JP2014003430A - 追尾アンテナ装置および送信位相補償方法 - Google Patents

追尾アンテナ装置および送信位相補償方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の送受信装置間の位相変動と経路長変動を同時に補償する。
【解決手段】基準となる送受信装置と制御対象の送受信装置からそれぞれ入力する第1の周波数変換信号を固有値展開し、制御対象の送受信装置における位相誤差を含む第1の到来方向を推定する。さらに、制御対象の送受信装置から入力する第1および第2の周波数変換信号を固有値展開し、制御対象の送受信装置における位相誤差を含まない第2の到来方向を推定する。第1の到来方向と第2の到来方向との差が小さくなる方向に制御対象の送受信装置に送出する送信IF信号(または送信RF信号)の位相を設定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、移動体衛星通信用地球局装置における追尾アンテナ装置および送信位相補償方法に関する。
衛星通信は洋上で提供される唯一のブロードバンド通信手段であることから、船上の衛星通信用地球局装置の故障に対する信頼性が求められている。これを低コストで実現する手法として、複数のアンテナを使用する追尾アンテナ装置が検討されている(非特許文献1)。ここで、追尾アンテナ装置は、各種センサ情報や通信の相手方からの受信信号から指向方向推定や指向方向誤差量を検出し、アンテナの指向方向(仰角および方位角)を機械的に制御する機能を備えている。
図5は、複数のアンテナを使用する従来の追尾アンテナ装置の構成例を示す。
図5において、追尾アンテナ装置は、N個(Nは2以上の整数)の送受信装置50−1〜50−N、位相制御装置60および変復調装置70により構成される。
図6は、従来の送受信装置50−kの構成例を示す(k=1〜N)。
図6において、送受信装置50−kは、アンテナ部51と、周波数アップコンバート器(UC)52と、周波数ダウンコンバート器(DC)53により構成される。UC52およびDC53は、周波数fLOのローカル信号LOk を出力する局部発振器と周波数変換器を備える。UC52の周波数変換器は、変復調装置70から位相制御装置60を介して入力する周波数fIFの送信IF信号TIF-kとローカル信号LOk とをミキシングし、アップコンバートした周波数fRF(=fIF+fLO)の送信RF信号TRF-kをアンテナ部51に出力する。DC53の周波数変換器は、アンテナ部51に受信した周波数fRFの受信RF信号RRF-kとローカル信号LOk とをミキシングし、ダウンコンバートした周波数fIF(=fRF−fLO)の受信IF信号RIF-kを位相制御装置60を介して変復調装置70に出力する。
このような追尾アンテナ装置では、各送受信装置50−kからの送信RF信号が衛星局に対して所定の位相(例えば同相)で送信されるように制御し、信頼性向上とともに指向方向精度の向上、EIRP(実効放射電力)およびG/T(受信性能)を向上させている。
ただし、各送信RF信号が所定の位相(例えば同相)で送信されるように制御するには、各送受信装置50−kのUC52や増幅器(図6では省略)で発生する位相変動や、衛星との間の経路長変動を補償する必要がある。前者のUC52や増幅器の位相変動補償には、送信IF信号の逓倍波または低周波数の基準信号の逓倍波を用いて、UC52から出力される送信RF信号を低い周波数のFB(フィードバック)信号に変換して位相制御装置60にフィードバックし、各送受信装置50−kで発生する位相変動を補償する方法が提案されている(非特許文献2,3)。
また、後者の経路長変動は、図7に示すように追尾アンテナ装置が船舶上などの移動・動揺環境に置かれている場合、時々刻々と衛星の方向や距離が変化することから、到来方向の推定を行い、経路長変動を補償する方法が提案されている(非特許文献4)。
また、これらの方法を実現するためには、まず各送受信装置の初期位相特性を補償する必要がある。その初期位相特性の補償方法として、素子電界ベクトル回転法(REV法:Rotating Element Electric Field Vector Method )を用いて、各送受信装置の位相を移相させ、衛星を経由した自信号の折り返しが最大となるように補償を行う方法がある(非特許文献5)。また、同期直交符号を用いて各送受信装置のアンテナから出力される送信RF信号間が直交するように制御し、受信信号を逆FFT変換するなどして振幅・位相の不均一成分を補償する方法がある(非特許文献6)。
