JP6086325B2 - フィルタープレスのろ液排出構造 - Google Patents
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Description
また、特許文献1には、一対のろ板間に複数のろ布を吊設し、複数のろ過室を形成するフィルタープレスが開示されている。複数のろ過室の間には、ろ過床部分が中空にされて枠状に形成されたろ板を配設しており、ろ過室間から排出されるろ液は、枠状のろ板に形成された排出口から排出することができる。
ろ板側のろ布下縁部の目止めを排出路に覆設することで、隣接するろ板間に複数組配設した一対のろ布間よりろ液が排出でき、ろ過能力が向上する。
図1は本発明に係るフィルタープレスの側面図である。
フィルタープレス1はフロントフレーム2とリアフレーム3に支架されたガイドレール4上に脱水ユニット5が水平方向に並列に配設されている。脱水ユニット5は、ガイドレール4上を移動自在に支架され、ガイドレール4に沿ってたとえば電動シリンダーや油圧シリンダーの駆動力により往復移動する開閉装置6で締め付けられる。
以下、ろ板間に配設する一対のろ布が二組の場合のフィルタープレスに基づいて説明していく。
原液供給ポンプ7は原液供給管8a、8bを介してフィルタープレス1に原液を供給する。原液供給管8a、8bにはそれぞれ弁Va、Vbが配設されている。ろ板10、10間に配設する一対のろ布13の数によって原液供給管8の数が変動し、例えば一対のろ布13をろ板10、10間に三組配設するのであれば、原液供給管8も3本となる。
脱水ユニット5には圧搾流体供給管9が連通している。
図3は本発明に係るフィルタープレスの脱水ユニットの断面図である。
脱水ユニット5は、凹状に形成されたろ過床27を有するろ板10を対向させて形成する。一方のろ板10にはダイアフラム11を設けてもよく、ダイアフラム11は内部に圧力流体を注入することで膨張させる。
一対のろ布間で形成するろ過室12に原液が供給されるため、ろ板10とろ布13aLとの間、ダイアフラム11とろ布13bRとの間、並びにろ過室12中央の2枚のろ布13aR、13bL間からろ液が排出される。
ろ板10、10間に配設する一対のろ布の数が三組以上となっても同様にろ液を排出することができる。
図4は本発明に係るろ板の正面図である。
本発明では、隣接するろ板10、10間に複数組の一対のろ布13・・・を配設し、一対のろ布13・・・で形成される複数のろ過室12・・・にそれぞれ原液を供給する原液供給路14・・・を別々に設けている。一対のろ布13を二組配設する場合だと、ろ板10上部には2つの供給口17a、17bを開口する。そして、ろ板10が並列することでそれぞれの供給口17a、17bが連通し、原液供給路14a、14bが形成される。原液供給路14a、14bは原液供給管8a、8bと接続している。原液供給路14aは原液をろ過室12aへ供給し、原液供給路14bは原液をろ過室12bへ供給する。
一対のろ布13を三組配設する場合は原液供給路14が3本必要となるため、ろ板10には供給口17を3カ所形成する必要がある。
ろ過床27にはろ布13を透過したろ液を排出する排出路16aが形成されており、シール面22には同じく排出路16bが形成されている。
本発明の実施例ではろ板10にダイアフラム11を配設しているが、図5のようにダイアフラム11を用いなくとも脱水が行える。
ろ板10、10間には二組の一対のろ布13a、13bを配設し、ろ布13にはろ板10上部の原液供給路14a、14bと対応する箇所に、それぞれ給液板18a、18bを配設する。
給液板18a、18bは原液供給路14a、14bが連通するように開口を有し、原液供給路14a、14bから原液をろ過室12a、12b内に流入させるため、開口からろ過室12a、12bに向かって分配口19a、19bを備えている。
一対のろ布13を三組配設する場合も同様に、給液板18を配設することでそれぞれのろ過室12に原液を供給することができる。
ろ板10にはろ液排出路16が設けられている。ろ過床27には、ろ過床27からろ液排出路16へろ液を排出する排出路16aが設けられており、ろ板10のシール面22には、ろ過室12中央の2枚のろ布13aR、13bL間より透過するろ液を排出する排出路16bが設けられている。
