JP6996880B2 - クラッタ除去装置及びクラッタ除去プログラム - Google Patents

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Description

本開示は、クラッタによる信号を除去し目標による信号を抽出する技術に関する。
クラッタによる信号を除去し目標による信号を抽出する技術が従来から存在する。特許文献1では、レーダ送信装置においてマグネトロンを使用し、信号強度に基づく信号処理を実行する。ここで、STC(Sensitive Time Control)補正を実行し、信号強度に基づいてクラッタによる信号と目標による信号とを識別する。
従来技術のクラッタによる信号の除去方法を図1に示す。図1の左欄に示したように、STC補正前では、クラッタ及び目標による信号が距離の4乗に反比例する背景強度に重畳し、クラッタ及び目標による信号の強度が表示閾値より大きく、クラッタ及び目標がレーダ表示される。図1の中欄に示したように、STCカーブは、背景反射の信号強度を振幅反転させたものであり、レーダ受信信号に加算される。図1の右欄に示したように、STC補正後では、クラッタ及び目標による信号が距離にほぼ依存しない背景強度に重畳し、クラッタによる信号の強度は表示閾値より小さく、クラッタはレーダ表示されないが、目標による信号の強度は表示閾値より大きく、目標はレーダ表示される。
特許第6061588号明細書
つまり、目標による信号の強度がクラッタによる信号の強度より大きく、SC比が正であるときには、STC補正を実行することにより、クラッタによる信号を除去し目標による信号を抽出することが容易となる。しかし、目標による信号の強度がクラッタによる信号の強度より小さく、SC比が負であるときには、STC補正を実行したとしても、クラッタによる信号を除去し目標による信号を抽出することが困難である。
そこで、前記課題を解決するために、本開示は、目標による信号の強度がクラッタによる信号の強度より小さく、SC比が負であるときであっても、クラッタによる信号を除去し目標による信号を抽出することを容易にすることを目的とする。
前記課題を解決するために、目標は移動の速度成分のみを有するため、目標の速度分散つまりドップラ周波数分散は小さいのに対して、クラッタは様々な速度成分を有するため、クラッタの速度分散つまりドップラ周波数分散は大きいことを利用する。
具体的には、本開示は、レーダ受信信号を時間領域から周波数領域へと変換する受信信号変換部と、周波数領域でのレーダ受信信号中のピークのうち、閾値分散より大きいドップラ周波数分散を有するピークを、クラッタによるものとして識別するクラッタ識別部と、周波数領域でのレーダ受信信号中のピークのうち、前記クラッタ識別部がクラッタによるものとして識別したピークを除去するクラッタ除去部と、前記クラッタ除去部がクラッタによるものとして識別されたピークを除去したレーダ受信信号を、周波数領域から時間領域へと逆変換する受信信号逆変換部と、を備えることを特徴とするクラッタ除去装置である。
また、本開示は、レーダ受信信号を時間領域から周波数領域へと変換する受信信号変換ステップと、周波数領域でのレーダ受信信号中のピークのうち、閾値分散より大きいドップラ周波数分散を有するピークを、クラッタによるものとして識別するクラッタ識別ステップと、周波数領域でのレーダ受信信号中のピークのうち、前記クラッタ識別ステップでクラッタによるものとして識別したピークを除去するクラッタ除去ステップと、前記クラッタ除去ステップでクラッタによるものとして識別されたピークを除去したレーダ受信信号を、周波数領域から時間領域へと逆変換する受信信号逆変換ステップと、を順にコンピュータに実行させるためのクラッタ除去プログラムである。
