JP2014174426A - 電子写真感光体、画像形成装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導電性支持体と、前記導電性支持体上に、少なくとも感光層及び表面保護層をこの順に有する電子写真感光体であって、前記表面保護層の十点平均表面粗さ(Rz値)が、0.8μm以上1.5μm以下であり、前記表面保護層が少なくともウレタン樹脂及び無機フィラーを含有し、前記ウレタン樹脂は、イソシアネートと脂肪族系骨格を有するポリオールとを含有する組成物を架橋した重合体であり、前記表面保護層の前記無機フィラーの含有量が30質量%以上80質量%以下である電子写真感光体である。
【選択図】なし
Description
例えば特許文献1〜3には、表面保護層にフッ素変性シリコーンオイルを含有させることにより表面性を改善し、感光体表面の耐摩耗性を向上させる提案が記載されている。しかし、このようなオイル成分を感光層に添加して摩擦係数を下げる方法は、表面に移行した成分が直ぐに除去されてしまうために耐摩耗性の効果を持続することができていない。
また別の高耐久化手段としては、表面保護層樹脂として、アクリル系架橋樹脂、ポリシロキサン架橋樹脂、ウレタン系架橋樹脂などの架橋系樹脂を用いる手段がある(例えば、特許文献4〜9参照)。
例えば、特許文献9に記載のウレタン系架橋樹脂では、イソシアネートの官能基数が3以上のものを用いており、イソシアネートの官能基数が多くなることにより、架橋密度が高くなり、感光体の耐摩耗性は向上している。
画像形成装置の小型化を図るために、電子写真プロセスの改良が多く成されているが、帯電プロセスにおいては、近接放電による帯電方式が多く採用される傾向がある。これは、電子写真感光体表面に帯電部材を接触させること、非接触で近傍に帯電部材を配置させることなどで近接放電を発生させ、電子写真感光体表面の帯電を行う方式である。本方式を用いれば、大がかりな帯電装置を必要としないために、装置の小型化には非常に有効である。また最近の近接帯電方式は、電子写真感光体上の帯電の均一性を図るために、直流電圧に交流電圧を重畳して印可する方式を採用していることが多くなっている。
導電性支持体と、前記導電性支持体上に、少なくとも感光層及び表面保護層をこの順に有する電子写真感光体であって、前記表面保護層の十点平均表面粗さ(Rz値)が、0.8μm以上1.5μm以下であり、前記表面保護層が少なくともウレタン樹脂及び無機フィラーを含有し、前記ウレタン樹脂は、イソシアネートと下記一般式(1)で表される脂肪族系骨格を有するポリオールとを含有する組成物を架橋した重合体であり、前記表面保護層の前記無機フィラーの含有量が30質量%以上80質量%以下であることを特徴とする電子写真感光体である。
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体と、前記導電性支持体上に、少なくとも感光層及び表面保護層をこの順に有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
本発明の電子写真感光体は、前記表面保護層が本発明で規定するものであり、前記導電性支持体、前記感光層、及び前記その他の層については、従来と同様のものを適用することができる。
前記表面保護層は、ウレタン樹脂と無機フィラーとを少なくとも含有してなり、更に必要に応じて、電荷輸送材料、その他の成分を含有してなる。前記表面保護層の十点平均表面粗さ(Rz値)は、0.8μm以上1.5μm以下であり、前記表面保護層の前記無機フィラーの含有量は30質量%以上80質量%以下である。
前記ウレタン樹脂は、イソシアネートと下記一般式(1)で表される脂肪族系骨格を有するポリオールとを含有する組成物を架橋した重合体であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記ウレタン樹脂は、更に、電荷輸送構造単位を有していてもよい。
前記イソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2官能以上のイソシアネート化合物である、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、HDIビウレット体、XDIトリメチロールプロパンアダクト体、HDIトリメチロールプロパンアダクト体、IPDIトリメチロールプロパンアダクト体、HDIイソシアヌレート体、IPDIイソシアヌレート体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記2官能以上のイソシアネート化合物の中でも、HDIトリメチロールプロパンアダクト体、IPDIトリメチロールプロパンアダクト体、HDIイソシアヌレート体などの3官能以上のイソシアネート化合物が好ましい。前記HDIトリメチロールプロパンアダクト体、前記IPDIトリメチロールプロパンアダクト体、前記HDIイソシアヌレート体はそれぞれ、下記の構造式(1)〜(3)で表される。
前記ポリオールとしては、前記一般式(1)で表される脂肪族系骨格を有する、分子量350以下のポリオールであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、分子量150以下のものが好ましい。前記ポリオールとしては、例えば、下記の構造式(4)〜(9)で表されるものなどが挙げられる。
前記無機フィラーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金、銀、銅、スズ、アルミニウム、インジウム等の金属粒子や、酸化珪素、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化亜鉛等の金属酸化物粒子、ITO、チタン酸カリウム等の複合酸化物粒子などが挙げられる。これらの中でも、フィラー硬度の点から、金属酸化物粒子が好ましく、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛がより好ましい。また、前記無機フィラーとして、例えば、コロイダルシリカやコロイダルアルミナなどの金属粒子又はその水和物のコロイドも挙げられる。
