JP5930139B1 - パッシブレーダ装置 - Google Patents

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    • G01S13/06Systems determining position data of a target
    • G01S13/46Indirect determination of position data

Abstract

送信局からの直接波を第1のアンテナで受信し、送信局から送信され目標で反射された反射波を含む信号を第2のアンテナで受信し、第1のアンテナでの受信信号の自己相関演算の結果から算出される周波数スペクトルに基づき抑圧する信号のもつ複数の周波数を算出し、その複数の周波数を用いて不要波抑圧フィルタのパラメータを算出するとともに、第2のアンテナでの受信信号と第1のアンテナでの受信信号との相互相関演算の結果から算出されたレンジヒットデータに含まれる不要波成分を、算出された不要波抑圧フィルタのパラメータを用いて、不要波を抑圧するパッシブレーダ装置を開示する。本構成によって、送信信号が変調波である場合に、直接波やクラッタなどの不要波に含まれるゼロドップラー周波数と側波帯ドップラピークを有する信号を抑圧することができる。

Description

この発明は、電波を用いて目標探知等を行うパッシブレーダ装置に関するものである。
パッシブレーダは自らは電波を送信せず、非協調に動作している他の送信源からの送信信号を受信して、目標探知等を行う技術である。電波の送信源として人工衛星や電波塔等を用いたり、テレビ放送波やラジオ放送波等を送信信号として用いる場合等がある。パッシブレーダ装置は、送信源からの送信信号の直接波と、目標等で反射して到来する目標散乱波との相互相関を求めて目標からの信号(以下、目標信号)の探知を行い、さらに目標からの伝搬距離や目標の到来角度の推定値を求めて目標の位置推定等を行う。
パッシブレーダ装置は、直接波の受信を行うREF(Reference)系と目標散乱波の受信を行うSUR(Surveillance)系の2つの受信系統と、これらの出力を用いて目標探知等を行う信号処理部から構成される。REF系の信号受信では、受信する直接波電力が目標信号の電力に比べて一般に十分大きいことから、比較的低利得のアンテナを用いて直接波のみを選択的に受信する。これに対し、SUR系は微弱な目標信号の電力を受信できるように比較的高利得のアンテナを用いるとともに、目標探知能力の劣化を避けるため、直接波の受信電力を抑圧しながら、目標信号を受信する。ここで、実際は直接波の残留成分のほか、山や建物からの不要反射であるクラッタも合わせて受信する。次いで、これら2系統の受信信号の相互相関を求め、さらに複数の相互相関出力に対しドップラ周波数に基づくコヒーレント積分を行う。最後に、コヒーレント積分出力を振幅検波したレンジドップラマップに対してスレッショルド検定を行い、目標探知を行う。
上記のコヒーレント積分は、一般には離散フーリエ変換により行われる。このとき、送信源、山、建物等の静止物からの不要波のドップラ周波数はゼロであるのに対し、航空機等の移動目標は速度に起因するドップラ周波数を有する。したがって、不要波と目標信号のドップラ周波数が異なれば両者を分離でき、続くスレッショルド検定にて正しく目標探知が行える。
しかし、送信信号が放送内容により時間的に変化する場合、不要波および目標信号の相互相関出力は相互相関の処理周期毎に変動する特性がある。例えば、離散フーリエ変換へ入力される直接波のサンプル系列を考えれば、そのドップラ周波数は一定(ゼロ)でも、振幅値がサンプル毎に変動し、あたかも振幅変調波のように振る舞う。このため、離散フーリエ変換出力のドップラスペクトルには、ゼロドップラ周波数に対応するメインローブとともに、振幅変動による比較的高い複数のピークがメインローブの両側波帯に現れる。以降では、この両側波帯に現れるピークを側波帯ドップラピークと呼ぶことにする。
この側波帯ドップラピークのドップラ周波数は、上述のとおり放送内容に依存するため、レンジドップラマップ処理周期毎に変化し、予め予測することは困難である。さらに、クラッタおよび目標からの散乱波も同じ送信信号を含むため、クラッタおよび目標信号にも側波帯ドップラピークが同様に表れる。このような環境において、予測が困難な側波帯ドップラピークに目標信号のメインローブが埋もれると、目標探知能力が劣化しまう問題がある。
不要なドップラピークによる目標探知能力劣化の問題を解決する方法として、非特許文献1に記載の方法がある。この方法は無線通信用の変調信号を用いるパッシブレーダで発生する不要なドップラサイドローブピークを窓関数により抑圧する。この方法では、得られたドップラスペクトルをメインローブ領域とサイドローブ領域とに分け、メインローブ領域のスペクトル形状を保持しつつ、サイドローブ領域の電力を最小化するような窓関数を求める。この窓関数を用いてサイドローブ領域の電力を最小化することにより、メインローブ領域のベクトル形状を維持する。
Falcone, P.; Colone, F.; Lombardo, P. , "Doppler frequency sidelobes level control for WiFi-based Passive Bistatic Radar," 2011 IEEE Radar Conference (RADAR), pp. 435-440, May 2011.
従来のパッシブレーダ装置では、サイドローブ領域を低減してメインローブ領域のスペクトル形状を保持する。しかし、パッシブレーダでは不要波のサイドローブ領域とメインローブ領域に含まれる信号をともに抑圧することが望まれる場合があるが、不要波のサイドローブ領域とメインローブ領域に含まれる信号をともに抑圧する技術はこれまで開示されていない。従って、従来のパッシブレーダ装置では、送信信号が変調波である場合に、直接波やクラッタなどの不要波に含まれる側波帯ドップラピークを有する信号を抑圧することが課題となる。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、送信信号が変調波である場合に、直接波やクラッタなどの不要波に含まれる側波帯ドップラピークを有する信号を抑圧するパッシブレーダ装置を得ることを目的としている。
この発明に係るパッシブレーダ装置は、送信局から送信された送信信号を受信する第1のアンテナと、前記送信信号の目標での反射波を含む信号を受信する第2のアンテナと、前記第1のアンテナでの受信信号を時間ごとに区分し、前記区分ごとの自己相関演算の
結果を求める自己相関算出部と、前記自己相関算出部で求められた自己相関演算の結果を離散フーリエ変換してレンジドップラデータを算出する周波数解析部と、前記周波数解析部で算出されたレンジドップラデータに基づき、前記レンジドップラデータで示される周波数の範囲において、抑圧する信号の側波帯ドップラ成分を含むドップラ周波数を算出し、該ドップラ周波数に基づき不要波抑圧フィルタのパラメータを算出する不要波抑圧フィルタ算出部と、前記第2のアンテナでの受信信号と前記第1のアンテナでの受信信号との相互相関演算の結果からレンジヒットデータを算出する相互相関算出部と、前記相互相関算出部で算出されたレンジヒットデータに含まれる不要波成分を、前記不要波抑圧フィルタ算出部で算出された不要波抑圧フィルタのパラメータを用いて、抑圧する不要波抑圧部と、を備えることを特徴とする。

