JP2014180107A - 回転電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】インナーロータタイプの構成であっても、回転子の回転方向位置を高精度に検出する。
【解決手段】回転電機1は、固定子13と、磁気的空隙2を介して固定子13の径方向内側に対向配置された回転子21と、回転子21に連結されて固定子13の軸方向一方側の端部を覆う回転カバー22と、回転カバー22のうち固定子側13の部位に設けられた被検出部28と、被検出部28の位置を光学的に検出する検出部18と、を有する。
【選択図】図3

Description

開示の実施形態は、回転電機に関する。
固定子と、回転子と、回転子に取り付けられたカバーと、を有する回転電機が知られている(例えば、特許文献1参照)。この回転電機は、固定子の径方向外側に回転子が設けられる、いわゆるアウターロータタイプとして構成されている。回転子の軸方向端部には、固定子の軸方向一方側を覆うように略円環形状のカバーが固定されている。また、回転子の軸方向他方側には、当該回転子の回転方向位置を検出するエンコーダ(レゾルバ)の検出対象となる回転ディスクが設けられている。
特許4572591号公報
上記従来技術の回転電機は上述のようにアウターロータタイプである。したがって、回転子の軸方向端部側に設ける回転ディスクを、比較的大径とすることができる。この結果、例えばディスク外周部に数多くのスリット等を設けることができるので、高い分解能を確保することができる。
一方、上記とは逆に、固定子の径方向内側に回転子が設けられる、いわゆるインナーロータタイプの回転電機が知られている。この場合は、回転子の径方向外側に固定子が存在することから、上記従来技術のように回転子の軸方向端部側に回転ディスクを設ける場合、固定子との干渉を回避するためにディスクを比較的小径とせざるを得ない。その結果、ディスク外周部にスリット等を数多く設けて高い分解能を確保するのは困難であり、検出精度の低下を招く。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、インナーロータタイプの構成であっても、回転子の回転方向位置を高精度に検出できる回転電機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一の観点によれば、固定子と、磁気的空隙を介して前記固定子の径方向内側に対向配置された回転子と、前記回転子に連結され、前記固定子の軸方向一方側の端部を覆うカバーと、前記カバーのうち前記固定子側の部位に設けられた被検出部と、前記被検出部の位置を光学的に検出する検出部と、を有することを特徴とする。
本発明の回転電機によれば、インナーロータタイプの構成であっても、回転子の回転方向位置を高精度に検出できる。
実施形態の回転電機の全体構成を表す縦断面図である。 回転カバーを裏面側から見た斜視図である。 図1中の要部拡大断面図である。 被検出部を備えたディスクをカバーに取り付けた変形例の回転電機の全体構成を表す縦断面図である。 図4中の要部拡大断面図である。
以下、開示の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
<回転電機の概略>
まず、図1を用いて、本実施形態に係る回転電機1の構成について説明する。図1に示すように、回転電機1は、固定部10と、回転部20とを備えたインナーロータ型のダイレクトドライブモータ(以下、DDモータという)であり、回転部20を固定部10の内側に備えている。
<固定部>
固定部10は、略円筒形状のハウジング11(固定部材に相当)と、ベース部12と、固定子13と、2つの軸受14,14とを有している。なお、軸受14は2つには限られず、1つ以上であればよい。2つの軸受14,14の間には、内外二層の間座14A,14Bが配置されている。内周側の間座14Aは固定側、外周側の間座14Bは回転側となっており、2つの軸受14,14の内側の位置決め部材となっている。
ハウジング11は、回転電機1が備えるほとんどの構成部品を内部に収納する。