須崎、鈴木、山下、小林、「複数アンテナを用いた船上地球局追尾アンテナの検討」、2010年電子情報通信学会ソサイエティ大会、 B-3-19 、2010 須崎、鈴木、小林、「船上地球局分散アレーアンテナの位相変動補償方法および実験的検証」、信学技報SAT2011-3、pp.11-16、May 2011 須崎、鈴木、廣瀬、杉山、「船上地球局用分散アレーアンテナの受信系位相変動補償の検討」、2012年電子情報通信学会総合大会B-3-5 須崎、鈴木、小林、「ESV用分散アレーアンテナの船上環境における経路長変動補償方法の検討」、信学技報SAT2011-9、pp.7-12 、July 2011 真野、片木、「フェイズドアレーアンテナの素子振幅位相測定法―素子電界ベクトル回転法―」、電子情報通信学会論文誌B、Vol.J65-B 、No.5、pp.555-560、1982年5月 大堂、三浦、「同期直交符号を利用した送信アレーアンテナ較正」、信学技法A・P99-121 、RCS99-118 、1999年10月
図6に示す各送受信装置50−kのUC52およびDC53が備える局部発振器は、共通の参照信号(例えば10MHz参照信号)により、同一の周波数(Ku帯では 13.05GHz)で発振している。ただし、局部発振器が出力するローカル信号の周波数fLOと参照信号との周波数差が1000倍超であるため、各局部発振器間の分周等によるわずかな位相のずれΔθk(t)が蓄積すると、時間経過とともに相対的な位相が変動する。図8は、送受信装置間に生じる送信信号の相対位相差の時間変動例を示す。図9は、送受信装置間に生じる2つの受信信号の相対位相差の時間変動例を示す。このような相対的な位相差が生じると、利得の低下、指向方向のずれといった問題が生じるので、時間経過に対して発生するこれらの位相変動を補償する必要がある。
これらの位相ずれは、各送受信装置を起動する毎に異なる値を持つため、REV法などの手段を用いて送信信号の初期位相補正を行う必要がある。しかし、REV法は、自局信号の衛星折り返し信号の受信レベルの変化を見るため、補正が受信レベルに反映するまで 250msの遅延が生じる上に、送受信装置数が増えると1つ1つの位相を調整・モニタしていくため時間がかかってしまう。また、同期直交符号を用いる場合に高精度に校正を行うには衛星方向を予め知っておく必要があり、適用しようとしているシステムには適さない。
さらに、送信系と受信系が独立に動作するので、それぞれに対してFB信号を生成する必要があり、送受信装置の構成が複雑になる問題がある。
また、図7に示すように船舶の移動・動揺などによって、各送受信装置における送受信信号の位相関係が変化する場合には、到来方向の推定を行い、経路長変動に伴う位相変動補償が必要になる。
本発明は、複数の送受信装置間の位相変動と経路長変動を同時に補償することができる追尾アンテナ装置および送信位相補償方法を提供することを目的とする。
第1の発明は、位相制御装置から複数の送受信装置に送信IF信号を入力し、各送受信装置で送信IF信号を周波数変換した送信RF信号をアンテナ部からそれぞれ所定の位相で送信する追尾アンテナ装置において、複数の送受信装置は、同一装置から同時送信された異なる周波数の第1の受信RF信号と第2の受信RF信号を受信し、送信RF信号をローカル信号として各受信RF信号を周波数変換し、第1の周波数変換信号および第2の周波数変換信号として位相制御装置に送出する構成であり、位相制御装置は、基準となる送受信装置および制御対象の送受信装置からそれぞれ入力する第1の周波数変換信号を固有値展開し、制御対象の送受信装置における第1の到来方向を推定する第1の到来方向推定手段と、制御対象の送受信装置から入力する第1の周波数変換信号および第2の周波数変換信号を固有値展開し、制御対象の送受信装置における第2の到来方向を推定する第2の到来方向推定手段と、第1の到来方向と第2の到来方向との差が小さくなる方向に、制御対象の送受信装置に送出する送信IF信号の位相を設定する送信位相設定手段とを備える。
