JP5999580B2 - フィルタープレスの運転方法 - Google Patents
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Description
本発明は、一対のろ布間にもう1枚ろ布を配設することでろ過室を二つに分け、原液供給方法を工夫することで、中央のろ布を固液分離に有効活用し、ろ過能力の向上を図ったフィルタープレスの運転方法を提供する。
中央のろ布により分けられたろ過室に、同時ではなく順次圧入することで、先の圧入により2面ろ過が行われ、後の圧入により1面ろ過が行われるため、合計3面でのろ過が可能となる。3面でのろ過となるためろ過面積は増大し、ろ過能力の向上が図れる。
後の圧入を先の圧入より高い圧力で行えば、先の圧入により形成された脱水ケーキが圧力を受け、圧搾作用が得られる。
フィルタープレス1は、フロントフレーム2とリアフレーム3に支架されたガイドレール4上に脱水ユニット5が水平方向に並列に配設されている。脱水ユニット5は、ガイドレール4上を移動自在に支架され、ガイドレール4に沿って例えば電動シリンダーや油圧シリンダーの駆動力により往復移動する開閉装置6で締め付けられる。
原液供給ポンプ7は原液供給管8a、8bを介してフィルタープレス1に原液を供給する。原液供給管8a、8bにはそれぞれ弁Va、Vbが配設されている。
脱水ユニット5には圧搾流体供給管9が連通している。
脱水ユニット5は、凹状に形成されたろ過床を有するろ板10を対向してろ過室12を形成してある。一方のろ板10にはダイアフラム11を設けており、ダイアフラム11は内部に圧力流体を注入することで膨張する。
ろ板10、10間には一対のろ布13L、13Rが配設され、ろ過床とろ布13Lの間、ダイアフラム11とろ布13Rの間にろ液が排出される。ろ過室12内の一対のろ布13L、13R間には、ろ過室12を前後に分割するようにもう一枚ろ布13Cを垂設することでろ過室12a、12bを形成し、ろ板10、10間には計3枚のろ布13が配設されている。
図3に示す脱水ユニット5の他、本実施例では両面に凹部を設けたろ板10と、両面にダイアフラム11を設けたろ板10を交互に配設した脱水ユニット5を用いているが、例えば正面に凹部を設け、裏面にダイアフラム11を設けたろ板10を並列した脱水ユニット5としても構わない。
本発明では、一つのろ過室12を3枚のろ布13によって2つに分割しており、分割された各々のろ過室12a、12bに原液を供給する原液供給路14a、14bを別々に設けている。ろ板10上部には2つの供給口17a、17bを開口してあり、ろ板10が並列することで供給口17a、17bが連通し、原液供給路14a、14bが形成される。
ろ布13はろ過室12に配設する3枚のろ布13L、13C、13Rで一組とし、ろ板10上部の原液供給路14a、14bと対応する2箇所に、給液板18a、18bを配設する。また、ろ布13は原液供給路14が連通するように開口を有している。
給液板18a、18bはそれぞれろ布13L、13Rに貼着しており、原液供給路14a、14bが連通するように開口を有し、原液供給路14a、14bから原液をろ過室12内に流入させるため、開口からろ過室12に向かって分配口19a、19bを備えている。
(a)は図4のX―X断面図であって、一方の給液板18aはろ布13L、13C間に配設してある。(b)は図4のY―Y断面図であって、他方の給液板18bはろ布13C、13R間に配設してある。このように給液板18を構成することで、給液板18aから流入した原液はろ過室12aに供給され、給液板18bから流入した原液はろ過室12bに供給することができる。
3枚のろ布13L、13C、13Rに付着するケーキの剥離装置として、図6のようにろ布13L、13C間、ろ布13C、13R間に上下走行可能なスクレーパー30を配設する。
