JP2002323559A - レーダ用信号処理装置 - Google Patents

レーダ用信号処理装置

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JP2002323559A
JP2002323559A JP2001127096A JP2001127096A JP2002323559A JP 2002323559 A JP2002323559 A JP 2002323559A JP 2001127096 A JP2001127096 A JP 2001127096A JP 2001127096 A JP2001127096 A JP 2001127096A JP 2002323559 A JP2002323559 A JP 2002323559A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 目標の捜索及び追尾処理中に、目標の類別処
理を可能とする。 【解決手段】 目標の追尾結果を入力できる類別処理系
6の中に、目標のドップラスペクトラムを算出するFF
T処理部18と、類別処理に不要なスペクトラム成分を
除去する不要信号除去部19と、目標スペクトラムをそ
のピーク値で相対化し、更に目標類別処理部22におけ
る類別処理に適したフォーマットに合わせた規格化スペ
クトラムとして出力できるスペクトラム規格化部20
と、規格化スペクトラムを、追尾目標毎に、アンテナ走
査にわたり平均化するスペクトラム平均化部21、及び
平均化されたスペクトラムから目標を類別する目標類別
処理部22とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アンテナから電波
を放射し、照射された物標からの反射波を受けて物標の
存在を検知するとともにその位置を測るためのレーダ装
置に用いられる、レーダ用信号処理装置に関し、詳しく
は、目標からの反射信号のドップラ周波数成分から反射
物体を類別するレーダ用信号処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は、従来のレーダ用信号処理装置を
示すブロック図である。以下、この図面に基づき説明す
る。
【0003】レーダ用信号処理装置53は、目標からの
反射信号に基づき当該目標の検出及び追尾を行う検出・
追尾系55と、反射信号のドップラ周波数成分に基づき
反射物体を類別する類別処理系56とを備え、反射波の
ドップラ周波数成分から移動目標を類別するコヒアレン
トパルスドップラ方式のレーダ装置に用いられている。
【0004】レーダ用信号処理装置53における動作モ
ードは、目標を捜索・追尾するための捜索モードと、操
作員による目標種類の類別を支援するための類別モード
との、二つのモードに大別される。目標類別までの手順
を以下に示す。
【0005】まず、操作員は、捜索モードで類別対象の
目標を選定した後、動作モードを類別モードに変更す
る。続いて、空中線部1において放射されるビーム方向
が類別対象の目標の方向になるように、空中線方向を調
整することにより、類別処理を行う距離を目標の位置に
設定する。そして、継続的に出力される前述の類別処理
の結果を確認し、最終的には自らの判断で目標類別を行
う。以下に、目標類別までの運用手順に沿って、捜索モ
ード、類別モードの順に動作説明を行う。
【0006】捜索モードにおいては、空中線部1は定め
られた捜索周期に従い方位方向に駆動される。指向され
たビーム方向に目標が存在する場合、目標からの反射信
号は、空中線部1を介して送受信部2に入力され、周波
数変換及び位相検波がなされてコヒアレント受信I(In
-phase),Q(Quadrature)ビデオとしてレーダ用信号
処理装置53に入力される。
【0007】コヒアレント受信I,Qビデオは、レーダ
用信号処理装置53の内部で、目標の検出及び追尾を行
うための検出・追尾系55と、目標類別用のドップラ情
報を出力するための類別処理系56との、両方の系に分
岐される。類別処理系56については、捜索モードでは
運用上有意な処理を行うわけではないので、ここでは説
明を省略する。
【0008】検出・追尾系55に入力されたコヒアレン
ト受信I,Qビデオは、クラッタ(不要反射)抑圧部5
7においてMTI(Moving Target Indicator)処理、
ドップラフィルタ処理、CFAR(Constant False Ala
rm Rate)処理等がなされることにより、目標信号以外
の不要信号が除去された処理ビデオとして、表示制御部
54及び目標検出・標定部58へ出力される。目標検出
・標定部58では、処理ビデオの振幅に対するスレッシ
ョールド判定処理等により目標の有無を検出するととも
に、空中線部1からの空中線方向信号を参照して目標の
位置を標定し、目標位置、処理ビデオ振幅等の標定結果
を目標追尾部59及び表示制御部54へ出力する。
【0009】目標追尾部59では、前回までのアンテナ
走査により得られた過去の標定結果に基づき計算された
現アンテナ走査における目標予測位置範囲を示す予測ゲ
ートと、今回入力された目標位置との比較を行い、予測
ゲート内の目標のうち最も予測中心位置に近い目標を追
尾目標と判定し、追尾目標位置等の追尾結果を表示制御
部54へ出力する。
【0010】レーダ用信号処理装置53から出力された
処理ビデオと目標の追尾結果とは、表示制御部54のレ
ーダスコープ54a上に表示されるので、操作員はこの
表示内容から目標の位置を知ることができる。
【0011】次に、類別モードの内容及び動作について
説明する。類別モードでは、空中線部1のビーム方向を
目標方向に指向させ、継続的に目標からの反射波が受信
できる状態で、レーダ送信パルス周期毎に得られるコヒ
アレント受信Iビデオ及びQビデオから、目標のレーダ
方向分の移動により生じるドップラ周波数成分を抽出す
ることにより、ドップラスペクトラム表示及びドップラ
聴音発生を行っている。
【0012】捜索モードにより得られた目標の中から任
意の類別対象目標を決定後、操作員は、表示制御部54
のレーダ制御部54bの操作により、レーダ動作モード
を捜索モードから類別モードに変更し、類別対象目標方
向に空中線部1のビーム方向を走査し、更に、類別処理
を行う距離をレーダスコープ54a上で指定する。
【0013】このとき、レーダ制御部54bから類別処
理系56に対して、類別処理を行う距離を示す距離ゲー
ト信号が出力される。類別処理系56のFFT(Fast F
ourier Transform)処理部68及びドップラ聴音抽出部
61では、距離ゲート信号により指定された距離につい
て、それぞれドップラスペクトラム表示のためのFFT
処理とドップラ聴音発生のためのドップラ聴音データ抽
出処理とを行っている。
【0014】FFT処理部68から出力されるスペクト
ラムデータは、表示制御部54のスペクトラム表示器5
4cにおいて、図7に示すようなスペクトラム波形とし
て表示される。図7において、横軸はドップラ周波数、
縦軸は目標受信信号パワーを示しており、FFTのポイ
ント数がnの場合、ドップラ周波数の周波数分解能Δf
[Hz]は、 Δf=PRF/n ただし、PRFは送信パルス繰り返
し周波数[Hz] となり、ドップラ周波数Δf毎のn個のスペクトラムデ
ータ列が得られる。
【0015】類別処理系56におけるFFT処理時の周
波数分解能Δfは、スペクトラム表示から操作員が視覚
により類別を行うために、十分な分解能を有する必要が
ある。したがって、通常の場合、類別処理系56のFF
T処理時の周波数分解能は、図8に示すように、検出・
追尾系55のクラッタ抑圧部57で用いられるドップラ
フィルタの周波数分解能より大きく(Δfの値が小さ
く)なる。
【0016】また、目標のレーダ方向の移動速度をVr
[m/s]とすると、受信信号電力がピーク値となるド
ップラ周波数fp[Hz]は、一般に次式で与えられ
る。 fp=2Vr/λ ただし、λはレーダ送信波長
[m]
【0017】目標が、レーダ方向に対して、目標の移動