この発明のパッシブレーダ装置によれば、送信信号が変調波である場合に、直接波やクラッタなどの不要波に含まれる側波帯ドップラ成分を有する信号を抑圧することができる。

この発明の実施の形態1におけるパッシブレーダ装置を示す構成図。 この発明の実施の形態1の不要波抑圧用フィルタ算出部の構成図。 この発明の実施の形態1のパッシブレーダ装置における処理のフローチャート。 この発明の実施の形態1による不要波抑圧の効果を示す図。 この発明の実施の形態1に係るパッシブレーダ装置のハードウェア構成例を示す図。 この発明の実施の形態1に係るパッシブレーダ装置の他のハードウェア構成例を示す図。
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1におけるパッシブレーダ装置を示す構成図である。図1を用いて、パッシブレーダ装置1の構成を説明する。パッシブレーダ装置1では、パッシブレーダ装置1と非協調に動作して生成する送信局2から送信される送信信号を用いて目標探知を行う。送信局2は生成した送信信号を空間放射する送信アンテナ3を有し、送信アンテナ3から送信信号を空間に放射する。送信アンテナ3から放射された送信信号の一部は、直接波として、直接パッシブレーダ装置1に伝搬される。また、送信アンテナ3から放射された送信信号の一部は、目標4で散乱され、目標散乱波5としてパッシブレーダ装置1に伝搬される。また、送信アンテナ3から放射された送信信号の一部は、建物、山、海などで反射され、クラッタ6としてパッシブレーダ装置1に伝搬される。
図1において、パッシブレーダ装置1は第1のアンテナであるREF系アンテナ10、第2のアンテナであるSUR系アンテナ11、自己相関算出部12、周波数解析部13、不要波抑圧フィルタ算出部14、相互相関算出部15、不要波抑圧部16を備える。ここで、REF系アンテナ10は送信アンテナ3から直接波を受信する。また、SUR系アンテナ11は送信アンテナ3から空間放射された送信信号が航空機等の目標4にて反射した目標散乱波5及び、建物・山・海などにて反射したクラッタ6、ならびに直接伝搬した直接波を受信する。自己相関算出部12は、REF系アンテナ10での受信信号を一定期間毎に区切り、区間毎の自己相関関数を求める。周波数解析部13は、自己相関算出部12で求めた区間毎の自己相関関数に関してレンジ毎に離散フーリエ変換によるドップラ周波数解析を行い、レンジドップラデータを求める。不要波抑圧フィルタ算出部14は、周波数解析部13から得られるレンジドップラデータより不要なドップラ成分(ゼロドップラ成分および側波帯ドップラピーク成分)を抑圧するための射影行列を求める。相互相関算出部15は、REF系アンテナ10およびSUR系アンテナ11での受信信号を一定期間毎に区切り、区間毎に相互相関演算の結果である相互相関関数を求める。不要波抑圧部16は、相互相関算出部15で求めた区間毎の相互相関関数に対して、レンジ毎に不要波抑圧フィルタ算出部14で算出した射影行列を用いて離散フーリエ変換によるドップラ周波数解析を行い、レンジドップラデータを出力する。なお、周波数解析部13が求めるレンジドップラデータと、不要波抑圧部16が出力するレンジドップラデータは異なるデータである。
