JP2014174064A - 熱式流量計 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明の目的は、薄膜ダイヤフラムにおける熱絶縁性能を低下させることなく、またダイヤフラム上に付着した水滴内での沸騰によってダイヤフラムがダメージを受けるのを防ぐことができる熱式流量計を提供することにある。
【解決手段】
通電により発熱する発熱抵抗体3と、発熱抵抗体3の側方に配置され空気流量に応じて抵抗値が変化する測温抵抗体4a,4bと、発熱抵抗体3と測温抵抗体4a,4bとが設けられた薄膜ダイヤフラム10aとを備えた測定素子1を有し、内燃機関に吸入される空気の流量を計測する熱式空気流量計において、薄膜ダイヤフラム10aの表面に、薄膜ダイヤフラム10aの外周10acとの間に間隔l49を設けて配置された、撥水性材料からなる凸状構造49を有する。
【選択図】図6A

Description

本発明は、気体との間で熱伝達を行うことにより、気体の流量を計測する熱式流量計に関する。
本技術分野の背景技術として、特開平8−271308号公報(特許文献1)や特開2000−169795号公報(特許文献2)がある。
特許文献1には、流量センサのための、ダイヤフラムを備えた測定素子(流量検出部)が記載されている。ダイヤフラム上には、加熱器(発熱抵抗体)と温度センサ(測温抵抗体)とが配置されている(段落0009参照)。
また、特許文献2には、感温領域を有するセンサ素子(流量検出部)に、撥水性または撥油性の付着防止表面コーティングを施す技術が記載されている。付着防止表面コーティングは、フルオロポリマー、フルオロオーモサー、フッ素含有性シラン、ポリマーのフルオロカーボン樹脂又は部分的にフッ素化されたポリマーで構成されている。この付着防止表面コーティングにより、汚水、石油、飛沫、シリコン油、煤、塩、炭化水素、ダスト粒子のセンサ素子への付着を防止する(段落0011,0012参照)。
特開平8−271308号公報 特開2000−169795号公報
自動車の内燃機関に使用される熱式流量計(空気流量計)では、雨天走行時に車両の水はねによる水滴が空気と共にエアクリーナを通過して、薄膜で構成されるダイヤフラム上に接触することがある。水滴が薄膜ダイヤフラム上に停留すると、発熱器と温度センサが水滴で覆われるため、空気流量の精度良い測定ができない上、薄膜ダイヤフラムの発熱抵抗体上に水滴が付着した場合、水滴内での沸騰により薄膜ダイヤフラムがダメージを受けることがある。また結露により薄膜ダイヤフラムの発熱抵抗体上に水滴が付着した場合も、水滴内での沸騰により薄膜ダイヤフラムがダメージを受けることがある。
特許文献1では、測定素子(流量検出部)に付着する水滴に対して、配慮がなされていなかった。特に、ダイヤフラムの加熱器(発熱抵抗体)上に付着した水滴内での沸騰によりダイヤフラムがダメージを受けることについては、配慮されていない。また特許文献2では、センサ素子(流量検出部)に水滴等が付着するのを防止するため、センサ素子に撥水性または撥油性の付着防止表面コーティングを施している。しかし、特許文献2では、耐用年数と機能低下とに配慮しているものの、発熱抵抗体上に付着した水滴内での沸騰によってダイヤフラムがダメージを受けることについては配慮がない。また、特許文献2では、付着防止表面コーティングによる薄膜ダイヤフラムにおける熱絶縁性能の低下について十分な配慮がなされていない。薄膜ダイヤフラムは発熱抵抗体や測温抵抗体の熱絶縁を行うために設けられる。すなわち、発熱抵抗体で発生した熱が流量検出部を構成する基板を通じて外部に逃げる、或いは、外部の熱が基板を通じて測温抵抗体に伝導することを抑制する。付着防止表面コーティングは薄膜ダイヤフラムの熱伝導の性能に影響する。特許文献2では、水滴内での沸騰によって薄膜ダイヤフラムがダメージを受けることや、付着防止表面コーティングによる薄膜ダイヤフラムの熱絶縁性能の低下についての配慮が十分ではなかった。
本発明の目的は、薄膜ダイヤフラムにおける熱絶縁性能を低下させることなく、また薄膜ダイヤフラム上に付着した水滴内での沸騰によって薄膜ダイヤフラムがダメージを受けるのを防ぐことができる熱式流量計を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の熱式流量計は、通電により発熱する発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体の側方に配置され空気流量に応じて抵抗値が変化する測温抵抗体と、前記発熱抵抗体と前記測温抵抗体とが設けられた薄膜ダイヤフラムとを備えた測定素子を有し、内燃機関に吸入される空気の流量を計測する熱式空気流量計において、前記薄膜ダイヤフラムの表面に、前記薄膜ダイヤフラムの外周との間に間隔を設けて配置された、撥水性材料からなる凸状構造を有する。
