[第1実施形態]
以下、図1〜図7を参照して本実施形態におけるパチンコ式スロットマシン(回胴式遊技機、以下、「パチスロ」と示す)について説明する。
図1に示すように、パチスロ10は、前面を開口した直方体状の本体11と、当該本体11の左側縁側に対して回動開閉可能に軸支された前面扉12とを備えている。前面扉12の前面上部には、遊技中(変動ゲーム中)に表示演出を行う液晶表示装置からなる演出実行手段、報知手段、及び履歴表示手段としての演出表示装置14が配設されている。また、前面扉12には、該前面扉12を囲うように各種の演出効果光を発する装飾ランプLaが設けられている。また、前面扉12の左右上部には、音声演出を行うスピーカSpが配設されている。
前面扉12の前面中央には、中央パネル15が設けられているとともに、当該中央パネル15には、演出表示装置14とは別体であり、機内部に配設される図柄表示手段としてのドラムユニット13を透視可能な透視窓16が設けられている。透視窓16は、中央パネル15と一体形成された合成樹脂板から構成されている。ドラムユニット13は、各種の図柄が印刷された透光性を有する帯状のリールシートが外周に巻装された左リール13Lと、中リール13Cと、右リール13Rとから構成されている。また、透視窓16には、左リール13Lを第1図柄列として、該第1図柄列が配置される隣には第2図柄列としての中リール13Cが配置され、該第2図柄列が配設される隣には第3図柄列としての右リール13Rが配置されている。ドラムユニット13の各リール(左リール13L、中リール13C、及び右リール13R)に印刷される各図柄は、予め定められた順に各図柄がそれぞれに配列されている。
なお、本実施形態において各リールでは、「ベル」を模した図柄(ベル図柄)、「REPLAY」の文字が装飾された図柄(リプレイ図柄)、「スイカ(すいか)」を模した図柄(スイカ図柄)、「チェリー」を模した図柄(チェリー図柄)がそれぞれ配列されている。以下では、各図柄を、「図柄」を省いて、「ベル」、「リプレイ」、「スイカ」、「チェリー」という場合もある。
各リールは、各々に対応して設けられたステッピングモータにより独立して縦方向に回転及び停止するように構成されており、各リールが回転することによって透視窓16には各種図柄が連続的に変化しつつ表示(変動)される。そして、各リールの回転が停止した場合、透視窓16には、各リールのリールシートに印刷された複数の図柄のうち、連続する3つの図柄が上段、中段、下段の位置に停止表示される。このため、透視窓16は、各リールにおいて3つの図柄が表示可能な大きさで形成されている。また、各リールには、該各リールの回転位置を検出するためのリールセンサSE1,SE2,SE3(図3に示す)が各リールにそれぞれ対応するように設けられている。
また、パチスロ10には、透視窓16から透視可能な図柄の表示領域において、停止表示される図柄の組み合わせ(導出される表示結果)を規定する複数(本実施形態では5本)の図柄停止ラインが形成されている。本実施形態では、図柄停止ラインとして、停止表示される図柄の組み合わせを入賞と判定しうる1本の入賞ラインL1(実線で示す)と、停止表示される図柄の組み合わせを入賞と判定し得ない4本の非入賞ラインL2〜L5(破線で示す)が形成されている。
また、中央パネル15には、変動ゲームに関わる情報を報知する各種情報表示部17が構成されている。
また、前面扉12の前面において中央パネル15の右下方位置には、メダル投入口18が配設されている。メダル投入口18の奥方には、メダルの通過を検知するメダルセンサSE4(図3に示す)が配設されている。また、前面扉12の前面において中央パネル15の左下方位置には、左から順にBETボタン19とMAXBETボタン20とが設けられている。BETボタン19は、機内部で貯留記憶されているクレジットから1ベット分(1枚分)を変動ゲームのベット数(賭数)としてベットする(賭ける)際に押圧(操作)するボタンである。また、MAXBETボタン20は、1回の変動ゲームにおいて許容されるベット数の最大ベット数(本実施例では、3ベット分(3枚分))を変動ゲームのベット数としてベットする(賭ける)際に押圧(操作)するボタンである。
また、前面扉12の前面において各BETボタン19,20の左下方位置には、精算スイッチ21が設けられている。精算スイッチ21は、変動ゲームの開始に伴ってベットされたメダル(遊技媒体)、又は機内部に貯留記憶されているクレジットを払い戻すときに使用(操作)するスイッチである。また、精算スイッチ21の右方位置には、変動ゲームを開始する際に操作する遊技開始操作手段としてのスタートレバー22が設けられている。そして、本実施形態では、ベット数の設定終了後にスタートレバー22を操作することにより、各リールの回転動作が開始される。
スタートレバー22の右方位置には、遊技者により操作される導出操作受付手段としてのストップボタン23L,23C,23Rが設けられている。ストップボタン23L,23C,23Rは、回転しているリールを停止させるためのボタンであり、各リールに対応して3個のストップボタンがある。
また、前面扉12の前面における下部中央部にはメダル排出口24が形成されている。また、前面扉12の前面における下部には、メダル排出口24から排出されたメダルを受ける受皿25が配設されている。
また、図1に破線で示すように、パチスロ10本体においてドラムユニット13の下方となる位置には、パチスロ10内部において、投入されたメダルを貯留するためのホッパー26が配置されている。このホッパー26の下方側にはメダル排出口24が位置し、図柄の組み合わせが遊技者に賞メダルを付与する予め定める賞態様(役)になった場合には、ホッパー26に貯留されたメダルがメダル排出口24へと払出される。前面扉12の裏面側においてメダル投入口18の下方位置には、該メダル投入口18とホッパー26とを繋ぐようにメダルセレクター27が配設されている。
また、前面扉12の前面においてストップボタン23Rの右方位置には、施錠装置35が配設されている。施錠装置35には、施錠キーが挿脱可能な鍵穴35aが設けられており、鍵穴35aに施錠キーを挿入した状態で順方向(右回り)に回動操作することで、前面扉12が開錠され、前面扉12が開放可能な状態となる。なお、本実施形態において、鍵穴35aに施錠キーを挿入した状態で逆方向(左回り)に回動操作(解除操作)することで、所定のエラー報知の解除が行われる。
また、パチスロ10本体においてドラムユニット13の下方となり、ホッパー26の側方となる位置には、パチスロ10内部において、遊技の進行についての有利度合いを示す設定値が設定可能な設定装置50(図3に示す)が配置されている。なお、本実施形態における設定値としては、「1」〜「6」が規定されており、設定値が「1」である場合よりも「6」である場合のほうが各種抽選で有利となる。パチスロ10の電源投入時に設定装置50が操作(設定変更操作)されることによって、パチスロ10の設定値が変更可能となっている。
次に、遊技者が遊技として変動ゲームを行うための操作や、この操作に伴う各種装置の作動状況について説明する。
変動ゲームに対するメダルの投入又は各BETボタン19,20の操作が可能な状態において、各BETボタン19,20を操作することでベット数を設定することができる。BETボタン19の操作によっては、貯留記憶されているクレジットから1ベット分の枚数(メダル1枚)相当分のクレジットがベット数(賭数)として設定される。また、MAXBETボタン20の操作によっては、貯留されているクレジットから対象とする変動ゲームで設定可能な最大ベット数分のクレジットがベット数(賭数)として設定される。なお、本実施形態では、3ベットによる変動ゲームを許容する。本実施形態では、遊技者の各BETボタン19,20の操作により、それぞれに応じたベット数が設定され、1本の入賞ラインが有効となるように設定される。
上記のようにベット数が設定され、スタートレバー22の操作が受付可能な状態、すなわち、ゲーム開始可能な状態で遊技者がスタートレバー22を操作する開始操作を行えば、ドラムユニット13の各リールが回転し、透視窓16には複数種類の図柄が連続的に変化するように表示される。その後、各リールが回転して所定時間が経過すると、各ストップボタン23L,23C,23Rの操作が受付可能になる。続いて、遊技者により各ストップボタン23L,23C,23Rが操作されると、対応する各リールが停止され、対応する列の上段、中段及び下段に図柄が透視窓16に表示される。
そして、各リールの全てが停止された時点で、入賞ラインに停止表示された図柄の組み合わせが予め定めた賞態様を形成する場合に入賞となり、入賞した賞態様に応じた賞として、賞メダルの払い出し等が遊技者に付与される。
本実施形態の変動ゲームは、ベット数の設定後のスタートレバー22の開始操作を契機に開始し、ストップボタン23L,23C,23Rの停止操作による図柄の組み合わせの停止表示を契機に終了することを1回として行われる。なお、賞メダルの払い出しを伴う変動ゲームは、賞メダルの払い出しを完了して終了する。
次に、図2を参照して本実施形態のパチスロ10において入賞ライン上に停止表示される図柄の組み合わせについて説明する。
図2に示すように、内部で決定される当選役に基づき入賞ライン上に停止表示可能となる図柄の組み合わせ(停止結果)と、該図柄の組み合わせに対応する賞と、が定められている。