前記含有率が30質量%より低いと、機械的耐久性が低下することがある。また、前記含有率が30質量%より低いと、帯電方式として、接触又は近接して設けられた直流成分に交流成分を重畳した電圧を印加することによって生じる放電を利用する場合に、帯電ハザードによる膜消失が非常に顕著となることがある。
一方、前記含有率が80質量%より高いと、残留電位の上昇、環境変動による特性変化、保護層の書き込み光透過率が低下し、副作用を生じることがある。
前記電荷輸送材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾール等の正孔輸送性構造を有する公知の正孔輸送物質;電子吸引性芳香族環(縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基、ニトロ基等)などの電子輸送構造を有する公知の電子輸送物質などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、官能基を有し、前記イソシアネート又は前記ポリオールと架橋反応するものが好ましく、前記官能基が多官能で、且つ、ヒドロキシ基又はイソシアネート基を有するものがより好ましい。前記電荷輸送材料の具体例としては、例えば、下記の構造式(10)〜(18)で表されるものなどが挙げられる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂以外の樹脂、その他の添加剤などが挙げられる。
前記ウレタン樹脂以外の樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル樹脂、フェノール樹脂、有機珪素樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記その他の添加剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、分散剤、界面活性剤、可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤などが挙げられる。
前記無機フィラーを表面保護層中に良好に分散させる場合、分散剤を用いてもよい。前記分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記分散剤の含有量としては、特に制限はなく、無機フィラーの粒径等に応じて適宜選択することができるが、無機フィラーの全量に対して、0.5質量%〜30質量%が好ましく、1質量%〜15質量%がより好ましい。前記含有量が、0.5質量%未満であると、前記無機フィラーの分散効果が得られないことがあり、30質量%を超えると、残留電位の著しい上昇を引き起こす等の不具合を生じることがある。
前記無機フィラーを前記表面保護層中に良好に分散させる場合、界面活性剤を用いてもよい。前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、無機フィラーの粒径等に応じて適宜選択することができるが、無機フィラーの全量に対して、0.5質量%〜30質量%が好ましく、1質量%〜15質量%がより好ましい。前記含有量が、0.5質量%未満であると、前記無機フィラーの分散効果が得られないことがあり、30質量%を超えると、残留電位の著しい上昇を引き起こす等の不具合を生じることがある。
前記可塑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記可塑剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記電荷輸送性を有しない樹脂100質量部に対して、0質量部〜30質量部が好ましい。
前記レベリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類;側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー又はオリゴマー;などが挙げられる。前記レベリング剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記電荷輸送性を有しない樹脂100質量部に対して、0質量部〜1質量部が好ましい。
前記酸化防止剤としては、特に制限はなく、例えば、フェノール系化合物、パラフェニレンジアミン類、ハイドロキノン類、有機硫黄化合物類、有機燐化合物類、ヒンダードアミン類などが挙げられる。前記酸化防止剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記電荷輸送性を有しない樹脂100質量部に対して、0.5質量部〜5質量部が好ましい。
前記表面保護層の形成方法としては、前記表面保護層の表面形状として、十点平均表面粗さ(Rz値)が0.8μm以上、1.5μm以上にできる方法であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
表面保護層塗工液の固形分濃度によっても、表面形状制御が可能となる。固形分濃度が小さい場合、感光層表面に付着した塗工液がレベリングしやすく、表面形状が平滑となる。固形分濃度が大きい場合、レベリングしにくく、表面形状が荒れる。
また、スプレー塗工条件でも表面形状制御が可能となる。感光体に塗工液が付着した段階でのレベリングしやすいものは、平滑になりやすく、またレベリングしにくい場合は、表面が荒れやすい。これらの状態は、スプレー条件である吐出量、吐出圧、ガン送り速度を変化させることにより、制御が可能となる。
前記表面保護層の表面形状は、上述のように、その十点平均表面粗さ(Rz値)が0.8μm以上、1.5μm以上であれば特に制限なく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0μm以上、1.2μm以下であると、40万枚を超えるような長期的使用における耐摩耗性及び画像安定性においてより優れている点で好ましい。
前記十点平均表面粗さ(Rz値)が0.8μm未満であると、クリーニング性に対して効果が低く、帯電ローラ汚れや、感光体表面へのトナー及びトナーの添加剤付着による異常画像が発生しやすくなる。一方、前記十点平均表面粗さ(Rz値)が1.5μmを超えると、クリーニング性が低下し、且つ、微細ドット再現性の低下、画像上でのトナーちりなどの問題が発生する。