この構成によれば、目標の速度分散つまりドップラ周波数分散がクラッタの速度分散つまりドップラ周波数分散と分離しているときには、目標による信号の強度がクラッタによる信号の強度より小さく、SC比が負であるときであっても、クラッタによる信号を除去し目標による信号を抽出することが容易となる。一方で、目標の速度分散つまりドップラ周波数分散がクラッタの速度分散つまりドップラ周波数分散に重畳しているときでも、目標による信号の強度がクラッタによる信号の強度より大きく、SC比が正であるときであれば、クラッタによる信号を除去し目標による信号を抽出することが容易となる。
また、本開示は、前記クラッタ識別部は、レーダ送受信装置周辺の気象条件に応じた前記閾値分散より大きいドップラ周波数分散を有するピークを、クラッタによるものとして識別することを特徴とするクラッタ除去装置である。
この構成によれば、レーダ送受信装置周辺の気象条件が激しいときには、クラッタの速度分散つまりドップラ周波数分散が比較的大きいことを利用して、ドップラ周波数分散に対する閾値を大きくすることにより、目標による信号をクラッタによる信号と誤って識別することをより確実に防止することができる。一方で、レーダ送受信装置周辺の気象条件が穏やかなときには、クラッタの速度分散つまりドップラ周波数分散が比較的小さいことを利用して、ドップラ周波数分散に対する閾値を小さくすることにより、クラッタによる信号を目標による信号と誤って識別することをより確実に防止することができる。
また、本開示は、前記クラッタ識別部は、前記閾値分散より大きいドップラ周波数分散を有するとともに、レーダ送受信装置周辺の気象条件に応じた周波数中心の近傍にドップラ周波数中心を有するピークを、クラッタによるものとして識別することを特徴とするクラッタ除去装置である。
この構成によれば、レーダ送受信装置周辺の気象条件から予測されるクラッタの速度中心つまりドップラ周波数中心と、速度分散つまりドップラ周波数分散が大きいピーク信号の速度中心つまりドップラ周波数中心と、の一致/不一致に基づいて、クラッタによらない信号をクラッタによる信号と誤って識別することをより確実に防止することができる。
このように、本開示は、目標による信号の強度がクラッタによる信号の強度より小さく、SC比が負であるときであっても、クラッタによる信号を除去し目標による信号を抽出することを容易にすることができる。
従来技術のクラッタによる信号の除去方法を示す図である。 本開示のレーダシステムの構成を示す図である。 本開示のクラッタによる信号の除去手順を示すフローチャートである。 本開示のクラッタによる信号の除去方法を示す図である。 本開示のドップラ周波数分散/中心の計測方法を示す図である。 本開示の閾値分散の設定方法を示す図である。 本開示の周波数中心の設定方法を示す図である。
添付の図面を参照して本開示の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本開示の実施の例であり、本開示は以下の実施形態に制限されるものではない。
本開示の実施形態では、レーダ送信装置において固体素子を使用し、コヒーレント信号処理を実行する。ここで、目標は移動の速度成分のみを有するため、目標の速度分散つまりドップラ周波数分散は小さいのに対して、クラッタは様々な速度成分を有するため、クラッタの速度分散つまりドップラ周波数分散は大きいことを利用する。
本開示のレーダシステムの構成を図2に示す。本開示のクラッタによる信号の除去手順を図3に示す。本開示のクラッタによる信号の除去方法を図4に示す。レーダシステムSは、レーダ送受信装置1、クラッタ除去装置2及びレーダ表示装置3から構成される。
レーダ送受信装置1は、レーダ送信部11、レーダ送信アンテナ12、レーダ受信部13及びレーダ受信アンテナ14から構成される。レーダ送信部11は、レーダ送信アンテナ12を使用し、目標及びクラッタへの照射信号を送信する。レーダ受信部13は、レーダ受信アンテナ14を使用し、目標及びクラッタからの反射信号を受信する。
クラッタ除去装置2は、受信信号変換部21、ピーク検出部22、クラッタ識別部23、目標除去部24、逆相加算部25及び受信信号逆変換部26から構成され、クラッタによる信号を除去し、目標による信号を抽出する。クラッタ除去装置2は、クラッタ除去プログラムをコンピュータにインストールすることにより、実現することができる。
