JP2017000662A - マイクロニードル、マイクロニードルの製造方法、および、マイクロニードルの使用方法 - Google Patents

マイクロニードル、マイクロニードルの製造方法、および、マイクロニードルの使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】突起部を破壊するための所定の力が突起部に加えられたときに突起部が折れることの確実性を高めることができるマイクロニードル、マイクロニードルの製造方法、およびマイクロニードルの使用方法を提供する。【解決手段】マイクロニードル10は、投与剤を皮膚へ投与する貫通孔を有する突起部12を備える。突起部12には、1乃至複数の脆弱部30が形成され、脆弱部30は、突起部12の延在方向における突起部12の中間位置よりも基端部側に位置し、かつ、脆弱部30を含み延在方向と直交する面内においては、脆弱部30を含む第1部と、脆弱部を含まず第1部と対向する第2部とに突起部12が二分され、第1部から第2部に向けた方向が破壊方向である。そして、突起部12は、破壊方向の荷重によって突起部12が折られるときに脆弱部30が突起部12の破壊の起点となるように構成されている。【選択図】図6

Description

本発明は、経皮投与用のマイクロニードル、マイクロニードルの製造方法、および、マイクロニードルの使用方法に関する。
ワクチンなどの投与剤を被投与者の体内に投与する方法として、マイクロニードルを用いる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。マイクロニードルは、針形状を有する突起部と、突起部を支持する基体とを備えている。マイクロニードルを用いる投与方法では、基体が被投与者の皮膚に押し付けられることによって突起部が皮膚を刺し、突起部が皮膚に形成した孔から、投与剤が皮膚の内部に送り込まれる。突起部の長さは、皮膚における真皮の神経細胞に達しない長さであるため、マイクロニードルを用いる投与方法では、既存の注射針を用いる投与方法と比べて、穿刺時に被投与者が感じる痛みが抑えられる。また、マイクロニードルを用いる投与方法では、既存の注射針を用いる投与方法と比べて、抗原提示細胞が豊富に存在する皮内に投与剤が投与されるため、投与剤の投与量を減らすことができる可能性がある。
マイクロニードルの一つとして、突起部の延びる方向に基体と突起部とを貫通する貫通孔が形成された中空型のものがある。このマイクロニードルを用いた投与剤の投与方法では、皮膚を刺した突起部の貫通孔を介して投与剤が皮内に投与される。
特開2005−21677号公報
上述した中空型のマイクロニードルにおいては、既存の注射針と同じように、原理上は繰り返して使用することが可能である。したがって、予め規定された使用方法に反する使い回しなどを防止するために、突起部を破壊することができるマイクロニードルが要請されている。しかし、単に突起部を破壊されやすい構造にすると、突起部を皮膚に刺すときにも突起部が破壊されやすくなり、投与剤の投与といった本来の機能を十分に果たすことができなくなる。
本発明は、上記実情を鑑みてなされたものであり、その目的は、突起部を破壊するための所定の力が突起部に加えられたときに突起部が折れることの確実性を高めることができるマイクロニードル、マイクロニードルの製造方法、および、マイクロニードルの使用方法を提供することにある。
上記課題を解決するためのマイクロニードルの一態様は、基体と、前記基体に接続された基端部を有して前記基体から突き出た突起部であって、脆弱部を含むと共に、前記突起部の延在方向に前記突起部を貫通する貫通孔が形成された前記突起部とを備える。前記脆弱部は、前記延在方向における前記突起部の中間位置よりも前記基端部側に位置し、かつ、前記脆弱部を含み前記延在方向と直交する面内においては、前記脆弱部を含む第1部と、前記脆弱部を含まず前記第1部と対向する第2部とに前記突起部が二分され、前記第1部から前記第2部に向けた方向が破壊方向であり、前記突起部は、前記破壊方向の荷重によって前記突起部が折れるときに前記脆弱部が前記突起部の破壊の起点となるように構成されている。
上記マイクロニードルの一態様によれば、延在方向における突起部の中間位置よりも基端部側に脆弱部が設けられる。また、脆弱部を含む第1部と脆弱部を含まない第2部とが破壊方向で対向するため、脆弱部を含まない突起部と比べ、破壊方向の耐荷重が突起部において小さくなる。また、脆弱部が第2部にも設けられる場合に比べ、突起部全体が脆くなることを抑制することができる。そして、破壊方向の荷重が突起部に加えられるときに、脆弱部が破壊の起点となって突起部が折れる。すなわち、突起部を折るため必要な荷重は、脆弱部に応じた所定の方向かつ、所定の大きさ以上の荷重である。そのため、突起部を破壊するための所定の力を加えたときに突起部を破壊することの確実性が高められる。
上記マイクロニードルの他の態様において、前記突起部は、前記基端部とは反対側の端部である先端部を有し、前記先端部は、前記延在方向に対して斜めに交差する平坦面である傾斜面を端面として有してもよい。この際に、前記傾斜面上の点は、前記破壊方向に位置する点ほど前記基端部に近く、前記第2部は、前記第1部に対し前記破壊方向に位置してもよい。
傾斜面を有する突起部が皮膚に刺さるとき、突起部の先端面は皮膚の反力による荷重を受ける。先端面が受ける荷重には、延在方向と交差する方向の荷重も含まれる。ここで、例えば、突起部が円錐形状を有し、突起部の先端点が突起部の中心軸上に位置するときには、上述するような延在方向と交差する方向の荷重は、中心軸を挟んで対称となる部位に加わる荷重によって相殺される。一方で、突起部の先端面が延在方向に対して斜めに交差する傾斜面であり、かつ、傾斜面上の点が破壊方向に位置する点ほど基端部に近いときには、上述するような延在方向と交差する方向の荷重が、破壊方向とは反対方向へ加わる。上記マイクロニードルの他の態様によれば、脆弱部を含まない第2部が、脆弱部を含む第1部に対し破壊方向に位置するため、脆弱部が起点となる破壊が穿刺の途中に生じることを抑えることができる。
上記マイクロニードルの他の態様において、前記脆弱部は、前記突起部の外周面から前記突起部内に向かって形成された切り込みであってもよい。
上記マイクロニードルの他の態様によれば、脆弱部は切り込みであるため、突起部の材料や、マイクロニードルの製造条件を変更しなくても、切り込みの幅や深さ等といったパラメーターを変更することで、脆弱部の脆弱性を調整することができる。
上記マイクロニードルの他の態様において、前記突起部は、樹脂製の第1突起部分と、樹脂製の第2突起部分とから構成され、前記脆弱部は、前記第1突起部分と前記第2突起部分との境界を含んでもよい。
上記マイクロニードルの他の態様によれば、第1突起部分と第2突起部分との境界を脆弱部が含むため、第1突起部分と第2突起部分とから構成される突起部においてそもそも機械的な強度が弱まる部分を脆弱部に含めることが可能でもある。
上記マイクロニードルの他の態様において、前記脆弱部の少なくとも一部は、前記突起部のうち前記脆弱部を除く部分よりも脆い材料から構成されてもよい。