本発明の熱式空気流量計によれば、薄膜ダイヤフラムの表面に撥水性材料からなる凸状構造を形成することで、薄膜ダイヤフラム上に形成された水滴を小さく分断することができ、膜沸騰での気泡崩壊時の衝撃力で薄膜ダイヤフラムがダメージを受けるのを防ぐことができる。また、凸状構造を薄膜ダイヤフラムの外周との間に間隔を設けて配置することで、薄膜ダイヤフラムにおける熱絶縁性能の低下を防止或いは抑制することができる。なお、上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
内燃機関制御システムに本発明に係る熱式流量計を使用した一実施例を示すシステム図である。 本発明を適用した熱式流量計の概略構成を示す図である。 本発明を適用しない熱式流量計に設けられた測定素子の概略平面図である。 図3AのIIIB−IIIB断面図である。 副通路に配置された流路面の形態を断面で示す部分拡大図である。 水滴が膜沸騰状態になる300℃以上の高温面上の水滴寸法と沸騰状態の関係を模式的に表した図である。 熱式流量計のダイヤフラム上の発熱抵抗体の周辺に凸型形状を形成した構造の具体例(実施例1)を説明する概略平面図である。 図6AのVIB−VIB断面図である。 熱式流量計のダイヤフラム上の発熱抵抗体の周辺に凸型形状を形成した構造の他の具体例(実施例2)を説明する概略平面図である。 図7AのVIIB−VIIB断面図である。 熱式流量計のダイヤフラム上の発熱抵抗体の周辺に凸型形状を形成した構造の他の具体例(実施例2の変形例)を説明する概略平面図である。 図8AのVIIIB−VIIIB断面図である。 熱式流量計のダイヤフラム上の発熱抵抗体の周辺に凸型形状を形成した構造の他の具体例(実施例2の変形例)を説明する概略平面図である。 熱式流量計のダイヤフラム上の発熱抵抗体の周辺に凸型形状を形成した構造の他の具体例(実施例3)を説明する概略平面図である。 図9AのIXB−IXB断面図である。 本発明を適用しない熱式流量計の薄膜ダイヤフラムとそれと対向する計測用流路面を示した断面図である。 熱式流量計のダイヤフラム上の発熱抵抗体の周辺に凸型形状を形成し、薄膜ダイヤフラムと対向する空気流量を測定するための副通路内の計測用流路面に撥水性を有する構造を形成した具体例(実施例4)を説明する断面図である。 熱式流量計のダイヤフラム上の発熱抵抗体の周辺に凸型形状を形成し、薄膜ダイヤフラムと対向する空気流量を測定するための副通路内の計測用流路面に撥水性を有する構造を形成した具体例(実施例4の変形例)を説明する断面図である。
以下の実施例で、同一の参照符号は、図番が異なっていても同一の構成を示しており、同じ作用効果を成す。既に説明済みの構成について、図に参照符号のみを付し、説明を省略する場合がある。
まず、以下で説明する各実施例に共通する構成について説明する。以下で説明する各実施例の熱式流量計は、空気を被計測気体とする熱式空気流量計である。
図1は、電子燃料噴射方式の内燃機関制御システムに、本発明に係る熱式流量計を使用した一実施例を示す、システム図である。エンジンシリンダ112とエンジンピストン114を備える内燃機関110の動作に基づき、吸入空気が被計測気体30としてエアクリーナ122から吸入され、主通路124である例えば吸気ボディ、スロットルボディ126、吸気マニホールド128を介してエンジンシリンダ112の燃焼室に導かれる。燃焼室に導かれる吸入空気30の流量は熱式流量計300で計測され、計測された流量に基づいて燃料噴射弁152より燃料が供給され、吸入空気である被計測気体30と共に混合気の状態で燃焼室に導かれる。なお、本実施例では、燃料噴射弁152は内燃機関の吸気ポートに設けられ、吸気ポートに噴射された燃料が吸入空気である吸入空気30と共に混合気を成形し、吸入弁116を介して燃焼室に導かれ、燃焼して機械エネルギを発生する。
近年、多くの車では排気浄化や燃費向上に優れた方式として、内燃機関のシリンダヘッドに燃料噴射弁152を取り付け、燃料噴射弁152から各燃焼室に燃料を直接噴射する方式が採用されている。熱式流量計300は、図1に示す内燃機関の吸気ポートに燃料を噴射する方式だけでなく、各燃焼室に燃料を直接噴射する方式にも同様に使用できる。両方式とも熱式流量計300の使用方法を含めた制御パラメータの計測方法および燃料供給量や点火時期を含めた内燃機関の制御方法の基本概念は略同じであり、両方式の代表例として吸気ポートに燃料を噴射する方式を図1に示す。
燃焼室に導かれた燃料および空気は、燃料と空気の混合状態を成しており、点火プラグ154の火花着火により、爆発的に燃焼し、機械エネルギを発生する。燃焼後の気体は排気弁118から排気管に導かれ、排気24として排気管から車外に排出される。燃焼室に導かれる吸入空気30の流量は、アクセルペダルの操作に基づいてその開度が変化するスロットルバルブ132により制御される。燃焼室に導かれる吸入空気の流量に基づいて燃料供給量が制御され、運転者はスロットルバルブ132の開度を制御して燃焼室に導かれる吸入空気の流量を制御することにより、内燃機関が発生する機械エネルギを制御することができる。
