JP4842333B2 - 無線装置及び偏波面制御方法 - Google Patents

無線装置及び偏波面制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、同一周波数帯の直交する2偏波の共用技術に関し、より詳しくは、無線通信における偏波面制御技術に関する。特に、移動・固定通信が混在する衛星通信において、2偏波共用アンテナを用いて偏波面を形成する地球局に適した技術についてのものである。
無線通信において、直交する2つの偏波を使用することにより、同じ周波数帯の2つの信号にて、混信することなく情報伝送を行うことができる。例えば、直線偏波の場合、地面に対して偏波面が水平である、つまり、偏波面角度が0度である水平偏波と、地面に対して偏波面が垂直、つまり、偏波面角度が90度である垂直偏波が、直交する2つの偏波として使用され、円偏波の場合には、偏波面が進行方向に対して右回りに回転する右旋偏波と、左回りに回転する左旋偏波が直交する2つの偏波として使用される。ここで、同一周波数帯にて2つの偏波を共用する場合には、高精度に偏波を形成することが特に必要となる。
図6は、機械的制御により偏波面を形成するアンテナ装置の構成図である。図6において、符号50は1次放射器であり、符号51は反射鏡であり、符号52は回転機構であり、符号53は制御部であり、符号54は偏波合成分離部である。図6のアンテナ装置において、制御部53は例えば一方の偏波の受信レベルが最大となり、他方の受信レベルが最小となる様に回転機構52を制御して1次放射器50を回転させることで偏波面を制御する。しかしながら、機械的制御による方法は、機械的な回転機構を実装することからアンテナ装置全体の重量が増大するという問題がある。
このため、直交する2つの偏波の送受信が可能な2偏波共用アンテナを使用し、各偏波の信号の振幅及び位相を適切に制御することで、任意の偏波面の形成を電気的に行う構成が提案されている(例えば、非特許文献1、2及び3、参照。)。
縫村 他、"航空機搭載Ku帯衛星通信用アンテナサブシステム"、電子情報通信学会、信学技報 Vol.104 No.351、SAT2004−130、pp.63−68、2004年10月 鈴木 他、"VPFDM移動体衛星通信のための送信偏波面制御装置と基本動作の確認"、電子情報通信学会、信学技報 Vol.108 No.149、SAT2008−7、pp.1−6、2008年7月 山下 他、"送信偏波ビームフォーミングによるVPFDMと既存システムの帯域共用に関する一検討"、電子情報通信学会、2007総合大会講演論文集、B−3−18、2007年3月 "アンテナ工学ハンドブック"、電子情報通信学会編、株式会社オーム社、昭和55年発行、pp.182−185
図7は、非特許文献1に記載のアンテナ装置の構成図である。図7において、符号60はアンテナであり、符号61は偏波合成分離部であり、符号62はダイプレクサであり、符号63は受信偏波制御部であり、符号64は送信偏波制御部である。ここで、アンテナ60及び偏波合成分離部61は2偏波共用アンテナを構成し、受信偏波制御部63及び送信偏波制御部64は、それぞれ、2つのハイブリッド(HYB)と2つの移相器(PS)を備えている。非特許文献1のアンテナ装置において、図示しない偏波面角度差検出部が、衛星からの送信信号の偏波面と、現在の偏波面との角度差を検出し、受信偏波制御部63及び送信偏波制御部64の移相器を制御することにより送受で同一の偏波面を形成している。非特許文献1のアンテナ装置の場合には、送信と受信のそれぞれの周波数において、アンテナナ装置内の各偏波に対応する経路間の利得差及び位相差を零に調整し、かつ、位相制御に伴う振幅変動を抑えることが必要となる。しかしながら、温度変動などの影響により、無線周波数帯において高精度に振幅及び位相を調整することは非常に困難という問題がある。
