JP5999581B2 - フィルタープレス - Google Patents
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- Filtration Of Liquid (AREA)
Description
本発明は、一対のろ布間に、一つのろ過室を二つに分割するろ布を配設し、分けられた二つのろ過室に原液を別々に供給することでろ布を有効活用できるフィルタープレスの原液給液板を提供する。
前記給液板は、ろ過床を覆うろ布の内側に配設される。
前記ろ布は、二組の一対のろ布で構成され、一対のろ布間に給液板を配設すれば、一つのろ過室に4枚のろ布を配設して固液分離が行える。
ろ過室中央に配設したろ布により分けられた二つのろ過室に、同時ではなく順次圧入することで、先の圧入により2面ろ過が行われ、後の圧入によりケーキの付着していないろ布でもろ過が行えるため、複数面でのろ過が可能となる。複数面でのろ過ではろ過面積が増大し、ろ過能力の向上が図れる。
脱水性の良い原液の場合は、先の圧入のみの2面ろ過でろ過厚みを大きくし、脱水性の悪い原液の場合は後の圧入により分割したろ室の厚みを薄くするなどして、原液の性状によってろ室厚の変更が可能となる。後の圧入終了後、ろ板のダイアフラムによる圧搾を行えば、さらにケーキ含水率を低下させることができる。分割した二つのろ過室が一体的に圧搾されるため、ケーキの均一化も図れる。
フィルタープレス1は、フロントフレーム2とリアフレーム3に支架されたガイドレール4上に脱水ユニット5が水平方向に並列に配設されている。脱水ユニット5は、ガイドレール4上を移動自在に支架され、ガイドレール4に沿って例えば電動シリンダーや油圧シリンダーの駆動力により往復移動する開閉装置6で締め付けられる。
原液供給ポンプ7は原液供給管8a、8bを介してフィルタープレス1に原液を供給する。原液供給管8a、8bにはそれぞれ弁Va、Vbが配設されている。
脱水ユニット5には圧搾流体供給管9が連通している。
脱水ユニット5は、凹状に形成されたろ過床を有するろ板10を対向してろ過室12を形成してある。一方のろ板10にはダイアフラム11を設けており、ダイアフラム11は内部に圧力流体を注入することで膨張する。
ろ板10、10間には一対のろ布13L、13Rが配設され、ろ過床とろ布13Lの間、ダイアフラム11とろ布13Rの間にろ液が排出される。ろ過室12内の一対のろ布13L、13R間には、ろ過室12を前後に分割するようにもう一枚ろ布13Cを垂設することでろ過室12a、12bを形成し、ろ板10、10間には計3枚のろ布13が配設されている。
ろ過室12の上部には、脱水しようとするスラリー等の原液をろ過室12に注入する際の原液供給路14が設けられている。ダイアフラム11を配設しているろ板10には、ろ板10を貫通してダイアフラム11に至る圧搾水注入路15が形成されている。圧搾流体供給管9から供給された圧搾流体が圧搾水注入路15を介してダイアフラム11内に注入される。ろ板10の下部には、ろ過床に連通し、ろ布13を介してろ過室12から透過したろ液を外部に排出するろ液排出路16が設けられている。
本発明では、一つのろ過室12を3枚のろ布13によって2つに分割しており、分割された各々のろ過室12a、12bに原液を供給する原液供給路14a、14bを別々に設けている。ろ板10上部には2つの供給口17a、17bを開口してあり、ろ板10が並列することで供給口17a、17bが連通し、原液供給路14a、14bが形成される。
ろ布13はろ過室12に配設する3枚のろ布13L、13C、13Rで一組とし、ろ板10上部の原液供給路14a、14bと対応する2箇所に、給液板18a、18bを配設する。
給液板18a、18bはそれぞれろ布13L、13Rの、ろ布13Cに向かい合う面に貼着している。また、給液板18a、18bは原液供給路14a、14bが連通するように開口を有し、原液供給路14a、14bから原液をろ過室12内に流入させるため、開口からろ過室12に向かって分配口19a、19bを備えている。
(a)は図4のX―X断面図であって、一方の給液板18aはろ布13L、13C間に配設してある。(b)は図4のY―Y断面図であって、他方の給液板18bはろ布13C、13R間に配設してある。このように給液板18を構成することで、給液板18aから流入した原液はろ過室12aに供給され、給液板18bから流入した原液はろ過室12bに供給することができる。