第2の発明は、位相制御装置から複数の送受信装置に送信RF信号を入力し、各送受信装置で送信RF信号をアンテナ部からそれぞれ所定の位相で送信する追尾アンテナ装置において、複数の送受信装置は、同一装置から同時送信された異なる周波数の第1の受信RF信号と第2の受信RF信号を受信し、送信RF信号をローカル信号として各受信RF信号を周波数変換し、第1の周波数変換信号および第2の周波数変換信号として位相制御装置に送出する構成であり、位相制御装置は、送信IF信号を送信RF信号に周波数変換して各送受信装置に送出する周波数変換手段と、基準となる送受信装置および制御対象の送受信装置からそれぞれ入力する第1の周波数変換信号を固有値展開し、制御対象の送受信装置における第1の到来方向を推定する第1の到来方向推定手段と、制御対象の送受信装置から入力する第1の周波数変換信号および第2の周波数変換信号を固有値展開し、制御対象の送受信装置における第2の到来方向を推定する第2の到来方向推定手段と、第1の到来方向と第2の到来方向との差が小さくなる方向に、制御対象の送受信装置に送出する送信RF信号の位相を設定する送信位相設定手段とを備える。
第3の発明は、位相制御装置から複数の送受信装置に送信IF信号を入力し、各送受信装置で送信IF信号を周波数変換した送信RF信号をアンテナ部からそれぞれ所定の位相で送信する追尾アンテナ装置の送信位相制御方法において、複数の送受信装置は、同一装置から同時送信された異なる周波数の第1の受信RF信号と第2の受信RF信号を受信し、送信RF信号をローカル信号として各受信RF信号を周波数変換し、第1の周波数変換信号および第2の周波数変換信号として位相制御装置に送出し、位相制御装置は、基準となる送受信装置および制御対象の送受信装置からそれぞれ入力する第1の周波数変換信号を固有値展開し、制御対象の送受信装置における第1の到来方向を推定し、制御対象の送受信装置から入力する第1の周波数変換信号および第2の周波数変換信号を固有値展開し、制御対象の送受信装置における第2の到来方向を推定し、第1の到来方向と第2の到来方向との差が小さくなる方向に、制御対象の送受信装置に送出する送信IF信号の位相を設定する。
第4の発明は、位相制御装置から複数の送受信装置に送信RF信号を入力し、各送受信装置で送信RF信号をアンテナ部からそれぞれ所定の位相で送信する追尾アンテナ装置の送信位相制御方法において、複数の送受信装置は、同一装置から同時送信された異なる周波数の第1の受信RF信号と第2の受信RF信号を受信し、送信RF信号をローカル信号として各受信RF信号を周波数変換し、第1の周波数変換信号および第2の周波数変換信号として位相制御装置に送出し、位相制御装置は、送信IF信号を送信RF信号に周波数変換して各送受信装置に送出し、基準となる送受信装置および制御対象の送受信装置からそれぞれ入力する第1の周波数変換信号を固有値展開し、制御対象の送受信装置における第1の到来方向を推定し、制御対象の送受信装置から入力する第1の周波数変換信号および第2の周波数変換信号を固有値展開し、制御対象の送受信装置における第2の到来方向を推定し、第1の到来方向と第2の到来方向との差が小さくなる方向に、制御対象の送受信装置に送出する送信RF信号の位相を設定する。
本発明は、基準となる送受信装置と制御対象の送受信装置からそれぞれ入力する第1の周波数変換信号を固有値展開し、制御対象の送受信装置における位相誤差を含む第1の到来方向を推定する。さらに、制御対象の送受信装置から入力する第1および第2の周波数変換信号を固有値展開し、制御対象の送受信装置における位相誤差を含まない第2の到来方向を推定する。第1の到来方向と第2の到来方向との差が小さくなる方向に制御対象の送受信装置に送出する送信IF信号(または送信RF信号)の位相を設定することにより、制御対象の送受信装置における位相変動と同一装置との経路長変動を同時に補償することができる。
本発明の追尾アンテナ装置の実施例1の構成を示す図である。 2つのアンテナに受信される1受信信号を用いた到来方向推定のシミュレーション結果を示す図である。 1つのアンテナに受信される異なる周波数の2受信信号を用いた到来方向推定のシミュレーション結果を示す図である。 本発明の追尾アンテナ装置の実施例2の構成を示す図である。 複数のアンテナを使用する従来の追尾アンテナ装置の構成例を示す図である。 従来の送受信装置50−kの構成例を示す図である。 移動・動揺による経路長変動例を示す図である。 送受信装置間に生じる送信信号の相対位相差の時間変動例を示す図である。 送受信装置間に生じる2つの受信信号の相対位相差の時間変動例を示す図である。
図1は、本発明の追尾アンテナ装置の実施例1の構成を示す。
図1において、本実施例の追尾アンテナ装置は、送受信装置10−k(k=1〜N、Nは2以上の整数)、位相制御装置20および変復調装置(図1では省略)により構成される。