不要波抑圧フィルタ算出部14の構成の詳細を図2に示す。不要波抑圧フィルタ算出部14は不要周波数算出部21とフィルタ算出部22とを備える。不要周波数算出部21は、周波数解析部13からレンジドップラデータを受け取り、直接波のドップラサイドローブ領域内より抑圧対象とする側波帯ドップラピークを抽出し、抽出された側波帯ドップラピークに対応するドップラ周波数を不要ドップラ周波数として算出する。この不要ドップラ周波数は送信信号の変調により側波帯で生じる周波数である。また、送信信号はこの他にゼロドップラ周波数にもスペクトルを有する。この不要ドップラ周波数およびゼロドップラ周波数が、変調された送信信号のスペクトルに相当する。また、時間領域では、このスペクトルの時間的な信号波形をドップラステアリングベクトルとして表すことができ、このドップラステアリングベクトルに対応する射影行列を算出することで受信信号から不要波の時間波形を除去する不要波抑圧フィルタのパラメータを算出できる。このような不要波抑圧フィルタを実現するため、フィルタ算出部22は不要ドップラ周波数およびゼロドップラ周波数によるドップラステアリングベクトルを求めた上で、不要波のゼロドップラ成分および側波帯ドップラピーク成分を抑圧する射影行列を算出する。
図3にパッシブレーダ装置1の動作を示すフローチャートを示す。以降、パッシブレーダ装置1の動作の詳細を説明する。まず、REF系アンテナ10で直接波を受信すると、自己相関算出部12および周波数解析部13での処理により、不要波抑圧フィルタ算出部14は受信信号の自己相関演算の結果からレンジドップラデータをD[m, n]を取得する(S101)。ここで、m=0, …, M-1はドップラビン番号、n=0, …, N-1はレンジビン番号である。次に、不要波抑圧フィルタ算出部14内の不要周波数算出部21では、まずレンジドップラマップ|D[m, n]|2を求め、直接波による最大ピークmax(|D[m, n]|2)に対応するレンジビン番号nmaxを求めた後、以下の直接波のドップラスペクトル|dm|2を得る。

Figure 0005930139

このとき、直接波のドップラスペクトル|dm|2のドップラサイドローブ領域に関して、予め設定したピークレベルを超える側波帯ピークを抽出し、抽出された側波帯ピークのドップラビンに対応するドップラ周波数を求める(S102)。これにゼロドップラ周波数を加えた不要波の有する周波数に対応する計K個の不要ドップラ周波数をfk(k=1, …, K)とする。すなわち、不要波抑圧フィルタ算出部14内の不要周波数算出部21では、周波数解析部13で算出されたレンジドップラデータに基づき抑圧する信号のもつ複数のドップラ周波数を算出する。
なお、ドップラビンに対応するドップラ周波数ではなく、側波帯ピークとその両側ドップラビンも用いる補間処理による高精度ドップラ周波数推定からドップラ周波数を求めてもよい。また、周波数解析部13では、受信信号の自己相関演算の結果からレンジドップラデータをD[m, n]を取得したが、受信信号の自己相関演算の結果から各レンジに対応する周波数スペクトルを算出してもよい。直接波ドップラスペクトル|dm|2に関しては、レンジビン番号nmaxのみならず、その周囲のレンジビンにおけるドップラスペクトルも含めて、これらから側波帯ピークを抽出し、上記に示す方法で計K個の不要ドップラ周波数fkを決めてもよい。
不要波抑圧フィルタ算出部14内のフィルタ算出部22では、不要波に含まれる側波帯ドップラ周波数およびゼロドップラ周波数の信号成分を抑圧する不要波抑圧フィルタのパラメータを算出する(S103)。不要波抑圧フィルタのパラメータの代表的な例として以下では射影行列を算出する場合について説明する。まず、フィルタ算出部22は不要ドップラ周波数fk(k=1, …,,,、K)に関するドップラステアリングベクトルak (null)を以下のように定義する。

