JP7519817B2 - 到来方向推定装置、到来方向推定方法及び到来方向推定プログラム - Google Patents
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Description
DBF法は、多数の到来波に対しても対応可能であるが、角度精度(到来方向の推定精度)があまり良くない。一方、MUSIC法は、DBF法よりも角度精度は高いものの、アンテナ数以上の物標(すなわち到来波)がある場合に計算できなくなる。
到来波を受信する複数のアンテナと、
前記到来波の到来方向の範囲を設定する方向範囲設定手段と、
前記方向範囲設定手段が設定した前記到来方向の範囲内に対して、アンテナ間相関から固有値を算出する第2のアルゴリズムに基づいて前記到来方向の算出を行う到来方向推定手段と、
を備え、
前記方向範囲設定手段は、複素BPFにより、前方の-90°から+90°まで所定角度範囲ずつ前記到来波を順次限定し、
前記到来方向推定手段は、前記方向範囲設定手段により前記到来波を限定された前記所定角度範囲に対して、前記第2のアルゴリズムに基づく前記到来方向の算出を順次行う。
図1は、本実施形態に係る到来方向推定装置1の概略構成を示すブロック図である。
この図に示すように、本実施形態に係る到来方向推定装置1は、ミリ波センサ(ミリ波レーダー)に適用されるものであり、送信アンテナ10、シンセサイザ11、受信アンテナ20、受信機21、AD変換器22、到来方向推定用プロセッサ30を備える。なお、到来方向推定装置1は、各部を統合的に制御する制御手段を備えていてもよい。
受信アンテナ20は、送信アンテナ10から送信されて前方の物体(物標)で反射された電波を受信する。この受信信号は、当該受信アンテナ20と対応する受信機21で復調され、AD変換器22でデジタル信号に変換される。なお、受信アンテナ20のアンテナ形状等は特に限定されない。また、受信信号をデジタル信号に変換する前に、当該信号の増幅、周波数変換、周波数帯域制限等を行ってもよい。
到来方向推定用プロセッサ30は、物標までの距離や到来方向を推定するための機能部として、距離分解計算部31と、DBF角度分解計算部32と、複素BPF係数設定部33と、複素BPF部34と、MUSIC角度分解計算部35とを備える。これら各機能部の動作については後述する。
続いて、到来波の到来方向を推定する到来方向推定処理を実行する際の到来方向推定装置1の動作について説明する。
到来方向推定処理が実行されると、到来方向推定用プロセッサ30は、複数(N個)の受信アンテナ20及び受信機21で受信されて各AD変換器22でデジタル変換された受信信号から到来波の到来方向を算出する。
そして、MUSIC角度分解計算部35が、MUSIC(Multiple signal classification)法に基づく角度計算を行う。MUSIC法は、本発明に係る第2のアルゴリズムの一例である。これにより、到来方向が算出される。
MUSIC法は、アンテナ間相関から固有値を算出する手法であり、DBF法よりも到来波の検出精度が高い。本実施形態では、複素BPFをかけた距離データに対してMUSIC法を適用することにより、物標が受信アンテナ数20以上(前方180°の範囲の到来波の数がN個以上)であることによる計算の破綻を抑制しつつMUSIC法によって好適に到来方向を求めている。
図2及び図3は、到来方向推定処理の一例を説明するための図であり、図4は、到来方向推定処理の他の例を説明するための図である。
このとき、広い角度範囲(例えば前方180°の方位角範囲)に対して(つまり、複数のAD変換器22からの出力信号に対して)単純にMUSIC法を適用した場合、物標Bの数量が受信アンテナ20の数以上であると、好適に計算を実行できない。つまり、MUSIC法は、角度精度(到来方向の推定精度)は良いものの、原理的にアンテナ間相関から固有値を算出する手法のために、受信アンテナ20の数以上の物標Bが存在する場合には解を得られない。
他方、DBF法は、同距離の位置に多数の物標Bが存在しても処理可能ではあるものの、MUSIC法よりも角度精度が悪い。
そして、図3(b)に示すように、複素BPFにより到来波を角度範囲αに限定したうえで、MUSIC法を適用することによって、計算の破綻を抑制しつつ到来波の到来方向を精度よく求めている。
すなわち、まずDBF法を適用し、検知したい(存在確率の高い)物標Bの凡その方向範囲を予め設定し、複素BPFで到来波をその方向範囲内に限定することによって、その後に適用するMUSIC法での計算の破綻を抑制している。