送受信装置10−kは、アンテナ部11、周波数アップコンバート器(UC)12、周波数変換器13および増幅器14,15により構成される。アンテナ部11は、衛星から異なる周波数fr1,fr2の受信RF信号Sr1,Sr2を受信し、増幅器15を介して周波数変換器13に入力する。なお、一方が通信回線、他方が制御回線などである。また、位相制御装置20を介して入力する送信IF信号は、UC12で周波数ft の送信RF信号St-k に周波数変換され、増幅器14を介してアンテナ部11から衛星に送信されるとともに周波数変換器13に入力し、当該送信RF信号St-k がローカル信号として受信RF信号Sr1-k,Sr2-kの周波数変換に用いられる。各送受信装置10−kの送信RF信号St-k には、UC12の位相変動に伴う位相誤差が含まれ、受信RF信号Sr1-k,Sr2-kにはUC12の位相変動と衛星との経路長変動に伴う位相誤差が含まれる。
位相制御装置20は、送信位相設定部21、周波数fr1,fr2を分離する波長分離フィルタを含むベースバンド変換部22、到来方向推定部23、誤差比較部24により構成される。位相制御装置20に入力する送信IF信号は、送信位相設定部21を介して各送受信装置10−kのUC12に伝送される。各送受信装置10−kから出力される受信IF信号は、位相制御装置20のベースバンド変換部23に入力し、送信IF信号を用いて送信変調成分を打ち消す処理が行われる。
(2つのアンテナに受信される1受信信号を用いた到来方向推定)
送受信装置10−1,10−kに受信する同一の受信RF信号Sr1-1(t) ,Sr1-k(t) を用いて到来方向推定値を算出する手順について説明する。
送受信装置10−kに時刻tで受信する周波数fr1の受信RF信号Sr1-k(t) は、任意の基準点からの距離をdk 、波長をλr1、到来方向角をθa としたときに、
r1-k(t) =expj[2πfr1t +(2πdkr1) sinθa(t)] …(1)
と表される。
この受信RF信号Sr1-k(t) は周波数変換器13に入力され、送信RF信号St-k(t)をローカル信号として周波数変換する。送信RF信号St-k(t)は、UC12が有する初期位相値をφuc-k(t) としたときに、
t-k(t) =expj[2πfr1t +φuc-k(t)] …(2)
となり、周波数変換後の受信IF信号Sr1c-k(t)は、Sr1c-1(t)の位相を基準として、
r1c-k(t) =expj[2π(fr1−ft)t+(2πdkr1) sinθa(t)−φuc-k(t)] …(3)
となる。
この受信IF信号Sr1c-k(t)を位相制御装置20のベースバンド変換部22に入力して生成されるベースバンド受信信号Sr1b-k(t)は、Sr1c-1(t)の位相を基準として、
r1b-k(t)=expj[(2πdkr1) sinθa(t)] expj[−φuc-k(t)] …(4)
となる。
ここで、送受信装置10−1を基準とし、d1 =0、φuc-1(t) =0とすると、送受信装置10−1の受信RF信号Sr1-1(t) から変換されたベースバンド受信信号Sr1b-1(t)は、
r1b-1(t)=expj[0] expj[0] =1 …(5)
となる。
到来方向推定部23は、送受信装置10−1,10−kの受信RF信号Sr1-1(t) ,Sr1-k(t) から得られたベースバンド受信信号Sr1b-1(t),Sr1b-k(t)を固有値展開し、MUSIC(MUltiple Signal Classification) 法や最小ノルム法などを用いて算出される到来方向推定値θpe(t) は、
θpe(t) =arc[sinθa(t)+(λr1/2πdkuc-k(t)] …(6)
となる。なお、受信IF信号Sr1c-1(t),Sr1c-k(t)を固有値展開する構成としてもよい。
図2は、2つのアンテナに受信される1受信信号を用いた到来方向推定のシミュレーション結果を示す。ここでは、表1の条件で到来方向シミュレーションを行ったスペクトラム応答例を示すが、2つのアンテナに受信される1受信信号から得られる誤差を含む到来方向が約40.2度と推定される。
Figure 2014003430
(1つのアンテナに受信される異なる周波数の2受信信号を用いた到来方向推定)
送受信装置10−kに受信する異なる周波数の受信RF信号Sr1-k(t) ,Sr2-k(t) を用いて到来方向推定値を算出する手順について説明する。