エアクリーナ122から取り込まれ主通路124を流れる吸入空気30の流量および温度が、熱式流量計300により計測され、熱式流量計300から吸入空気の流量および温度を表す電気信号が制御装置200に入力される。また、スロットルバルブ132の開度を計測するスロットル角度センサ144の出力が制御装置200に入力され、さらに内燃機関のエンジンピストン114や吸気弁116や排気弁118の位置や状態、さらに内燃機関の回転速度を計測するために、回転角度センサ146の出力が、制御装置200に入力される。排気24の状態から燃料量と空気量との混合比の状態を計測するために、酸素センサ148の出力が制御装置200に入力される。
制御装置200は、熱式流量計300の出力である吸入空気の流量、回転角度センサ146の出力及び内燃機関の回転速度に基づいて、燃料噴射量や点火時期を演算する。これら演算結果に基づいて、燃料噴射弁152から供給される燃料量、また点火プラグ154により点火される点火時期が制御される。燃料供給量や点火時期は、実際には、さらに熱式流量計300で計測される吸気温度、スロットル角度の変化状態、エンジン回転速度の変化状態及び酸素センサ148で計測された空燃比の状態に基づいて、きめ細かく制御されている。制御装置200はさらに内燃機関のアイドル運転状態において、スロットルバルブ132をバイパスする空気量をアイドルエアコントロールバルブ156により制御し、アイドル運転状態での内燃機関の回転速度を制御する。
内燃機関の主要な制御量である燃料供給量や点火時期はいずれも熱式流量計300の出力を主パラメータとして演算される。従って熱式流量計300の計測精度の向上や経時変化の抑制、信頼性の向上が、車両の制御精度の向上や信頼性の確保に関して重要である。特に近年、車両の省燃費に関する要望が非常に高く、また排気ガス浄化に関する要望が非常に高い。これらの要望に応えるには熱式流量計300により計測される吸入空気30の流量の計測精度の向上が極めて重要である。また熱式流量計300が高い信頼性を維持していることも大切である。
熱式流量計300が搭載される車両は温度変化の大きい環境で使用され、また風雨や雪の中で使用される。雪道を車が走行する場合には、凍結防止剤が散布された道路を走行することとなる。熱式流量計300は、その使用環境における温度変化への対応や、塵埃や汚染物質などへの対応も、考慮されていることが望ましい。さらに熱式流量計300は内燃機関の振動を受ける環境に設置される。振動に対しても高い信頼性の維持が求められる。
また熱式流量計300は内燃機関の発熱の影響を受ける吸気管に装着される。このため内燃機関の発熱が主通路124である吸気管を介して、熱式流量計300に伝わる。熱式流量計300は、吸入空気30と熱伝達を行うことにより吸入空気30の流量を計測するので、外部からの熱の影響をできるだけ抑制することが重要である。
つぎに、本発明を適用していないダイヤフラムセンサを適用してなる熱式流量計300について説明する。図3A及び図3Bで説明する熱式流量計300の構成は、熱式流量計の基本構成に関係しており、以下の各実施例で説明する熱式流量計に共通する構成である。
図3Aは熱式流量計の測定素子1の概略平面図、図3Bは、図3Aの薄膜ダイヤフラム10aの部分をIIIB−IIIB線に沿って切断した断面図である。
熱式流量計300の測定素子1は、図3Aに示すように、半導体基板2,発熱抵抗体3,上流側測温抵抗体4a,下流側測温抵抗体4b,空気温度測温抵抗体5などで構成されている。矩形状のシリコン基板からなる半導体基板2の中央部下面には空洞部10を有する薄膜ダイヤフラム10aが形成されており、薄膜ダイヤフラム10a上に発熱抵抗体3,上流側測温抵抗体4a,下流側測温抵抗体4bが形成され、半導体基板2の薄膜ダイヤフラム10aの外側に空気温度測温抵抗体5が形成されている。
図3Aにおいて、発熱抵抗体3,上流側測温抵抗体4a,下流側測温抵抗体4b,空気温度測温抵抗体5及び端子9は電気絶縁膜7の下層に設けられている。また、薄膜ダイヤフラム10aは空洞部10によって境界が定まるものであり、電気絶縁膜6,7に構造的な境界が存在するわけではない。しかし、図3Aでは、発熱抵抗体3,上流側測温抵抗体4a,下流側測温抵抗体4b,空気温度測温抵抗体5,端子9及び薄膜ダイヤフラム10aの何れも実線で記載している。すなわち、図3Aでは、発熱抵抗体3,上流側測温抵抗体4a,下流側測温抵抗体4b,空気温度測温抵抗体5及び端子9の位置を測定素子1の表面に投影して示している。また、薄膜ダイヤフラム10aについては、空洞部10によって定まる薄膜ダイヤフラム10aの境界を測定素子1の表面に投影して示している。以下で説明する図6A,図7A,図8A,図9,図10Aも同様である。
