JP2014176815A - フィルタープレス - Google Patents

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Abstract

【課題】ろ室内に備えた4枚のろ布を有効活用して処理量を増大するフィルタープレスの提供。
【解決手段】複数のろ板10・・・を並列してろ板10の間にろ過室を形成し、各ろ過室に二組の一対のろ布13a、13bを配設すると共に、それぞれ一対のろ布13a、13bの間でろ過室12a、12bを形成したフィルタープレスにおいて、一方の一対のろ布13aが形成するろ過室12aと、他方の一対のろ布13bが形成するろ過室12bに、順次原液を供給して固液分離を行うことを特徴としたフィルタープレス。
【選択図】図3

Description

本発明は、ろ板間に一対のろ布を二組有することでろ過室を2つ形成し、段階的に原液を供給することでろ板間の4枚のろ布を有効に活用し、ろ過能力の向上を図ったフィルタープレスに関する。
従来、複数のろ板を並列し、ろ板間に一対のろ布を備えるフィルタープレスは、一対のろ布間に原液を圧入し、ろ布によって固液分離が行われる。この時、一対のろ布間がろ過室となり、それぞれのろ布の内側がろ過面となるため、一つのろ過室に対しろ布は2面で固液分離を行うこととなる。
ここで、ろ板間に一対のろ布を備え、更にそのろ布間に2枚のメッシュ体を配設したフィルタープレスが特許文献1の図4に開示されている。ろ布間に備えられた2枚のメッシュ体は、ろ過室に形成された脱水ケーキが付着しやすく、脱水終了後のケーキ排出時に、ろ過面となるろ布にケーキが付着しないようにしている。
特開平03−242207
特許文献1では、一対のろ布間に2枚のメッシュ体を配設することで、ろ板間のろ過室は三つに分けられることになる。しかし、分けられたろ過室に同時に原液供給するのであれば、ろ過面としては両端のろ布しか機能せず、ろ過能力的には従来の一対のろ布を用いた時と変わらない。
本発明は、ろ板間に一対のろ布を二組配設することでろ過室を二つ形成し、フィルタープレスの運転方法を工夫することで、中央の2枚のろ布を固液分離に有効活用し、ろ過能力の向上を図ったフィルタープレスを提供する。
本発明のフィルタープレスは、複数のろ板を並列してろ板間にろ過室を形成し、各ろ過室に二組の一対のろ布を配設すると共に、それぞれ一対のろ布間でろ過室を形成したフィルタープレスにおいて、一方の一対のろ布が形成するろ過室と、他方の一対のろ布が形成するろ過室に、順次原液を供給して固液分離を行うことで、ろ過室中央の2枚のろ布でも固液分離を行うことができるため、ろ過面は増大し、処理量の向上を図ることができる。
また、前記ろ過室へ原液を供給する工程は、一方のろ過室に原液を圧入する一次圧入工程と、一次圧入工程後に他方のろ過室に原液を圧入する二次圧入工程とを備えることで、圧入による固液分離を二段階で行える。
前記二次圧入工程の圧入圧力は、前記一次圧入工程の圧入圧力より高圧で行うことで、一次圧入工程で形成したケーキに圧搾作用を与えるため、よりケーキ含水率を低下させることができる。
前記二次圧入工程後、前記ろ板内に配設したダイアフラムにより圧搾を行う圧搾工程を備えることで、形成したすべてのケーキに圧搾作用を与え、さらなるケーキ含水率の低下が望める。また、2室のケーキを一体的に圧搾するため、含水率が異なる場合は均一にすることができる。
本発明に係るフィルタープレスは、ろ板間に一対のろ布を二組配設することでろ過室を二つ形成し、通常2面でろ過するところを、4面でろ過できるようにしたものである。
計4枚のろ布により分けられたろ過室に、同時ではなく順次圧入することで、先の圧入により2面ろ過が行われ、後の圧入により2面ろ過が行われるため、合計4面でのろ過が可能となる。4面でのろ過となるためろ過面積は増大し、ろ過能力の向上が図れる。