前記加熱する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、空気、窒素等の気体、蒸気、各種熱媒体、赤外線、電磁波等の熱エネルギーを塗工面側又は前記導電性支持体側から加熱する方法などが挙げられる。
前記加熱する際の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100℃〜170℃が好ましい。前記温度が、100℃未満であると、前記表面保護層中に残留する溶媒が多くなりやすく、電子写真感光体特性に影響を与えることがあり、170℃を超えると、前記表面保護層に隣接する感光層中の低分子量成分が、前記表面保護層に移行しやすくなり、本発明に記載した表面抵抗率の制御やその他特性の低下を引き起こす恐れがある。
前記感光層としては、積層型感光層であってもよく、単層型感光層であってもよい。
前記単層型感光層は、電荷発生機能と電荷輸送機能とを同時に有する層である。
前記単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、及び結着樹脂を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記電荷発生物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する積層型感光層で用いられるものと同様の物質などが挙げられる。前記電荷発生物質の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記結着樹脂100質量部に対し、5質量部〜40質量部が好ましい。
前記電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する積層型感光層で用いられるものと同様の物質などが挙げられる。前記電荷輸送物質の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記結着樹脂100質量部に対し、190質量部以下が好ましく、50質量部〜150質量部がより好ましい。
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する積層型感光層で用いられるものと同様の結着樹脂などが挙げられる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する積層型感光層で用いられるものと同様の低分子電荷輸送物質、同様の溶媒、同様のレベリング剤、上述の酸化防止剤などが挙げられる。
前記単層型感光層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電荷発生物質、電荷輸送物質、結着樹脂、その他の成分等を分散機を用いて適当な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等)に溶解乃至分散して得られた塗工液を、塗布乃至乾燥することにより形成する方法などが挙げられる。
前記積層型感光層は、電荷発生機能及び電荷輸送機能をそれぞれ独立した層が担うため、少なくとも電荷発生層と、電荷輸送層とをこの順に有する。なお、前記電荷発生層、及び前記電荷輸送層は、従来公知のものを使用することができる。
前記電荷発生層は、電荷発生物質を含み、結着樹脂を含むことが好ましく、更に必要に応じて上述の酸化防止剤等のその他の成分を含む。
前記電荷発生物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機系材料、有機系材料などが挙げられる。
前記無機系材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結晶セレン、アモルファス−セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物、アモルファス−シリコン(例えば、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子等でターミネートしたもの;ホウ素原子、リン原子等をドープしたものなどが好適)などが挙げられる。
前記有機系材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料;アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂、ポリアクリルアミド樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、低分子電荷輸送物質、溶媒、レベリング剤などが挙げられ、上述の酸化防止剤を含んでもよい。
前記その他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、添加する層の総質量に対して0.01質量%〜10質量%が好ましい。
前記低分子電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子輸送物質、正孔輸送物質などが挙げられる。
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記レベリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電荷発生層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記電荷発生物質及び前記結着樹脂を前記溶媒等の前記その他の成分に溶解乃至分散して得られた塗工液を、前記導電性支持体上に塗布して乾燥することにより形成する方法などが挙げられる。なお、前記塗工液は、キャスティング法などにより塗布することができる。
前記電荷輸送層は、帯電電荷を保持させ、かつ、露光により電荷発生層で発生分離した電荷を移動させて保持していた帯電電荷と結合させることを目的とする層である。帯電電荷を保持させる目的を達成するためには、電気抵抗が高いことが要求される。また、保持していた帯電電荷で高い表面電位を得る目的を達成するためには、誘電率が小さく、かつ、電荷移動性がよいことが要求される。
前記電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子輸送物質、正孔輸送物質、高分子電荷輸送物質などが挙げられる。
