JP2015139547A - マイクロニードルユニットと注射装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 穿刺側に設置され流路を備えた複数のマイクロニードルと、反穿刺側に上記マイクロニードルよりも少ない数だけ設置され上記流路に連絡する流路を備えた薬液供給ニードルと、を具備することで、簡易な構成により、液体の供給源に対して容易に接続できるとともに、効果的に注射を行うことができるようにしたもの。
【選択図】 図2
Description
まず、複数のマイクロニードルが設置された複数のマイクロニードルユニットがあり、これら複数のマイクロニードルユニットがニードルホルダ(例えば、ゴム製)によって一体化されて、上ケースと下ケースからなるケース内に収容されている。上記マイクロニードルユニットは、マイクロニードルユニットに形成された流路ボスを上記ニードルホルダに形成された薬液流通孔に圧入することによって上記ニードルホルダに連結されている。
また、上記下ケースには薬液注入口が形成されており、この薬液注入口は全てのマイクロニードルユニットの流路と連通されている。そして、この薬液注入口にチューブ等を介してポンプ等を接続し、上記チューブ及び薬液注入口を介して上記マイクロニードルユニットひいてはマイクロニードルに薬液を供給する。
特許文献2に記載された薬液容器及び薬液注射装置の場合には、両端に針を備えた一本の針管(両頭針)が設置されており、この針管の一方をシール材を貫通させて薬液が充填された薬液容器内に浸漬させ、上記針管の他方から皮下に上記薬液を吐出させるものである。この特許文献2に記載された構成は、特許文献1に記載された構成よりも簡単で部品点数も少なく、また、上記針管を上記シール部材を貫通させて薬液容器内に浸漬させるため、薬液漏れも起こり難い。
まず、特許文献1に記載されたマイクロニードルアレイ装着用治具とマイクロニードルアレイ装置の場合には、マイクロニードルに薬液を供給する側の構成が複雑であり、また、部品点数も多くなってしまうという問題があった。
また、マイクロニードルユニットの流路ボスとニードルホルダの薬液流通孔の圧入精度を確保することが困難であり、薬液が漏れ易いという問題があった。
また、上記マイクロニードルユニットには複数のマイクロニードルが設置されているが、マイクロニードル毎に穿刺される場所が異なり、その場所によって皮膚の硬さや凹凸の状態が異なるため、全てのマイクロニードルを皮膚に対して均等に穿刺することは困難であり、一部のマイクロニードルから薬液が漏れ出てしまうという問題があった。
また、一般的に、穿刺時の無痛化を図ろうとする場合、針の縮径化を図ることになるが、上記したように、一本針であるため、縮径化した場合に薬液注入量が制約されることになり、所望の量の薬液を注射することができなくなってしまうという問題があった。
又、請求項2によるマイクロニードルユニットは、請求項1記載のマイクロニードルユニットにおいて、上記マイクロニードルの流路は上記薬液供給ニードルの流路に集約されることを特徴とするものである。
又、請求項3によるマイクロニードルユニットは、請求項1又は請求項2記載のマイクロニードルユニットにおいて、上記薬液供給ニードルは複数設けられていて、これら複数の薬液供給ニードルの流路は連通路に合流しその連通路を介して上記マイクロニードルの流路に連通することを特徴とするものである。
又、請求項4によるマイクロニードルユニットは、請求項1〜請求項3の何れかに記載のマイクロニードルユニットにおいて、上記流路の大きさは上記薬液供給ニードルから上記マイクロニードルに向かって段階的に小さくなるように設定されていることを特徴とするものである。
又、請求項5によるマイクロニードルユニットは、請求項1〜請求項4の何れかに記載のマイクロニードルユニットにおいて、上記マイクロニードル及び/又は上記薬液供給ニードルは2つの分割要素の貼り合わせにより構成されていることを特徴とするものである。
又、請求項6によるマイクロニードルユニットは、請求項5記載のマイクロニードルユニットにおいて、上記2つの分割要素のうち一方の分割要素の先端側には矢じり部が設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項7によるマイクロニードルユニットは、請求項5又は請求項6記載のマイクロニードルユニットにおいて、上記マイクロニードルの先端には吐出口が形成されていて、この吐出口は下穴又は横穴又は上穴であることを特徴とするものである。
又、請求項8によるマイクロニードルユニットは、請求項6記載のマイクロニードルユニットにおいて、上記一方の分割要素の薬液供給側の先端には返し部が設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項9によるマイクロニードルユニットは、請求項6又は請求項8記載のマイクロニードルユニットにおいて、上記一方の分割要素の上記マイクロニードルの一部を構成する部分の上面と下面はフラットになっていることを特徴とするものである。
又、請求項10によるマイクロニードルユニットは、請求項5〜請求項9の何れかに記載のマイクロニードルユニットにおいて、上記一方の分割要素と上記他方の分割要素の分割面がフラットになっていることを特徴とするものである。
又、請求項11によるマイクロニードルユニットは、請求項5〜請求項10の何れかに記載のマイクロニードルユニットにおいて、上記分割要素の少なくとも一方は樹脂の成形品であることを特徴とするものである。
又、請求項12によるマイクロニードルユニットは、請求項6又は請求項8又は請求項9記載のマイクロニードルユニットにおいて、上記2つの分割要素のうちの他方の分割要素の厚さは上記矢じり形状部が上記一方の分割要素の分割面から突出している高さ以下に設定されていることを特徴とするものである。
又、請求項13によるマイクロニードルユニットは、請求項6又は請求項8又は請求項9又は請求項10又は請求項11記載のマイクロニードルユニットにおいて、上記2つの分割要素のうちの他方の分割要素の上記マイクロニードル先端側には面取り部が形成されていることを特徴とするものである。
