JP2014176568A - 微小針アレイ及び微小針アレイを備えた薬液注入器 - Google Patents
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Abstract
【課題】皮膚の変形を抑制しながら皮膚へ十分かつ容易に突き刺すことが可能な微小針アレイを安価に提供する。
【解決手段】微小針アレイ1は、一面21が設けられた台座部2と、台座部2の一面21から垂直に延びた少なくとも3つ以上の微小針30からなる針群3と、を備える。各々の微小針30は、先端部31と、台座部2に接続した根元部32と、を備える。針群3を構成する一部又は全部の微小針30が、多角形Pの頂点を成すように配置される。微小針30の先端部31は、多角形Pの中心Oに向かって下降するように傾斜させた傾斜面31aを有することを特徴とする。台座部2は、他面22と、他面22の側に設けられた薬液収容部23と、をさらに備え、かつ、微小針30は、先端部31から根元部32を通過し薬液収容部23まで貫通した開口部33を備えることが好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】微小針アレイ1は、一面21が設けられた台座部2と、台座部2の一面21から垂直に延びた少なくとも3つ以上の微小針30からなる針群3と、を備える。各々の微小針30は、先端部31と、台座部2に接続した根元部32と、を備える。針群3を構成する一部又は全部の微小針30が、多角形Pの頂点を成すように配置される。微小針30の先端部31は、多角形Pの中心Oに向かって下降するように傾斜させた傾斜面31aを有することを特徴とする。台座部2は、他面22と、他面22の側に設けられた薬液収容部23と、をさらに備え、かつ、微小針30は、先端部31から根元部32を通過し薬液収容部23まで貫通した開口部33を備えることが好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は、微小な注射針が複数設けられた微小針アレイ及びこの微小針アレイを備えた薬液注入器に関するものである。
昨今、健康・医療に対する国民的意識が高まる中、治療や検査で多用される注射針を使用した時の患者が受ける痛み及び皮膚ダメージ並びに精神的ストレスの軽減が要望されており、この要望に対応可能な微小な注射針が要求されている。
とりわけ、ドラッグ・デリバリーの用途では、微小針(マイクロニードル)が複数設置された微小針アレイが既に提案されている。この微小針アレイは、台座部と、台座部に対し垂直方向上側に通常延びた複数の微小針と、を備える。この微小針アレイには、薬液を患部(例えば、皮膚)に送り込むために各針の上部先端付近に薬液を塗布するだけの中実タイプ(例えば、特許文献1を参照)と、台座部から各針の先端まで延びた貫通穴をさらに備え、薬液カートリッジ等から台座部へ供給された薬液を、貫通穴を経由して各針ひいては患部へ送り込む中空タイプ(例えば、特許文献2を参照)と、に大別される。
しかしながら、従来の微小針アレイでは、微小針が接触した皮膚の表面部分が変形し、皮膚に対して微小針を十分に突き刺すことができないといった問題点が指摘されている。この問題点が発生する理由は、従来の一般的な微小針アレイを用いた場合には、皮膚表面に対して当該表面の法線方向から、多数の微小針を押し当てることになり、皮膚表面は極めて容易に変形するからであると考えられている。一方、一本のみで構成される従来の医療用注射針を使用する場合には、通常、皮膚表面に対して当該注射針を斜めに傾けて突き刺すことが多く、皮膚表面の変形は起きにくく、上述のような不具合はそれほど指摘されていない。
このような不具合へ対処するために、特許文献2では、中空部を有したケースと、このケースに設置されたマイクロニードルユニットと、を具備したマイクロニードルアレイが開示されている。上記ユニットは、上記ケースの中空部内に設置されるユニット本体と、上記ユニット本体の表面から上側に突出した複数のマイクロニードルと、を有している。
上記ユニット本体や上記ユニット本体に接続した各ニードルは、上記ケースの中空部に対して傾斜させた状態で設置される。以上のような構成のマイクロニードルアレイの使用の際は、各ニードルに注目すれば、一本ものの医療用注射針を使用した時と同様に、皮膚表面に対して各微小針を斜めに突き刺すことを可能にしたものである。
しかしながら、特許文献2に開示の技術では、上記作用効果を実現するために、アレイを、少なくとも、中空部を有したケースと、複数のユニットと、を別個に用意し、これらのユニットを、ケースに対して傾斜させた状態で設置させる必要があり、その構造が極めて複雑とならざるを得ないだけでなく、アレイ製造時の組み立て工程も容易ではない。しかも、この分野の製品は更なる小型化やコスト削減が要求されており、特許文献2に開示のアレイは、これらの要求とは相容れないものと予想される。さらに、特許文献2に開示のアレイは、医療製品に要求されることが多いディスポーザル化にも適していないものと予想される。
なお、特許文献2に開示のアレイ上の各ニードルに注目すれば、皮膚表面に対して傾斜した状態でこのニードルを当該皮膚表面に突き刺す方法は、前述の医療用注射針で従来行われている方法と何ら変わりはなく、目新しいものではない。