図8は、非特許文献2に記載の送信装置の構成図である。図8において、符号70はアンテナであり、符号71は偏波合成部であり、符号72は増幅部であり、符号73は制御値演算部であり、符号74は周波数変換部であり、符号75は振幅位相制御部であり、符号76は偏波面制御部76である。非特許文献2の構成においては、偏波面制御部76が偏波面の形成のための処理を行い、振幅位相制御部75は、2つの偏波に対応する各経路間の利得及び位相差を補償するために、通過する信号の振幅及び位相を制御する。ここで、振幅位相制御部75における利得及び位相シフト量は、制御数値演算部73が、増幅部72の出力信号を監視して決定している。つまり、非特許文献2に記載の構成は、非特許文献1のアンテナ装置における問題点を解決するものである。しかしながら、非特許文献2に記載の構成は通信の相手装置と偏波面を一致させるものではない。
図9は、非特許文献3に記載の無線装置の構成図である。図9において、符号80はアンテナであり、符号81は偏波合成分離部であり、符号82はダイプレクサであり、符号83は送信機であり、符号84は受信機であり、符号85は偏波面制御部であり、符号86は伝搬路推定部であり、符号87は行列演算部である。非特許文献3の構成においては、伝搬路推定部86は受信する制御信号から伝搬路行列を推定し、行列演算部87は伝搬路行列の転置逆行列を演算し、偏波面制御部85は伝搬路行列の転置逆行列に基づき送信偏波を形成している。なお、偏波面制御部85は、非特許文献3の図3の送信BFとして表示されている機能ブロックに対応するものである。非特許文献3の構成には、非特許文献1と同じ問題が生じ、さらに、伝搬路行列の位相成分は周波数毎に異なるため、送受信の周波数帯が一致する領域に限定されるという問題もある。
本発明は、直交する2つの偏波の無線信号を合成することにより偏波面を制御する無線装置であって、各偏波の経路間の利得及び位相差を補償し、送信する無線信号の偏波面を対向する装置の偏波面に正確に合わせる無線装置と、偏波面の制御方法を提供することを目的とする。
本発明における無線装置によれば、
第1の偏波の無線信号と第1の偏波に直交する第2の偏波の無線信号を合成することで任意の偏波の無線信号を送信する無線装置であって、第1の送信信号を第1の偏波の無線信号で送信し、第2の送信信号を第2の偏波の無線信号で送信し、受信する第1の偏波の無線信号を第1の受信信号として出力し、受信する第2の偏波の無線信号を第2の受信信号として出力する2偏波共用アンテナと、基準局が送信する第3の偏波の無線信号及び第3の偏波に直交する第4の偏波の無線信号から基準局との間の伝搬路の伝搬路行列を求める伝搬路推定手段と、伝搬路推定手段が求めた伝搬路行列の要素である各伝搬係数に基づき第3の偏波の偏波面と第1の偏波の偏波面との角度差を検出する偏波面角度差検出手段と、偏波面角度差検出手段が検出した角度差に基づき第1の送信信号及び第2の送信信号の振幅を調整する偏波面制御手段とを備えていることを特徴とする。
本発明の無線装置における他の実施形態によれば、
伝搬路推定手段は、基準局から第3の偏波の無線信号を受信している間の第1の受信信号に基づき第1の伝搬係数を求め、基準局から第3の偏波の無線信号を受信している間の第2の受信信号に基づき第2の伝搬係数を求め、基準局から第4の偏波の無線信号を受信している間の第1の受信信号に基づき第3の伝搬係数を求め、基準局から第4の偏波の無線信号を受信している間の第2の受信信号に基づき第4の伝搬係数を求め、偏波面角度差検出手段は、第1の伝搬係数と第2の伝搬係数の振幅比と、第3の伝搬係数と第4の伝搬係数の振幅比に基づき角度差を検出することも好ましい。
また、本発明の無線装置における他の実施形態によれば、
偏波面角度差検出手段は、第1の伝搬係数に対する第2の伝搬係数の振幅比と、第4の伝搬係数に対する第3の伝搬係数の振幅比との積の平方根から、逆正接演算により角度差を検出することも好ましい。
さらに、本発明の無線装置における他の実施形態によれば、
