,37bの操作を有効とする操作有効コマンドを統括制御CPU65aが表示制御基板70(表示制御CPU70a)に出力するよう設定される。これにより、表示制御基板70では、操作有効コマンドが入力されると、該コマンドで特定される演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該演出パターンに対応した表示内容を表示するように図柄表示装置17を制御するよう構成される。実施例では、画像移行可能期間において、図12(a)に示す如く、第1操作ボタン36の操作(押下)によってランキング情報が表示可能であることが図柄表示装置17に表示される。本実施例では、画像移行可能期間を設定し得る所定条件として、前記ランキング判定処理において最新の遊技実績情報が基準ランクより上位であると判定されたことが設定されており、前述したようにランキング入力画像90の表示中に識別情報を入力した後において、前記画像移行可能期間が設定される。なお、図12(a)では、画像表示面17aの中央に大きく図柄変動演出Sが表示されている状態を示している。
前記画像移行可能期間において前記第1操作ボタン36を押下することで、出力された押下信号(ランキング画像要求信号)が統括制御CPU65aに入力されると、統括制御CPU65aはランキング画像用制御コマンドを表示制御基板70に出力し、これにより表示制御基板70の表示制御CPU70aはランキング情報を図柄表示装置17に表示するよう制御する。また統括制御CPU65aは、図柄表示装置17で図柄変動演出が実行されている最中に画像移行可能期間となり、ランキング画像要求信号が入力された場合は、該図柄変動演出と同時並行してランキング情報を図柄表示装置17に表示するよう構成される。すなわち、特定期間の終了後、ランキング情報を図柄変動演出と並行して図柄表示装置17に表示させる情報表示実行制御手段としての機能を、統括制御CPU65aが有している。
図12(b),(c)は、特定期間中に得られた遊技実績情報に基づいてランキングされたランキング用実績情報のランキング情報に基づく画像を示すものであって、該ランキング情報の画像には、遊技実績情報の1位〜10位までのランキング用実績情報が表示されるようになっている。本実施例では、1画像で5つのランキング用実績情報が表示されるようになっており、1位〜5位までの画像(図12(b))と、6位〜10位までの画像(図12(c))とを前記第2操作ボタン37a,37bの操作(押下)によって切り替え得るよう構成される。すなわち、ランキング情報を表示する画面上には、第2操作ボタン37a,37bによって表示するランキング情報の画像を切り替えることができることが表示される。本実施例では、前記ランキング画像用制御コマンドに基づき図柄表示装置17に表示されるランキング情報は、1位〜5位までの画像(図12(b))に設定されており、この状態で、右側の第2操作ボタン37bを操作(押下)することで、ランキング情報の6位〜10位までのランキング用実績情報が表示された画像(図12(c))に切り替わるようになっている。また、図12(c)に示す表示状態において、左側の第2操作ボタン37aを操作(押下)することで、ランキング情報の1位〜5位までのランキング用実績情報が表示された画像に切り替わる。
前記ランキング用実績情報は、ランク−連荘回数−獲得出球数−名前(識別情報)から構成されて、ランキング情報を表示する画像では、これら情報を横並びで表示するようになっている。なお、画像移行可能期間中におけるランキング画像要求信号によって図柄表示装置17に表示されるランキング情報は、前記ランキング判定処理において最新の遊技実績情報が基準ランクより上位になったと判定され、遊技者によって名前(識別情報)が入力された最新のランキング用実績情報がランキングされた最新のランキング情報である。また、図柄変動演出と並行してランキング情報の画像が図柄表示装置17に表示される場合は、図12(b),(c)に示す如く、図柄変動演出S(3つの丸と矢印で飾図が変動している状態を示している)は、例えば画像表示面17aの左上隅部に小さく表示されて、ランキング情報の画像と重ならないようになっている。