前記電子輸送物質(電子受容性物質)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記正孔輸送物質(電子供与性物質)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記高分子電荷輸送物質は、後述する結着樹脂の機能と電荷輸送物質の機能を併せ持つ材料である。
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、フェノキシ樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、前記電荷輸送層は、架橋性のバインダー樹脂と架橋性の電荷輸送物質との共重合体を含むこともできる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、溶媒、可塑剤、レベリング剤などが挙げられ、上述した酸化防止剤を含んでもよい。
前記その他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、添加する層の総質量に対して0.01質量%〜10質量%が好ましい。
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記電荷発生層と同様なものが使用できるが、前記電荷輸送物質及び前記結着樹脂を良好に溶解する溶媒が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
前記可塑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般樹脂の可塑剤などが挙げられる。
前記レベリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類;側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー乃至オリゴマーなどが挙げられる。
前記電荷輸送層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記電荷輸送物質及び前記結着樹脂を前記溶媒等の前記その他の成分に溶解乃至分散して得られた塗工液を、前記電荷発生層上に塗布して加熱乃至乾燥することにより形成する方法などが挙げられる。
前記加熱する方法としては、例えば、空気、窒素等の気体、蒸気、各種熱媒体、赤外線、電磁波等の熱エネルギーを塗工面側又は支持体側から加熱する方法などが挙げられる。
前記加熱する際の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100℃〜170℃が好ましい。前記温度が、100℃未満であると、膜中の有機溶媒を十分取り除くことができず、電子写真特性の低下や摩耗耐久性低下が生じることがあり、170℃を超えると、表面にゆず肌状の欠陥や亀裂の発生、隣接層との界面で剥離の発生などが生じるだけでなく、感光層中の揮発性成分が外部に霧散した場合、所望の電気特性が得られなくなることがある。
前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下引き層、中間層などが挙げられる。
前記下引き層は、前記導電性支持体と前記感光層との間に設けることができる。
前記下引き層は、樹脂を含み、更に必要に応じて上述の酸化防止剤、微粉末顔料、カップリング剤等のその他の成分を含む。
これらの中でも、前記樹脂の上に感光層を溶媒で塗布する点で、一般の有機溶媒に対して耐溶媒性の高い樹脂が好ましい。
前記中間層は、前記電荷輸送層と前記表面保護層との間に、前記表面保護層への電荷輸送層成分の混入を抑える又は両層間の接着性を改善することを目的として設けることができる。
前記導電性支持体としては、体積抵抗値が1×1010Ω・cm以下の導電性を示すものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。なお、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスベルト(エンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルト等)を用いてもよい。
前記導電性層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性粉体及び結着樹脂を、必要に応じて溶媒に分散乃至溶解して得られた塗工液を前記導電性支持体上に塗布することにより形成する方法、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)等の素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブを用いて形成する方法などが挙げられる。
以下では、本発明の電子写真感光体の実施形態について説明する。
第1の実施形態に係る電子写真感光体の層構成について、図1を用いて説明する。
図1は、単層型感光層を有する構成であり、導電性支持体21上に、単層型感光層26及び表面保護層25を順次積層した電子写真感光体の層構成を示した図である。
第2の実施形態に係る電子写真感光体の層構成について、図2を用いて説明する。
図2は、積層型感光層を有する構成であり、導電性支持体21上に、電荷発生層23、電荷輸送層24、及び表面保護層25を順次積層した電子写真感光体の層構成を示した図である。なお、電荷発生層23及び電荷輸送層24が感光層に該当する。
第3の実施形態に係る電子写真感光体の層構成について、図3を用いて説明する。
図3は、図2の構成を有する電子写真感光体に、更に中間層を設けた構成を有する。
図3は、導電性支持体21上に、下引き層22、電荷発生層23、電荷輸送層24、及び表面保護層25を順次積層した電子写真感光体の層構成を示した図である。なお、電荷発生層23及び電荷輸送層24が感光層に該当する。
第4の実施形態に係る電子写真感光体の層構成について、図4を用いて説明する。
図4は、積層型感光層を有する構成であり、導電性支持体21上に、電荷輸送層24、電荷発生層23、及び表面層25を順次積層した電子写真感光体の層構成を示した図である。なお、電荷発生層23及び電荷輸送層24が感光層に該当する。