偏波面角度差検出手段は、前記積の平方根から、無線装置の処理経路における第1の受信信号と第2の受信信号の利得比を算出して保存することも好ましい。
さらに、本発明の無線装置における他の実施形態によれば、
基準局からの通知信号を受信する通知信号受信手段を、さらに、備えており、通知信号受信手段が偏波面の不一致を示す信号を基準局から受信した場合、偏波面角度差検出手段は、前記検出した角度差の符号を判定した値を、新たな角度差として偏波面制御手段に通知することも好ましい。
本発明における偏波面制御方法によれば、
第1の送信信号を第1の偏波の無線信号で送信し、第2の送信信号を第1の偏波に直交する第2の偏波の無線信号で送信し、受信する第1の偏波の無線信号を第1の受信信号として出力し、受信する第2の偏波の無線信号を第2の受信信号として出力する2偏波共用アンテナを含む無線装置において、第3の偏波の無線信号又は第3の偏波に直交する第4の偏波の無線信号を送信する様に偏波面を制御する方法であって、基準局が送信する第3の偏波の無線信号及び第4の偏波の無線信号から基準局との間の伝搬路の伝搬路行列を求める第1のステップと、第1のステップで求めた伝搬路行列の要素である各伝搬係数に基づき第3の偏波の偏波面と第1の偏波の偏波面との角度差を検出する第2のステップと、検出した角度差に基づき第1の送信信号及び第2の送信信号の振幅を調整する第3のステップとを備えていることを特徴とする。
本発明の偏波面制御方法における他の実施形態によれば、
第1のステップで求めた伝搬路行列の要素である各伝搬係数は、第1の伝搬係数、第2の伝搬係数、第3の伝搬係数及び第4の伝搬係数であり、第1の伝搬係数は、基準局から第3の偏波の無線信号を受信している間の第1の受信信号に基づき求めたものであり、第2の伝搬係数は、基準局から第3の偏波の無線信号を受信している間の第2の受信信号に基づき求めたものであり、第3の伝搬係数は、基準局から第4の偏波の無線信号を受信している間の第1の受信信号に基づき求めたものであり、第4の伝搬係数は、基準局から第4の偏波の無線信号を受信している間の第2の受信信号に基づき求めたものであることも好ましい。
また、本発明の偏波面制御方法における他の実施形態によれば、
角度差は、第1の伝搬係数に対する第2の伝搬係数の振幅比と、第4の伝搬係数に対する第3の伝搬係数の振幅比との積の平方根から、逆正接演算により検出したものであることも好ましい。
さらに、本発明の偏波面制御方法における他の実施形態によれば、
前記積の平方根から、無線装置の処理経路における第1の受信信号と第2の受信信号の利得比を算出して保存し、以後の角度差は、前記利得比と、第1の伝搬係数に対する第2の伝搬係数の振幅比又は第4の伝搬係数に対する第3の伝搬係数の振幅比に基づき検出することも好ましい。
さらに、本発明の偏波面制御方法における他の実施形態によれば、
第3のステップの後に、基地局から偏波面の不一致を示す信号を受信した場合、前記検出した角度差の符号を反転させ、反転させた角度差に基づき第1の送信信号及び第2の送信信号の振幅を調整することも好ましい。
第1の受信信号と第2の受信信号の無線装置内での経路間の特性差を調整することなく無線装置の偏波面と基準局の偏波面との角度差を正確に検出することができ、よって、基準局の偏波面に一致する無線信号を送信することが可能になる。
本発明による無線装置の構成図である。 本発明による無線装置の他の実施形態における構成図である。 偏波面角度差検出部による角度差検出の説明図である。 検出した角度差と、実際の角度差との誤差を示す図である。 各偏波の利得係数の比を算出し、いずれかの偏波と算出した比を使用した場合における検出した角度差と、実際の角度差との誤差を示す図である。 機械的制御による偏波面を制御するアンテナ装置の構成図である。 非特許文献1に記載のアンテナ装置の構成図である。 非特許文献2に記載の送信装置の構成図である。 非特許文献3に記載の無線装置の構成図である。
