JP2014176867A - 鋳片引抜装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数のストランドで構成された連続鋳造設備30に設けられていて、鋳片32を引き抜く一対のピンチロール6を備えた少なくとも1つのロールスタンド2と、ピンチロール6に回転駆動力を付与する駆動装置3と、駆動装置3からロールスタンド2に回転駆動力を伝える伝達軸4とを備えた鋳片引抜装置1において、前記駆動装置3は、前記ロールスタンド2の下方であって、当該駆動装置3に備えられた出力軸13が上方に向くように配置され、前記出力軸13には、伝達軸4が連結されている。
【選択図】図1
Description
特許文献1は、多ストランドの湾曲型連続鋳造設備において、曲率半径が異なる湾曲部の上流位置と下流位置及び水平部の鋳辺案内通路に沿って配置する各ピンチロールユニットの上方の架構上に電動機及び減速機等の駆動装置を搭載し、該駆動装置の駆動力を下方のピンチロール側へ伸びる長尺なユニバーサルスピンドルを介して駆動ロール端部に設置したウォーム減速機に伝える構成とし、かつ、上記湾曲部の曲率の異なる上流位置と下流位置及び水平部の3ヵ所に配置する各ピンチロールユニットに組み込む上記駆動ロールは、鋳片を挟む上下一対のロールを鋳片案内方向に沿って複数対間隔をあけて組み込み、これら複数対の上下ロールは、上下ロールの中心を結ぶ互いに平行となるとともに上ロールの下ロールに対する摺動方向が平行となるように設定し、上記3ヵ所に配置するピンチロールに互換性を持たせた鋳片引抜装置を開示する。
また、特許文献1及び特許文献2の鋳片引抜装置以外に、鋳片引抜装置としては、特許文献3のものがある。
しかしながら、特許文献1〜特許文献3に開示されたような鋳片引抜装置では、駆動装置がロールスタンドのほぼ真上に配置されており、このロールスタンドを連続鋳造設備の上方に引き上げて外部へ取り出す場合、ロールスタンドと駆動装置とが干渉する虞がある。また、特許文献3に開示された鋳片引抜装置においては、同文献の図2に示すように、ロールスタンドが、No.1ストランド、No.2ストランド、No.3ストランドでそれぞれ異なる形式のもの用いられており、鋳片引抜装置を交換する際に用いられる交換用のガイドレールを設置することができない問題もある。
そこで、本発明は、上記問題点を鑑み、定期点検及び交換などのメンテナンスをする際に、連続鋳造設備から外部へ取り出すことが容易とされた鋳片引抜装置を提供することを目的とする。
本発明に係る鋳片引抜装置は、複数のストランドで構成された連続鋳造設備に設けられていて、鋳片を引き抜く少なくとも一対のピンチロールを備えた少なくとも1つのロールスタンドと、前記ピンチロールに回転駆動力を付与する駆動装置と、前記駆動装置からロールスタンドに回転駆動力を伝える伝達軸とを備えた鋳片引抜装置において、前記駆動装置は、前記ロールスタンドの下方であって、当該駆動装置に備えられた出力軸が上方に向くように配置され、前記出力軸には、伝達軸が連結されていることを特徴とする。
好ましくは、前記駆動装置に連結された伝達軸は、各ストランドに向かって上方に延設され、前記ロールスタンドの動力入力部に連結されているとよい。
好ましくは、前記駆動装置を構成する電動機用減速機に備えられた回転出力軸は、当該の軸心が鋳片を引き抜く方向に対して、水平面への投影において交差するように配置されているとよい。
図3には、本実施形態の鋳片引抜装置1が備えられる連続鋳造設備30の概略が示されている。
図3に示される連続鋳造設備は、多ストランド用の湾曲型の連続鋳造設備30であり、鋳型31の下端から引き抜かれた鋳片32(ブルーム、ビレット)は、複数のサポートロール33で支持されつつ緩やかに曲げられ、最後は水平方向に引き抜かれるようになる。つまり、連続鋳造設備30は、鋳型31の下端を始端部として湾曲状にパスラインが終端部まで延びている。
図3に示すように、連続鋳造設備30は、溶鋼を一時的に蓄え鋳型31へ注入するタンディッシュ34と、溶鋼を鋳造する鋳型31と、鋳型31から出たブルーム等の鋳片32