上記マイクロニードルの他の態様によれば、脆弱部は、脆弱部を除く部分よりも脆い材料から構成されるため、脆弱部を構成する材料の選択等によって、脆弱部に適切な脆さを付与することができる。なお、脆弱部を除く部分よりも脆い材料は、材料の組成自体が脆弱部を除く部分とは異なる、および、材料の組成が脆弱部を除く部分と同じであるが物性値が異なるものを含む。
上記マイクロニードルの他の態様において、前記脆弱部の少なくとも一部には、前記突起部の内部に位置する空孔が形成されている。
上記マイクロニードルの他の態様によれば、脆弱部の少なくとも一部には、突起部の内部に位置する空孔が形成されているため、突起部そのものの製造条件の調整によって脆弱部の脆さを変えることができる。
上記マイクロニードルの他の態様において、前記突起部は、生体吸収性の材料から構成されている。
上記マイクロニードルの他の態様によれば、突起部は、生体内で加水分解されて生体に吸収される生体吸収性の材料から構成されるため、例えば、突起部が皮膚内に保持された状態で脆弱部を起点として突起部が折られても、折られた突起部は生体内で分解および吸収される。そのため、例えば、投与剤が貫通孔内に充填された突起部を皮膚に刺したまま折り、その後、一定の期間にわたり皮膚に突起部を保持させるといった用途にも、マイクロニードルを使用することができる。この用途においては、突起部から投与剤を皮膚に徐々に投与することができる。
上記課題を解決するためのマイクロニードルの製造方法の一態様は、基体と、前記基体に接続された基端部を有し前記基体から突き出た突起部であって、脆弱部を含むと共に、前記突起部の延在方向に前記突起部を貫通する貫通孔が形成された前記突起部とを備えるマイクロニードルを製造する方法である。この方法は、前記マイクロニードルを製造するための金型に樹脂を射出し、それによって、樹脂製の第1突起部分と樹脂製の第2突起部分とから構成された前記突起部を形成し、かつ、前記脆弱部の少なくとも一部を前記第1突起部分と前記第2突起部分との境界とすることであって、前記脆弱部を含み前記延在方向と直交する面内においては、前記第1突起部分と前記第2突起部分とに前記突起部が二分され、かつ、前記延在方向における前記突起部の中間位置よりも前記基端部側に前記脆弱部が位置するように、前記金型に前記樹脂を射出することを含む。
上記マイクロニードルの製造方法の一態様によれば、突起部を破壊するための所定の力が突起部に加えられたときに、突起部が破壊される確実性を高めることができる。また、脆弱部は成形時に生じた樹脂の境界を含むため、脆弱部の位置や大きさの調整は、樹脂の速度や、互いに異なるゲートから樹脂を供給するタイミング、樹脂の温度などといった条件の変更によって可能となる。そのため、脆弱部を形成するために既存の金型の構造を有効利用することができる。
上記マイクロニードルの使用方法の一態様は、基体と、前記基体に接続された基端部を有して前記基体から突き出た突起部であって、脆弱部を含むと共に、前記突起部の延在方向に前記突起部を貫通する貫通孔が形成された前記突起部とを備えるマイクロニードルの使用方法である。この使用方法において、前記脆弱部は、前記延在方向における前記突起部の中間位置よりも前記基端部側に位置し、かつ、前記脆弱部を含み前記延在方向と直交する面内においては、前記脆弱部を含む第1部と、前記第1部と対向する第2部とに前記突起部が二分され、前記第1部から前記第2部に向けた方向が破壊方向であり、前記貫通孔を通じて皮膚に投与剤を投与すること、前記突起部に前記破壊方向の荷重を加え、それによって、前記脆弱部を破壊の起点として前記突起部を折ることを含む。
上記マイクロニードルの使用方法の一態様によれば、上記マイクロニードルの使用方法の一態様によれば、マイクロニードルを使用した後に破壊方向に荷重を加えることによって突起部を折ることができる。このため、マイクロニードルの二次使用を防ぐことができる。
本発明によれば、突起部を破壊するための所定の力が突起部に加えられたときに突起部が折れることの確実性を高めることができる。
マイクロニードルの第1実施形態について、その概略構成を示す斜視図。 同実施形態のマイクロニードルに設けられた突起部の側面図。 同実施形態の突起部の平面図。 同実施形態のマイクロニードルが取り付けられた注射筒の概略構成を示す側面図。 同実施形態の突起部が皮膚を刺した状態を模式的に示す図。 同実施形態の突起部が破壊されている状態を模式的に示す図。 同実施形態の突起部が破壊された状態を模式的に示す図。 マイクロニードルの第2実施形態について、突起部を中心とする構成を示す側面図。 同実施形態の突起部の平面図。 同実施形態のマイクロニードルの製造に用いられる金型を説明する図。 同実施形態のマイクロニードルの製造工程において金型に樹脂が流れ込む方向を説明する図。 同実施形態のマイクロニードルの製造工程において突起部を形成するための金型に樹脂が流れ込む方向を説明する図。 マイクロニードルの第3実施形態について、突起部を中心とする構成を示す側面図。 同実施形態の突起部の平面図。 マイクロニードルの第4実施形態について、突起部を中心とする構成を示す側面図。 同実施形態の突起部の平面図。
(第1実施形態)
図1〜図7を参照して、本発明のマイクロニードルを具体化した第1実施形態について説明する。
[マイクロニードルの構成]
図1を参照して、マイクロニードル10の構成について説明する。マイクロニードル10は、基体の一例である中空状に形成された筒部11と、皮膚に穿孔するための突起部12とを備えている。突起部12は、筒部11に接続された基端部20を有し、筒部11の支持面14から突き出ている。突起部12には貫通孔13が形成され、貫通孔13は、突起部12の延びる方向である延在方向に沿って突起部12を貫通している。
筒部11は、一方の端部に、突起部12を支持する平坦面である支持面14を有している。筒部11の内側の空間には、投与剤が供給される。筒部11の内側の空間は、突起部12の貫通孔13に連通しており、筒部11の内側の空間に供給された投与剤は貫通孔13に供給される。なお、投与剤は、薬品に限らず、経皮投与用のものである。また、投与剤は、たとえば、液状、固体状、またはゲル状のものなどが挙げられるが、ここでは液状のものに例示して説明する。
筒部11を構成する各構成要件は、突起部12に近い構成要件から順に、支持面14を有する先端側筒部15、小径部16、基端側筒部17、フランジ部18である。筒部11が延びる方向を高さ方向とするとき、筒部11の高さ方向の長さは、突起部12の高さ方向の長さよりも十分に大きい。
先端側筒部15は、突起部12側に筒部傾斜面19を備え、支持面14に向けて先細りする形状を有している。小径部16は、先端側筒部15および基端側筒部17よりも外径が小さく、フランジ部18は先端側筒部15および基端側筒部17よりも外径が大きい。筒部11に小径部16を設けることにより、マイクロニードル10を摘むための器具や作業者の指を、小径部16と、先端側筒部15および基端側筒部17とで構成される窪みに嵌めることができる。このため、窪みを有しない構成と比べて、マイクロニードル10を簡単に摘むことができる。それゆえに、注射筒などの部材に対するマイクロニードル10の取り付けや、注射筒などの部材からマイクロニードル10の取り外しが行いやすくなる。