具体的に、図2に示す当選役に基づき停止表示可能となる図柄の組み合わせの何れも入賞ライン上に停止表示されない場合、賞メダルの遊技者への付与が行われない(1枚以上の賞メダルを付与しない)。以下の説明で、図2に示す何れにも対応しない図柄の組み合わせにより入賞ラインを形成する場合の図柄の組み合わせを「はずれ停止目」という。
また、[チェリー・ANY・ANY]が入賞ライン上に停止表示される場合には、2枚の賞メダルを払い出すことを定めている。なお、入賞ラインを形成する中リール13C及び右リール13Rの停止位置に停止表示される図柄は何れの図柄(「ANY」)でもよい。以下の説明で、[チェリー・ANY・ANY]により入賞ラインを形成する賞態様(図柄の組み合わせ)を「チェリー停止目」という。このチェリー停止目は、当選役として「チェリー役」の決定により入賞可能(停止表示可能)とされている。
また、[スイカ・スイカ・スイカ]が入賞ライン上に停止表示される場合には、6枚の賞メダルを払い出すことを定めている。以下の説明で、[スイカ・スイカ・スイカ]により入賞ラインを形成する賞態様(図柄の組み合わせ)を「スイカ停止目」という。このスイカ停止目は、当選役として「スイカ役」の決定により入賞可能(停止表示可能)とされている。
また、[ベル・ベル・ベル]が入賞ライン上に停止表示される場合には、12枚の賞メダルを払い出すことを定めている。以下の説明で、[ベル・ベル・ベル]により入賞ラインを形成する賞態様(図柄の組み合わせ)を「ベル停止目」という。このベル停止目は、当選役として「ベル役」の決定により入賞可能(停止表示可能)とされている。
本実施形態において、これら「チェリー役」、「スイカ役」、「ベル役」は、入賞に基づいて賞メダルの払い出しを定めた当選役(払出役)となる。
また、[リプレイ・リプレイ・リプレイ]が入賞ライン上に停止表示される場合には、上述した再遊技を付与することが定められている。以下、[リプレイ・リプレイ・リプレイ]により入賞ラインを形成する賞態様(図柄の組み合わせ)を「通常停止目」という。この通常停止目は、当選役として通常リプレイ役(通常入賞役)の決定により入賞可能(停止表示可能)とされている。
また、[スイカ・リプレイ・リプレイ]が入賞ライン上に停止表示される場合には、上述した再遊技を付与することを定めている。以下、[スイカ・リプレイ・リプレイ]により入賞ラインを形成する賞態様(図柄の組み合わせ)を「突入停止目」という。この突入停止目は、当選役として突入リプレイ役の決定により入賞可能(停止表示可能)とされている。
なお、本実施形態において、これら各種リプレイ役は、入賞に基づいて再遊技の付与を定めた再遊技役となる。また、上述した再遊技では、遊技者がベット数をベットすることなく変動ゲームを行うことができるのであって、賞メダルの遊技者への付与が行われない(1枚以上の賞メダルを付与しない)。このため、リプレイ役の入賞に基づいて遊技者は賞メダルの払い出しを得ることはない。
また、本実施形態において、各賞態様の入賞により賞メダルの払い出しや再遊技といった各賞の入賞の発生を許容する「チェリー役」、「スイカ役」、「ベル役」、及び「リプレイ役」といった当選役が小役となる。
また、本実施形態のパチスロ10は、リプレイ役の当選確率を変動させて、一般遊技を制御するRT機能(再遊技役確率変動機能)が搭載されている。本実施形態における一般遊技は、RT機能の作動態様に応じた状態に制御されるとともに、RT機能の作動中にはその種類に応じた状態に制御される。
そして、RT機能により一般遊技では、RT機能の非作動の状態であってリプレイ役の合算の当選確率が低確率抽選状態(低確率)に設定された低確RT遊技に制御される場合がある。また、RT機能により一般遊技では、RT機能の作動の状態であってリプレイ役の合算の当選確率が低確率抽選状態から高確率抽選状態(高確率)へ変動(向上)される高確RT遊技に制御される場合がある。
次に、図3に示すパチスロ10の電気的構成について説明する。
パチスロ10の機裏側には、遊技機全体を制御する主制御基板40が装着されている。主制御基板40は、遊技機全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号を出力する(指示を行う)。また、機裏側には、遊技状態に応じた演出制御等を実行するサブ制御基板41が装着されている。サブ制御基板41は、主制御基板40が出力した各種の制御信号を入力し、該制御信号に基づき所定の制御を実行する。
以下、主制御基板40について説明する。
指示手段としての主制御基板40は、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU40aと、主制御用CPU40aの制御プログラムを格納する主制御用ROM40bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM40cが設けられている。また、主制御用CPU40aには、ドラムユニット13を構成する各リール(左リール13L、中リール13C及び右リール13R)、リールセンサSE1〜SE3、メダルセンサSE4が接続されている。また、主制御用CPU40aには、各種情報表示部17が接続されている。また、主制御用CPU40aには、BETボタン19と、MAXBETボタン20と、精算スイッチ21と、スタートレバー22と、各ストップボタン23L,23C,23Rと、ホッパー26とが接続されている。
主制御用CPU40aには、接続されるリールセンサSE1〜SE3から透視窓16で表示されている図柄(回転中の各リールの回転位置)に応じて第1〜第3の位置信号が入力される。第1の位置信号には左リール13Lが対応し、第2の位置信号には中リール13Cが対応し、第3の位置信号には右リール13Rが対応している。そして、主制御用CPU40aは、第1〜第3の位置信号により各リールの回転位置及び停止位置を把握し、該第1〜第3の位置信号に基づき各リールの回転及び停止の制御を行う。
また、主制御用CPU40aには、接続されるメダルセンサSE4から該メダルセンサSE4でメダルを検知する毎に、メダルを検知したことを示すメダル検知信号が入力される。また、主制御用CPU40aには、接続されるBETボタン19、MAXBETボタン20、精算スイッチ21、スタートレバー22及びストップボタン23L,23C,23Rが操作されると、各ボタンが操作されたことを示す各種操作信号が入力される。
また、主制御用CPU40aには、接続される施錠装置35から解除操作が行われる毎に、解除操作を検知したことを示す解除操作信号が入力される。また、主制御用CPU40aには、接続される設定装置50から設定変更操作が行われる毎に、設定変更操作を検知したことを示す設定変更操作信号が入力される。
また、主制御用CPU40aは、各種抽選で用いる当選役決定乱数等の各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。なお、当選役決定乱数は、主制御用CPU40aが当選役決定テーブルにしたがい役(当選情報群に基づく当選役)を決定する際に使用する乱数である。主制御用CPU40aが決定する当選情報群には、変動ゲームで入賞可能とする単数又は複数の当選役が対応付けられている。当選情報群では、単数の当選役が対応付けられている場合に当該当選役の単独当選を意味し、複数の当選役が対応付けられている場合にこれら当選役の重複当選を意味する。このため、主制御用CPU40aは、当選情報群を決定することで当選とする当選役を決定する。
また、主制御用ROM40bには、メイン制御プログラムが記憶されている。また、主制御用ROM40bには、遊技状態別、並びに当選情報群別の内部当選確率が、当選役決定乱数の値の割り当て範囲として定められた複数の当選役決定テーブルが記憶されている。
また、主制御用ROM40bには、役毎に図柄の組み合わせの停止テーブルが予め定められている。停止テーブルとは、各ストップボタン23L,23C,23Rを遊技者が操作した時の操作のタイミングによって停止表示させる図柄を役毎に定めたものである。また、主制御用RAM40cには、パチスロ10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶(設定)される。
次に、サブ制御基板41について説明する。
演出制御手段としてのサブ制御基板41は、制御動作を所定の手順で実行するサブ制御用CPU41aと、サブ制御用CPU41aの制御プログラムを格納するサブ制御用ROM41bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができるサブ制御用RAM41cが設けられている。そして、サブ制御用CPU41aには、演出表示装置14、スピーカSp、装飾ランプLaが接続されている。
サブ制御用CPU41aは、各種抽選で用いる各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。また、サブ制御用ROM41bには、サブ制御プログラムが記憶されている。また、サブ制御用ROM41bには、演出表示装置14の表示演出態様が示される表示演出パターンや、スピーカSpの音声出力態様が示される音声演出パターンや、装飾ランプLaの発光態様が示される発光演出パターンが記憶されている。また、サブ制御用RAM41cには、パチスロ10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶(設定)される。具体的に、サブ制御用RAM41cには、遊技状態に係るサブ用状態情報(フラグなど)がサブ制御用CPU41aにより記憶(設定)される。