本発明を実施するための形態について、以下では図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明において所望の偏波面を水平偏波及び垂直偏波とし、本無線装置が入出力する偏波1と偏波2は直交しており、偏波1の偏波面と水平偏波の偏波面との角度差がφであるものとする。なお、所望の偏波面は互いに直交していれば良く、水平偏波及び垂直偏波に限定されない。
図1は、本発明による無線装置の構成図である。図1の無線装置は、アンテナ10と、偏波合成分離部11と、ダイプレクサ12と、増幅部13と、受信機14と、周波数変換部15と、振幅位相制御部16と、偏波面制御部17と、伝搬路推定部18と、干渉補償部19と、変調部20と、復調部21と、制御値演算部22と、偏波面角度差検出部23と、通知信号受信部24とを備えている。
アンテナ10と偏波合成分離部11は2偏波共用アンテナを構成し、偏波合成分離部11の一方の端子への入力信号は偏波1の無線信号としてアンテナ10から送信され、他方の端子への入力信号は偏波2の無線信号としてアンテナ10から送信される。同様に、アンテナ10が受信する無線信号の偏波1の成分は偏波合成分離部11の一方の端子から出力され、偏波2の成分は偏波合成分離部11の他方の端子から出力される。また、ダイプレクサ12は送信信号と受信信号を分離合成するためのものであり各偏波の経路にそれぞれ設けられる。
以下に、信号の流れの概略を説明する。なお、変調部20からの送信信号Aはアンテナ10から水平偏波の無線信号として送信され、変調部20からの送信信号Bはアンテナ10から垂直偏波の無線信号として送信されるものとする。このため、偏波面制御部17は、偏波1で送信される無線信号と偏波2で送信される無線信号の合成信号が水平偏波となる様に、偏波1及び偏波2に対応する各経路に出力される送信信号Aの振幅を調整する。なお、偏波1及び2に対応する経路とは、偏波面制御部17からアンテナ10までの各偏波に対応する経路である。同様に、偏波面制御部17は、偏波1で送信される無線信号と偏波2で送信される無線信号の合成信号が垂直偏波となる様に、偏波1及び偏波2に対応する各経路に出力される送信信号Bの振幅を調整する。
各経路に出力される送信信号A及び送信信号Bそれぞれの振幅は、2偏波共用アンテナの偏波面と所望の偏波面との角度差φにより決まり、この角度差φは、後述する様に、偏波面角度差検出部23が検出し、偏波面角度差検出部23が偏波面制御部17に通知して設定を行うものである。
偏波面制御部17からの出力信号は、振幅位相制御部16を通過後、周波数変換部15で周波数変換され、増幅部13で増幅され、ダイプレクサ12及び偏波合成分離部11を経由してアンテナ10より送信信号Aに対応する水平偏波の送信無線信号A及び送信信号Bに対応する垂直偏波の送信無線信号Bとして出力される。ここで、振幅位相制御部16は、送信無線信号A及びBの偏波面が、偏波1及び2に対応する各経路間の利得及び/又は位相差により所望の偏波面からずれない様に、偏波1及び2の経路間の利得及び位相差を補償するものであり、その値は、制御値演算部13が増幅器13の出力信号を監視して設定する。
また、受信機14は、各偏波の受信信号の周波数変換や増幅等の受信処理を行い、伝搬路推定部18は基準局100との間の伝搬路の伝搬路行列を求め、干渉補償部19は伝搬路行列に基づき水平偏波で送信された信号と、垂直偏波で送信された信号を、偏波1及び偏波2の信号からそれぞれ復元し、復調部21は受信信号の復調を行う。
なお、伝搬路推定部18は、基準局100が送信するユニークワードを含む基準信号に基づき、伝搬路行列の要素であり、それぞれが振幅及び位相の変化を表す4つの伝搬係数H11、H12、H21、H22を求める。ここで、H11は基地局での水平偏波から本無線装置における偏波1への経路についての伝搬係数であり、H12は基地局での水平偏波から本無線装置における偏波2への経路についての伝搬係数であり、H21は基地局での垂直偏波から本無線装置における偏波1への経路についての伝搬係数であり、H22は基地局での垂直偏波から本無線装置における偏波2への経路についての伝搬係数である。