前記画像形成装置は、電子写真感光体、前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段、及び前記可視像を記録媒体に転写する転写手段を少なくとも有してなり、更に必要に応じて、その他の手段を有してなる。前記画像形成装置において使用する電子写真感光体が、上述の本発明の電子写真感光体である。なお、帯電手段と、露光手段とを合わせて静電潜像形成手段と称することもある。
前記画像形成方法は、前記画像形成装置の各手段により実施する方法である。
前記帯電手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器(電子写真感光体表面と帯電器との間に100μm以下の空隙を有する近接方式の非接触帯電器を含む)などが挙げられる。
前記帯電手段は、電子写真感光体表面と接触又は近接して設けられた帯電部材を有し、直流成分に交流成分を重畳した電圧を前記帯電部材へ印加して、前記帯電部材と前記電子写真感光体表面にコロナ放電を形成し、前記電子写真感光体表面を帯電する帯電手段であることが好ましい。
前記帯電工程は、前記帯電手段により実施することができ、前記電子写真感光体表面を帯電させる工程である。
前記露光手段としては、前記帯電手段により帯電された前記電子写真感光体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、LED光学系などの各種露光器が挙げられ、前記露光器における光源としては、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの高輝度が確保できる光源などが挙げられる。なお、本発明においては、前記電子写真感光体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記露光工程は、前記露光手段により実施することができ、前記帯電された電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する工程である。
前記現像手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記トナー乃至現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記現像剤を収容し、前記静電潜像に該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好ましい。前記現像器としては、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有するものなどが好適に挙げられる。前記現像器内では、例えば、前記トナーとキャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記電子写真感光体近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該電子写真感光体の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該電子写真感光体の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記現像工程は、前記現像手段により実施することができ、前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記転写手段は、前記可視像を記録媒体に転写する手段であるが、前記電子写真感光体表面から記録媒体に可視像を直接転写する方法と、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する方法がある。いずれの態様も良好に使用することができるが、高画質化に際して転写による悪影響が大きいような場合には、転写回数が少ない前者(直接転写)の方法が好ましい。前記転写は、例えば、前記可視像を、転写帯電器を用いて前記電子写真感光体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。
前記転写工程は、前記転写手段により実施することができ、前記可視像を記録媒体に転写する工程である。
前記その他の工程及びその他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、定着工程及び定着手段、除電工程及び除電手段、クリーニング工程及びクリーニング手段、リサイクル工程及びリサイクル手段、制御工程及び制御手段などが挙げられる。
前記定着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好ましく、前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせなどが挙げられ、前記加熱加圧手段における加熱としては、通常80℃〜200℃が好ましい。前記定着としては、例えば、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着工程は、前記定着手段により実施することができ、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる工程である。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記除電工程は、前記除電手段により実施することができ、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程である。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング工程は、前記クリーニング手段により実施することができ、前記電子写真感光体上に残留する前記トナーを除去する工程である。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記リサイクル手段により実施することができ、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程である。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御できれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