突起部12は、支持面14の中心を含む中心部に設けられ、支持面14に対して垂直な方向に延びている。また、突起部12は、皮膚を穿孔するための十分な細さと先端角とを有している。皮膚は、表皮、真皮、および皮下組織を有し、真皮および皮下組織には各種の神経終端が集まっている。突起部12の長さは、表皮のうち最も外側の層である角質を貫通可能な長さであって、かつ、真皮の神経終端に達しない長さであることが好ましい。
マイクロニードル10は、筒部11と突起部12とが一体に射出成形された樹脂製の成形物である。マイクロニードル10を構成する材料は、汎用のプラスチック、医療用のプラスチック、および、化粧品用のプラスチック、体内で加水分解されて生体に吸収される生体吸収性プラスチックなどである。より具体的には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、アクリル、ウレタン樹脂、芳香族ポリエーテルケトン、および、エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1つである。このうち、生体吸収性プラスチックは、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトンであるが、これら以外の生体吸収性プラスチックを用いてもよい。なお、マイクロニードル10を構成する材料は、これら樹脂の群に含まれる2つ以上の樹脂の共重合材料であってもよい。
[マイクロニードルの詳細な構成]
図2および図3を参照して、マイクロニードル10の詳細な構成を説明する。
図2に示すように、突起部12は、略円柱状に形成され、支持面14に固定された基端部20に対して反対側となる先端部21に傾斜面22を有する。傾斜面22は、先端部21の端面であって、延在方向に対して斜めに交差する平坦面である。傾斜面22は、円柱部分の横断面の中心を通り突起部12の延在方向と平行な線を軸線X1とするとき、軸線X1に対して斜めに交差する。傾斜面22上の点は、図2中の右方向に位置する点ほど基端部20に近い。また、傾斜面22は、先端部21のうち基端部20から最も離れた位置にある突起部先端23から軸線X1を挟んだその反対側に向かうに連れ、基端部20側に位置するように傾斜している。
突起部先端23は、軸線X1上から外れた位置であって突起部12の径方向において外周面と一致するように設けられ、その先端角αは鋭角になっている。また、傾斜面22のうち最も基端部20側となる位置を傾斜面下端26とし、突起部12の側面視において、突起部先端23と傾斜面下端26とが含まれる側面視から突起部12をみたとき、突起部12は、その軸線X1に対して非対称な形状となっている。
このように突起部12が、突起部先端23が鋭角を有する形状であり、かつ、突起部先端23が軸線X1上から外れている形状であることによって、突起部12を皮膚に刺した際に突起部先端23に応力が集中し、より少ない荷重で突起部12を皮膚に刺すことができる。
突起部12のうち、貫通孔13を取り囲む筒状の側壁24において突起部12の径方向における厚さT1は、先端側筒部15のうち支持面14を有する壁部25の延在方向における厚さT2よりも小さくなっている(T1<T2)。また、突起部12の側壁24の厚さT1は、貫通孔13の直径T3よりも大きい(T1>T3)。なお、図2では、側壁24の厚さT1、壁部25の厚さT2、および貫通孔13の直径T3を模式的に示しており、厚さT1,T2、および、直径T3の比率は図2に示す比率に限られるものではない。
突起部12には、突起部12の破壊の起点となる脆弱部30が形成されている。脆弱部30は、突起部12のうち脆弱部30を除く部分よりも脆い部分である。脆弱部30は、突起部12の延在方向における突起部12の中間位置よりも突起部12の基端部20側に位置し、かつ、脆弱部30を含み延在方向と直交する面内においては、脆弱部30を含む第1部と、脆弱部30を含まず第1部と対向する第2部とに突起部12が二分される。図2においては、軸線X1よりも左側が第1部であり、軸線X1よりも右側が第2部であり、これら第1部から第2部に向けた方向が破壊方向である。突起部12は、破壊方向の荷重によって突起部12が折れるときに脆弱部30が突起部12の破壊の起点となるように構成されている。そして、突起部12が破壊方向の荷重を受けるとき、脆弱部30側から軸線X1を挟んで反対側に向かう方向に荷重が加えられ、それによって生じる引張応力によって、脆弱部30が突起部12の破壊の起点となる。
脆弱部30は、突起部12の外周面から径方向内側に向かう切り込みが形成された部分である。脆弱部30に形成された切り込みは、貫通孔13と接しないように位置している。また、脆弱部30は、基端部20から突起部先端23までの高さ方向の長さを全長H1とするとき、基端部20から全長H1の半分までの高さまでの下部29に設けられている。
図3に示すように、脆弱部30に形成された切り込みが占める範囲は、軸線X1を中心とする周方向に沿った中心角として示される。脆弱部30に形成された切り込みが占める中心角である角度範囲θ1は、180度以下であり、脆弱部30が占める中心角もまた180度以下である。なお、周方向は、軸線X1を中心とする回転方向である。脆弱部30は、突起部先端23と周方向において重複する位置に設けられる。なお、脆弱部30に形成される切り込みは、軸線X1に沿って突起部12を突起部先端23側からみたときの形状を、図3のような劣弧状のほか、扇形状、略半円形状、略半楕円形状、矩形状などにしてもよい。
脆弱部30は、マイクロニードル10を成形した後に、突起部12の外周面から切削機などにより機械加工することによって形成されてもよいし、マイクロニードル10を形成する金型に脆弱部30を形成するための突起を予め設けてもよい。
[マイクロニードルの作用]
図4〜図7を参照して、マイクロニードル10の作用について説明する。
図4に示されるように、マイクロニードル10は、注射筒50の外筒51に設けられた筒先53に取り付けられる。そして、筒部11の支持面14(図1参照)が被投与者の皮膚に押し付けられることによって、マイクロニードル10の突起部12が皮膚を刺す。さらに、突起部12が皮膚を刺した状態で、押子52がマイクロニードル10側へ向けて押し込まれる。突起部12を皮膚に刺すときの適切な穿刺荷重は、例えば、5Nから100N程度の範囲に含まれる大きさである。また、穿刺の速度は、例えば、手技で行われるときの速度である0.01mm/s以上、バネなどの動力源による補助のもとで行われるときの速度である1000mm/s以下の範囲に含まれる大きさである。押子52が押し込まれることによって、外筒51内の投与剤Lがマイクロニードル10の筒部11内に供給される。筒部11内に供給された投与剤Lは、さらに突起部12の貫通孔13に供給され、貫通孔13の開口を介して皮膚内に投与される。突起部12は、皮膚の表面に対してほぼ垂直に皮膚を刺してもよいし(図5参照)、皮膚の表面に対して斜めに皮膚を刺してもよい。