又、請求項14によるマイクロニードルユニットは、請求項12又は請求項13記載のマイクロニードルユニットにおいて、上記2つの分割要素のうちの他方の分割要素は上記マイクロニードルの一部を構成する部分がフラットになっていることを特徴とするものである。
又、請求項15によるマイクロニードルユニットは、請求項12〜請求項14の何れかに記載のマイクロニードルユニットにおいて、上記他方の分割要素はフィルム状又はシート状又はテープ状であることを特徴とするものである。
又、請求項16によるマイクロニードルユニットは、請求項12〜請求項15の何れかに記載のマイクロニードルユニットにおいて、上記他方の分割要素の外形寸法が上記一方の分割要素の外形寸法よりもわずかに小さいことを特徴とするものである。
又、請求項17によるマイクロニードルユニットは、請求項1〜請求項16の何れかに記載のマイクロニードルユニットにおいて、上記薬液供給ニードルは複数設けられていて、上記複数のマイクロニードルをグループ分けし、各グループのマイクロニードルと上記複数の薬液供給ニードルの内の1つの薬液供給ニードルを1つのセットとし、各セット毎に流路を区画したことを特徴とするものである。
又、請求項18によるマイクロニードルユニットは、請求項1〜請求項16の何れかに記載のマイクロニードルユニットにおいて、上記薬液供給ニードルは複数設けられていて、これら複数の薬液供給用ニードルの流路が一つの混合室に集約され、この混合室と上記複数のマイクロニードルの流路が連通されていることを特徴とするものである。
又、請求項19による注射装置は、請求項1〜請求項18の何れかに記載のマイクロニードルユニットがセットされ、上記マイクロニードルユニットのマイクロニードルの配列方向に扁平な形状をなすことを特徴とするものである。
又、請求項20による注射装置は、請求項19記載の注射装置において、上記マイクロニードルが上記注射装置のセンタからオフセットされた状態でセットされることを特徴とするものである。
又、請求項21による注射装置は、請求項19又は請求項20記載の注射装置において、シール部材によって封止された薬液保持部が設けられており、上記薬液供給ニードルが上記シール部材を貫通することにより上記薬液保持部内の薬液が上記薬液供給ニードルを介して上記マイクロニードルまで送られることを特徴とするものである。
又、請求項22による注射装置は、請求項19〜請求項21の何れかに記載の注射装置において、上記マイクロニードルには針キャップが被冠されており、上記針キャップを介して押し込むことによって上記薬液供給ニードルが上記シール部材を貫通するように構成されていることを特徴とするものである。
又、請求項23による注射装置は、請求項21記載の注射装置において、上記薬液保持部内の空気を抜くための押圧機構が設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項24による注射装置は、請求項23記載の注射装置において、上記押圧機構をロックするロック機構が設けられており、上記ロック機構を解除することにより上記押圧機構により上記マイクロニードルの吐出口から薬液が吐出されることを特徴とするものである。
又、請求項25による注射装置は、請求項21又は請求項23記載の注射装置において、上記薬液保持部が複数設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項26による注射装置は、請求項25記載の注射装置において、請求項17記載のマイクロニードルユニットがセットされ、上記複数の薬液保持部のそれぞれには異なる種類の薬液が保持されており、上記薬液供給ニードルは上記複数の薬液保持部に対応していることを特徴とするものである。
又、請求項27による注射装置は、請求項25記載の注射装置において、請求項18記載のマイクロニードルユニットがセットされ、上記複数の薬液保持部のそれぞれには異なる種類の薬液が保持されており、上記複数の薬液供給ニードルは上記複数の薬液保持部に対応していることを特徴とするものである。
又、請求項2記載のマイクロニードルユニットによると、請求項1記載のマイクロニードルユニットにおいて、上記マイクロニードルの流路は上記薬液供給ニードルの流路に集約されるため、個々のマイクロニードルに対して均等に薬液を送ることができる。
又、請求項3記載のマイクロニードルユニットによると、請求項1又は請求項2記載のマイクロニードルユニットにおいて、上記薬液供給ニードルは複数設けられていて、これら複数の薬液供給ニードルの流路は連通路に合流しその連通路を介して上記マイクロニードルの流路に連通するため、個々の上記薬液供給ニードルから別々の種類の薬液を供給された場合、これらの薬液を混合して、上記マイクロニードルに送ることができる。
又、請求項4記載のマイクロニードルユニットによると、請求項1〜請求項3の何れかに記載のマイクロニードルユニットにおいて、上記流路の大きさは上記薬液供給ニードルから上記マイクロニードルに向かって段階的に小さくなるように設定されているため、流路抵抗を小さくすることができ、スムーズに上記マイクロニードルによる注射を行うことができる。
又、請求項5記載のマイクロニードルユニットによると、請求項1〜請求項4の何れかに記載のマイクロニードルユニットにおいて、上記マイクロニードル及び/又は上記薬液供給ニードルは2つの分割要素の貼り合わせにより構成されているため、内部に複雑な流路が設けられる場合であっても、容易に製造することができる。また、流路等の形状の自由度も高くすることができ、これにより、上記複数のマイクロニードルと上記複数のマイクロニードルより少ない数の薬液供給ニードルが設置された構成を容易に実現できる。
又、請求項6記載のマイクロニードルユニットによると、請求項5記載のマイクロニードルユニットにおいて、上記2つの分割要素のうち一方の分割要素の先端側には矢じり形状部が設けられているため、上記先端側は貼り合わせ構造にはなっておらず、上記先端側の強度を十分に確保することができる。また、微細な先端部において2つの分割要素の貼り合わせを行わなくてもよいため、製造が容易となる。
又、請求項7記載のマイクロニードルユニットによると、請求項5又は請求項6記載のマイクロニードルユニットにおいて、上記マイクロニードルの先端には吐出口が形成されていて、この吐出口は下穴又は横穴又は上穴であるため、注射時に皮膚組織によって吐出口が塞がれてしまうことを防止でき、効率よく薬液を上記皮膚組織に浸透させることができる。
