JP7230377B2 - マイクロニードル - Google Patents

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Description

本発明は、薬剤の投与のために用いられるマイクロニードルに関する。
ワクチン等の薬剤を体内に投与する方法として、マイクロニードルを用いる方法が知られている。マイクロニードルは、先端に向かって尖った針形状を有する突起部を基体部の表面に備えている。マイクロニードルを用いる投与方法は、突起部を皮膚に刺すことによって皮膚に孔を形成し、この孔から薬剤を皮内に送り込むことで薬剤を投与する方法である。突起部の長さは、皮膚における真皮層の神経細胞に達しない長さであるため、マイクロニードルを用いる投与方法では、注射針を用いて皮下に薬剤を投与する方法と比べて、皮膚に孔が形成されるときの痛みが抑えられる。
マイクロニードルを用いた薬剤の投与方式の1つでは、突起部の延びる方向に基体部と突起部とを貫通する貫通孔が形成されたマイクロニードルが用いられ、貫通孔を通して液状の薬剤が皮内に投与される(例えば、特許文献1参照)。こうしたマイクロニードルは、例えば、注射針のように注射筒に取り付けられて用いられる。薬剤の投与に際しては、注射筒の備える押子が押されることによって、注射筒の外筒に充填されている薬剤が突起部に向けて押圧され、その結果、薬剤は、貫通孔を通って突起部の先端から出て皮内に入る。
特開2015-70869号公報
ところで、針の先端が皮下に到達する皮下注射と異なり、薬剤が投与されている間、マイクロニードルの突起部の先端は皮内に位置する。この皮内では皮下と比べて密に組織が詰まっていること、突起部の貫通孔の径が一般的な注射針の貫通孔の径と比較して小さいこと等の要因によって、貫通孔から皮内へ薬剤が円滑に流れ出ることが妨げられ、皮膚表面から薬剤が漏れ出す(以下、液漏れ)する場合がある。それゆえ、皮内への薬剤の円滑な投与の観点からは、突起部が有する薬剤の流路やマイクロニードル突起部の貫通孔開口部の構成には、未だ改良の余地が残されている。
本発明は、薬剤が液漏れしにくいマイクロニードルを提供することを目的とする。
上記課題を解決するマイクロニードルは、支持面を有する基体部と、
支持面から突き出た突起部と、を備え、
突起部は、突起部の内部において突起部の基端から尖端に向けて延びる主流路と、主流路から突起部の周面に向けて延びて周面に開口する副流路とを有し、周面は、突起部の尖端点を縁部に含み支持面に対して傾斜した尖端面と、縁部のなかで尖端点を含む辺を尖端面と共有する側面と、縁部のなかで尖端点を含まない辺を尖端面と共有する側面とを含み、副流路の開口部である副流路開口部は、突起部の尖端側の幅より基端側の幅の方が小さい形状であり、尖端面、尖端点を含む辺を尖端面と共有する側面、および尖端点を含まない辺を尖端面と共有する側面のうち、隣接する面をまたがないように形成され、主流路における当該主流路の延びる方向の両端部のうち、突起部の基端側の端部は支持面を貫通する開口端であり、突起部の先端側の端部は突起部の尖端点に達していない。
上記構成によれば、副流路の開口は突起部の周面に位置し、この副流路開口部の形状が、突起部の尖端側の幅より基端側の幅の方が小さく、この開口部から薬剤が皮内に放出される。突起部が皮膚に刺さった状態において、皮内の組織は、突起部の長さ方向よりも幅方向に広く広がっているため、従来のように突起部の長さ方向に沿った貫通孔の端部が突起部の尖端付近に開口している構成よりも、上記構成の方が、皮下への薬剤の漏れを抑えて皮内に薬剤を拡散させやすい。そして、こうした副流路における副流路開部形状が皮膚表面に近い領域が狭く、皮内に相当する領域の方が広い形状であることによって、副流路から薬剤を拡散させる際に皮膚表面への液漏れを防ぐことができる。
上記構成において、副流路の延びる方向と直交する断面において副流路が区画する領域の最小面積は、300μm以上であってもよい。また、主流路の延びる方向と直交する断面において主流路が区画する領域の最小面積は、300μm以上であってもよい。上記構成によれば、副流路および主流路の大きさが十分に確保され、副流路から皮内へ薬剤をより円滑に放出することができる。
上記構成において、副流路は、尖端面に開口していてもよい。
上記構成によれば、突起部を構成する要素の中で特徴的な斜面に開口させるため、例えば副流路を追加工して作製する場合等においては、加工面を容易に見つけることができるため加工位置を間違えにくく、円滑に加工することができる。また、作製されたマイクロニードルの成形状態を検品する場合においても、見落としにくい。
支持面と対向する方向から見て、尖端点が尖端面の縁部に位置する構成では、突起部が皮膚に刺さるとき、突起部は、尖端面を押圧する力、すなわち、突起部の中心に対して尖端点が位置する側に突起部を倒そうとする力を大きく受ける。副流路が、尖端面に開口している構成であれば、皮膚に刺さる際に突起部にかかった力により変形した場合においても、開口部は閉塞しにくく、薬剤が放出できなくなるというリスクを低減できる。