ここで、図4に示す主制御用ROM40bに記憶される当選役決定テーブルT1,T2について説明する。
主制御用ROM40bには、抽選対象となる当選情報群の種類と、抽選対象となる各当選情報群の当選確率(抽選対象となる各当選情報群に振分けられる乱数値(乱数の値の範囲に基づく個数))を遊技状態毎にテーブル化したものが記憶されている。各当選役決定テーブルは、遊技状態に応じて主制御用CPU40aにより用いられる。一般遊技において、低確RT遊技に当選役決定テーブルT1が、高確RT遊技に当選役決定テーブルT2がそれぞれ対応付けられている。
図4(a)に示すように、当選役決定テーブルT1,T2では、当選情報群に基づくチェリー役、スイカ役、ベル役、リプレイ役の各当選確率が規定されている。そして、一般遊技では、リプレイ役の当選確率が高確RT遊技(1/1.9)で、低確RT遊技(1/7.3)に比べて大きく高まるように当選役決定乱数が振分けられている一方、リプレイ役以外の各小役の当選確率が同一確率となるように当選役決定乱数が振分けられている。
このため、本実施形態では、リプレイ役の当選確率が高確率抽選状態に設定される高確RT遊技において、再遊技が付与され易い分、遊技者が保有するメダルの消費(投入)を減少させることができるといった利益を遊技者に付与することができる。このような高確RT遊技は、遊技者にとって有利な状態である。
また、図4(b)に示すように、リプレイ役の当選確率は、低確RT遊技(当選役決定テーブルT1)において、通常リプレイ役(不問)を対応付けた当選情報群と、突入リプレイ役と通常リプレイ役との重複当選を対応付けた当選情報群とのそれぞれの当選確率を規定している。なお、この突入リプレイ役と通常リプレイ役との重複当選を対応付けた当選情報群には、突入重複リプレイ群1〜突入重複リプレイ群4が設定されている。
また、リプレイ役の当選確率は、高確RT遊技(当選役決定テーブルT2)において、通常リプレイ役(不問)を対応付けた当選情報群の当選確率を規定している。
また、ベル役の当選確率は、ベル役を対応付けた当選情報群のそれぞれの当選確率の合算を規定している。このベル役の当選情報群には、ベル群1〜ベル群3が設定されている。
以下の説明で、「通常リプレイ役の当選」という場合には、通常リプレイ役(不問)を対応付けた当選情報群の当選を意味する。また、「突入リプレイ役の当選」という場合には、突入重複リプレイ群1〜突入重複リプレイ群4の当選を意味する。また、「ベル役の当選」という場合には、ベル群1〜ベル群3の当選を意味する。また、「チェリー役の当選」という場合には、チェリー役の単独当選を対応付けた当選情報群の当選を意味する。また、「スイカ役の当選」という場合には、スイカ役の単独当選を対応付けた当選情報群の当選を意味する。また、「突入入賞」という場合には、各突入重複リプレイ群に対応付けた突入リプレイ役に基づく突入停止目の停止表示を意味する。
以下、主制御用CPU40aがメイン制御プログラムに基づき実行する変動ゲームに係る処理について説明する。
主制御用CPU40aは、各種操作信号を入力すると、各種操作信号に定める所定の制御を実行する。そして、主制御用CPU40aは、各種操作信号の入力や各種制御により、各種情報表示部17の表示制御をその都度実行する。また、主制御用CPU40aは、賞態様の入賞に基づいて賞メダルを払い出す場合、クレジット上限枚数(本実施形態では、「50(枚)」)を超えるとき、駆動信号をホッパー26に出力して、駆動信号を1回出力する毎に賞メダルを1枚払い出させるように制御する。なお、主制御用CPU40aは、クレジットの清算時、駆動信号をホッパー26に出力して、クレジット分のメダルを遊技者に払い出させるように制御する。
そして、主制御用CPU40aは、メダル投入口18よりメダルが投入される、又は各BETボタン19,20の操作信号を入力すると、ベット数を設定する。また、主制御用CPU40aは、各BETボタン19,20の操作毎に、クレジット数を更新する。また、主制御用CPU40aは、メダルの投入によりクレジット数を増加させる場合、クレジット数を更新させる。そして、主制御用CPU40aは、3ベットのベット数を設定するときに変動ゲームを行うことができるゲーム開始可能な状態を生起する。
続いて、主制御用CPU40aは、ゲーム開始可能な状態において、スタートレバー22の操作信号を入力すると、役抽選(内部抽選)を行う。そして、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cから当選役決定乱数の値を取得し、該値が主制御用ROM40bに記憶されている当選役決定テーブルの各当選役の値の範囲に属しているか否かを判定する役抽選を行う。役抽選において、主制御用CPU40aは、遊技状態に応じた当選役決定テーブルを用いて当選とする当選情報群を決定する。このように主制御用CPU40aは、当選情報群を決定することで、当該当選情報群に対応付けられた当選役の当選を決定する。なお、主制御用CPU40aは、遊技状態を示す状態情報(フラグなど)を主制御用RAM40cに設定して遊技状態を把握している。本実施形態では、このようにして役抽選を行う主制御用CPU40aが当選役抽選手段として機能する。
そして、主制御用CPU40aは、当選情報群を決定すると、決定した当選情報群に対応付けられた当選役の種類を示す役情報(フラグなど)を主制御用RAM40cに記憶(設定)する。すなわち、主制御用CPU40aは、小役の当選を決定すると、該小役の入賞の発生の有無に関係なく役抽選の対象とする変動ゲーム(1回)の終了により、主制御用RAM40cの小役の役情報を消去(クリア)する。このため、小役は、当選の決定を入賞が発生するか否かに関係なく次以後の変動ゲームに跨って持越不可能な当選役となる。
また、主制御用CPU40aは、遊技者によるスタートレバー22の操作を検出したタイミング(役抽選等の所定の処理を行った後)で、変動ゲームの開始を指示するとともに、役抽選の抽選結果及び変動ゲームが行われる遊技状態を示した変動ゲーム開始コマンドをサブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)に出力する。この変動ゲーム開始コマンドは、重複当選であれば複数の役情報を合わせて指示する。なお、主制御用CPU40aは、遊技者によるスタートレバー22の操作を検出して直前の変動ゲームの終了からウェイトタイムが経過している状態において、各リールの回転動作を開始させるように各リールを制御する。また、サブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)への変動ゲーム開始コマンドは、各リールの回転動作の開始に合わせて出力するようにもできる。
続いて、主制御用CPU40aは、遊技者の操作に基づくストップボタン23L,23C,23Rの各種操作信号を入力すると、各種操作信号に対応するリールを停止させるための制御(停止制御)を行う。また、主制御用CPU40aは、各リールに対応するリールセンサSE1〜SE3からの位置信号により、各リールの変動又は停止の情報を把握する。すなわち、各リールセンサSE1〜SE3からの位置信号は、各リールの変動中に各リールの変動状況を主制御用CPU40aに把握させる一方、各リールの停止中に各リールの停止状況を主制御用CPU40aに把握させる。なお、主制御用CPU40aは、ストップボタン23L,23C,23Rからの各種操作信号が入力されるまでの間、回転中のリールについて停止制御を行わないで回転動作を維持させる。
また、主制御用CPU40aは、ストップボタン23L,23C,23Rの各種操作信号を入力すると、各種リール停止コマンドをサブ制御用CPU41aに出力する。このストップボタン23L,23C,23Rの各種リール停止コマンドは、ストップボタン23L,23C,23Rの遊技者による操作状況、すなわち何れのストップボタンが操作されたかや、各リールの停止位置、ストップボタンが操作された押し順をサブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)に把握させる。
次に、主制御用CPU40aが行う停止制御について説明する。
主制御用CPU40aは、決定した当選情報群に基づき各ストップボタン23L,23C,23Rが遊技者により操作されるタイミングから所定の範囲内(最大で4図柄分)で各リールを停止させて、任意の図柄の組み合わせを停止表示させる。主制御用CPU40aは、回転中の各リールを停止させる場合、当選している当選役と各ストップボタン23L,23C,23Rの操作タイミングから主制御用ROM40bに記憶される停止テーブルに基づく図柄の組み合わせを停止表示させる停止制御を行う。このため、各リールは、ストップボタン23L,23C,23Rの遊技者による停止操作のタイミングで停止するとは限らず、遊技者による停止操作のタイミングと各リールの停止するタイミングとが一致しない場合(所謂、「すべり」)がある。例えば、「すべり」を伴う制御では、停止させる図柄に対する遊技者による停止操作のタイミングが早いとき、各リールを各リールの変動方向に強制的にすべらせて該停止させる図柄を入賞ライン上に停止させる。