ベース部12は、基部12aと固定シャフト部12bとを一体的に備えている。基部12aは、ハウジング11の外径と略同じ外径の円板形状を備えている。基部12aは、ハウジング11のうち、軸方向他方側(図1中の下側。以下同様)の開口端を塞いでいる。固定シャフト部12bは、基部12aの径方向中心から軸方向一方側(図1中の上側。以下同様)へと突出する、中空管状の形状を備えている。すなわち、固定シャフト部12bは、ハウジング11の径方向中心位置を貫通している。固定シャフト部12bの突出端側(図1中の上側)には、固定側補助部材19が設けられている。固定側補助部材19は、一方の軸受14の外側を厚肉としており、内周側の間座14Aとで一方の軸受14を挟持している。
固定子13は、ハウジング11の内周面に配置される積層コア15と、この積層コア15において巻回して設けられた電機子コイル16と、を備えている。電機子コイル16は、ハウジング11の内周面で周方向に並ぶように積層コア15に複数設けられている。
<回転部>
回転部20は、固定子13の径方向内側に磁気的空隙2を介して対向配置された回転子21を有している。
<回転子>
回転子21は、出力軸23と、回転側補助部材24と、出力軸23の径方向外側に配置された永久磁石25と、を有している。なお、回転カバー22については後述する。
出力軸23は、全体が略中空管状に構成されており、図1中の上側の端部にはフランジ部23aが形成されている。回転側補助部材24は、上記固定側補助部材19の外周面と出力軸23の内周面との間に配置されている。そして、出力軸23は、フランジ部23aがハウジング11の開口端側の(図1中の上側)に位置した状態で、ボルト26を介して回転側補助部材24に連結されている。これにより、出力軸23と回転側補助部材24との結合体が、軸受14,14を介し、(軸方向に拘束されつつ)固定シャフト部12bに回転可能に支持されている。なお、回転側補助部材24は、一方の(図1中の上側の)軸受14(第1軸受に相当)を上記軸方向一方側から固定する第1部材として機能する。また、出力軸23は、他方の(図1中の下側の)軸受14(第2軸受に相当)を上記軸方向他方側から固定するとともに、固定子13の径方向内側に対向する永久磁石25を径方向外側に備える第2部材として機能する。
永久磁石25は、出力軸23の外周面に、周方向に並ぶように複数設けられている。また永久磁石25は、固定子13の積層コア15に対し径方向において磁気的空隙2を介し対向するように、配置されている。
なお、上記構成において、この例では、回転子21のうち上記出力軸23と上記回転側補助部材24とは、軸受14,14を軸方向の一方側(図1中の上側)及び軸方向の他方側(図1中の下側)から挟み込んで固定する軸受固定部を構成している。そして、回転電機1の製造時においては、例えば、2つの軸受14,14を挟み込むようにして、出力軸23と回転側補助部材24とからなる上記軸受固定部を備えた回転子21が、固定用補助部材19を用いてベース部12に組み付けられる。その後、固定子13を内包するハウジング11が、ベース部12に組み付けられる。そして、最後に、回転子21の軸方向一方側(図1中の上側)に上記回転カバー22が取り付けられる。
<回転動作の概略>
上記構成において、固定子13の複数の電機子コイル16に電力が給電されることで、ハウジング11の内部に交番磁界が発生する。そして、回転子21の永久磁石25がそれら交番磁界による引力と斥力とを受けることで出力軸23にトルクを発生し、回転部20全体が回転する。
<回転カバー>
そして、回転子21には、固定子13の軸方向一方側(図1中の上側)の端部を覆うように、回転カバー22が連結されている。図2、図3、及び前述の図1に示すように、回転カバー22は、全体が略ドーナツ形状(環状)の円板部材であり、ハウジング11(又は固定子13でもよい)との間に、内部空間4が形成される。回転カバー22は、例えば出力軸23のフランジ部23aに図示しないボルトなどで取り付けられる。これにより、回転カバー22は、ハウジング11の上記軸方向一方側(図1及び図3中上側)の開口端を覆うように、配置される。そして、回転カバー22の上記軸方向他方側(図1及び図3中下側)の底面と固定子13の電機子コイル16との間には、間隙3が設けられている。
回転カバー22は、上記軸方向と直交する径方向(図1、図3中の左右方向)に延設された平板部22bと、平板部22bの外周に一体に形成された円筒部22cと、を備えている。平板部22bには、上記出力軸23の上記軸方向一方側端部が突出するための開口22aが、径方向中心部に形成されている。また平板部22bは、出力軸23のフランジ部23aに図示しないボルトで取り付けるためのボルト穴22dが形成されている。円筒部22cは、ハウジング11の径方向外側を覆うように平板部22bから軸方向に延設される。また、円筒部22cは、ハウジング11(又は固定子13でもよい)との間に、上記内部空間4の径方向外周部に連通する、所定の防塵通路100を形成する。