図5に示すように、突起部12が皮膚60を刺したとき、突起部12の傾斜面22は、皮膚60の反力により、傾斜面22の法線方向と平行な方向に荷重F1を受ける。皮膚60からの荷重F1を、軸線X1に対して直交する方向の荷重F2と、突起部12の軸線X1と平行な方向の荷重F3とに分けたとき、軸線X1に対して直交する荷重F2は、傾斜面下端26側から突起部先端23側に向かう方向に傾斜面22に対して作用している。すなわち、突起部12は、軸線X1に対して直交する方向であって突起部先端23側に向かって押される力、言い換えれば、破壊方向とは反対方向に向かって押される力を受ける。荷重F2の大きさは傾斜角にも依存しており、特に45°以上の先鋭な先端角αを有する突起部12では、その影響が顕著となってくる。この荷重F2を突起部12が受けることによって、突起部12のうち周方向において突起部先端23側、すなわち、上記第1部には、軸線X1と略平行な方向の圧縮応力が発生する。これに対し、荷重F2を突起部12が受けることによって、突起部12のうち周方向において傾斜面下端26側、すなわち、上記第2部には、軸線X1と略平行な方向の引張応力が発生する。なお、軸線X1に対して直交し、かつ、突起部先端23側に向かう方向に対する突起部12の最大耐荷重、すなわち、破壊方向の最大耐荷重は、突起部12が皮膚を刺すために適切な穿刺荷重が加えられたときの荷重F2よりも大きく設定されている。そのため、皮膚を刺すときに突起部12が破壊されることは抑えられる。
マイクロニードル10を介した投与剤Lの投与が完了すると、突起部12は皮膚60から抜かれる。このように薬液投与の使用が済んだマイクロニードル10は、二次使用を防ぐ目的で突起部12が破壊される。この際に、突起部12を摘んで破壊することも可能ではあるが、突起部12は、全長が数百μm〜2mm程度であるため、摘むことに負荷を要する突起部12では、摘んで破壊すること以外の破壊の方法が望まれている。
図6に示すように、突起部12を破壊する際、作業者は、例えば、突起部12を、皮膚ではない破壊用の被穿刺体61に刺し、軸線X1と直交する方向であって突起部先端23側から傾斜面下端26側に向かう方向である破壊方向に荷重を加える。破壊方向は、突起部12が皮膚を刺す際に傾斜面22が受ける荷重のうち軸線X1と直交する方向の荷重F2(図5参照)とは、反対となる方向である。また、突起部12を皮膚に刺す際、作業者の作業の仕方によっては破壊方向に荷重が加えられる可能性もあるが、突起部12の破壊を目的とする場面で加えられる破壊方向の荷重の大きさは、突起部12が皮膚を刺す際に突起部12に作用しうる破壊方向の荷重の大きさよりも大きい。
破壊方向の力が突起部12に加えられることによって、突起部12の周方向において突起部先端23側には軸線X1と略平行な方向の引張応力が発生し、傾斜面下端26側には軸線X1と略平行な方向の圧縮応力が発生する。その結果、最も脆い脆弱部30が破壊の起点となって主に軸線X1と交差する方向に亀裂70が広がる。
図7に示すように、作業者がさらに破壊方向に荷重を加えると、突起部12の亀裂70が脆弱部30の反対側まで達し、突起部12が折れる。これにより、折れた突起部12は被穿刺体61に残った状態となる。また脆弱部30を設けることにより脆弱部30から突起部12の径方向に沿って亀裂70が入るので、突起部12の破断面を鋭く不揃いな形状とせず、きれいな面にすることができる。
このように突起部12が折られたマイクロニードル10は、投与剤Lの投与には使用できなくなる。このように突起部12を折るために要する破壊方向の力は、皮膚に突起部12を刺す際に傾斜面22に作用する荷重F2(図5参照)よりも大きい。なお、突起部12で皮膚を刺す際には適切な穿刺荷重が加えられていることを条件とする。
一方、脆弱部30が設けられる角度範囲が180度を超えると、破壊方向とは反対となる方向から突起部12に荷重を加えたときにも突起部12が折れやすくなる。このため、上述のように突起部12のうち周方向において突起部先端23側に脆弱部30を設ける場合に比べ、突起部12を皮膚へ刺したときにも突起部12が折れやすくなる。
角度範囲が180度以下の脆弱部30が設けられた突起部12の下部を、脆弱部30の反対側から押したときの最大耐荷重は、脆弱部30側から押したときの最大耐荷重に対しておよそ1.5倍となる。なお、最大耐荷重は、突起部12に加わる荷重を測定可能なロードテスターを用いて測定することができる。
なお、突起部12が生体吸収性の材料から構成される場合であれば、突起部12を皮膚内に保持したまま脆弱部30を起点に突起部12を折っても、突起部12が生体内で分解、および、吸収される。そのため、例えば、マイクロニードル10を、投与剤が貫通孔13内に充填された突起部12を皮膚に刺したまま折って、一定の期間皮膚に保持させるといった用途にも使用することができる。この用途においては、突起部から投与剤を皮膚に徐々に投与することができる。
以上説明したように、第1実施形態によれば、以下に列挙する効果が得られるようになる。
(1)脆弱部30は、延在方向における突起部12の中間位置よりも基端部20側、すなわち、突起部12の基端部20と全長H1の半分の高さ位置との間に位置する。また、脆弱部30は、脆弱部30を含み延在方向と直交する面内においては、脆弱部30を含む第1部と、脆弱部30を含まず第1部と対向する第2部とに突起部12を二分する、すなわち、突起部12の周方向において180度の範囲内に収まるように形成される。
このため、突起部12のうち、周方向における脆弱部30側の耐荷重が軸線X1を挟んだその反対側の耐荷重よりも小さくなる。また、脆弱部30が突起部12の周方向の全体に亘って設けられる場合に比べ、突起部12全体が脆くなることを抑制することができる。そして、脆弱部30側から軸線X1を挟んだその反対側へ向かう破壊方向の荷重が突起部12に加えられ、かつ、その破壊方向の荷重が皮膚を刺す際に生じる破壊方向の荷重よりも大きいときに、脆弱部30が破壊の起点となって突起部12が折れる。すなわち、突起部12を折るため必要な荷重は、所定の方向かつ、所定の大きさ以上の荷重であり、投与剤を投与する場合に同方向においては生じ難い大きさの荷重である。そのため、突起部12を破壊するための所定の力が突起部12に加えられたときに突起部12を破壊することの確実性を高めることができる。
(2)傾斜面22を有する突起部12を皮膚に刺したとき、傾斜面22は皮膚の反力による荷重を受ける。このとき傾斜面22が受ける荷重には、突起部12の軸線X1と交差する方向の荷重も含まれる。突起部先端23が軸線X1上から外れた構成では、突起部12全体に軸線X1と交差する方向の荷重が加わる。上記マイクロニードル10は、突起部12が皮膚を刺したときに引張応力が生じる側とは反対側に脆弱部30を設けた構成であるため、皮膚を刺す際に脆弱部30が起点となる破壊を抑えることができる。