受信RF信号Sr1-k(t) に対応する受信IF信号Sr1c-k(t)は (3)式で示される。同様に、受信RF信号Sr2-k(t) に対応する受信IF信号Sr2c-k(t)は、Sr2c-1(t)の位相を基準として、
r2c-k(t) =expj[2π(fr2−ft)t+(2πdkr2) sinθa(t)−φuc-k(t)] …(7)
となる。
この受信IF信号Sr2c-k(t)を位相制御装置20のベースバンド変換部22に入力して生成されるベースバンド受信信号Sr2b-k(t)は、Sr2c-1(t)の位相を基準として、
r2b-k(t)=expj[(2πdkr2) sinθa(t)] expj[−φuc-k(t)] …(8)
となる。
到来方向推定部23は、送受信装置10−kの受信RF信号Sr1-k(t) ,Sr2-k(t) から得られた (4)式のベースバンド受信信号Sr1b-k(t)と (8)式のベースバンド受信信号Sr2b-k(t)を固有値展開して到来方向推定を行うことで、正しい到来方向θa(t)を求めることができる。なお、 (3)式の受信IF信号Sr1c-k(t)と (7)式の受信IF信号Sr2c-k(t)を固有値展開する構成としてもよい。
図3は、1つのアンテナに受信される異なる周波数の2受信信号を用いた到来方向推定のシミュレーション結果を示す。ここでは、表1の条件で到来方向シミュレーションを行ったスペクトラム応答例を示すが、1つのアンテナに受信される2受信信号から得られる到来方向が誤差成分をキャンセルし、到来方向が正確に40度と推定される。
位相制御装置20の誤差比較部24は、到来方向推定部23で得られる正しい到来方向θa(t)と誤差を含む到来方向θpe(t) を比較し、 (6)式に示す到来方向θpe(t) の第2項の誤差成分が小さくなるように、送信位相設定部21を制御して送受信装置10−kに送出する送信IF信号の位相を調整する。これにより、送受信装置10−kのUC12の位相変動と衛星との経路長変動を同時に補償することができる。
図4は、本発明の追尾アンテナ装置の実施例2の構成を示す。
図4において、本実施例の追尾アンテナ装置は、送受信装置10−k(k=1〜N、Nは2以上の整数)、位相制御装置20および変復調装置(図4では省略)により構成される。
実施例1との違いは、送受信装置10−kのUC12の機能を位相制御装置20に移動したところにある。位相制御装置20では、送受信装置10−kに対応する周波数変換器16−kを備え、共通の局部発振器17から出力されるローカル信号を用いて周波数変換した送信RF信号St-k(t)を送受信装置10−kへ送出する。送受信装置10−kは、入力する送信RF信号St-k(t)を増幅器14を介してアンテナ部11から衛星に送信するとともに周波数変換器13に入力し、当該送信RF信号St-k がローカル信号として受信RF信号Sr1,Sr2の周波数変換に用いられる。
本構成では、各送受信装置10−kに共通の局部発振器17を用いるため、実施例1のように各送受信装置10−kのUC12で生じる位相変動は回避される。しかし、位相制御装置20から各送受信装置10−kまでの経路(ケーブル)において、温度などの影響による位相変動が生じる可能性がある。したがって、経路の位相変動と、実施例1と同様に衛星との経路長変動を同時に補償することができる。
10,50 送受信装置
11,51 アンテナ部
12,52 周波数アップコンバート器(UC)
13 周波数変換器
14,15 増幅器
20,60 位相制御装置
21 送信位相設定部
22 ベースバンド変換部
23 到来方向推定部
24 誤差比較部
53 周波数ダウンコンバート器(DC)
70 変復調装置

Claims (4)

  1. 位相制御装置から複数の送受信装置に送信IF信号を入力し、各送受信装置で送信IF信号を周波数変換した送信RF信号をアンテナ部からそれぞれ所定の位相で送信する追尾アンテナ装置において、
    前記複数の送受信装置は、同一装置から同時送信された異なる周波数の第1の受信RF信号と第2の受信RF信号を受信し、前記送信RF信号をローカル信号として各受信RF信号を周波数変換し、第1の周波数変換信号および第2の周波数変換信号として前記位相制御装置に送出する構成であり、
    前記位相制御装置は、
    基準となる送受信装置および制御対象の送受信装置からそれぞれ入力する前記第1の周波数変換信号を固有値展開し、前記制御対象の送受信装置における第1の到来方向を推定する第1の到来方向推定手段と、