このため、各リールでは、停止させたい種類の図柄の間に挟む他の種類の図柄が5つ以上の部分を有していない場合、すべり制御を伴う結果、何れかの入賞ライン上に停止させたい種類の図柄を停止表示させることができる。一方、各リールでは、停止させたい種類の図柄の間に挟む他の種類の図柄が5つ以上の部分を有している場合、すべり制御を伴っても、何れの入賞ラインにも停止させたい種類の図柄を停止表示させることができない場合がある。このようにしてストップボタン23L,23C,23Rの遊技者による停止操作に基づいて各リールの停止制御を行う主制御用CPU40aが、導出制御手段として機能する。
また、主制御用CPU40aは、チェリー役の当選時、遊技者による停止操作のタイミングが予め定めたタイミングで行われる場合、チェリー停止目を停止表示させる。一方、主制御用CPU40aは、チェリー役の当選時、遊技者による停止操作のタイミングが予め定めたタイミングで行われない場合、はずれ停止目を停止表示させる。この場合には、チェリー役の取りこぼしを発生させる。
また、主制御用CPU40aは、ベル役の当選時、遊技者による停止操作の押し順がベル停止目を停止させる押し順である場合、ベル停止目を停止表示させる。一方、主制御用CPU40aは、ベル役の当選時、遊技者による停止操作の押し順がベル停止目を停止させる押し順ではない場合、ベルこぼし停止目を停止表示させる。この場合には、ベル役の取りこぼしを発生させる。
また、主制御用CPU40aは、突入リプレイ役の当選時、遊技者による停止操作の押し順が突入停止目を停止させる押し順である場合、突入停止目を停止表示させる。一方、主制御用CPU40aは、突入リプレイ役の当選時、遊技者による停止操作の押し順が突入停止目を停止させる押し順ではない場合、通常停止目を停止表示させる。なお、主制御用CPU40aは、通常リプレイ役(不問)の当選時、遊技者による停止操作に拘わらず、通常停止目を停止表示させる。
そして、小役の何れの当選役も決定しない、すなわちはずれ役の当選時、主制御用CPU40aは、遊技者による停止操作のタイミングに関係なくはずれ停止目を停止表示させる。
続いて、主制御用CPU40aは、各リールの全てを停止させて図柄の組み合わせを停止表示させると入賞判定を行う。この場合に主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cから役情報を読み出し、読み出した役情報(当選役)に対応する図柄の組み合わせが入賞ライン上に停止表示されているかを判定する入賞判定を行う。また、入賞判定において主制御用CPU40aは、各リールの停止に伴って入力する位置信号から入賞ライン上に停止表示した図柄の組み合わせがどのような組み合わせであるかを特定し、その組み合わせが役情報(当選役)に対応する賞態様であるか否かを判定する。なお、主制御用CPU40aは、入賞ライン上に停止表示した図柄の組み合わせが役情報(当選役)に対応する賞態様である場合、該役情報に基づく当選役の入賞(肯定)を判定する。一方、主制御用CPU40aは、入賞ライン上に停止表示した図柄の組み合わせが役情報(当選役)に対応する賞態様でない場合、該役情報に基づく当選役の非入賞(否定)、すなわち該役情報に基づく当選役の取りこぼしを判定する。
そして、主制御用CPU40aは、入賞判定で入賞と判定する場合、該入賞と判定した賞態様に応じた制御を行う。すなわち、主制御用CPU40aは、賞態様に応じて遊技状態を移行させる制御や賞メダルを払い出す制御を行う。また、主制御用CPU40aは、入賞判定で入賞と判定する場合、該入賞と判定した旨を示す入賞指示コマンドをサブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)に出力する。この入賞指示コマンドは、変動ゲーム開始コマンドで指示される当選役の入賞をサブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)に把握させる。
具体的に、チェリー役の入賞を判定する場合、主制御用CPU40aは、2枚の賞メダルを払い出す制御を行う。なお、主制御用CPU40aは、チェリー役の当選時、チェリー役の取りこぼしを判定する場合、1枚以上の賞メダルを払い出さないように制御する。
また、スイカ役の入賞を判定する場合、主制御用CPU40aは、6枚の賞メダルを払い出す制御を行う。
また、ベル役の入賞を判定する場合、主制御用CPU40aは、12枚の賞メダルを払い出す制御を行う。なお、主制御用CPU40aは、ベル役の入賞の判定時、ベル役の取りこぼしを判定する場合、1枚以上の賞メダルを払い出さないように制御する。さらにベル役の入賞を判定する場合、後述する遊技状態の移行に関する制御を行う。
また、リプレイ役の入賞を判定する場合、主制御用CPU40aは、次の変動ゲームを再遊技させるための制御を行う。このような制御として主制御用CPU40aは、入賞を判定した変動ゲームと同一のベット数を設定することになる。さらに突入入賞を判定する場合、後述する遊技状態の移行に関する制御を行う。
ここで、ベル役の当選時における停止制御について説明する。
本実施形態では、ベル役の当選時、3つのストップボタンを操作する押し順に基づいて行う制御が異なる。
本実施形態では、ベル群毎にベル停止目を停止表示させるためのベル入賞用の押し順がそれぞれ定められている。また、これに対応するように、ベル群毎に専用の停止目(例えば、[ベル・ベル・リプレイ]等)のベルこぼし停止目を停止表示させるためのベルこぼし用の押し順がそれぞれ定められている。
主制御用CPU40aは、ベル役の当選に基づきベル入賞用の押し順となることで、入賞ラインにベル停止目を停止表示させる。このベル停止目は、遊技者による停止操作のタイミングに関係なく停止表示可能となっている。一方、主制御用CPU40aは、ベル役の当選に基づきベルこぼし用の押し順となることで、入賞ラインにベルこぼし停止目を停止表示させる。このベルこぼし停止目は、遊技者による停止操作のタイミングに関係なく停止表示可能となっている。
ベル群1〜ベル群3には、それぞれストップボタン23L,23C,23Rが最初であればその後の順を問わない停止操作がベル入賞用の押し順に定められているとともに、そのストップボタン以外が最初であればその後の順を問わない停止操作がベルこぼし用の押し順に定められている。このため、ベル群1〜ベル群3は、最初に停止操作されるストップボタンに基づく「3択」の押し順が定められていることとなる。
次に、リプレイ役の当選時における停止制御について説明する。
主制御用CPU40aは、通常リプレイ役が当選する場合、遊技者による停止操作のタイミングに関係なく入賞ラインに[リプレイ・リプレイ・リプレイ]となる通常入賞の停止態様による通常停止目を停止表示させる。
また、本実施形態では、リプレイ役の当選の中でも重複当選となるリプレイ役の当選時、3つのストップボタンを操作する押し順に基づいて行う制御が異なる。
具体的に、図4(b)に示すように、本実施形態では、突入重複リプレイ群毎に突入停止目(図4(b)では、「突入」と示す)を停止表示させるための特定の停止操作となる突入入賞用の押し順がそれぞれ定められている。また、これに対応するように、突入重複リプレイ群毎に通常停止目を停止表示させるための通常の停止操作となる通常用の押し順がそれぞれ定められている。
主制御用CPU40aは、突入リプレイ役の当選に基づき突入入賞用の押し順となることで、遊技者による停止操作が特定の停止操作と一致する場合、入賞ラインに[スイカ・リプレイ・リプレイ]となる突入入賞の停止態様による突入停止目を停止表示させる。この突入入賞の停止態様による突入停止目は、遊技者による停止操作のタイミングに関係なく停止表示可能となっている。
一方、主制御用CPU40aは、突入リプレイ役の当選に基づき通常用の押し順となることで、遊技者による停止操作が通常の停止操作と一致する場合、入賞ラインに[リプレイ・リプレイ・リプレイ]となる通常入賞の停止態様による通常停止目を停止表示させる。この通常入賞の停止態様による通常停止目は、遊技者による停止操作のタイミングに関係なく停止表示可能となっている。
例えば、突入重複リプレイ群1には、[中左右]の突入入賞用の押し順が定められているとともに、[中左右]以外の通常用の押し順が定められている。また、突入重複リプレイ群1〜突入重複リプレイ群4には、当選情報群の種類に関係なく、[左]が最初となる通常用の押し順が定められており、[左]が最初となる突入入賞用の押し順が定められていない。このため、突入重複リプレイ群1〜突入重複リプレイ群4は、[左]が最初となる突入入賞用の存在しない「左無し4択」の押し順が定められていることとなる。また、突入重複リプレイ群が当選した場合、突入停止目、及び通常停止目のうち何れの図柄組み合わせが入賞ライン上に停止表示された場合であっても、同じように再遊技が遊技者に付与されることになる。
次に、図5を参照して主制御用CPU40aが遊技状態に応じた変動ゲームに基づいて制御する遊技状態の移行の態様について説明する。