(閉板工程)
開閉装置6によって、並列して配設しているろ板10を閉板し、締め付け、多数のろ過室12を形成すると共に、供給口17を連結して原液供給路14を形成する。
図7は本発明に係る一次圧入時の脱水ユニット断面図である。
原液供給管8aに配設している弁Vaを開くと共に、原液供給ポンプ7を起動する。
原液は原液供給管8aから原液供給路14a、給液板18aを介し、ろ過室12に配設された3枚のろ布13L、13C、13Rのうち、給液板18aを挟んだろ布13L、13C間(ろ過室12a)に圧入される。原液は各ろ過室12a内に十分に行き渡り、ろ過室12に張設されたろ布13L、13Cによって固液分離され、圧入圧力によるろ過作用が進行する。ろ布13L、13C、13Rを透過して固液分離されたろ液はろ液排出路16から外部に排出される。
一次圧入工程は予め定められた一定時間の間、継続する。ろ過室12a内は固形分が蓄積し、ケーキを形成する。
脱水性が良い原液は、一次圧入のろ過室12aによる脱水で脱水工程を終了し、開板工程に移ってよいものとする。
図8は本発明に係る二次圧入時の脱水ユニット断面図である。
一定時間、一次圧入を行った後、ろ過室12bへ原液を圧入して固液分離する二次圧入を行う。
弁Vaを閉じてろ過室12aへの圧入を止めると共に、原液供給管8bに配設している弁Vbを開き、原液供給の流路を切り替える。原液は原液供給管8bから原液供給路14b、給液板18bを介し、給液板18bを挟んだろ布13C、13R間(ろ過室12b)に圧入される。原液は各ろ過室12b内に十分に行き渡り、ろ過室12に張設されたろ布13Rによって固液分離され、圧入圧力によるろ過作用が進行する。
ここで、ろ布13Cは一次圧入の際にケーキが付着しているため透過性が低く、二次圧入ではろ液を通さない。
ろ布13Rを透過して固液分離されたろ液はろ液排出路16から外部に排出される。
二次圧入において、一次圧入より高い圧力で圧入を行えば、ろ過室12bを更に拡張させて、ろ過室12a内のケーキに対して圧搾作用を与えることができる。
図9は本発明に係る圧搾工程の脱水ユニット断面図である。
一定時間、二次圧入を行った後、ろ過室12内のダイアフラム11を拡張させて、ろ過室内のケーキに対して圧搾工程を行う。
具体的には、圧搾流体供給装置を起動する。圧搾流体は圧搾流体供給管9および圧搾水注入路15を介して、ろ板10に配設しているダイアフラム11内に圧力流体を供給し、ダイアフラム11を拡張させる。
原液は、ダイアフラム11による圧搾により、ろ布13L、13Rで固液分離され、ろ液はろ過床に設けられたろ液排出路16を経て機外に排出する。
また、二次圧入の際にろ過室12a、12bで形成されたケーキの含水率が異なる場合、圧搾工程ではろ過室12a、12bを同時に圧搾するため、含水率が均一なケーキを形成することが可能となる。
圧搾工程は定められた一定時間の間継続する。
また、長時間圧入などの圧入工程のみで固液分離を行う場合は、圧搾工程を省略してもよいものとする。その際、ろ板10に配設されたダイアフラム11は不要となる。
一定時間、圧搾工程を行った後、圧搾流体供給装置を停止し、ダイアフラム11に供給された圧力流体を排出する。
開閉装置6でろ板10を一定間隔で開板する。開板したろ過室12内のケーキをケーキ剥離装置により下方に排出する。ろ布13に固着しているケーキは含水率が一定であるので、ろ布13からの剥離不良はない。
フィルタープレスをこのように運転することで、一つのろ過室を二つに分割し、分けられたろ過室に別々に原液を供給して処理量を増大させることが可能となる。
以下、4枚のろ布を二組の一対のろ布とする。
脱水ユニット5は、凹状に形成されたろ過床を有するろ板10を対向してろ過室12を形成してある。一方のろ板10にはダイアフラム11を設けており、ダイアフラム11は内部に圧力流体を注入することで膨張する。
ろ板10、10間には、4枚のろ布13が配設されている。ろ布13は二組の一対のろ布13a、13bとし、二組の一対のろ布13a、13bは、それぞれ一対のろ布間にろ過室12を形成し、一方の一対のろ布13aはろ過室12aを、他方の一対のろ布13bはろ過室12bを形成する。