又、請求項8記載のマイクロニードルユニットによると、請求項6記載のマイクロニードルユニットにおいて、上記一方の分割要素の薬液供給側の先端には返し部が設けられているため、上記マイクロニードルや上記薬液供給ニードルを抜けにくいものとすることができる。また、上記薬液供給ニードル側のみに上記返し部が設けられていれば、注射後に上記マイクロニードルユニットを穿刺対象(例えば、皮膚)から引き抜く場合、上記マイクロニードル側よりも上記薬液供給ニードル側の方が抜けにくいため、上記マイクロニードルユニットを穿刺対象(例えば、皮膚)から確実に引き抜くことができる。
又、請求項9記載のマイクロニードルユニットによると、請求項6又は請求項8記載のマイクロニードルユニットにおいて、上記一方の分割要素の上記マイクロニードルの一部を構成する部分の下面がフラットになっているため、穿刺時の抵抗を少なくすることができる。また、抵抗を少なくすることで、穿刺時に上記分割要素が分離してしまうことを防止できる。
又、請求項10記載のマイクロニードルユニットによると、請求項5〜請求項9の何れかに記載のマイクロニードルユニットにおいて、上記一方の分割要素と上記他方の分割要素の分割面がフラットになっているため、上記一方の分割要素と上記他方の分割要素との貼り合わせを行いやすくすることができる。
又、請求項11記載のマイクロニードルユニットによると、請求項5〜請求項10の何れかに記載のマイクロニードルユニットにおいて、上記分割要素の少なくとも一方は樹脂の成形品であるため、大量生産により低コスト化することができ、上記マイクロニードルユニットを使い捨てとすることができる。また、上記マイクロニードルユニットの形状の自由度を高くすることができる。
又、請求項12記載のマイクロニードルユニットによると、請求項6又は請求項8又は請求項9記載のマイクロニードルユニットにおいて、上記2つの分割要素のうちの他方の分割要素の厚さは上記矢じり形状部が上記一方の分割要素の分割面から突出している高さ以下に設定されているため、穿刺時に、上記他方の分割要素側が離脱してしまうことを防止できる。
又、請求項13記載のマイクロニードルユニットによると、請求項6又は請求項8又は請求項9又は請求項10又は請求項11記載のマイクロニードルユニットにおいて、上記2つの分割要素のうちの他方の分割要素の上記マイクロニードル先端側には面取り部が形成されているため、上記他方の分割要素が、例えば、成形性や材料となるシートの厚さにより厚くなってしまっても、穿刺時の抵抗を少なくすることができる。また、抵抗を少なくすることで、穿刺時に上記分割要素が分離してしまうことを防止できる。
又、請求項14記載のマイクロニードルユニットによると、請求項12又は請求項13記載のマイクロニードルユニットにおいて、上記2つの分割要素のうちの他方の分割要素は上記マイクロニードルの一部を構成する部分がフラットになっているため、穿刺時の抵抗を少なくすることができる。また、抵抗を少なくすることで、穿刺時に上記分割要素が分離してしまうことを防止できる。
又、請求項15記載のマイクロニードルユニットによると、請求項12〜請求項14の何れかに記載のマイクロニードルユニットにおいて、上記他方の分割要素はフィルム状又はシート状又はテープ状であるため、容易に製造することができる。また、汎用のフィルム状又はシート状又はテープ状の材料を用いることができる。また、ローラ接着により、量産が容易であり、且つ、上記他方の分割要素を均一に上記一方の分割要素に接着することができる。
又、請求項16記載のマイクロニードルユニットによると、請求項12〜請求項15の何れかに記載のマイクロニードルユニットにおいて、上記他方の分割要素の外形寸法が上記一方の分割要素の外形寸法よりもわずかに小さいため、貼り合わせ時の位置合わせが容易であり、量産を行いやすくすることができる。また、フィルム状又はシート状の上記他方の分割要素が上記一方の分割要素の外周側に突出されないようになっているため、穿刺時に上記他方の分割要素が穿刺対象(例えば、皮膚)に引っかかって上記一方の分割要素から剥がれてしまうことを防止できる。
又、請求項17記載のマイクロニードルユニットによると、請求項1〜請求項16の何れかに記載のマイクロニードルユニットにおいて、上記薬液供給ニードルは複数設けられていて、上記複数のマイクロニードルをグループ分けし、各グループのマイクロニードルと上記複数の薬液供給ニードルの内の1つの薬液供給ニードルを1つのセットとし、各セット毎に流路を区画したので、別々の種類の薬液が混ざってしまうことなく、注射を行うことができる。また、これにより、混合してはいけない別々の種類の薬液の取り扱いが容易となり、使用者の負担を軽減することができる。
又、請求項18記載のマイクロニードルユニットによると、請求項1〜請求項16の何れかに記載のマイクロニードルユニットにおいて、上記薬液供給ニードルは複数設けられていて、これら複数の薬液供給用ニードルの流路が一つの混合室に集約され、この混合室と上記複数のマイクロニードルの流路が連通されているため、異なる種類の薬液を混合して注射を行うことができる。また、上記混合室が設けられているため、上記異なる種類の薬液の混合を効果的に行うことができる。また、これにより、混合して使用する異なる種類の薬液の取り扱いが容易となり、使用者の負担を軽減することができる。
又、請求項19記載の注射装置によると、請求項1〜請求項18の何れかに記載のマイクロニードルユニットがセットされ、上記マイクロニードルユニットのマイクロニードルの配列方向に扁平な形状をなすため、上記マイクロニードルの配列方向に直交する方向に構成要素がなく、上記マイクロニードルを上記マイクロニードルの配列方向に直交する方向に傾斜させて注射を行うことができる。これにより、穿刺時に穿刺対象(例えば、皮膚)が変形してしまっても、確実に注射することができる。また、穿刺深さが浅い場合であっても、穿刺深さの制御を行いやすくすることができる。
又、請求項20記載の注射装置によると、請求項19記載の注射装置において、上記マイクロニードルが上記注射装置のセンタからオフセットされた状態でセットされるため、オフセットされた側に容易に傾斜させて注射を行うことができる。