上記構成において、副流路は、突起部の周面のうち、尖端点を含まない辺を尖端面と共有する側面に開口していてもよい。また、突起部の周面のうち、尖端点を含まない辺を尖端面と共有するいずれの側面にも開口していてもよい。
上記のように副流路が、尖端点を含まない側面に開口している構成であれば、副流路が尖端点を含む側面に開口している構成と比較して、上記突起部を倒そうとする力に対する突起部の強度が高められる。
上記構成において、突起部は、支持面から延びる柱体形状を有する柱状部と、柱状部の頂部から延びて突起部の先端に向かって尖る錐状部とを有し、副流路は錐状部の周面に開口していてもよい。
上記構成によれば、突起部が、先端に向けて尖る錐状部を有していることによって、皮膚に突起部が刺さりやすい。その一方で、突起部が、柱状部を有しているため、突起部によって形成された孔の径が皮膚の表面付近で広がることが抑えられる。その結果、皮内に投与された薬剤が皮膚の表面に漏れにくくなる。そして、副流路が錐状部の周面に開口しているため、薬剤が皮膚の表面に漏れにくくなる効果が高められる。
上記構成において、副流路開口部は、支持面と平行な方向に沿って延びる底辺と、底辺よりも基体部側に位置する頂角とを含む逆三角形形状としてもよい。副流路開口部を逆三角形の構成とすると、加工しやすい単純な形状でありながら皮膚表面に近づくほど開口面積が小さくなる形状とすることが可能であり、マイクロニードルの量産性の効果が高められる。
本発明によれば、液漏れしにくい薬剤投与を可能とすることができる。
本発明の一実施形態に係るマイクロニードルの正面図および断面図 本発明の他の例に係るマイクロニードルの正面図 本発明のさらに他の例に係るマイクロニードルの正面図 本発明のさらに他の例に係るマイクロニードルの正面図 本発明のさらに他の例に係るマイクロニードルの正面図 本発明のさらに他の例に係るマイクロニードルの正面図 本発明のさらに他の例に係るマイクロニードルの正面図 本発明の一実施形態に係るマイクロニードルの主流路と副流路との構造を示す斜視図および断面図 本発明の一実施形態に係るマイクロニードルの断面図 本発明の一実施形態に係るマイクロニードルの平面図 マイクロニードルが注射筒に取り付けられた形態を示す図 変形例に係るマイクロニードルの斜視図 変形例に係るマイクロニードルの斜視図
図1~図13を参照して、マイクロニードルの一実施形態について説明する。
[マイクロニードルの全体構成]
図1の(a)および(b)が示すように、マイクロニードル10は、支持面11Sを有する基体部11と、支持面11Sから突き出た突起部12とを備えている。
支持面11Sは、突起部12の基端を支持している。支持面11Sの形状は特に限定されず、支持面11Sは円形状であってもよいし、多角形形状であってもよい。基体部11は、図1に示す例のように平板状であってもよいし、あるいは、支持面11Sから突起部12とは反対方向に延びる筒状であってもよい。基体部11は、基体部11の外周部等に、マイクロニードル10に液状の薬剤である液剤を供給するための器具とマイクロニードル10とを接続するための溝や突起等の構造を有していてもよい。
突起部12は、支持面11Sから延びる柱体形状を有する柱状部13と、柱状部13の頂部から延びる錐体をその延びる方向に対して斜めに切断した形状を有する錐状部14とから構成される。
詳細には、柱状部13は、四角柱形状を有し、支持面11S内に区画された正方形形状の底面から延びる4つの側面13Dを備える。側面13Dは、支持面11Sに直交している。また、錐状部14は、四角錐をその延びる方向に対して斜めに切断した形状を有しており、4つの側面14Dと、これらの側面14Dの各々と辺を共有して繋がる1つの尖端面14Tとを備えている。
側面14Dは、支持面11Sに対して傾斜しており、1つの側面14Dは、1つの側面13Dと1辺を共有している。尖端面14Tもまた、支持面11Sに対して傾斜しており、尖端面14Tに含まれる辺は、いずれも、支持面11Sに対して傾斜している。図1に示す例では、尖端面14Tが有する頂点のなかで最も基体部11に近い頂点、すなわち、最も突起部12の基端側に位置する頂点は、錐状部14における基端側の端部、すなわち、柱状部13と接する端部に位置している。こうした構成においては、尖端面14Tにおける最も基体部11に近い頂点を尖端面14Tと共有する側面14Dは、三角形形状を有する。
尖端面14Tは、最も基体部11に近い頂点と最も基体部11から離れた頂点とを結ぶ直線に対して線対称な形状を有し、最も基体部11から離れた頂点が、突起部12の尖端の点である尖端点Pを構成している。
突起部12の周面は、上記4つの側面13Dと、4つの側面14Dと、尖端面14Tとから構成される。突起部12の支持面11Sからの長さは、尖端点Pにて最も大きくなっている。