なお、特許文献1に開示の技術は、上記不具合の解決を目的としたものではない。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、皮膚の変形を抑制しながら皮膚へ十分かつ容易に突き刺すことが可能な微小針アレイを安価に提供することを目的とする。
さらに、本発明のもう一つの目的は、皮膚への刺通性に優れ、簡素な構造を有し、ディスポーザル化にも適した微小針アレイを提供することである。
本発明者らは、鋭意検討の末、複数の微小針が皮膚表面に接触した際の皮膚表面の動的挙動(特に、皮膚の弛み)を詳細に検討し、微小針を皮膚表面に対して法線方向に接触・進入させても皮膚表面が変形しにくい(弛みにくい)微小針の構造とこれらの微小針の配置とを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の構成・特徴を備えるものである。
(態様1)
一面が設けられた台座部と、
前記台座部の前記一面から垂直に延びた少なくとも3つ以上の微小針からなる針群と、
を備え、かつ、
前記微小針は、先端部と、前記台座部に接続した根元部と、を備え、
前記針群を構成する一部又は全部の前記微小針が、多角形の頂点を成すように配置され、
前記微小針の前記先端部は、前記多角形の中心に向かって下降するように傾斜させた傾斜面を有することを特徴とする微小針アレイ。
(態様2)
前記微小針は、前記先端部から前記根元部に向かって延びた開口部をさらに備えることを特徴とする態様1に記載の微小針アレイ。
(態様3)
前記台座部は、他面と、前記他面の側に設けられた薬液収容部と、をさらに備え、
前記微小針の前記開口部は、前記先端部から前記根元部を通過し前記薬液収容部まで延びた貫通穴であることを特徴とする態様2に記載の微小針アレイ。
(態様4)
前記台座部が、円筒状、角筒状、円錐状又は角錐状を成し、
前記微小針で構成される前記多角形の前記中心が、前記台座部の中心軸上又は前記中心軸近傍に配置されていることを特徴とする態様1〜3のいずれかに記載の微小針アレイ。
(態様5)
前記開口部の内径が30μm〜100μmであることを特徴とする態様1〜4のいずれかに記載の微小針アレイ。
(態様6)
前記傾斜面の傾斜角をθで表すと、10°≦θ≦60°に設定されていることを特徴とする態様1〜5のいずれかに記載の微小針アレイ。
(態様7)
前記微小針が前記先端部から前記台座部に向かって末広がり形状を成すことを特徴とする態様1〜6のいずれかに記載の微小針アレイ。
(態様8)
前記微小針の高さが0.5mm〜10mmであることを特徴とする態様1〜7のいずれかに記載の微小針アレイ。
(態様9)
前記台座部と前記微小針とが一体に成形されていることを特徴とする態様1〜8のいずれかに記載の微小針アレイ。
(態様10)
前記微小針が樹脂で作られていることを特徴とする態様1〜9のいずれかに記載の微小針アレイ。
(態様11)
前記樹脂が生分解性樹脂であることを特徴とする態様10に記載の微小針アレイ。
(態様12)
態様1〜11のいずれかに記載の微小針アレイを備えることを特徴とする薬液注入器。
一面が設けられた台座部と、
前記台座部の前記一面から垂直に延びた少なくとも3つ以上の微小針からなる針群と、
を備え、かつ、
前記微小針は、先端部と、前記台座部に接続した根元部と、を備え、
前記針群を構成する一部又は全部の前記微小針が、多角形の頂点を成すように配置され、
前記微小針の前記先端部は、前記多角形の中心に向かって下降するように傾斜させた傾斜面を有することを特徴とする微小針アレイ。
(態様2)
前記微小針は、前記先端部から前記根元部に向かって延びた開口部をさらに備えることを特徴とする態様1に記載の微小針アレイ。
(態様3)
前記台座部は、他面と、前記他面の側に設けられた薬液収容部と、をさらに備え、
前記微小針の前記開口部は、前記先端部から前記根元部を通過し前記薬液収容部まで延びた貫通穴であることを特徴とする態様2に記載の微小針アレイ。
(態様4)
前記台座部が、円筒状、角筒状、円錐状又は角錐状を成し、
前記微小針で構成される前記多角形の前記中心が、前記台座部の中心軸上又は前記中心軸近傍に配置されていることを特徴とする態様1〜3のいずれかに記載の微小針アレイ。
(態様5)
前記開口部の内径が30μm〜100μmであることを特徴とする態様1〜4のいずれかに記載の微小針アレイ。
(態様6)
前記傾斜面の傾斜角をθで表すと、10°≦θ≦60°に設定されていることを特徴とする態様1〜5のいずれかに記載の微小針アレイ。
(態様7)
前記微小針が前記先端部から前記台座部に向かって末広がり形状を成すことを特徴とする態様1〜6のいずれかに記載の微小針アレイ。
(態様8)
前記微小針の高さが0.5mm〜10mmであることを特徴とする態様1〜7のいずれかに記載の微小針アレイ。
(態様9)
前記台座部と前記微小針とが一体に成形されていることを特徴とする態様1〜8のいずれかに記載の微小針アレイ。
(態様10)
前記微小針が樹脂で作られていることを特徴とする態様1〜9のいずれかに記載の微小針アレイ。
(態様11)
前記樹脂が生分解性樹脂であることを特徴とする態様10に記載の微小針アレイ。
(態様12)
