JP5992129B2 - キャリブレーション装置 - Google Patents
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Description
以下の非特許文献1に開示されているキャリブレーション装置では、各アンテナと受信部の間からキャリブレーション用の信号を注入して、各受信部から出力されたキャリブレーション用の信号を抽出し、それらのキャリブレーション用の信号を比較することで、各アンテナの振幅誤差と位相誤差を推定するキャリブレーション方法を用いている。
しかし、このキャリブレーション方法では、アンテナ本体が有する誤差を排除することができない。また、各アンテナの振幅誤差や位相誤差は経年変化するため、定期的にキャリブレーション用の信号を注入して比較する仕組みが必要になる。
しかし、このキャリブレーション方法では、到来方向が既知である放射源を複数用意する必要がある。また、各アンテナの振幅誤差や位相誤差の経年変化に対処するには、定期的に上記の推定処理を繰り返し実施する必要がある。
この手法では、各アンテナの振幅誤差や位相誤差が角度依存性を持たないという前提の下で、アレー素子数×アレー素子数の次元で表されるアレー誤差行列が受信信号に乗算されているモデルを生成し、そのアレー誤差行列を推定することでキャブレーションを実施している。
しかし、この手法では、アレー誤差行列が対角行列であるという仮定をおいており、実際には、センサ周辺の複雑な反射環境下では、上記の仮定が成立しないことが非特許文献1で述べられている。
また、各アンテナの振幅誤差や位相誤差の経年変化に対処するには、未知の放射源から放射される信号の到来方向を推定する処理とは別個に、上記の誤差の推定処理を定期的に繰り返す必要がある課題があった。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるキャリブレーション装置を示す構成図である。
図1において、放射源1は到来方向θが未知の信号を放射している信号源、あるいは、他の放射源から放射された信号を反射している反射体である。
受信アンテナ2−1〜2−Mはアレーアンテナを構成している素子アンテナであり、到来方向θが未知の信号を受信する。
受信部3−1〜3−Mは受信アンテナ2−1〜2−Mの受信信号であるRF信号に対して、各種の信号処理(例えば、信号の増幅処理、帯域通過フィルタ処理、周波数変換処理、A/D変換処理など)を実施することで、デジタル信号であるベースバンド複素信号を得て、そのベースバンド複素信号をフーリエ変換部4−1〜4−Mに出力する受信機である。
なお、受信部3−1〜3−Mにより得られたデジタル信号がIF実信号である場合、そのIF実信号に対するヒルベルト変換やデジタル直交検波を実施することで、ベースバンド複素信号を得る構成にしてもよい。
なお、受信部3−1〜3−M及びフーリエ変換部4−1〜4−Mから信号変換手段が構成されている。
ここでは、ベースバンド複素信号をFFTしているが、ベースバンド複素信号を周波数領域信号に変換する処理であれば、FFTに限るものではなく、例えば、ベースバンド複素信号をDFT(Discrete Fourier Transform:離散フーリエ変換)するようにしてもよい。
ここでは、いずれか1つの受信アンテナ2に係る周波数領域信号を参照信号に設定しているが、放射源1から放射される信号の周波数スペクトルを事前に取得している場合には、その周波数スペクトルを参照信号に設定するようにしてもよい。
到来方向推定部8は広帯域ビーム形成部7により形成されたビームパターンのピークを検出することで、放射源1から放射された信号の到来方向θを推定する処理を実施する。
なお、広帯域ビーム形成部7及び到来方向推定部8から到来方向推定手段が構成されている。
例えば、受信アンテナ2−1〜2−Mと受信部3−1〜3−Mを除く構成要素をコンピュータで構成する場合、フーリエ変換部4−1〜4−M、参照信号正規化部5−1〜5−M、基準周波数正規化部6−1〜6−M、広帯域ビーム形成部7、到来方向推定部8及び振幅・位相誤差推定部9の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
アレーアンテナを構成している受信アンテナ2−1〜2−Mは、放射源1から放射された到来方向θが未知の信号を受信する。