を支えつつ移送する複数のサポートロール33とを有している。また、パスラインの中途部から終端部の間(図3中のA)の複数位置に鋳片引抜装置1が配備されている。
パスラインに沿って引き抜かれた鋳片32は、各サポートロール33で保持されながら、鋳片引抜装置1が配備された湾曲状のパスラインの始端部から終端部に向けて通過する。その時、鋳片32はパスラインを通過している間に冷却(2次冷却)されている。そして、冷却されて水平になった鋳片32は、下流側に備えられたガス切断機(図示せず)で所定の長さに切断され、鋳片32が形成される。
図1、図2に示す如く、鋳片引抜装置1は、鋳型31から搬送される鋳片32を挟持して引き抜く上下一対のピンチロール6を複数備えたロールスタンド2と、各ピンチロール6に回転駆動力を付与する駆動装置3と、駆動装置3からロールスタンド2に回転駆動力を伝える伝達軸4と、を備えている。加えて、駆動装置3からの回転駆動力を所定の回転速度に減速するロールスタンド用減速機5が取付けられている。
サイドフレーム7の下方には、パスラインに垂直で外方突出状にフランジが設けられたベースフレーム8が備えられている。このベースフレーム8は、基礎床面Fに対してボルト等の締結具(図示せず)を介して締結される。サイドフレーム7の下端部にはパスラインに垂直で外方突出状にフランジが設けられ、ベースフレーム8の上端部にはパスラインに垂直で外方突出状にフランジが設けられ、ボルト等の締結具(図示せず)を介して突出状フランジ部が相互に締結される。これにより、ロールスタンド2はベースフレーム8を介して基礎床面Fに固定される。また、上下一対のピンチロール6を上下方向で互いに近接離間可能に枢支するロール枢支機構9がロールスタンド2に備えられている。
ロールスタンド2に備えられたピンチロール6に回転駆動力を付与する駆動装置3は、駆動用電動機11と、この電動機に連結される電動機用減速機12と、この減速機12と
それぞれのピンチロール6に設けられているウォーム減速機とを連結する伝達軸4と、を備えている。この駆動装置3は、ロールスタンド2の下側に形成された床面M(地下床面)に、上下一対のピンチロール6に対応する台数分配置されている。
なお、本実施形態に採用しているロールスタンド2の作動態様及び駆動力伝達構造は、基本的に従来のものと変わりはないので、その詳細な説明は省略する。
本発明に係る鋳片引抜装置1は、図3のAに示す位置、すなわち連続鋳造設備30の曲げ部(湾曲部)から矯正部にかけて配置されているものである。
図1は、本発明の鋳片引抜装置1を正面から見た図であり、紙面の左右方向が装置における左右方向とする。また、図2(b)は、No.2ストランドに配備された鋳片引抜装置1をロールスタンド用減速機5側から見た側面図であって、図1のB側から見た図であり、図2(a)は、図2(b)のC−C断面図(平面図)であり、紙面の左をパスラインの上流側、紙面の右をパスラインの下流側とする。つまり、紙面の左側から右側に向かって鋳片が引き抜かれるようにとなっている。
まず、No.1ストランド(#1)に配置された鋳片引抜装置1のロールスタンド2は、図1に示す如く、ロールスタンド用減速機5(動力入力部)が左側になるように配置されている。
図1に示すように、駆動装置3は、駆動用電動機11と、この駆動用電動機11の側方に設置された電動機用減速機12Aと直交ギヤボックス12Bとで構成されている。電動機用減速機12Aの出力軸と直交ギヤボックス12Bの入力軸とはカップリング(図示せず)を介して連接されている。駆動用電動機11は横置きとされ、駆動用電動機11の回転出力軸は電動機用減速機12Aに入力される。電動機用減速機12Aで減速された回転駆動力は、直交ギヤボックス12Bの上面から上方突出状に設けられた出力軸13へと出力される。この出力軸13と伝動軸4の下端側がユニバーサルジョイントで連結されている。このように横置きで駆動装置3を配備することで、地下空間の高さを低くすることができる。