態様1〜11のいずれかに記載の微小針アレイを備えることを特徴とする薬液注入器。
本発明の微小針アレイによれば、先端部と、前記先端部に設けられた傾斜面と、を備えた複数の微小針を多角形の頂点を成すように台座部上に配置させつつ、各傾斜面を、この多角形の中心に向かって下降するように傾斜させた独特の構成を採用する。このため、これらの微小針を皮膚表面に接触させていくと、先端部の傾斜面が皮膚に進入する方向に微小針が進入する。言い換えれば、複数の微小針が構成する多角形の中心から放射状に広がるように微小針が皮膚に対して進入する。これらの微小針に接触した皮膚領域もこれらの針の力や移動に対応して、当該皮膚領域が上記多角形の中心から放射状に広げられるように引っ張られることになり、各微小針が当該皮膚領域に確実に刺さり易くなる。
以下、本発明を図面に示す実施例に基づき説明するが、本発明は、下記の具体的な実施例に何等限定されるものではない。なお、各図において同一又は対応する要素には同一符号を用いる。
図1〜図3は、実施例1の微小針アレイ1の構成を示した図である。特に、図1(a)及び図1(b)は、微小針アレイ1を示した斜視図及び平面図である。また、図2は、図1(b)のA−A’線で破断した断面図である。さらに、図3は、図2の微小針30を示した拡大断面図である。
(微小針アレイの構造)
実施例1の微小針アレイ1は、図1〜図3に示すように、一面21が設けられた台座部2と、台座部2の一面21から垂直(図2では上方)に延びた少なくとも3つ以上の微小針30からなる針群3とを備える。なお、本実施例では、合計12本の微小針30が一面21から垂直上方に延びた状態で設けられている。
実施例1の微小針アレイ1は、図1〜図3に示すように、一面21が設けられた台座部2と、台座部2の一面21から垂直(図2では上方)に延びた少なくとも3つ以上の微小針30からなる針群3とを備える。なお、本実施例では、合計12本の微小針30が一面21から垂直上方に延びた状態で設けられている。
(微小針アレイの用途)
実施例1の微小針アレイ1は、中空タイプ(微小針30の使用時に、図6に示した薬液カートリッジ45等の薬液供給源から微小針30へ薬液を供給するタイプ)を前提にして作られているが、本発明の微小針アレイ1は、中実タイプ(微小針30の先端部31付近に薬液の塗布を施すタイプ)にも使用可能である。
実施例1の微小針アレイ1は、中空タイプ(微小針30の使用時に、図6に示した薬液カートリッジ45等の薬液供給源から微小針30へ薬液を供給するタイプ)を前提にして作られているが、本発明の微小針アレイ1は、中実タイプ(微小針30の先端部31付近に薬液の塗布を施すタイプ)にも使用可能である。
次に、微小針アレイ1の主たる構成要素2,3(30)について、以下に詳述する。
(微小針に付与する特殊な構造及び配置)
針群3を構成する微小針30は、それぞれ、図3に示すように、先端部31と、台座部2に接続した根元部32と、を備える。
針群3を構成する微小針30は、それぞれ、図3に示すように、先端部31と、台座部2に接続した根元部32と、を備える。
実施例1の微小針アレイ1においては、以下に後述する本発明の作用効果を奏するために、幾つかの技術的工夫(特有の構造的特徴)を微小針30に付与していることに留意されたい。すなわち、針群3を構成する一部又は全部の微小針30は、多角形の頂点を成すように配置され、かつ、微小針30の先端部31は、上述の多角形の中心(図1(b)では中心点O)が存在する方向に下降するように傾斜させた傾斜面31aを有することを特徴とするものである。なお、後述する本発明の作用効果を効果的に発揮するためには、全ての微小針30が多角形の頂点位置に配設させることが望ましいが、幾つかの微小針30を、この頂点以外の任意の位置に配設させてもよい。
(本発明における多角形)
ここで、上述の多角形は、頂点の数nとした場合、n≧3の多角形P(つまり、3角形、4角形、5角形、6角形、・・・、n角形)であり、好ましくは、各辺の長さが等しい正多角形、又は正多角形に近似した形状を有した多角形であることが好ましい、なお、図4に、図1に示した実施例1とは異なる多角形を採用した場合(本発明の変形例)を示す。なお、実施例1では、図1(b)に示すように、針群3の全ての微小針30が多角形(正12角形)を構成する。また、図1(b)及び図4に示すように、正多角形P(図中、一点鎖線)を構成する針群3では、その中心Oから所定の半径rを描く円周C上にも各微小針30が配置されることになる。
ここで、上述の多角形は、頂点の数nとした場合、n≧3の多角形P(つまり、3角形、4角形、5角形、6角形、・・・、n角形)であり、好ましくは、各辺の長さが等しい正多角形、又は正多角形に近似した形状を有した多角形であることが好ましい、なお、図4に、図1に示した実施例1とは異なる多角形を採用した場合(本発明の変形例)を示す。なお、実施例1では、図1(b)に示すように、針群3の全ての微小針30が多角形(正12角形)を構成する。また、図1(b)及び図4に示すように、正多角形P(図中、一点鎖線)を構成する針群3では、その中心Oから所定の半径rを描く円周C上にも各微小針30が配置されることになる。
(微小針の配置構成により得られる本発明の作用効果)