(3)突起部12の外周面から径方向内側に向かって脆弱部30には切り込みが形成されるため、切り込みの幅や深さ等といった形状を変更することで、脆弱部30の脆弱性を調整することができる。
(4)マイクロニードル10を使用した後には、例えば、突起部12を皮膚以外の被穿刺体に刺して破壊方向に荷重を加えることによって、突起部12を折ることができる。このため、マイクロニードル10の二次使用を防ぐことができる。
(5)突起部12が生体吸収性の材料によって構成される場合には、投与剤が貫通孔13内に充填された突起部12を皮膚に刺したまま折って、一定の期間皮膚に保持させるといった用途にもマイクロニードル10を使用することができる。
(第2実施形態)
次に図8〜図11を参照して、マイクロニードルを具体化した第2実施形態を説明する。なお、第2実施形態のマイクロニードルは、第1実施形態のマイクロニードルの脆弱部を変更した構成であるため、同様の部分については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
図8に示すように、突起部12は、成形時に異なる方向から流れ込んだ樹脂が合流した合流部を含む脆弱部31を備えている。合流部は、ウェルドラインとも呼称される。金型に流れ込んだ樹脂は、樹脂の先端から固化していくため、異なる方向に流れる樹脂が合流するとき、樹脂の先端が接合した部分には界面が形成される。この界面を含む合流部は、樹脂を流し込む速度や、複数の位置から樹脂を供給するタイミングなどを制御することによって、合流前の樹脂の先端の固化の度合いを調整し、脆くすることが可能である。すなわち、合流前の樹脂の先端における固化の度合いが大きくなれば、脆弱部31は脆くなりやすい。突起部12は、樹脂製の第1突起部分と、樹脂製の第2突起部分とから構成され、脆弱部31は、第1突起部分と第2突起部分との境界を含む。なお、第1実施形態と同様に、脆弱部31は、突起部12の下部29に形成される。
図9に示すように、脆弱部31は、貫通孔13と接しない位置であって、脆弱部31を含み突起部12の延在方向と直交する面内においては、脆弱部31を含む第1部と、脆弱部31を含まず第1部と対向する第2部とに突起部12が二分されている。脆弱部31は、突起部12の周方向において突起部先端23側の位置、すなわち突起部12を皮膚に刺したときに引張応力が生じる側とは反対側に設けられている。また、脆弱部31が設けられる周方向における角度範囲θ2は、180度以下である。なお、実際の脆弱部31の形状は、樹脂の流れによって変動するため図示した形状とは異なる形状も含む。
[マイクロニードルの製造方法]
次に、図10〜図12を参照して、マイクロニードル10の製造方法について説明する。なお、以下では、マイクロニードル10の製造方法の一例として、射出成形法を用いる方法を説明する。
図10に示されるように、射出成形に用いられる金型80は、固定金型81、入れ子82、第1可動金型83、第2可動金型84、および、コアピン85を備えている。入れ子82は、突起部12の形状に応じた突起部成形用溝88が形成されており、突起部成形用溝88は、一方の端部に開口を有し、他方に閉塞された端部である閉塞端部95を有する。金型80は、突起部12の形状に応じた溝が直接形成された構成でもよいが、入れ子82を備える金型80は、入れ子82を変えることによって入れ子82によって形成される突起部12の形状を変えることができる点で好ましい。
第1可動金型83は、固定金型81に対する位置を変えることができる金型である。第1可動金型83には、筒部11を形成するための第1成形用溝86であって、筒部11を2つに分割したときの一方の形状に応じた溝が形成されている。また、第2可動金型84には、筒部11を形成するための第2成形用溝87であって、筒部11を2つに分割したときの他方の形状に応じた溝が形成されている。
コアピン85は、本体部89と先端部90とを備える。本体部89は、マイクロニードル10のうち、筒部11の内周面を形成するための部分であり、先端部90は、突起部12の貫通孔13を形成するための部分である。なお、金型80を構成する固定金型81、入れ子82、第1可動金型83、第2可動金型84、およびコアピン85の各々は、複数の部品の組み合わせであってもよい。
金型80に樹脂を注入するための第1ランナー91は、第1可動金型83に設けられ、第2ランナー92は、第2可動金型84に設けられている。第1ランナー91が第1成形用溝86に接続される第1ゲート93は、筒部11の基端部に対応する位置に設けられている。第2ランナー92が第2成形用溝87に接続される第2ゲート94は、筒部11の基端部に対応する位置に設けられている。このように2つの第1ゲート93、および、第2ゲート94が金型80に設けられているため、ゲートが1つである場合に比べ、金型80内における樹脂の流れを細かく制御することが可能となる。
なお、金型80は、第1ランナー91、および、第2ランナー92を加熱するヒータを備えたホットランナー式の金型であってもよい。ホットランナー式の金型では、金型80に注入された樹脂を第1ゲート93、および、第2ゲート94の直前まで溶融した状態に保つことができる。
図11中、矢印で示すように、マイクロニードル10を製造する際には射出成形機から金型80に溶融した樹脂が注入される。これにより、第1ランナー91および第1ゲート93を通って、第1成形用溝86に樹脂が流れ込む。また、第2ランナー92および第2ゲート94を通って、第2成形用溝87に樹脂が流れ込む。このとき、例えば、樹脂が第2ゲート94から注入されるタイミングを、樹脂が第1ゲート93から注入されるタイミングよりも早くする、又は、第2ゲート94から注入される樹脂の速度(流量)を第1ゲート93から注入される樹脂の速度(流量)よりも大きくする。
第1実施形態で説明したように、筒部11の壁部25の厚みT2は、突起部12の側壁24の厚さT1よりも大きく、壁部25の容積は側壁24の容積よりも大きいため、第1成形用溝86、および、第2成形用溝87で区画される空間であって筒部11の壁部25を形成するための空間に樹脂が充填された後に、突起部成形用溝88に樹脂が流れ込む。
図12に示すように、第2ゲート94から注入された樹脂の先端は、第1ゲート93から注入された樹脂よりも、先に突起部成形用溝88に到達する。第2ゲート94から注入された樹脂は、主に突起部成形用溝88の開口から閉塞端部95に向かう方向と、突起部成形用溝88の開口からの図中右側から左側に向かう方向(図示略)とに向かって流れる。閉塞端部95まで到達した樹脂は、折り返して突起部成形用溝88内を開口側に向かって流れる。このとき、突起部成形用溝88の先端に空気を抜くための孔が形成されていると、第2ゲート94から注入された樹脂が突起部成形用溝88の開口側に向かって流れる量が少なくなる。
一方、第1ゲート93から突起部成形用溝88に流れ込んだ樹脂は、突起部成形用溝88の開口から、開口に対して反対側となる閉塞端部95に向かって流れる。第1ゲート93から突起部成形用溝88に流れ込んだ樹脂は、第2ゲート94から注入され閉塞端部95に到達し開口側に向かって流れる樹脂の先端と合流する。最終的には、先端部90に対して突起部先端23を形成するための溝部先端97側であって、突起部12の下部29に相当する位置に、樹脂が充填されない空隙96が形成される。この空隙96が異なる方向から流れる樹脂によって充填され冷却されたとき、ウェルドラインが形成され、脆弱部31となる。