よって、H11は基準局が水平偏波で基準信号を送信している間に伝搬路推定部18が偏波1の経路から受信する信号より、H12は基準局が水平偏波で基準信号を送信している間に伝搬路推定部18が偏波2の経路から受信する信号より、H21は基準局が垂直偏波で基準信号を送信している間に伝搬路推定部18が偏波1の経路から受信する信号より、H22は基準局が垂直偏波で基準信号を送信している間に伝搬路推定部18が偏波2の経路から受信する信号より求めることができる。
続いて、偏波面角度差検出部23による角度差φの検出について説明する。図3は、偏波面角度差検出部23による角度差φの検出の説明図である。例えば、基準局100が垂直偏波の信号を送信し、本発明による無線装置が振幅Sで受信したとすると、図3(a)から明らかな様に、偏波1側の経路における振幅はSsinφ、偏波2側の経路における振幅はScosφとなる。したがって、以下の式によりφを得ることができる。
Figure 0004842333
なお、本発明では振幅値のみを使用するため、非特許文献3の課題である伝搬路行列の位相成分の周波数特性の影響は受けない。
しかしながら、アンテナ10から伝搬路推定部18に至る偏波1及び偏波2に対応する受信処理経路の利得差等により式(1)では正確な値を求めることはできない。具体的には、アンテナ10を含む伝搬路推定部18までの偏波1に対応する経路の利得をGr1、同じく、偏波2に対応する経路の利得をGr2とすると、偏波1の経路で受信する信号はSr1sinφとなり、偏波2の経路で受信する信号はSr2cosφとなる。このとき、以下の式(2)及び(3)から、角度差φを求めるためには、Gr1とGr2を一致させるか、Gr1とGr2の比を求めることが必要になる。
Figure 0004842333
本願発明においては、水平及び垂直の両偏波をそれぞれ基準局から受信することによりGr1とGr2を一致させることなく、Gr1とGr2の比を調べることなく角度差φを検出する。具体的には、基準局100が水平偏波の信号も送信し、本発明による無線装置が振幅Sで受信したとすると、図3(b)と各経路の利得係数から伝搬路推定部18が受信する偏波1の経路からの信号はSr1cosφとなり、偏波2の経路からの信号は−Sr2sinφとなる。よって、
Figure 0004842333
となり、各経路の利得係数が打ち消されて角度差φを求めることが可能になる。なお、受信機において偏波毎に独立して利得を制御するAGC等の調整部が存在したとしても、角度差φの検出には影響がない。
また、式(4)の平方根により求めた|tanφ|を式(2)に代入することでGr1とGr2の比を算出することができる。よって、この比を算出して保存しておき、以後の偏波面の制御には、式(2)に示す様に基準局100が送信する水平偏波の信号又は垂直偏波の信号から、H11及びH12か、H21及びH22を求めて角度差を検出することができ、演算量の軽減が図れる。
図4は、上記方法により検出した角度差と、実際の角度差との誤差を示す図である。図4の横軸は偏波1の偏波面の水平面に対する角度であり、縦軸は検出した角度差φの誤差を示している。ここでは、入力信号レベル差を3dB、経路間の利得差を10dB与えて測定を行った。図4より、両偏波を使用することにより、水平(H)又は垂直(V)偏波のみを使用する場合より誤差を小さくできることが確認できる。図5は、水平及び垂直偏波を使用してGr1とGr2の比を算出し、その後、この比と垂直偏波又は水平偏波のみを使用して角度差を算出した場合の測定結果であり、垂直偏波又は水平偏波のみでも精度高く角度差の推定ができていることが確認できる。