図4中の実線の各矢印は、各微小針30の先端部31における傾斜面31aが傾斜(つまり下降)する方向を示す。一方、図4中の白抜きの各矢印は、本発明の微小針アレイ1の針群3を皮膚領域5に接触させたときに、各微小針30の先端部31が皮膚5内で局所的に移動する方向ひいては各微小針30によって皮膚領域5が引っ張られる方向を示す。
図4中の実線の各矢印は、各微小針30の先端部31における傾斜面31aが傾斜(つまり下降)する方向を示す。一方、図4中の白抜きの各矢印は、本発明の微小針アレイ1の針群3を皮膚領域5に接触させたときに、各微小針30の先端部31が皮膚5内で局所的に移動する方向ひいては各微小針30によって皮膚領域5が引っ張られる方向を示す。
なお、図5の左側(つまり、図5(a)及び図5(b))は、各微小針30の先端部31に、微小針アレイ1の外周側から中心Oに向かって下降するように傾斜面31aを設けた場合において、図5の右側(つまり、図5(c)及び図5(d))は、これとは反対に、中心Oの上方位置から外周側に向かって下降するように傾斜面31aを設けた場合において、切断面(傾斜面)が皮膚5の張りと微小針30の刺通性に及ぼす影響を説明した図である。
先端部31に、図5の左側に示すような傾斜面31aを形成すると、針群3が皮膚領域5に接触する際、各微小針30の先端部31は、針群3の中心Oから放射状に広がるように移動し、これらの先端部31に接触した皮膚領域5も、先端部31の移動に対応した方向に移動又は変形する。つまり、針群3が接触した皮膚領域5の全体がぴんと張った状態となる。一方、先端部31に、図5(c)に示すような傾斜面31aを形成すると、図5(d)に示すように、皮膚領域5は中心O付近の位置で変位量が最大となる弛み(撓み)を有するようになる。また、先端部31に傾斜面31aを形成せずに平坦な面を設けたままでも(図8を参照)、皮膚領域5には図5(b)のような弾性変形が生じてしまうため、微小針30の刺通性は芳しくない。なお、微小針30の刺通時におけるメカニズム(微小針30及び皮膚5の動的挙動)の検証結果は後述する。
つまり、この特殊な構造的特徴の存在により、針群3が皮膚領域5に接触する際、各微小針30の先端部31を局所的に所望の方向に移動させることができる。これにより、針群3を接触させた皮膚領域5付近に対して所望の方向に張りを持たせつつ、当該皮膚領域5に対して微小針30を確実かつ容易に刺通させることができるようになる。
(微小針への開口部の配設)
なお、微小針30は、図2及び図3に示すように、先端部31から根元部32に向かって延びた開口部33を備えていてもよく、これにより、所定量の薬液を微小針30の内部に確実に含ませながら微小針30を患部(皮膚5)へ突き刺すことが可能となる。
なお、微小針30は、図2及び図3に示すように、先端部31から根元部32に向かって延びた開口部33を備えていてもよく、これにより、所定量の薬液を微小針30の内部に確実に含ませながら微小針30を患部(皮膚5)へ突き刺すことが可能となる。
(好適な微小針の寸法及び形状の一例)
なお、開口部33の内径dは、30μm〜100μmであることがさらに好ましい。これにより、本発明の微小針30を、刺通時の患者の痛みを軽減可能な減痛針に仕上げることができる。なお、内径dの上記下限は、現時点の製造技術の制約により設定したものであり、今後、更に微小な寸法の開口部33を加工可能とする製造技術が発見されれば、当該下限未満の値を採用してもよい。
なお、開口部33の内径dは、30μm〜100μmであることがさらに好ましい。これにより、本発明の微小針30を、刺通時の患者の痛みを軽減可能な減痛針に仕上げることができる。なお、内径dの上記下限は、現時点の製造技術の制約により設定したものであり、今後、更に微小な寸法の開口部33を加工可能とする製造技術が発見されれば、当該下限未満の値を採用してもよい。
また、微小針30の先端部31は、例えば、公知の機械加工を用いて当該先端部31の一部を切断することにより、上述のように傾斜させることが可能である。ここで、傾斜角をθで表すと、0°<θ<90°、好ましくは10°≦θ≦60°、さらに好ましくは15°≦θ≦45°である。
さらに、図3に示すように、微小針30は、先端部31から台座部2に向かって末広がり形状を成すこと(つまり、根元部32の外径Dが先端部31の外径Dよりも大きいこと)が好ましい。
さらに、微小針30の高さHが0.5mm〜10mmであることが好ましい。なお、高さHを0.5mmに近い側に設定することにより、皮内組織への薬液注入に適した構成の微小針30を提供することができ、例えば、ツベルクリン反応検査やアレルゲンテストの用途に本発明の微小針アレイ1を好適に使用することができる。
一方、高さHを10mmに近い側に設定することにより、皮内組織よりも更に深い皮下組織への薬液注入に適した構成の微小針30を提供することができ、例えば、インシュリン、麻酔薬、インターフェロン、インフルエンザ等のワクチンの薬液を注射する用途に本発明の微小針アレイ1を好適に使用することができる。