空隙96を、溝部先端97側に形成することは、第2ゲート94から注入された樹脂の経路と、第1ゲート93から注入された樹脂の経路とが異なることのみでも達成しうる。すなわち、第2ゲート94から注入された樹脂は、突起部成形用溝88の開口から閉塞端部95に達するまでの経路長が、第1ゲート93から注入された樹脂が閉塞端部95に達するまでの経路長よりも短い。このため、第2ゲート94から注入された樹脂の先端は、閉塞端部95で折り返して突起部成形用溝88の開口側まで到達する。
金型80に注入された樹脂が固化すると、第1可動金型83、第2可動金型84、およびコアピン85の位置が変更されることで、マイクロニードル10が金型80から取り出される。空隙96に充填された樹脂の界面は、樹脂が固化することにより他の部分よりも脆い脆弱部31に含まれる。
以上説明したように、第2実施形態によれば、第1実施形態に記載した(1),(2)の効果に加えて、以下に列挙する効果が得られるようになる。
(6)脆弱部31は成形時に生じた樹脂の合流部を含むため、脆弱部31の位置や大きさの調整は、樹脂の速度や、樹脂を異なるゲートから供給するタイミングなどといった条件の変更により可能となるため、脆弱部を形成するために既存の金型の構造を有効利用することができる。
(第3実施形態)
図13、および、図14を参照して、マイクロニードルを具体化した第3実施形態を説明する。なお、第3実施形態のマイクロニードルは、第1実施形態のマイクロニードルの突起部の先端、および、脆弱部を変更した構成であるため、同様の部分については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
図13に示すように、突起部12は、軸線X1に対してずれた位置に形成された突起部先端23を備えている。突起部先端23は、突起部12の外周面よりも径方向内側に位置している。また、突起部12は、突起部先端23から径方向外側に向かうにつれ基端部20側に位置する傾斜面22を有している。傾斜面22のうち最も基端部20側に位置する傾斜面下端26は、突起部12の周方向において360度の範囲に亘り設けられ、その高さ位置は一定である。
突起部12は、脆い材料から形成された脆弱部32を有している。脆弱部32は、突起部12のうち脆弱部32を除く部分とは異なる材料、又は、同じ材料であるが物性が異なる材料から形成され、脆弱部32を除く部分より脆く形成されている。脆弱部32は、突起部12の下部と、先端側筒部15の壁部25の一部とに設けられている。
図14に示すように、脆弱部32は、突起部12の周方向において突起部先端23側の位置、すなわち、突起部12を皮膚に刺したときに引張応力が生じる側とは反対側に設けられている。脆弱部32が設けられる周方向における角度範囲θ3は、180度以下である。なお、脆性を有する材料からなる脆弱部30は、突起部先端23側からみたときの形状を、図14のような扇形状のほか、円形状、楕円形状、矩形状などにしてもよい。
この脆弱部は、成形時に、例えば第1実施形態の入れ子など、突起部12を形成するための金型に脆弱部32を形成するための材料を予め注入又は設置しておき、その材料とは異なる材料又は物性が異なる材料を金型に注入することにより形成される。また、1次金型で形成した成型物を2次金型に入れて樹脂を注入し成形物を製造する2色成形法によって形成してもよい。また、成形物に、超音波やレーザ光を照射することによって、脆弱部32となる部分を改質させたり、脆弱部32となる部分の物性を変化させたりすることによって、こうした脆弱部32を形成してもよい。
以上説明したように、第3実施形態によれば、第1実施形態に記載した(1),(2)の効果に加えて、以下に列挙する効果が得られるようになる。
(7)脆弱部32は、脆弱部32を除く部分よりも脆い材料から構成されるため、脆弱部32の材料の選択等によって、脆弱部32の脆さを調整することができる。
(第4実施形態)
次に、マイクロニードルを具体化した第4実施形態を説明する。なお、第4実施形態のマイクロニードルは、第1実施形態のマイクロニードルの脆弱部を変更した構成であって、第3実施形態の突起部の形状と同じであるため、同様の部分については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
図15に示すように、突起部12の全体の形状は第3実施形態と同様であり、突起部12は、空孔からなる脆弱部33を備えている。突起部12は、樹脂製であり、脆弱部33は、成形時に樹脂内に発生した気泡に起因するものである。空孔は、1つでもよく、複数であってもよい。なお、第1実施形態と同様に、脆弱部33は下部29に形成される。
図16に示すように、脆弱部33は、突起部12の径方向において軸線X1よりも突起部先端23側に近い位置、すなわち、突起部12を皮膚に刺したときに引張応力が生じる側とは反対側に設けられている。脆弱部32が設けられる周方向における角度範囲θ4は、180度以下である。
空孔は、成形時の樹脂の水分含有率を調整することによって形成することができる。樹脂内に気泡を発生させないように成形する場合よりも、成形前の樹脂の水分含有率を大きくして樹脂を加熱溶融させると、樹脂に含有される水分が水蒸気となることによって樹脂内に気泡を発生させる。樹脂が冷却されると、樹脂内に生じた気泡が空孔となる。脆弱部33として形成される空孔は、1つでもよいし、複数であってもよい。
以上説明したように、第4実施形態によれば、第1実施形態に記載した(1),(2)の効果に加えて、以下に列挙する効果が得られるようになる。
(8)脆弱部33は、突起部12の内部に形成された空孔からなるため、突起部12の形状や成形に用いる金型を変更しなくても、製造条件の変更により、脆弱部の脆さを調整することができる。
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・筒部11の形状は、上記各実施形態に記載された形状以外であってもよい。例えば、小径部16を筒部11の周方向の一箇所、または、複数箇所に設けてもよい。また、筒部11の軸方向の複数箇所に小径部16を設けてもよい。筒部11は、支持面14を先端、その反対側の端を基端とするとき、基端から先端までにわたって円柱形状であってもよいし、円錐形状であってもよい。また、筒部11は円柱形状および円錐形状以外の形状、例えば、角柱形状や角錐形状であってもよいし、円柱形状、円錐形状、角柱形状、および、角錐形状の2つ以上を組み合わせた形状であってもよい。