上流側測温抵抗体4aは、吸入空気30の流れ方向において、発熱抵抗体3の上流側に配置され、下流側測温抵抗体4bは発熱抵抗体3の下流側に配置される。すなわち、発熱抵抗体3の両側方に測温抵抗体4a,4bが配置されている。
熱式流量計では、一方向に流れる吸入空気30(順流)の流量を計測するように構成されたものと、順流の他に逆方向に流れる気流(逆流)の流量も検出できるように構成されたものとがある。本明細書では、「上流」及び「下流」は順流を対象にして説明している。ただし、以下で説明する各実施例は、順流のみを計測する熱式流量計に限定されるものではない。
半導体基板2の薄膜ダイヤフラム10aの外側には、発熱抵抗体3,上流側測温抵抗体4a,下流側測温抵抗体4b,空気温度測温抵抗体5を外部の回路と電気的に接続するための端子9が形成されている。発熱抵抗体3,測温抵抗体4,空気温度測温抵抗体5は、各々複数回折り返して形成してもよい。なお抵抗体の構成は測定方式により異なり、ここではその一例を示している。マイクロヒータとして機能する発熱抵抗体3と測温抵抗体4a,4bと空気温度測温抵抗体5とは同様の膜構造を採用しても、個別の膜構成を採用してもよい。図3Bで、発熱抵抗体3や測温抵抗体4a,4bは、下部薄膜である電気絶縁膜6,および上部薄膜である電気絶縁膜7により挟まれている。
図2を用いて、熱式流量計の構成を説明する。図2は、本発明を適用した熱式流量計の概略構成を示す図である。
上記構成の熱式流量計300は、図2に示すように、測定素子1(図示なし)を支持する支持体21、そして電子回路31などを備えている。測定素子1は、吸気の主通路124内部にある副通路23内に配置され、電子回路31は、副通路23が形成された熱式空気流量計300のハウジング32内に設けられている。発熱抵抗体3及び測温抵抗体4a,4bは、電源管理回路25,発熱抵抗体加熱制御回路(以下制御回路と記す)26,出力調整回路27等からなる電子回路31と電気的に接続されている。発熱抵抗体3の加熱温度は、制御回路26により測温抵抗体4a,4bが検出する吸気温度とほぼ一定温度差になるよう通電を制御されている。従って、発熱抵抗体3から吸入空気30への放熱量により、吸入空気流量を検出できる。また、上流側の測温抵抗体の温度が低くなる特性を利用して、空気流の方向が検知できる。このように、本実施例の熱式流量計300は、発熱抵抗式空気流量測定装置である。この発熱抵抗式空気流量測定装置300の流量検出方式は、加熱ヒータとそれにより加熱された温度検出抵抗により検出するものなど他の方式もある。本発明はどの方式でも同様に実施できるため個々の方式での説明は割愛する。この発熱抵抗式空気流量測定装置には、電源と接続する電源端子28a,流量信号を出力する流量出力端子29b,吸気温度信号を出力する温度出力端子29c及びグランド端子29を有し、外部機器と電気的に接続されている。
熱式流量計1近傍の被計測気体30の流れについて図4を用いて説明する。図4は、副通路に配置された流路面の形態を断面で示す部分拡大図である。
被計測気体30は、図4の左側から導かれ、被計測気体30の一部は、熱式流量計300の計測用流路面430の表面と表カバー303に設けられた突起部356で作られる流路386の方を流れ、他の被計測気体30は計測用流路面裏面431と裏カバー304で作られる流路387の方を流れる。その後、流路387を流れた被計測気体30は、流路386を流れている被計測気体30と合流し、主通路124に排出される。
流路386では、表カバー303に設けられ突起部356が計測用流路面430の方に徐々に突出することにより、絞りが成形される構造を成している。流路386の絞り部の一方側に計測用流路面430が配置され、計測用流路面430には流量検出部(測定素子)1が被計測気体30との間で熱伝達を行うための熱伝達面露出部が設けられている。流量検出部1の計測が高精度で行われるためには、熱伝達面露出部の部分で被計測気体30が渦の少ない層流であることが望ましい。また流速の速い方が計測精度は向上する。このために計測用流路面430に対向して表カバー303に設けられた突起部356が計測用流路面430に向かって滑らかに突出することにより絞りが形成される。この絞りは、被計測気体30の渦を減少させて層流に近づけている作用をする。さらに絞り部分では流速が速くなり、この絞り部分に流量を計測するための熱伝達面露出部が配置されているので、流量の計測精度が向上している。
計測用流路面430に設けた熱伝達面露出部に対向するようにして突起部356を副通路溝内に突出させることで絞りを成形して、計測精度を向上することができる。