速度成分以外に別の速度成分を持つ場合は、前述のドッ
プラ周波数fp以外のドップラ周波数でも、スペクトラ
ムが表示されることになる。例えば、車輪により移動す
る車両を本レーダ装置で観測した場合は、車輪からの反
射波のドップラ周波数は、原理的に0〜2Vrの範囲で
広がりを持つことになる。したがって、目標毎のスペク
トラム形状の違いから、目標を類別することが可能とな
る。
【0018】ドップラ聴音抽出部61では、送受信部2
からレーダ送信パルス周期毎に入力されるコヒアレント
受信Iビデオ又はQビデオから、ドップラ聴音データを
抽出して表示制御部54へ出力する。聴音データは、表
示制御部54の聴音変換部54dにてアナログ信号であ
る可聴音信号に変換され、ドップラ聴音としてスピーカ
62から発生される。
【0019】同一目標を類別中であっても、レーダ用信
号処理装置53から出力されるドップラスペクトラム表
示やドップラ聴音は、その目標の移動方向や速度の変化
に応じて様々に変動する。従って、レーダ用信号処理装
置53では、操作員が、継続的に得られるスペクトラム
表示とドップラ聴音とから、自己の視覚及び聴覚の記憶
に基づいて目標の類別を実施している。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、レーダ
用信号処理装置53では次のよう問題点があった。
【0021】第一の問題点は、目標類別時に他の目標を
追尾できないことである。その理由は、操作員が自己の
視覚及び聴覚により目標の類別を行う都合上、類別が終
了するまでの間、継続的に目標からの受信信号が得られ
る状態を保つ必要があるので、アンテナのビーム方向を
類別対象の目標方向に指向させておく必要があるからで
ある。
【0022】第二の問題点は、目標類別時の操作員の労
力及び熟練度が大きくなることである。その理由は、次
のとおりである。類別に資する情報としてドップラスペ
クトラム及びドップラ聴音を操作員へ提供する機能を有
しているものの、それらのドップラスペクトラム及びド
ップラ聴音は、目標の移動方向や速度の変化に応じて、
時々刻々、様々に変化する。そのため、操作員は、スペ
クトラム表示の読み取りやドップラ聴音の聞き分けに十
分慣れており、類別する目標種類毎の特徴的なスペクト
ラム表示やドップラ聴音についての予備知識を有してい
ないと、類別が困難になるからである。
【0023】一方、操作員の熟練度に頼らずに自動的に
目標を類別処理する目標類別装置が、例えば特開平7−
92259号公報に開示されている。この目標類別装置
は、ドップラレーダによって取得した情報から特徴を抽
出し、抽出した特徴と既に持っている類別対象の特徴と
を比較し、その合致する割合に基づいて類別処理を行う
ものである。
【0024】しかしながら、この種の目標類別装置では
次のような問題点があった。
【0025】第一の問題点は、目標類別時に他の目標を
追尾することが難しいことである。その理由は、目標の
移動方向及び速度に応じてアンテナ走査毎に変化するド
ップラスペクトラムに対して何も工夫されていないこと
により、類別が終了するまでの間、継続的に目標からの
受信信号が得られる状態を保つ必要があるので、空中線
のビーム方向を類別対象の目標方向に指向させておく必
要があるからである。
【0026】第二の問題点は、目標類別を迅速かつ正確
に実行することが難しいことである。その理由は、目標
の移動方向及び速度の変化に応じて時々刻々様々に変化
するドップラスペクトラムに対して何も工夫されていな
いことにより、照合用のデータベースが膨大になるの
で、照合に要する時間も長くなってしまうからである。
そのため、実際の現場では前述のレーダ用信号処理装置
53が使用されている。
【0027】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、捜索・追尾処
理と並行して、目標の類別を行うことができるレーダ用
信号処理装置を提供することにある。また、本発明の他
の目的は、目標類別のために要する操作員の労力や熟練
度を軽減することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明に係るレーダ用信
号処理装置は、目標からの反射信号に基づき当該目標の
検出及び追尾を行う検出・追尾系と、その反射信号のド
ップラ周波数成分に基づき反射物体を類別する類別処理
系とを備えたものである。そして、類別処理系は、検出
・追尾系から目標の位置を入力して、その位置における
ドップラスペクトラムを目標スペクトラムとして出力す
る目標スペクトラム出力部(例えばFFT処理部)と、
目標スペクトラムを構成するパワー及びそのドップラ周
波数について、ピークパワー及びそのドップラ周波数で
除算することにより相対化し、その相対化されたスペク
トラムを所定のフォーマットに変換した規格化スペクト
ラムとして出力するスペクトラム規格化部と、その規格
化スペクトラムに基づき目標を類別処理する目標類別処
理部とを備えている(請求項1)。
【0029】類別処理系は、目標スペクトラムからノイ
ズレベル相当の不要成分を除去してスペクトラム規格化
部へ出力する不要信号除去部を更に備えた、としてもよ
い(請求項2)。
【0030】類別処理系は、複数回のアンテナ走査によ
って入力された同一の前記目標についての複数の規格化
スペクトラムを平均化し、その平均値を平均化スペクト
ラムとして出力するスペクトラム平均化部を更に備え、
目標類別処理部が平均化スペクトラムに基づき目標を類
別処理する、としてもよい(請求項3)。
【0031】スペクトラム平均化部は、今回のアンテナ
走査における規格化スペクトラムと、スペクトラムメモ
リ中に保持されている平均化スペクトラムとの間で平均
値を求め、その平均値を平均化スペクトラムとしてスペ
クトラムメモリに保持するとともに目標類別処理部へ出
力する、としてもよい(請求項4)。
【0032】スペクトラム平均化部は、アンテナ走査毎
に、規格化スペクトラムを構成する規格化ドップラ周波
数毎の規格化パワーの積分値と、規格化パワーが0以外
の有効値であった有効走査数とを求め、積分値を有効走
査数で除算することにより、規格化ドップラ周波数毎の
規格化パワーの平均値を算出し、その平均値を平均化ス
ペクトラムとして目標類別処理部へ出力する、としても
よい(請求項5)。
【0033】検出・追尾系は、反射信号の中から特定の
ドップラ周波数を持つ信号のみを抽出して出力する複数
のドップラフィルタからなるドップラフィルタ群と、各
ドップラフィルタの出力信号に対して、そのレベルが規
定レベル以上、かつそのレンジが所定長以上であるもの
をクラッタと判定し、目標の位置における各ドップラフ
ィルタ毎にクラッタ有無の判定結果を類別処理系へ出力
するクラッタ抽出部とを備えた、としてもよい(請求項
6)。
【0034】スペクトラム規格化部は、検出・追尾系に
おけるドップラフィルタ情報を用いて目標のドップラ周
波数範囲を算定し、そのドップラ周波数範囲の中から目
標スペクトラムのピークパワーを検出する、としてもよ
い(請求項7)。
【0035】目標類別処理部は、反射物体の種類毎の規
格化スペクトラムからなるデータベースを有し、平均化
スペクトラムとデータベースとの一致度を求めることに
より目標を類別処理する、としてもよい(請求項8)。
【0036】目標類別処理部は、目標の移動方向とレー
ダ方向とのなす角を示す目標アスペクト角毎に構築され
たデータベースを有し、検出・追尾系から目標位置及び
目標移動方向を入力し、その目標のアスペクト角を算出
し、算出されたアスペクト角に対応するデータベースを
利用して目標を類別処理する、としてもよい(請求項
9)。
【0037】目標類別処理部は、検出・追尾系から入力
した目標位置と目標受信信号振幅とに基づき目標RCS
を算出し、この目標RCSと検出・追尾系から入力した
目標移動速度とに基づき想定される目標の種類を絞り込
み、絞り込まれた種類に対してのみ目標を類別処理す
る、としてもよい(請求項10)。
【0038】換言すると、本発明に係るレーダ用信号処