受信部3−1〜3−Mは、受信アンテナ2−1〜2−Mの受信信号であるRF信号に対して、各種の信号処理(例えば、信号の増幅処理、帯域通過フィルタ処理、周波数変換処理、A/D変換処理など)を実施することで、デジタル信号であるベースバンド複素信号を得て、そのベースバンド複素信号をフーリエ変換部4−1〜4−Mに出力する。
参照信号正規化部5−1〜5−Mは、フーリエ変換部4−1〜4−Mから周波数領域信号を受けると、放射源1の周波数スペクトルの影響を除去するため、フーリエ変換部4−1〜4−Mにより変換されたM個の周波数領域信号のうち、いずれか1つの受信アンテナ2に係る周波数領域信号を参照信号に設定し、その参照信号でフーリエ変換部4−1〜4−Mにより変換された周波数領域信号を除算することで、その周波数領域信号を正規化する。
ここでは、いずれか1つの受信アンテナ2に係る周波数領域信号を参照信号に設定しているが、放射源1から放射される信号の周波数スペクトルを事前に取得している場合には、その周波数スペクトルを参照信号に設定し、その参照信号でフーリエ変換部4−1〜4−Mにより変換された周波数領域信号を除算することで、その周波数領域信号を正規化するようにしてもよい。
式(1)において、m(m=1,2,・・・,M)は受信アンテナ2の素子番号であり、k(k=−K/2,・・・,0,・・・,K/2−1)は周波数のインデックス番号である。
また、γm(f)は周波数fにおけるm番目の受信アンテナ2−mの複素振幅であり、受信アンテナ2−mの振幅誤差と位相誤差を意味する。
fcは放射源1から放射された信号の中心周波数、dは受信アンテナ2−1〜2−Mの素子間隔、cは光速、θは放射源1から放射された信号の到来方向、n[m,k]は周波数インデックスkにおけるm番目の受信アンテナ2−mの受信信号に含まれている受信機雑音である。
ここでは説明の簡略化のために、受信アンテナ2−1〜2−Mの素子間隔dが等間隔であって、受信アンテナ2−1〜2−Mが直線上に並んでいることを想定しているが、受信アンテナ2−1〜2−Mの素子間隔が不等間隔であってもよいし、受信アンテナ2−1〜2−Mが2次元に配置されているものであってもよい。
ここで、周波数領域信号x[m,k]の帯域内において、複素振幅γm(f)が一定であるとすれば、上記の式(1)は、下記の式(2)のように表される。
式(3)において、xチルダ[m,k]は、基準周波数正規化部6−1〜6−Mによる正規化後の周波数領域信号を表している。
なお、明細書の文書中では、電子出願の関係上、文字の上に“〜”の記号を付することができないので、xチルダのように表記している。
以下、式(3)の右辺第一項を「正規化ステアリングベクトル」と称する。式(3)では、受信アンテナ2−1〜2−Mの複素振幅と位相誤差の影響が除去されており、未知パラメータは放射源1から放射されている信号の到来方向θだけとなっている。
即ち、広帯域ビーム形成部7は、下記の式(4)に示すように、正規化ステアリングベクトル(式(3)の右辺第一項)を利用し、到来方向θを変化させることで広帯域のビームパターンを形成する。
式(4)において、P(θチルダ)は広帯域のビームパターン、vec(・)は(・)内の行列を列方向に並べ替えてベクトル化する操作を意味する。
また、aチルダm,k(θ)は正規化ステアリングベクトル、Hは複素共役転置を意味する。
到来方向推定部8は、ビームパターンP(θチルダ)のピークを検出すると、そのピークに対応する方向を特定し、そのピークに対応する方向を放射源1から放射された信号の到来方向θとして振幅・位相誤差推定部9に出力する。
なお、複素振幅γm(f)の推定には、例えば、最小二乗法等が適用される。複素振幅γm(f)の絶対値から振幅誤差を推定することができ、また、複素振幅γm(f)の位相から位相誤差を推定することができる。
上記実施の形態1では、受信アンテナ2−1〜2−Mの受信信号の帯域内で、受信アンテナ2−1〜2−Mの振幅誤差と位相誤差が一定であるものについて説明しているが、その受信信号の帯域内で、受信アンテナ2−1〜2−Mの振幅誤差と位相誤差が一定でない場合もある。
この実施の形態2では、受信アンテナ2−1〜2−Mの受信信号の帯域内で、受信アンテナ2−1〜2−Mの振幅誤差と位相誤差が一定でない場合でも、受信アンテナ2−1〜2−Mの振幅誤差と位相誤差を高精度に推定することができるキャリブレーション装置について説明する。