熱式流量計300が搭載される車両は、上述のように温度変化の大きい環境で使用され、また風雨や雪の中で使用される。雪道を車が走行する場合には、凍結防止剤が散布された道路を走行することとなる。したがって熱式流量計300は、その使用環境における温度変化への対応や、塵埃や汚染物質などへの対応も、考慮する必要がある。ここでは、熱式流量計の発熱抵抗体を構成したダイヤフラム上に水滴が付着した場合について検討した。
ダイヤフラムへの水滴の付着としては、風雨時にエアクリーナを空気と共に通過した水滴やエンジン停止時の結露による水滴の付着が想定される。
熱式空気流量測定装置300の発熱抵抗体3は、流量計測中、すなわちエンジン駆動中は加熱制御されている。発熱抵抗体3の加熱温度と吸気温度は一定温度差であるため、吸気温度(外気温度)が低い場合(例えば寒冷地)は発熱抵抗体3の表面温度は相対的に低くなる。熱式流量計300は、発熱抵抗体3の加熱温度を機種により異なるものの、通常、制御回路26により測温抵抗体4が検出する吸気温度より200℃高くなるように制御される。吸気温度は−40〜120℃を対象としていることから、従来製品の発熱抵抗体の表面温度は160〜320℃に設定されていることになる。
ヒータ表面温度が高くなるに従い、ダイヤフラムに付着した水滴は、対流、核沸騰で蒸発消滅し、300℃以上で膜沸騰により蒸発消滅する。対流状態では、沸騰が発生せずに、水滴が蒸発消滅する。核沸騰状態では、伝熱面上のくぼみ、突起などで沸騰する。膜沸騰状態では、伝熱面全面が蒸気で覆われ、水滴から気泡が飛散する。この膜沸騰状態では、水滴のサイズに依存して気泡の生成挙動が異なることが明らかになった。
水滴が膜沸騰状態になる300℃以上の高温面上の水滴寸法と沸騰状態の関係を図5により説明する。図5は、水滴が膜沸騰状態になる300℃以上の高温面上の水滴寸法と沸騰状態の関係を模式的に表した図である。
発熱抵抗体4の寸法に比べて水滴40の寸法が小さい(a)の場合、水滴全面で膜沸騰が発生して、水滴中の気泡41は水滴外部に飛び出す。発熱抵抗体3の寸法に比べて水滴40の寸法が同等な(b)の場合、発熱抵抗体3の直上で発生した気泡41は水滴外部に飛び出す。一方発熱抵抗体3の寸法に比べて水滴の寸法が大きい(例えば2倍以上)(c)の場合、発熱抵抗体4直上で発生した気泡42は、水膜の外部に飛び出さない。この場合、気泡43は膨張し気泡内の内圧は大気圧を大きく下回る負圧状態となる。外気と気泡の内圧との圧力差により気泡は収縮し、消滅する。消滅時には10MPa程度の衝撃力43が発生する。発熱抵抗体3が形成されているダイヤフラムの強度が弱い場合、衝撃力43により薄膜ダイヤフラム10aが破壊する可能性のあることが明らかになった。しかし、薄膜ダイヤフラム10aの強度を高めるために薄膜ダイヤフラム10aを厚くすると、発熱抵抗体3の発熱が薄膜ダイヤフラム10aを伝って逃げ易くなり、消費電力が大きくなる。或いは、測温抵抗体4が基板を介して伝わってくる内燃機関の熱の影響を受けやすくなり、流量の計測精度が低下する。このため、薄膜ダイヤフラム10aは薄く、熱が伝わりにくい(熱絶縁性能の高い)構造であることが望ましい。
したがって発熱抵抗体3の寸法に比べて水滴の寸法を小さくすれば、膜沸騰で発生した気泡41を水滴の外に排出することができるため、気泡消滅時に発生する衝撃力43をなくすことができる。また水滴40と発熱抵抗体3を偏心させた場合(d)、膜沸騰で発生した気泡が水膜表面に近い斜めに水滴の外に排出することができるため、気泡消滅時に発生する衝撃力を低減することができる。
図6A及び図6Bを用いて、本発明に係る測定素子1の第一の実施例を説明する。図6Aは、熱式流量計の薄膜ダイヤフラム上の発熱抵抗体の周辺に凸型形状を形成した構造の具体例(実施例1)を説明する概略平面図である。図6Bは、図6AのVIB−VIB断面図である。
図3Aで説明したように、図6Aでは、発熱抵抗体3,上流側測温抵抗体4a,下流側測温抵抗体4b,空気温度測温抵抗体5及び端子9の位置を、測定素子1の表面に投影して示している。従って、図6A上で発熱抵抗体3,上流側測温抵抗体4a,下流側測温抵抗体4b,空気温度測温抵抗体5及び端子9の位置を説明する場合、厳密に言えば、発熱抵抗体投影領域3,上流側測温抵抗体投影領域4a,下流側測温抵抗体投影領域4b,空気温度測温抵抗体投影領域5,端子投影領域9のように、「投影領域」を付ける方が正確である。しかし、特に必要がある場合を除いて、「投影領域」を付けずに記載する。図7A,図8A,図9,図10Aも同様である。
発熱抵抗体3を形成した薄膜ダイヤフラム10a上に形成された水滴の付着の分断する構造として、耐熱性でかつ撥水性の凸型矩形構造49を発熱抵抗体の周囲に形成する。
凸型矩形構造49は、発熱抵抗体3の周囲に沿って、線状(直線状)に形成されている。凸型矩形構造49を形成することで、発熱抵抗体3に付着する水滴の大きさを制限することができるため、水滴が膜沸騰で沸騰しても、気泡消滅時に薄膜ダイヤフラム10aに発生する衝撃力を回避することができる。