理装置では、目標を捜索・追尾中に、目標類別処理を行
う手段を有している。具体的には、類別処理系の中に、
レーダ送信パルス繰り返し周期毎に入力される受信ビデ
オ信号に対してFFT処理を行い、得られた目標のドッ
プラスペクトラムの中から、アンテナ走査毎に検出・追
尾系で得られる目標の追尾結果を元に、追尾中の目標の
ドップラスペクトラムを抽出するFFT処理部と、抽出
した目標のスペクトラムから類別処理に不要なスペクト
ラム成分を除去するための不要信号除去部と、不要スペ
クトラム成分が除去された目標のスペクトラムから、目
標の移動方向や速度に依存しにくい、スペクトラムのピ
ークに対する相対的なスペクトラムに変換し、更に、後
段の類別処理に適したフォーマットに規格化するための
スペクトラム規格化部と、同一追尾目標の規格化したス
ペクトラムを、アンテナ走査にわたって平均化するため
のスペクトラム平均化部、及び、平均化されたスペクト
ラムから目標の類別処理を行う目標類別処理部を有して
いる。
【0039】次に、本発明に係るレーダ用信号処理装置
の作用を述べる。
【0040】目標の捜索・追尾処理と類別処理を並行し
て実施するためには、識別対象目標に関するドップラス
ペクトラムデータは間欠的にしか得られない。そのた
め、従来のレーダ用信号処理装置において出力されてい
た識別対象目標の絶対的なドップラスペクトラムは、目
標の時間推移による速度や移動方向の変化により、様々
に異なることになる。
【0041】本発明に係るレーダ用信号処理装置では、
時間変化により生じる目標の移動状態の変化の影響を受
けにくいようにするため、スペクトラム規格化部におい
て、スペクトラムのピーク値に対する相対関係を求め、
この相対的なスペクトラムを類別処理に適したフォーマ
ットで規格化したスペクトラム(以下「規格化スペクト
ラム」という。)に変換している。更に、この規格化ス
ペクトラムをスペクトラム平均化部によりアンテナ走査
にわたって平均化することによって、等価的に従来のレ
ーダ用信号処理装置における、操作員の視覚によるスペ
クトラム表示波形の平均化を行っている。
【0042】具体的には、まず、FFT処理部が、検出
・追尾系から指定された追尾目標距離、方向についての
FFT結果(以下「目標スペクトラム」という。)のみ
を抽出する。続いて、不要信号除去部において、この目
標スペクトラムから、類別処理に不要なスペクトラム成
分が除去される。続いて、スペクトラム規格化部におい
て、不要成分が除去された目標スペクトラムが、そのピ
ーク値に対する相対的なスペクトラムに変換された後、
類別処理に適した規格化スペクトラムにフォーマット変
換される。
【0043】この規格化スペクトラムは、スペクトラム
平均化部において、複数回のアンテナ走査にわたって平
均化されたスペクトラム(以下「平均化スペクトラム」
という。)として、目標類別処理部へ出力される。この
平均化スペクトラムは、目標類別処理部で類別処理がな
されて、更に表示制御部へ出力される。
【0044】上記の作用により、本発明に係るレーダ用
信号処理装置では、アンテナを駆動させて別の目標の捜
索や追尾を行いつつ、追尾中の目標の類別処理が可能と
なる。しかも、規格化スペクトラムや平均化スペクトラ
ム及び類別処理結果が表示制御部に表示されることによ
り、従来のレーダ用信号処理装置よりも容易に目標類別
を行うことが可能となる。
【0045】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0046】図1は、本発明に係るレーダ用信号処理装
置の第一実施形態を示すブロック図である。以下、この
図面に基づき説明する。
【0047】本実施形態のレーダ用信号処理装置3は、
目標からの反射信号に基づき当該目標の検出及び追尾を
行う検出・追尾系5と、反射信号のドップラ周波数成分
に基づき反射物体を類別する類別処理系6とを備えてい
る。類別処理系6は、検出・追尾系5から目標の位置を
入力して、その位置におけるドップラスペクトラムを目
標スペクトラムとして出力する目標スペクトラム出力部
としてのFFT処理部18と、目標スペクトラムからノ
イズレベル相当の不要成分を除去する不要信号除去部1
9と、不要成分除去後の目標スペクトラムを構成するパ
ワー及びそのドップラ周波数について、ピークパワー及
びそのドップラ周波数で除算することにより相対化し、
その相対化されたスペクトラムを所定のフォーマットに
変換した規格化スペクトラムとして出力するスペクトラ
ム規格化部20と、複数回のアンテナ走査によって入力
された同一の目標についての複数の規格化スペクトラム
を平均化し、その平均値を平均化スペクトラムとして出
力するスペクトラム平均化部21と、平均化スペクトラ
ムに基づき目標を類別処理する目標類別処理部22とを
備えている。
【0048】本実施形態のレーダ用信号処理装置3で
は、従来のレーダ用信号処理装置の捜索モードに該当す
る動作モード(以下、ここでも「捜索モード」とす
る。)でも類別処理を行うことが可能となることが運用
上の特徴となるので、ここでは捜索モードに関する部位
についてのみ述べることとする。なお、レーダ用信号処
理装置3に、従来のレーダ用信号装置のドップラ聴音発
生に関する部位を設ければ、従来のレーダ用信号装置に
おける類別モードの機能が備わることになることは言う
までもない。
【0049】空中線部1及び送受信部2は、それぞれ図
6に示した従来の空中線部1及び送受信部2と同等のも
のでよいため、ここでは説明を省略する。
【0050】レーダ用信号処理装置3は、従来のレーダ
用信号処理装置の場合と同様に、検出・追尾系5と類別
処理系6とに大別される。検出・追尾系5は、従来のレ
ーダ用処理装置と同様なクラッタ抑圧部7、目標検出・
標定部8及び目標追尾部9に加え、クラッタの存在する
ドップラ周波数を抽出して類別処理系6に伝達するため
のクラッタ抽出部10から構成される。以下に、検出・
追尾系5を構成する各部の機能について説明する。
【0051】クラッタ抑圧部7は、キャンセラ11、検
出系ドップラフィルタ群12、CFAR処理器13、最
大値選択器14等を備え、最大信号フィルタ番号を目標
検出・標定部8へ出力する機能を除いては、図6の従来
のクラッタ抑圧部57と基本的に同等の機能を持つ。キ
ャンセラ11は固定クラッタを抑圧する。
【0052】検出系ドップラフィルタ群12は、ドップ
ラ周波数軸上にほぼ各フィルタの通過帯域幅毎の周波数
間隔で、複数のドップラフィルタを配列したものであ
る。ドップラフィルタとは、目標信号とクラッタとをド
ップラ周波数軸上で分離させるとともに、目標信号のS
N比を向上させるために、レーダ送信パルス周期毎に連
続したコヒアレント受信I,Qビデオデータから、特定
のドップラ周波数を持つ信号のみを集中的に抽出するも
のである。
【0053】CFAR処理器13は、後段の目標検出処
理時の誤警報率を低くかつ一定化するために、検出系ド
ップラフィルタ群12の各フィルタ出力毎にCFAR
(一定誤警報率)処理を行う。
【0054】最大値選択器14は、レーダ処理レンジが
同一のCFAR処理後の各フィルタ出力の中で、振幅が
最大となる信号を選択出力するとともに、信号が最大値
となるドップラフィルタ番号(以下「最大信号フィルタ
番号」という。)を出力する。
【0055】目標検出・標定部8は、図6の従来の目標
検出・標定部58の有する機能の他に、目標を検出及び
標定した際の前記最大信号フィルタ番号(以下「目標検
出フィルタ番号」という。)を、目標位置、受信信号振
幅等からなる標定結果の中に盛り込んで目標追尾部9へ
出力する機能と、目標距離をクラッタ抽出部10へ出力
する機能とを有する。
【0056】目標追尾部9は、図6の従来の目標追尾部
59と同様に、前回までのアンテナ走査により得られた
過去の標定結果に基づき計算された現アンテナ走査にお
ける目標予測位置範囲である予測ゲートと、今回入力さ
れた目標位置とを比較し、予測ゲート内の目標を追尾目
標と判定する機能の他に、追尾目標の目標番号、目標位
