JP2014177582A - 半芳香族ポリアミドおよびその製造方法 - Google Patents

半芳香族ポリアミドおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低分子量のポリマーの生成を抑制し吸水性が抑制された半芳香族ポリアミドの提供。
【解決手段】芳香族ジカルボン酸成分、脂肪族ジアミン成分およびモノカルボン酸成分からなり、分子量分布曲線において、ピーク全体の面積を100%としたときの、分子量が7000以下の割合が30%以下であることを特徴とする半芳香族ポリアミド、およびモノカルボン酸成分の分子量が140以上であることを特徴とする前記半芳香族ポリアミド。
【選択図】なし

Description

本発明は、吸水性が抑制された半芳香族ポリアミドに関する。
半芳香族ポリアミドは、耐熱性が高く、機械的特性に優れていることから、電気・電子部品用成形体、自動車用成形体として広く用いられている。半芳香族ポリアミドの製造方法として、本出願人は、その製造の容易さから、特許文献1のように、粉末の形状を保ちながらナイロン塩の合成をおこない、さらに固相重合で高分子量化する方法を提案している。
国際公開2012/070457号パンフレット
しかしながら、前記製造方法においては、末端封止剤としてモノカルボン酸を用いた場合には、低分子量のポリマーが生成しやすく、結果的に吸水性が低下しやすいという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するものであって、吸水性が抑制された半芳香族ポリアミドを提供することを目的とする。
本発明者らは、このような問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、モノカルボン酸成分の分子量と含有量を特定の範囲とし、脂肪族ジアミンの添加開始から終了までの時間のうち、半分よりも後半の時間に、モノカルボン酸の90モル%以上を添加することにより、低分子量のポリマーの生成を抑制し吸水性が抑制された半芳香族ポリアミドが得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]芳香族ジカルボン酸成分、脂肪族ジアミン成分およびモノカルボン酸成分からなり、分子量分布曲線において、ピーク全体の面積を100%としたときの、分子量が7000以下の割合が30%以下であることを特徴とする半芳香族ポリアミド。
[2]モノカルボン酸成分の分子量が140以上であることを特徴とする[1]記載の半芳香族ポリアミド。
[3]モノカルボン酸成分が、半芳香族ポリアミドを構成するモノマーに対して、1.0モル%以上であることを特徴とする[1]または[2]記載の半芳香族ポリアミド。
[4]芳香族ジカルボン酸成分が、テレフタル酸であることを特徴とする[1]〜[3]いずれかに記載の半芳香族ポリアミド。
[5]脂肪族ジアミン成分が、1,10−デカンジアミンであることを特徴とする[1]〜[4]いずれかに記載の半芳香族ポリアミド。
[6][1]〜[5]いずれかに記載の半芳香族ポリアミドを成形してなることを特徴とする成形体。
[7]芳香族ジカルボン酸が粒子の状態を保つように芳香族ジカルボン酸に液状のモノカルボン酸と脂肪族ジアミンを添加してナイロン塩を作製し、得られたナイロン塩を高分子量化して重合物を得る製造方法において、脂肪族ジアミンの添加開始から終了までの時間のうち、半分よりも後半の時間に、モノカルボン酸の90モル%以上を添加することを特徴とする[1]〜[6]いずれかに記載の半芳香族ポリアミドの製造方法。
本発明によれば、低分子量のポリマーの生成を抑制し吸水性が抑制された半芳香族ポリアミドを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の半芳香族ポリアミドは、芳香族ジカルボン酸成分と脂肪族ジアミン成分とモノカルボン酸成分とから構成される。
本発明の半芳香族ポリアミドを構成する芳香族ジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸が挙げられ、中でも、テレフタル酸が好ましい。芳香族ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を含有することにより、耐熱性を向上させることができる。芳香族ジカルボン酸成分は、2種以上の芳香族ジカルボン酸を併用してもよい。
本発明においては、ジカルボン酸成分として、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸や、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸を含有してもよい。脂肪族ジカルボン酸や脂環式ジカルボン酸を含有させる場合、その含有量は、原料モノマーの総モル数に対し、5モル%以下であることが好ましく、実質的に含まないことがより好ましい。