そこでろ布13には、ろ板10周縁部のシール面22で挟持される箇所に合成樹脂接着剤を塗布・含侵させて、ろ板10、10間からろ液が漏出するのを防止する目止め23を施している。ろ布13周縁部に目止め23を施せば、ろ布13又はろ板10、10間のシール性を向上させ、ろ布13を透過してろ板10、10間から漏れ出ようとするろ液の流れを遮断できる。
また、ろ布13は、ろ過床27から排出路16bの開口に対応する箇所には目止め23を施さず、ろ布13を透過したろ液を排出路16bへ誘導する。
図7は本発明に係るフィルタープレスのろ板間に吊るす一対のろ布の斜視図である。
本発明のフィルタープレス1では、隣接するろ板10、10間に一対のろ布13を二組並べて配設している。一対のろ布13の上縁部は合着されており、合着部には上部ろ布芯金20が装着されている。上縁部を合着した一対のろ布13の下縁部にはそれぞれ下部ろ布芯金21が装着されている。
また、ろ布13の上部には、原液供給路14a、14bと連通する二つの開口を有しており、一方の開口には給液板18が設けられている。給液板18は原液を一対のろ布13間に流入させる。
一対のろ布13を三組配設する場合は、ろ布13の開口が3つとなり、それぞれ対応した開口に給液板18を設けることで、それぞれ一対のろ布間に原液を供給することが可能となる。
図8は本発明に係るろ板のろ液排出部斜視図である。
ろ板10のろ枠として機能する厚肉部は、排出路16bへろ液を流入させるために様々な形態をとることができる。
図8(a)は、ろ板10のシール面22に排出路16bを穿ったもので、ろ布13は目止め23で排出路16bを塞がない位置に吊設してろ液を排出路16bに通す。
図8(b)は、排出路16bの周辺に凹部24を形成し、排出路16bの開口をシール面22より遠ざけて面圧の解放部分を設けている。排出路16bの開口が面圧の掛ったろ布13で直接塞がれることがなく、凹部24ではろ布13がシール面22から離れているため、ろ液が流入する範囲が広くなる。
図8(c)は、(b)の凹部24上方よりろ過床27に向けて複数のスリット25を形成している。スリット25はシール面22の面圧がかからないため、ろ液が流れやすくなりろ液量が増える。ろ過室12で分離されたろ液はろ過床27に設けられた排出路16aで排出されるとともに、スリット25を通って凹部24に流れ込んだろ液が排出路16bでも排出される。
図8(d)は、(b)の凹部24をろ過床27まで連通している。排出路16bの開口にろ布13の面圧が掛らないのであればこのような凹部24でもろ液の排出が可能である。
実施例では、ろ過床27aとシール面22に排出路16a、16bを形成したろ板10aと、ろ過床27bにダイアフラム11を配設したろ板10bでろ過室12を形成する。ダイアフラム11を配設したろ板10bのろ過床27bからはろ液を排出することができない。そこで、ろ板10bのシール面に排出路16cを形成し、ダイアフラム11の表面から排出路16cまでスリットを設けることで、ダイアフラム11側に透過したろ液を排出路16cへ流入させている。
開閉装置6によって、並列して配設しているろ板10a、10bを閉板し、締め付け、多数のろ過室12を形成すると共に、供給口17を連結して原液供給路14を形成する。
図10は本発明に係る原液圧入時の脱水ユニット断面図である。
原液供給管8a、8bに配設している弁Va、Vbを同時に開くと共に、原液供給ポンプ7を起動する。
原液は原液供給管8a、8bから原液供給路14a、14b、給液板18a、18bを介し、ろ板10a、10b間に配設されたろ過室12a、12bに同時に圧入される。原液は各ろ過室12内に均等に行き渡り、ろ液はろ板10aとろ布13aL間、ろ板10bとろ布13bR間、更にはろ布13aRとろ布13bL間に排出される。ろ布13を透過したろ液は、ろ過床27aに設けられた排出路16a、ろ板10a、10b下方のシール面22に設けられた排出路16b、16cを経て、ろ液排出路16より外部に排出される。この時、ろ布13に施した目止め23がろ板10a、10b間からろ液が漏れ出るのを防ぎ、ろ液を排出路16bへ案内している。