(a)は、ろ板10上方とろ板10下方に設けたロール29に環状のろ布13を掛け回し、環状のろ布13が掛け回されていないろ板10に隣接する給液板18aの上方と下方に設けたロール29に環状のろ布13を掛け回し、駆動源によりロール29を回動させることでろ布13を走行させ、ケーキを剥離することができる。
(b)は、ろ板10上方下方と、給液板18a、18b上方下方に設けたロール29に、一枚のろ布13を上下交互に掛け回し、駆動源によりロール29を回動させることでろ布13を走行させ、ケーキを剥離することができる。ロール29、給液板18a、18bは周知の技術で配設される。
図6、7、8のケーキ剥離機構の他、図9のようにろ布13をロールに掛け回し、チェーン等でろ布13を牽引することによりろ過面を走行させてケーキを剥離する、ろ布走行式の剥離機構としてもよい。
ろ布走行式に用いるろ布13は一組で3枚のろ布13L、13C、13Rとする。
ろ布13Lは、上縁部と下縁部に上部ろ布芯金20と下部ろ布芯金21を備え、ろ布13C、13Rは下縁部に下部ろ布芯金21を備える。また、ろ布13C、13Rは上部で連結してある。
ろ布13L、13Rの上部には、それぞれ給液板18a、18bを備えており、ろ布13Cに向かい合う面に配設してある。ろ布13L、13C、13Rは、ろ布13L、13Rの給液板18a、18bに対応する箇所が開口しており、ろ板10が閉板した際に原液供給路14a、14bが形成できる構成としてある。
上部スプロケット24に掛け回した走行チェーン22により、各下部ろ布芯金21が引き上げられるため、ろ布13L、13Rは下方へ走行し、ろ布13Cは上方へ走行している。ケーキ剥離後、上部スプロケット24を逆転させ、ろ布13を元の位置に戻して脱水工程を開始する。
上部ロール28は上部ブラケット23に取り付けられているが、周知の方法で開閉板するろ板10の中間に位置するように構成すればよい。
ろ布13Cはろ布13Rと上部で連結してあり、ろ布13C、13Rは、ろ板10間上方に配設された上部ロール28に掛け回して垂設してある。連結されたろ布13C、13R両端には下部ろ布芯金21、21が配設され、ろ布13Rはろ板10の両側下端から垂下した下部ブラケット25に配設したリターンロール26aに掛け回してある。
ケーキ排出時には、図示しない駆動源にて上部スプロケット24を回動することで、ろ布13L、13Rを下方へ向かって走行、ろ布13Cを上方へ向かって走行させる。
剥離性の良いケーキはろ板10の開板と共に下方に落下し排出され、ろ布13L、13Rに付着したケーキは、ろ布13L、Rがリターンロール26で鋭角に反転されることで剥離される。
ろ布13Cに付着したケーキは、ろ布13Cの上部両面に配設したスクレーパー30で剥離を行う。
(閉板工程)
開閉装置6によって、並列して配設しているろ板10を閉板し、締め付け、多数のろ過室12を形成すると共に、供給口17を連結して原液供給路14を形成する。
図12は本発明に係る一次圧入時の脱水ユニット断面図である。
原液供給管8aに配設している弁Vaを開くと共に、原液供給ポンプ7を起動する。
原液は原液供給管8aから原液供給路14a、給液板18aを介し、ろ過室12に配設された3枚のろ布13L、13C、13Rのうち、給液板18aを挟んだろ布13L、13C間(ろ過室12a)に圧入される。原液は各ろ過室12a内に十分に行き渡り、ろ過室12に張設されたろ布13L、13Cによって固液分離され、圧入圧力によるろ過作用が進行する。ろ布13L、13C、13Rを透過して固液分離されたろ液はろ液排出路16から外部に排出される。
一次圧入工程は予め定められた一定時間の間、継続する。ろ過室12a内は固形分が蓄積し、ケーキを形成する。