本発明の半芳香族ポリアミドを構成する脂肪族ジアミン成分としては、例えば、1,2−エタンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミンが挙げられ、中でも、汎用性が高く、耐熱性が向上することから、1,10−デカンジアミンが好ましい。脂肪族ジアミン成分は、2種以上の脂肪族ジアミンを併用してもよい。
本発明においては、ジアミン成分として、シクロヘキサンジアミン等の脂環式ジアミンや、キシリレンジアミン、ベンゼンジアミン等の芳香族ジアミン等のジアミン成分を含有してもよい。脂環式ジアミンや芳香族ジアミンを含有させる場合、その含有量は、原料モノマーの総モル数に対し、5モル%以下とすることが好ましく、実質的に含まないことがより好ましい。
本発明の半芳香族ポリアミドには、必要に応じて、カプロラクタムやラウロラクタム等のラクタム類、アミノカプロン酸や11−アミノウンデカン酸等のω−アミノカルボン酸を含有してもよい。
本発明の半芳香族ポリアミドを構成するモノカルボン酸成分としては、脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸が挙げられ、中でも、脂肪族モノカルボン酸が好ましい。脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、カプリル酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸が挙げられる。中でも、汎用性が高いことから、ステアリン酸が好ましい。脂環族モノカルボン酸としては、例えば、4−エチルシクロヘキサンカルボン酸、4−へキシルシクロヘキサンカルボン酸、4−ラウリルシクロヘキサンカルボン酸が挙げられる。芳香族モノカルボン酸としては、例えば、4−エチル安息香酸、4−へキシル安息香酸、4−ラウリル安息香酸、アルキル安息香酸類、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸およびそれらの誘導体が挙げられる。モノカルボン酸成分は、2種以上のモノカルボン酸を併用してもよい。
本発明において、モノカルボン酸成分の含有量は、半芳香族ポリアミドを構成する全モノマーに対して、1.0モル%以上であることが好ましく、1.5モル%以上であることがより好ましい。含有量が1.0モル%未満の場合、吸水率が高くなる場合がある。
本発明において、モノカルボン酸成分の分子量は、140以上であることが好ましく、170以上であることがより好ましい。モノカルボン酸成分の分子量が140とすることにより、より吸水率を低下させることができる。なお、本発明において、モノカルボン酸の分子量は、原料のモノカルボン酸の分子量を指す。
本発明においては、含有量を、半芳香族ポリアミドを構成する全モノマーに対して、1.0モル%以上としたり、モノカルボン酸成分の分子量を140以上とすることにより、さらに、成形時の溶融流動性を向上させたり、高温使用時のアウトガスの発生を抑制したりすることができる。
半芳香族ポリアミドは、融点が300℃以上であることが好ましく、310℃以上であることがより好ましい。半芳香族ポリアミドの融点を高くすることにより、より高温環境下における成形体として使用することができる。
本発明の半芳香族ポリアミドは、96%硫酸中、25℃、濃度1g/dLで測定した場合の相対粘度が、1.8以上であることが好ましく、1.8〜2.8であることがより好ましく、1.9〜3.5であることがさらに好ましい。なお、相対粘度は、分子量の指標とすることができる。
本発明の半芳香族ポリアミドにおいては、分子量分布曲線のピーク全体の面積100%に対して、分子量が7000以下の割合が30%以下である必要があり、25%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましい。分子量が7000以下の割合が30%を超える場合、ポリマー末端に存在するカルボキシル基が多くなり、親水性が高まり吸水率が高くなるので好ましくない。
本発明の半芳香族ポリアミドは、芳香族ジカルボン酸成分と、脂肪族ジアミン成分と、モノカルボン酸成分とからナイロン塩を得る工程(i)と、得られたナイロン塩を重合する工程(ii)からなる方法により製造することができる。
工程(i)においては、芳香族ジカルボン酸が粒子の状態を保つように芳香族ジカルボン酸に液状のモノカルボン酸と脂肪族ジアミンを添加する。工程(i)においては、半芳香族ジカルボン酸は固体、モノカルボン酸と脂肪族ジアミンは液体となっているため、半芳香族ジカルボン酸と、モノカルボン酸および脂肪族ジアミンを容易に反応させることができる。