主制御用CPU40aは、変動ゲームの開始時、変動ゲーム開始コマンドの出力前に、制御されている遊技状態を示す状態指示コマンドをサブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)に出力する。この状態指示コマンドは、変動ゲーム毎にサブ制御用CPU41aに出力されるコマンドであり、主制御用CPU40aで管理している遊技状態をサブ制御用CPU41aに把握させる。
図5に示すように、主制御用CPU40aは、低確RT遊技(図5では「低確RT」と示す)の制御中、突入リプレイ役が当選して突入入賞用の押し順により突入入賞の発生を契機に、次の変動ゲームから高確RT遊技に移行(突入)させる。すなわち、低確RT遊技では、突入リプレイ役が当選して突入入賞となる突入停止目が停止表示される場合、高確RT遊技(図5では「高確RT」と示す)への移行条件が満たされる。一方、主制御用CPU40aは、低確RT遊技の制御中、突入入賞しない場合、高確RT遊技への移行条件が満たされずに次の変動ゲームからも低確RT遊技を継続させる。
また、主制御用CPU40aは、高確RT遊技の制御中、ベル役が当選してベルこぼしの発生を契機に、次の変動ゲームから低確RT遊技に移行させる。すなわち、高確RT遊技では、ベル役が当選してベルこぼしとなるベルこぼし停止目が停止表示された場合、低確RT遊技への移行条件が満たされる。一方、主制御用CPU40aは、高確RT遊技の制御中、ベルこぼしを発生させない場合、低確RT遊技への移行条件が満たされずに次の変動ゲームからも高確RT遊技を継続させる。このように本実施形態では、これら遊技状態の移行を制御する主制御用CPU40aが、遊技状態制御手段(遊技制御手段)として機能する。
次に、サブ制御用CPU41aがサブ制御プログラムに基づき実行する変動ゲームに係る処理について説明する。
サブ制御用CPU41aは、変動ゲーム開始コマンドや入賞指示コマンドの各コマンドを入力すると、該コマンドに指示される内容に基づいて各種演出を実行させるように演出表示装置14の表示内容、スピーカSpの音声出力内容、装飾ランプLaの発光態様を制御する。また、サブ制御用CPU41aは、各リールの停止状況も把握可能なことから、この停止状況から当選役の取りこぼしを把握することもできる。
また、サブ制御用CPU41aは、状態指示コマンドを入力すると、遊技状態が何れの遊技状態に制御されているかを示すサブ用状態情報をサブ制御用RAM41cに記憶(設定)する。また、サブ制御用CPU41aは、変動ゲーム開始コマンドや各種リール停止コマンドが入力される毎に各種演出を行わせるための制御を行う。
また、サブ制御用CPU41aは、演出表示装置14の演出状態を、状態指示コマンドにより指定される遊技状態に応じて管理する。本実施形態における演出状態は、複数種類に分類されている。また、サブ制御用CPU41aは、演出情報から特定可能な演出状態に対応する画像表示用データ(特に背景画像用データ)を選択するとともに、この選択した画像表示用データをもとに演出表示装置14の表示内容(表示画像)を制御する。
具体的には、演出状態には、遊技状態が低確RT遊技であって、後述するARTモードへの移行権利の未発生時の状況で行われる通常モードがある。この場合に演出表示装置14では、通常モード用の表示画像が表示される。この通常モードは、リプレイ役の当選確率が低確率抽選状態であるとともに、突入入賞やベル入賞を補助(アシスト)する演出を行わない状態である。
また、通常モードにおいて、変動ゲーム開始コマンドの入力を契機として、当選役に基づいて所定の当選確率(例えば合算が約1/380)で当選するART突入抽選が行われる。このART突入抽選で当選すると、ARTモードへの移行権利が発生する。
また、高確RT遊技が終了して低確RT遊技における通常モードに移行する場合に、解除ゲーム数(所謂「天井ゲーム数」)が決定され、高確RT遊技が終了してから低確RT遊技における通常モードで行われた変動ゲームの回数が解除ゲーム数に達した場合、ARTモードへの移行権利が発生する。
ARTモードへの移行権利が発生する場合、ARTフラグにARTモードへの移行権利の発生を示す値が設定され、その変動ゲーム又は所定回数経過後の変動ゲームから、ARTモードへの移行権利の発生を報知する通常モード(ナビ待機)へ移行される。
また、演出状態には、遊技状態が低確RT遊技であって、後述するARTモードへの移行権利の発生時の状況で行われる通常モード(ナビ待機)がある。なお、通常モード(ナビ待機)の場合に演出表示装置14では、通常モード用の表示画像と大まかには同一に構成されるとともに、該表示画面中に「待機中」等の文字画像が表示される。
また、通常モード(ナビ待機)において、演出表示装置14では、ストップボタンを模した黄色の画像を3つ並べて表示させるとともに、3つのうちの一つに対して「1」の数字を付す態様でベルナビ演出が行われる。例えば、ベル群2の場合であれば、3つの画像のうち真ん中の画像に「1」が付されている場合には、ストップボタン23Cを最初に停止操作すべきことを遊技者に把握させる。このため、通常モード(ナビ待機)中、遊技者がベルナビ演出に従って遊技を行うことでベル入賞が発生する。
また、通常モード(ナビ待機)において、演出表示装置14では、ストップボタンを模した青色の画像を3つ並べて表示させるとともに、それぞれに「1」、「2」、「3」の数字を付す態様で突入リプナビ演出が行われる。このため、通常モード(ナビ待機)中、遊技者が突入リプナビ演出に従って遊技を行うことで突入入賞が発生する。通常モード(ナビ待機)中、突入入賞する場合、ARTモードへ移行する。因みに、このときの遊技状態は、低確RT遊技から高確RT遊技に移行する。このように、本実施形態において、このような演出表示装置14が遊技者による停止操作についての特定操作条件を報知可能な特定操作条件報知手段として機能する。また、これらベルナビ演出及び突入リプナビ演出は、画像の表示色によって何れが実行されているかが特定可能であり、当選役が報知される機能も有することとなる。
また、演出状態には、遊技状態が高確RT遊技である場合に行われるARTモードがある。この場合に演出表示装置14では、ARTモード用の表示画像が表示される。このARTモードは、リプレイ役の当選確率が高確率抽選状態であるとともに、ベル入賞を補助する演出を行う状態である。なお、本実施形態におけるARTモードは、高確RT遊技への移行条件の成立により遊技者に有利な状態での遊技となる有利遊技状態である。
また、ARTモードにおいて、演出表示装置14では、ベルナビ演出が行われる。このため、ARTモード中、遊技者がベルナビ演出に従って遊技を行うことでベル入賞が発生する。一方、ARTモード中、ベル役を取りこぼしする場合、通常モードへ移行する。因みに、このときの遊技状態は、高確RT遊技から低確RT遊技へ移行する。
また、ARTモードの制御を開始する際、ARTモードに滞在可能な変動ゲームの上限回数(初期回数)がサブ制御用RAM41cに割り当てられた残G数に設定され、変動ゲームを行う毎に残G数から「1」減算される。これによって、ARTモードに滞在している変動ゲームの実行回数が計数される。
また、ARTモード中、変動ゲーム開始コマンドの入力を契機として、スイカ役又はチェリー役が当選すると、ARTモードに滞在する変動ゲームの上限回数を上乗せするか否かを決定する上乗せ抽選が行われる。この上乗せ抽選で当選した場合、ARTモードの上限回数に上乗せ回数が加算され、ARTモードの滞在が延長される。
また、ARTモードにおいて上限回数の変動ゲームが実行された場合、ARTモードの滞在を継続させるか否かを決定するためのART継続抽選が行われる。ART継続抽選で当選した場合、ARTモードの上限回数に初期回数が加算され、ARTモードの滞在が継続(延長)される。一方、ART継続抽選で当選しなかった場合、高確RT演出へ移行される。因みに、このときの遊技状態は、高確RT遊技が継続し、ARTフラグにARTモードへの移行権利の未発生を示す値が設定される。
また、演出状態には、遊技状態が高確RT遊技である場合に行われる高確RT演出がある。この場合に演出表示装置14では、リプレイ役の当選確率が高確率抽選状態であるとともに、ベルナビ演出を行わない状態である。
また、高確RT演出中、ARTモード中と同じように、ベル役を取りこぼしする場合、通常モードへ移行する。因みに、このときの遊技状態は、高確RT遊技から低確RT遊技へ移行する。
このように、サブ制御用CPU41aは、通常モード、通常モード(ナビ待機)、ARTモード、高確RT演出についての制御を行う。また、サブ制御用CPU41aは、主制御用CPU40aからの各コマンドに基づいて、ART突入抽選、上乗せ抽選、ART継続抽選など、遊技者にとって有利な遊技となるか否かを決定するための抽選を行うこととなる。なお、本実施形態において、このような処理を実行するサブ制御用CPU41aが抽選手段として機能する。
なお、本実施形態において、各種エラーが発生しているか否かが判定される。各種エラーには、重大エラーと、重大エラー以外の一般エラーとに分類される。
重大エラーには、電断の発生を示す電断復帰エラーや、主制御用RAM40cへの書き込みや読み出しが正常にできないことを示すRAM異常エラー、設定された設定値に異常があることを示す設定値異常エラーなどが含まれている。これらの重大エラーは、主制御用CPU40aによって判定され、サブ制御用CPU41aに対してエラーを示すエラー指示コマンドが出力される。