    前記制御対象の送受信装置から入力する前記第1の周波数変換信号および前記第2の周波数変換信号を固有値展開し、前記制御対象の送受信装置における第2の到来方向を推定する第2の到来方向推定手段と、
    前記第1の到来方向と前記第2の到来方向との差が小さくなる方向に、前記制御対象の送受信装置に送出する前記送信IF信号の位相を設定する送信位相設定手段と
    を備えたことを特徴とする追尾アンテナ装置。
  2. 位相制御装置から複数の送受信装置に送信RF信号を入力し、各送受信装置で送信RF信号をアンテナ部からそれぞれ所定の位相で送信する追尾アンテナ装置において、
    前記複数の送受信装置は、同一装置から同時送信された異なる周波数の第1の受信RF信号と第2の受信RF信号を受信し、前記送信RF信号をローカル信号として各受信RF信号を周波数変換し、第1の周波数変換信号および第2の周波数変換信号として前記位相制御装置に送出する構成であり、
    前記位相制御装置は、
    送信IF信号を前記送信RF信号に周波数変換して前記各送受信装置に送出する周波数変換手段と、
    基準となる送受信装置および制御対象の送受信装置からそれぞれ入力する前記第1の周波数変換信号を固有値展開し、前記制御対象の送受信装置における第1の到来方向を推定する第1の到来方向推定手段と、
    前記制御対象の送受信装置から入力する前記第1の周波数変換信号および前記第2の周波数変換信号を固有値展開し、前記制御対象の送受信装置における第2の到来方向を推定する第2の到来方向推定手段と、
    前記第1の到来方向と前記第2の到来方向との差が小さくなる方向に、前記制御対象の送受信装置に送出する前記送信RF信号の位相を設定する送信位相設定手段と
    を備えたことを特徴とする追尾アンテナ装置。
  3. 位相制御装置から複数の送受信装置に送信IF信号を入力し、各送受信装置で送信IF信号を周波数変換した送信RF信号をアンテナ部からそれぞれ所定の位相で送信する追尾アンテナ装置の送信位相制御方法において、
    前記複数の送受信装置は、同一装置から同時送信された異なる周波数の第1の受信RF信号と第2の受信RF信号を受信し、前記送信RF信号をローカル信号として各受信RF信号を周波数変換し、第1の周波数変換信号および第2の周波数変換信号として前記位相制御装置に送出し、
    前記位相制御装置は、
    基準となる送受信装置および制御対象の送受信装置からそれぞれ入力する前記第1の周波数変換信号を固有値展開し、前記制御対象の送受信装置における第1の到来方向を推定し、
    前記制御対象の送受信装置から入力する前記第1の周波数変換信号および前記第2の周波数変換信号を固有値展開し、前記制御対象の送受信装置における第2の到来方向を推定し、
    前記第1の到来方向と前記第2の到来方向との差が小さくなる方向に、前記制御対象の送受信装置に送出する前記送信IF信号の位相を設定する
    ことを特徴とする追尾アンテナ装置の送信位相制御方法。
  4. 位相制御装置から複数の送受信装置に送信RF信号を入力し、各送受信装置で送信RF信号をアンテナ部からそれぞれ所定の位相で送信する追尾アンテナ装置の送信位相制御方法において、
    前記複数の送受信装置は、同一装置から同時送信された異なる周波数の第1の受信RF信号と第2の受信RF信号を受信し、前記送信RF信号をローカル信号として各受信RF信号を周波数変換し、第1の周波数変換信号および第2の周波数変換信号として前記位相制御装置に送出し、
    前記位相制御装置は、
    送信IF信号を前記送信RF信号に周波数変換して前記各送受信装置に送出し、
    基準となる送受信装置および制御対象の送受信装置からそれぞれ入力する前記第1の周波数変換信号を固有値展開し、前記制御対象の送受信装置における第1の到来方向を推定し、
    前記制御対象の送受信装置から入力する前記第1の周波数変換信号および前記第2の周波数変換信号を固有値展開し、前記制御対象の送受信装置における第2の到来方向を推定し、
    前記第1の到来方向と前記第2の到来方向との差が小さくなる方向に、前記制御対象の送受信装置に送出する前記送信RF信号の位相を設定する
    ことを特徴とする追尾アンテナ装置の送信位相制御方法。
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