なお、ランキング情報を表示する画面上には、第1操作ボタン36の操作(押下)によってランキング情報の表示を終了できることが表示される。すなわち、遊技者がランキング情報を確認した後に、第1操作ボタン36を操作(押下)することで、ランキング情報の表示は消えて、図柄変動演出Sは通常(図12(a))の大きさに戻って表示される。なお、ランキング情報は、予め設定された表示時間だけ表示されるようになっており、図柄表示装置17にランキング情報が表示されている状態で第1操作ボタン36が操作されなくても、前記統括制御CPU65aは、表示時間が経過した際にランキング情報の表示を消すための制御コマンドを表示制御基板70に出力し、これによって表示制御基板70の表示制御CPU70aがランキング情報の表示を消すように図柄表示装置17を制御する。
また、本実施例では、前記デモ演出モードにおいて、前記第1操作ボタン36の操作(押下)に基づいて、図柄表示装置17にランキング情報を表示可能に構成されている。すなわち、デモ演出モードにおいて、前記操作ボタン36,37a,37bの操作を有効とする操作有効コマンドを統括制御CPU65aが表示制御基板70(表示制御CPU70a)に出力するよう設定される。これにより、表示制御基板70では、操作有効コマンドが入力されると、該コマンドで特定される演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該演出パターンに対応した表示内容を表示するように図柄表示装置17を制御するよう構成される。実施例では、デモ演出モードにおいて、第1操作ボタン36の操作(押下)によってランキング情報が表示可能であることが図柄表示装置17に表示される。そして、デモ演出モード中における第1操作ボタン36の操作(押下)によって出力される押下信号が統括制御CPU65aに入力された場合の制御は、前記画像移行可能期間中におけるランキング画像要求信号が統括制御CPU65aに入力された場合と同様であって、前記表示制御CPU70aによって図柄表示装置17が制御されてランキング情報が表示されるようになっている。
ここで、前記デモ演出モードにおいて、図柄表示装置17にデモ演出が表示されている状態でランキング入力画像90が並行して表示されている場合は、前記統括制御CPU65aは、前記第1操作ボタン36の操作(押下)ではランキング情報を図柄表示装置17に表示させるための制御コマンドを出力しないよう構成される。すなわち、図柄表示装置17にデモ演出とランキング入力画像90とが並行して表示されている状態では、統括制御CPU65aは、ランキング情報を表示するための第1操作ボタン36の操作(押下)を無効とし、該第1操作ボタン36の操作(押下)により出力される押下信号を、識別情報を入力するための信号としてのみ受け付けるようになっている。これにより、識別情報の入力中にランキング情報が図柄表示装置17に表示されてしまうのを防止している。
〔実施例の作用〕
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
通常モード(非確変・非変短状態)において遊技を開始する場合は、前記遊技領域20aにおける第1球流下経路(枠状装飾体25より左側の遊技領域20a)に向けてパチンコ球を打ち出す「左打ち」を行い、該パチンコ球が前記第1始動入賞口30に入賞すると、特図当り判定が実行される。この特図当り判定の結果が肯定の場合において、前記特図1の図柄A〜図柄Dで当選した場合は、当該大当り遊技が初回大当り遊技となり、該初回大当り遊技の終了後には確変状態および変短状態が付与されると共に、前記特定期間が始まる。
前述したように、変短状態が付与されている場合は、非変短状態に比べて前記第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞率が向上した入賞率向上状態となる。また、遊技盤20の遊技領域20aにおいて、図2に示す如く、前記第2球流下経路(枠状装飾体25より右側の遊技領域20a)にゲート部材47および第2始動入賞口31が配置される構成では、変短状態となった場合には、パチンコ球を第2球流下経路に向けて打ち出す「右打ち」を行うことで、第2始動入賞口31にパチンコ球が入賞し易くなる。そして、確変状態が付与されている場合は、第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞を契機とした特図当り判定において肯定される確率が高くなり、大当りに当選し易くなる。