レーダ表示装置3は、受信信号処理部31及びレーダ表示部32から構成される。受信信号処理部31は、クラッタ除去処理以外の所定信号処理を実行する。レーダ表示部32は、クラッタをレーダ表示することなく、目標のみをレーダ表示することができる。
クラッタ除去装置2について説明する。受信信号変換部21は、レーダ受信信号を時間領域から周波数領域へと変換する(ステップS1)。ここで、図4の上段の左から1番目に示したように、受信信号変換部21の入力信号は、対象レンジにおける時間領域でのレーダ受信信号であり、クラッタによる信号を重畳されている。そして、図4の上段の左から2番目に示したように、受信信号変換部21の出力信号は、FFT(Fast Fourier Transform)を施した周波数領域でのレーダ受信信号である。
クラッタ識別部23は、周波数領域でのレーダ受信信号中のピークのうち、閾値分散より大きいドップラ周波数分散を有するピークを、クラッタによるものとして識別する(ステップS5においてYES、ステップS8)。クラッタ識別部23の詳細を説明する。
ピーク検出部22は、周波数領域でのレーダ受信信号中のピークを検出し、ドップラ周波数分散/中心を計測する(ステップS2)。ここで、図4の上段の左から3番目に示したように、ピーク検出部22の出力信号では、ドップラ周波数分散v/中心fを有する幅が狭いピークと、ドップラ周波数分散v/中心fを有する幅が広いピークと、が検出されている。本開示のドップラ周波数分散/中心の計測方法を図5に示す。
図5の上段では、レーダ送受信装置1周辺の気象条件が激しいときについて示す。例えば、船舶Mに対する風又は波等の強さ及び方向を示す風波方向ベクトルWの長さが長いときについて示す。このとき、降雨又は海面等のクラッタによる信号の振幅は大きいため、ピーク検出部22は、ピーク/非ピークを識別するための振幅閾値を大きく設定する。そして、ピーク検出部22は、周波数領域でのレーダ受信信号中のピークのうち、振幅閾値を超える部分について、ドップラ周波数分散v(1)/中心f(1)を計測する。
図5の下段では、レーダ送受信装置1周辺の気象条件が穏やかなときについて示す。例えば、船舶Mに対する風又は波等の強さ及び方向を示す風波方向ベクトルWの長さが短いときについて示す。このとき、降雨又は海面等のクラッタによる信号の振幅は小さいため、ピーク検出部22は、ピーク/非ピークを識別するための振幅閾値を小さく設定する。そして、ピーク検出部22は、周波数領域でのレーダ受信信号中のピークのうち、振幅閾値を超える部分について、ドップラ周波数分散v(2)/中心f(2)を計測する。
クラッタ識別部23は、レーダ送受信装置1周辺の気象条件、レーダ送受信装置1の移動速度及びレーダ送信/受信アンテナ12/14の指向方向に応じた閾値分散を設定する(ステップS3)。ここで、クラッタ識別部23が設定する閾値分散は、周波数領域でのレーダ受信信号中のピークのドップラ周波数分散が、目標及びクラッタのうちいずれによるものかを識別するための設定値であり、プログラムによる自動又はユーザによる手動で設定することができる。本開示の閾値分散の設定方法を図6に示す。
図6の左欄では、レーダ送受信装置1周辺の気象条件が激しいときについて示す。例えば、船舶Mに対する風又は波等の強さ及び方向を示す風波方向ベクトルWの長さが長いときについて示す。このとき、クラッタは速い速度までに渡る様々な速度成分を有するため、クラッタ識別部23は、閾値分散vth(1)を大きく設定する。
図6の右欄では、レーダ送受信装置1周辺の気象条件が穏やかなときについて示す。例えば、船舶Mに対する風又は波等の強さ及び方向を示す風波方向ベクトルWの長さが短いときについて示す。このとき、クラッタは遅い速度までのみの様々な速度成分を有するため、クラッタ識別部23は、閾値分散vth(2)を小さく設定する。