置、目標検出フィルタ番号、予測ゲート算出のために使
用している目標速度及び目標移動方向等を、追尾結果と
して類別処理系6及び表示制御部4へ出力する機能を有
する。
【0057】クラッタ抽出部10は、レベル判定器1
5、レンジ判定器16、クラッタフィルタ選択器17等
から構成され、目標が検出された距離において、クラッ
タが存在する検出系ドップラフィルタ群12のフィルタ
番号を類別処理系6へ出力する。
【0058】ここで、レベル判定器15は、検出系ドッ
プラフィルタ群12から各フィルタ毎へ出力される信号
のレベルに対して、それぞれ、クラッタの有無を検出す
るためのスレッショールドによる判定を行い、スレッシ
ョールドレベルを越えたか否かの二値を、それぞれ「ヒ
ット有」及び「ヒット無」に対応するヒット検出信号と
して、レーダ装置の処理レンジビン単位でレンジ判定器
16へ出力する。
【0059】また、レンジ判定器16は、一般にクラッ
タがレンジ方向に広がりを持つことを利用して、ヒット
検出信号のレンジ方向の長さに対してスレッショールド
判定を行い、所定のスレッショールド長を越えたか否か
の二値を、それぞれ「クラッタ有」及び「クラッタ無」
に対応するクラッタ検出信号としてクラッタフィルタ選
択器17へ出力する。
【0060】クラッタフィルタ選択器17は、レンジ判
定器16から入力されるクラッタ検出信号を、目標検出
・標定部8から入力された目標距離でサンプルし、検出
系ドップラフィルタ毎に、目標距離におけるクラッタ検
出信号の有無を調査し、クラッタ検出信号が「クラッタ
有」の検出系のドップラフィルタ番号(以下「クラッタ
フィルタ番号」という。)を類別処理系6へ出力する。
【0061】次に、類別処理系6の構成及び機能につい
て説明する。類別処理系6は、FFT処理部18の他
に、図6の従来の類別処理系56にはない、不要信号除
去部19、スペクトラム規格化部20、スペクトラム平
均化部21、目標類別処理部22等から構成される。以
下に、類別処理系6の各部の機能について説明する。
【0062】FFT処理部18は、図6の従来のFFT
処理部68と同等以上のFFT演算機能と、一時的に蓄
えたFFT処理結果の中から、目標追尾部9から入力さ
れる目標位置のドップラスペクトラムである目標スペク
トラムを抽出し、これを不要信号除去部19及び表示制
御部4へ出力する機能とを有する。
【0063】不要信号除去部19は、操作員が表示制御
部4で指定した、類別処理を有効とする前記目標スペク
トラムのドップラ周波数の範囲である、類別有効フィル
タ範囲を入力して、その類別有効フィルタ範囲内の目標
スペクトラムデータのみを抽出する機能と、ノイズやク
ラッタ等の不要信号を除去する機能とを有しており、ノ
イズ除去器23及びクラッタ除去器24から構成され
る。ここで、通常では、固定クラッタの影響が大きい図
7のドップラ周波数が0近傍及びレーダ送信パルス繰り
返し周波数(PRF)近傍の類別処理系6のドップラフ
ィルタは、類別有効フィルタ範囲から除かれる。
【0064】また、ノイズ除去器23は、前記指定範囲
の目標スペクトラムのうちノイズレベル相当のスペクト
ラムデータを「0」にして、クラッタ除去器24へ出力
する。クラッタ除去器24は、クラッタ抽出部10から
入力されるクラッタフィルタ番号の通過周波数帯域に該
当するドップラ周波数について、入力目標スペクトラム
データを「0」とする。
【0065】スペクトラム規格化部20は、目標の移動
方向や速度の変化に応じて様々に変動するドップラスペ
クトラムを、目標類別処理部22で処理できるフォーマ
ットに規格化したスペクトラム(以下「規格化スペクト
ラム」という。)として出力する機能を有しており、ピ
ーク検出器25及び規格化演算器26から構成される。
【0066】ここで、ピーク検出器25は、目標追尾部
9から入力される目標検出フィルタ番号に該当するドッ
プラ周波数範囲の入力目標スペクトラムデータの中から
パワーのピーク値とそのときのドップラ周波数を求め、
目標スペクトラムとともに規格化演算器26へ出力す
る。
【0067】また、規格化演算器26は、目標スペクト
ラムのパワー及びドップラ周波数を、それぞれピーク検
出器26から入力したピークパワーとそのときのドップ
ラ周波数とで除算することにより、ピークに対する相対
的なスペクトラム(以下「相対スペクトラム」とい
う。)とし、更にその相対スペクトラムを類別処理に適
するフォーマットを有する規格化スペクトラムに変換し
て、スペクトラム平均化部21及び表示制御部4へ出力
する。
【0068】スペクトラム平均化部21は、スペクトラ
ムメモリ28及び平均値演算器27を備え、アンテナ走
査毎に得られた規格化スペクトラムの平均的なスペクト
ラムである平均化スペクトラムを出力する。
【0069】ここで、スペクトラムメモリ28は、目標
追尾部9から追尾目標番号を入力し、その目標番号に関
して記憶していた前アンテナ走査までの平均化スペクト
ラムを読み出して平均値演算器27へ出力する機能と、
平均値演算器27が出力する平均化されたスペクトラム
を記録する機能とを有している。
【0070】また、平均値演算器27は、スペクトラム
規格化部20から入力する規格化スペクトラムと、スペ
クトラムメモリ28から入力する前アンテナ走査までの
平均化された規格化スペクトラムとの平均値を演算し
て、これをスペクトラムメモリ28及び表示制御部4へ
出力する。
【0071】なお、ここでは、スペクトラム平均化部2
0のハードウェア規模をできるだけ小さくするため、ア
ンテナ走査毎にスペクトラムメモリ28の平均化スペク
トラムを上書き更新する構成例を述べたが、スペクトラ
ムメモリ容量を大きくとれる場合は、過去の複数のアン
テナ走査毎の規格化スペクトラムを保存しておいて、こ
の複数走査分の規格化スペクトラムと現アンテナ走査で
入力された規格化スペクトラムとで平均値を求める方式
としてもよい。
【0072】目標類別処理部22は、基本的にはスペク
トラム平均化部21から入力される平均化スペクトラム
に基づき目標の類別処理を行う。ここで平均化スペクト
ラムによる目標類別処理は、スペクトラム波形を情報源
として用いる処理であれば、どのような手法であっても
よい。例えば、目標種類毎に事前に構築した典型的な規
格化スペクトラムデータ(以下「データベース」とい
う。)との一致度の評価や、平均化スペクトラム波形の
分散、対称性等に関する統計的分析結果の典型的データ
との比較等が考えられる。
【0073】そして、目標類別処理部22における目標
類別処理により得られた、最もデータベースとの相関性
が高い目標種類や、入力された平均化スペクトラムに対
する目標種類毎の類別結果の確信度等が目標類別処理結
果として、表示制御部4へ出力される。なお、目標追尾
部9から入力した追尾目標の位置と受信信号振幅とから
目標のRCS(有効反射面積)を算出し、これを目標追
尾部9から入力した移動速度とともに蓄える機能と、ア
ンテナ走査毎に蓄積されるRCSと移動速度とに基づき
想定される類別目標候補を絞り込む機能とを目標類別処
理部22に付設することにより、類別処理の効率化を図
ることも可能である。
【0074】表示制御部4は、図6の従来の表示制御部
54と基本的に同機能を有する他、規格化スペクトラ
ム、平均化スペクトラム及び類別処理結果を表示する機
能を有している。
【0075】次に、本実施形態のレーダ用信号処理装置
3の動作を説明する。
【0076】受信I,Qビデオは、レーダ送信パルス周
期毎に送受信部2からレーダ用信号処理装置3に入力さ
れ、レーダ用信号処理装置3の内部で検出・追尾系4と
類別処理系5とに分岐される。以下に、検出・追尾系4
及び類別処理系5の動作内容について説明する。
【0077】検出・追尾系5は、図6の従来の検出・追
尾系55と同様に、受信I,Qビデオ信号に基づく目標
の検出、検出目標の位置標定及び目標追尾を行い、また
目標スペクトラムに重畳した移動クラッタを類別処理時
に除去するためのクラッタ抽出動作を行う。類別処理系
6は、検出・追尾系5によって検出及び追尾された目標
の種類を自動的に類別する。