又、請求項21記載の注射装置によると、請求項19又は請求項20記載の注射装置において、シール部材によって封止された薬液保持部が設けられており、上記薬液供給ニードルが上記シール部材を貫通することにより上記薬液保持部内の薬液が上記薬液供給ニードルを介して上記マイクロニードルまで送られるため、上記薬液を上記マイクロニードルユニットに供給するための構成を簡易なものとすることができる。また、上記シール部材により、上記薬液の漏れを確実に防止できる。
又、請求項22記載の注射装置によると、請求項19〜請求項21の何れかに記載の注射装置において、上記マイクロニードルには針キャップが被冠されており、上記針キャップを介して押し込むことによって上記薬液供給ニードルが上記シール部材を貫通するように構成されているため、非使用時の上記マイクロニードルの変形・破損や不用意な穿刺を防止できる。また、上記針キャップを介して容易に上記マイクロニードルユニットに薬液が供給される状態とすることができる。
又、請求項23記載の注射装置によると、請求項21記載の注射装置において、上記薬液保持部内の空気を抜くための押圧機構が設けられているため、不用意に空気を注射してしまうことを防止できる。また、この押圧機構により、容易に上記薬液保持部内の空気を抜くことができる。
又、請求項24記載の注射装置によると、請求項23記載の注射装置において、上記押圧機構をロックするロック機構が設けられており、上記ロック機構を解除することにより上記押圧機構により上記マイクロニードルの吐出口から薬液が吐出されるため、簡単な操作により上記薬液を上記マイクロニードルの吐出口から吐出されることができる。
又、請求項25記載の注射装置によると、請求項21又は請求項23記載の注射装置において、上記薬液保持部が複数設けられているため、混合してはいけない複数の薬液を安定して保持することができる。
又、請求項26記載の注射装置によると、請求項25記載の注射装置において、請求項17記載のマイクロニードルユニットがセットされ、上記複数の薬液保持部のそれぞれには異なる種類の薬液が保持されており、上記薬液供給ニードルは上記複数の薬液保持部に対応しているため、容易に複数種類の薬液を別々に注射できる。
又、請求項27記載の注射装置によると、請求項25記載の注射装置において、請求項18記載のマイクロニードルユニットがセットされ、上記複数の薬液保持部のそれぞれには異なる種類の薬液が保持されており、上記複数の薬液供給ニードルは上記複数の薬液保持部に対応しているため、容易に注射直前に複数種類の薬液を混合させて注射することができる。
第1の実施の形態によるマイクロニードルユニット1は、図1に示すように、略板状をなすユニット本体3と、このユニット本体3の一方(図1(a)中上側)に突出・配置された複数本(この第1の実施の形態の場合には6本)のマイクロニードル5と、上記ユニット本体3の他方(図1(a)中下側)に突出・配置された複数本(この第1の実施の形態の場合は2本)の薬液供給ニードル7と、から構成されている。
また、この第1の実施の形態によるマイクロニードルユニット1は、二つの分割要素の貼り合せ、すなわち、第1分割要素9と第2分割要素11との貼り合せにより構成されている。また、上記マイクロニードルユニット1においては、上記マイクロニードル5が第2分割要素11側(図2(a)中左側)に寄った状態、すなわち、第2分割要素11側(図2(a)中左側)にオフセットされた状態で設けられている。
以下、各部の構成を順次詳細に説明していく。
また、上記第1分割要素9は、上型及び下型を用いた射出成形により製造され、その際、上記ユニット本体3、マイクロニードル5、薬液供給ニードル7の設計の自由度を考慮して、金型抜き方向が上記マイクロニードル5や薬液供給ニードル7の軸方向に直交する方向(例えば、図1(a)中紙面垂直方向)になるようにしている。
また、上記薬液供給ニードル用第1要素17には、薬液供給ニードル側流路21が形成されている。この薬液供給ニードル側流路21も、上記第1分割要素9の図2(b)中紙面垂直方向手前側に開口された溝として設けられている。
上記連通路23は、上記薬液供給ニードル側流路21、21に連通する連通路要素23a、23aと、これら連通路要素23a、23aと上記6個のマイクロニードル側流路19とを連通する連通路要素23bと、から構成されている。
また、上記薬液供給ニードル側流路21、上記連通路23、上記マイクロニードル側流路19の幅(W1)と深さ(H1)は、上記薬液供給ニードル側流路21、上記連通路23、上記マイクロニードル側流路19の順に段階的に小さくなるように設定されている。
なお、この第1の実施の形態の場合には、接着剤を使用した接着・固定を例に挙げて説明しているが、熱溶着やレーザ、超音波等による溶着・固定でも良い。
なお、上記面取り部32は、上記第2分割要素11の厚み(図1中左右方向の大きさ、T1)が矢じり部27の上記第1分割要素9の貼り合せ部25より突出した高さ(図2(a)中左右方向大きさ、H2)以下であれば必ずしも必要ではない。
なお、上記第2分割要素11を上記第1分割要素9の材料と異なる材料から製造することも考えられる。
なお、上記第2分割要素11を射出成形により形成した場合には、成形時に上記第2分割要素11の外形も形成されるため、上記フィルム素材等を切断する作業は不要となる。
なお、必要に応じてマイクロニードル5の個々の長さ(図1(a)中上下方向の大きさ、L1)を変えても良い。既に説明した上型及び下型を用いた射出成形法であれば容易に対応することができる。
また、上記マイクロニードル5の幅(W2、マイクロニードル用第2要素39の幅(W4)と同じ。)と高さ(H4)は、上記マイクロニードル5の強度や穿刺時の痛みの軽減を考慮して適宜設定され、好ましくは、0.1mm〜0.4mm、より好ましくは、0.2mm〜0.3mmに設定される。
また、上記マイクロニードル5の長さ(L1)は、治療用途(適用薬液)に応じて適宜設定され、好ましくは、0.3mm〜3.0mm程度に設定され、例えば、適用薬液がワクチンであれば、表皮から真皮上層にかけて注射する為、0.5mm〜1.5mm程度に設定される。
また、個々のマイクロニードル5間のピッチ(P1)は、上記マイクロニードル5の本数等に応じて適宜設定され、好ましくは、0.3mm〜5.0mm、より好ましくは、0.5mm〜2.5mmに設定される。