クラッタ識別部23は、レーダ送受信装置1周辺の気象条件、レーダ送受信装置1の移動速度及びレーダ送信/受信アンテナ12/14の指向方向に応じた周波数中心を設定する(ステップS4)。ここで、クラッタ識別部23が設定する周波数中心は、周波数領域でのレーダ受信信号中のピークのドップラ周波数中心が、クラッタによるものかどうかを識別するための設定値であり、プログラムによる自動又はユーザによる手動で設定することができる。本開示の周波数中心の設定方法を図7に示す。
図7の左上欄では、船舶Mが海上で静止しており、風又は波等の風波方向ベクトルWと、レーダ送信/受信アンテナ12/14の指向方向Aと、が同方向であるときについて示す。このとき、船舶Mからレーダ送信/受信アンテナ12/14の指向方向Aを見ると、風又は波等の風波方向ベクトルWの方向は船舶Mから遠ざかる方向であるため、クラッタ識別部23は、周波数中心f(1)を負の値に設定する。
図7の右上欄では、船舶Mが海上で静止しており、風又は波等の風波方向ベクトルWと、レーダ送信/受信アンテナ12/14の指向方向Aと、が逆方向であるときについて示す。このとき、船舶Mからレーダ送信/受信アンテナ12/14の指向方向Aを見ると、風又は波等の風波方向ベクトルWの方向は船舶Mへと近づく方向であるため、クラッタ識別部23は、周波数中心f(2)を正の値に設定する。
図7の左下欄では、図7の上段と同様に風又は波等が立つときにおいて、船舶Mから見た風又は波等の相対速度方向(風又は波等の相対方向ベクトルW’=風又は波等の風波方向ベクトルW-船舶Mの移動方向ベクトルR)と、レーダ送信/受信アンテナ12/14の指向方向Aと、が垂直であるときについて示す。このとき、船舶Mからレーダ送信/受信アンテナ12/14の指向方向Aを見ると、風又は波等の相対方向ベクトルW’のうち、レーダ送信/受信アンテナ12/14の指向方向Aに平行な成分の大きさは0となるため、クラッタ識別部23は、周波数中心f(3)を0に設定する。
図7の右下欄では、図7の上段と同様に風又は波等が立つときにおいて、船舶Mから見た風又は波等の相対速度方向(風又は波等の相対方向ベクトルW’=風又は波等の風波方向ベクトルW-船舶Mの移動方向ベクトルR)と、レーダ送信/受信アンテナ12/14の指向方向Aと、が平行であるときについて示す。このとき、船舶Mからレーダ送信/受信アンテナ12/14の指向方向Aを見ると、風又は波等の相対方向ベクトルW’の方向は船舶Mへとより速く近づく方向であるため、クラッタ識別部23は、周波数中心f(4)を周波数中心f(2)より大きい正の値に設定する。
クラッタ識別部23は、以下の条件(1)を満たすピークを、目標によるものとして識別する(ステップS6)。条件(1):レーダ送受信装置1周辺の気象条件、レーダ送受信装置1の移動速度及びレーダ送信/受信アンテナ12/14の指向方向に応じた閾値分散vthより小さいドップラ周波数分散vを有する(ステップS5においてNO)。
クラッタ識別部23は、以下の条件(2)、(3)を満たすピークを、クラッタによるものとして識別する(ステップS8)。条件(2):レーダ送受信装置1周辺の気象条件、レーダ送受信装置1の移動速度及びレーダ送信/受信アンテナ12/14の指向方向に応じた閾値分散vthより大きいドップラ周波数分散vを有する(ステップS5においてYES)。条件(3):レーダ送受信装置1周辺の気象条件、レーダ送受信装置1の移動速度及びレーダ送信/受信アンテナ12/14の指向方向に応じた周波数中心fの近傍にドップラ周波数中心fを有する(ステップS7においてYES)。
クラッタ識別部23は、以下の条件(2)、(4)を満たすピークを、目標及びクラッタのうちいずれにもよらないものとして識別する。条件(2):レーダ送受信装置1周辺の気象条件、レーダ送受信装置1の移動速度及びレーダ送信/受信アンテナ12/14の指向方向に応じた閾値分散vthより大きいドップラ周波数分散vを有する(ステップS5においてYES)。条件(4):レーダ送受信装置1周辺の気象条件、レーダ送受信装置1の移動速度及びレーダ送信/受信アンテナ12/14の指向方向に応じた周波数中心fの近傍にドップラ周波数中心fを有さない(ステップS7においてNO)。