前記制御工程は、前記制御手段により実施することができ、前記各工程を制御する工程である。
以下では、本発明の画像形成装置の実施形態について説明する。
図5は、本発明の画像形成装置を説明するための概略図であり、電子写真感光体1の周りに、帯電手段3、露光手段5、現像手段6、転写手段10などが配置される。
図6において、感光体10C(シアン)、10M(マゼンタ)、10Y(イエロー)、10K(ブラック)は、ドラム状の感光体であり、これらの感光体10C、10M、10Y、10Kは、図中の矢印方向に回転し、その周りに少なくとも回転順に帯電部材11C、11M、11Y、11K、現像部材13C、13M、13Y、13K、クリーニング部材17C、17M、17Y、17Kが配置されている。
この帯電部材11C、11M、11Y、11Kと、現像部材13C、13M、13Y、13K)との間の感光体の表面側より、図示しない露光部材からのレーザー光12C、12M、12Y、12Kが照射され、感光体10C、10M、10Y、10Kに静電潜像が形成されるようになっている。
そして、このような感光体10C、10M、10Y、10Kを中心とした4つの画像形成要素20C、20M、20Y、20Kが、転写材搬送手段である中間転写ベルト19に沿って並置されている。
転写紙15は給紙コロ21によりトレイから送り出され、一対のレジストローラ22で一旦停止し、上記感光体上への画像形成とタイミングを合わせて転写部材23に送られる。転写ベルト19上に保持されたトナー像は転写部材23に印加された転写バイアスと転写ベルト19との電位差から形成される電界により、転写紙15上に転写される。転写紙上に転写されたトナー像は、搬送されて、定着部材24により転写紙上にトナーが定着されて、図示しない排紙部に排紙される。また、転写部で転写されずに各感光体10C、10M、10Y、10K上に残った残留トナーは、それぞれのユニットに設けられたクリーニング部材17C、17M、17Y、17Kで回収される。
本発明のプロセスカートリッジは、電子写真感光体と、前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段、電子写真感光体上に残留するトナーを除去するためのクリーニング手段、及び前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加する除電手段の少なくともいずれかの手段を有してなり、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。本発明のプロセスカートリッジにおいて使用する電子写真感光体は、上述した本発明の電子写真感光体である。
<実施例1>
外径φ30mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、浸漬塗工、乾燥することにより、平均厚み3.5μmの下引き層、平均厚み0.2μmの電荷発生層、及び平均厚み22μmの電荷輸送層を形成した。
〔下引き層用塗工液〕
・ アルキッド樹脂 ・・・ 3部
(ベッコゾール1307−60−EL、DIC株式会社製)
・ メラミン樹脂 ・・・ 2部
(スーパーベッカミン G−821−60、DIC株式会社製)
・ 酸化チタン ・・・ 20部
(CR−EL、石原産業株式会社製)
・ メチルエチルケトン ・・・ 100部
〔電荷発生層用塗工液〕
・ 下記構造式(19)のビスアゾ顔料 ・・・ 5部
・ ポリビニルブチラール(XYHL、UCC社製) ・・・ 1部
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
・ ビスフェノールZポリカーボネート ・・・ 10部
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)
・ 下記構造式(20)の電荷輸送物質 ・・・ 10部
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
下記組成の表面保護層用塗工液を前記導電性支持体、下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層をこの順で有する積層体上に下記表面保護層用塗工液を用いてスプレー塗工し、150℃で20分間加熱乾燥させて、平均厚み2.5μmの表面保護層を成膜した。
〔表面保護層用塗工液1〕
・ アルミナ微粒子(NanoTek(登録商標) Al2O3、平均一次粒径20nm、シーアイ化成工業株式会社)
・ 下記2化合物をOH価/NCO価=1.0となるように調整したもの
1.イソシアネート(タケネート(登録商標)D140N、三井武田ケミカル株式会社製)
2.下記構造式(4)のポリオール(分子量334.16)
・ セロソルブアセテート
・ メチルイソブチルケトン
−混合条件−
アルミナ微粒子 ・・・ 40質量%(但し、全固形分に対して)
固形分濃度 ・・・ 10質量%
溶媒混合比(質量比) ・・・ アセトン:セロソルブアセテート:メチルイソブチルケトン=6:2:1
表面保護層用塗工液1中のアルミナ微粒子添加量を全固形分に対して30質量%に変更した表面保護層用塗工液2を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
表面保護層用塗工液1中のアルミナ微粒子添加量を全固形分に対して55質量%に変更した表面保護層用塗工液3を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
表面保護層用塗工液1中のアルミナ微粒子添加量を全固形分に対して70質量%に変更した表面保護層用塗工液4を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
表面保護層用塗工液1中のアルミナ微粒子添加量を全固形分に対して80質量%に変更した表面保護層用塗工液5を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
表面保護層用塗工液1中のポリオールを下記構造式(6)のポリオール(分子量134.17)に変更した表面保護層用塗工液6を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