突起部12は、その内部に、突起部12の基端から先端に向けて延びる1つの主流路15mと、主流路15mから突起部12の周面に向けて延びる1つの副流路15sとを有している。主流路15mと副流路15sとは互いに連通し、主流路15mおよび副流路15sの各々は、突起部12の内部に、流体を流すことの可能な空間を区画している。主流路15mは支持面11Sを貫通してマイクロニードル10の外部と連通し、副流路15sは突起部12の周面に開口している。
マイクロニードル10の備える突起部12の数は1つであってもよいし、複数であってもよい。マイクロニードル10が1つの突起部12を備える場合、突起部12は支持面11Sの中央に位置することが好ましい。また、マイクロニードル10が複数の突起部12を備える場合、複数の突起部12は、支持面11S上に、例えば、格子状や、円形状や、同心円状に配列される。
[副流路開口部の詳細構成]
図1の(a)および図2~図7を参照して、副流路15sの周面における開口部である副流路開口部20の詳細な構成について説明する。図1の(a)および図2~図7は、尖端面に副流路開口部を有するマイクロニードルの実施形態のいくつかの例について突起部を正面から見た正面図である。
図1の(a)および図2~図7はマイクロニードルの正面図であり、一例として尖端点Pを含み支持面11Sに対して斜めの面である尖端面14Tに副流路開口部20が位置している。副流路開口部20は突起部12の尖端側の幅より突起部12の基体部11側の幅が小さい形状である。
副流路開口部20の具体的な形状は、一例として図1の(a)および図2~図7に示すように、支持面11Sと平行な方向に沿って延びる底辺と、この底辺より基体部11側に位置する頂角とを含む三角形(以下では、逆三角形という)(図1)、X形状(図2)、上辺より下辺が小さい台形(図3)、尖端点P側が大きく基体部11が小さい矩形となるよう組み合わせた多角形(図4)、矩形と逆三角形を組み合わせた形状(図5)、矩形をV字に組み合わせた形状(図6)、開口部の内側方向へ湾曲した領域を有する形状(図7)、などでよい。
[流路の詳細構成]
図8~図10を参照して、主流路15mおよび副流路15sの詳細な構成について説明する。図8の(a)は、主流路15mおよび副流路15sの外形を実線で示し、突起部12の外形を二点鎖線で示す図であり、図8の(b)は、副流路15sの延びる方向に沿った突起部12の断面を示す図である。
図8の(a)および(b)が示すように、主流路15mは、突起部12の中央部に位置し、突起部12の長さ方向、すなわち、支持面11Sと直交する方向に沿って延びている。主流路15mの延びる方向における両端部のうち、突起部12の基端側の端部は開口端である。例えば、主流路15mは、基体部11を貫通して基体部11における支持面11Sとは反対側の面に開口している。一方、主流路15mの延びる方向における両端部のうち、突起部12の先端側の端部は、突起部12の先端に達していてない。すなわち、主流路15mにおける突起部12の先端側の端部は、突起部12の尖端面14Tに達していない。
副流路15sは、突起部12の幅方向、すなわち、支持面11Sと平行な方向に沿って延びている。副流路15sの延びる方向における両端部のうち、一方の端部は主流路15mに接続し、他方の端部は、突起部12における錐状部14の側面14Dに開口している。尖端面14Tおよび柱状部13の側面13Dは、流路の端部である開口を有していない。
主流路15mと副流路15sとによって、突起部12の内部には、主流路15mの開口端から副流路15sの開口へ向かう流体の流路が形成されており、この流路は、主流路15mと副流路15sとの接続部分で折れ曲がっている。
主流路15mについて、各流路の延びる方向と直交する断面において各流路が区画する領域は円形状を示す。主流路15mの延びる方向と直交する断面において主流路15mが区画する領域の面積が主流路面積Msであり、1つの主流路15mにおいて、主流路面積Msは一定である。主流路面積Msは、300μm以上であることが好ましい。
副流路15sについて、各流路の延びる方向と直交する断面において各流路が区画する領域は副流路開口部20の形状と同じ形状であってもよいし異なってもよい。副流路15sの延びる方向と直交する断面において副流路15sが区画する領域の面積が副流路面積Ssであり、1つの副流路15sにおいて、副流路面積Ssは一定である。
副流路面積Ssは、300μm以上であることが好ましい。
主流路面積Msと副流路面積Ssとは、等しくてもよいし、異なっていてもよい。
突起部12の長さLtは、突起部12の長さ方向、すなわち、支持面11Sと直交する方向における支持面11Sから突起部12の尖端点Pまでの長さである。突起部12の長さLtは、皮膚の最外層である角質層を貫通し、かつ、皮下へ到達しない長さであることが好ましく、具体的には200μm以上2000μm以下であることが好ましい。
また、柱状部13の長さLcは、突起部12の長さ方向における支持面11Sから柱状部13の頂部までの長さであり、柱状部13の長さLcは、突起部12の長さLtの1/20以上1/2以下であることが好ましい。