また、凸型矩形構造49は、薄膜ダイヤフラム10aの外周10acとの間に間隔l49を設けて、配置されている。測定素子1の全面を耐熱性と撥水性とを兼ね備えた材料の膜で覆うと、この膜を介して熱が伝わり易くなる。即ち、薄膜ダイヤフラム10aの熱絶縁性能が低下する。凸型矩形構造49と薄膜ダイヤフラム10aの外周10acとの間に間隔l49を設けて、凸型矩形構造49を薄膜ダイヤフラム10aの外側の基板部分から切り離すことにより、薄膜ダイヤフラム10aの熱絶縁性能の低下を抑えることができる。
以下、凸型矩形構造49を、単に凸型構造、凸部構造、凸状構造などと呼ぶ。
凸型構造49の材質としては、例えばポリイミドが挙げられる。本実施例では、薄膜ダイヤフラム10a上に付着した水滴は膜沸騰で沸騰する条件、すなわち発熱抵抗体3が300℃以上に加熱された場合を想定している。このため、発熱抵抗体3近傍に配置した凸型構造(突形状部、或いは突起部)を長期にわたり安定して機能を保たせるためには、耐熱性に優れていることが必要となる。本明細書において、耐熱性を有するとは、発熱抵抗体3の発熱による熱に晒されても劣化しない、或いは製品としての信頼性が確保される範囲内の劣化に留まる性能を有することを意味する。
尚、凸型構造49として耐熱性に優れた材料を使用しても、長期間高温に曝されることで劣化することが懸念される。そこで、発熱抵抗体3の直上を避けて、発熱抵抗体3を薄膜ダイヤフラム10aの表面に垂直に投影した発熱抵抗体投影領域3pの外側に、凸状構造49を配置している。すなわち、発熱抵抗体3の直上の領域3pを凸型構造49の非形成領域とし、凸型構造49を発熱抵抗体3(発熱抵抗体投影領域3p)にできるだけ近付けて配置する。このために、被計測気体30の流れ方向において発熱抵抗体3の両側に配置される凸型構造49は、測温抵抗体4a,4bを薄膜ダイヤフラム10aの表面に垂直に投影した測温抵抗体投影領域4ap,4bpから発熱抵抗体投影領域3pの側の範囲に、配置される。より好ましくは、凸型構造49を、測温抵抗体投影領域4ap,4bpにおける発熱抵抗体投影領域3pの側の端部と発熱抵抗体投影領域3pにおける測温抵抗体投影領域4ap,4bpの側の端部との間に、配置する。
図7A,図7B,図8A,図8B及び図9を用いて、本発明に係る第2の実施例を説明する。図7Aは、熱式流量計の薄膜ダイヤフラム上の発熱抵抗体の周辺に凸型形状を形成した構造の他の具体例(実施例2)を説明する概略平面図である。図7Bは、図7AのVIIB−VIIB断面図である。図8Aは、熱式流量計の薄膜ダイヤフラム上の発熱抵抗体の周辺に凸型形状を形成した構造の他の具体例(実施例2の変形例)を説明する概略平面図である。図8Bは、図8AのVIIIB−VIIIB断面図である。図9は、熱式流量計の薄膜ダイヤフラム上の発熱抵抗体の周辺に凸型形状を形成した構造の他の具体例(実施例2の変形例)を説明する概略平面図である。
耐熱性でかつ撥水性の凸部構造50を発熱抵抗体3の周囲に形成するにあたり、島状に形成した複数個の凸部構造50を線状(直線状)に点在させて形成している。このとき、薄膜ダイヤフラム10aの熱絶縁性能の低下を防ぐため、凸部構造50と薄膜ダイヤフラム10aの外周10acとの間にl50の間隔を設けている。また、凸型構造50を複数の突形状部或いは突起部に分割して構成したことにより、発熱抵抗体3と測温抵抗体4との間の熱絶縁性能の低下を軽減できる。
さらに図8のように、薄膜ダイヤフラム10a上の発熱抵抗体3領域以外の領域全面に凸型構造50を形成してもよい。すなわち、図8の構成では、凸型構造50が面上に分散して配置されることにより、熱絶縁性能を低下させることなく薄膜ダイヤフラム10aの撥水性を向上させ、水滴の付着を低減できる。薄膜ダイヤフラム10aの熱絶縁性能の低下を防ぐため、最も発熱抵抗体3に近付けて配置された第1列目の凸部構造50と薄膜ダイヤフラム10aの外周10acとの間にはl50aの間隔が設けられている。第2列目の凸部構造50と外周10acとの間にはl50bの間隔が設けられている。第3列目の凸部構造50と外周10acとの間にはl50cの間隔が設けられている。
また、図9のように、薄膜ダイヤフラム10a上の発熱抵抗体領域の外側に耐熱性の撥水性材料からなる凸型構造50を空気の流れ方向に平行な線状を成すように形成すれば、空気の流れの整流作用も期待できる。このとき、凸型構造50は、薄膜ダイヤフラム10aの表面に沿って、空気の流れ方向に垂直な方向に、複数設けられている。
本実施例においても、凸型構造50と発熱抵抗体3との位置関係を実施例1と同様にすることが望ましい。
図10A及び図10Bを用いて、本発明に係る第3の実施例を説明する。図10Aは、熱式流量計のダイヤフラム上の発熱抵抗体の周辺に凸型形状を形成した構造の他の具体例(実施例3)を説明する概略平面図である。図10Bは、図10AのXB−XB断面図である。