Figure 0005930139
ここで、fkは規格化ドップラ周波数とする。ドップラビン番号が自己あるいは相互相関算出のインデックス番号でもあることに留意すれば、式(2)のドップラステアリングベクトルak (null)は規格化ドップラ周波数fkを有する成分の時刻t=1,…, Mでの位相回転量を要素にもつベクトルである。さらに、フィルタ算出部22はK個のドップラステアリングベクトルak (null)(k=1,…,K)を並べた以下の行列Aを求める。

A=[a1 (null), a2 (null), …, aK (null)] (3)

これより、フィルタ算出部22は、次式のように不要ドップラ周波数fkを有する成分を抑圧する射影行列Pnull(すなわち、不要波抑圧フィルタ行列)を不要波抑圧フィルタのパラメータとして算出する。ここで、Iは単位行列である。
Figure 0005930139
次に、相互相関算出部15はSUR系アンテナでの受信信号とREF系アンテナでの受信信号との相互相関演算の結果からレンジヒットデータX[m, n]を算出し、不要波抑圧部16はそのレンジヒットデータX[m, n]を受け取る。また、不要波抑圧部16は相互相関算出部15で算出されたレンジヒットデータに含まれる不要波成分を不要波抑圧フィルタ算出部14で算出された不要波抑圧フィルタのパラメータを用いて抑圧する。
この処理の詳細を説明する。まず、レンジヒットデータX[m, n]は次式で表される。
X[m, n]=[…, x(n)[m],…] (5)
ここで、x(n)[m]はレンジビン番号nにおけるヒットデータベクトルである。ヒットデータベクトルx(n)[m]に不要波と目標信号が含まれるとすれば、ヒットデータベクトルx(n)[m]は以下のように表すことができる。
Figure 0005930139
ここで、iは不要波の側波帯を含む信号成分の振幅を並べた不要波振幅ベクトル、sは同様の目標振幅ベクトル、Dは目標移動によるドップラステアリングベクトル要素を対角項に並べた対角行列、nは受信機雑音ベクトルである。
不要波抑圧部16がヒットデータベクトルx(n)[m]に不要波抑圧フィルタ算出部14で算出された射影行列Pnullを乗じると、次式のように不要波を抑圧できる。
Figure 0005930139
式(7)では、不要波振幅ベクトルiの成分が抑圧されており、不要波を抑圧できていることが分かる。図4に式(7)により不要波抑圧が行われる前の信号のドップラ周波数スペクトル(図4(a))と、不要波抑圧が行われた後の信号のドップラ周波数スペクトル(図4(b))の模式図を示す。図4に示すように、不要波のゼロドップラ成分とともに不要波の側波帯ピーク成分が抑圧される。
不要波抑圧部16は、式(7)による射影行列Pnullの乗算をレンジビン毎に行う。また、離散フーリエ変換によるコヒーレント積分を実施することにより、レンジヒットデータをレンジドップラデータに変換し、以下のレンジドップラ出力Y[m, n]を算出する(S104)。
Figure 0005930139
ここで、WDFTは離散フーリエ変換を表す行列であり、解析ドップラ周波数に関するステアリングベクトルの列ベクトルを並べた行列である。言うまでもなく、離散フーリエ変換に際し、サイドローブ低減のための各種窓関数の適用は可能である。式(7)と同様に、式(8)によってX[m, n]に含まれるドップラ周波数fkの信号成分が抑圧される。
パッシブレーダ装置1における自己相関算出部12、周波数解析部13、不要波抑圧フィルタ算出部14、相互相関算出部15、不要波抑圧部16の各機能は、処理回路(Processing Circuitry)により実現される。すなわち、パッシブレーダ装置1は、REF系アンテナ10での受信信号の自己相関を算出し、その自己相関の周波数を解析し、その解析結果に基づき不要波を抑圧するフィルタを算出するとともに、SUR系アンテナ11での受信信号の相互相関を算出し、不要波を抑圧する処理装置を備える。処理回路は、専用のハードウェアであっても、メモリに格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサー、DSPともいう)であってもよい。
処理回路が専用のハードウェアである場合、パッシブレーダ装置1は、図5に示すように、REF系アンテナ10とSUR系アンテナ11を含む受信装置31と処理回路32とを備える。処理回路32は、例えば、単一回路(a single circuit)、複合回路(multiple circuits)、プログラム化したプロセッサー(a programmed processor)、並列プログラム化したプロセッサー(multiple programmed processors)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。自己相関算出部12、周波数解析部13、不要波抑圧フィルタ算出部14、相互相関算出部15、不要波抑圧部16の各部の機能それぞれを処理回路で実現してもよいし、各部の機能をまとめて処理回路で実現してもよい。