後の圧入を先の圧入より高い圧力で行えば、先の圧入により形成された脱水ケーキが圧力を受け、圧搾作用が得られる。
脱水性の良い原液の場合は、先の圧入のみの2面ろ過でろ過厚みを大きくし、脱水性の悪い原液の場合は後の圧入により分割したろ室の厚みを薄くするなどして、原液の性状によってろ室厚の変更が可能となる。後の圧入終了後、ろ板のダイアフラムによる圧搾を行えば、さらにケーキ含水率を低下させることができる。分割した二つのろ過室が一体的に圧搾されるため、ケーキの均一化も図れる。
本発明に係るフィルタープレスの側面図である。 同じく、フィルタープレスの平面図である。 同じく、フィルタープレスの脱水ユニットの断面図である。 同じく、ろ板下部の要部断面図である。 同じく、ろ過室中央の2枚のろ布の下部正面図。 同じく、ろ板の正面図である。 同じく、ろ板の断面図である。 同じく、フィルタープレスのケーキ剥離装置の概略側面図である。 同じく、他のケーキ剥離装置の概略側面図である。 同じく、環状ろ布のケーキ剥離装置の概略側面図である 同じく、ろ布走行式フィルタープレスのろ板間に吊るす一対のろ布の斜視図である。 同じく、ろ布走行式フィルタープレスのケーキ剥離装置の側面図である。 同じく、ろ布走行式フィルタープレスのろ布走行後のケーキ剥離装置の側面図である。 同じく、ろ布走行式フィルタープレスのろ板間に吊るしたろ布吊装置の要部側面図である。 同じく、一次圧入時の脱水ユニット断面図である。 同じく、二次圧入時の脱水ユニット断面図である。 同じく、圧搾工程の脱水ユニット断面図である。
図1は本発明に係るフィルタープレスの側面図である。
フィルタープレス1は、フロントフレーム2とリアフレーム3に支架されたガイドレール4上に脱水ユニット5が水平方向に並列に配設されている。脱水ユニット5は、ガイドレール4上を移動自在に支架され、ガイドレール4に沿って例えば電動シリンダーや油圧シリンダーの駆動力により往復移動する開閉装置6で締め付けられる。
図2は本発明に係るフィルタープレスの平面図である。
原液供給ポンプ7は原液供給管8a、8bを介してフィルタープレス1に原液を供給する。原液供給管8a、8bにはそれぞれ弁Va、Vbが配設されている。
脱水ユニット5には圧搾流体供給管9が連通している。
図3は本発明に係るフィルタープレスの脱水ユニットの断面図である。
脱水ユニット5は、凹状に形成されたろ過床を有するろ板10を対向してろ過室12を形成してある。一方のろ板10にはダイアフラム11を設けており、ダイアフラム11は内部に圧力流体を注入することで膨張する。
ろ板10、10間には、4枚のろ布13が配設されている。ろ布13は二組の一対のろ布13a、13bとし、二組の一対のろ布13a、13bは、それぞれ一対のろ布間にろ過室12を形成し、一方の一対のろ布13aはろ過室12aを、他方の一対のろ布13bはろ過室12bを形成する。
ろ板10とろ布13aLとの間、ダイアフラム11とろ布13bRとの間、並びにろ過室12中央の2枚のろ布13aR、13bL間からろ液が排出される。
ろ過室12の上部には、脱水しようとするスラリー等の原液をろ過室12に供給する原液供給路14が設けられている。ダイアフラム11を配設したろ板10には、ろ板10を貫通して、ダイアフラム11に至る圧搾水注入路15が形成されている。圧搾流体供給管9から供給された圧搾流体が圧搾水注入路15を介してダイアフラム11内に注入される。ろ板10の下部には、ろ過床に連通して、ろ布13を介してろ過室12から透過したろ液を外部に排出するろ液排出路16が設けられている。
図4はろ板下部の要部断面図である。