【0078】以下に、検出・追尾系4及び類別処理系5
の動作内容について、信号の流れに沿って順次説明す
る。
【0079】検出・追尾系4に分岐入力された受信I,
Qビデオ信号は、図6の従来の検出・追尾系54と同様
にクラッタ抑圧部7に入力され、キャンセラ11により
固定クラッタ成分が抑圧された後、検出系ドップラフィ
ルタ群12により、ドップラ周波数軸上で互いに分離さ
れたビデオ信号として出力される。検出系ドップラフィ
ルタ群12の各フィルタからの出力信号は、CFAR処
理器13側とクラッタ抽出部10側とに分岐される。以
下に、分岐された各々の信号の流れに従って、検出・追
尾系5の動作の説明を行う。
【0080】CFAR処理器13側に入力された信号
は、CFAR処理器13において各フィルタ出力毎にC
FAR処理がなされて、最大値選択器14へ出力され
る。最大値選択器14は、レーダが処理するレンジビン
毎に、CFAR処理後の各フィルタ毎の出力信号の中か
ら、最大の振幅を有する信号とそのフィルタ番号(以下
「最大信号フィルタ番号」という。)とを選択し、目標
検出・標定部8へ出力する。ここで、前者の最大の振幅
を有する信号は、処理ビデオとして表示制御部4へ送出
されて表示される。
【0081】目標検出・標定部8では、図6の従来の目
標検出・標定部58と同様に目標検出及び位置標定を行
い、目標検出及び位置標定された距離及び方向(以下
「標定位置」という。)と、その標定位置における処理
ビデオ振幅及び最大信号フィルタ番号とを標定結果とし
て目標追尾部9及び表示制御部4へ出力する。
【0082】目標追尾部9に入力された標定結果は、図
6の従来の目標追尾部9における処理と同様に、前スキ
ャンまでの標定結果から算出した現スキャンでの目標予
測位置範囲を示す予測ゲートと比較される。その予測ゲ
ート内部に複数の標定結果が存在する場合は、その中
で、追尾中の目標との相関性が最も高い標定結果を持つ
ものが、真の追尾目標と判定される。
【0083】ここで、多目標追尾を行っている場合、予
測ゲートの計算や追尾の相関処理は、目標追尾部9が管
理する追尾目標の目標番号毎に実施される。また、目標
番号、追尾目標の標定位置、追尾目標が検出された目標
検出フィルタ番号並びに予測ゲートの計算に用いた目標
移動方向及び目標速度は、追尾結果として類別処理系6
及び表示制御部4へ出力される。
【0084】一方、検出系ドップラフィルタ群12から
クラッタ抽出部10側へ分岐された信号は、各フィルタ
出力毎に、レベル判定器15において、信号レベルにつ
いてのスレッショールド判定がなされ、スレッショール
ドレベルを越える信号については、「ヒット有」、スレ
ッショールドレベル以下の信号については「ヒット無」
とする二値の状態信号(以下「ヒット検出信号」とい
う。)に変換されて、レンジ判定器16へ出力される。
【0085】レンジ判定器16では、各ドップラフィル
タ毎のヒット検出信号のレンジ方向の長さについてのス
レッショールド判定を行い、所定のレンジ長を越える
「ヒット有」信号を「クラッタ有」、所定のレンジ長以
下の「ヒット有」信号及び「ヒット無」信号を「クラッ
タ無」の二値の状態信号(以下「クラッタ検出信号」と
いう。)として、クラッタフィルタ選択器17へ出力す
る。
【0086】クラッタフィルタ選択器17は、目標検出
・標定部8から入力される目標距離信号を元に、目標距
離におけるクラッタ検出信号の状態を確認し、「クラッ
タ有」の状態になっている検出系ドップラフィルタ群1
2のフィルタ番号を、類別処理系6へ出力する。
【0087】次に、類別処理系6の動作を図面を参照し
て詳細に説明する。送受信部2からレーダ送信パルス周
期毎に入力される受信I,Qビデオは、FFT処理部1
8において、図6の従来のFFT処理部68と同様のF
FT処理がなされ、スペクトラムデータとして一時的に
蓄えられ、この一時的に蓄えられたスペクトラムデータ
のうち、目標追尾部9から入力された目標位置に対応す
るスペクトラムデータ(図2(a)の目標スペクトラ
ム)のみが抽出され、不要信号除去部19及び表示制御
部4へ出力される。ここで得られる目標スペクトラム
は、そのときの目標のレーダ方向分移動速度が直接反映
された生データであるため、目標のレーダ方向分速度が
時々刻々と変化する場合は、アンテナ走査毎に変動する
ことになる。
【0088】従来技術では、操作員が、類別モード時に
継続的に表示される目標スペクトラムを目視により確認
して、自己の視覚記憶及び類別経験によって目標を類別
していた。これに対し、本発明では、従来人間が行って
いた作業を装置が代行するように、類別処理系6の各部
が動作するようになっている。
【0089】同一目標であっても時々刻々と変動する目
標スペクトラムを用いて、目標類別を行うためには、目
標のレーダ方向分速度や、目標の距離により変化する入
力信号振幅に依存しにくい、目標種類毎の特徴的なスペ
クトラム波形を、類別処理の前段階で保持しておくこと
が重要になる。例えば、目標が車両の場合は、類別上有
意な目標スペクトラムが現れるドップラ周波数範囲は0
〜2fpの間であり、スペクトラムのピーク値に対する
スペクトラム波形の相対的関係は、目標の種類によって
ある特定の関係になる。ここでfpは、目標のレーダ方
向分速度に相当するドップラ周波数であり、通常、スペ
クトラムがピーク値をとるときのドップラ周波数とな
る。よって、この相対関係を類別処理のためのデータベ
ースとして使用することが有効になる。
【0090】本実施形態のレーダ用信号処理装置3で
は、目標スペクトラムのパワー及びドップラ周波数を、
それぞれについてピーク時のパワーとドップラ周波数で
除算した相対スペクトラムを求め、この相対スペクトラ
ムを、類別処理に適したフォーマットで統一した規格化
スペクトラムに変換し、更にこの規格化スペクトラムを
アンテナ走査毎に平均化した平均化スペクトラムを用い
て類別処理を行っている。
【0091】以下に、本実施形態のレーダ用信号処理装
置3において、新たに追加された類別処理系6の各部の
動作について説明する。
【0092】規格化スペクトラムを使用して類別処理を
行う前提として、目標スペクトラムにおける類別対象目
標以外の不要な信号を除去する必要がある。その理由
は、次のとおりである。ノイズレベル相当のスペクトラ
ム成分や、クラッタが重畳したドップラ周波数のスペク
トラム成分は、目標の本来の規格化スペクトラム形状を
保持していないので、類別処理に使用することができな
い不要成分である。更には、これらの不要成分を用いて
規格化スペクトラムの平均値算出を行うと、その不要成
分の規格化ドップラ周波数における規格化スペクトラム
のパワー平均値が、本来の目標の規格化スペクトラムの
パワーから隔絶する恐れがあるからである。以上の理由
により、入力された目標スペクトラムは、不要信号除去
部19において、操作員が表示制御部4で指定した類別
処理フィルタ範囲内の目標スペクトラムのみが抽出され
るとともに、ノイズ成分及び移動クラッタ成分が除去さ
れる処理がなされる。
【0093】まず、類別有効フィルタ範囲内の目標スペ
クトラムは、ノイズ除去器23において、ノイズレベル
より若干高いレベルに設定されたスレッショールドレベ
ルと比較され、スレッショールドレベルTH以下のスペ
クトラムデータは、図2(b)に示すように「0」とさ
れる。
【0094】続いて、クラッタ除去器24において、ク
ラッタ抽出部10から伝達された、クラッタが存在する
検出系のドップラフィルタ番号の通過周波数帯域に該当
するドップラ周波数範囲のスペクトラムデータが、図2
(c)に示すように「0」とされる。
【0095】不要信号除去部19によって、不要なスペ
クトラムデータのパワーが「0」とされた目標スペクト
ラムは、スペクトラム規格化部20において、後段の目
標類別処理部22で処理できる規格化スペクトラムにフ
ォーマット変換される。
【0096】まず、相対スペクトラムを求めるための目
標スペクトラムのピークが、ピーク検出器25により検
出される。ここで、図3(d)に示すように、目標スペ