前記第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞を契機とした特図当り判定の結果が肯定の場合において、前記特図2の図柄a,図柄b,図柄cで当選した場合は、当該大当り遊技の終了後には再び確変状態および変短状態が付与される。そして、確変状態が付与された遊技状態では、前述したように第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞を契機とした特図当り判定において肯定される確率が高くなり、大当りが連荘し易くなり、多くの賞球を獲得する可能性が高くなる。すなわち、特定期間中において遊技者は、図柄a,図柄b,図柄cで当選する大当りが連荘することを望んで遊技を行っており、特定期間中における連荘回数は、獲得出球数と共に遊技者にとって関心の高い遊技実績である。
前記初回大当り遊技後の特定期間中において、前記統括制御CPU65aでは、大当りの連荘回数をカウントして統括制御RAM65cの遊技実績用記憶領域に記憶すると共に、特定期間中における始動入賞口30,31、特別入賞口41および普通入賞口49aへの入賞に基づく賞球をカウントして遊技実績用記憶領域に記憶する。具体的には、入賞に対して払い出される賞球の数は入賞口30,31,41,49a毎に定められているので、入賞口30,31,41,49aへの入賞数によって賞球数(獲得出球数)が算出されて記憶される。そして、前記第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞を契機とした特図当り判定において特図2の図柄d,eで当選した場合は、当該大当り遊技の終了後には確変状態が付与されなくなる。すなわち、第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞を契機とした特図当り判定において肯定する確率が低くなり、連荘する可能性が低くなる。なお、図柄d,eで当選した場合に、大当り遊技の終了後には規定回数(75回,50回)の変短状態が付与されているので、該規制回数の図柄変動演出が実行されるまでの間に、再び図柄a,b,cでの当選を引き当てれば、当該大当り遊技の終了後には再び確変状態および変短状態が付与されるので連荘回数を延ばすことができる。
前記変短状態が継続する規定回数の図柄変動演出が実行されるまで、大当りに当選しなかった場合は、非確変・非変短状態の通常モードに戻り、前記特定期間が終了する。統括制御CPU65aは、特定期間が終了すると、前記遊技実績用記憶領域に記憶されている最新の遊技実績情報を、前記ランキング用記憶領域に記憶されているランキング情報と比較して10位以内(基準ランク以上)であるか否かを判定するランキング判定処理を実行する。
前記ランキング判定処理では、前述したように最新の遊技実績情報と、既にランキングされているランキング用実績情報の遊技実績情報とを、上位のものから下位へ順に比較し、最新の遊技実績情報が10位より上位であると統括制御CPU65aが判定した場合は、前記図柄表示装置17にランキング入力画像90を表示する。このランキング入力画像90を図柄表示装置17に表示する際に、該図柄表示装置17で図柄変動演出が実行されている場合は、該図柄変動演出を画像表示面17の上左隅部に小さく表示するように画像が切り替えられる。
前記ランキング入力画像90が表示されている状態で、遊技者は前記操作ボタン36,37a,37bの操作によって最新の遊技実績情報を自分が得たものであることを識別することが可能な名前等の識別情報を入力することができる。ランキング入力画像90の表示終了条件が成立すると、前記統括制御CPU65aは、ランキング入力画像90の表示を消すための制御コマンドを表示制御基板70(表示制御CPU70a)に出力し、該制御コマンドに基づいて表示制御CPU70aがランキング入力画像90を消すように図柄表示装置17を制御する。
このように本実施例では、前記始動入賞口30,31への入賞に基づく図柄変動演出が図柄表示装置17で実行されている状態で、前記ランキング入力画像90が図柄表示装置17に同時並行して表示されるよう構成されている。従って、遊技者は、図柄変動演出を見つつ、遊技実績情報に対して遊技者自身を識別可能な名前(識別情報)を入力することができ、デモ演出モードに移行するまで名前の入力を待つ必要はなく、遊技意欲を持続させることができる。また、ランキング入力画像90が表示されることで、遊技者は特定期間中における獲得出球数または連荘回数が基準ランクより上位となったことを認識し得るので、遊技者に優越感を与え得ると共に遊技の興趣を向上し得る。なお、特定期間の終了は、多くの賞球を獲得し得なくなった状態となってしまったことを意味するものの、ランキング入力画像90が表示されて特定期間中における獲得出球数または連荘回数が基準ランクより上位となったことを認識し得るので、遊技者の落胆度合いを小さく押さえることができる。更に、ランキング入力画像90が表示された時点で、何位にランクされたのか分かるので、下位(例えば9位や10位)にランクされていた場合は、より上位に入りたいという意欲を遊技者に与えることができ、遊技者が遊技を継続する意欲を惹起してパチンコ機10の稼働率を向上することができる。