本実施例では、薄膜ダイヤフラム10a上の発熱抵抗体3の形成領域(発熱抵抗体投影領域)の外側に耐熱性の撥水性材料からなる複数個の凸部構造50を図8の実施例と同様に点在させて形成し、さらにその凸部構造50の非形成領域を発熱抵抗体領域に対して偏心させている。図5(d)に示したように、水滴と発熱抵抗体を偏心させると、膜沸騰で発生した気泡が水膜表面に近い斜めに水滴の外に排出することができるため、気泡消滅時に発生する衝撃力を低減できる。
凸型構造50の配置を更に具体的に説明する。
発熱抵抗体3の左側では、発熱抵抗体3に最も近付けて配置された第1列目の凸型構造50は、測温抵抗体投影領域4apにおける発熱抵抗体投影領域3pの側の端部と発熱抵抗体投影領域3pにおける測温抵抗体投影領域4apの側の端部との間に、配置されている。これに対して発熱抵抗体3の右側では、発熱抵抗体3に最も近付けて配置された第1列目の凸型構造50は、測温抵抗体投影領域4bpを越えてさらに外方に設けられている。
発熱抵抗体投影領域3pと発熱抵抗体投影領域3pの一方の側方(左側)に配置される凸状構造50との間隔に対して、発熱抵抗体投影領域3pと発熱抵抗体投影領域3pの他方の側方(右側)に配置される凸状構造50との間隔の方が大きい構成になっている。この構成を満たしていれば、発熱抵抗体3の左側の第1列目の凸型構造50が測温抵抗体投影領域4apに存在し、発熱抵抗体3の右側の第1列目の凸型構造50が測温抵抗体投影領域4bpに存在する構成であってもよい。ただし、測温抵抗体4a,4bが発熱抵抗体3から離れて形成される場合には、発熱抵抗体3との間隔を小さくする側の測温抵抗体を、測温抵抗体投影領域における発熱抵抗体投影領域3pの側の端部と発熱抵抗体投影領域3pにおける測温抵抗体投影領域の側の端部との間に配置することが望ましい。このような配置は、実施例1及び実施例2の凸型構造49,50で実施してもよい。
本実施例では、発熱抵抗体3の左側においては、実施例2で説明した図8と同様に、凸型構造50と薄膜ダイヤフラム10aの外周10acとの間に、間隔l50a,l50b,l50cが設けられている。発熱抵抗体3の右側においては、発熱抵抗体3に最も近付けて配置された第1列目の凸型構造50と薄膜ダイヤフラム10aの外周10acとの間にl50dの間隔が設けられ、薄膜ダイヤフラム10aの熱絶縁性能の低下を防いでいる。
図11A及び図11Bを用いて、本発明に係る第4の実施例について、説明する。本実施例の効果を説明するため、図10を参照する。図10は、本発明を適用しない熱式流量計の薄膜ダイヤフラムとそれと対向する計測用流路面を示した断面図である。図11Aは、熱式流量計のダイヤフラム上の発熱抵抗体の周辺に凸型形状を形成し、薄膜ダイヤフラムと対向する空気流量を測定するための副通路内の計測用流路面に撥水性を有する構造を形成した具体例(実施例4)を説明する断面図である。図11Bは、図11Aの変形例を示す断面図である。
膜沸騰による突沸現象は、水滴が停留(静止)している環境で発生するため、風雨時にエアクリーナを空気と共に通過した水滴のように、流動している水滴では発生しないと考えられる。ただし図10に示したように、熱式流量計300のダイヤフラムと計測用流路面の絞り356に水滴が停留した場合、発熱抵抗体4の熱が水を介して放熱されて流量測定誤差が生じる場合がある。
本実施例では、図11Aに示すように、空気流量を測定するための副通路内の計測用流路面に空気の流れ方向と垂直な溝構造51を設ける。または図11Bに示すように、空気の流れ方向と平行な溝構造52を設ける。副通路の材料はポリブチレンテレフタラート(Polybutylenterephtalat)などの射出成形体であり、表面に凹凸の溝構造51,52を付与することは容易である。凹凸を形成することにより、表面を撥水性にできる。このため熱式流量計300のダイヤフラムと計測用流路面の絞り356に水滴が停留せず、発熱抵抗体3の熱が水を介して放熱されて流量測定誤差が生じることはない。さらら絞りによる被計測気体30の渦を減少させて層流に近づけている作用に加え、空気の流れ方向と平行に溝構造による整流する効果もあり、流量計測の精度向上が見込まれる。
上述の各実施例における凸型構造49,50の配置について、整理する。凸型構造49,50と測温抵抗体4a,4bとは異なる層に形成されている。凸型構造49,50は発熱抵抗体3に近付けて配置することが望ましい。このため、発熱抵抗体3と測温抵抗体4a,4bとが接近して配置される場合には、凸型構造49,50は測温抵抗体投影領域4a,4bに配置する。発熱抵抗体3と測温抵抗体4a,4bとの間にある程度の間隔が確保されている場合には、凸型構造49,50は測温抵抗体投影領域4ap,4bpにおける発熱抵抗体投影領域3pの側の端部と発熱抵抗体投影領域3pにおける測温抵抗体投影領域4ap,4bpの側の端部との間に配置する。