クトラムのピークは、ピーク検出器25において、目標
追尾部9から伝達された目標検出フィルタ番号の通過帯
域幅に該当するドップラ周波数範囲内から検出される。
このことは、目標追尾部9から伝達された目標検出フィ
ルタ番号に該当しないドップラ周波数に、目標のピーク
スペクトラムよりも大きいパワーを有するスペクトラム
が存在した場合に、相対スペクトラムを求める際に誤っ
て目標スペクトラムの中心ドップラ周波数以外のドップ
ラ周波数で除算することを、未然に防ぐ効果がある。
【0097】なお、目標検出フィルタ番号に該当しない
ドップラ周波数におけるピ−クスペクトラムは、検出・
追尾系5において最大値選択器14によって除去されて
いる。したがって、このピークスペクトラムは、ピーク
値が大きくてもドップラ周波数軸上での広がりが小さい
急峻なスペクトラムであるため、そのドップラ周波数に
対応する速度が真の目標移動速度であるとは考えにく
い。
【0098】続いて、目標スペクトラムは、規格化演算
器26において、図3(e)に示すように、後段の目標
類別処理部22での処理に適合したフォーマットに規格
化される。まず、目標スペクトラムを構成する各々のデ
ータが、ピーク検出器25で検出されたピークパワー及
びそのドップラ周波数で除算され、相対スペクトラムに
変換される。
【0099】ドップラ周波数軸上でi番目の目標スペク
トラム成分Piに対する相対パワーPNiは、次式で求
められる。 PNi=Pi/Pp×K (i=0,1,…,n−1) ただし、Pp:ピーク検出器25で検出されたピークパ
ワー K :定数(目標類別処理部22に保持されている類別
処理用のデータベースに対して、規格化スペクトラムの
ピーク値を合わせるための定数) n :FFT処理部18におけるFFTポイント数 ここで、相対パワーPNiがKを越えた場合、その相対
パワーは「0」とされる。
【0100】また、ドップラ周波数軸上でi番目のドッ
プラ周波数Fiに対する相対ドップラ周波数FNiは、
次式で求められる。 FNi=Fi/Fp (i=0,1,・・・,n−
1) ただし、Fp:ピーク検出器25で検出されたピークド
ップラ周波数(目標のレーダ方向分速度に対応するドッ
プラ周波数) n:FFT処理部18におけるFFTポイント数 FN0=0[Hz] ここで、相対ドップラ周波数FNiは、ピークドップラ
周波数Fpが大きい場合は小さくなり、ピークドップラ
周波数Fpが小さい場合は大きくなる。したがって、相
対ドップラ周波数FNiがとり得るデータの範囲や間隔
は、目標のレーダ方向の移動速度によりアンテナ走査毎
に変動する。
【0101】そこで、上式により計算された相対ドップ
ラ周波数は、図4に示すように、類別処理に適合したフ
ォーマットでサンプルされる。図4のケースAのよう
に、入力される相対ドップラ周波数の方が、類別処理用
フォーマットにおけるサンプル後の規格化ドップラ周波
数よりも細かい間隔となる場合、サンプル後の規格化ド
ップラ周波数Fsxに対応する複数の相対ドップラ周波
数における相対パワーの平均値が、規格化ドップラ周波
数Fsxにおけるサンプル後の規格化パワーとなる。一
方、図4のケースBのように、入力される相対ドップラ
周波数の方が、類別処理用フォーマットにおける規格化
ドップラ周波数よりも広い間隔となる場合は、規格化ド
ップラ周波数Fsxに対応する相対ドップラ周波数にお
ける相対パワーが、規格化ドップラ周波数Fsxにおけ
るサンプル後の規格化パワーとなる。
【0102】スペクトラム規格化部20によって類別処
理に適合したフォーマットに規格化された規格化スペク
トラムは、スペクトラム平均化部21に入力される。入
力された規格化スペクトラムと、目標追尾部9から伝達
された追尾目標番号に従いスペクトラムメモリ28から
読み出された、前アンテナ走査までの平均化処理がなさ
れた規格化スペクトラム(平均化スペクトラム)とは、
図3(f)に示すように平均値演算器27において平均
化され、現アンテナ走査での平均化スペクトラムとし
て、目標類別処理部22に送出されるとともに、当該追
尾目標番号のスペクトラムメモリ28へ出力され保存さ
れる。
【0103】ここで、スペクトラム平均化部21におけ
る平均化処理は、規格化スペクトラムの同じ規格化ドッ
プラ周波数Fsxにおける規格化パワー同士の平均値を
算出するものである。ただし、ある規格化ドップラ周波
数Fsyにおける規格化パワーが0の場合は、0でない
側の規格化パワーがそのまま平均値として残される。ま
た、ある規格化ドップラ周波数Fszにおける規格化パ
ワーが両方とも0の場合は、平均値は0となる。
【0104】なお、新規に追尾が開始された目標や、検
出されただけで追尾されていない目標の規格化スペクト
ラムが入力された場合は、スペクトラムメモリ28の規
格化パワーは全て0であるため、入力された規格化スペ
クトラムが、平均化スペクトラムとしてそのまま出力さ
れることになる。
【0105】平均化スペクトラムは、目標類別処理部2
2に入力されて、目標類別処理がなされる。ここで目標
類別処理の内容は、既に述べたようにスペクトラム波形
を情報源として用いる処理であれば、どのような手法で
あってもよいが、ここでは、目標種類毎に事前に構築し
たデータベースとの一致度を評価することによる類別処
理の動作について述べる。
【0106】目標類別処理部22は、類別実施に先立
ち、追尾目標のRCS、移動速度及び移動方向に基づ
き、前記一致度を計算する元のデータベースの絞り込み
及び選択を行う。まずRCSと移動速度からのデータベ
ースの絞り込み動作について説明する。
【0107】目標のRCSは、レーダ方程式から一般に
次式で与えられる。 RCS=(4π)・Pr・R/{Pt・Gt・Gr
・λ} ただし、Pt:送信電力 Pr:受信電力 Gt:送信アンテナ利得 Gr:受信アンテナ利得 λ:自由空間波長 R:目標距離 ここで、Pt、Gt、Gr、λは、レーダ装置に固有の
既知の値である。また、RとPrは、目標追尾部9から
得られる目標位置と受信信号振幅から求められる。した
がって、上式から目標のRCSが算出できる。
【0108】算出したRCSと、目標追尾部9から入力
した目標速度とは、アンテナ走査毎に蓄積される。目標
種類の特性上、追尾中の目標が、蓄積された目標RCS
又は目標速度を有することがあり得ない目標である確率
は0であるため、その目標種類のデータベースを使用し
た一致度の計算は不要となる。
【0109】次に、目標移動方向からデータベースを選
択する動作について述べる。
【0110】一般に目標のドップラスペクトラムは、レ
ーダに近づくときと、レーダから遠ざかるときとで、ド
ップラ周波数軸上でのスペクトラムの配列がほぼ逆転す
る。例えば、図7のスペクトラムを有する目標がレーダ
に対して逆方向に同じ速度で移動する場合、f1のスペ
クトラムがfn−1のスペクトラムとして現れ、fn−
1のスペクトラムがf1のスペクトラムとして現れる。
ただし、目標の構造は、一般にその移動方向の前後で全
く同じ形状ではなく、回転部分のレーダ方向への露出状
況も異なる。そのため、目標のレーダ方向分移動速度の
反転に伴うスペクトラムのドップラ周波数軸上の配列の
逆転現象は、主としてスペクトラムがピークとなるドッ
プラ周波数近傍において現れる。
【0111】よって、データベースとなるスペクトラム
は、少なくとも目標がレーダに近づく場合と遠ざかる場
合との二通りについて持つことが望ましく、更には目標
移動方向と目標から見たレーダ方向とのなす角(以下
「アスペクト角」という。)毎に持つことが望ましい。
入力された平均化スペクトラムとデータベースとの一致
度を計算する際は、目標の移動方向及び目標方向から算
出した、アスペクト角に最も近いアスペクト角のデータ
ベースを用いる。
【0112】以上の動作により絞り込まれたデータベー
スを用いて、入力される平均化スペクトラムと目標種類
毎のデータベースとの一致度を評価する。一致度は、例
えば、同じ規格化ドップラ周波数同士の規格化パワーの
自乗誤差を求め、この自乗誤差の総和を、自乗誤差の計