上記ユニット本体3についても、上記マイクロニードル5と同様に、その上面(図2(a)中左側の面)と下面(図2(a)中右側の面)は共に平面状となっている。
上記薬液供給ニードル7についても、上記マイクロニードル5と同様に、その上面(図2(a)中左側の面)と下面(図2(a)中右側の面)は共に平面状となっている。
なお、上記薬液吐出口33は、穿刺時に皮膚側に指向されるように、下穴状に設けられている。
第1の実施の形態によるマイクロニードルユニット1は、その薬液供給ニードル7を、図示しない薬液保持部内に穿刺・浸漬させ、その状態で、マイクロニードル5を、例えば、注射の対象である皮膚に穿刺して使用される。それによって、容器保持部内に充填・保持されている薬液を皮下又は皮内に注射する。
より詳しく説明すると、上記薬液供給ニードル7の薬液供給口35から上記薬液保持部内の薬液が供給され、薬液供給ニードル側流路21、連通路23、及び、マイクロニードル側流路19を介して、上記マイクロニードル5の薬液吐出口33から皮下または皮内に吐出される。
まず、第1の実施の形態によるマイクロニードルユニット1には、マイクロニードル5と薬液供給ニードル7とが設置されていて、薬液供給側については、上記薬液供給ニードル7を薬液保持部内に穿刺・浸漬させるだけで、所望の薬液供給のための構成を実現することができ、それによって、薬液を供給する側の構成の簡略化、接続の容易化を図ることができる。
また、上記マイクロニードル5は複数設置されているため、広範囲にわたって効率良く注射を行うことができる。
また、全てのマイクロニードル側流路19と全ての薬液供給ニードル側流路21とが、連通路23を介して、図2(b)中左右方向にバランスを保持した状態で連通されているため、個々のマイクロニードル5に効率的に且つ均等に薬液を送ることができる。
また、上記マイクロニードルユニット1は、例えば、第1分割要素9と第2分割要素11との貼り合わせにより構成されているため、その形状や内部の流路の設計の自由度を高くすることができる。
また、マイクロニードル5の先端や薬液供給ニードル7の先端が第1分割要素9と第2分割要素11との貼り合わせではなく、第1分割要素9のみから形成されているので、マイクロニードル5、上記薬液供給ニードル7の先端の強度を高くすることができる。
また、上記第2分割要素11は、シート状の部材であるため、加工や上記第1分割要素9との貼り合わせなど、製造時の取り扱いが容易である。
なお、上記第2分割要素11を、汎用のフィルム素材、シート素材、テープ素材等を切断することにより製造する場合には、材料の厚さ等の選択の幅が広く、また、ローラ接着することにより、均一に貼り付けることができるとともに、量産性を高いものとすることができる。
また、上記第2分割要素11の大きさを、上記第1分割要素9の外形よりも小さくする場合は、上記第1分割要素9に対する貼り合わせ精度が厳密なものでなくてもよく、容易に製造することができる。また、穿刺時に上記第2分割要素11が剥離してしまうことを防止することができる。
なお、その他の構成は前記第1の実施の形態の場合と同様であり、図中前記第1の実施の形態の場合と同一部分については同一符号を付して示しその説明を省略する。
また、図3(b)においても、第1分割要素9と第2分割要素11を貼り合せるための貼り合せ部25の部分を斜線を施すとともに仮想線で区画して示している。
さらに、上記マイクロニードルユニット41の場合には、薬液供給ニードル7の矢じり部29に返し部43、43が突出・形成されているため、例えば、上記薬液供給ニードル7を薬液保持部に穿刺した際、上記薬液供給ニードル7が上記薬液保持部から不用意に脱落してしまうことを防止することができる。
このように、上記薬液供給ニードル7は上記返し部43、43によって上記薬液保持部から抜け難くなっているため、マイクロニードル5を皮膚に対して穿刺した後、抜き取る際に、上記薬液供給ニードル7の返し部43、43と上記薬液保持部との間の抵抗が作用し、上記マイクロニードル5を上記皮膚から確実に抜き取ることができる。
図4に示すように、第3の実施の形態による注射装置51は、薬液63が保持される薬液保持部53と、この薬液保持部53の図4中下側に設置され上記薬液保持部53内の薬液63を押し出す押圧機構55と、前記第1の実施の形態によるマイクロニードルユニット1と、から構成されている。
また、上記薬液供給側シール部材59には、図6中下側に開口された下側凹部66が形成されている。そして、上記マイクロニードルユニット1の薬液供給ニードル7、7によって上記薬液供給側シール部材59が貫通された際、上記薬液供給ニードル7、7の薬液供給口35側(図6中下側)が上記下側凹部66内に突出されるようになっている。これにより、上記薬液供給ニードル7、7の長さ(図6中上下方向の大きさ)を小さくできるとともに、上記薬液供給側シール部材59の薬液供給側シール部材保持部58に挿入される部分の長さ(図6中上下方向の長さ)を十分に大きくしてシール性を確保することができる。
なお、上記マイクロニードル5を傾斜させることで、例えば、皮膚が変形しても、上記皮膚に対して確実に上記マイクロニードル5を穿刺することができる。
上記キャップ67の幅方向(図6(a)中左右方向)両側には、それぞれ、押下げ用係合溝69、69が形成されており、この押下げ用係合溝69、69に、上記マイクロニードルユニット1の押下げ用凸部31、31が係合されている。そのため、上記キャップ67を薬液供給側シール部材59側(図6中下側)に押し下げると、上記押下げ用凸部31、31を介して、上記マイクロニードルユニット1が薬液供給側シール部材59側(図6中下側)に押し下げられることになる。
図4(b)に示すように、上記押圧機構本体71の両端側(図4(b)中上側)にはそれぞれ係合凸部72、72が形成されており、これら係合凸部72、72が上記薬液保持部本体57の図4(b)中下側に形成された係合スリット73、73の上端73a、73aに係合される。
そして、図4(a)に示すように、上記操作部材79を上記薬液保持部材本体57に沿って図4(a)中下側に移動させると、上記逆V字型アーム75の中央部77が図4(a)中下側に押圧され、上記逆V字型アーム75と上記押圧機構本体71の両端側が外側に広がるように変形される。