一方、一般エラーには、投入されたメダルが滞留していることを示す遊技メダル滞留エラー、ホッパー26にメダルがなく、ホッパー26が空回りすることを示す遊技メダル空エラー、ホッパー26から溢れたメダルを受ける図示しないサブタンクが一杯になったことを示すオーバーフローエラーなどが含まれている。これらの一般エラーも、主制御用CPU40aによって判定され、サブ制御用CPU41aに対してエラーを示すエラー指示コマンドが出力される。また、一般エラーには、主制御用CPU40aからサブ制御用CPU41aへの制御信号に関するコマンドエラーも含まれている。
なお、本実施形態において、重大エラーが発生した場合には、パチスロ10と通信可能に接続される図示しないホールコンピュータや、パチスロ10の上方に配設される図示しない表示装置にセキュリティ情報が出力される。一方、一般エラーが発生した場合には、ホールコンピュータや表示装置にセキュリティ情報が出力されない。
ここで、一般エラーに含まれるコマンドエラーについて詳しく説明する。このコマンドエラーは、主制御用CPU40aからサブ制御用CPU41aに出力コマンドについて、各変動ゲーム中において入力された各コマンドの入力順序が参照されることでサブ制御用CPU41aにより判定される。
図6に示すように、通常時においては、符号T0に示すタイミングで、スタートレバー22の開始操作に応じて、変動ゲームが開始され、主制御用CPU40aからサブ制御用CPU41aに状態指示コマンドが入力される。そして、その直後に、符号T1に示すタイミングで、変動ゲーム開始コマンドが入力される。続いて、スタートレバー22の開始操作からウェイトタイムTaが経過すると、符号T2に示しタイミングで、各リール13L,13C,13Rの回転動作が開始される。
また、符号T3に示すタイミングで、ストップボタン23Lの停止操作に応じて、その停止操作に対応するリール13Lの回動動作が停止され、主制御用CPU40aからサブ制御用CPU41aに、リール13Lの停止位置を示すリール停止コマンドが入力される。この場合、1回の変動ゲームにおいて1回目に入力されたリール停止コマンドであるため、サブ制御用CPU41aは、1回目の停止操作がストップボタン23Lであることが特定可能である。
次に、符号T4に示すタイミングで、ストップボタン23Cの停止操作に応じて、その停止操作に対応するリール13Cの回動動作が停止され、主制御用CPU40aからサブ制御用CPU41aに、リール13Cの停止位置を示すリール停止コマンドが入力される。この場合、1回の変動ゲームにおいて2回目に入力されたリール停止コマンドであるため、サブ制御用CPU41aは、2回目の停止操作がストップボタン23Cであることが特定可能である。
最後に、符号T5に示すタイミングで、ストップボタン23Rの停止操作に応じて、その停止操作に対応するリール13Rの回動動作が停止され、主制御用CPU40aからサブ制御用CPU41aに、リール13Rの停止位置を示すリール停止コマンドが入力される。この場合、1回の変動ゲームにおいて3回目に入力されたリール停止コマンドであるため、サブ制御用CPU41aは、3回目の停止操作がストップボタン23Rであることが特定可能である。
なお、本実施形態において、サブ制御用CPU41aは、1回の変動ゲームにおいて主制御用CPU40aから入力された各コマンドを、実際の入力順序に従ってサブ制御用RAM41cの所定領域に記憶する。
また、図7(a)に示すように、サブ制御用ROM41bには、1回の変動ゲームにおけるコマンドの入力順序が予め規定されている規定順序テーブルが記憶されている。サブ制御用CPU41aは、第3リール停止コマンドの入力を契機として、この規定順序テーブルを参照し、規定された各コマンドを入力順序と、実際に1回の変動ゲームにおいて主制御用CPU40aから入力された各コマンドを入力順序とを比較する。なお、規定順序テーブルにおける入力順序としては、状態指示コマンド、変動ゲーム開始コマンド、第1リール停止コマンド、第2リール停止コマンド、第3リール停止コマンドとして規定されている。
そして、サブ制御用CPU41aは、この比較結果に基づいて、主制御用CPU40aから入力されたコマンドの入力順序と、規定順序テーブルとして規定されているコマンドの順序とが一致するか否かを判定し、その結果を示す情報を時系列が特定可能なようにサブ制御用RAM41cの所定領域に記憶する。なお、本実施形態において、状態指示コマンド、変動ゲーム開始コマンド、第1リール停止コマンド、第2リール停止コマンド、第3リール停止コマンド以外のコマンドについては入力順序を問わず、比較対象から除外されている。また、判定結果を示す情報としては、変動ゲーム毎に記憶され、最新の10個の情報が記憶可能である。
なお、本実施形態において、1回の変動ゲーム中において新規に入力されたリール停止コマンドは、その入力順序に従って第1〜第3リール停止コマンドとして特定される。例えば、1回の変動ゲーム中において1回目にリール停止コマンドが入力された場合、そのリール停止コマンドが第1リール停止コマンドとして判定される。また、1回の変動ゲーム中において2回目以降にリール停止コマンドが入力された場合、そのリール停止コマンドが同じ変動ゲーム中で新規に入力されたリール停止コマンドであれば、2種類目のリール停止コマンドが第2リール停止コマンドとして、3種類目のリール停止コマンドが第3リール停止コマンドとしてそれぞれ特定される。このように、第1〜第3リール停止コマンドが入力されることとなるが、1回の変動ゲームで同じリール停止コマンドが入力されると、リール停止コマンドの重複入力として特定されることとなり、各コマンドが不一致であると判定されることとなる。
入力される各コマンドについて具体的な一例をあげると、図7(b)に示すように、状態指示コマンド、変動ゲーム開始コマンド、第1リール停止コマンド、第2リール停止コマンド、第3リール停止コマンドの入力順序で実際にコマンドが入力された場合には、サブ制御用CPU41aは、各コマンドが一致であると判定する。
その一方で、図7(c)に示すように、状態指示コマンド、第1リール停止コマンド、変動ゲーム開始コマンド、第2リール停止コマンド、第3リール停止コマンドの入力順序で実際にコマンドが入力された場合には、2、3番目に入力されたコマンドの種類が逆転しており、サブ制御用CPU41aは、各コマンドが不一致であると判定する。
また、図7(d)に示すように、状態指示コマンド、変動ゲーム開始コマンド、変動ゲーム開始コマンド、第1リール停止コマンド、第2リール停止コマンド、第3リール停止コマンドの入力順序で実際にコマンドが入力された場合には、変動ゲーム開始コマンドが2回入力されており、サブ制御用CPU41aは、各コマンドが不一致であると判定する。なお、規定されたコマンドよりも入力されたコマンドが少ない場合も、サブ制御用CPU41aは、各コマンドの入力順序が不一致であると判定する。
このように、サブ制御用CPU41aは、毎変動ゲームにおいて、実際に入力されたコマンドの入力順序と、規定順序テーブルとして規定されているコマンドの順序とを比較し、比較結果に基づいて各コマンドが一致しているか否かを判定する。
そして、サブ制御用CPU41aは、過去10回分の判定結果を示す情報を参照し、そのうち特定回数(本実施形態では「5回」)以上の判定結果が不一致を示す情報であるときには、コマンドエラーとして判定する。一方、サブ制御用CPU41aは、特定回数未満の判定結果が不一致を示す情報であるときには、コマンドエラーとして判定しない。そして、サブ制御用CPU41aは、コマンドエラーと判定された場合、コマンドエラーを示す情報をサブ制御用RAM41cの所定領域に記憶する。
具体的な一例としては、図7(e)に示すように、実行された変動ゲームが不一致と判定されていても、過去10回分の判定結果のうち2回が不一致と判定された場合であれば、サブ制御用CPU41aは、コマンドエラーとは判定しない。一方、図7(f)に示すように、過去10回分の判定結果のうち5回が不一致と判定された場合であれば、サブ制御用CPU41aは、コマンドエラーと判定する。
また、サブ制御用CPU41aは、次回の変動ゲームの開始時において、変動ゲーム開始コマンドの入力を契機として、コマンドエラーを示す情報が記憶されているか否かを判定する。サブ制御用CPU41aは、コマンドエラーを示す情報が記憶されている場合、エラーと判定されていない通常時における各種の演出を実行させず、エラー報知を実行させる。
具体的に、通常時においては、演出表示装置14において演出状態に対応する画像が表示され、ベルナビ演出や突入リプナビ演出が実行されることで、停止操作の押し順や当選役(ベル役や突入リプレイ役など)を特定可能に報知していた。一方、コマンドエラーが発生している場合には、これら演出状態に対応する画像表示や各種ナビ演出などの演出が実行されずに、エラーが発生したことを示すエラー報知画像が演出表示装置14に表示される。
また、本実施形態において、サブ制御用CPU41aは、コマンドエラーが発生している場合、各種の演出についてはエラー報知に変更したが、ART突入抽選や、上乗せ抽選、ART継続抽選については、通常時と同じように各コマンドに基づいて実行することとなる。また、サブ制御用CPU41aは、コマンドエラーが発生している場合、変動ゲーム毎に、低確RT遊技における通常モードで行われた変動ゲームの回数や、ARTモードに滞在している変動ゲームの回数も継続して計数する。