尚、図5の(d)に示すような現象により、ダイヤフラム10aに発生する衝撃力を回避することができるので、発熱抵抗体3(発熱抵抗体投影領域3p)に対して被計測気体30の流れ方向の少なくとも一方側で、凸型構造49,50を発熱抵抗体3(発熱抵抗体投影領域3p)に近付けて配置すればよい。水滴の大きさを確実に小さくする必要がある場合には、発熱抵抗体3(発熱抵抗体投影領域3p)の両側方で、上述したように凸型構造49,50を発熱抵抗体3(発熱抵抗体投影領域3p)に近付けて配置する。
撥水性を有する材料からなる膜に凹凸を設けると撥水性が高まり、親水性を有する材料からなる膜に凹凸を設けると親水性が高まる。上述の各実施例によれば、撥水性を有する材料で凸型構造を形成することにより、撥水性をさらに高め、水滴を分断しやすい構造にすることができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、前記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。さらに、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…熱式流量計の測定素子1
2…半導体基板
3…発熱抵抗体
4a…上流側測温抵抗体
4b…下流側測温抵抗体
5…測温抵抗体
21…支持体
23…副通路
30…被計測気体(吸入空気)
31…電子回路
32…ハウジング
40…水滴
41…水膜の外部に飛び出す気泡
42…水膜の外部に飛び出さない気泡
43…気泡が消滅時に発生する衝撃力43
49…凸型構造
50…凸型構造
51…空気の流れ方向に垂直な凹凸の溝構造
52…空気の流れ方向に平行な凹凸の溝構造
300…熱式流量計
356…絞り

Claims (10)

  1. 通電により発熱する発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体の側方に配置され空気流量に応じて抵抗値が変化する測温抵抗体と、前記発熱抵抗体と前記測温抵抗体とが設けられた薄膜ダイヤフラムとを備えた測定素子を有し、内燃機関に吸入される空気の流量を計測する熱式空気流量計において、
    前記薄膜ダイヤフラムの表面に、前記薄膜ダイヤフラムの外周との間に間隔を設けて配置された、撥水性材料からなる凸状構造を有することを特徴とする熱式空気流量計。
  2. 請求項1に記載の熱式空気流量計において、
    前記凸状構造は、前記発熱抵抗体を前記薄膜ダイヤフラムの表面に垂直に投影した発熱抵抗体投影領域の外側に、配置されていることを特徴とする熱式空気流量計。
  3. 請求項2に記載の熱式空気流量計において、
    前記測温抵抗体と前記凸状構造とは、空気の流れ方向において、前記発熱抵抗体投影領域の両側方に設けられ、
    前記凸状構造は、前記発熱抵抗体投影領域の少なくとも一方の側方において、前記測温抵抗体を前記薄膜ダイヤフラムの表面に垂直に投影した測温抵抗体投影領域から前記発熱抵抗体投影領域の側に、配置されていることを特徴とする熱式空気流量計。
  4. 請求項3に記載の熱式空気流量計において、
    前記凸状構造は、前記一方の側方において、前記測温抵抗体投影領域における前記発熱抵抗体投影領域の側の端部と前記発熱抵抗体投影領域における前記測温抵抗体投影領域の側の端部との間に、配置されていることを特徴とする熱式空気流量計。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱式空気流量計において、
    前記発熱抵抗体が300℃以上に加熱され、前記凸状構造が耐熱性を有する材料で構成されていることを特徴とする熱式空気流量計。
  6. 請求項3に記載の熱式空気流量計において、
    前記凸状構造を複数個の点在する突起部で構成したことを特徴とする熱式空気流量計。
  7. 請求項3に記載の熱式空気流量計において、
    前記発熱抵抗体投影領域と前記発熱抵抗体投影領域の前記一方の側方に配置される凸状構造との間隔に対して、前記発熱抵抗体投影領域と前記発熱抵抗体投影領域の他方の側方に配置される前記凸状構造との間隔の方が大きいことを特徴とする熱式空気流量計。
  8. 請求項1に記載の熱式空気流量計において、
    空気流量を測定するための副通路内の計測用流路面に空気の流れ方向と平行に溝構造を付与したことを特徴とする熱式空気流量計。
  9. 請求項1に記載の熱式空気流量計において、
    空気流量を測定するための副通路内の計測用流路面に空気の流れ方向と垂直に溝構造を付与したことを特徴とする熱式空気流量計。
  10. 請求項1に記載の熱式空気流量計において、
    前記凸状構造を空気の流れ方向と平行に形成したことを特徴とする熱式空気流量計。
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