また、上記ピストン81の両端に形成された係合部89、89が、上記押圧機構本体71の係合凸部72、72、または、上記薬液保持部本体57の係合スリット73、73の上端73a、73aに係合されることで、上記ピストン81の図4(b)、(c)中上側への移動が規制されている。これにより、上記ピストン81のロック機構が構成されている。
なお、上記ピストン81のロックが解除されると、上記コイルバネ87の弾性力によって、上記薬液63がマイクロニードル5の薬液吐出口33から徐々に吐出される。
なお、図4、図6において、説明の都合上、マイクロニードルユニット1の第2分割要素11の外径線を仮想線で示す。
この第3の形態によるマイクロニードルユニット1及び注射装置51は、次のように使用される。
非使用時には、上記マイクロニードルユニット1は、図6(a)、図7(a)に示すような状態にあり、薬液供給ニードル7、7は上記薬液供給側シール部材59を貫通しておらず、薬液保持部本体57内に薬液63が充填・保持されている。
使用時には、キャップ67を薬液保持部53側(図6中下側)に押し下げることで、上記マイクロニードルユニット1を付勢し、図6(b)、図7(b)に示すように、上記薬液供給ニードル7、7によって上記薬液供給側シール部材59を貫通させる。その後、上記キャップ67を外す。
なお、上記注射装置51は、空気抜き操作を行う前は、図4(b)に示すようになっている。すなわち、押圧機構本体71の係合凸部72、72が、上記薬液保持部本体57の係合スリット73、73の上端73a、73aに係合され、さらに、上記係合凸部72、72の下側に、ピストン81の係合部89、89が係合されている。
次に、上記押圧機構本体71を幅方向(図4中左右方向)両側から押圧し、上記ピストン81の係合部89、89と上記薬液保持部本体57の係合スリット73、73との係合を解除させる。このとき、上記ピストン81は、図4(d)に示すように、上記コイルバネ87の弾性力により、マイクロニードルユニット1側(図4中上側)にさらに押し上げられる。これにより、上記薬液保持部本体57内の薬液63が、上記マイクロニードル5を介して、上記穿刺対象に徐々に注射される。
以下、上記した作用と同様の作用により注射を行う。
まず、この第3の実施の形態においても、前記第1の実施の形態によるマイクロニードルユニット1と同様の効果を奏することができる。
また、薬液保持部本体57、ひいては、注射装置51は、図5に示すように、マイクロニードルユニット1のマイクロニードル5の配列方向(図5中左右方向)に沿って扁平な形状であって、マイクロニードル5の配列方向(図5中左右方向)に直交する方向に構成要素がないため、注射装置51全体を皮膚側に大きく傾斜させた状態で注射を行う斜め穿刺を容易に行うことができる。
また、上記マイクロニードル5を傾斜させて注射できるため、穿刺する際に、例えば、皮膚が変形しても、上記皮膚に対して確実に上記マイクロニードル5を穿刺することができる。
また、上記薬液吐出口33が上記皮膚側に指向されているので、薬液63の漏れを防いで確実な注射を行うことができる。
また、上記薬液供給ニードル7、7によって上記薬液供給側シール部材59を貫通させるためにはある程度の押圧力が必要となり、通常、そのような押圧力が作用することはないので、薬液供給ニードル7、7によって上記薬液供給側シール部材59を不用意に貫通させてしまうことはなく、上記薬液63の不用意な漏れを防止することができる。
また、上記薬液供給側シール部材59を上記薬液供給ニードル7、7によって貫通させるだけで使用可能な状態になるので、操作も簡単である。
また、上記キャップ67を薬液保持部53側(図6中下側)に押し下げることで、上記マイクロニードルユニット1を付勢し、図6(b)、図7(b)に示すように、上記薬液供給ニードル7、7によって上記薬液供給側シール部材59を貫通させることができ、押圧時にマイクロニードル5に直接触れることもない。
また、上記空気抜き操作後に、上記ピストン81の係合部89、89が上記薬液保持部本体57の係合スリット73、73の上端73a、73aに係合されるため、上記マイクロニードル5による穿刺を行う前の不用意な薬液63の吐出を防止することができる。
また、押圧機構本体71を幅方向(図4中左右方向)両側から押圧するだけで、上記ピストン81の係合部89、89と上記薬液保持部本体57の係合スリット73、73の上端73a、73aとの係合を解除させることができるので、簡単な操作で、上記注射装置51による注射を開始させることができる。
また、上記ピストン81はコイルバネ87によりマイクロニードルユニット1側(図4中上側)に押し上げられるため、上記コイルバネ87の弾性力を適宜設定することで、上記マイクロニードル5の薬液吐出口33から上記薬液63が吐出される速度を調整することができる。
この第4の実施の形態によるマイクロニードルユニット101は、前記第1の実施の形態によるマイクロニードルユニット1と略同様の構成であるが、連通路が図8(b)中幅方向中央で仕切られており、図8(b)中左側の連通路103と図8(b)中右側の連通路105とに区画されている。
なお、図8(b)は、上記マイクロニードルユニット101から第2分割要素11を除去し、第1分割要素9のみを示した平面図である。また、図8(b)中、第1分割要素9と第2分割要素11を貼り合せるための貼り合せ部25に斜線を施すとともに仮想線で区画して示す。
すなわち、図8(b)中左側の薬液供給ニードル7の薬液供給口35から供給された薬液117は、図8(b)中左側の3本のマイクロニードル5、5、5の薬液吐出口33、33、33から吐出され、図8(b)中右側の薬液供給ニードル7の薬液供給口35から供給された薬液119は、図8(b)中右側のマイクロニードル5、5、5の薬液吐出口33、33、33から吐出される。
なお、上記マイクロニードルユニット101について、前記第1の実施の形態によるマイクロニードルユニット1と同一部分には同一の符号を付して示しその説明を省略する。
まず、薬液保持部本体57の内部には2つの部屋113、115が設けられており、上記部屋113には薬液117が充填・保持され、上記部屋115内には上記薬液117とは別の種類の薬液119が充填・保持されている。