算に供された規格化ドップラ周波数のサンプル数で除算
した、単位規格化ドップラ周波数当たりの自乗誤差の大
小により評価することができる。
【0113】一致度の評価の際に、入力された平均化ス
ペクトラムのデータが0の規格化ドップラ周波数がある
場合は、自乗誤差の計算の対象外とする。入力された平
均化スペクトラムと目標種類毎に異なる複数のデータベ
ースとの一致度は、単位規格化ドップラ周波数当たりの
自乗誤差に対する段階的なスレッショールド判定を実施
することにより評価可能である。一致度の評価結果や、
前記の単位規格化ドップラ周波数当たりの自乗誤差は、
類別処理結果の一部として表示制御部4へ出力されて、
表示される。
【0114】検出・追尾系5で得られた標定結果及び追
尾結果と、類別処理系6で求められた目標スペクトラ
ム、規格化スペクトラム、平均化スペクトラム及び類別
結果とは、表示制御部4の画面上に表示される。これに
より、操作員は、従来技術と異なり捜索及び追尾を中止
することなく、目標の捜索及び追尾並びに類別結果を容
易に得ることが可能となる。
【0115】図5は、本発明に係るレーダ用信号処理装
置の第二実施形態を示すブロック図である。以下、この
図面に基づき説明する。
【0116】本実施形態のレーダ用信号処理装置33
は、図1のレーダ用信号処理装置3に対して、スペクト
ラム平均化部31の構成及び動作が異なるとともに、目
標追尾部9の類別処理系36に対する出力データに追尾
目標の走査番号が加わったことが異なる。そのため、こ
こではスペクトラム平均化部31の構成と動作を中心に
説明する。
【0117】スペクトラム平均化部31は、無効走査数
演算器29、積分器30及び平均値演算器37から構成
される。無効走査数演算器29は、類別処理用フォーマ
ットでサンプルされた規格化ドップラ周波数毎の規格化
パワーが0になる走査数(以下「無効アンテナ走査数」
という。)を求める。積分器30は、類別処理用にフォ
ーマット統一された規格化スペクトラムの規格化パワー
を、規格化ドップラ周波数毎に積分する。平均値演算器
37は、目標追尾部9から入力される、当該追尾目標に
対する目標追尾が成功した走査回数を示す走査番号と、
無効走査数演算器29から入力される無効アンテナ走査
数と、積分器29から入力される現アンテナ走査までの
積分結果とに基づき、規格化ドップラ周波数毎に規格化
パワーの平均値を求める。
【0118】図1のスペクトラム平均化部21では、入
力される規格化スペクトラムと、前アンテナ走査までの
平均化スペクトラムとの間の平均値を演算していた。こ
れに対して、本実施形態のスペクトラム平均化部31で
は、現アンテナ走査までに入力された規格化スペクトラ
ムのうち、同一規格化ドップラ周波数における規格化パ
ワーが0でない有効なスペクトラムデータの全てを積分
し、その積分結果を、データが0でない有効走査数で除
算することにより、平均化スペクトラムを求める。以
下、その動作について説明する。
【0119】無効走査数演算器29は、規格化ドップラ
周波数毎に、データが0になった無効走査数Nzをカウ
ントして保持し、該当追尾目標の規格化スペクトラムが
入力される度に、規格化ドップラ周波数毎の現アンテナ
走査における無効走査数Nzを平均値演算器27へ出力
する。また、積分器29は、該当追尾目標の規格化スペ
クトラムが入力される度に、規格化ドップラ周波数毎に
規格化パワーを積分し、平均値演算器27へ出力する。
【0120】目標追尾部9から入力される走査番号がk
のとき、i番目の規格化ドップラ周波数における現アン
テナ走査までの積分結果PSiは、次式により算出され
る。 PSi = Σ m=1(Pim) ここで、Pimは、i番目の規格化ドップラ周波数にお
ける走査番号mのときの規格化パワーである。
【0121】平均化演算器37は、規格化ドップラ周波
数毎に入力される無効走査数と積分結果とを用いて、目
標類別用の平均化スペクトラムを算出する。走査番号が
kのとき、i番目の規格化ドップラ周波数における平均
化された規格化パワーPAiは、積分結果PSiとi番
目の規格化ドップラ周波数における無効走査数Nziを
用いて、次式により算出される。 PAi=PSi/(k−Nzi)
【0122】以上の処理により求められた平均化スペク
トラムは、図1のレーダ用信号処理装置3の場合と同様
の手順で目標類別処理器22において類別処理に供され
ることとなる。
【0123】なお、本発明は、電磁波を用いるレーダに
限らず、音波を用いるソナー等にも適用できる。
【0124】
【発明の効果】本発明に係るレーダ用信号処理装置によ
れば、目標類別を迅速かつ正確に実行することができ
る。その理由は、目標の移動方向及び速度の変動によっ
て様々に変化してしまうドップラスペクトラムに対し
て、パワー及びドップラ周波数の両方について規格化す
ることにより、目標種類に固有の相対関係を正確に抽出
できるためである。その結果、全てのドップラスペクト
ラムではなく規格化されたドップラスペクトラムについ
て照合用データベースを構築すればよいので、照合に要
する時間も短縮できる。
【0125】請求項2記載のレーダ用信号処理装置によ
れば、目標スペクトラムからノイズレベル相当の不要成
分を除去してスペクトラム規格化部へ出力するので、よ
り正確に目標を類別できる。
【0126】請求項3記載のレーダ用信号処理装置によ
れば、複数回のアンテナ走査によって入力された同一の
目標についての複数の規格化スペクトラムを平均化し、
その平均値を平均化スペクトラムとして出力し、その平
均化スペクトラムに基づき目標を類別処理するので、ア
ンテナ走査毎に目標の移動方向及び速度に応じてドップ
ラスペクトラムが変化しても、前述の規格化とあいまっ
てより正確に目標を類別できる。
【0127】請求項4記載のレーダ用信号処理装置によ
れば、今回のアンテナ走査における規格化スペクトラム
と、スペクトラムメモリ中に保持されている平均化スペ
クトラムとの間で平均値を求め、その平均値を平均化ス
ペクトラムとしてスペクトラムメモリに保持するととも
に目標類別処理部へ出力することにより、各回のアンテ
ナ走査ごとの規格化スペクトラムを記憶しなくてよいの
で、記憶容量を低減できる。
【0128】請求項6記載のレーダ用信号処理装置によ
れば、反射信号の中から特定のドップラ周波数を持つ信
号のみを抽出し、そのレベルが規定レベル以上、かつそ
のレンジが所定長以上であるものをクラッタと判定する
ことにより、クラッタを排除できるので、類別処理の精
度を向上できる。
【0129】請求項7記載のレーダ用信号処理装置によ
れば、検出・追尾系におけるドップラフィルタ情報を用
いて目標のドップラ周波数範囲を算定し、そのドップラ
周波数範囲の中から目標スペクトラムのピークパワーを
検出することにより、クラッタ及びノイズを排除できる
ので類別処理の精度を向上できるとともに、ピークサー
チを容易化できる。
【0130】請求項9記載のレーダ用信号処理装置によ
れば、目標アスペクト角毎に構築されたデータベース
と、算出されたアスペクト角とを利用することにより、
アスペクト角も考慮されるので、類別処理の精度をより
向上できる。
【0131】請求項10記載のレーダ用信号処理装置に
よれば、目標RCS及び目標移動速度とに基づき目標の
種類を絞り込み、絞り込まれた種類に対してのみ類別処
理することにより、類別処理の効率を向上できる。例え
ば人や自動車等に応じて、目標RCS及び目標移動速度
の採り得る範囲がある。
【0132】換言すると、本発明に係るレーダ用信号処
理装置によれば、目標の捜索及び追尾を実施しながら目
標類別処理を行うことが可能になる。その理由は、アン
テナ走査毎に間欠的にしか得られないが故に目標の移動
方向や移動速度の変動によって様々に変化してしまう目
標のドップラスペクトラムから、目標種類に固有のスペ
クトラム内部の相対関係を抽出するために、パワー及び
ドップラ周波数の両方についてスペクトラムを規格化す
る手段を有しており、更に、同一追尾目標に関してアン
テナ走査毎に得られる前記の規格化された目標のスペク