突起部12の幅Wtは、突起部12の幅方向、すなわち、支持面11Sと平行な方向における突起部12の最大の長さである。つまり、突起部12の幅Wtは、支持面11S内に区画された突起部12の底面が示す正方形の対角線の長さである。突起部12の幅Wtは、150μm以上1000μm以下であることが好ましい。
主流路15mの高さHmは、突起部12の長さ方向における支持面11Sからの主流路15mの長さであり、すなわち、支持面11Sから、主流路15mにおける突起部12の先端側の端部までの長さである。主流路15mの高さHmは、突起部12の長さLtよりも小さい。
副流路15sの高さHsは、突起部12の長さ方向における支持面11Sから副流路開口部20の基体部11側下端までの距離である。
副流路15sの高さHsは、100μm以上であることが好ましい。換言すれば、副流路開口部20の基体部11側下端と、支持面11Sとは、100μm以上、離れていることが好ましい。副流路15sの高さHsが100μm以上であれば、突起部12に供給された薬剤が、突起部12における支持面11Sの付近、すなわち、皮膚の表面に近い部位から流れ出ることが抑えられる。そのため、皮内に投与すべき薬剤が皮膚の表面に漏れ出ることが抑えられる。なお、副流路15sの高さHsは、1500μm以下であることが好ましい。
副流路15sは、図8の(b)が示すように、主流路15mにおける突起部12の先端側の端部と同じ高さから延びていてもよい。あるいは、副流路15sは、図9が示すように、主流路15mと接続される端部において、主流路15mにおける突起部12の先端側の端部よりも、突起部12の基端側に位置してもよい。いずれの場合であれ、副流路15sの高さHsは、主流路15mの高さHmよりも小さい。
図8の(b)に示す構成では、副流路15sと主流路15mとの接続部分において、主流路15mにおける突起部12の先端側の端部の位置と、副流路15sにおける突起部12の先端側の端部の位置とは、突起部12の長さ方向において一致している。
一方、図9に示す構成では、突起部12の長さ方向において、主流路15mは、副流路15sを越えて突起部12の先端側へ延び、副流路15sと主流路15mとの接続部分には、段差部16が形成されている。図9に示す構成は、図8の(b)に示す構成と比較して、主流路15mの後に副流路15sを形成する方法によってマイクロニードル10を製造する場合に、主流路15mと副流路15sとの位置合わせに高い精度が必要とされない。
図10が示すように、支持面11Sと対向する方向から見て、突起部12の尖端点Pは、尖端面14Tの縁部に位置する。副流路15sが開口している側面14Dは、突起部12の尖端点Pを含まない側面14Dであって、尖端面14Tの有する辺のなかで傾斜の下側に位置する辺、すなわち、突起部12の基端に近い辺を尖端面14Tと共有する側面14Dである。換言すれば、副流路15sは、4つの側面14Dを、尖端点Pに近い2つ側面14Dと尖端点Pから遠い2つ側面14Dとに分けたとき、尖端点Pから遠い2つの側面14Dのいずれかに開口している。尖端点Pに近い側面14Dは、尖端面14Tの縁部のなかで尖端点Pを含む辺を尖端面14Tと共有する側面14Dであり、尖端点Pから遠い側面14Dは、尖端面14Tの縁部のなかで尖端点Pを含まない辺を尖端面14Tと共有する側面14Dである。
尖端点Pが尖端面14Tの縁部に位置する構成では、突起部12が皮膚に刺さるとき、突起部12は、尖端面14Tを押圧する力、すなわち、突起部12を突起部12の中心に対して尖端点Pが位置する側に倒そうとする力を大きく受ける。したがって、副流路15sが、尖端点Pから遠い側面14Dに開口している構成であれば、副流路15sが尖端点Pに近い側面14Dに開口している構成と比較して、上記突起部12を尖端点Pが位置する側に倒そうとする力に対する突起部12の強度が高められる。
[作用]
図11を参照して、本実施形態のマイクロニードル10の作用について説明する。
図11が示すように、マイクロニードル10は、注射筒30の備える外筒31の筒先に取り付けられる。薬剤の投与に際しては、マイクロニードル10が薬剤の投与対象の皮膚に押し当てられることによって、突起部12が皮膚を刺す。そして、突起部12が皮膚を刺した状態で、押子32がマイクロニードル10に向けて押し込まれる。押子32が押し込まれることによって、外筒31に充填されている液状の薬剤lmが、突起部12の主流路15mに供給され、さらに、薬剤lmは、主流路15mから副流路15sへ流れる。そして、薬剤lmは、突起部12の側面14Dの開口から出て皮内に入る。
従来のように、突起部の長さ方向に沿った貫通孔の端部が突起部の尖端付近に開口している構成では、突起部の長さ方向に沿って薬剤が放出されることに対し、本実施形態の突起部12からは、突起部12の幅方向に沿って薬剤が放出される。突起部12が皮膚に刺さった状態において、皮内の組織は、突起部12の長さ方向よりも幅方向に広く広がっているため、従来の構成よりも、本実施形態の構成の方が、皮下への薬剤の漏れを抑えて皮内に薬剤を拡散させやすい。