上記方法で求めることができるのは角度差の絶対値であり、符号については未知である。そこで、符号の確認方法について述べる。まず、|φ|を検出した後、偏波面角度差検出部23は、偏波面制御部17に対して、+|φ|又は−|φ|のいずれかを設定し、本発明による無線装置はこの状態で無線信号を送信する。基準局100の偏波面は垂直及び水平偏波となる様に調整されているため、符号が偏波面の角度差を打ち消す方向と一致している場合、基準局100は一方の偏波のみで信号を受信し、他方の偏波では信号を受信しないことになる。これに対して、符号が偏波面の角度差を打ち消す方向と一致していない場合、基準局100は両方の偏波で信号を受信することになる。基準局100は、前記受信状況に基づき偏波面の一致/不一致を判定し、制御回線等を用いて偏波面の一致又は不一致を本発明による無線装置に通知する。通知信号受信部24は、基地局100からの偏波面の一致又は不一致を通知する信号を受信し、一致又は不一致を偏波面角度差検出部23に出力する。偏波面角度差検出部23は一致を受信した場合には、現在の状態を維持し、不一致を受信した場合には、偏波面制御部17に現在の設定値の符号を反転した値を通知して、その設定を変更する。
また、基準局100が本発明の無線装置を備えている場合には、角度差|φ|を検出し、|φ|が許容値以内であれば制御回線により偏波面の一致を、|φ|が許容値を外れている場合には制御回線により符号の反転要求を行えば良い。
図2は、本発明の他の実施形態による無線装置の構成図である。なお、図1と同じ構成要素には同一の符号を付与して説明は省略する。図2において、符号25はマルチキャリア変調部であり、符号26はマルチキャリア復調部であり、符号27は直並列変換部であり、符号28は並直列変換部である。図2の構成は、送信する情報を並列に変換して複数のキャリアそれぞれで変調、つまり、マルチキャリ変調を行うものである。信号を複数のキャリアに分散させることで、周波数割当ての自由度が向上し、キャリア毎に偏波面の制御を行うことで周波数特性の改善が可能になる。
なお、本発明の無線装置が移動局である場合には、常に角度差φが変化することになる。この場合、基準局100は検出した|φ|の値を本発明による無線装置に通知し、開口面アンテナのビーム走査・追尾技術である、ステップトラック方式等により|φ|が零となる様に制御をすれば良い。なお、ステップトラック方式については、非特許文献4に記載されている。
10、60、70、80 アンテナ
11、54、61、81 偏波合成分離部
12、62、82 ダイプレクサ
13、72 増幅部
14、84 受信機
15、74 周波数変換部
16、75 振幅位相制御部
17、76、85 偏波面制御部
18、86 伝搬路推定部
19 干渉補償部
20 変調部
21 復調部
22、73 制御値演算部
23 偏波面角度差検出部
24 通知信号受信部
25 マルチキャリア変調部
26 マルチキャリア復調部
27 直並列変換部
28 並直列変換部
50 1次放射器
51 反射鏡
52 回転機構
53 制御部
63 受信偏波制御部
64 送信偏波制御部
71 偏波合成部
83 送信機
87 行列演算部

Claims (6)

  1. 第1の偏波の無線信号と第1の偏波に直交する第2の偏波の無線信号を合成することで任意の偏波の無線信号を送信する無線装置であって、
    第1の送信信号を第1の偏波の無線信号で送信し、第2の送信信号を第2の偏波の無線信号で送信し、受信する第1の偏波の無線信号を第1の受信信号として出力し、受信する第2の偏波の無線信号を第2の受信信号として出力する2偏波共用アンテナと、
    基準局が送信する第3の偏波の無線信号及び第3の偏波に直交する第4の偏波の無線信号から基準局との間の伝搬路の伝搬路行列を求める伝搬路推定手段と、
    伝搬路推定手段が求めた伝搬路行列の要素である各伝搬係数に基づき第3の偏波の偏波面と第1の偏波の偏波面との角度差を検出する偏波面角度差検出手段と、