ろ板10にはろ液排出路16が設けられている。ろ板10の凹部からろ液排出路16にはろ過床よりろ液を排出する排出路16aが設けられており、ろ板間にはろ過室12中央の2枚のろ布13aR、13bL間より透過する排水をろ液排出路16に排出する排出路16bがある。ろ過室12中央の2枚のろ布13aR、13bLには、それらが当接する面に、半硬質ゴム等のリジェクタ32を固着する。リジェクタ32はろ板10のシール面の一部に挟まり、ろ液が排出路16bへ通過できるだけの隙間を形成する。
図5はろ過室中央の2枚のろ布の下部正面図である。
リジェクタ32はろ布13下部に並列して配設しており、ろ板10の排出路16bがリジェクタで塞がれない位置に貼着してある。複数のリジェクタ32間は排出路16bでケーキが形成されないように狭い幅としてケーキの流出を防いでいる。
また、リジェクタ32を配設していなくても、ろ布13の間隙のみで排水は可能である。
図3に示す脱水ユニット5の他、本実施例では両面に凹部を設けたろ板10と、両面にダイアフラム11を設けたろ板10を交互に配設した脱水ユニット5を用いているが、例えば正面に凹部を設け、裏面にダイアフラム11を設けたろ板10を並列した脱水ユニット5としても構わない。
図6は本発明に係るろ板の正面図である。
本発明では、一つのろ過室12に二組の一対のろ布13a、13bを配設しており、一対のろ布13a、13bで形成される各々のろ過室12a、12bに原液を供給する原液供給路14a、14bを別々に設けている。ろ板10上部には2つの供給口17a、17bを開口してあり、ろ板10が並列することで供給口17a、17bが連通し、原液供給路14a、14bが形成される。原液供給路14a、14bは原液供給管8a、8bと連通し、原液をろ過室12a、12bへ供給する。
図7は本発明に係るろ板の断面図である。
ろ板10、10間には二組の一対のろ布13a、13bを配設し、ろ布13にはろ板10上部の原液供給路14a、14bと対応する箇所に、それぞれ給液板18a、18bを配設する。
給液板18a、18bは原液供給路14a、14bが連通するように開口を有し、原液供給路14a、14bから原液をろ過室12a、12b内に流入させるため、開口からろ過室12a、12bに向かって分配口19a、19bを備えている。
(a)は図6のX―X断面図であって、一方の給液板18aは一方の一対のろ布13aL、13aR間に配設してある。(b)は図6のY―Y断面図であって、他方の給液板18bは他方の一対のろ布13bL、13bR間に配設してある。このように給液板18を構成することで、給液板18aから流入した原液はろ過室12aに供給され、給液板18bから流入した原液はろ過室12bに供給することができる。
図8は本発明に係るフィルタープレスのケーキ剥離装置の概略側面図である。
4枚のろ布13aL、13aR、13bL、13bRに付着するケーキの剥離装置として、図8のようにろ布13aL、13aR間、ろ布13bL、13bR間に上下走行可能なスクレーパー30を配設する。
図9は本発明に係る他のケーキ剥離装置の概略側面図であって、ろ布13上部にろ布13を加振するための加振装置31を配設してケーキ剥離装置としてもよい。
図10は、本発明に係る環状ろ布のケーキ剥離装置の概略側面図である。
(a)は、ろ板10上方とろ板10下方に設けたロール29に環状のろ布13を掛け回し、同じくろ板10、10間にも上方と下方に設けたロール29に環状のろ布13を掛け回し、駆動源によりロール29を回動させることでろ布13を走行させ、ケーキを剥離することができる。
(b)は、ろ板10、10下方に設けたロール29と、給液板18a、18b上方に設けたロール29と、給液板18a、18b間下方に設けたロール29に一枚のろ布13を掛け回し、駆動源によりロール29を回動させることでろ布13を走行させ、ケーキを剥離することができる。ロール29、給液板18は周知の技術で配設される。