微小針30の原料として、例えば、樹脂、金属、ガラス等を挙げることができるが、必ずしもこれらに限定されない。しかしながら、加工精度、成形性、コスト、ディスポーザル化への対応の観点から、微小針30は、樹脂で作られていることが好ましい。ここで、樹脂としては、特に、生分解性樹脂であることが好ましい。このような生分解性樹脂で作られた微小針30は、仮に、その一部が欠損して体内に残留した場合でも、この残留物が体内に与える影響を限りなく小さくすることができるからである。
ここで、生分解性樹脂には、公知の生分解性樹脂を使用することができるが、医療機器の分野において既に使用実績のある、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、及びこれらの共重合体が好ましい。
さらに、台座部2の原料として、微小針30と同じ原料を選択することが好ましい。このように選択すれば、微小針アレイ1の主要構成要素たる台座部2と各微小針30とを一体に成形することができる。例えば、上記原料に樹脂を選択した場合には、公知の射出成形技術により、微小針アレイ1を高精度かつ効率良く作製することが可能となる。
(中空タイプに適した構造)
図2に示すように、台座部2は、他面22と、他面22の側に設けられた薬液収容部23と、をさらに備えることが好ましい。一方、微小針30の開口部33は、先端部31から根元部32を通過し薬液収容部23まで延びた貫通穴であることが好ましい。台座部2と微小針30の開口部33とを上述のような構成にすることで、薬液カートリッジ45(図6(b)を参照)等の薬液供給源から薬液を、薬液収容部23に一旦収集させた上で、各微小針30の各根元部32から各開口部33を介して各先端部31へと通過させ、最終的には、微小針アレイ1をあてがった皮膚5へ送り込むことができるようになる。言い換えれば、上記構成により、中空タイプに適合した微小針アレイ1を提供することができる。
図2に示すように、台座部2は、他面22と、他面22の側に設けられた薬液収容部23と、をさらに備えることが好ましい。一方、微小針30の開口部33は、先端部31から根元部32を通過し薬液収容部23まで延びた貫通穴であることが好ましい。台座部2と微小針30の開口部33とを上述のような構成にすることで、薬液カートリッジ45(図6(b)を参照)等の薬液供給源から薬液を、薬液収容部23に一旦収集させた上で、各微小針30の各根元部32から各開口部33を介して各先端部31へと通過させ、最終的には、微小針アレイ1をあてがった皮膚5へ送り込むことができるようになる。言い換えれば、上記構成により、中空タイプに適合した微小針アレイ1を提供することができる。
なお、図2に示した薬液収容部23は、円筒状の台座部2の内側に形成され、かつ、前述の一面21と反対方向の他面22に大きく開口した中空部である。図6(b)に示すように、この他面22は、薬液注入器の構成要素たる先端ベース部47に着脱自在に取り付け可能であり、取り付け時には、薬液収容部23が完全に閉じた状態となる。
(台座部)
なお、台座部2は、図示の円筒状、角筒状(図示せず)、円錐状(図示せず)又は角錐状(図示せず)を成し、微小針30で構成される前述の多角形の中心Oが、図1に示すように、台座部2の中心軸Ac上又は中心軸Ac近傍に配置されていることが好ましい。
なお、台座部2は、図示の円筒状、角筒状(図示せず)、円錐状(図示せず)又は角錐状(図示せず)を成し、微小針30で構成される前述の多角形の中心Oが、図1に示すように、台座部2の中心軸Ac上又は中心軸Ac近傍に配置されていることが好ましい。
これにより、薬液収容部23に一旦収集された薬液は、薬液注入器4のポンプ部(例えば、後述のリニアアクチュエータ)から圧力を受けた際に、薬液を、薬液収容部23から各微小針30の各開口部33へ均一に流入させ、ひいては、針群3が接触した皮膚領域5の全体に満遍なく均一に薬液を送り込むことができる。
皮膚領域5に対する前述の作用効果の向上、或いは、薬液の送り込み量の増加を狙って、針群3によって構成される多角形Pが複数になるようにしてもよい。図4(d)に示すように、複数の正多角形P1,P2(正六角形と正四角形)を互いの中心Oがほぼ一致するように設けることがさらに好ましい。なお、この変形例の場合、正六角形P1を構成する微小針30は、中心Oを基点とした円周C1上に配置される一方、正四角形P2を構成する微小針30は、中心Oを基点とした円周C2上に配置される。つまり、この変形例は、台座部2の一面21上の中心Oを基点として同心状かつ多段的に、微小針30を配設したものである。
(微小針アレイの製造方法の一例)
次に、本発明の微小針アレイ1の製造方法の一例を簡単に説明する。先ず、シリコン基板に、フォトリソグラフィと及びドライエッチングを施して基板上に複数の微小凸部を形成する。次に、これらの微小凸部の先端にドリル加工を施して、穴を設ける。これにより、シリコン製の第1金型(マスター型とも呼ぶ。)が作製される。次に、このマスター型にニッケル電鋳を行い、マスター型に設けられた形状を転写する。これにより、第2金型(成形型とも呼ぶ。)が作製される。この成形型に、上述の樹脂を流し込むことで、台座部2と微小針30とが一体に成形された微小針アレイ1を製造することができる。この後に、所望の傾斜角θが得られるように、各微小針30の各先端部31に機械加工を施す。