図4の下段の左から1番目に示したように、クラッタ識別部23の出力信号では、ドップラ周波数分散v/中心fを有する幅が狭いピークが、目標によるものとして識別されており、ドップラ周波数分散v/中心fを有する幅が広いピークが、クラッタによるものとして識別されており、残りの背景が雑音によるものとして識別されている。
逆相加算部25は、目標除去部24と合わせて、周波数領域でのレーダ受信信号中のピークのうち、クラッタ識別部23がクラッタによるものとして識別したピークを除去する(ステップS9、S10)。目標除去部24及び逆相加算部25の詳細を説明する。
目標除去部24は、周波数領域でのレーダ受信信号中のピークのうち、クラッタ識別部23が目標によるものとして識別したピークを暫定的ではあるが除去する(ステップS9)。ここで、図4の下段の左から2番目に示したように、目標除去部24の出力信号では、目標によるものとして識別されたピークが暫定的ではあるが除去されている。
逆相加算部25は、受信信号変換部21が出力したレーダ受信信号に対して、目標除去部24が出力したレーダ受信信号を逆相加算する(ステップS10)。ここで、図4の下段の左から3番目に示したように、逆相加算部25の出力信号では、クラッタによるものとして識別されたピークが最終的に除去されている。なお、クラッタによるものとして識別されたピークを直接的に除去するのではなく、目標によるものとして識別されたピークを暫定的に除去する理由として、幅が狭いピークを直接的に除去する方が、幅が広いピークを直接的に除去するより、容易であるとともに精度が高いからである。
受信信号逆変換部26は、逆相加算部25がクラッタによるものとして識別されたピークを除去したレーダ受信信号を、周波数領域から時間領域へと逆変換する(ステップS11)。ここで、図4の下段の左から4番目に示したように、受信信号逆変換部26の出力信号は、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)を施した時間領域でのレーダ受信信号であり、クラッタによる信号を重畳されていない。
図4のように、目標の速度分散つまりドップラ周波数分散がクラッタの速度分散つまりドップラ周波数分散と分離しているときには、目標による信号の強度がクラッタによる信号の強度より小さく、SC比が負であるときであっても、クラッタによる信号を除去し目標による信号を抽出することが容易となる。一方で、目標の速度分散つまりドップラ周波数分散がクラッタの速度分散つまりドップラ周波数分散に重畳しているときでも、目標による信号の強度がクラッタによる信号の強度より大きく、SC比が正であるときであれば、クラッタによる信号を除去し目標による信号を抽出することが容易となる。
図6のように、レーダ送受信装置1周辺の気象条件が激しいときには、クラッタの速度分散つまりドップラ周波数分散が比較的大きいことを利用して、ドップラ周波数分散に対する閾値を大きくすることにより、目標による信号をクラッタによる信号と誤って識別することをより確実に防止することができる。一方で、レーダ送受信装置1周辺の気象条件が穏やかなときには、クラッタの速度分散つまりドップラ周波数分散が比較的小さいことを利用して、ドップラ周波数分散に対する閾値を小さくすることにより、クラッタによる信号を目標による信号と誤って識別することをより確実に防止することができる。
そして、ドップラ周波数分散に対する閾値に対して、レーダ送受信装置1周辺の気象条件を考慮するのみならず、レーダ送受信装置1の移動速度及びレーダ送信/受信アンテナ12/14の指向方向を考慮することにより、補正を施すことができる。