帯域分割部11−1〜11−Mは例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、参照信号正規化部5−1〜5−Mにより正規化された周波数領域信号x[m,k]を複数の帯域に分割する処理を実施する。なお、帯域分割部11−1〜11−Mは帯域分割手段を構成している。
基準周波数正規化部12−1〜12−Mは例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、帯域分割部11−1〜11−Mにより分割された帯域毎に、当該帯域内の周波数領域信号に含まれている基準となる周波数の信号を用いて、当該帯域内の周波数領域信号を正規化する処理を実施する。なお、基準周波数正規化部12−1〜12−Mは基準周波数正規化手段を構成している。
帯域分割部11−1〜11−Mは、上記実施の形態1と同様にして、参照信号正規化部5−1〜5−Mがフーリエ変換部4−1〜4−Mにより変換された周波数領域信号を正規化して、正規化後の周波数領域信号x[m,k]を出力すると、その周波数領域信号x[m,k]を複数の帯域に分割する。
周波数領域信号x[m,k]を分割する帯域の幅は、実際のシステム毎に異なり、受信アンテナ2−1〜2−M及び受信部3−1〜3−Mにおける振幅誤差及び位相誤差の周波数特性によって決定される。分割する帯域の幅は、事前のシミュレーション計算で求める方法のほか、実際にアナログ信号を注入して計測する方法などが考えられる。
基準周波数正規化部12−1〜12−Mは、基準となる周波数を決定すると、帯域分割部11−1〜11−Mにより分割された帯域毎に、その決定した基準となる周波数の信号で、当該分割帯域内の周波数領域信号を除算することで、当該分割帯域内の周波数領域信号を正規化する。
広帯域ビーム形成部7は、基準周波数正規化部6−1〜6−Mにより正規化された各分割帯域の周波数領域信号を用いて、広帯域のビームパターンを形成する。
以降の処理内容は、上記実施の形態1と同様であるため詳細な説明を省略する。
上記実施の形態1,2では、受信部3−1〜3−Mが受信アンテナ2−1〜2−Mの受信信号からベースバンド複素信号を得て、フーリエ変換部4−1〜4−Mがベースバンド複素信号をFFTすることで、そのベースバンド複素信号を周波数領域信号に変換しているが、その受信信号のSNR(信号対雑音電力比)が低い場合には、その周波数領域信号を高精度に求めることができない。
また、参照信号正規化部5−1〜5−Mが周波数領域信号を正規化する際、放射源1から放射された信号の周波数スペクトル内に、0に近い成分が含まれる場合には雑音成分が増幅されることがある。
そこで、この実施の形態2では、受信アンテナ2−1〜2−Mの受信信号のSNRを高めて、周波数領域信号を高精度に求めることができるキャリブレーション装置について説明する。
相互相関算出部13−1〜13−Mは例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、受信部3−1〜3−Mから出力されたベースバンド複素信号のうち、いずれか1つの受信アンテナ2に係るベースバンド複素信号を基準信号に設定して、受信部3−1〜3−Mから出力されたベースバンド複素信号と前記基準信号の相互相関を算出し、その相互相関結果を用いて、受信部3−1〜3−Mから出力されたベースバンド複素信号のSNRを高めるSNR改善処理を実施し、SNR改善処理後のベースバンド複素信号をフーリエ変換部4−1〜4−Mに出力する処理を実施する。なお、相互相関算出部13−1〜13−Mは相互相関算出手段を構成している。
ここでは、いずれか1つの受信アンテナ2に係るベースバンド複素信号を基準信号に設定しているが、放射源1から放射される信号のベースバンド複素信号を事前に取得している場合には、そのベースバンド複素信号を基準信号に設定するようにしてもよい。
相互相関算出部13−1〜13−Mは、上記実施の形態1と同様にして、受信部3−1〜3−Mがベースバンド複素信号を出力すると、いずれか1つの受信アンテナ2に係るベースバンド複素信号を基準信号に設定し、受信部3−1〜3−Mから出力されたベースバンド複素信号と前記基準信号の相互相関を算出する。
この相互相関は、時間領域における畳み込み演算で計算してもよいが、演算量の低減のために、周波数領域における乗算として計算するようにしてもよい。
ここでは、いずれか1つの受信アンテナ2に係るベースバンド複素信号を基準信号に設定しているが、放射源1から放射される信号のベースバンド複素信号を事前に取得している場合には、そのベースバンド複素信号を基準信号に設定するようにしてもよい。