・突起部12は、四角錐や三角錐などの角錐形状、円柱形状、および、角柱形状を有していてもよい。また、突起部12は、突起部12の延びる方向において、上述した形状の群のうち、互いに異なる2つ以上の形状が一体として組み合わされてもよいし、上述した形状の群に含まれる形状の各々に準ずる形状であってもよい。また、突起部12の外周面には、溝が形成されていてもよいし、突起部12の外周面は、段差面で形成されていてもよい。要は、突起部12は、脆弱部を備え、突起部の延在方向における突起部の中間位置よりも基端部側に脆弱部が位置し、かつ、脆弱部を含み延在方向と直交する面内においては、脆弱部を含む第1部と、脆弱部を含まず第1部と対向する第2部とに突起部が二分される構成であればよい。
・突起部12の傾斜面22は、傾斜面22の高さ方向に複数段の傾斜面を有していてもよい。例えば、一定の先端角αで傾斜する傾斜面22の先端のみを、先端角αとは異なる先端角となるようにカットした別の傾斜面を形成してもよい。
・突起部12の傾斜面22は、突起部先端23が外周面より径方向内側に位置するとき、傾斜面下端26が高さ方向に不均一であってもよい。
・突起部12は、軸線X1に対して対称な形状や、先端に傾斜面を有さない形状であってもよく、例えば、単なる円柱状、楕円柱状、四角柱状、さらには、刃状であってもよい。この態様であっても、脆弱部を含む第1部と、脆弱部を含まず第1部と対向する第2部とに突起部が二分される構成であれば、第1部から第2部に向けた方向である破壊方向において突起部の耐荷重性を下げることができる。また、脆弱部側は、突起部12が皮膚を刺す際に加えられる軸線X1と交差する方向の荷重に耐えることが可能な耐荷重性を有する。そのため、全周において脆弱部を設けるよりも皮膚穿刺時に破壊しにくくなる。
・第2実施形態では、金型80に樹脂を注入するためのゲートを2つ設けたが、1つであってもよい。一つのゲートを金型80に設ける場合であっても、ゲートの位置や樹脂を注入する速度を調整することにより、突起部12の下部であって、突起部12を皮膚に刺したときに引張応力が生じる側とは反対側に脆弱部31を形成し、脆弱部31が設けられる角度範囲を180度以下にすることはできる。
・上記各実施形態では、支持面14に一つの突起部12を形成したが、突起部12は、支持面14上に複数配置されていても良く、その配列パターンとしては格子状、円形配列、同心円状等であってもよい。
・マイクロニードル10は、ステンレスやチタン、シリコン、コバルトクロム合金、マグネシウム合金等の金属によって形成されていてもよい。また、マイクロニードル10は金属と樹脂の組み合わせで構成されていてもよい。具体的には突起部が金属製かつ筒部が樹脂製であってよく、その逆に樹脂製の突起部と金属製の筒部であってよい。必要に応じて二つの材料を密接させるためのシール剤、接着剤、ガスケット、オーリング等を組み合わせて使用してもよい。
・上記各実施形態では、突起部12に対し1つの脆弱部を設けたが、180度の角度範囲内であれば突起部12に複数の脆弱部を設けてもよい。
・上記各実施形態における脆弱部の構成は、1つ以上の他の実施形態における静寂部の構成と組み合わせることも可能である。例えば、第1実施形態の脆弱部に形成された切り込みが、第2実施形態から第4実施形態の各脆弱部に形成されてもよく、第2実施形態の脆弱部に含まれるウェルドラインが、第3実施形態や第4実施形態の各脆弱部に形成されてもよい。また、例えば、第1実施形態の脆弱部に形成された切り込みと、第2実施形態の脆弱部に形成されたウェルドラインとが、第3実施形態の脆弱部や第4実施形態の脆弱部に形成されてもよい。また、脆弱部がウェルドラインを含む構成においては、そのウェルドラインが貫通孔13と接するように位置してもよい。
・マイクロニードル10の使用される対象は、人に限らず、他の動物であってもよい。また、上述した実施形態の構成、および、他の実施形態の構成の各々は、適宜組み合わせて実施することができる。
[実施例]
次に、マイクロニードルの実施例1〜4について説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
切り込みを有する突起部を備えるマイクロニードルを作成した。射出成形用の金型として、突起部用金型、筒部用金型、および、貫通孔用のコアピンが組み込まれたモールドベースを準備した。突起部用金型は、突起部先端が外周面上にあり傾斜面を有する突起部(第1実施形態と同様)であって、突起部の長手方向の寸法が0.8mmとなるように設計した。筒部用金型は、突起部を支持する支持面が円形となるように設計し、ゲート口を二箇所に設けた。コアピンの先端部は、直径が100μmである円柱形状とした。
樹脂は、120℃で8時間乾燥処理したポリカーボネートを用いた。射出成形用の金型を全電動射出成形機(住友重機械工業(株)製、SE18DU)に組み込み、290℃に加熱したポリカーボネートを50mm/secの射出速度で射出成形用金型に注入した後、10秒間にわたって冷却した。充填工程から保圧工程に切り替える際のV/P切り替え位置は4mm、保圧時間を0.5秒とした。成形品を金型から取り出した後、ランナー部を取り除き、マイクロニードルを得た。
このマイクロニードルに対し、エキシマレーザーを用いて、高さ方向において基端部から0.2mmの位置であって、幅が0.35mmの切り込みを形成した。
[実施例2]
ウェルドラインを含む脆弱部を備えたマイクロニードルを作成した。射出成形用の金型として、突起部用金型、筒部用金型、および、貫通孔用のコアピンが組み込まれたモールドベースを準備した。突起部用金型、筒部用金型、およびコアピンは、ゲートが1つであること以外は、実施例1と同じ構成のものを用いた。
樹脂は、120℃で8時間乾燥処理したポリカーボネートを用いた。射出成形用の金型を、実施例1と同じ成形機に組み込んだ。290℃に加熱したポリカーボネートを10mm/secの射出速度で射出成形用金型に注入した後、10秒間にわたって冷却した。V/P切り替え位置は5mm、保圧時間を0.5秒とした。成形品を射出成形用金型から取り出した後、ランナー部を取り除くことで、マイクロニードルを得た。V/P切り替え位置を4mm、保圧時間を0.5秒とすることによって、突起部の下部にウェルドラインが形成されたマイクロニードルを得た。
[実施例3]
材料組成が異なる物質からなるマイクロニードルを作成した。射出成形用の金型として、突起部用金型、筒部用金型、および、貫通孔用のコアピンが組み込まれたモールドベースを準備した。突起部用金型、筒部用金型、およびコアピンは、実施例1と同じ構成のものを用いた。
樹脂は、120℃で8時間乾燥処理したポリカーボネートを用いた。射出成形用の金型を、実施例1と同じ成形機に組み込み、樹脂充填前に突起部用金型の一部にポリエチレン製のフィルムを挟み込んだ。290℃に加熱したポリカーボネートを10mm/secの射出速度で射出成形用金型に注入した後、10秒間にわたって冷却した。V/P切り替え位置は5mm、保圧時間を0.5秒とした。成形品を射出成形用金型から取り出した後、ランナー部を取り除くことで、マイクロニードルを得た。V/P切り替え位置を4mm、保圧時間を0.5秒とすることによって、突起部と筒部の境界領域にポリエチレンがポリカーボネートによって押し固められた形状を実現した。
[実施例4]
