JPH059185B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔本発明の技術分野〕 本発明は金属薄板の連続鋳造装置における水冷
鋳造ロールの交換方法に関する。

〔背景技術〕

近年、圧延作業の合理化の一環として、例え
ば、ホツトストリツプミルへ供給する被圧延材
（スラブ）をホツトストリツプ成品厚さにより近
く薄肉厚化することによつて、粗圧延工程を含む
大幅な圧延工程の省略ならびに省エネルギ効果を
期待せんとしている。

〔従来の連続鋳造装置〕

このため、第１図の如き金属薄板連続鋳造装置
が提案されている。第１図はその要部の構成を示
す略示的側面図で、互いに反対方向（矢印方向）
に同期的に回転する一対の水冷構造から成る鋳造
ロール１，１′間に、タンデツシユ８からノズル
４を介して溶融金属（以下溶湯と呼ぶ。）３を供
給し、鋳造ロール１，１′の表面に接触させて冷
却することにより凝固シエル９を形成せしめて金
属薄板の鋳片５を鋳造し、ガイドロール６，６′
を経てピンチロール７により所定の速度で引抜
き、次工程へ送り出す如く構成されている。な
お、図中、２，２′は一対のサイドダムで、耐火、
断熱材料で構成され、鋳造ロール１，１′間に溶
湯３を溜め、かつ、外部への漏出を防止するた
め、鋳造ロール１，１′の両側端部に圧接されて
いる。

〔従来の上記装置の欠点〕

この装置では、鋳造作業の進行に伴い、鋳造ロ
ール１，１′及びサイドダム２，２′の表面が摩耗
ならびに熱変形等のより使用に耐えられなくなつ
たり、あるいは、要求される金属薄板の断面寸法
の変化による対応するため、しばしば、鋳造ロー
ル及びサイドダム部材を新品又は所要サイズのも
のと交換したり、修理したりする必要がある。こ
れらの作業は、いずれも、電気炉等からの溶湯３
の出湯タイムスケジユールに追従する必要があ
り、極めて短時間内の作業を要求される。しかし
乍ら、従来、これらの作業は、設備の運転を停止
し、天井クレーン等を使用し、オンラインにおい
て実施されていた。ところが、作業対象部材１，
１′には冷却用配管（図示せず。）が装着されてお
り、これら配管の接続を解除して各部材を取外
し、クレーンにより整備工場へ運搬すると共に、
新しい部材を組込む必要があるが該部分はスペー
スが挟隘であることと相乗して、極めて多くの労
力と時間がかかり、そのため設備の稼働率低下に
よる生産性の低下、及び保守費の増大に加え、作
業の安全確保の点からも好ましくないという欠点
があつた。

〔本発明の目的〕

そこで、本発明は、上記従来装置の欠点を解消
する連続鋳造装置に於ける水冷鋳造ロールの交換
方法を提供することを目的とする。

〔本発明の構成〕

そして、本発明は、上記目的を達成する手段と
して、一対の水冷鋳造ロールをユニツト化する点
にある。すなわち、本発明は、双ロール式連続鋳
造装置の水冷鋳造ロールの交換方法において、一
対の水冷鋳造ロール及びサイド堰をフレームで支
持し、該フレームに走行用車輪を設け、鋳造時に
は、鋳造位置の架台に設けた位置決め装置によ
り、水冷鋳造ロールを固定し、水冷鋳造ロールの
交換時には、上記位置決め装置を開放し、上記架
台上のレールから交換用のレール上に水冷鋳造ロ
ール走行させることを特徴とする水冷鋳造ロール
の交換方法である。

以下第２〜４図に基づいて本発明を詳細に説明
する。第２図は本発明における水冷鋳造ロール部
分の正面図であり、第３図はその側面図、第４図
はその平面図である。なお、以下この第２〜４図
によつて説明するが、前述した第１図に示す従来
の連続鋳造装置と同一部材については同一符号を
付してあり、この部分は同一の作用効果が生ずる
ものであるから、説明を省略する。