相互相関算出部13−1〜13−Mは、相互相関値の絶対値のピークを検出すると、ベースバンド複素信号におけるピーク周辺の信号(高SNRの信号)をフーリエ変換部4−1〜4−Mに出力する。
なお、ピーク周辺を抽出した後に0詰めを行って周波数ポイント数を増加させる構成としてもよい。
また、フーリエ変換部4−1〜4−Mにより変換される周波数領域信号を平滑化することができるため、参照信号正規化部5−1〜5−Mが周波数領域信号を正規化する際に生じる雑音の増幅を抑圧することができる効果を奏する。
上記実施の形態1〜3では、1つの放射源1から放射された到来方向θが未知の信号を受信して、その到来方向θと受信アンテナ2−1〜2−Mの振幅誤差及び位相誤差を推定するものを示したが、複数の放射源1から放射された信号の到来方向θを推定するとともに、各信号の到来方向θ毎に、受信アンテナ2−1〜2−Mの振幅誤差及び位相誤差を推定するようにしてもよい。
アレー誤差行列推定部14は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、到来方向推定部8により推定された複数の未知信号の到来方向θと、参照信号正規化部5−1〜5−Mにより正規化された周波数領域信号x[m,k]とを用いて、受信アンテナ2−1〜2−Mの本数M×到来方向推定部8により推定された到来方向の数Mチルダの次元を有するアレー誤差行列Cを算出し、各信号の到来方向θ毎に、そのアレー誤差行列Cから受信アンテナ2−1〜2−Mの振幅誤差及び位相誤差を推定する処理を実施する。なお、アレー誤差行列推定部14は振幅位相誤差推定手段を構成している。
到来方向推定部8は、上記実施の形態1と同様の方法で、未知信号の到来方向θを推定するが、この実施の形態4では、Mチルダ個の未知信号の到来方向θを推定できているものとする。
アレー誤差行列推定部14は、到来方向推定部8がMチルダ個の未知信号の到来方向θを推定すると、Mチルダ個の未知信号の到来方向θと、参照信号正規化部5−1〜5−Mにより正規化された周波数領域信号x[m,k]とを用いて、M×Mチルダの次元を有するアレー誤差行列Cを算出する。
アレー誤差行列推定部14は、アレー誤差行列Cを算出すると、各信号の到来方向θ毎に、そのアレー誤差行列Cから受信アンテナ2−1〜2−Mの振幅誤差及び位相誤差を算出する。
上記実施の形態1〜3では、フーリエ変換部4−1〜4−Mがベースバンド複素信号をFFTする時間の範囲内で、到来方向θを推定する未知の信号が1波だけ入射される例を説明しているが、到来方向θを推定する未知の信号が複数波入射される場合、複数の未知の信号の到来方向θを推定するようにしてもよい。
相関行列算出部15−1〜15−Mは例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、参照信号正規化部5−1〜5−Mにより正規化された周波数領域信号x[m,k]から複数の周波数データを抽出して、複数の周波数データの相関行列Rを算出する処理を実施する。なお、相関行列算出部15−1〜15−Mは相関行列算出手段を構成している。
相関行列算出部15−1〜15−Mは、上記実施の形態1と同様に、参照信号正規化部5−1〜5−Mが周波数領域信号を正規化すると、正規化後の周波数領域信号x[m,k]から、例えばKチルダ個の周波数データを抽出する。
相関行列算出部15−1〜15−Mは、Kチルダ個の周波数データを抽出すると、それらの周波数データの相関行列を算出する。
例えば、l番目の周波数データの相関行列Rxx,m,lは、下記の式(7)のように算出することができる。
周波数方向平均後の相関行列Rxx,mは、下記の式(8)のように算出することができる。
例えば、N波の受信信号が同時に入射されている状況下では、平均後の相関行列Rxx,mの固有値の中で、値が大きい上位N個の固有値を特定して、上位N個の固有値に対応するN個の固有ベクトルを特定する。N個の固有ベクトルは、N波の受信信号に係る周波数領域信号に対応している。
固有ベクトル算出部16−1〜16−Mは、上位N個の固有値に対応するN個の固有ベクトルを特定すると、N個の固有ベクトルを参照信号正規化部5−1〜5−Mにより正規化された周波数領域信号x[m,k]として基準周波数正規化部6−1〜6−Mに出力する。
なお、固有ベクトルの特定は、受信アンテナ2毎に独立に行い、固有値が近い固有ベクトルを各受信アンテナ2の間で対応させることで、各受信アンテナ2で同じ到来方向θに関する周波数領域信号を推定することができる。