表面保護層用塗工液1中のイソシアネートをスミジュール(登録商標)HT(住友バイエルウレタン株式会社製)に変更した表面保護層用塗工液7を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
表面保護層用塗工液1を下記の表面保護層用塗工液8に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔表面保護層用塗工液8〕
・ アルミナ微粒子(AA−03、平均一次粒径0.3μm、住友化学工業株式会社)
・ 下記2化合物をOH価/NCO価=1.0となるように調整したもの
1.イソシアネート(スミジュール(登録商標)HT、住友バイエルウレタン株式会社製)
2.下記構造式(6)のポリオール(分子量134.7)
・ セロソルブアセテート
・ メチルイソブチルケトン
<混合条件>
アルミナ微粒子 ・・・ 45質量%(但し、全固形分に対して)
電荷輸送材料 ・・・ 25質量%(但し、全固形分に対して)
固形分濃度 ・・・ 10質量%
溶媒混合比(質量比) ・・・ アセトン:セロソルブアセテート:メチルイソブチルケトン=6:2:1
表面保護層用塗工液8中の電荷輸送材料を下記構造式(17)の電荷輸送材料に変更した表面保護層用塗工液9を用いた以外は、実施例8と同様にして、電子写真感光体を作製した。
表面保護層用塗工液8中の電荷輸送材料を下記構造式(18)の電荷輸送材料に変更した表面保護層用塗工液10を用いた以外は、実施例8と同様にして、電子写真感光体を作製した。
表面保護層用塗工液1中のポリオールを下記構造式(21)のポリオール(分子量404.54)に変更した表面保護層用塗工液11を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
表面保護層用塗工液1中のポリオールを下記LZR170に変更した表面保護層用塗工液12を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
・ ポリオール LZR170(藤倉化成株式会社製)
スチレン−アクリル共重合体
官能基数 約70
分子量(質量平均分子量) 31,000
樹脂固形分中のOH含有率3.92質量%
表面保護層用塗工液1中のアルミナ微粒子添加量を全固形分に対して25質量%に変更した表面保護層用塗工液13を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
表面保護層用塗工液1中のアルミナ微粒子添加量を全固形分に対して85質量%に変更した表面保護層用塗工液14を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
表面保護層用塗工液1中の溶剤混合比をアセトン:セロソルブアセテート:メチルイソブチルケトン=4:4:1に変更した表面保護層用塗工液15を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
表面保護層用塗工液1中の溶剤混合比をアセトン:セロソルブアセテート:メチルイソブチルケトン=10:1:1に変更した表面保護層用塗工液16を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
表面保護層を設けず、電荷輸送層の平均厚みを25μmとした以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
実施例1〜10及び比較例1〜7の感光体の製造に使用した表面保護層用塗工液の構成をまとめて表1に示す。
製造された実施例1〜10及び比較例1〜7の各感光体について、JIS B 0601−1982に準拠して、表面粗さ計(サーフコム1500DX、株式会社東京精密製)を用いて十点平均表面粗さ(Rz値)を測定した。即ち、ある粗さ曲線で最高の山頂から高い順に5番目までの山高さの平均と、最深の谷底から深い順に5番目までの谷深さの平均の和を求めた。その平均を感光体の十点平均表面粗さ(Rz)値とした。任意の5点について、Rz値を測定し、その平均をとった。結果を表1に示す。
実施例及び比較例で作製した電子写真感光体について、下記評価を実施した。
前記摩耗耐久試験は、画像形成装置として、Imagio Neo270(株式会社リコー製)を使用した。
プロセスカートリッジから予め滑剤バーを取り除き、電子写真感光体外部から滑剤供給をしないように予め改造した装置を用いた。用紙としてはMyPaper(A4サイズ、株式会社NBSリコー製)を用いた。23℃、55%RHの環境にて短手方向を送り方向として50%ハーフトーン(黒)の5万枚、20万枚、40万枚の実機通紙試験後、感光体上の20点の膜厚を画像形成渦電流式膜厚計フィッシャースコープMMS(フィッシャー社製)を用いて測定し、摩耗量(膜厚減少量)を評価した。結果を表2に示す。
Imagio Neo270(株式会社リコー製)の現像ユニットを分解して、表面電位計MODEL344(TREK社製)に接続されているプローブを現像ユニットに取り付けた後、実施例及び比較例の各感光体を装着して、実機内露光部(露光エネルギー0.5μJ/cm2)での初期露光部電位を測定した。次に、23℃、55%RHの環境下で帯電電位が−800Vになるように感光体に印加する電位を調節した後、摩耗耐久評価の場合と同様にして、黒ベタ画像を出力して、5万枚、20万枚、40万枚の実機通紙試験後における露光部の電位を測定した。結果を表3に示す。
実機通紙試験前後における露光部電位の変動が小さいものほど化学的耐久性に優れている。
Imagio Neo270(株式会社リコー製)に、実施例及び比較例の感光体を装着した後、トナーとして、A4の用紙MyPaper(株式会社NBSリコー製)を用いて、23℃、55%RHの環境下で、初期、及び5万枚、20万枚、40万枚の実機通紙試験後、日本画像学会テストチャートNo.3、1ドット画像(600dpi)を出力し、目視及び光学顕微鏡観察で画質を評価した。結果を表4、5に示す。
−ドット再現性−
○: 良好
△: わずかにトナーちりが確認される
×: ドットがつぶれる
−スジ画像の有無−
○: スジ画像の発生なし
△: かすかにスジ画像発生
