JP2865084B2 - クラッタ分離方法及びこれを用いたクラッタ分離システム - Google Patents

クラッタ分離方法及びこれを用いたクラッタ分離システム

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JP2865084B2
JP2865084B2 JP8308554A JP30855496A JP2865084B2 JP 2865084 B2 JP2865084 B2 JP 2865084B2 JP 8308554 A JP8308554 A JP 8308554A JP 30855496 A JP30855496 A JP 30855496A JP 2865084 B2 JP2865084 B2 JP 2865084B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はクラッタ分離方法及
びこれを用いたクラッタ分離システムに関し、特に風で
揺れる草木や海面からの反射波であるクラッタを分離す
る方法及びこれを用いた分離システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のレーダ信号処理装置が特開平7―
159523号公報に記載されている。この従来のレー
ダ信号処理装置について図10を参照して説明する。
【0003】同図において、入力ビデオはI成分及びQ
成分のディジタルビデオ信号である。消去器22は、こ
の入力ビデオ信号のうちドップラ変移を持たない固定ク
ラッタ成分を除去する。固定クラッタが除去されたビデ
オ信号は、中心周波数の異なる複数のフィルタ1−1〜
1−N(Nは2以上の整数,以下同じ)によりターゲッ
トとドップラ変移を持つクラッタとが周波数分離され
る。周波数分離された各フィルタの出力は、夫々クラッ
タ抑圧器7−1〜7−Nにてクラッタが抑圧される。最
大値選択器10では、各フィルタの出力の振幅値を同一
レンジビン毎に比較し、その最大値を選択する。そし
て、最大値選択器10は、各レンジビンの最大振幅ビデ
オ信号を合成後、これを出力する。上記クラッタ抑圧器
において使用される処理は、誤警報確率を一定かつ低く
抑えるCFAR(ConstantFalse Ala
rm Rate)処理が一般的である。
【0004】図11(a)は、LOG/CFAR(Gr
eatest of CFAR)の機能ブロック図であ
る。同図において、入力ビデオ信号は、各フィルタの出
力ビデオ信号である。入力ビデオ信号は、LOG変換器
701にてLOG変換された後、遅延器705,706
により注目信号の左右側の平均値をとるために遅延させ
られる。平均値算出器702〜704は、同図(b)に
示すような(A),(B),(C)の平均値をとる。
【0005】すなわち、同図において、 (A)…注目信号の右側Nレンジビンの平均値 (B)…注目信号の左右側N/2レンジビンの平均値 (C)…注目信号の左側Nレンジビンの平均値 である。
【0006】最大値選択器707は、平均値算出器70
2〜704の出力を受けて同一レンジビン毎に平均値を
比較して最大値を選択する。減算器708は、LOG変
換器701にてLOG変換された入力ビデオから最大値
選択器707の出力を減算する。逆LOG変換器709
は、減算器708の出力ビデオ信号を逆LOG変換し、
これを出力する。
【0007】かかる従来技術では、レンジ方向の広がり
をある程度持っているクラッタであれば、クラッタ抑圧
器で抑圧することができるのである。
【0008】また、特開平7−43453号公報に記載
されている従来のレーダ信号処理装置では、複数個の異
なる周波数の送受信機を用意するか、又は時分割に異な
る周波数を送受信することにより、クラッタとターゲッ
トとを周波数分離している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述した特開平7―1
59523号公報に記載されているレーダ信号処理装置
では、クラッタ抑制器(LOG/CFAR)はレンジ方
向の広がりをある程度もつクラッタに対してのみ有効で
あり、レンジ方向の広がりが小さなクラッタは抑制され
ずに出力されるという欠点がある。
【0010】また、特開平7―43453号公報に記載
されているレーダ信号処理装置では、送信機を複数個設
けるか時分割送受信する必要があり、装置が複雑になる
等の欠点がある。
【0011】本発明は上述した従来技術の欠点を解決す
るためになされたものであり、その目的はより有効にク
ラッタを抑制してレーダ処理装置の性能を向上させるこ
とのできるクラッタ分離方法及びこれを用いたクラッタ
分離システムを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によるクラッタ分