処理回路がCPUの場合、パッシブレーダ装置1は、図6に示すように、受信装置33と、処理回路34と、メモリ35とを備える。自己相関算出部12、周波数解析部13、不要波抑圧フィルタ算出部14、相互相関算出部15、不要波抑圧部16の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアやファームウェアはプログラムとして記述され、メモリに格納される。処理回路34は、メモリに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、パッシブレーダ装置1は、処理回路34により実行されるときに、REF系アンテナ10での受信信号の自己相関を算出するステップ、その自己相関の周波数を解析するステップ、その解析するステップでの解析結果に基づき不要波を抑圧するフィルタを算出するステップ、SUR系アンテナ11での受信信号の相互相関を算出するステップ、不要波を抑圧する処理を行うステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ35を備える。これらのプログラムの一例は図3に示されるステップS101〜S104で表すことができる。また、これらのプログラムは、自己相関算出部12、周波数解析部13、不要波抑圧フィルタ算出部14、相互相関算出部15、不要波抑圧部16の手順や方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリ35とは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROM、EEPROM等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリや、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等が該当する。
なお、自己相関算出部12、周波数解析部13、不要波抑圧フィルタ算出部14、相互相関算出部15、不要波抑圧部16の各機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。例えば、自己相関算出部12、相互相関算出部15については専用のハードウェアとしての処理回路でその機能を実現し、周波数解析部13、不要波抑圧フィルタ算出部14、不要波抑圧部16については処理回路がメモリに格納されたプログラムを読み出して実行することによってその機能を実現することが可能である。
このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
以上のように、本発明のパッシブレーダ装置1では、送信局から送信された送信信号を受信する第1のアンテナであるREF系アンテナと、前記送信信号の目標での反射波を含む信号を受信する第2のアンテナであるSUR系アンテナと、前記第1のアンテナでの受信信号の自己相関演算の結果からレンジドップラデータを算出する周波数解析部13と、周波数解析部13で算出されたレンジドップラデータに基づき抑圧する信号のもつ複数のドップラ周波数を算出し、該複数のドップラ周波数に基づき不要波抑圧フィルタのパラメータを算出する不要波抑圧フィルタ算出部14と、第2のアンテナでの受信信号と前記第1のアンテナでの受信信号との相互相関演算の結果からレンジヒットデータを算出する相互相関算出部15と、相互相関算出部15で算出されたレンジヒットデータに含まれる不要波成分を、不要波抑圧フィルタ算出部14で算出された不要波抑圧フィルタのパラメータを用いて、抑圧する不要波抑圧部16と、を備えることを特徴とする。このような構成により、送信信号が変調波である場合に、直接波やクラッタなどの不要波に含まれるゼロドップラ成分および側波帯ドップラピークを有する信号を抑圧することができる。
また、本発明のパッシブレーダ装置1では、不要波抑圧部16は不要波成分が抑圧されたレンジヒットデータをレンジドップラデータに変換することを特徴とする。このような構成により、パッシブレーダ装置1では不要波成分が抑圧されたレンジドップラデータを得ることができ、目標の探知を効率的に行うことができる。
さらに、本実施の形態1のパッシブレーダ装置1における不要波抑圧フィルタ算出部14は、周波数解析部13で算出されたレンジドップラデータを用いて、抑圧する信号のもつ複数のドップラ周波数を抽出する不要周波数算出部21と、不要周波数算出部21で抽出された複数のドップラ周波数を用いて、不要波抑圧フィルタのパラメータを算出するフィルタ算出部22とを備えることを特徴とする。このような構成により、送信信号が変調波である場合に、その変調信号により発生する複数のドップラ周波数を抽出することができ、その変調信号の不要波を除去することができるフィルタのパラメータを算出することができる。
さらに、本実施の形態1のパッシブレーダ装置1における不要波抑圧フィルタのパラメータは行列形式で表されることを特徴とする。このような構成により、多次元の信号を一括して効率的に処理することができる。
さらに、本実施の形態1のパッシブレーダ装置1における不要波抑圧フィルタのパラメータは、不要周波数算出部21で抽出された複数のドップラ周波数に対応する信号成分を表すベクトルを抑圧する射影行列であることを特徴とする。このような構成により、抑圧すべき信号成分を抑圧するとともに、他の信号成分を残すことができ、抑圧すべき信号成分を効率的に抑圧できる。
さらに、本実施の形態1のパッシブレーダ装置1における不要周波数算出部21は、周波数解析部13で算出されたレンジドップラデータの中であらかじめ設定されたレベルを超える電力を持つゼロドップラ周波数以外の周波数とゼロドップラ周波数を抑圧する信号のもつ複数のドップラ周波数として抽出することを特徴とする。このような構成により、送信信号が変調波である場合に不要波に対して生じるゼロ周波数とゼロ周波数以外のドップラ周波数とを抽出することができ、変調波に対応する周波数成分を効率的に抽出することができる。
1:パッシブレーダ装置、2:送信局、3:送信アンテナ、4:目標、5:目標散乱波、6:クラッタ、10:REF系アンテナ、11:SUR系アンテナ、12:自己相関算出部、13:周波数解析部、14:不要波抑圧フィルタ算出部、15:相互相関算出部、16:不要波抑圧部、21:不要周波数算出部、22:フィルタ算出部、31:受信装置、32、処理回路、33:受信装置、34:処理回路、35:メモリ