ろ板10とろ布13Lとの間、ダイアフラム11とろ布13Rとの間、並びにろ過室12中央の2枚のろ布13Lc、13Rc間からろ液が排出される。
ろ板10にはろ液排出路16が設けられている。ろ板10の凹部からろ液排出路16にはろ過床よりろ液を排出する排出路16aが設けられており、ろ板間にはろ過室12中央の2枚のろ布13Lc、13Rc間より透過する排水をろ液排出路16に排出する排出路16bがある。ろ過室12中央の2枚のろ布13Lc、13Rcには、それらが当接する面に、半硬質ゴム等のリジェクタ32を固着する。リジェクタ32はろ板10のシール面の一部に挟まり、ろ液が排出路16bへ通過できるだけの隙間を形成する。
リジェクタ32はろ布13下部に並列して配設しており、ろ板10の排出路16bがリジェクタで塞がれない位置に貼着してある。複数のリジェクタ32間は、排出路16bでケーキが形成されないように狭い幅とし、ろ液の排出を容易にしている。
また、リジェクタ32を配設していなくても、ろ布13の間隙のみで排水は可能である。
ろ布走行式フィルタープレスでは、ろ過室12に一対のろ布13を二組並べて配設している。
一対のろ布13の上縁部は合着されており、合着部には上部ろ布芯金20が装着されている。上縁部を合着した一対のろ布13の下縁部にはそれぞれ下部ろ布芯金21が装着されている。
また、ろ布13の上部には、原液供給路14a、14bと連通する二つの開口を有しており、一方の開口には給液板18が設けられている。給液板18は原液を一対のろ布13間に流入させる。
ろ板10、10間には二組の一対のろ布13a、13bを配設し、ろ布13にはろ板10上部の原液供給路14a、14bと対応する箇所に、それぞれ給液板18a、18bを配設する。
給液板18a、18bは原液供給路14a、14bが連通するように開口を有し、原液供給路14a、14bから原液をろ過室12a、12b内に流入させるため、開口からろ過室12a、12bに向かって分配口19a、19bを備えている。
(a)は図4のX―X断面図であって、一方の給液板18aは一方の一対のろ布13L、13Lc間に配設してある。(b)は図4のY―Y断面図であって、他方の給液板18bは他方の一対のろ布13R、13Rc間に配設してある。このように給液板18を構成することで、給液板18aから流入した原液はろ過室12aに供給され、給液板18bから流入した原液はろ過室12bに供給することができる。
また、他の実施例では上端部を合着した一対のろ布を二組垂下しているが、それぞれ独立したろ布を4枚垂下してもよい。
(閉板工程)
開閉装置6によって、並列して配設しているろ板10閉板し、締め付け、多数のろ過室12を形成すると共に、供給口17を連結して原液供給路14を形成する。
図15は他の実施例に係る一次圧入時の脱水ユニット断面図である。
原液供給管8aに配設している弁Vaを開くと共に、原液供給ポンプ7を起動する。
原液は原液供給管8aから原液供給路14a、給液板18aを介し、ろ過室12に配設された4枚のろ布13aL、13Lc、13Rc、13Rのうち、給液板18aを挟んだろ布13L、13Lc間(ろ過室12a)に圧入される。原液は各ろ過室12a内に十分に行き渡り、ろ過室12に張設されたろ布13L、13Lcによって固液分離され、圧入圧力によるろ過作用が進行する。ろ布13L、13Lc、13Rc、13Rを透過して固液分離されたろ液はろ液排出路16から外部に排出される。
一次圧入工程は予め定められた一定時間の間、継続する。ろ過室12a内は固形分が蓄積し、ケーキを形成する。
脱水性が良い原液は、一次圧入のろ過室12aによる脱水で脱水工程を終了し、開板工程に移ってよいものとする。
図16は他の実施例に係る二次圧入時の脱水ユニット断面図である。
一定時間、一次圧入を行った後、ろ過室12bへ原液を圧入して固液分離する二次圧入を行う。
弁Vaを閉じてろ過室12aへの圧入を止めると共に、原液供給管8bに配設している弁Vbを開き、原液供給の流路を切り替える。原液は原液供給管8bから原液供給路14b、給液板18bを介し、給液板18bを挟んだろ布13Rc、13R間(ろ過室12b)に圧入される。原液は各ろ過室12b内に十分に行き渡り、ろ過室12に張設されたろ布13Rc、13Rによって固液分離され、圧入圧力によるろ過作用が進行する。