また、突起部12は、その長さ方向に沿って尖端点Pから皮膚に挿入される。そのため、従来のように突起部の長さ方向に沿った貫通孔の端部が突起部の尖端付近に開口している構成よりも、本実施形態のように、突起部12の長さ方向とは異なる方向に延びる副流路15sの端部が突起部12の周面に開口している構成の方が、穿孔の過程で薬剤の流路内に皮膚の組織が入り込みにくい。
また、本実施形態のように、突起部12の長さ方向とは異なる方向に延びる副流路15sの端部の副流路開口部20が、突起部12の尖端側の幅より突起部の基端側の幅の方が小さい形状としている構成とすることにより、皮内に留まる領域の開口が広く、皮膚表面に近い領域の開口が狭くなり、皮膚表面に薬剤が液漏れしにくい。
さらに副流路開口部20を逆三角形の構成とすると、加工しやすい単純な形状でありながら皮膚表面に近づくほど開口面積が小さくなる形状とすることが可能であり、液漏れと加工性のいずれにおいても効果的である。
ここで、副流路面積Ssが小さいと、突起部12からの薬剤の流出口が小さくなるため、薬剤が副流路15sから皮内へ円滑に流れ出にくい。特に薬剤が水溶液であった場合、最小の副流路面積Ssが100μm以上、さらには300μm以上あることによって、副流路15sから皮内へ薬剤を円滑に放出することが可能である。薬剤に粒子が含まれている場合、その粒子の形状や特性に随時合わせた形状とすることができる。薬剤が放出されやすい性質を有する場合、最小の副流路面積Ssはより小さくすることもできる。
このように、本実施形態のマイクロニードル10によれば、薬剤の円滑な投与が可能である。その結果、薬剤の押圧に要する力の増大や薬剤の投与に要する時間の増大が抑えられるため、薬剤の投与者や被投与者の負担が大きくなることを抑えられる。また、皮内に広がることのできる薬剤の量が制限されることに起因して薬剤が皮膚の表面や皮下に流出することが抑えられるため、薬剤が所望の位置とは異なる部位に漏れ出して皮内に投与される薬剤の量が少なくなることも抑えられる。
また、突起部12が、先端に向けて尖る錐状部14を有していることによって、皮膚に突起部12が刺さりやすい。その一方で、突起部12が、柱状部13を有しているため、突起部が錐状部14のみから構成される場合、すなわち、支持面11Sに対して傾斜した側面が支持面11Sまで延びる場合と比較して、突起部によって形成された孔の径が皮膚の表面付近で広がることが抑えられる。その結果、皮内に投与された薬剤が皮膚の表面に漏れにくくなる。特に、副流路15sは、錐状部14の側面14Dに開口し、柱状部13の側面13Dは、副流路15sの端部である開口を有していないため、薬剤が皮膚の表面に漏れにくくなる効果が高く得られる。
[マイクロニードルの製造方法]
上記マイクロニードル10の材料および製造方法について説明する。
突起部12を形成するための材料は特に限定されず、突起部12は、シリコンやステンレス、チタン、コバルトクロム合金、マグネシウム合金等の金属材料から形成されていてもよい。また、突起部12は、汎用のプラスチック、医療用のプラスチック、および、化粧品用のプラスチック等の樹脂材料から形成されていてもよい。樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、アクリル、ウレタン樹脂、芳香族ポリエーテルケトン、エポキシ樹脂、および、これらの樹脂の共重合材料等が挙げられる。
基体部11の材料は特に限定されず、基体部11は、例えば、上述の突起部12の材料として例示した材料から形成されればよい。
マイクロニードル10は、基体部11と突起部12とが一体に形成された一体成形物であってもよいし、基体部11と突起部12とが各別に形成された後に接合されることによって形成されてもよいし、金属材料と樹脂材料との組み合わせにより形成されていてもよい。例えば、突起部12が金属製かつ基体部11が樹脂製であってもよいし、その逆に突起部12が樹脂製かつ基体部11が金属製であってもよい。
基体部11と突起部12とが各別に形成される場合や、マイクロニードル10が金属材料と樹脂材料との組み合わせにより形成される場合には、必要に応じて、マイクロニードル10を構成する各別の部分を密接させるためのシール剤、接着剤、ガスケット、O-リング等を組み合わせて使用してもよい。
マイクロニードル10の形成方法としては、例えば、機械加工によって、基体部11と突起部12との外形を形成した後に、主流路15mとなる孔および副流路15sとなる孔を形成する方法が用いられる。具体的には、柱体に錐体もしくは錐台が接続された形状の構造体が形成され、この構造体がその長さ方向に対して斜めに切断されることによって、柱状部13と錐状部14とから構成される突起部12の外形が形成される。