次に、本発明の微小針アレイ1の製造方法の一例を簡単に説明する。先ず、シリコン基板に、フォトリソグラフィと及びドライエッチングを施して基板上に複数の微小凸部を形成する。次に、これらの微小凸部の先端にドリル加工を施して、穴を設ける。これにより、シリコン製の第1金型(マスター型とも呼ぶ。)が作製される。次に、このマスター型にニッケル電鋳を行い、マスター型に設けられた形状を転写する。これにより、第2金型(成形型とも呼ぶ。)が作製される。この成形型に、上述の樹脂を流し込むことで、台座部2と微小針30とが一体に成形された微小針アレイ1を製造することができる。この後に、所望の傾斜角θが得られるように、各微小針30の各先端部31に機械加工を施す。
(薬液注入器の構造の一例)
以上のように構成された本発明の微小針アレイ1を、例えば、図6(a)及び図6(b)に示すような、携帯用のペン型薬液注入器4(以下、単に注入器4とも呼ぶ。)に装着させて使用することができる。注入器4は、例えば、本体41と、本体41の一端側を構成された第1ホルダー41aと、この第1ホルダー41aを囲繞するように着脱可能な第1キャップ42と、本体41の他端側を構成する第2ホルダー43と、この第2ホルダー43に嵌り込むように設けられた操作部44と、薬液カートリッジ45と、を備える。
以上のように構成された本発明の微小針アレイ1を、例えば、図6(a)及び図6(b)に示すような、携帯用のペン型薬液注入器4(以下、単に注入器4とも呼ぶ。)に装着させて使用することができる。注入器4は、例えば、本体41と、本体41の一端側を構成された第1ホルダー41aと、この第1ホルダー41aを囲繞するように着脱可能な第1キャップ42と、本体41の他端側を構成する第2ホルダー43と、この第2ホルダー43に嵌り込むように設けられた操作部44と、薬液カートリッジ45と、を備える。
なお、図示のように、第1ホルダー41aは、薬液カートリッジ45を挿入してこれを収容可能な第1開口部41cが形成されている。また、図示のように、第1ホルダー41aに収容された薬液カートリッジ45の残存量を確認可能な少なくとも1つ以上の第2開口部41bを第1ホルダー41aに配設してもよい。
(薬液注入器の操作部の一例)
また、操作部44は、プッシュ式ボタンなどの押圧部44bを備えていてもよく、この押圧部44bを押圧することで、後述するように、薬液カートリッジ45内の薬液を、微小針アレイ1を通して注入器4の外へ排出することができる。なお、操作部44は、押圧部44bによる一回の操作で皮膚5に送り込む薬液の注入量を調整可能な注入量調整部44aをさらに備えていてもよく、その調整の方式は、図示のような回転ダイヤル式に限定されず、その他の方式を採用してもよい。また、操作部44は、この注入量調整部44aの注入量を表示する目盛部44cを備えていてもよく、さらにその視認性を確保するために、第2ホルダー43に第3開口部43aが形成されていてもよい。
また、操作部44は、プッシュ式ボタンなどの押圧部44bを備えていてもよく、この押圧部44bを押圧することで、後述するように、薬液カートリッジ45内の薬液を、微小針アレイ1を通して注入器4の外へ排出することができる。なお、操作部44は、押圧部44bによる一回の操作で皮膚5に送り込む薬液の注入量を調整可能な注入量調整部44aをさらに備えていてもよく、その調整の方式は、図示のような回転ダイヤル式に限定されず、その他の方式を採用してもよい。また、操作部44は、この注入量調整部44aの注入量を表示する目盛部44cを備えていてもよく、さらにその視認性を確保するために、第2ホルダー43に第3開口部43aが形成されていてもよい。
なお、図示しないが、注入器4は、さらに、操作部44に接続されかつ薬液カートリッジ45内の薬液を押し出すポンプの役割を果たすように駆動するリニアアクチュエータを、本体41に内蔵していてもよい。
さらに、図示の注入器4には、円筒状の先端ベース部47が着脱可能に設けられており、この先端ベース部47の中心軸上には貫通穴47aがさらに設けられている。
(薬液注入器への微小針アレイの装着方法の一例)
本発明の微小針アレイ1は、例えば、その他面22を、先端ベース部47の一面47bに嵌合させることで、この注入器4に取り付けられる。この先端ベース部47の貫通穴47aには通常、針46が挿通されており、この針46が、注入器1内の薬液カートリッジ45と微小針アレイ1内の薬液収容部23とを連通する。
本発明の微小針アレイ1は、例えば、その他面22を、先端ベース部47の一面47bに嵌合させることで、この注入器4に取り付けられる。この先端ベース部47の貫通穴47aには通常、針46が挿通されており、この針46が、注入器1内の薬液カートリッジ45と微小針アレイ1内の薬液収容部23とを連通する。
また、図6(b)に示す例では、注入器4は、先端ベース部47に着脱自在に取り付けられる第2キャップ48を備えていてもよく、これにより、注射時の直前(つまり、微小針アレイ1の使用直前)まで、微小針アレイ1と先端ベース部47とを囲繞してこれらを保護することが可能となる。
(微小針アレイの使用方法の一例)
以上のように構成された注入器1は、本発明の微小針アレイ1を装着した状態で押圧部44bを押してリニアアクチュエータを駆動することにより、薬液カートリッジ45内部のピストンを押し、薬液カートリッジ45内部に充填された薬液を、針46、薬液収容部23、及び微小針30内の開口部33を介して、最終的には、皮膚5内部に送りこむことができる。