12Bが配備されているが、駆動用電動機11の右側に電動機用減速機12Aと直交ギヤボックス12Bが配備されていてもよい。また、電動機用減速機12Aの回転出力軸と直交ギヤボックス12Bの回転入力軸とを平行に配置するのが好ましいが、これら回転出力軸と回転入力軸とを平行にすることができない場合は、例えば等速ボールジョイントなどの等速自在継手を使用すればよい。
また、図2(b)のC−C断面である図2(a)に示す如く、駆動装置3は、床面Mの上面に連続鋳造設備30の上流側から下流側(鋳片引抜方向)に向けて連なるように複数配置されており、電動機用減速機12Aに備えられた回転出力軸は、当該回転出力軸の軸心が鋳片を引き抜く方向に対して、水平面への投影において交差(直交)するように配置されている。つまり、電動機用減速機12Aの回転出力軸の軸心を含む垂直方向の平面と、鋳片を引き抜く方向を含む垂直方向の平面とが交差するように配置されている。
(前後方向とも呼ぶ)に沿って一列に並んで配置することで、ロールスタンド2の上方の空間を大きく空けることができる。これにより、鋳片引抜装置1(ロールスタンド2)の交換を容易にすることができる。
また、図4に示すように、駆動用電動機11と電動機用減速機12Aとが一体として構成されている駆動装置3を上下方向に直立した状態、すなわち出力軸13を上方に向くように配備してもよい。この場合、直交ギヤボックス12Bを用いなくても、出力軸13と伝達軸4とを連結することができる。このように駆動装置3を直立した状態で配備することで、隣接配置が可能となり、地下空間におけるスペースを小さくすることができる。すなわち、駆動装置3の配置の自由度が向上するようになる。
また、伝達軸4として、ヨーク式のようなユニバーサルジョイントで連結されたスピンドル軸を採用したが、等速ボールジョイントなどの等速自在継手で連結されたスピンドル軸を伝達軸4として採用してもよい。
また、本実施形態では、図3に示すように、連続鋳造設備30の矯正部(水平部)に配置された鋳片引抜装置1について詳細に説明したが、パスラインの湾曲部などに配置された鋳片引抜装置1であっても適用可能である。
2 ロールスタンド
3 駆動装置
4 伝達軸(ユニバーサルスピンドル)
5 ロールスタンド用減速機(動力入力部)
6 ピンチロール
7 サイドフレーム
8 ベースフレーム
9 ロール枢支機構
10 入力軸
11 駆動用電動機
12A 電動機用減速機
12B 直交ギヤボックス
13 出力軸
30 連続鋳造設備
31 鋳型
32 鋳片
33 サポートロール
34 タンディッシュ
35 浸漬ノズル
F 基礎床面
M 床面(地下床面)
Claims (4)
- 複数のストランドで構成された連続鋳造設備に設けられていて、鋳片を引き抜く少なくとも一対のピンチロールを備えた少なくとも1つのロールスタンドと、前記ピンチロールに回転駆動力を付与する駆動装置と、前記駆動装置からロールスタンドに回転駆動力を伝える伝達軸とを備えた鋳片引抜装置において、
前記駆動装置は、前記ロールスタンドの下方であって、当該駆動装置に備えられた出力軸が上方に向くように配置され、
前記出力軸には、伝達軸が連結されていることを特徴とする鋳片引抜装置。 - 前記駆動装置は、一のストランドと当該一のストランドに隣接する他のストランドとの間であってその下方に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の鋳片引抜装置。
- 前記駆動装置に連結された伝達軸は、各ストランドに向かって上方に延設され、前記ロールスタンドの動力入力部に連結されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鋳片引抜装置。
- 前記駆動装置を構成する電動機用減速機に備えられた回転出力軸は、当該の軸心が鋳片を引き抜く方向に対して、水平面への投影において交差するように配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鋳片引抜装置。
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