また、サブ制御用CPU41aは、主制御用CPU40aからエラー指示コマンドが入力されると、そのエラー指示コマンドにより指定されるエラー内容をサブ制御用RAM41cの所定領域に設定する。
なお、本実施形態において、コマンドエラー以外でも、一般エラーが発生している場合に、サブ制御用CPU41aは、コマンドエラーが発生している場合と同じように処理を実行する。つまり、サブ制御用CPU41aは、一般エラーが発生している場合でも、ART突入抽選や、上乗せ抽選、ART継続抽選については、通常時と同じように実行し、変動ゲーム毎に、低確RT遊技における通常モードで行われた変動ゲームの回数や、ARTモードに滞在している変動ゲームの回数も継続して計数する。
一方、重大エラーが発生している場合に、サブ制御用CPU41aは、ART突入抽選や、上乗せ抽選、ART継続抽選を実行しない。また、重大エラーが発生している場合に、サブ制御用CPU41aは、変動ゲーム毎に、低確RT遊技における通常モードで行われた変動ゲームの回数や、ARTモードに滞在している変動ゲームの回数についても計数しない。
なお、コマンドエラーが発生している場合において、主制御用CPU40aから重大エラーを示すエラー指示コマンドが入力されると、サブ制御用CPU41aは、コマンドエラーの発生を解除するとともに、重大エラーが発生したと判定することとなる。また、一般エラーが発生している場合において、主制御用CPU40aから重大エラーを示すエラー指示コマンドが入力されるときも同じように、サブ制御用CPU41aは、一般エラーの発生を解除するとともに、重大エラーが発生したと判定することとなる。
また、本実施形態において、遊技場の管理者等による解除操作により、重大エラーを除くエラー表示が解除される。なお、本実施形態における解除操作としては、施錠装置35の鍵穴35aに施錠キーを挿入した状態で逆方向(左回り)に回動操作することが相当する。つまり、解除操作としては、施錠装置35を操作するためには、遊技場の管理者等により管理された施錠キーが必要となり、遊技場の管理者によって操作可能であり、遊技者によっては操作できないこととなる。また、解除操作の受付期間としては、変動ゲームが実行されていない待機状態(デモ状態)中が規定されている。
待機状態中において解除操作が行われた場合、主制御用CPU40aは、その解除操作に応じて解除コマンドをサブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)に出力する。この解除コマンドは、エラーと判定された状態を解除するためのコマンドである。なお、本実施形態において、変動ゲームが実行されている変動ゲームの実行中において解除操作が行われた場合であっても、主制御用CPU40aは、解除コマンドをサブ制御用CPU41aに出力しない。
一方、サブ制御用CPU41aは、解除コマンドが入力されると、発生しているエラーの種類を示す情報を読み出し、重大エラー以外の一般エラーが発生しているか否かを判定する。そして、サブ制御用CPU41aは、一般エラーが発生しているときには、エラーの種類を示す情報をクリアするとともに、エラー報知画像を消去し、通常時における各種画像を表示させる。このように、サブ制御用CPU41aは、一般エラーと判定された場合、そのエラーと判定された状態を維持する一方で、主制御用CPU40aから解除コマンド(解除指示)が入力されると、エラーと判定された状態を解除することとなる。なお、本実施形態において、サブ制御用CPU41aは、重大エラーが発生しているときには、エラー報知画像を消去することなく、エラー報知画像の表示を維持し、設定変更操作等によってエラー報知画像を消去することとなる。
また、本実施形態において、遊技場の管理者等による履歴表示操作によりエラー履歴が演出表示装置14に表示可能である。なお、本実施形態における履歴表示操作としては、設定装置50が操作されることによって設定確認状態となり、演出表示装置14にシステムメニューが表示され、その状態でスタートレバー22の傾動操作やストップボタン23L,23C,23Rなどの押圧操作が行われることが相当する。つまり、履歴表示操作としても、設定装置50を操作するためには、施錠装置35を開錠操作して前面扉12を開放させるべく、遊技場の管理者等により管理された施錠キーが必要となり、遊技場の管理者によって操作可能であり、遊技者によっては操作できないこととなる。また、履歴表示操作の受付期間としても、待機状態(デモ状態)中が規定されている。なお、本実施形態において、サブ制御用RAM41cには、最大150件分のエラー履歴が記憶可能であり、1頁に10件分のエラー履歴が表示可能である。
また、本実施形態において、重大エラーや一般エラー以外にも、前面扉12の開放を示すドア開放情報、前面扉12の閉鎖を示すドア閉鎖情報、電源オンを示す情報、電源オフを示す情報などの各種情報がエラー履歴として閲覧可能である。これら前面扉12の開放を示すドア開放情報、前面扉12の閉鎖を示すドア閉鎖情報、電源オンを示す情報、電源オフを示す情報については、各種センサからの検知信号や電源装置から供給される電圧に基づいて主制御用CPU40aにより検知され、この旨を示すコマンドがサブ制御用CPU41aに出力される。これによって、サブ制御用CPU41aは、ドア開放情報、ドア閉鎖情報、電源オンを示す情報、電源オフを示す情報なども特定可能である。
サブ制御用CPU41aは、各種エラー(ドア開放情報等を含む)が発生したと判定された場合には、リアルタイムクロックから現在の日時情報を読み出し、その現在の日時情報とエラーの内容(種類)とを対応付けてエラー履歴としてサブ制御用RAM41cに記憶する。
また、待機状態中において履歴表示操作が行われた場合、主制御用CPU40aは、エラー履歴表示コマンドをサブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)に出力する。このエラー履歴表示コマンドは、演出表示装置14においてエラー履歴を表示させるためのコマンドである。なお、本実施形態において、変動ゲームの実行中において履歴表示操作が行われた場合であっても、主制御用CPU40aは、エラー履歴表示コマンドをサブ制御用CPU41aに出力しない。
一方、サブ制御用CPU41aは、エラー履歴表示コマンドが入力されると、サブ制御用RAM41cに記憶されたエラー履歴を読み出し、演出表示装置14にエラー履歴を表示させるように制御する。
なお、本実施形態において、このような処理を実行するサブ制御用CPU41aが比較手段、エラー判定手段として、サブ制御用ROM41bが指示規定手段として、サブ制御用RAM41cが履歴記憶手段としてそれぞれ機能する。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)主制御用CPU40aからのコマンド(指示)の入力順序と、規定されたコマンドの入力順序とが一致するか否かを判定するとともに、10回の変動ゲームにおいて各コマンドの入力順序が一致しないと5回の変動ゲームで判定された場合に、コマンドエラーと判定される。このため、単に各コマンドの入力順序が一致しないと判定されただけではなく、10回の変動ゲームのうち各コマンドの入力順序が一致しないと5回の変動ゲームで判定されることではじめてコマンドエラーと判定することができる。したがって、継続的な各コマンドの入力順序の不一致を特定可能となり、エラー判定についての更なる改良により不正な指示を抑制することができる。
(2)また、遊技場の環境下においては、遊技機や遊技場設備を始めとする多数の装置が設定されており、更には遊技場の管理者同士の無線通信により、コマンドのデータ化けが発生することもある。従来においては、コマンドのデータ化けが発生すると、その都度、コマンドエラーが発生してしまい、遊技の進行に影響がない場合であっても、エラー報知が行われ、遊技場の管理者にとって煩雑であり、更には遊技機の誤動作等による遊技者の不信感を招くおそれがあった。そこで、本実施形態のように構成することによって、各コマンドの不一致が1回判定されただけではコマンドエラーとは判定されずに、所定回の変動ゲームにおいて各コマンドの不一致が特定回判定された場合に、コマンドエラーとは判定される。したがって、遊技場の管理者にとっての煩雑さを抑制することができるとともに、遊技者の不信感を抑制することができる。
(3)コマンドエラーと判定された場合に、コマンドエラーに関する報知を行う。このため、遊技者や遊技場の管理者によってコマンドエラーと判定されたことが特定可能となり、エラー判定についての更なる改良により不正な指示を抑制することができる。
(4)コマンドエラーと判定された場合であっても、遊技者にとって有利な遊技となるか否かを決定するためのART突入抽選、上乗せ抽選、及びART継続抽選を継続して行う。このため、コマンドエラーと判定されても、遊技者にとって重大な抽選を中断、中止させることにより遊技者の不信感を抑制することができる。
(5)コマンドエラーと判定された場合であっても、通常モードにおいて、ARTモードへの移行権利を発生させるための変動ゲームの実行回数の計数が継続される。このため、コマンドエラーと判定されても、遊技者にとって重大な変動ゲームの実行回数の計数を中断、中止させることにより遊技者の不信感を抑制することができる。