以上のように構成された注入器1は、本発明の微小針アレイ1を装着した状態で押圧部44bを押してリニアアクチュエータを駆動することにより、薬液カートリッジ45内部のピストンを押し、薬液カートリッジ45内部に充填された薬液を、針46、薬液収容部23、及び微小針30内の開口部33を介して、最終的には、皮膚5内部に送りこむことができる。
なお、使用済みの微小針アレイ1、この微小針アレイ1に直接接触する先端ベース部47、針46、第2キャップ49、薬液カートリッジ45は、廃棄可能な(つまり、ディスポーザル化に対応した)原材料で構成されていることが望ましい。一方、薬液注入器4のその他の部分は、再使用可能である(使い回しが出来る)ことが望ましい。
(微小針アレイの試作及び刺通性の検証)
本発明の微小針アレイ1を上述の製造方法により実際に試作した。この試作品を以下、実施例2と呼ぶ。なお、先端部31に機械加工を施し、傾斜面31aの傾斜角θを約30°に設定した。また、刺通能力の比較検討の為、先端部31が傾斜しない(つまりθ=90°)微小針30で構成された微小針アレイも試作した。この試作品を以下、比較例1と呼ぶ。なお、実施例2の微小針30の高さH、先端部31の外径D、及び内径dは、それぞれ、1.2mm、90μm及び60μmに設定した。一方、比較例1での微小針の高さH、先端部31の外径D、及び内径dは、それぞれ、0.5mm、90μm及び80μmに設定した。
本発明の微小針アレイ1を上述の製造方法により実際に試作した。この試作品を以下、実施例2と呼ぶ。なお、先端部31に機械加工を施し、傾斜面31aの傾斜角θを約30°に設定した。また、刺通能力の比較検討の為、先端部31が傾斜しない(つまりθ=90°)微小針30で構成された微小針アレイも試作した。この試作品を以下、比較例1と呼ぶ。なお、実施例2の微小針30の高さH、先端部31の外径D、及び内径dは、それぞれ、1.2mm、90μm及び60μmに設定した。一方、比較例1での微小針の高さH、先端部31の外径D、及び内径dは、それぞれ、0.5mm、90μm及び80μmに設定した。
図7(a)及び図7(b)に、実施例2に係る微小針アレイ1と微小針30の外観を示す。一方、図8(a)及び図8(b)に、比較例1に係る微小針アレイと微小針の外観を示す。この図7及び図8の各図に示すように、上述の製造方法により、微小針アレイ1が高精度に作製できたことが分かる。
刺通性の検証については、実施例2の微小針アレイ1を装着した薬液注入器4では、難なく皮膚5に薬液を注入することができた。しかしながら、比較例1の微小針アレイを装着した薬液注入器4では、微小針を皮膚5に突き刺すことは容易ではなく、薬液の注入も困難であった。
(微小針アレイの試作及び刺通性の検証)
また、市販の数値解析ソフトを用いて、微小針30と皮膚5との間の動的挙動を検討した。解析条件を簡略化するために、皮膚モデル5が剛体であり、微小針モデル30は、ポリプロピレン(PP)で作られているものと仮定した。そして、微小針モデル30を皮膚モデル5に突き刺す方向(図中ではY方向)に10μmだけ強制変位したと仮定した。以上の解析条件を図9に示し、この解析条件によって得られた解析結果を図10に示す。
また、市販の数値解析ソフトを用いて、微小針30と皮膚5との間の動的挙動を検討した。解析条件を簡略化するために、皮膚モデル5が剛体であり、微小針モデル30は、ポリプロピレン(PP)で作られているものと仮定した。そして、微小針モデル30を皮膚モデル5に突き刺す方向(図中ではY方向)に10μmだけ強制変位したと仮定した。以上の解析条件を図9に示し、この解析条件によって得られた解析結果を図10に示す。
図10に示すように、微小針30の先端部31は、X方向(つまり皮膚5が外側に引っ張られる方向)に43μmだけ変形することが分かった。この解析結果からも、本発明の微小針アレイ1を用いれば、針群3を皮膚5に突き刺す際に、各微小針30は針群3の中心Oから放射状に広がるように移動し、皮膚5にも、この移動に対応した張りを持たせることができると推察できた。
本発明の微小針30を装着した薬液注入器4を用いれば、患者が受ける痛み及び皮膚ダメージを軽減することができる。さらに、患者の恐怖心や精神的ストレスも軽減できるので、患者が乳児や子供の場合には、その使用が非常に効果的である。また、本発明の微小針30の原料に上述の好適な材料を用いれば、生産性や使用時の安全性も向上するだけでなく、医療業界で一般的なディスポーザル化にも対応可能である。
このように、本発明の微小針アレイ1及びこれを備えた薬液注入器4は、産業上の利用価値及び利用可能性が非常に高い。
1 微小針アレイ
2 台座部
3 針群
4 薬液注入器
5 皮膚(皮膚領域)
21 台座部の一面
22 台座部の他面
23 薬液収容部
30 微小針
31 微小針の先端部
31a 先端部に設けられた傾斜面
32 微小針の根元部
33 開口部
41 薬液注入器の本体
41a 本体の第1ホルダー
41b 本体の第2開口部
41c 本体の第1開口部
42 薬液注入器の第1キャップ
43 薬液注入器の第2ホルダー
43a 第2ホルダーの第3開口部
44 薬液注入器の操作部