ここで、ろ布13Lcは一次圧入の際にケーキが付着しているため透過性が低く、二次圧入ではろ液を通さない。よって、ろ液はろ布13Lc、13Rc間を通り、下方の排出路16bより排出される。
ろ布13Rを透過して固液分離されたろ液はろ液排出路16aから外部に排出される。
二次圧入において、一次圧入より高い圧力で圧入を行えば、ろ過室12bを更に拡張させて、ろ過室12a内のケーキに対して圧搾作用を与えることができる。
図17は他の実施例に係る圧搾工程の脱水ユニット断面図である。
一定時間、二次圧入を行った後、ろ過室12内のダイアフラム11を拡張させて、ろ過室12内のケーキに対して圧搾工程を行う。
具体的には、圧搾流体供給装置を起動する。圧搾流体は圧搾流体供給管9および圧搾水注入路15を介して、ろ板10に形成しているダイアフラム11内に圧力流体を供給し、ダイアフラム11を拡張させる。
原液は、ダイアフラム11による圧搾により、ろ布13L、13Lc、13Rc、13Rで固液分離され、ろ液はろ過床に設けられたろ液排出路16a、ろ板間下方に設けられたろ液排出路16bを経て機外に排出する。
また、二次圧入の際にろ過室12a、12bで形成されたケーキの含水率が異なる場合、圧搾工程ではろ過室12a、12bを同時に圧搾するため、含水率が均一なケーキを形成することが可能となる。
圧搾工程は定められた一定時間の間継続する。
また、長時間圧入などの圧入工程のみで固液分離を行う場合は、圧搾工程を省略してもよいものとする。その際、ろ板10に配設されたダイアフラム11は不要となる。
圧搾工程は、一次圧入の後に一度行い、二次圧入の後にもう一度行うこともできる。
一定時間、圧搾工程を行った後、圧搾流体供給装置を停止し、ダイアフラム11に供給された圧力流体を排出する。
開閉装置6でろ板10を一定間隔で開板する。開板したろ過室12内のケーキをケーキ剥離装置により下方に排出する。ろ布13に固着しているケーキは含水率が一定であるので、ろ布13からの剥離不良はない。
12、12a、12b ろ過室
13L、13R、13C、13Lc、13Rc ろ布
14a、14b 原液供給路
18a、18b 給液板
19a、19b 分配口
Claims (4)
- 複数のろ板(10・・・)を並列してろ板(10、10)間にろ過室(12)を形成し、
各ろ過室(12・・・)にはろ過床を覆うろ布(13L、13R)を配設すると共に、ろ過床を覆うろ布(13L、13R)間にろ過室(12)を分割するろ布(13Lc、13Rc)を垂設し、ろ板(10)を連通する二つの原液供給路(14a、14b)よりろ過室(12)に原液を供給するフィルタープレスにおいて、
前記ろ過床を覆うろ布(13L、13R)とろ過室(12)を分割するろ布(13Lc、13Rc)で二つのろ過室(12a、12b)を形成し、
ろ過室(12a、12b)にはそれぞれ原液供給路(14a、14b)より原液を流入させる給液板(18a、18b)を配設し、
ろ布(13Lc、13Rc)間の下部に並列してろ板(10)のシール面に狭持されるリジェクタ(32)と、
リジェクタ(32)に対応するろ板(10)のシール面に設けた排出路(16b)と、を備える
ことを特徴としたフィルタープレス。 - 前記給液板(18a、18b)は、ろ過室(12a、12b)を形成するろ布(13)間に配設されると共に、原液供給路(14a、14b)と連通する開口を有し、開口からろ過室(12a、12b)へ原液を流入させる分配口(19a、19b)を備えたことを特徴とする請求項1に記載のフィルタープレス。
- 前記給液板(18a、18b)は、ろ過床を覆うろ布(13L、13R)の内側に配設されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフィルタープレス。
- 前記ろ布(13L、13Lc、13Rc、13R)は、二組の一対のろ布(13a、13b)で構成され、一対のろ布(13a、13b)間に給液板(18a、18b)を配設したことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のフィルタープレス。
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