水冷鋳造ロールユニツト１０は、第２〜４図の
如く、一対の水冷鋳造ロール１，１′を軸受１１
を介して、フレーム１２上に回転自在に取付け、
それぞれカツプリング１３，１３′及びユニバー
サルジヨイント１４，１４′を介して図示しない
動力駆動装置へ連結される。

一方、一対の鋳造ロール１，１′の両側面には
一対のサイドダム２，２′を当接する如くフレー
ム１２上に固設し、該フレーム１２中央下部に
は、鋳片５導出用ガイドロール６を回転自在に装
着する。

また、フレーム１２は車輪１５を介して固定レ
ール１６，１７及び一対の可動レール１８，１
８′上を該フレーム１２に設置した動力走行装置
（図示せず。）又は人力により走行可能な如く装着
される。前記固定レール１６，１７は架台１９上
に敷設され、可動レール１８，１８′は下部のレ
バー１８ａ，１８a′を介して、それぞれ、架台１
９に突設したブラケツト２０，２０′にピン２１
にて連結され、架台１９に設置した一対のジヤツ
キ２２，２２′により、ピン２１を支点に上・下
移動可能であると共に、該可動レール１８，１
８′が上昇限位置において、前記固定レール１６，
１７と共通軌道を形成する如く構成されている。
また、フレーム１２は、可動レール１８，１８′
が下限位置にある場合は、架台１９に設けたフレ
ーム１２用固定台２３，２３′上に載置されると
共に、該固定台２３，２３′に突出した少なくと
も一対のノツクピン２４とフレーム１２下面に設
けたピン孔とが嵌合し、固定され、前記可動レー
ル１８，１８′の上昇限位置ではノツクピン２４
はピン孔から完全に離脱される如く構成されてい
る。

なお、図中、２５はフレーム１２の位置決め用
ストツパ、６′は複数のガイドロール、２６はそ
の支持フレーム、Ｚは薄板鋳片５の進行方向を示
す。

また、第５〜８図中、２７は移動台車で、フレ
ーム２８、車輪２９、接続レール３０及び図示し
ない動力走行装置からなり、固定レール３１上を
走行する。また接続レール３０は各レール１７，
３２，３３と共通軌道を形成する如く装着され
る。なお、第５〜７図において、３４，３５は
各々補修場及び保管場を示しａ，a′は移送分岐
部、ｂは移動台車２７用待機用レールを示す。

以下本発明の水冷鋳造ロールの交換方法の実施
例をあげて、本発明をより詳細に説明する。

〔第１実施例〕 第５図α〜第５図γは、本発明の第１実施例を
説明するための図であつて、これは３ストランド
配列（No.１、No.２、No.３）の連続鋳造設備の場合
の例である。なお第５図γは第５図αのＡ−Ａ線
矢視図であり、第５図βは第５図αの他の例を示
す一部拡大詳細図である。

まづ、オンライン位置のNo.１ストランドの水冷
鋳造ロールユニツト１０において、第２〜４図に
示す各鋳造ロール１，１′を、カツプリング１３，
１３′部でユニバーサルジヨイント１４，１４′か
ら切り離すと共に、鋳造ロール用冷却水配管（図
示省略）の接続を切り離す。つぎに、ジヤツキ２
２，２２′を作動させて、可動レール対１８，１
８′を上昇位置に持ち上げた後、ロールユニツト
１０を、走行装置または人力により固定レール１
６，１７上を移動させて、待機中の移動台車２７
上の接続レール３０上へ載置する〔この状態が第
５図γの点線で図示するものである〕。つぎに、
移動台車２７を走行装置または人力によつて固定
レール３１に沿つて移送分岐部ａ〔又は移送分岐
部a′〕へ移送する。ここでロールユニツト１０を
レール３２を介して補修場３４へ移送した後、保
管場３５に待機中の整備ずみの予備鋳造ロールユ
ニツト１０′を、レール３３を介して移動台車２
７上へ移し、前記と逆の経路を経てNo.１ストラン
ド上へ移送すると共に、位置決め用ストツパ２５
により所定位置に停止せしめる。つぎに、前記と
逆の手順で可動レール１８，１８′を下降せしめ
ると、ロールユニツト１０′は自動的にノツクピ
ン２４により固定台２３，２３′上に固着される。
ついで、カツプリング１３，１３′及び水冷配管
等を接続することにより、鋳造ロールユニツト１
０′の組込みを完了する。以下、同様にして各ス
トランドの鋳造ロールユニツトを交換することが
できる。

