JP2014173932A - アンテナ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】演算部14において推定された到来波1の周波数および到来方向に応じて、インピーダンス可変回路3のインピーダンス値を制御する制御部21を備えた。
よって、制御部21による制御を、アンテナ2において、到来波1の到来方向のRCSが最小となるようにインピーダンス可変回路3のインピーダンス値を制御することにより、到来波1の到来方向のRCSを低減するアンテナ装置を得ることができる。
【選択図】図1
Description
RCSとは、電波に対し、どれだけのステルス性を持っているかを表す指針である。
この値が小さければ小さいほど、レーダに探知される距離が短くなる。
従って、モノスタティックレーダに対するRCSの低減、即ち、到来波の方向への散乱波を低減することが最優先課題である。
このことを筆者らが実際に実験して確かめた例を図4に示す。
図4は、アレーアンテナの終端インピーダンスをZ=Z1とした場合と、Z=Z2にした場合の、RCSパターン測定結果の比較を示している。
横軸は到来波の到来方向および散乱波の散乱方向であり、縦軸はRCSである。
図4の結果からわかるように、アンテナの終端インピーダンスが変化することによって、RCSパターンが大幅に変化し、RCSが増大する角度範囲とRCSが低下する角度範囲があることがわかる。
つまり、RCSを最小にするための終端条件最適値は、方向によって異なることを意味している。
図5では、時間的に、送信モード、受信モード、および待機モード(送信/受信を行わないモード)の3つのモードに時分割し、各モードに応じて終端条件(可変インピーダンス部のインピーダンス特性)を切換え、アンテナのRCS特性を制御している。
この場合、待機モードではRCSが低くなるように、可変インピーダンス部のインピーダンス特性を設定し、送信および受信モードでは可変インピーダンス部における通過損失が零となるように、インピーダンス特性を設定すれば、送受信性能を損なわずに、待機モードにおいて、低RCS化を図ることが可能となる。
しかしながら、送信および受信モードにおいては、低RCS化を達成することができない。
さらに、前述したように、RCSを最小にするための終端条件の最適値は、方向に依存するが、図5に示した方法では、到来波の到来方向がわからないため、到来方向のRCSを低減することができない。
よって、到来波の到来方向のRCSを低減するアンテナ装置を得ることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態1について説明する。
図1は本発明の実施の形態1によるアンテナ装置を示すブロック構成図である。
図1において、1は到来波、2はアンテナ、3はインピーダンス可変回路、4は送信および/あるいは受信を行う送/受信機である。
14はデジタル受信信号をデジタル信号処理して、到来波1の周波数および到来方向を推定する演算部である。
21は推定された到来波の周波数および到来方向に応じて、インピーダンス可変回路3のインピーダンス値を制御する制御部である。
31は到来波1の周波数に応じた伝達信号、32は到来波1の到来方向に応じた伝達信号、33はインピーダンス値を制御する制御信号である。
41はすべてのコンポーネントが設置される構造物である。
到来波1を受信したアレーアンテナ11は、伝送線路を介して、受信信号を受信機12に伝達する。
そして、受信信号は、受信機12からA/D変換器13に伝達される。
A/D変換器13は、受信信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する。
デジタル信号に変換された受信信号は、演算部14に入力される。
また、演算部14は、所定のアルゴリズムに従ってデジタル受信信号を処理し、到来波1の到来方向を推定する。
到来方向を推定するアルゴリズムには、例えば、前記非特許文献1で提案されているMUSIC法や、前記非特許文献2で提案されているESPRIT法などを用いることができる。
演算部14で推定された到来波1の周波数と到来方向は、伝達信号31,32により制御部21に伝達される。
図1では、データベースを、仰角(θ)方向をθ1〜θ3の3つの範囲に分割し、方位角(φ)方向をφ1〜φ3の3つの範囲に分割した場合の、N(1,2,・・・,N)個の周波数帯(Band)における設定値を示している。
A〜Iは制御信号の種類、例えば、制御電圧値を表す。
これにより、インピーダンス可変回路3のインピーダンス値は、到来方向のRCSが最小となる値に切り替わる。
図2(a)のものは、インピーダンス可変回路素子Zを3つ用いたπ型のインピーダンス可変回路である。
インピーダンス可変回路素子Zとしては、可変インダクタや可変容量ダイオード(バラクタ)などを用いることができる。
本構成とすることにより、インピーダンス可変回路3のインピーダンス値を自在に制御することが可能となるため、アンテナ2からの再放射波の振幅と位相を自在に制御することができ、その結果、到来方向への散乱波を最小にすることが可能となる。
また、効果を奏する周波数範囲も限定される場合がある。
これを改善する他のインピーダンス可変回路3の構成としては、例えば、図2(c)に示す構成が考えられる。
本構成は、途中に移相器P/Sn(1,2,・・・,n)が挿入された特性インピーダンスが各々相違する複数の伝送線路Znと、複数の伝送線路Znの両端に設けられ、複数の伝送線路Znのうちのいずれかの伝送線路Znを切換選択するスイッチSPnTとで構成される。
本構成とすることにより、適用可能なインピーダンス範囲や周波数範囲を広げることが可能となる。
また、到来波の到来方向が時間的に変化しても、それに追従して、常に到来方向へのRCSを最小に保つことが可能となる。
なお、図1においては、アンテナ2は、1素子から成るものとして例示しているが、複数の素子から成るアレーアンテナであっても、同様の効果が得られる。
よって、制御部21による制御を、アンテナ2において、到来波1の到来方向のRCSが最小となるようにインピーダンス可変回路3のインピーダンス値を制御することにより、到来波1の到来方向のRCSを低減するアンテナ装置を得ることができる。
よって、インピーダンス可変回路3のインピーダンス値を自在に制御することが可能となるため、アンテナ2からの再放射波の振幅と位相を自在に制御することができ、その結果、到来方向への散乱波を最小にすることができる。