あるいは、マイクロニードル10が樹脂材料から形成される場合には、射出成形と機械加工との組み合わせによって、マイクロニードル10が形成されてもよい。例えば、射出成形によって基体部11と突起部12との外形および主流路15mとなる孔が形成された後、機械加工によって副流路15sとなる孔が形成される。
あるいは、複数の可動金型の組み合わせによって、射出成形のみを利用して、マイクロニードル10が形成されてもよい。
主流路15mや副流路15sを形成するために用いられる機械加工方法としては、例えば、レーザー加工が挙げられる。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)副流路15sから薬剤を拡散させる際に、皮内領域における開口面積が大きいことにより皮内へ放出されやすくなり、皮膚表面への液漏れを防ぐことができる。よって薬剤の投与量が少なくなることも防ぐことができ、高価な薬剤を無駄なく使用することができる。
(2)副流路15sが、4つの側面14Dのうち、尖端点Pを含む尖端面14Tに開口している(副流路開口部20)。こうした構成によれば、副流路15sを追加工して作製する場合等においては、加工位置を間違えにくく、円滑に加工することができる。また、作製されたマイクロニードルの成形状態を検品する場合においても、見落としにくい。皮膚に刺さる際に突起部にかかった力により変形した場合においても、開口部は閉塞しにくく、薬剤が放出されなくなるリスクを低減できる。
(3)副流路15sが、4つの側面14Dのうち、尖端点Pを含まない側面14Dに開口している。こうした構成によれば、皮膚への穿孔時に突起部12が受ける力、すなわち、突起部12を突起部12の中心に対して尖端点Pが位置する側に倒そうとする力に対する突起部12の強度が高められる。
(4)突起部12が、先端に向けて尖る錐状部14を有していることによって、皮膚に突起部12が刺さりやすい。その一方で、突起部12が、柱状部13を有しているため、突起部12によって形成された孔の径が皮膚の表面付近で広がることが抑えられる。その結果、皮内に投与された薬剤が皮膚の表面に漏れにくくなる。そして、副流路15sが錐状部14の周面に開口しているため、薬剤が皮膚の表面に漏れにくくなる効果が高く得られる。
[変形例]
上記実施形態は、以下のように変更して実施することが可能である。
・主流路15mおよび副流路15sの各々について、流路の延びる方向と直交する断面にて流路が区画する領域の形状は円形でなくてもよく、例えば、矩形であってもよい。また、上記断面にて主流路15mが区画する領域の形状と、上記断面にて副流路15sが区画する領域の形状とは異なってもよい。副流路15sが区画する領域の形状に関わらず、薬剤の円滑な放出のためには、副流路面積Ssは100μm以上であればよく、さらに、副流路面積Ssは300μm以上であることが好ましい。
・主流路15mおよび副流路15sの各々について、各流路の延びる方向と直交する断面において各流路が区画する領域は、薬剤が流路を通過することが可能でかつ皮内へ薬剤を放出することが可能であれば、いずれの形状でもよい。主流路15mの延びる方向と直交する断面において主流路15mが区画する領域の面積が主流路面積Msであり、1つの主流路15mにおいて、主流路面積Msは一定あっても一定でなくてもよい。副流路15sについて、副流路15sの延びる方向と直交する断面において副流路15sが区画する領域の面積が副流路面積Ssであり、1つの副流路15sにおいて、副流路面積Ssは一定であってもよく一定でなくともよい。
主流路面積Msと副流路面積Ssは、各々について最小値が100μm以上であればよく、さらに300μm以上であることが好ましい。
なお、主流路15mは、各流路の延びる方向と直交する断面において各流路が区画する領域は円形状だけでなく、楕円形状、三角形状や四角形状等の多角形状を選択することも可能である。ただし、主流路15mの各流路の延びる方向と直交する断面における各流路が区画する領域を円形状とすることにより、突起部を倒そうとする力に対する突起部の強度が高められる。
また、主流路面積Msは一定でなくともよく、例えば、突起部の基端側から突起部の先端側に向かって主流路面積Msが小さくなる構造とすることもできる。主流路15mが突起部の基端側から突起部の先端側に向かって主流路面積Msが小さくなる構造とすることにより、突起部を倒そうとする力に対する突起部の強度が高められる。
・突起部12の形状は、上記実施形態の形状に限られない。例えば、突起部の形状は、柱体の上面に錐体の底面が接続された立体を、その延びる方向に対して斜めに切断した形状であれば、尖端面14Tにおける最も基体部11に近い頂点は、柱体と錐体との境界よりも突起部の先端側に位置してもよいし、突起部の基端側に位置してもよい。