なお、到来波の方向範囲を限定しても、物標Bが受信アンテナ20数以上の場合には、MUSIC法適用時に計算が破綻し得る。その場合は、MUSIC法が好適に適用できるまで、上記と同様の手順によりさらに方向範囲を絞ればよい。
また、複素BPFによる方向範囲の限定を-90°から+90°まで所定角度ずつ(例えば45°ずつ)順次限定しつつ、この限定された方向範囲についてMUSIC法による到来方向の算出を順次行うことで、前方180°の範囲の到来方向推定を行ってもよい。
以上のように、本実施形態によれば、DBF法に基づいて、複数の受信アンテナ20の受信信号から到来波の到来方向の範囲が算出され、算出された到来方向の範囲内に対して、MUSIC法に基づいて到来方向の算出が行われる。
これにより、受信アンテナ20数以上の物標Bからの到来波による計算の破綻を抑制しつつ、MUSIC法により到来方向を算出することができる。したがって、到来波が複数の場合でも、到来波の到来方向推定を高精度に行うことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態やその変形例に限られない。
例えば、上記実施形態では、本発明に係る第1のアルゴリズムの一例としてDBF法を挙げて説明した。しかし、本発明に係る第1のアルゴリズムは、フーリエ変換と等価な処理を用いて複数の受信アンテナの信号から到来波の到来方向を算出するものであればよく、例えばビームフォーマー(Beamformer)法などであってもよい。
その他、実施の形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
10 送信アンテナ
20 受信アンテナ
30 到来方向推定用プロセッサ
31 距離分解計算部
32 DBF角度分解計算部
33 複素BPF係数設定部
34 複素BPF部
35 MUSIC角度分解計算部
B 物標
α 角度範囲
Claims (4)
- 到来波を受信する複数のアンテナと、
前記到来波の到来方向の範囲を設定する方向範囲設定手段と、
前記方向範囲設定手段が設定した前記到来方向の範囲内に対して、アンテナ間相関から固有値を算出する第2のアルゴリズムに基づいて前記到来方向の算出を行う到来方向推定手段と、
を備え、
前記方向範囲設定手段は、複素BPFにより、前方の-90°から+90°まで所定角度範囲ずつ前記到来波を順次限定し、
前記到来方向推定手段は、前記方向範囲設定手段により前記到来波を限定された前記所定角度範囲に対して、前記第2のアルゴリズムに基づく前記到来方向の算出を順次行う、
到来方向推定装置。 - 前記第2のアルゴリズムはMUSIC法又はESPRIT法である、
請求項1に記載の到来方向推定装置。 - 複数のアンテナで受信する到来波の到来方向を推定する到来方向推定方法であって、
制御手段が、
前記到来波の到来方向の範囲を設定する方向範囲設定工程と、
前記方向範囲設定工程で設定された前記到来方向の範囲内に対して、アンテナ間相関から固有値を算出する第2のアルゴリズムに基づいて前記到来方向の算出を行う到来方向推定工程と、
を実行し、
前記方向範囲設定工程では、複素BPFにより、前方の-90°から+90°まで所定角度範囲ずつ前記到来波を順次限定し、
前記到来方向推定工程では、前記方向範囲設定工程により前記到来波を限定された前記所定角度範囲に対して、前記第2のアルゴリズムに基づく前記到来方向の算出を順次行う、
到来方向推定方法。 - 複数のアンテナで受信する到来波の到来方向を推定する到来方向推定プログラムであって、
コンピュータを、
前記到来波の到来方向の範囲を設定する方向範囲設定手段、
前記方向範囲設定手段が設定した前記到来方向の範囲内に対して、アンテナ間相関から固有値を算出する第2のアルゴリズムに基づいて前記到来方向の算出を行う到来方向推定手段、
として機能させ、
前記方向範囲設定手段は、複素BPFにより、前方の-90°から+90°まで所定角度範囲ずつ前記到来波を順次限定し、
前記到来方向推定手段は、前記方向範囲設定手段により前記到来波を限定された前記所定角度範囲に対して、前記第2のアルゴリズムに基づく前記到来方向の算出を順次行う、
到来方向推定プログラム。
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JP2009162689A (ja) | 2008-01-09 | 2009-07-23 | Honda Elesys Co Ltd | 電子走査型レーダ装置、受信波方向推定方法及び受信波方向推定プログラム |
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