44a 操作部の注入量調整部
44b 操作部の押圧部
44c 操作部の目盛部
45 薬液注入器の薬液カートリッジ
46 薬液注入器内の針
47 薬液注入器の先端ベース部
47a 先端ベース部の貫通穴
47b 先端ベース部の一面
48 薬液注入器の第2キャップ
d 微小針の内径
D 微小針の外径
H 微小針の高さ
C,C1,C2 微小針の配置によって描かれる円周
P,P1,P2 微小針の配置によって描かれる多角形
O 微小針の配置によって描かれる円周又は多角形の中心
Ac 台座部の中心軸
2 台座部
3 針群
4 薬液注入器
5 皮膚(皮膚領域)
21 台座部の一面
22 台座部の他面
23 薬液収容部
30 微小針
31 微小針の先端部
31a 先端部に設けられた傾斜面
32 微小針の根元部
33 開口部
41 薬液注入器の本体
41a 本体の第1ホルダー
41b 本体の第2開口部
41c 本体の第1開口部
42 薬液注入器の第1キャップ
43 薬液注入器の第2ホルダー
43a 第2ホルダーの第3開口部
44 薬液注入器の操作部
44a 操作部の注入量調整部
44b 操作部の押圧部
44c 操作部の目盛部
45 薬液注入器の薬液カートリッジ
46 薬液注入器内の針
47 薬液注入器の先端ベース部
47a 先端ベース部の貫通穴
47b 先端ベース部の一面
48 薬液注入器の第2キャップ
d 微小針の内径
D 微小針の外径
H 微小針の高さ
C,C1,C2 微小針の配置によって描かれる円周
P,P1,P2 微小針の配置によって描かれる多角形
O 微小針の配置によって描かれる円周又は多角形の中心
Ac 台座部の中心軸
Claims (12)
- 一面が設けられた台座部と、
前記台座部の前記一面から垂直に延びた少なくとも3つ以上の微小針からなる針群と、
を備え、かつ、
前記微小針は、先端部と、前記台座部に接続した根元部と、を備え、
前記針群を構成する一部又は全部の前記微小針が、多角形の頂点を成すように配置され、
前記微小針の前記先端部は、前記多角形の中心に向かって下降するように傾斜させた傾斜面を有することを特徴とする微小針アレイ。 - 前記微小針は、前記先端部から前記根元部に向かって延びた開口部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の微小針アレイ。
- 前記台座部は、他面と、前記他面の側に設けられた薬液収容部と、をさらに備え、
前記微小針の前記開口部は、前記先端部から前記根元部を通過し前記薬液収容部まで延びた貫通穴であることを特徴とする請求項2に記載の微小針アレイ。 - 前記台座部が、円筒状、角筒状、円錐状又は角錐状を成し、
前記微小針で構成される前記多角形の前記中心が、前記台座部の中心軸上又は前記中心軸近傍に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の微小針アレイ。 - 前記開口部の内径が30μm〜100μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の微小針アレイ。
- 前記傾斜面の傾斜角をθで表すと、10°≦θ≦60°に設定されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の微小針アレイ。
- 前記微小針が前記先端部から前記台座部に向かって末広がり形状を成すことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の微小針アレイ。
- 前記微小針の高さが0.5mm〜10mmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の微小針アレイ。
- 前記台座部と前記微小針とが一体に成形されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の微小針アレイ。
- 前記微小針が樹脂で作られていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の微小針アレイ。
- 前記樹脂が生分解性樹脂であることを特徴とする請求項10に記載の微小針アレイ。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の微小針アレイを備えることを特徴とする薬液注入器。
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---|---|---|---|
JP2013053676A JP2014176568A (ja) | 2013-03-15 | 2013-03-15 | 微小針アレイ及び微小針アレイを備えた薬液注入器 |
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-
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- 2013-03-15 JP JP2013053676A patent/JP2014176568A/ja active Pending
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