本実施例のパチンコ機10では、前記ランク付けされる際に比較する遊技実績情報として、遊技者の利益に関る総出球数や連荘回数を用いているので、ランキング入力画像90が表示された際の遊技者の喜び度合を高めることができ、遊技者の遊技意欲をより一層喚起し得る。また、特定期間は、確変・変短状態が付与される遊技状態となることで開始されるので、確変・変短状態が付与される遊技が開始される際における遊技意欲を喚起し得る。
また、本実施例のパチンコ機10では、ランキング入力画像90が図柄表示装置17に表示された識別情報の入力中に、前記第1特図始動保留情報または第2特図始動保留情報に基づく図柄変動演出で操作予告演出が実行されることが決定されて、ランキング用有効操作期間と予告用有効操作期間とが重なった場合に、前記統括制御CPU65aは、前記第1操作ボタン36の操作(押下)によって出力される押下信号に基づいて操作予告演出および識別情報の入力を並行して行うよう構成されているので、識別情報の入力を中断することなく操作予告演出を見ることができ、遊技の興趣を高めることができる。また、本実施例のパチンコ機10は、ランキング用有効操作期間中にデモ移行条件が成立し、図柄表示装置17にデモ演出が表示されるようになっても、ランキング用有効操作期間が経過するまで(表示終了条件が成立するまで)はランキング入力画像90を図柄表示装置17に表示するよう構成してあるので、遊技者は余裕を持って識別情報を入力することができ、入力ミスを抑制し得る。
ここで、本実施例のパチンコ機10では、前記デモ演出モードにおいて、前記第1操作ボタン36の操作(押下)に基づいて、図柄表示装置17にランキング情報を表示可能に構成されている。但し、前記識別情報の入力が長引き、デモ演出モードに移行して前述したように図柄表示装置17にデモ演出とランキング入力画像90とが並行して表示されている場合は、前記統括制御CPU65aは、前記第1操作ボタン36の操作(押下)ではランキング情報を図柄表示装置17に表示させるための制御コマンドを出力しないよう構成される。従って、識別情報の入力中にランキング情報が図柄表示装置17に表示されてしまうことで、識別情報の入力が中断されたり入力ができなくなるのを防ぐことができる。
前記ランキング入力画像90の表示終了条件が成立すると、前記統括制御CPU65aは、入力された名前(識別情報)を、最新の遊技実績情報(獲得出球数、連荘回数)と対応付けて最新のランキング用実績情報を生成する。また、統括制御CPU65aは、ランキング情報の各ランキング用実績情報と比較した結果に基づいて最新のランキング用実績情報をランキングした新たなランキング情報を生成し、該ランキング情報を前記統括制御RAM65cのランキング用記憶領域に記憶する。前述したように、ランキング判定処理において最新の遊技実績情報が基準ランクより上位であると判定されることで、前記画像移行可能期間となる条件が成立するので、前記ランキング入力画像90が消えた後に、前記第1操作ボタン36の操作(押下)によってランキング情報が表示可能であることが図柄表示装置17に表示される(図12(a)参照)。すなわち、遊技者は、識別情報を入力した後、デモ演出に切り替るまで待つことなくランキング情報を確認することができ、遊技意欲を持続させることができる。また、ランキング情報を図柄表示装置17に表示する際に、該図柄表示装置17で図柄変動演出が実行されている場合は、該図柄変動演出を画像表示面17aの上左隅部に小さく表示するように画像が切り替えられ、遊技者は図柄変動演出を楽しみながらランキング情報を確認することができ、遊技の興趣を向上し得る。
前記画像移行可能期間中におけるボタン操作によって図柄表示装置17に表示されるランキング情報は、最新のランキング用実績情報がランク付けされた最新のものであり、遊技者自身の遊技実績情報と他人の遊技実績情報とを明確に識別することができ、遊技者に与える達成感や満足感を大きくし得る。また、ランキング情報を表示することで、遊技者自身のランキング用実績情報における遊技実績情報(獲得出球数、連荘回数)と、上位や下位のランキング用実績情報における遊技実績情報(獲得出球数、連荘回数)との差を確認し得るので、その差の大小によって優越感や遊技を継続する意欲を高めることができる。