×: 前面にスジ画像発生
<1> 導電性支持体と、前記導電性支持体上に、少なくとも感光層及び表面保護層をこの順に有する電子写真感光体であって、前記表面保護層の十点平均表面粗さ(Rz値)が、0.8μm以上1.5μm以下であり、前記表面保護層が少なくともウレタン樹脂及び無機フィラーを含有し、前記ウレタン樹脂は、イソシアネートと下記一般式(1)で表される脂肪族系骨格を有するポリオールとを含有する組成物を架橋した重合体であり、前記表面保護層の前記無機フィラーの含有量が30質量%以上80質量%以下であることを特徴とする電子写真感光体である。
<3> 表面保護層が電荷輸送材料を含有する前記<1>から<2>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<4> ウレタン樹脂が電荷輸送構造単位を有する前記<1>から<3>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<5> 電子写真感光体、前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段、及び前記可視像を記録媒体に転写する転写手段を少なくとも有する画像形成装置であって、
前記電子写真感光体が、前記<1>から<4>のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置である。
<6> 帯電手段が、電子写真感光体表面と接触又は近接して設けられた帯電部材を有し、直流成分に交流成分を重畳した電圧を前記帯電部材へ印加して、前記帯電部材と前記電子写真感光体表面にコロナ放電を形成し、前記電子写真感光体表面を帯電する前記<5>に記載の画像形成装置である。
<7> 電子写真感光体と、前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段、前記電子写真感光体上に残留するトナーを除去するためのクリーニング手段、及び前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加するための除電手段の少なくともいずれかの手段を有するプロセスカートリッジであって、
前記電子写真感光体が、前記<1>から<4>のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
<8> 電子写真感光体の表面を帯電手段で帯電する帯電工程と、帯電された前記電子写真感光体を画像露光手段で露光して電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像が形成された前記電子写真感光体の表面に現像手段でトナー像を形成する現像工程と、形成された前記トナー像を転写手段で転写媒体へ転写する転写工程を含む画像形成方法であって、前記電子写真感光体として、前記<1>から<4>のいずれかに記載の電子写真感光体を用いることを特徴とする画像形成方法である。
3 帯電手段
5 露光手段
6 現像手段
10 転写手段
21 導電性支持体
23 電荷発生層
24 電荷輸送層
25 表面保護層
26 単層型感光層
101 電子写真感光体
102 帯電手段
104 現像手段
106 転写手段
Claims (8)
- 導電性支持体と、前記導電性支持体上に、少なくとも感光層及び表面保護層をこの順に有する電子写真感光体であって、前記表面保護層の十点平均表面粗さ(Rz値)が、0.8μm以上1.5μm以下であり、前記表面保護層が少なくともウレタン樹脂及び無機フィラーを含有し、前記ウレタン樹脂は、イソシアネートと下記一般式(1)で表される脂肪族系骨格を有するポリオールとを含有する組成物を架橋した重合体であり、前記表面保護層の前記無機フィラーの含有量が30質量%以上80質量%以下であることを特徴とする電子写真感光体。
- ポリオールの分子量が100以上150以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
- 表面保護層が電荷輸送材料を含有する請求項1から2のいずれかに記載の電子写真感光体。
- ウレタン樹脂が電荷輸送構造単位を有する請求項1から3のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 電子写真感光体、前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段、及び前記可視像を記録媒体に転写する転写手段を少なくとも有する画像形成装置であって、
前記電子写真感光体が、請求項1から4のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。 - 帯電手段が、電子写真感光体表面と接触又は近接して設けられた帯電部材を有し、直流成分に交流成分を重畳した電圧を前記帯電部材へ印加して、前記帯電部材と前記電子写真感光体表面にコロナ放電を形成し、前記電子写真感光体表面を帯電する請求項5に記載の画像形成装置。
- 電子写真感光体と、前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段、前記電子写真感光体上に残留するトナーを除去するためのクリーニング手段、及び前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加するための除電手段の少なくともいずれかの手段を有するプロセスカートリッジであって、
前記電子写真感光体が、請求項1から4のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 電子写真感光体の表面を帯電手段で帯電する帯電工程と、帯電された前記電子写真感光体を画像露光手段で露光して電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像が形成された前記電子写真感光体の表面に現像手段でトナー像を形成する現像工程と、形成された前記トナー像を転写手段で転写媒体へ転写する転写工程を含む画像形成方法であって、前記電子写真感光体として、請求項1から4のいずれかに記載の電子写真感光体を用いることを特徴とする画像形成方法。
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