図11は本発明に係るろ布走行式フィルタープレスのろ板間に吊るす一対のろ布の斜視図である。
ろ布走行式フィルタープレス1では、ろ過室12に一対のろ布13を二組並べて配設している。
一対のろ布13の上縁部は合着されており、合着部には上部ろ布芯金20が装着されている。上縁部を合着した一対のろ布13の下縁部にはそれぞれ下部ろ布芯金21が装着されている。
また、ろ布13の上部には、原液供給路14a、14bと連通する二つの開口を有しており、一方の開口には給液板18が設けられている。給液板18は原液を一対のろ布13間に流入させる。
二組の一対のろ布13a、13bの給液板18a、18bは対称的に配設される。一方の一対のろ布13aの給液板18aが設けられていない開口は、他方の一対のろ布13b上部に設けられた給液板18bの開口部に対応している。同様にして、一方の一対のろ布13aの給液板18aの開口は、他方の一対のろ布13bの給液板18bが設けられていない開口に対応している。よって、ろ板10が閉板した際に、これらの開口が連通して原液供給路14a、14bを形成する。
図12は本発明に係るろ布走行式フィルタープレスのケーキ剥離装置の側面図である。
図8、9、10のケーキ剥離機構の他、図12のように、ろ布13下端をロールに掛け回し、チェーン等でろ布13下端を吊り上げることでろ過面を下方に走行させてケーキを剥離する、ろ布走行式の剥離機構としてもよい。
ろ布走行式に用いるろ布13は、一対のろ布が二組で、計4枚のろ布13aL、13aR、13bL、13bRを用いる。
一対のろ布13a、13bに設けられた給液板18a、18bは一対のろ布間に配設され、給液板18a、18bを通った原液を分配口19a、19bより一対のろ布間に流入しているため、脱水されたケーキは一対のろ布間に形成される。
図13は本発明に係るろ布走行式フィルタープレスのろ布走行後のケーキ剥離装置の側面図である。
ろ板上部スプロケット24、ろ板間上部スプロケット28に掛け回した走行チェーン22により、各下部ろ布芯金21が引き上げられるため、ろ布13は下方へ走行した後、ろ板リターンロール26もしくはろ板間リターンロール27を介して、ろ布13下部から順に上方へ走行している。
ケーキ剥離後、ろ板上部スプロケット24、ろ板間上部スプロケット28を逆転させ、ろ布13を元の位置に戻して脱水を開始する。
ろ板間上部スプロケット28、ろ板間リターンロール27は周知の方法で、開閉板するろ板10の中間に位置するように構成している。
図14は本発明に係るろ布走行式フィルタープレスのろ板間に吊るしたろ布吊装置の要部側面図である。
二組の一対のろ布13a、13bの上縁部に挿通した上部ろ布芯金20の両端部に一対の駆動チェーン22、22が連結されている。ろ板10の肩部に一対の上部ブラケット23、23が立設されており、上部ブラケット23にろ板上部スプロケット24が軸着されている。ろ板上部スプロケット24には、一方の一対のろ布13aの駆動チェーン22aが巻き掛けられている。また、ろ板間上部には、ろ板間上部スプロケット28が配設されており、他方の一対のろ布13bの駆動チェーン22bが巻き掛けられている。
駆動チェーン22a、22bの一端は、それぞれろ布13a、13bの上縁部に配設した上部ろ布芯金20、20に連結されている。ろ板上部スプロケット24に巻き掛けてろ布13aを吊り下げた駆動チェーン22aの他端は、ろ板10の裏面側に垂下している。ろ板10の両側下端から垂下した下部ブラケット25に一対のろ板リターンロール26が支架されている。ろ布13aL下部が一方のろ板リターンロール26bに掛け回され、ろ布13aLの下部ろ布芯金21と、ろ板10の裏面側に垂下した駆動チェーン22aが係止されている。