図7のように、レーダ送受信装置1周辺の気象条件から予測されるクラッタの速度中心つまりドップラ周波数中心と、速度分散つまりドップラ周波数分散が大きいピーク信号の速度中心つまりドップラ周波数中心と、の一致/不一致に基づいて、クラッタによらない信号をクラッタによる信号と誤って識別することをより確実に防止することができる。
そして、予測されるクラッタのドップラ周波数中心に対して、レーダ送受信装置1周辺の気象条件を考慮するのみならず、レーダ送受信装置1の移動速度及びレーダ送信/受信アンテナ12/14の指向方向を考慮することにより、補正を施すことができる。
本開示のクラッタ除去装置及びクラッタ除去プログラムは、目標による信号の強度がクラッタによる信号の強度より小さく、SC比が負であるときであっても、クラッタによる信号を除去し目標による信号を抽出することを容易にすることができる。
S:レーダシステム
M:船舶
W:風波方向ベクトル
R:移動方向ベクトル
W’:相対方向ベクトル
A:アンテナ指向方向
1:レーダ送受信装置
2:クラッタ除去装置
3:レーダ表示装置
11:レーダ送信部
12:レーダ送信アンテナ
13:レーダ受信部
14:レーダ受信アンテナ
21:受信信号変換部
22:ピーク検出部
23:クラッタ識別部
24:目標除去部
25:逆相加算部
26:受信信号逆変換部
31:受信信号処理部
32:レーダ表示部

Claims (4)

  1. レーダ受信信号を時間領域から周波数領域へと変換する受信信号変換部と、
    周波数領域でのレーダ受信信号中のピークのうち、レーダ送受信装置周辺の気象条件に応じた閾値分散より大きいドップラ周波数分散を有するとともに、レーダ送受信装置周辺の気象条件に応じた周波数中心の近傍にドップラ周波数中心を有するピークを、クラッタによるものとして識別するクラッタ識別部と、
    周波数領域でのレーダ受信信号中のピークのうち、前記クラッタ識別部がクラッタによるものとして識別したピークを除去するクラッタ除去部と、
    前記クラッタ除去部がクラッタによるものとして識別されたピークを除去したレーダ受信信号を、周波数領域から時間領域へと逆変換する受信信号逆変換部と、
    を備えることを特徴とするクラッタ除去装置。
  2. 前記クラッタ識別部は、レーダ送受信装置周辺の気象条件に応じた前記閾値分散より大きいドップラ周波数分散を有するとともに、レーダ送受信装置周辺の気象条件、レーダ送受信装置の移動速度及びレーダ送信/受信アンテナの指向方向に応じた前記周波数中心の近傍にドップラ周波数中心を有するピークを、クラッタによるものとして識別する
    ことを特徴とする、請求項1に記載のクラッタ除去装置。
  3. レーダ受信信号を時間領域から周波数領域へと変換する受信信号変換ステップと、
    周波数領域でのレーダ受信信号中のピークのうち、レーダ送受信装置周辺の気象条件に応じた閾値分散より大きいドップラ周波数分散を有するとともに、レーダ送受信装置周辺の気象条件に応じた周波数中心の近傍にドップラ周波数中心を有するピークを、クラッタによるものとして識別するクラッタ識別ステップと、
    周波数領域でのレーダ受信信号中のピークのうち、前記クラッタ識別ステップでクラッタによるものとして識別したピークを除去するクラッタ除去ステップと、
    前記クラッタ除去ステップでクラッタによるものとして識別されたピークを除去したレーダ受信信号を、周波数領域から時間領域へと逆変換する受信信号逆変換ステップと、
    を順にコンピュータに実行させるためのクラッタ除去プログラム。
  4. 前記クラッタ識別ステップは、レーダ送受信装置周辺の気象条件に応じた前記閾値分散より大きいドップラ周波数分散を有するとともに、レーダ送受信装置周辺の気象条件、レーダ送受信装置の移動速度及びレーダ送信/受信アンテナの指向方向に応じた前記周波数中心の近傍にドップラ周波数中心を有するピークを、クラッタによるものとして識別する
    ことを特徴とする、請求項3に記載のクラッタ除去プログラム。
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