トラムを、アンテナ走査にわたり平均化する手段と、こ
の平均化されたスペクトラムを用いて目標を類別する手
段とを有しているからである。
【0133】また、目標類別処理に要する操作員の労力
及び熟練度が低減される。その理由は、目標ドップラス
ペクトラムの目標速度変化に依存しにくいスペクトラム
のピ−ク値との相対的な関係を示した規格化スペクトラ
ムとして出力する機能と、この規格化スペクトラムをア
ンテナ走査にわたって平均化した平均化スペクトラムを
出力する機能を有しており、更にこの平均化スペクトラ
ムを用いて自動的に目標類別処理を行う手段を有してい
るからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るレーダ用信号処理装置の第一実施
形態を示すブロック図である。
【図2】図1のレーダ用信号処理装置におけるドップラ
スペクトラムの処理過程を示すグラフであり、(a)は
入力される目標ドップラスペクトラム、(b)はノイズ
除去処理時のドップラスペクトラム、(c)はクラッタ
除去処理時のドップラスペクトラムである。
【図3】図1のレーダ用信号処理装置におけるドップラ
スペクトラムの処理過程を示すグラフであり、(d)は
ピーク検出処理時のドップラスペクトラム、(e)はス
ペクトラム規格化処理後の規格化スペクトラムとスペク
トラムメモリに保持されている規格化スペクトラム、
(f)は平均化スペクトラムである。
【図4】図1のレーダ用信号処理装置における、類別処
理に適したフォーマットの規格化スペクトラムの算出方
法を示す図表である。
【図5】本発明に係るレーダ用信号処理装置の第二実施
形態を示すブロック図である。
【図6】従来のレーダ用信号処理装置を示すブロック図
である。
【図7】目標のドップラスペクトラムの一例を示すグラ
フである。
【図8】検出・追尾系及び類別処理系のドップラフィル
タの関係を示すグラフであり、(a)は検出・追尾系、
(b)は類別処理系である。
【符号の説明】
1 空中線部 2 送受信部 3,33 レーダ用信号処理装置 4 表示制御部 5 検出・追尾系 6,36 類別処理系 7 クラッタ抑圧部 8 目標検出・標定部 9 目標追尾部 10 クラッタ抽出部 11 キャンセラ 12 検出系ドップラフィルタ群 13 CFAR処理器 14 最大値選択器 15 レベル判定器 16 レンジ判定器 17 クラッタフィルタ選択器 18 FFT処理部(目標スペクトラム出力部) 19 不要信号除去部 20 スペクトラム規格化部 21,31 スペクトラム平均化部 22 目標類別処理部 23 ノイズ除去器 24 クラッタ除去器 25 ピーク検出器 26 規格化演算器 27,37 平均値演算器 28 スペクトラムメモリ 29 無効走査数演算器 30 積分器

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 目標からの反射信号に基づき当該目標の
    検出及び追尾を行う検出・追尾系と、前記反射信号のド
    ップラスペクトラムに基づき反射物体を類別する類別処
    理系とを備えたレーダ用信号処理装置において、 前記類別処理系は、 前記検出・追尾系から前記目標の位置を入力して、その
    位置における前記ドップラスペクトラムを目標スペクト
    ラムとして出力する目標スペクトラム出力部と、 前記目標スペクトラムを構成するパワー及びそのドップ
    ラ周波数について、ピークパワー及びそのドップラ周波
    数で除算することにより相対化し、その相対化されたス
    ペクトラムを所定のフォーマットに変換した規格化スペ
    クトラムとして出力するスペクトラム規格化部と、 前記規格化スペクトラムに基づき前記目標を類別処理す
    る目標類別処理部と、 を備えたことを特徴とするレーダ用信号処理装置。
  2. 【請求項2】 前記類別処理系は、 前記目標スペクトラムからノイズレベル相当の不要成分
    を除去して前記スペクトラム規格化部へ出力する不要信
    号除去部を更に備えた、 請求項1記載のレーダ用信号処理装置。
  3. 【請求項3】 前記類別処理系は、 複数回のアンテナ走査によって入力された同一の前記目
    標についての複数の前記規格化スペクトラムを平均化
    し、その平均値を平均化スペクトラムとして出力するス
    ペクトラム平均化部を更に備え、 前記目標類別処理部が前記平均化スペクトラムに基づき
    前記目標を類別処理する、 請求項1又は2記載のレーダ用信号処理装置。
  4. 【請求項4】 前記スペクトラム平均化部は、 今回のアンテナ走査における前記規格化スペクトラム
    と、スペクトラムメモリ中に保持されている平均化スペ
    クトラムとの間で平均値を求め、 その平均値を前記平均化スペクトラムとして前記スペク
    トラムメモリに保持するとともに前記目標類別処理部へ
    出力する、 請求項1、2又は3記載のレーダ用信号処理装置
  5. 【請求項5】 前記スペクトラム平均化部は、 前記アンテナ走査毎に、前記規格化スペクトラムを構成
    する規格化ドップラ周波数毎の規格化パワーの積分値
    と、当該規格化パワーが0以外の有効値であった有効走
    査数とを求め、 前記積分値を前記有効走査数で除算することにより、前
    記規格化ドップラ周波数毎の規格化パワーの平均値を算
    出し、 その平均値を前記平均化スペクトラムとして前記目標類
    別処理部へ出力する、 請求項1、2又は3記載のレーダ用信号処理装置
  6. 【請求項6】 前記検出・追尾系は、 前記反射信号の中から特定のドップラ周波数を持つ信号
    のみを抽出して出力する複数のドップラフィルタからな
    るドップラフィルタ群と、 前記各ドップラフィルタの出力信号に対して、そのレベ
    ルが規定レベル以上、かつそのレンジが所定長以上であ
    るものをクラッタと判定し、前記目標の位置における前
    記各ドップラフィルタ毎にクラッタ有無の判定結果を前
    記目標類別処理部へ出力するクラッタ抽出部とを備え
    た、 請求項1、2、3、4又は5記載のレーダ用信号処理装
  7. 【請求項7】 前記スペクトラム規格化部は、 前記検出・追尾系におけるドップラフィルタ情報を用い
    て前記目標のドップラ周波数範囲を算定し、 そのドップラ周波数範囲の中から前記目標スペクトラム
    のピークパワーを検出する、請求項1、2、3、4、5
    又は6記載のレーダ用信号処理装置。
  8. 【請求項8】 前記目標類別処理部は、 反射物体の種類毎の前記規格化スペクトラムからなるデ
    ータベースを有し、 前記平均化スペクトラムと前記データベースとの一致度
    を求めることにより前記目標を類別処理する、 請求項1、2、3、4、5、6又は7記載のレーダ用信
    号処理装置。
  9. 【請求項9】 前記目標類別処理部は、 前記目標の移動方向とレーダ方向とのなす角を示す目標
    アスペクト角毎に構築されたデータベースを有し、 前記検出・追尾系から目標位置及び目標移動方向を入力
    し、その目標のアスペクト角を算出し、算出されたアス
    ペクト角に対応する前記データベースを利用して前記目
    標を類別処理する、 請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載のレーダ
    用信号処理装置。
  10. 【請求項10】 前記目標類別処理部は、 前記検出・追尾系から入力した目標位置と目標受信信号
    振幅とに基づき目標RCSを算出し、この目標RCSと
    前記検出・追尾系から入力した目標移動速度とに基づき
    想定される目標の種類を絞り込み、絞り込まれた種類に
    対してのみ目標を類別処理する、 請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載のレ
    ーダ用信号処理装置。
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