また例えば、突起部は、円錐や角錐を、その延びる方向に対して斜めに切断した形状を有していてもよい。図12に例示する突起部17は、四角錐をその延びる方向に対して斜めに切断した形状を有する。この場合、突起部17の周面は、支持面11Sから支持面11Sに対して傾斜した方向に延びる4つの側面17Dと、4つの側面17Dと繋がる尖端面17Tであって、支持面11Sに対して傾斜した尖端面17Tとから構成される。また、突起部が、円錐をその延びる方向に対して斜めに切断した形状を有している場合には、突起部の周面は、支持面11Sから延びる曲面である側面と、側面と繋がり、支持面11Sに対して傾斜した尖端面とから構成される。
また例えば、突起部は、角柱や円柱をその延びる方向に対して斜めに切断した形状を有していてもよいし、傾斜した尖端面を有さず、円錐形状や角錐形状のように、支持面11Sと対向する方向から見て、突起部の尖端点が突起部の中央部に位置する形状を有していてもよい。さらには、突起部の尖端面は湾曲していてもよいし、突起部の周面には溝や段差が形成されていてもよい。要は、突起部は、皮膚を刺すことの可能な形状であればよい。
突起部が、突起部の幅方向の大きさが突起部の先端から基端に向かって支持面11Sまで徐々に大きくなる形状を有する場合、突起部の基端付近における強度が高められる。一方、突起部が、突起部の幅方向の大きさが一定である部分を基端部に有する場合、幅方向の大きさが変化する場合と比較して、突起部を皮膚に刺す際の抵抗を小さく抑えられる。
・突起部12が、主流路15mから延びて突起部12の周面に開口する副流路15sを有していれば、副流路15sの開口の位置や副流路15sの延びる方向は限定されない。例えば、副流路15sは、尖端点Pに近い側面14Dに開口していてもよいし、尖端面14Tや柱状部13の側面13Dの面内、あるいは、突起部12の周面を構成する面のなかで互いに隣接する面を跨ぐ位置に開口していてもよい。また、副流路15sは、突起部12の幅方向とは異なる方向に延びていてもよく、換言すれば、支持面11Sに対して傾斜した方向に延びていてもよい。また、主流路15mと副流路15sとが接続される部分において、副流路15sにおける突起部12の先端側の端部は、主流路15mにおける突起部12の先端側の端部よりも、突起部12の先端側に位置してもよい。
・突起部12は、主流路15mから延びて突起部12の周面に開口する複数の副流路15sを有していてもよい。図13は、突起部12が2つの副流路15sを有する例を示す。突起部12の強度が特定の位置で過度に低下することを抑えるためには、複数の副流路15sの高さHsは互いに異なっていることが好ましく、また、支持面11Sと対向する方向から見て、複数の副流路15sが主流路15mから互いに異なる方向に延びていることが好ましい。例えば、各副流路15sの開口する側面14Dは、他の副流路15sの開口する側面14Dとは異なることが好ましい。
突起部12が、複数の副流路15sを有している場合、薬剤の円滑な放出のためには、副流路15sの各々について、副流路面積Ssが100μm以上であればよく、さらに、副流路面積Ssは300μm以上であることが好ましい。
・マイクロニードル10の使用形態は、注射筒30に取り付けられて用いられる形態に限られない。突起部12の主流路15mへ、注射筒30とは異なる器具によって薬剤が供給されてもよい。また、薬剤の投与後に、突起部12は、基体部11と分離されて、投与対象の皮内に残されてもよい。
・マイクロニードル10によって薬剤を投与される対象は、人に限らず、他の動物であってもよい。また、上述した実施形態の構成、および、変形例の構成の各々は、適宜組み合わせて実施することができる。
[実施例1]
上述したマイクロニードルについて、具体的な実施例を用いて説明する。
<マイクロニードルの作製>
マイクロニードルの材料としてポリカーボネートを用い、射出成形によって、板状の基体部とともに、底面が正方形である四角柱の上面に接続された四角錐をその延びる方向に対して斜めに切断した形状の構造体であって、内部に主流路となる孔を有する構造体を形成した。さらに、レーザー加工によって、上記構造体に底辺の長さが50μm、高さが240μmの逆三角形の副流路開口部を有する副流路となる孔を形成することにより、突起部を形成し、マイクロニードルを得た。
突起部の外形は図1に示した形状であり、錐状部の側面の支持面に対する傾きは80°であり、突起部の長さLtは750μmであり、柱状部の長さLcは100μmである。主流路の高さHmは640μmであり、主流路の延びる方向と直交する断面にて主流路が区画する領域の形状は円形であり、その直径は100μmである。副流路の高さHsは、400μmであり、副流路は、錐状部の側面のなかで突起部の尖端点Pを含み突起部の延びる方向に対する斜面に開口している。
[比較例1]
<マイクロニードルの作製>
マイクロニードルの材料としてポリカーボネートを用い、射出成形によって、板状の基体部とともに、底面が正方形である四角柱の上面に接続された四角錐をその延びる方向に対して斜めに切断した形状の構造体であって、内部に主流路となる孔を有する構造体を形成した。さらに、レーザー加工によって、上記構造体に短辺の長さが50μm、長辺の長さが240μmの矩形の開口部を有する副流路となる孔を形成することにより、突起部を形成し、マイクロニードルを得た。