圧入工程は定められた一定時間の間、継続する。ろ過室12a、12b内は固形分が蓄積し、ケーキを形成する。
図11は本発明に係る圧搾工程時の脱水ユニットの断面図である。
一定時間汚泥の圧入を行った後、ろ板10bのダイアフラム11を拡張させて、ろ過室12内のケーキに圧搾工程を行う。
具体的には、圧搾流体供給装置を起動する。圧搾流体は圧搾流体供給管9および圧搾水注入路15を介して、ろ板10bに形成しているダイアフラム11内に圧力流体を供給し、ダイアフラム11を拡張させる。
また、圧入工程の際にろ過室12a、12bで形成されたケーキの含水率が異なる場合、圧搾工程ではろ過室12a、12bを同時に圧搾するため、含水率が均一なケーキを形成することが可能となる。
一定時間、圧搾工程を行った後、圧搾流体供給装置を停止し、ダイアフラム11に供給された圧力流体を排出する。
開閉装置6でろ板10を一定間隔で開板する。開板したろ過室12内のケーキをケーキ剥離装置により下方に排出する。ろ布13に固着しているケーキは含水率が一定であるので、ろ布13からの剥離不良はない。
5 脱水ユニット
10、10a、10b ろ板
11 ダイアフラム
12、12a、12b ろ過室
13、13a、13b、13bR、13bL ろ布
16a、16b、16c 排出路
22 シール面
23 目止め
24 凹部
25 スリット
Claims (7)
- 複数のろ板(10・・・)を開閉自在に並列し、隣接するろ板(10、10)間にろ布(13)を配設した脱水ユニット(5)を備え、ろ布(13)周縁部に施した目止め(23)をろ板(10、10)間のシール面(22)で挟持するフィルタープレス(1)において、
隣接するろ板(10、10)間に複数組の一対のろ布(13・・・)を配設し、
ろ布(13)下縁部の目止め(23)をろ板(10)下部のシール面(22)に開口した排出路(16b)の下方に形成したことを特徴とするフィルタープレスのろ液排出構造。 - 前記ろ布(13)下縁部の目止め(23)を排出路(16b)直下で最も低くなるよう施す
ことを特徴とする請求項1に記載のフィルタープレスのろ液排出構造。 - 前記一対のろ布(13)の排出路(16b)近傍に排出孔(26)を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフィルタープレスのろ液排出構造。
- 前記ろ板(10)下部のシール面(22)に凹部(24)を形成し、凹部(24)に排出路(16b)を開口したことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のフィルタープレスのろ液排出構造。
- 前記凹部(24)の上端をろ過室(12)に連通したことを特徴とする請求項4に記載のフィルタープレスのろ液排出構造。
- 前記凹部(24)からろ過室(12)まで複数のスリット(25)を形成したことを特徴とする請求項5に記載のフィルタープレスのろ液排出構造。
- 複数のろ板(10・・・)を開閉自在に並列し、隣接するろ板(10a、10b)間にろ布(13)を配設した脱水ユニット(5)を備え、ろ布(13)周縁部に施した目止め(23)をろ板(10a、10b)間のシール面(22)で挟持するフィルタープレ
ス(1)において、
ろ過床(27a)に形成した排出路(16a)及びろ板(10a)下方のシール面(22)に形成した排出路(16b)を備えるろ板(10a)と、ろ過床(27b)にダイアフラム(11)を張設してろ板(10b)下方のシール面(22)に排出路(16c)を形成したろ板(10b)との間に、二組の一対のろ布(13a、13b)を配設して脱水ユニット(5)を構成し、
ろ布(13aL、13aR)下縁部の目止め(23、23)を排出路(16b)の下方に施すとともに排出路(16b)近傍に排出孔(26)を形成し、
ろ板(10a)側のろ布(13bL)下縁部の目止め(23)を排出路(16b)の下方に施すとともに、
ろ板(10b)側のろ布(13bR)下縁部の目止め(23)を排出路(16c)に覆設する
ことを特徴とするフィルタープレスのろ液排出構造。
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