よって、インピーダンス可変回路3のインピーダンス値を自在に制御することが可能となるため、アンテナ2からの再放射波の振幅と位相を自在に制御することができ、その結果、到来方向への散乱波を最小にすることができる。
よって、適用可能なインピーダンス範囲や周波数範囲を広げることができる。
図3は本発明の実施の形態2によるアンテナ装置を示すブロック構成図であり、前述と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。
図3において、51a〜51nはそれぞれ、アレーアンテナ11を構成するn個のアンテナ素子と受信機12とを接続するn本の伝送線路に挿入されたn個のインピーダンス可変回路である。
22は演算部14において推定された到来波の周波数および到来方向に応じて、インピーダンス可変回路3のインピーダンス値に加え、インピーダンス可変回路51a〜51nのインピーダンス値を制御する制御部である。
34は制御部22からインピーダンス可変回路51a〜51nに印加する制御信号である。
前述した実施の形態1では、到来電波方向に対するアンテナ2のRCSを最小にすることができるが、到来方向を検知するためのアレーアンテナ11のRCSを低減することはできない。
そこで、アンテナ2と同様の対策をアレーアンテナ11にも講じる。
そして、演算部14で推定された到来波1の周波数の伝達信号31と到来方向の伝達信号32に対応する制御信号34をインピーダンス可変回路51a〜51nに印加する。
こうすることにより、アレーアンテナ11のRCSもまた、到来方向に対して最小となるように制御することが可能となる。
よって、制御部22による制御を、アンテナ2およびアレーアンテナ11において、到来波1の到来方向のRCSが最小となるようにインピーダンス可変回路3およびインピーダンス可変回路51a〜51nのインピーダンス値を制御することにより、アンテナ2およびアレーアンテナ11における到来波1の到来方向のRCSを低減するアンテナ装置を得ることができる。
前記実施の形態1および前記実施の形態2では、到来波1の到来方向が一方向の場合であった。
到来波1が複数の方向から到来する場合には、複数の到来方向に対して平均的にRCSを低減するようなインピーダンス値を制御部21,22のメモリに記憶させておけばよい。
こうすることにより、複数の到来方向に対しても、RCSを低減することが可能となる。
よって、到来波1が複数の方向から到来する場合にも、複数の到来方向に対してRCSを低減することができる。
前記実施の形態3では、多くの到来波方向に対応する場合、制御部21,22のメモリに記憶させておくインピーダンス値のメモリ容量が膨大となる課題がある。
また、到来波方向の組合せは無限にある。
従って、事実上、いくつかの限られた到来波方向に対してしかRCSを低減できない。
こうすることにより、複数の到来波方向に対して時間平均的にRCSを低減することが可能となる。
よって、到来波1が複数の方向から到来する場合にも、複数の到来方向に対してRCSを低減することができる。
Claims (9)
- アンテナに接続された第1のインピーダンス可変回路と、
前記第1のインピーダンス可変回路に接続され、送信および/または受信を行う送/受信機と、
アレーアンテナを通じて到来波の受信を行う受信機と、
前記受信機によるアナログ受信信号をデジタル受信信号に変換するアナログ/デジタル変換器と、
前記デジタル受信信号に応じて、到来波の周波数および到来方向を推定する演算部と、
前記推定された到来波の周波数および到来方向に応じて、前記第1のインピーダンス可変回路のインピーダンス値を制御する制御部とを備えたアンテナ装置。 - 前記アレーアンテナに各々接続された第2のインピーダンス可変回路を備え、
前記受信機は、
前記第2のインピーダンス可変回路に接続され、到来波の受信を行い、
前記制御部は、
前記推定された到来波の周波数および到来方向に応じて、前記第1のインピーダンス可変回路のインピーダンス値の制御に加え、前記第2のインピーダンス可変回路のインピーダンス値を制御することを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。 - 前記制御部は、
前記アンテナにおいて、到来波の到来方向のRCSが最小となるように前記第1のインピーダンス可変回路のインピーダンス値を制御することを特徴とする請求項1または請求項2記載のアンテナ装置。 - 前記制御部は、
前記アレーアンテナにおいて、到来波の到来方向のRCSが最小となるように前記第2のインピーダンス可変回路のインピーダンス値を制御することを特徴とする請求項2記載のアンテナ装置。 - 前記制御部は、
到来波が複数の方向から到来する場合に、前記アンテナにおいて、複数の到来方向に対して平均的にRCSが低減されるように前記第1のインピーダンス可変回路のインピーダンス値を制御することを特徴とする請求項1または請求項2記載のアンテナ装置。 - 前記制御部は、
到来波が複数の方向から到来する場合に、前記アンテナにおいて、各々の到来波の到来方向のRCSが低減されるように前記第1のインピーダンス可変回路のインピーダンス値を時間的に切換え制御することを特徴とする請求項1または請求項2記載のアンテナ装置。 - 前記第1のインピーダンス可変回路は、
3つのインピーダンス可変回路素子がπ型に接続されたπ型回路であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のアンテナ装置。 - 前記第1のインピーダンス可変回路は、
3つのインピーダンス可変回路素子がT型に接続されたT型回路であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のアンテナ装置。 - 前記第1のインピーダンス可変回路は、
途中に移相器が挿入された特性インピーダンスが各々相違する複数の伝送線路と、
前記複数の伝送線路の両端に設けられ、複数の伝送線路のうちのいずれかの伝送線路を切換選択するスイッチとを備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のアンテナ装置。
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