ろ板間下方には、一対のろ板間リターンロール27が配設されている。ろ布13aR下部が一方のろ板間リターンロール27aに掛け回され、ろ布13aRの下部ろ布芯金21が、ろ板間上部スプロケット24に掛け回された駆動チェーン22bに連結されている。
ろ布13bL下部が他方のろ板間リターンロール27bに掛け回され、上記駆動チェーン22bに連結されている。
ろ布13bR下部は、隣接するろ板10の他方のろ板リターンロール26aに掛け回され、ろ布13bRの下部ろ布芯金21が隣接するろ板10のろ板上部スプロケット24から裏面側に垂下した駆動チェーン22aと係止されている。
ろ布走行中に、それぞれろ布13とろ板10が接触しないよう、ろ板上部スプロケット24、ろ板間上部スプロケット28、ろ板リターンロール26、ろ板間リターンロール27を配設し、必要であれば図11、12のようにロール29を追加して配設してもよい。
ケーキ排出時には、図示しない駆動源にてろ板上部スプロケット24、ろ板間上部スプロケット28を回動することで、ろ布13を下方へ向かって走行させ、下部ろ布芯金21が駆動チェーン22によって引き上げられる。
剥離性の良いケーキはろ板10の開板と共に落下し排出され、ろ布13aL、13aR、13bL、13bRに付着したケーキは、ろ布13がろ板リターンロール26、ろ板間リターンロール27で鋭角に反転されることで剥離される。
フィルタープレスの固液分離は以下のように行われる。
(閉板工程)
開閉装置6によって、並列して配設しているろ板10閉板し、締め付け、多数のろ過室12を形成すると共に、供給口17を連結して原液供給路14を形成する。
(一次圧入工程)
図15は本発明に係る一次圧入時の脱水ユニット断面図である。
原液供給管8aに配設している弁Vaを開くと共に、原液供給ポンプ7を起動する。
原液は原液供給管8aから原液供給路14a、給液板18aを介し、ろ過室12に配設された4枚のろ布13aL、13aR、13bL、13bRのうち、給液板18aを挟んだろ布13aL、13aR間(ろ過室12a)に圧入される。原液は各ろ過室12a内に十分に行き渡り、ろ過室12に張設されたろ布13aL、13aRによって固液分離され、圧入圧力によるろ過作用が進行する。ろ布13aL、13aR、13bL、13bRを透過して固液分離されたろ液はろ液排出路16から外部に排出される。
一次圧入工程は予め定められた一定時間の間、継続する。ろ過室12a内は固形分が蓄積し、ケーキを形成する。
脱水性が良い原液は、一次圧入のろ過室12aによる脱水で脱水工程を終了し、開板工程に移ってよいものとする。
(二次圧入工程)
図16は本発明に係る二次圧入時の脱水ユニット断面図である。
一定時間、一次圧入を行った後、ろ過室12bへ原液を圧入して固液分離する二次圧入を行う。
弁Vaを閉じてろ過室12aへの圧入を止めると共に、原液供給管8bに配設している弁Vbを開き、原液供給の流路を切り替える。原液は原液供給管8bから原液供給路14b、給液板18bを介し、給液板18bを挟んだろ布13bL、13bR間(ろ過室12b)に圧入される。原液は各ろ過室12b内に十分に行き渡り、ろ過室12に張設されたろ布13bL、13bRによって固液分離され、圧入圧力によるろ過作用が進行する。
ここで、ろ布13aRは一次圧入の際にケーキが付着しているため透過性が低く、二次圧入ではろ液を通さない。よって、ろ液はろ布13aR、13bL間を通り、下方の排出路16bより排出される。
また、ろ布13aR、13bL間には、排液性を高めるためにネット等を取り付けてもよいものとする。ネット等を配設しなくとも、排液はろ布13の間隙を通過し、下方に設けたろ液排出路16bより排出される。
ろ布13bRを透過して固液分離されたろ液はろ液排出路16aから外部に排出される。