また、回転カバー22のうち、固定子13側の部位(具体的には上記内部空間4に臨む、平板部22bの裏面)には、被検出部28が設けられている。この被検出部28は、平板部22bの裏面で円筒部22cの内側に沿うように全周に形成された、エンコーダパターンスリットである(図2参照)。なお、この例では、このエンコーダパターンスリットは、平板部22bを貫通しない凹みスリットとなっている。このようにエンコーダパターンスリットからなる被検出部28を形成することにより、既存の回転カバー22をそのまま利用し、部品点数を増加させることなく被検出部28を構築することができる。
このとき、ハウジング11の他方(図1において図中の上側)の開口端には、被検出部28と対向するように、図3に示すように、検出部18が配置されている。この例では、検出部18は、被検出部28の位置を光学的に検出する発光素子と受光素子とからなる光学式の位置検出センサである。検出部18は、アーム状(又は板状)の支持部材17を介して、ハウジング11に支持されている。言い換えれば、検出部18及び被検出部28は、内部空間4に臨むように、支持部材17及び回転カバー22にそれぞれ設けられている。
以上説明したように、本実施形態の回転電機1は、固定子13の径方向内側に回転子21が対向配置される、いわゆるインナーロータ型として構成される。また、防塵を行うための回転カバー22が、回転子21に連結して設けられる。そして、その回転カバー22に設けられた被検出部28を、検出部18が光学的に検出することにより、回転子21の回転方向位置を検出することができる。
このとき、回転カバー22は、固定子13の上記軸方向一方側の端部を覆うように設けられることから、回転カバー22の外径を、固定子13の制約を受けることなく比較的大径とすることができる。これにより、当該大径の回転カバー22に設けられる被検出部28において上記エンコーダパターンスリットのスリット数を多くすることができ、高い分解能を容易に確保することができる。この結果、回転子21の回転方向位置を高精度に検出することができる。
また、本実施形態では特に、検出部18は、内部空間4において周囲環境に晒されることなく被検出部28の検出を行うことができ、ゴミや塵埃等の付着により検出精度が低下するおそれがない。この結果、回転子21の回転方向位置を確実に高精度に検出することができる。
また、本実施形態では特に、回転カバー22が平板部22bと円筒部22cとを備え、平板部22bに対し軸方向に対向するように検出部18が配置される。これにより、容易かつ確実に高精度な検出を行うことができる。また、内部空間4の外周部に連通するように、円筒部22cとハウジング11との間に防塵通路100を形成することにより、さらに確実に内部空間4の防塵を図ることができる。
また、本実施形態では特に、上述したように、回転電機1の製造時において、被検出部28が設けられる回転カバー22は、最後の工程で取り付けられる。これにより、検出部18による検出の初期設定や使用開始後の再設定のために被検出部28の位置決めや各種調整が必要となった場合でも、(前述の組み付け順序に沿って)回転カバー22の取り付け工程より前に既に組み付けられた、ベース部12、軸受14,14、軸受固定部(出力軸23及び回転側補助部材24の結合体)、回転子21、ハウジング11等を取り外すことなく、簡単に位置決めや各種調整を行うことができる。
また、本実施形態では特に、回転側補助部材24が上記一方の軸受14を上記軸方向一方側から固定するとともに、出力軸23が上記他方の軸受14を上記軸方向他方側から固定する。そして、これら出力軸23及び回転側補助部材24が互いに連結されて、回転子21の上記軸受固定部が構成される。これにより、回転子21が、上記2つの軸受14,14を介しベース部12に対して回転可能に支持される構造を、容易かつ確実に実現することができる。
なお、開示の実施形態は、上記の構成に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形の一例を説明する。
<回転カバーにディスクを設けた場合>