Claims (5)

  1. 送信局から送信された送信信号を受信する第1のアンテナと、
    前記送信信号の目標での反射波を含む信号を受信する第2のアンテナと、
    前記第1のアンテナでの受信信号を時間ごとに区分し、前記区分ごとの自己相関演算の結果を求める自己相関算出部と、
    前記自己相関算出部で求められた自己相関演算の結果を離散フーリエ変換してレンジドップラデータを算出する周波数解析部と、
    前記周波数解析部で算出されたレンジドップラデータに基づき、前記レンジドップラデータで示される周波数の範囲において、抑圧する信号の側波帯ドップラ成分を含むドップラ周波数を算出し、該ドップラ周波数に基づき不要波抑圧フィルタのパラメータを算出する不要波抑圧フィルタ算出部と、
    前記第2のアンテナでの受信信号と前記第1のアンテナでの受信信号との相互相関演算の結果からレンジヒットデータを算出する相互相関算出部と、
    前記相互相関算出部で算出されたレンジヒットデータに含まれる不要波成分を、前記不要波抑圧フィルタ算出部で算出された不要波抑圧フィルタのパラメータを用いて、抑圧する不要波抑圧部と、
    を備えることを特徴とするパッシブレーダ装置。
  2. 前記不要波抑圧フィルタ算出部は、
    前記周波数解析部で算出されたレンジドップラデータを用いて、前記ドップラ周波数を抽出する不要周波数算出部と、
    前記不要周波数算出部で抽出されたドップラ周波数を用いて、不要波抑圧フィルタのパラメータを算出するフィルタ算出部と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のパッシブレーダ装置。
  3. 前記不要波抑圧フィルタのパラメータは、前記不要波成分を含む前記レンジヒットデータに乗じることができる行列形式で表されることを特徴とする請求項2に記載のパッシブレーダ装置。
  4. 前記不要波抑圧フィルタのパラメータは、前記不要波成分を含む前記レンジヒットデータに乗じることができる、前記不要周波数算出部で抽出されたドップラ周波数に対応する信号成分を表すベクトルを抑圧する射影行列であることを特徴とする請求項3に記載のパッシブレーダ装置。
  5. 前記不要周波数算出部は、前記周波数解析部で算出されたレンジドップラデータの中であらかじめ設定されたレベルを超える電力を持つゼロドップラ周波数以外のドップラ周波数とゼロドップラ周波数を前記ドップラ周波数として抽出することを特徴とする請求項2または請求項3に記載のパッシブレーダ装置。
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