    偏波面角度差検出手段が検出した角度差に基づき第1の送信信号及び第2の送信信号の振幅を調整する偏波面制御手段と、
    を備え
    伝搬路推定手段は、基準局から第3の偏波の無線信号を受信している間の第1の受信信号に基づき第1の伝搬係数を求め、基準局から第3の偏波の無線信号を受信している間の第2の受信信号に基づき第2の伝搬係数を求め、基準局から第4の偏波の無線信号を受信している間の第1の受信信号に基づき第3の伝搬係数を求め、基準局から第4の偏波の無線信号を受信している間の第2の受信信号に基づき第4の伝搬係数を求め、
    偏波面角度差検出手段は、第1の伝搬係数に対する第2の伝搬係数の振幅比と、第4の伝搬係数に対する第3の伝搬係数の振幅比との積の平方根から、逆正接演算により角度差を検出する
    ことを特徴とする無線装置。
  2. 偏波面角度差検出手段は、前記積の平方根から、無線装置の処理経路における第1の受信信号と第2の受信信号の利得比を算出して保存する、
    請求項に記載の無線装置。
  3. 基準局からの通知信号を受信する通知信号受信手段を、さらに、備えており、
    通知信号受信手段が偏波面の不一致を示す信号を基準局から受信した場合、偏波面角度差検出手段は、前記検出した角度差の符号を反転させた値を、新たな角度差として偏波面制御手段に通知する、
    請求項1または2に記載の無線装置。
  4. 第1の送信信号を第1の偏波の無線信号で送信し、第2の送信信号を第1の偏波に直交する第2の偏波の無線信号で送信し、受信する第1の偏波の無線信号を第1の受信信号として出力し、受信する第2の偏波の無線信号を第2の受信信号として出力する2偏波共用アンテナを含む無線装置において、第3の偏波の無線信号又は第3の偏波に直交する第4の偏波の無線信号を送信する様に偏波面を制御する方法であって、
    基準局が送信する第3の偏波の無線信号及び第4の偏波の無線信号から基準局との間の伝搬路の伝搬路行列を求める第1のステップと、
    第1のステップで求めた伝搬路行列の要素である各伝搬係数に基づき第3の偏波の偏波面と第1の偏波の偏波面との角度差を検出する第2のステップと、
    検出した角度差に基づき第1の送信信号及び第2の送信信号の振幅を調整する第3のステップと、
    を備え
    第1のステップで求めた伝搬路行列の要素である各伝搬係数は、第1の伝搬係数、第2の伝搬係数、第3の伝搬係数及び第4の伝搬係数であり、
    第1の伝搬係数は、基準局から第3の偏波の無線信号を受信している間の第1の受信信号に基づき求めたものであり、
    第2の伝搬係数は、基準局から第3の偏波の無線信号を受信している間の第2の受信信号に基づき求めたものであり、
    第3の伝搬係数は、基準局から第4の偏波の無線信号を受信している間の第1の受信信号に基づき求めたものであり、
    第4の伝搬係数は、基準局から第4の偏波の無線信号を受信している間の第2の受信信号に基づき求めたものであり、
    角度差は、第1の伝搬係数に対する第2の伝搬係数の振幅比と、第4の伝搬係数に対する第3の伝搬係数の振幅比との積の平方根から、逆正接演算により検出したものである、
    ことを特徴とする方法。
  5. 前記積の平方根から、無線装置の処理経路における第1の受信信号と第2の受信信号の利得比を算出して保存し、
    以後の角度差は、前記利得比と、第1の伝搬係数に対する第2の伝搬係数の振幅比又は第4の伝搬係数に対する第3の伝搬係数の振幅比に基づき検出する、
    請求項に記載の方法。
  6. 第3のステップの後に、基地局から偏波面の不一致を示す信号を受信した場合、前記検出した角度差の符号を反転させ、反転させた角度差に基づき第1の送信信号及び第2の送信信号の振幅を調整する、
    請求項4または5に記載の方法。
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