二次圧入において、一次圧入より高い圧力で圧入を行えば、ろ過室12bを更に拡張させて、ろ過室12a内のケーキに対して圧搾作用を与えることができる。
(圧搾工程)
図17は本発明に係る圧搾工程の脱水ユニット断面図である。
一定時間、二次圧入を行った後、ろ過室12内のダイアフラム11を拡張させて、ろ過室12内のケーキに対して圧搾工程を行う。
具体的には、圧搾流体供給装置を起動する。圧搾流体は圧搾流体供給管9および圧搾水注入路15を介して、ろ板10に形成しているダイアフラム11内に圧力流体を供給し、ダイアフラム11を拡張させる。
原液は、ダイアフラム11による圧搾により、ろ布13aL、13aR、13bL、13bRで固液分離され、ろ液はろ過床に設けられたろ液排出路16a、ろ板間下方に設けられたろ液排出路16bを経て機外に排出する。
また、二次圧入の際にろ過室12a、12bで形成されたケーキの含水率が異なる場合、圧搾工程ではろ過室12a、12bを同時に圧搾するため、含水率が均一なケーキを形成することが可能となる。
圧搾工程は定められた一定時間の間継続する。
また、長時間圧入などの圧入工程のみで固液分離を行う場合は、圧搾工程を省略してもよいものとする。その際、ろ板10に配設されたダイアフラム11は不要となる。
圧搾工程は、一次圧入の後に一度行い、二次圧入の後にもう一度行うこともできる。
(開板工程)
一定時間、圧搾工程を行った後、圧搾流体供給装置を停止し、ダイアフラム11に供給された圧力流体を排出する。
開閉装置6でろ板10を一定間隔で開板する。開板したろ過室12内のケーキをケーキ剥離装置により下方に排出する。ろ布13に固着しているケーキは含水率が一定であるので、ろ布13からの剥離不良はない。
本発明に係るフィルタープレスは、一つのろ過室に4枚のろ布を配設して固液分離するもので、ろ過面を4面に増加することができ、運転方法を工夫することによって処理能力の向上やろ室数の低減が図れる。汚泥の脱水性に応じて運転方法を切り替えることができ、脱水性が良い場合は一次圧入のみとし、脱水性が悪い場合は二次圧入を行うなどして、汚泥性状の変化に適切に対応できる。また、このフィルタープレスは、二つのろ室に同時に圧入する他、二次圧入を行った後に一次圧入を行ったろ室にもう一度圧入するなど、多種多様な運転方法に対応できる。
1 フィルタープレス
10 ろ板
11 ダイアフラム
12、12a、12b ろ過室
13aL、13aR、13bL、13bR ろ布

Claims (4)

  1. 複数のろ板(10・・・)を並列してろ板間にろ過室(12)を形成し、
    各ろ過室に二組の一対のろ布(13aL、13aR、13bL、13bR)を配設すると共に、それぞれ一対のろ布間でろ過室(12a、12b)を形成したフィルタープレス(1)において、
    一方の一対のろ布(13a)が形成するろ過室(12a)と、他方の一対のろ布(13b)が形成するろ過室(12b)に、順次原液を供給して固液分離を行うことを特徴としたフィルタープレス。
  2. 前記ろ過室(12)へ原液を供給する工程は、
    一方のろ過室(12a)に原液を圧入する一次圧入工程と、一次圧入工程後に他方のろ過室(12b)に原液を圧入する二次圧入工程とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のフィルタープレス。
  3. 前記二次圧入工程の圧入圧力は、
    前記一次圧入工程の圧入圧力より高圧で行うことを特徴とする請求項2に記載のフィルタープレス。
  4. 前記二次圧入工程後、
    前記ろ板(10)に配設したダイアフラム(11)により圧搾を行う圧搾工程を備えたことを特徴とする請求項3に記載のフィルタープレス。
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