工程(i)においては、水の含有量を芳香族ジカルボン酸、モノカルボン酸、脂肪族ジアミンの合計量に対して5質量%以下とすることが好ましい。水の含有量を5質量%以下とすることにより、ゲル化の原因となるトリアミンの副生量を低減することができ、高品質な芳香族ポリアミドを作製することができる。
また、工程(i)において、ジアミン、モノカルボン酸の添加方法はいずれも特に限定されないが、例えば、連続的に添加したり、適量ずつ間欠的に添加したりする方法が挙げられる。
本発明においては、工程(i)の脂肪族ジアミンの添加開始から終了までの時間のうち、半分よりも後半の時間(以下、「ジアミン添加工程後半」と略称する。)に、モノカルボン酸の90モル%以上を添加することが好ましい。この方法を採ることにより、分子量分布曲線のピーク全体の面積100%に対して、分子量が7000以下の割合が30%以下となる分布量分布を得ることができる。
工程(ii)においては、工程(i)で得られたナイロン塩を、最終的に生成する半芳香族ポリアミドの融点未満の温度で固相重合し、所定の分子量まで高分子量化させ、半芳香族ポリアミドを得る。固相重合は、重合温度180〜270℃、反応時間0.5〜10時間で、窒素等の不活性ガス気流中でおこなうことが好ましい。
工程(i)および工程(ii)の反応装置としては、特に限定されず、公知の装置を用いればよい。工程(i)と工程(ii)を同じ装置で実施してもよいし、異なる装置で実施してもよい。また、加熱の方法としては、特に限定されないが、水、蒸気、熱媒油等の媒体にて反応容器を加熱する方法、電気ヒーターで反応容器を加熱する方法、攪拌により発生する攪拌熱等内容物の運動に伴う摩擦熱を利用する方法が挙げられる。また、これらの方法を組み合わせてもよい。
半芳香族ポリアミドの製造において、重合の効率を高めるため重合触媒を用いてもよい。重合触媒としては、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸またはそれらの塩が挙げられ、重合触媒の添加量は、通常、原料モノマーの総モル数に対して、2モル%以下で用いることが好ましい。
本発明の半芳香族ポリアミドは、必要に応じて、各種添加剤を加えてもよい。添加剤としては、例えば、繊維状強化材、板状強化材、耐衝撃改良材、帯電防止剤、導電付与剤、熱伝導性充填材、脂肪族ポリアミド、非晶性ポリアミド、熱安定剤、光安定剤、摺動性改良材、難燃剤、難燃助剤、顔料が挙げられる。添加剤は、単独で用いてもよいし、併用してもよい。
繊維状強化材としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、アスベスト繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、全芳香族ポリアミド繊維、ポリベンズオキサゾール繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維、ケナフ繊維、竹繊維、麻繊維、バガス繊維、高強度ポリエチレン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維、チタン酸カリウム繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維、スチール繊維、セラミックス繊維、玄武岩繊維、セピオライト、パリゴルスカイトが挙げられる。繊維状強化材を添加することにより、機械的強度を向上させることができる。中でも、耐熱性が高く、入手しやすいことからガラス繊維、炭素繊維、金属繊維が好ましい。繊維状強化材は2種以上併用してもよい。繊維状強化材は、シランカップリング剤で表面処理されていてもよい。シランカップリング剤としては、例えば、ビニルシラン系、アクリルシラン系、エポキシシラン系、アミノシラン系が挙げられ、半芳香族ポリアミドとの密着性が高いことから、アミノシラン系カップリング剤が好ましい。
繊維状強化材の平均繊維長は、0.1〜7mmであることが好ましく、0.5〜6mmであることがより好ましい。繊維状強化材の平均繊維長が0.1〜7mmであることにより、成形性に悪影響を及ぼすことなく、半芳香族ポリアミドの機械的特性を向上させることができる。また、平均繊維径は3〜20μmであることが好ましく、5〜13μmであることがより好ましい。平均繊維径を3〜20μmとすることにより、溶融混練時に折損を減らしながらも、半芳香族ポリアミドの機械的特性を向上させることができる。断面形状は、円形断面であることが好ましいが、必要に応じて、長方形、楕円(偏平)、それ以外の異形断面であってもよい。