上記実施の形態1〜5では、放射源1から到来方向θが未知の信号を放射される例を示しているが、キャリブレーション装置が自ら信号を放射するレーダの形態を有していてもよい。
送信信号生成部21はレーダで一般的に用いられるベースバンド信号(例えば、線形周波数変調信号、符号変調信号、CW信号など)を生成する。
送信部22は送信信号生成部21により生成されたベースバンド信号に対して、各種の信号処理(例えば、信号の増幅処理、帯域通過フィルタ処理、周波数変換処理など)を実施することでRF信号(送信信号)を得て、そのRF信号を送信アンテナ23に出力する送信機である。なお、送信信号生成部21及び送信部22から信号生成手段が構成されている。
送信アンテナ23は送信部22から出力されたRF信号を空間に放射する。
送信信号生成部21は、レーダで一般的に用いられるベースバンド信号を生成し、そのベースバンド信号を送信部22に出力する。
また、送信信号生成部21は、そのベースバンド信号をFFTすることで、そのベースバンド信号を周波数領域の信号に変換し、その周波数領域信号を参照信号正規化部5−1〜5−Mに出力する。
参照信号正規化部5−1〜5−Mは、上記実施の形態1と同様に、フーリエ変換部4−1〜4−Mにより変換された周波数領域信号のうち、いずれか1つの受信アンテナ2に係る周波数領域信号を参照信号に設定するようにしてもよいが、送信信号生成部21から出力された周波数領域信号を参照信号に設定するようにしてもよい。
これにより、送信アンテナ23からRF信号が空間に放射される。空間に放射されたRF信号は、空間に存在している反射体に反射されたのち、受信アンテナ2−1〜2−Mで受信される。
以降の処理内容は、上記実施の形態1と同様であるため詳細な説明を省略する。
上記実施の形態1〜6では、到来方向推定部8が、広帯域ビーム形成部7により形成されたビームパターンP(θチルダ)のピークを検出することで、放射源1から放射された信号の到来方向θを推定したのち、振幅・位相誤差推定部9が、到来方向推定部8により推定された到来方向θと参照信号正規化部5−1〜5−Mにより正規化された周波数領域信号x[m,k]を用いて、受信アンテナ2−1〜2−Mの振幅誤差及び位相誤差を推定するものを示したが、放射源1から放射された信号の到来方向θと受信アンテナ2−1〜2−Mの振幅誤差及び位相誤差を同時に推定するようにしてもよい。
反復計算部31−1〜31−Mは例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、参照信号正規化部5−1〜5−Mにより正規化された周波数領域信号x[m,k]と、未知の信号の到来方向θと受信アンテナ2−1〜2−Mの位置から決まるステアリングベクトルと、そのステアリングベクトルを到来方向θで微分した微分値とを用いて、その到来方向θと一緒に受信アンテナ2−1〜2−Mの複素振幅γm(f)である振幅誤差及び位相誤差の反復計算を実施する。なお、反復計算部31−1〜31−Mは振幅位相誤差推定手段を構成している。
到来方向平均部32は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、反復計算部31−1〜31−Mにより反復計算された到来方向θの平均を求める処理を実施する。
反復計算部31−1〜31−Mは、上記実施の形態1と同様に、参照信号正規化部5−1〜5−Mがフーリエ変換部4−1〜4−Mにより変換された周波数領域信号を正規化すると、正規化後の周波数領域信号x[m,k]と、未知の信号の到来方向θと受信アンテナ2−1〜2−Mの位置から決まるステアリングベクトルと、そのステアリングベクトルを到来方向θで微分した微分値とを用いて、下記の式(9)に示すような線形方程式を生成する。
式(9)において、右辺の2行×2列の行列におけるam(θ0,f)とam(θ0,f+Δf)がステアリングベクトルであり、∂am(θ0,f)/∂θと∂am(θ0,f+Δf)/∂θがステアリングベクトルを到来方向θで微分した微分値である。
到来方向平均部32は、反復計算部31−1〜31−Mが未知の信号の到来方向θを推定すると、それらの到来方向θの平均を求める。
Claims (7)
- 到来方向が未知の信号を受信するアレーアンテナと、
前記アレーアンテナを構成している複数の素子アンテナの受信信号を周波数領域の信号に変換する信号変換手段と、