また、この第4の実施の形態による注射装置111と、前述した第3の実施の形態による注射装置51と同一部分については同一の符号を付し、その説明を省略している。
なお、図9、図10において、説明の便宜上、マイクロニードルユニット1の第2分割要素11の外形を仮想線で示す。
この第4の実施の形態によるマイクロニードルユニット101の場合には、図8に示すように、2つの連通路103、105が設けられており、図8中左側の薬液供給ニードル側流路21と、上記連通路103と、図8中左側の3本のマイクロニードル側流路19、19、19とが連通されており、図8中右側の薬液供給ニードル側流路21と、上記連通路105と、図8中右側の3本のマイクロニードル側流路19、19、19とが連通されている。そして、図8中左側の薬液供給ニードル側流路21から薬液117が供給され、図8中右側の薬液供給ニードル側流路21から他の種類の薬液119が供給される。そして、図8中左側の3本のマイクロニードル5、5、5の薬液吐出口33、33、33から上記薬液117が吐出され、図8中右側の3本のマイクロニードル5、5、5の薬液吐出口33、33、33から上記他の種類の薬液119が吐出される。
尚、この第4の実施の形態におけるマイクロニードルユニット101を前記第3の実施の形態における注射装置51に適用することも考えられる。この場合は、同じ薬液が図8中左側の3本のマイクロニードル5、5、5、図8中右側の3本のマイクロニードル5、5、5から吐出されることになる。
薬液保持部本体57内に部屋113、115が設けられており、上記部屋113内に薬液117が保持されるとともに、上記部屋115内に薬液119が保持されているため、保存時に混合してはいけない2種類の薬液117、119を同時に保持することができる。
また、注射時には、図9(c)中左側の3本のマイクロニードル5、5、5の薬液吐出口33、33、33から上記薬液117が吐出され、図9(c)中右側の3本のマイクロニードル5、5、5の薬液吐出口33、33、33から上記薬液119が吐出されるため、注射時にも混合してはいけない2種類の薬液117、119を別々且つ同時に注射することができる。
この第5の実施の形態によるマイクロニードルユニット151の場合には、連通路23と薬液供給ニードル側流路21、21との間に、混合室153が設けられている。この混合室153は、その横断面形状が略円形の部屋であり、図11(a)中左右両側にて上記薬液供給ニードル側流路21、21と連通されるとともに、図11(a)中中央にて上記連通路23と連通されている。
また、上記混合室153の径(d1)は、薬液供給ニードル側流路21の幅(W1)よりも大きく設定されている。
なお、上記混合室153の深さは、薬液供給ニードル側流路21の深さと等しく設定されている。
なお、図11、図13において、説明の便宜上、マイクロニードルユニット151の第2分割要素の11の外形を仮想線で示す。
第5の実施の形態の場合も、前記第4の実施の形態の場合と略同様の効果を奏するとともに、この第5の実施の形態の場合は、上記2種類の薬液117、119を混合した薬液163を注射することができる。
また、第5の実施の形態の場合は、上記薬液117、119を別々に保持することができ、また、連通路23と薬液供給ニードル側流路21との間に混合室153を設けているので、上記薬液117、119を上記混合室153内で確実に混合させて、各マイクロニードル5に供給することができる。
また、上記混合室153の径(d1)は、薬液供給ニードル側流路21の幅(W1)よりも大きく設定されているので、混合室153の容積が大きく、それだけ、2種類の薬液117、119の混合が促進されることになる。
まず、前記第1乃至第5の実施の形態の場合には、矢じり部27、矢じり部29の上記第1分割要素9の貼り合せ部25より突出した高さ(図2(c)中左右方向大きさ、H2、H3)を、第2分割要素11の厚み(図2(c)中左右方向大きさ、T1)と同程度に設定していたが、上記矢じり部27、矢じり部29の上記第1分割要素9の貼り合せ部25より突出した高さ(図2(c)中左右方向大きさ、H2、H3)を、第2分割要素11の厚み(図2(c)中左右方向大きさ、T1)より大きく設定することも考えられる。それによって、穿刺時における第2分割要素11の剥離防止効果を高めることができる。
また、前記第1〜第5の実施の形態の場合には、マイクロニードル5の先端に下穴としての薬液吐出口33を設けた例を説明したが、横穴や上穴としても良い。
また、マイクロニードル5の矢じり部27にも返し部(例えば、図1において左右方向に出っ張るような返し部)を形成することも考えられる。
また、第4の実施の形態におけるマイクロニードルユニット101と注射装置111、第5の実施の形態におけるマイクロニードルユニット151と注射装置161において、3種類以上の薬液を扱うようにすることも考えられる。
また、第4の実施の形態における注射装置111において、押圧側シール部材121、123を2つの別々のピストンによって押圧・付勢し、2種類の薬液をそれぞれ異なるタイミングで吐出させる場合も考えられる。
また、第5の実施の形態において、上記混合室153を設けず、直接流路が合流するような構成としてもよい。
その他、図示した構成はあくまで一例である。
5 マイクロニードル
7 薬液供給ニードル
9 第1分割要素
11 第2分割要素
19 マイクロニードル側流路
21 薬液供給ニードル側流路
23 連通路
25 貼り合わせ部(貼り合わせ面)
27 矢じり部
29 矢じり部
33 薬液吐出口
35 薬液供給口
41 マイクロニードルユニット
43 返し部
51 注射装置
55 押圧機構
101 マイクロニードルユニット
103 連通路
105 連通路
111 注射装置
151 マイクロニードルユニット
153 混合室
161 注射装置
Claims (27)
- 穿刺側に設置され流路を備えた複数のマイクロニードルと、
反穿刺側に上記マイクロニードルよりも少ない数だけ設置され上記流路に連絡する流路を備えた薬液供給ニードルと、
を具備したことを特徴とするマイクロニードルユニット。 - 請求項1記載のマイクロニードルユニットにおいて、