また、本実施例のパチンコ機10では、前記デモ演出モードにおいて、前記第1操作ボタン36の操作(押下)に基づいて、図柄表示装置17にランキング情報を表示可能に構成されているので、遊技するパチンコ機10を探している遊技者が、ランキング情報を確認することによって台選びの参考とすることができる。すなわち、ランキング情報には、特定期間中に獲得された獲得出球数や連荘回数が含まれているので、該獲得出球数や連荘回数を確認することで、当該パチンコ機10における賞球の出易さ等が分かり、台選びの参考となる。
〔変更例〕
本願は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1) 実施例では、ランキング情報として10個のランキング用実績情報を記憶するよう構成したが、ランキング情報として記憶するランキング用実績情報の数は10個に限定されるものではなく、複数であれば9個以下または11個以上であってもよい。また、基準ランクは、ランキング情報として記憶するランキング用実績情報の数に応じて設定すればよい。
(2) 実施例では、ランキング情報を分割して図柄表示装置に表示するよう構成したが、ランキング情報においてランク付けされている全てのランキング用実績情報を1度に表示するようにしてもよい。
(3) 実施例では、識別情報を入力可能と(ランキング入力画像を表示)するか否かの判定の条件となる遊技実績情報として、獲得出球数と連荘回数の両方を挙げたが、何れか一方のみを比較して判定してもよく、またはその他の遊技実績情報を更に比較するようにしてもよい。例えば、3種類の遊技実績情報で比較判定する場合では、第1の遊技実績情報同士が同一であれば、第2の遊技実績情報と比較判定し、この第2の遊技実績情報同士も同一であれば、更に第3の遊技実績情報と比較判定するようにすることができる。
(4) 実施例では、ランキング有効操作期間の経過または名前表示部に全ての文字が確定表示されることが、識別情報のランキング入力画像(入力画像)の表示を終了する表示終了条件として設定したが、統括制御CPUが操作ボタンの操作によって出力される押下信号を表示終了条件とすることができ、名前表示部に最後まで文字を入力することができる。この場合において、ランキング入力画像は図柄変動演出の妨げにならない領域に表示することが好ましい。
(5) 実施例では、操作予告演出を実行可能な予告用有効操作期間(予告実行期間)と、識別情報を入力できるランキング入力画像が表示されるランキング用有効操作期間(表示期間)とが重なった場合に、操作ボタンの操作によって操作予告演出および識別情報の入力とを並行して行い得るようにしたが、操作予告演出を優先するようにしてもよい。すなわち、予告用有効操作期間(予告実行期間)とランキング用有効操作期間(表示期間)とが重なった場合は、統括制御CPUが操作ボタンの操作によって出力される押下信号を操作予告演出を開始するための信号としてのみ受け付けるようにし、該押下信号を識別情報の入力のための信号としては受け付けないようにする。そして、操作予告演出が開始された後に、統括制御CPUが、操作ボタンの操作によって出力される押下信号を識別情報を入力するための信号として受け付けるように構成する。
(6) 実施例では、複数の遊技実績情報(獲得出球数、連荘回数)を含めたランキング情報を図柄表示装置に表示するよう構成したが、例えば、獲得出球数のみのランキング情報と連荘回数のみのランキング情報とを統括制御CPUが別々に生成するよう構成し、操作ボタンの操作によって表示するランキング情報の種類を選択可能とする構成を採用し得る。
(7) 実施例では、最新の遊技実績情報が基準ランクより上位か否かの判定が肯定された場合に、統括制御CPUがランキング情報を図柄表示装置に表示し得るよう構成したが、ランキング情報を表示可能とする条件はこれに限られるものでなく、常に表示可能に構成することができる。例えば、ランキング情報を表示するための専用の操作ボタンを設け、該操作ボタンの操作(押下)により出力される押下信号が統括制御CPUに入力されることにより、該統括制御CPUが最新のランキング情報を表示するよう構成すればよい。このようにランキング情報を常に表示可能とすることで、遊技者は図柄変動演出中、大当り遊技中および図柄変動演出および大当り遊技の何れも行われていないときに、必要に応じてランキング情報を確認することができる。