前記信号変換手段により変換された複数の周波数領域の信号のうち、いずれか1つの素子アンテナに係る周波数領域の信号又は事前に取得している前記未知の信号の周波数スペクトルを参照信号に設定し、前記参照信号を用いて、前記複数の周波数領域の信号を正規化する参照信号正規化手段と、
前記参照信号正規化手段により正規化された複数の周波数領域の信号に含まれている基準となる周波数の信号を用いて、前記参照信号正規化手段により正規化された複数の周波数領域の信号を正規化する基準周波数正規化手段と、
前記基準周波数正規化手段により正規化された複数の周波数領域の信号を用いて、前記未知の信号の到来方向を推定する到来方向推定手段と、
前記到来方向推定手段により推定された到来方向と前記参照信号正規化手段により正規化された複数の周波数領域の信号を用いて、前記複数のアンテナの振幅誤差及び位相誤差を推定する振幅位相誤差推定手段と
を備えたキャリブレーション装置。 - 前記参照信号正規化手段により正規化された複数の周波数領域の信号を複数の帯域に分割する帯域分割手段を備え、
前記基準周波数正規化手段は、前記帯域分割手段により分割された帯域毎に、当該帯域内の周波数領域の信号に含まれている基準となる周波数の信号を用いて、当該帯域内の周波数領域の信号を正規化することを特徴とする請求項1記載のキャリブレーション装置。 - 前記複数の素子アンテナの受信信号のうち、いずれか1つの受信信号又は事前に取得している前記未知の信号を基準信号に設定して、前記複数の素子アンテナの受信信号と前記基準信号の相互相関を算出し、その相互相関結果を用いて、前記受信信号の信号対雑音電力比を高めるSNR改善処理を実施し、SNR改善処理後の受信信号を前記信号変換手段に出力する相互相関算出手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のキャリブレーション装置。
- 前記到来方向推定手段は、前記アレーアンテナにより受信された到来方向が異なる複数の未知信号の到来方向を推定し、
前記振幅位相誤差推定手段は、前記到来方向推定手段により推定された複数の未知信号の到来方向と前記参照信号正規化手段により正規化された複数の周波数領域の信号を用いて、前記アレーアンテナを構成している素子アンテナの数×前記到来方向推定手段により推定された到来方向の数の次元を有するアレー誤差行列を算出し、前記アレー誤差行列から前記複数のアンテナの振幅誤差及び位相誤差を推定することを特徴とする請求項1記載のキャリブレーション装置。 - 前記参照信号正規化手段により正規化された周波数領域の信号から複数の周波数データを抽出して、前記複数の周波数データの相関行列を算出する相関行列算出手段と、
前記相関行列算出手段により算出された相関行列から、前記アレーアンテナにより受信された到来方向が異なる複数の未知信号に対応する固有ベクトルを特定し、前記固有ベクトルを前記参照信号正規化手段により正規化された周波数領域の信号として前記基準周波数正規化手段に出力する固有ベクトル特定手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載のキャリブレーション装置。 - 送信信号を生成する信号生成手段と、
前記信号生成手段により生成された送信信号を空間に放射する送信アンテナとを備え、
前記アレーアンテナは、前記送信アンテナから放射されたのち、前記空間に存在している反射体に反射された前記送信信号の反射波を受信することを特徴とする請求項1記載のキャリブレーション装置。 - 到来方向が未知の信号を受信するアレーアンテナと、
前記アレーアンテナを構成している複数の素子アンテナの受信信号を周波数領域の信号に変換する信号変換手段と、
前記信号変換手段により変換された複数の周波数領域の信号のうち、いずれか1つの素子アンテナに係る周波数領域の信号又は事前に取得している前記未知の信号の周波数スペクトルを参照信号に設定し、前記参照信号を用いて、前記複数の周波数領域の信号を正規化する参照信号正規化手段と、
前記参照信号正規化手段により正規化された複数の周波数領域の信号と、前記未知の信号の到来方向と前記複数の素子アンテナの位置から決まるステアリングベクトルと、前記ステアリングベクトルを前記到来方向で微分した微分値とを用いて、前記到来方向と一緒に前記複数のアンテナの振幅誤差及び位相誤差を反復計算する振幅位相誤差推定手段と
を備えたキャリブレーション装置。
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