つぎに、補修場３４のロールユニツト１０は、
ラインの操業期間中に適宣整備を行つた後、移動
台車２７の接続レール３０を使用して保管場３５
へ移し、待機させておく。

以上移動台車２７ １台の例を第５図α〜γに
て説明したが、台車２７は複数でもよく、待機用
のレールｂを設けることにより、いつそうのスピ
ードアツプが可能となる。すなわち、第５図αに
示す３ストランド（No.１〜No.３）に対し、補修場
３４及び保管場３５は各々２ラインで、全ストラ
ンドのロールユニツトを同時処理する場合に移動
台車１台がライン上に残つたり、他の台車のスム
ーズな運行を妨げたりすることがあるため、待機
場（すなわち待機用レールｂ）を設けて移動台車
の臨機応変な移動とライン上のメンテナンススピ
ードのアツプを図るのである。第５図βに示すよ
うに補修場３４及び保管場３５の如く、ロールユ
ニツト１０，１０′を配置してもよい。

〔第２実施例〕 第６図は、本発明の第２実施例を説明するため
の図であり、これは単ストランド配列の場合の例
であつて、補修場３４と保管場３５が共用となつ
ているものである。この場合の水冷鋳造ロールユ
ニツト１０の交換手段は、前記第１実施例に準じ
て実施できるものである。

〔第３実施例〕 第７図は、本発明の第３実施例を説明するため
の図である。これは単ストランド配列の場合の例
であつて、円形レール３６による交換方法を示す
ものである。交換手段は第１実施例に準じて行う
ものである。

以上、本発明の実施例につき説明したが、勿論
本発明はかかる実施例にのみ局限されるものでは
なく、本発明の精神を逸脱しない範囲内の設計改
変を施しうるものである。

〔本発明の効果〕

本発明は、以上詳記したように、水冷鋳造ロー
ルをユニツト化したものであるから、設備の操業
に無関係に、オフラインにおいて、要求される鋳
片寸法に対応する鋳造ロールの設定が可能とな
り、設定ずみのロールユニツトを交換することに
より鋳片寸法の変更が極めて短期間内に実施でき
る。さらにまた、オフラインにて鋳造ロールの補
修が可能となるので、定常的なロール補修が可能
となり、ブレークアウト等の突発事故にも安定的
に対応できる。

以上のことから本発明では、鋳片寸法変更、定
期修理及び突発事故時の鋳造ロール交換作業時間
の大幅な短縮による設備の稼動率向上、ならび
に、省力化による保守費の低減と作業の安全性を
向上させる等の利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の連続鋳造装置の側面図であ
る。第２図は本発明に於ける水冷鋳造ロール部分
の正面図、第３図はその側面図、第４図はその平
面図である。第５図α〜γは本発明の第１実施例
を説明するための図であり、第５図γは第５図α
のＡ−Ａ線矢視図であり、第５図βは第５図αの
他の例を示す一部拡大詳細図である。第６図及び
第７図は本発明の第２及び第３実施例を説明する
ための図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 双ロール式連続鋳造装置の水冷鋳造ロールの
   交換方法において、一対の水冷鋳造ロール及びサ
   イド堰をフレームで支持し、該フレームに走行用
   車輪を設け、鋳造時には、鋳造位置の架台に設け
   た位置決め装置により、水冷鋳造ロールを固定
   し、水冷鋳造ロールの交換時には、上記位置決め
   装置を開放し、上記架台上のレールから交換用の
   レール上に水冷鋳造ロールを走行させることを特
   徴とする水冷鋳造ロールの交換方法。