繊維状強化材を用いる場合、その含有量は、半芳香族ポリアミド100質量部に対し、5〜200質量部とすることが好ましく、10〜180質量部とすることがより好ましく、20〜150質量部とすることがさらに好ましく、30〜130質量部とすることが最も好ましい。
上記添加剤の添加方法は特に限定されないが、二軸混練機を用いた溶融混練法が好適に用いられる。混練温度は、半芳香族ポリアミドの融点以上とすることが必要であり、(融点+100℃)未満とすることが好ましい。混練温度を半芳香族ポリアミドの融点以上、(融点+100℃)未満とすることにより、混練機が過負荷となり、ベントアップすることを抑制しながらも、半芳香族ポリアミドの分解、黄変を抑制することができる。混練した樹脂組成物はストランドとし、ペレット化することが好ましい。
本発明の半芳香族ポリアミドやそれを用いてなる樹脂組成物を射出成形することにより、成形体とすることができる。射出成形に用いる射出成形機としては、特に限定されないが、例えば、スクリューインライン式射出成形機、プランジャ式射出成形機が挙げられる。射出成形機のシリンダー内で加熱溶融された半芳香族ポリアミドやその樹脂組成物は、ショットごとに計量され、金型内に溶融状態で射出され、所定の形状で冷却、固化された後、成形体として金型から取り出される。射出成形時の樹脂温度は、半芳香族ポリアミドの融点以上とすることが必要であり、(融点+100℃)未満とすることが好ましい。なお、半芳香族ポリアミドを射出成形に用いる場合は、半芳香族ポリアミドは十分に乾燥していることが好ましい。射出成形に用いる半芳香族ポリアミドの水分率は、0.3質量%未満であることが好ましく、0.1質量%未満であることがより好ましい。
本発明の半芳香族ポリアミドは、Tダイ押出、インフレーション成形等の公知の製膜方法により、フィルムやシートに成形することができる。本発明の半芳香族ポリアミドを成形してなるフィルムやシートは、例えば、スピーカー振動板、フィルムコンデンサの用途に用いることができる。
また、本発明の半芳香族ポリアミドは、溶融紡糸法、フラッシュ紡糸法、エレクトロスピニング法等の公知の紡糸方法により、各種繊維に成形することができる。本発明の半芳香族ポリアミドを成形してなる繊維は、例えば、エアーバッグ基布、耐熱フィルター、ラジエータホース用補強用繊維、ブラシ用ブリッスル、釣糸、タイヤコード、人工芝、絨毯、魚網、ロープ、フィルター用繊維、座席シート用繊維の用途に用いることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
1.分析方法
半芳香族ポリアミドの物性測定は以下の方法によりおこなった。
(1)融点
パーキンエルマー社製示差走査型熱量計DSC−7を用い、昇温速度20℃/分で350℃まで昇温した後、350℃で5分間保持し、降温速度20℃/分で25℃まで降温した。25℃で5分間保持後、再び昇温速度20℃/分で昇温測定した際の吸熱ピークのトップを融点とした。
(2)相対粘度
96%硫酸を溶媒とし、濃度1g/dL、25℃で、相対粘度を測定した。
(3)メルトフローレート(MFR)
JIS規格K−7210に準拠して、荷重1.2kgf/cm、温度350℃の条件下、測定した。
(4)分子量が7000以下の割合
東ソー社製ゲル浸透クロマトグラフィ装置を用い、下記条件で調整した試料溶液にてGPC分析をおこなった後、ポリメチルメタクリレート(ポリマーラボラトリーズ社製)を標準試料として作成した検量線を用いて、分子量分布を作成した。その後、作成した分子量分布を用いて、分子量分布曲線のピーク全体の面積を100%として面積%を算出した。
<試料調製>
ポリアミド5mgに10mMトリフルオロ酢酸ナトリウム含有ヘキサフルオロイソプロパノール2mLを加えて溶解後、ディスクフィルターで濾過した。
<条件>
・検出器:示差屈折率検出器RI−8010(東ソー社製)
・溶離液:10mMトリフルオロ酢酸ナトリウム含有ヘキサフルオロイソプロパノール
・カラム:東ソー社製 TSKgel GMHHR−H
・流速:0.4mL/分
・温度:40℃
(5)吸水性
半芳香族ポリアミドを十分に乾燥した後、射出成形機(東芝機械社製EC100)を用いて射出成形をおこない、127mm×12.7mm×1.6mmの成形体を作製した。その際、シリンダー温度は325℃、射出圧力は100MPa、射出時間は8秒、取り出し時間は12秒とした。
得られた成形体を90℃の水に100時間浸漬し、浸漬前後の成形体の質量から吸水率を算出した。
吸水率は、2.0質量%以下が好ましく、1.85質量%以下がより好ましい。
2.原材料
用いた原材料を以下に示す。
(1)芳香族ジカルボン酸成分
・TPA:テレフタル酸(融点:300℃以上)
・IPA:イソフタル酸(融点:300℃以上)