脱水性が良い原液は、一次圧入のろ過室12aによる脱水で脱水工程を終了し、開板工程に移ってよいものとする。
図13は本発明に係る二次圧入時の脱水ユニット断面図である。
一定時間、一次圧入を行った後、ろ過室12bへ原液を圧入して固液分離する二次圧入を行う。
弁Vaを閉じてろ過室12aへの圧入を止めると共に、原液供給管8bに配設している弁Vbを開き、原液供給の流路を切り替える。原液は原液供給管8bから原液供給路14b、給液板18bを介し、給液板18bを挟んだろ布13C、13R間(ろ過室12b)に圧入される。原液は各ろ過室12b内に十分に行き渡り、ろ過室12に張設されたろ布13Rによって固液分離され、圧入圧力によるろ過作用が進行する。
ここで、ろ布13Cは一次圧入の際にケーキが付着しているため透過性が低く、二次圧入ではろ液を通さない。
ろ布13Rを透過して固液分離されたろ液はろ液排出路16から外部に排出される。
二次圧入において、一次圧入より高い圧力で圧入を行えば、ろ過室12bを更に拡張させて、ろ過室12a内のケーキに対して圧搾作用を与えることができる。
図14は本発明に係る圧搾工程の脱水ユニット断面図である。
一定時間、二次圧入を行った後、ろ過室12内のダイアフラム11を拡張させて、ろ過室内のケーキに対して圧搾工程を行う。
具体的には、圧搾流体供給装置を起動する。圧搾流体は圧搾流体供給管9および圧搾水注入路15を介して、ろ板10に配設しているダイアフラム11内に圧力流体を供給し、ダイアフラム11を拡張させる。
原液は、ダイアフラム11による圧搾により、ろ布13L、13Rで固液分離され、ろ液はろ過床に設けられたろ液排出路16を経て機外に排出する。
また、二次圧入の際にろ過室12a、12bで形成されたケーキの含水率が異なる場合、圧搾工程ではろ過室12a、12bを同時に圧搾するため、含水率が均一なケーキを形成することが可能となる。
圧搾工程は定められた一定時間の間継続する。
また、長時間圧入などの圧入工程のみで固液分離を行う場合は、圧搾工程を省略してもよいものとする。その際、ろ板10に配設されたダイアフラム11は不要となる。
一定時間、圧搾工程を行った後、圧搾流体供給装置を停止し、ダイアフラム11に供給された圧力流体を排出する。
開閉装置6でろ板10を一定間隔で開板する。開板したろ過室12内のケーキをケーキ剥離装置により下方に排出する。ろ布13に固着しているケーキは含水率が一定であるので、ろ布13からの剥離不良はない。
10 ろ板
11 ダイアフラム
12、12a、12b ろ過室
13L、13C、13R ろ布
Claims (3)
- 複数のろ板(10・・・)を並列してろ板間にろ過室(12)を形成し、
各ろ過室(12・・・)にはろ過床を覆う一対のろ布(13L、13R)を配設すると共に、一対のろ布(13L、13R)間にろ過室(12)を分割するろ布(13C)を垂設したフィルタープレス(1)の運転方法において、
前記ろ布(13C)で分割されたろ過室(12a、12b)の一方のろ過室(12a)に原液を圧入する一次圧入工程と、
一次圧入工程後に他方のろ過室(12b)に原液を圧入する二次圧入工程と、
二次圧入工程後にろ布(13L,13R、13C)を上下に走行させて脱水ケーキを剥離する開板工程と、を備えた
ことを特徴とするフィルタープレスの運転方法。 - 前記二次圧入工程の圧入圧力は、
前記一次圧入工程の圧入圧力より高圧で行うことを特徴とする請求項1に記載のフィルタープレスの運転方法。 - 前記二次圧入工程後、
前記ろ板(10)に配設したダイアフラム(11)により圧搾を行う圧搾工程を備えたことを特徴とする請求項2に記載のフィルタープレスの運転方法。
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