内部に空隙を有するマイクロニードルを作成した。射出成形用の金型として、突起部用金型、筒部用金型、および、貫通孔用のコアピンが組み込まれたモールドベースを準備した。突起部用金型、およびコアピンは、実施例1と同じ構成のものを用いた。筒部用金型にはゲート口を1つ設けた。
樹脂は、ペレット中の含水率を0.02%に調整したポリカーボネートを用いた。射出成形用の金型を、実施例1と同じ成形機に組み込み、290℃に加熱したポリカーボネートを50mm/secの射出速度で金型に注入した後、10秒間にわたって冷却した。V/P切り替え位置は4mm、保圧時間は0.5秒とした。成形品を金型から取り出した後、ランナー部を取り除いた。樹脂の含水率を上記のように調整することで、突起部の下部内に直径80μmの空孔を設けた成形体を作製した。
[マイクロニードルの耐荷重評価例]
実施例1〜4で成形されたマイクロニードルに対し、突起部が破壊される直前の最大耐荷重を測定することで、耐荷重性を評価した。最大耐荷重の測定は、突起部のうち基端から高さ方向に0.4mmの位置を、先端幅0.2mmの金属棒を用いて突起部の軸線と交差する複数の方向から押し込み、ロードセル(日本計測システム社製、製品名MAX−1KN)を用いて測定した。
実施例1のマイクロニードルでは、脆弱部の上部を、脆弱部から軸線を挟んだ反対側へ向かう破壊方向に押し込んだ場合の最大耐荷重は60gfであった。一方、軸線を挟んだ脆弱部と対称となる部位を、破壊方向とは反対側に押し込んだ場合の最大耐荷重は118gfであり、破壊方向から押し込んだ場合のほうが突起部を折る力が小さいことが確認された。
実施例2のマイクロニードルでは、脆弱部の上部を、脆弱部から軸線を挟んだ反対側へ向かう破壊方向に押し込んだ場合の最大耐荷重は72gfであった。一方、軸線を挟んだ脆弱部と対称となる部位を、破壊方向とは反対側に押し込んだ場合の最大耐荷重は110gfであり、破壊方向から押し込んだ場合のほうが突起部を折る力が小さいことが確認された。
実施例3のマイクロニードルでは、脆弱部の上部を、脆弱部から軸線を挟んだ反対側へ向かう破壊方向に押し込んだ場合の最大耐荷重は33gfであった。一方、軸線を挟んだ脆弱部と対称となる部位を、破壊方向とは反対側に押し込んだ場合の最大耐荷重は58gfであり、破壊方向から押し込んだ場合のほうが突起部を折る力が小さいことが確認された。
実施例4のマイクロニードルでは、脆弱部の上部を、脆弱部から軸線を挟んだ反対側へ向かう破壊方向に押し込んだ場合の最大耐荷重は59gfであった。一方、軸線を挟んだ脆弱部と対称となる部位を、破壊方向とは反対側に押し込んだ場合の最大耐荷重は114gfであり、破壊方向から押し込んだ場合のほうが突起部を折る力が小さいことが確認された。
10…マイクロニードル、11…筒部、12…突起部、13…貫通孔、14…支持面、20…基端部、21…先端部、22…傾斜面、23…突起部先端、24…側壁、25…壁部、26…傾斜面下端、29…下部、30〜33…脆弱部、50…注射筒、80…金型、88…突起部成形用溝、93…第1ゲート、94…第2ゲート、95…閉塞端部、96…空隙、L…投与剤、X1…軸線、θ1〜θ4…角度範囲。

Claims (9)

  1. 基体と、
    前記基体に接続された基端部を有して前記基体から突き出た突起部であって、脆弱部を含むと共に、前記突起部の延在方向に前記突起部を貫通する貫通孔が形成された前記突起部とを備え、
    前記脆弱部は、前記延在方向における前記突起部の中間位置よりも前記基端部側に位置し、かつ、前記脆弱部を含み前記延在方向と直交する面内においては、前記脆弱部を含む第1部と、前記脆弱部を含まず前記第1部と対向する第2部とに前記突起部が二分され、前記第1部から前記第2部に向けた方向が破壊方向であり、
    前記突起部は、前記破壊方向の荷重によって前記突起部が折れるときに前記脆弱部が前記突起部の破壊の起点となるように構成されている
    マイクロニードル。
  2. 前記突起部は、前記基端部とは反対側の端部である先端部を有し、
    前記先端部は、前記延在方向に対して斜めに交差する平坦面である傾斜面を端面として有し、
    前記傾斜面上の点は、前記破壊方向に位置する点ほど前記基端部に近く、
    前記第2部は、前記第1部に対し前記破壊方向に位置する
    請求項1に記載のマイクロニードル。
  3. 前記脆弱部は、前記突起部の外周面から前記突起部内に向かって形成された切り込みである
    請求項1又は2に記載のマイクロニードル。
  4. 前記突起部は、樹脂製の第1突起部分と、樹脂製の第2突起部分とから構成され、
    前記脆弱部は、前記第1突起部分と前記第2突起部分との境界を含む
    請求項1から3のいずれか一項に記載のマイクロニードル。
  5. 前記脆弱部の少なくとも一部は、前記突起部のうち前記脆弱部を除く部分よりも脆い材料から構成されている
    請求項1から4のいずれか一項に記載のマイクロニードル。
  6. 前記脆弱部の少なくとも一部には、前記突起部の内部に位置する空孔が形成されている
    請求項1から5のいずれか一項に記載のマイクロニードル。
  7. 前記突起部は、生体吸収性の材料から構成されている
    請求項1から6のいずれか一項に記載のマイクロニードル。
  8. 基体と、
    前記基体に接続された基端部を有し前記基体から突き出た突起部であって、脆弱部を含むと共に、前記突起部の延在方向に前記突起部を貫通する貫通孔が形成された前記突起部と、
    を備えるマイクロニードルを製造する方法であって、
    前記マイクロニードルを製造するための金型に樹脂を射出し、それによって、樹脂製の第1突起部分と樹脂製の第2突起部分とから構成された前記突起部を形成し、かつ、前記脆弱部の少なくとも一部を前記第1突起部分と前記第2突起部分との境界とすることであって、
    前記脆弱部を含み前記延在方向と直交する面内においては、前記第1突起部分と前記第2突起部分とに前記突起部が二分され、かつ、前記延在方向における前記突起部の中間位置よりも前記基端部側に前記脆弱部が位置するように、前記金型に前記樹脂を射出することを含むこと
    を特徴とするマイクロニードルの製造方法。
  9. 基体と、
    前記基体に接続された基端部を有して前記基体から突き出た突起部であって、脆弱部を含むと共に、前記突起部の延在方向に前記突起部を貫通する貫通孔が形成された前記突起部と、
    を備えるマイクロニードルの使用方法であって、
    前記脆弱部は、前記延在方向における前記突起部の中間位置よりも前記基端部側に位置し、かつ、前記脆弱部を含み前記延在方向と直交する面内においては、前記脆弱部を含む第1部と、前記脆弱部を含まず前記第1部と対向する第2部とに前記突起部が二分され、
    前記第1部から前記第2部に向けた方向が破壊方向であり、
    前記貫通孔を通じて皮膚に投与剤を投与すること、
    前記突起部に前記破壊方向の荷重を加え、それによって、前記脆弱部を破壊の起点として前記突起部を折ることを含むこと
    を特徴とするマイクロニードルの使用方法。
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