上記実施形態では、回転カバー22のうち固定子13側の部位に位置する平板部22bの裏面に、被検出部28としてのエンコーダパターンスリットが設けられたが、これに限られない。すなわち、例えば、上記図1及び図3に対応する図4及び図5に示すように、回転カバー22のうち固定子13側の部位(詳細には平板部22bの裏面)に、ディスクからなる被検出部28を設けてもよい。すなわち、このディスクには、例えば円筒部22cの内側に沿う全周に、バーコードやエンコーダパターンスリット等が形成されている。このディスクは、例えば平板部22bの裏面に貼り付けられている。
本変形例においては、上記実施形態と同様の効果に加え、以下の効果を得る。すなわち、回転カバー22の平板部22bに被検出部28としてのディスクが固定されることにより、回転カバー22そのものに対しエンコーダパターンスリット加工を行うことなく、容易に被検出部28を構築することができる。また、既存の回転カバー22に対し後付けでディスクを取り付けることで、容易に被検出部28とすることができる。
なお、以上では、回転電機1が、電動機である場合の例を説明したが、電動機ではなく発電機である場合にも適用することができる。
以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、上記実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
1 回転電機
2 磁気的空隙
4 内部空間
10 固定部
11 ハウジング
12 ベース部
13 固定子
14 軸受
15 積層コア
16 電機子コイル
18 検出部
20 回転部
21 回転子
22 回転カバー(カバー)
22b 平板部
22c 円筒部
23 出力軸
24 回転側補助部材
25 永久磁石
28 被検出部
100 防塵通路

Claims (7)

  1. 固定子と、
    磁気的空隙を介して前記固定子の径方向内側に対向配置された回転子と、
    前記回転子に連結され、前記固定子の軸方向一方側の端部を覆うカバーと、
    前記カバーのうち前記固定子側の部位に設けられた被検出部と、
    前記被検出部の位置を光学的に検出する検出部と、
    を有することを特徴とする回転電機。
  2. 前記カバーは、
    前記固定子若しくは当該固定子に固定された固定部材との間に、所定の内部空間を形成し、
    前記被検出部は、
    前記内部空間に臨むように、前記カバーの前記固定子側の部位に設けられており、
    前記検出部は、
    前記内部空間に臨むように、前記固定子若しくは前記固定部材に設けられている
    ことを特徴とする請求項1記載の回転電機。
  3. 前記カバーは、
    径方向に延設される平板部と、
    前記固定子側の径方向外側を覆うように前記平板部から前記軸方向に延設されるとともに、前記固定子若しくは前記固定部材との間に、前記内部空間の径方向外周部に連通する所定の防塵通路を形成する、円筒部と、
    を備えており、
    前記被検出部は、
    前記内部空間に臨むように、前記平板部に設けられている
    ことを特徴とする請求項2記載の回転電機。
  4. 前記被検出部は、
    前記平板部に形成されたスリットであることを特徴とする請求項3記載の回転電機。
  5. 前記被検出部は、
    前記平板部に固定されたディスクである
    ことを特徴とする請求項3記載の回転電機。
  6. 前記回転子を回転可能に支持する軸受と、
    少なくとも1つの前記軸受を固定するベース部と、
    をさらに有し、
    前記回転子は、
    前記少なくとも1つの軸受を、前記軸方向一方側及び軸方向他方側から挟み込んで固定する軸受固定部を備える
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の回転電機。
  7. 前記ベース部は、
    前記軸方向一方側の第1軸受及び前記軸方向他方側の第2軸受がそれぞれ固定されており、
    前記軸受固定部は、
    前記第1軸受を前記軸方向一方側から固定する第1部材と、
    前記第2軸受を前記軸方向他方側から固定するとともに、前記固定子の径方向内側に対向する永久磁石を径方向外側に備え、前記第1部材に連結される第2部材と、
    を備えることを特徴とする請求項6記載の回転電機。
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