(8) 実施例では、初回大当り遊技中に発生した賞球を獲得出球数としてカウントしないよう構成したが、初回大当り遊技が開始されてから、通常状態に移行するまでの間を特定期間として、初回大当り遊技中に発生した賞球も獲得出球数としてカウントするようにしてもよい。
(9) 実施例では、確変状態の有無に関わらず変短状態が付与されている状態で当選した大当りも連荘回数としてカウントする場合で説明したが、確変・変短状態での大当りのみを連荘回数としてカウントし、非確変・変短状態に移行したときに連荘回数のカウントをリセットするようにしてもよい。
(10) 実施例では、1台のパチンコ機における遊技実績情報に基づいてランキング情報を生成するようにしたが、各パチンコ機の遊技実績情報をホールコンピュータに記憶するよう構成し、同一機種における遊技実績情報に基づいてランキング情報を生成するようにすることもできる。
(11) 実施例では、ゲート部材、特別入賞装置および第2始動入賞口を第2球流下経路(枠状装飾体の右側の遊技領域)に配置した構成としたが、ゲート部材を第1球流下経路(枠状装飾体の左側の遊技領域)に配置すると共に、第2始動入賞口を第1始動入賞口の下側に配置し、更に該第2始動入賞口の下側に特別入賞装置を配置する構成等、ゲート部材、特別入賞装置および第2始動入賞口の配設位置は任意に設定可能である。
(12) 実施例では、遊技球が一定の確率で入賞可能な第1始動入賞手段(第1始動入賞口)と、遊技球の入賞確率を可変可能な第2始動入賞手段(第2始動入賞口)とを別々に設け、各始動入賞手段毎に検出手段(始動入賞検出センサ)を設けて個別に遊技球の入賞を検出するよう構成したが、該第1および第2始動入賞手段の入賞検出手段を共通にしてもよい。すなわち、第1始動入賞手段への入賞と、第2始動入賞手段への入賞とを区別しないよう構成してもよい。
(13) 実施例においてメイン制御手段(メイン制御CPU)が備える機能の全部または一部をサブ制御手段(統括制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対にサブ制御手段が備える機能の全部または一部をメイン制御手段が備えるようにしてもよい。そして実施例では、メイン制御基板とサブ制御基板(統括制御基板)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例におけるメイン制御手段およびサブ制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。更に、別途制御基板を備えて、実施例のメイン制御手段やサブ制御手段が備える機能の全部また一部を、別の制御手段に備えさせてもよい。すなわち、統括制御CPUを、当り遊技実行手段として機能させることができるものである。
(14) 実施例において統括制御手段(統括制御CPU)が備える機能の全部または一部を表示制御手段(表示制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対に表示制御手段が備える機能の全部または一部を統括制御手段が備えるようにしてもよい。そして実施例では、統括制御基板(統括制御CPU)と表示制御基板(表示制御CPU)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例における統括制御手段および表示制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。また、発光制御を行うランプ制御手段や音出力制御を行う音制御手段に関しても同様に、統括制御手段が兼用することができる。
(15) 実施例では、第1特典遊技状態が付与されている状態を確変状態としたが、これに限られるものではなく、第1特典遊技状態および第2特典遊技状態を組み合わせた状態を確変状態とすることもできる。この場合に、第1特典遊技状態および第2特典遊技状態の何れも付与されていない状態を非確変状態とすることができる。
(16) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。
(17) 実施例では、図柄変動演出中にランキング情報を図柄表示装置に表示し得るよう構成したが、図柄変動演出が実行されていないこと、すなわち第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報の記憶数が無いことを条件として、統括制御CPUがランキング情報を図柄表示装置に表示し得るよう構成してもよい。