突起部の外形は図1に示した形状であり、錐状部の側面の支持面に対する傾きは80°であり、突起部の長さLtは750μmであり、柱状部の長さLcは100μmである。主流路の高さHmは640μmであり、主流路の延びる方向と直交する断面にて主流路が区画する領域の形状は円形であり、その直径は100μmである。副流路の高さHsは、400μmであり、副流路は、錐状部の側面のなかで突起部の尖端点Pを含み突起部の延びる方向に対する斜面に開口している。
[薬剤の液漏れ評価]
実施例1および比較例1のマイクロニードルを用いて、薬剤の液漏れ評価を行った。
各マイクロニードルを、薬剤として生理食塩水が充填された注射筒に取り付け、12週齢のウィスターラットから摘出した皮膚に突起部を刺した後に、0.2MPaの力で薬剤を突起部に向けて押圧した。薬剤の押圧は、圧力計を接続したチューブを注射筒の外筒に押子の代わりに挿入して、チューブ内に、チューブ内が0.2MPaになるようにガスを供給することにより行った。ウィスターラットの皮膚を観察しながら薬剤の押圧を300秒間継続しながら最大で600μL投与し、皮膚表面に漏れ出てくるか否かを確認した。
実施例1では、目視では液漏れがなく全量を投与することができた。一方比較例1では、やや液漏れが確認された。
以上より、本発明のマイクロニードルを実施することができた。
本発明のマイクロニードルは、微細な針状体を必要とする様々な分野に利用可能である。例えば、MEMSデバイス、光学部材、試料冶具、創薬、化粧品、医療用途、美容用途などに用いる針状体として応用が期待できる。
10…マイクロニードル、11…基体部、11S…支持面、12,17…突起部、13…柱状部、13D…側面、14…錐状部、14D…側面、14T…尖端面、15m…主流路、15s…副流路、16…段差部、20…副流路開口部、30…注射筒、31…外筒、32…押子、P…尖端点。

Claims (10)

  1. 支持面を有する基体部と、
    前記支持面から突き出た突起部と、を備え、
    前記突起部は、前記突起部の内部において前記突起部の基端から尖端に向けて延びる主流路と、前記主流路から前記突起部の周面に向けて延びて前記周面に開口する副流路とを有し、
    前記周面は、前記突起部の尖端点を縁部に含み前記支持面に対して傾斜した尖端面と、前記縁部のなかで前記尖端点を含む辺を前記尖端面と共有する側面と、前記縁部のなかで前記尖端点を含まない辺を前記尖端面と共有する側面とを含み、
    前記副流路の開口部である副流路開口部は、
    前記突起部の尖端側の幅より基端側の幅の方が小さい形状であり、
    前記尖端面、前記尖端点を含む辺を前記尖端面と共有する側面、および前記尖端点を含まない辺を前記尖端面と共有する側面のうち、隣接する面をまたがないように形成され、
    前記主流路における当該主流路の延びる方向の両端部のうち、前記突起部の基端側の端部は前記支持面を貫通する開口端であり、前記突起部の先端側の端部は突起部の尖端点に達していない、
    マイクロニードル。
  2. 前記副流路の延びる方向と直交する断面において前記副流路が区画する領域の最小面積は、100μm以上である、請求項1に記載のマイクロニードル。
  3. 前記副流路の延びる方向と直交する断面において前記副流路が区画する領域の最小面積は、300μm以上である、
    請求項1に記載のマイクロニードル。
  4. 前記主流路の延びる方向と直交する断面において前記主流路が区画する領域の最小面積は、100μm以上である、請求項1に記載のマイクロニードル。
  5. 前記主流路の延びる方向と直交する断面において前記主流路が区画する領域の最小面積は、300μm以上である、請求項1に記載のマイクロニードル。
  6. 前記副流路は、前記尖端面に開口している、
    請求項1~5のいずれか一項に記載のマイクロニードル。
  7. 前記副流路は、前記周面のうち、前記尖端点を含まない辺を前記尖端面と共有する側面に開口している、
    請求項1~5のいずれか一項に記載のマイクロニードル。
  8. 前記副流路は、前記周面のうち、前記尖端点を含まない辺を前記尖端面と共有するいずれの側面にも開口している、
    請求項1~5のいずれか一項に記載のマイクロニードル。
  9. 前記突起部は、前記支持面から延びる柱体形状を有する柱状部と、前記柱状部の頂部から延びて前記突起部の先端に向かって尖る錐状部とを有し、
    前記副流路は前記錐状部の周面に開口している、
    請求項1~5のいずれか一項に記載のマイクロニードル。
  10. 前記副流路開口部が、前記支持面と平行な方向に沿って延びる底辺と、前記底辺よりも前記基体部側に位置する頂角とを含む逆三角形形状である、
    請求項1~9のいずれか一項に記載のマイクロニードル。
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