(2)脂肪族ジアミン成分
・DDA:1,10−デカンジアミン(融点:62℃)
・HMDA:1,6−ヘキサンジアミン(融点:42℃)
・NDA:1,9−ノナンジアミン(融点:36℃)
(3)モノカルボン酸成分
・STA:ステアリン酸(分子量:284、融点:70℃)
・CP:カプリル酸(分子量:144、融点:15〜17℃)
・LA:ラウリン酸(分子量:200、融点:44〜46℃)
・BHA:ベヘン酸(分子量:341、融点:74〜78℃)
・BA:安息香酸(分子量:122、融点:122℃)
・CA:カプロン酸(分子量:116、融点:−3℃)
実施例1
芳香族ジカルボン酸成分として粉末状のTPA4.70kgと、重合触媒として次亜リン酸ナトリウム一水和物9.3gとを、リボンブレンダー式の反応装置に入れ、窒素密閉下、回転数30rpmで撹拌しながら150℃に加熱した。その後、温度を150℃に保ち、かつ回転数を30rpmに保ったまま、液注装置を用いて、脂肪族ジアミン成分として120℃に加温したDDA5.15kgを、2.5時間かけて連続的(連続液注方式)に添加し、脂肪族ジアミンの添加開始から1.5時間後と2時間後に、モノカルボン酸成分としてSTAを0.075kg(総モノカルボン酸量の50質量%)ずつ添加し、ナイロン塩を得た。原料のモノマー比は、TPA:DDA:STA=48:50:2であった。反応中、反応熱による温度上昇を制御し、温度を173℃で保持した。
その後、得られたナイロン塩を、同じ反応装置で、窒素気流下、250℃、回転数30rpmで8時間加熱して重合し、半芳香族ポリアミドを得た。
実施例2〜23、比較例1〜5
樹脂組成、製造条件を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして半芳香族ポリアミドを得た。
実施例1〜23、比較例1〜5で得られた半芳香族ポリアミドの樹脂組成、製造条件、樹脂特性を表1に示す。
実施例1〜23の半芳香族ポリアミドは、ジアミン添加工程後半にモノカルボン酸の90モル%以上を添加して製造したため、分子量分布曲線のピーク全体の面積100%に対して、分子量が7000以下の割合が30%以下であった。その結果、安息香酸の全量を芳香族ジカルボン酸とともに仕込んで製造した従来品である比較例1の半芳香族ポリアミドよりも吸水率が低かった。
実施例1〜3、14、15、18〜23の半芳香族ポリアミドと実施例4、7〜13の半芳香族ポリアミドとの対比から、分子量が140以上のモノカルボン酸を、半芳香族ポリアミドを構成する全モノマー成分に対して、1.0モル%以上含有している場合は、安息香酸を用いた半芳香族ポリアミドと対比して、MFRが5g/10分以上も高いことがわかる。
比較例1〜5では、ジアミン添加工程後半に添加されるモノカルボン酸量を90モル%以上としなかったため、得られた半芳香族ポリアミドは、分子量分布曲線のピーク全体の面積100%に対して、分子量が7000以下の割合が30%を超えていた。

Claims (7)

  1. 芳香族ジカルボン酸成分、脂肪族ジアミン成分およびモノカルボン酸成分からなり、分子量分布曲線において、ピーク全体の面積を100%としたときの、分子量が7000以下の割合が30%以下であることを特徴とする半芳香族ポリアミド。
  2. モノカルボン酸成分の分子量が140以上であることを特徴とする請求項1記載の半芳香族ポリアミド。
  3. モノカルボン酸成分が、半芳香族ポリアミドを構成するモノマーに対して、1.0モル%以上であることを特徴とする請求項1または2記載の半芳香族ポリアミド。
  4. 芳香族ジカルボン酸成分が、テレフタル酸であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の半芳香族ポリアミド。
  5. 脂肪族ジアミン成分が、1,10−デカンジアミンであることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の半芳香族ポリアミド。
  6. 請求項1〜5いずれかに記載の半芳香族ポリアミドを成形してなることを特徴とする成形体。
  7. 芳香族ジカルボン酸が粒子の状態を保つように芳香族ジカルボン酸に液状のモノカルボン酸と脂肪族ジアミンを添加してナイロン塩を作製し、得られたナイロン塩を高分子量化して重合物を得る製造方法において、脂肪族ジアミンの添加開始から終了までの時間のうち、半分よりも後半の時間に、モノカルボン酸の90モル%以上を添加することを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の半芳香族ポリアミドの製造方法。
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