(6)また、コマンドエラーと判定された場合であっても、遊技者に有利な遊技となるARTモードにおいて、変動ゲームの実行回数の計数が継続される。このため、変動ゲームの実行回数の計数が中止されず、上限回数の変動ゲームが実行された後に、高確RT演出に移行させることとなり、不正な電波等によりコマンドエラーを意図して発生させることでARTモードの滞在を永らえる不正行為を抑制することができる。
(7)コマンドエラーと判定された場合であっても、各種ナビ演出が実行されずに、各種ナビ演出の替わりにエラー報知画像が表示されるように制御した。このため、エラー報知画像が表示されてもなお遊技を進行させると、各種ナビ演出に従わず停止操作が行われてしまい、例えば、ベルこぼしの発生により高確RT遊技から低確RT遊技に移行するなど、遊技者にとって不利となる遊技が進行するおそれがある。したがって、遊技者に対して遊技を進行させ難い状況を提供することによって、コマンドエラーを早期に発見することができる。
(8)コマンドエラーと判定されるとコマンドエラーと判定された状態を維持するとともに、遊技場の管理者の操作に応じてコマンドエラーと判定された状態を解除することができ、簡便である。
(9)各種エラーと判定されたエラー履歴が表示されることによって、遊技場の管理者等によりエラー履歴が特定可能となり、簡便である。特に、エラーと判定された状態が解除された後であっても、遊技場の管理者等によりエラー履歴が特定可能となり、更に簡便である。
尚、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・上記実施形態において、第3リール停止コマンドの入力を契機として、規定された各コマンドの入力順序と、実際に入力された各コマンドの入力順序とが比較され、コマンドエラーであるか否かが判定されたが、これに限らない。例えば、変動ゲームの終了(第3停止操作オフ)を契機として入力されるコマンドや、次の変動ゲームにおける状態指示コマンド、変動ゲーム開始コマンドの入力を契機として、比較、判定が行われてもよい。また、例えば、実際の各コマンドの入力毎に比較、判定が行われてもよい。
・上記実施形態において、コマンドエラーと判定された場合、次の変動ゲームの開始を契機としてエラー報知画像を表示したが、これに限らず、例えば、コマンドエラーと判定された場合、その判定タイミングでエラー報知画像を表示してもよい。
・上記実施形態において、遊技場の管理者の操作に応じて解除コマンドを出力したが、これに限らず、例えば、所定時間の経過に応じて解除コマンドを出力してもよい。
・上記実施形態において、遊技場の管理者の操作に応じてエラー履歴を表示したが、これに限らず、例えば、エラー履歴を表示しなくてもよい。
・上記実施形態において、コマンドエラーの判定のために、状態指示コマンド、変動ゲーム開始コマンド、第1リール停止コマンド、第2リール停止コマンド、第3リール停止コマンドの入力順序が参照されたが、これに限らない。例えば、上記コマンドが複数種類に分けられていてもよい。具体的な一例としては、各種リール停止コマンドとして、停止表示されるリールを指示するコマンドと、リールの停止位置を指示するコマンドとが別々に入力されるように構成してもよく、この場合、複数種類のコマンドの入力順序が参照されることとなる。また、例えば、これらのコマンドのうち一部が入力順序が参照されなくてもよい。具体的な一例としては、状態指示コマンドの入力順序が参照されてなくてもよい。また、例えば、これら以外のコマンドの入力順序も参照されてもよい。具体的な一例としては、毎変動ゲームで入力される入賞指示コマンドや、変動ゲームの終了を契機として入力されるコマンドなどが含まれていてもよい。
・上記実施形態において、最新10回の変動ゲームのうち5回の変動ゲームで規定された各コマンドの入力順序と、実際に入力された各コマンドの入力順序とが不一致であると判定されたときに、コマンドエラーとして判定されたが、これに限らず、例えば、変動ゲームの回数を問わない。また、例えば、所定の遊技が実行される所定時間(例えば1分)のうち、3回の変動ゲームで各コマンドの入力順序が不一致と判定されたときに、コマンドエラーとして判定されてもよい。また、例えば、実際の各コマンドの入力毎に比較、判定が行われる構成において、最近10回の変動ゲームにおいて、各コマンドの不一致が特定回(20回)判定された場合に、コマンドエラーとして判定されてもよい。つまり、変動ゲーム単位で判定しなくてもよい。
・上記実施形態において、規定された各コマンドの入力順序と、実際に入力された各コマンドの入力順序とが比較され、入力順序が完全一致しているか否かを判定したが、これに限らない。例えば、入力順序が一致していなくても、入力された各コマンドの種類、入力回数が同じであるか否かにより、コマンドエラーであるか否かが判定されればよい。つまり、規定された各コマンドの組み合わせと、実際に入力された各コマンドの組み合わせとが比較され、コマンドエラーであるか否かが判定されればよい。もちろん、入力された各コマンドの種類、入力回数だけが同じであるか否かにも限らない。
・上記実施形態において、演出状態が通常モード(ナビ待機)、ARTモードである場合には、必ず各種ナビ演出が実行されたが、これに限らず、例えば、変動ゲーム開始コマンドの入力を契機としてナビ演出が実行されるナビ演出抽選が行われてもよい。なお、コマンドエラー等の一般エラーが発生した場合であっても、ナビ演出抽選が実行されることとなる。
・上記実施形態において、変動ゲーム開始コマンドの入力を契機として、ART突入抽選、上乗せ抽選が、第3リール停止コマンドの入力を契機として、ART継続抽選が、それぞれ実行可能となったが、これに限らず、例えば、他のコマンドの入力を契機として実行可能となってもよい。具体的な一例としては、変動ゲームの終了を示すコマンドの入力を契機として、ART継続抽選が実行可能となってもよい。
・上記実施形態において、主制御基板40の主制御用CPU40aと、サブ制御基板41のサブ制御用CPU41aとの間における各コマンドについてのエラーが判定されたが、これに限らず、例えば、同一基板内における複数のCPU間における各コマンドについてのエラーが判定されてもよい。また、例えば、主制御基板40、サブ制御基板41における主な機能が、1つ又は3つ以上の基板に跨って構成されてもよい。
・上記実施形態において、演出表示装置14において各種ナビ演出が実行されずにエラー報知画像が表示されたが、これに限らず、例えば、各種ナビ演出が実行されてもよい。また、例えば、液晶表示装置14以外の報知手段(例えば、装飾ランプやストップボタンの点灯ランプなど)により各種ナビ演出が実行されてもよい。また、例えば、各種ナビ演出が主制御用CPU40aによって制御されても、サブ制御用CPU41aによって制御されてもよいが、各種ナビ演出が主制御用CPU40aによって制御される場合には、演出状態も主制御用CPU40aによって管理される。
・上記実施形態において、演出実行手段、報知手段として、画像を表示する演出表示装置14を採用したが、これに限らず、例えば、スピーカSpや装飾ランプLaを採用してもよく、これらの組み合わせであってもよい。
・上記実施形態において、パチスロに本発明を採用したが、これに限らず、例えば、パチンコやパロット等の他の遊技機に本発明を採用してもよい。この場合、例えば、大当り抽選をはじめとする各種抽選を行い、その抽選結果に基づいて変動ゲームが実行される主制御用CPUを備え、主制御用CPUからサブ制御用CPUに対して各種のコマンドが出力されるように構成されている。そして、各コマンドには、変動ゲームの開始を示す変動パターン指定コマンド、変動ゲームの表示結果を示す表示結果指定コマンド、変動ゲームの終了を示す全停止コマンド、遊技状態を示す遊技状態指定コマンド、その遊技状態を継続させた変動ゲームの実行回数を示す継続回数指定コマンド等が含まれていてもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記指示手段は、遊技場の管理者の操作に応じて前記演出制御手段に解除指示を行い、前記演出制御手段は、前記エラー判定手段によってエラーと判定されると、エラーと判定された状態を維持する一方、前記指示手段から解除指示が行われると、エラーと判定された状態を解除することを特徴とする。
(ロ)前記演出制御手段は、前記エラー判定手段によってエラーと判定されたエラー履歴を記憶する履歴記憶手段を有し、前記履歴記憶手段によって記憶されたエラー履歴を表示する履歴表示手段を備えたことを特徴とする。
(ハ)遊技者による開始操作が行われることに基づいて複数列の図柄を変動させて行う1回の遊技が図柄表示手段で開始され、1回の遊技の開始に基づき各列の図柄の変動が開始された後、遊技者による停止操作に基づき前記図柄表示手段に表示結果が入賞役として導出されることを特徴とする。
(ニ)前記指示手段からの指示の組み合わせには、遊技者による開始操作を契機として1回の遊技の開始を示す開始指示と、遊技者による第1停止操作を契機として該第1停止操作に対応する列の図柄を停止させる第1停止指示と、遊技者による第2停止操作を契機として該第2停止操作に対応する列の図柄を停止させる第2停止指示と、遊技者による第3停止操作を契機として該第3停止操作に対応する列の図柄を停止させる第3停止指示とが少なくとも含まれていることを特徴とする。