上記マイクロニードルの流路は上記薬液供給ニードルの流路に集約されることを特徴とするマイクロニードルユニット。 - 請求項1又は請求項2記載のマイクロニードルユニットにおいて、
上記薬液供給ニードルは複数設けられていて、これら複数の薬液供給ニードルの流路は連通路に合流しその連通路を介して上記マイクロニードルの流路に連通することを特徴とするマイクロニードルユニット。 - 請求項1〜請求項3の何れかに記載のマイクロニードルユニットにおいて、
上記流路の大きさは上記薬液供給ニードルから上記マイクロニードルに向かって段階的に小さくなるように設定されていることを特徴とするマイクロニードルユニット。 - 請求項1〜請求項4の何れかに記載のマイクロニードルユニットにおいて、
上記マイクロニードル及び/又は上記薬液供給ニードルは2つの分割要素の貼り合わせにより構成されていることを特徴とするマイクロニードルユニット。 - 請求項5記載のマイクロニードルユニットにおいて、
上記2つの分割要素のうち一方の分割要素の先端側には矢じり部が設けられていることを特徴とするマイクロニードルユニット。 - 請求項5又は請求項6記載のマイクロニードルユニットにおいて、
上記マイクロニードルの先端には吐出口が形成されていて、この吐出口は下穴又は横穴又は上穴であることを特徴とするマイクロニードルユニット。 - 請求項6記載のマイクロニードルユニットにおいて、
上記一方の分割要素の薬液供給側の先端には返し部が設けられていることを特徴とするマイクロニードルユニット。 - 請求項6又は請求項8記載のマイクロニードルユニットにおいて、
上記一方の分割要素の上記マイクロニードルの一部を構成する部分の下面がフラットになっていることを特徴とするマイクロニードルユニット。 - 請求項5〜請求項9の何れかに記載のマイクロニードルユニットにおいて、
上記2つの分割要素の貼り合せ面がフラットになっていることを特徴とするマイクロニードルユニット。 - 請求項5〜請求項10の何れかに記載のマイクロニードルユニットにおいて、
上記分割要素の少なくとも一方は樹脂の成形品であることを特徴とするマイクロニードルユニット。 - 請求項6又は請求項8又は請求項9記載のマイクロニードルユニットにおいて、
上記2つの分割要素のうちの他方の分割要素の厚さは上記矢じり形状部が上記一方の分割要素の分割面から突出している高さ以下に設定されていることを特徴とするマイクロニードルユニット。 - 請求項6又は請求項8又は請求項9又は請求項10又は請求項11記載のマイクロニードルユニットにおいて、
上記2つの分割要素のうちの他方の分割要素の上記マイクロニードル先端側には面取り部が形成されていることを特徴とするマイクロニードルユニット。 - 請求項12又は請求項13記載のマイクロニードルユニットにおいて、
上記2つの分割要素のうちの他方の分割要素は上記マイクロニードルの一部を構成する部分がフラットになっていることを特徴とするマイクロニードルユニット。 - 請求項12〜請求項14の何れかに記載のマイクロニードルユニットにおいて、
上記他方の分割要素はフィルム状又はシート状又はテープ状であることを特徴とするマイクロニードルユニット。 - 請求項12〜請求項15の何れかに記載のマイクロニードルユニットにおいて、
上記他方の分割要素の外形寸法が上記一方の分割要素の外形寸法よりもわずかに小さいことを特徴とするマイクロニードルユニット。 - 請求項1〜請求項16の何れかに記載のマイクロニードルユニットにおいて、
上記薬液供給ニードルは複数設けられていて、上記複数のマイクロニードルをグループ分けし、各グループのマイクロニードルと上記複数の薬液供給ニードルの内の1つの薬液供給ニードルを1つのセットとし、各セット毎に流路を区画したことを特徴とするマイクロニードルユニット。 - 請求項1〜請求項16の何れかに記載のマイクロニードルユニットにおいて、
上記薬液供給ニードルは複数設けられていて、これら複数の薬液供給用ニードルの流路が一つの混合室に集約され、この混合室と上記複数のマイクロニードルの流路が連通されていることを特徴とするマイクロニードルユニット。 - 請求項1〜請求項18の何れかに記載のマイクロニードルユニットがセットされ、
上記マイクロニードルユニットのマイクロニードルの配列方向に扁平な形状をなすことを特徴とする注射装置。 - 請求項19記載の注射装置において、
上記マイクロニードルが上記注射装置のセンタからオフセットされた状態でセットされることを特徴とする注射装置。 - 請求項19又は請求項20記載の注射装置において、
シール部材によって封止された薬液保持部が設けられており、
上記薬液供給ニードルが上記シール部材を貫通することにより上記薬液保持部内の薬液が上記薬液供給ニードルを介して上記マイクロニードルまで送られることを特徴とする注射装置。 - 請求項19〜請求項21の何れかに記載の注射装置において、
上記マイクロニードルには針キャップが被冠されており、
上記針キャップを介して押し込むことによって上記薬液供給ニードルが上記シール部材を貫通するように構成されていることを特徴とする注射装置。 - 請求項21記載の注射装置において、
上記薬液保持部内の空気を抜くための押圧機構が設けられていることを特徴とする注射装置。 - 請求項23記載の注射装置において、
上記押圧機構をロックするロック機構が設けられており、
上記ロック機構を解除することにより上記押圧機構により上記マイクロニードルの吐出口から薬液が吐出されることを特徴とする注射装置。 - 請求項21又は請求項23記載の注射装置において、
上記薬液保持部が複数設けられていることを特徴とする注射装置。 - 請求項25記載の注射装置において、
請求項17記載のマイクロニードルユニットがセットされ、
上記複数の薬液保持部のそれぞれには異なる種類の薬液が保持されており、
上記複数の薬液供給ニードルは上記複数の薬液保持部に対応していることを特徴とする注射装置。 - 請求項25記載の注射装置において、
請求項18記載のマイクロニードルユニットがセットされ、上記複数の薬液保持部のそれぞれには異なる種類の薬液が保持されており、上記複数の薬液供給ニードルは上記複数の薬液保持部に対応していることを特徴とする注射装置。
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