離方法は、レーダ入力信号のドップラ周波数スペクトル
の広がりを検出する検出ステップと、この検出された広
がりが所定しきい値を越えているかどうかを判定する判
定ステップと、この判定結果により前記しきい値を越え
ていると判定されたとき前記信号をクラッタとして処理
するクラッタ処理ステップとを含み、前記レーダ入力信
号中のクラッタによる信号を分離するクラッタ分離方法
であって、前記検出ステップにおいては、通過中心周波
数が互いに異なる複数の帯域濾波器のうち濾波出力が所
定レベルより大なるものの数を計数する計数処理を行
い、前記判定ステップにおいては、前記計数処理の計数
結果を前記しきい値に対応する値と比較する比較処理を
行うことを特徴とする。
【0013】本発明によるクラッタ分離システムは、
ーダ入力信号のドップラ周波数スペクトルの広がりを検
出する検出手段と、この検出された広がりが所定しきい
値を越えているかどうかを判定する判定手段とを含み、
この判定結果により前記しきい値を越えていると判定さ
れた信号をクラッタとして処理することによって前記
ーダ入力信号中のクラッタによる信号を分離するクラッ
タ分離システムであって、前記検出手段は、通過中心周
波数が互いに異なる複数の帯域濾波手段と、これら濾波
手段のうち濾波出力が所定レベルより大なるものの数を
計数する計数手段とを含み、 前記判定手段は、前記計数
手段の計数結果を前記しきい値に対応する値と比較する
比較手段を含むことを特徴とする。
【0014】要するに本発明では、ドップラ周波数スペ
クトルの広がりが所定しきい値を越えている場合にクラ
ッタと判断し、その信号をノイズレベルの信号に置換え
るのである。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0016】図1は本発明によるクラッタ分離方法を用
いたクラッタ分離システムの実施の形態を示すブロック
図である。同図において、図10と同等部分は同一符号
により示されており、その部分の詳細な説明は省略す
る。
【0017】クラッタは、レンジ方向の広がりに関係な
く、ターゲットに比べてドップラ変移によって生じる周
波数スペクトラムの広がり(ドップラスプレッド)が大
きい。このため、クラッタを、通過中心周波数の異なる
複数のバンドパスフィルタで処理した場合には、複数の
フィルタにまたがって出力が現れる。そこで本発明で
は、このことに着目して、処理を行っているのである。
【0018】具体的には、本システムでは互いに異なる
中心周波数を有する複数のフィルタで処理された各ビデ
オ信号の同一レンジビンの振幅を比較し、その最大振幅
を選択後、合成する最大値選択器10の出力ビデオ信号
のピーク値を検出する。そして、このピーク値に応じた
しきい値を選択するピーク値検出器/しきい値選択器2
0と、選択されたしきい値から振幅方向のしきい値を設
定するしきい値設定器17と、周波数方向の広がりに対
するしきい値を設定するしきい値設定器18とを含んで
構成されている。
【0019】また、本システムは、上記各フィルタの出
力を上記各しきい値が設定されるまで遅延させる遅延器
4−1〜4−Nと、遅延された各フィルタ出力と振幅方
向のしきい値とを同一レンジビン毎に比較し、しきい値
を越えたビデオのみを出力する比較器5−1〜5−N
と、上記しきい値を越えたビデオを同一レンジビン毎に
いくつのフィルタから出力があるかを計数し、その計数
値と周波数方向の広がりに対して設定されたしきい値と
を同一レンジビン毎に比較し、しきい値以下の場合ター
ゲットと判定し、しきい値を越えた場合クラッタと判定
する加算/比較器19と、ターゲットとクラッタとの判
定情報を基に、上記最大値選択器の出力ビデオに対して
ターゲットと判定されたレンジビンのビデオ信号はその
まま出力し、クラッタと判定されたレンジビンのビデオ
信号はノイズレベルに置換えるビデオ選択器21とを含
んで構成されている。
【0020】かかる構成において、まず、前段処理にて
ドップラ変移を持たない固定クラッタが抑圧されたMT
I(Moving Target Indicato
r)ビデオ信号を各々中心周波数の異なるフィルタ1−
1〜1−Nに入力し、ドップラ変移を持つクラッタとタ
ーゲットとを周波数分離する。I/Q合成器2−1〜2
−Nにてフィルタ1−1〜1−Nで周波数分離されたI
ビデオ信号とQビデオ信号とのI/Q合成を行う。LO
G/CFAR3−1〜3−Nでは、レンジ方向の広がり
が大きなクラッタが抑圧される。なお、以上の処理は、
各フィルタ毎に独立して行われる。
【0021】最大値選択器10は、各フィルタにてLO
G/CFAR処理されたビデオ信号の振幅値を同一レン
ジビン毎に比較し、最大値を選択して合成する。ピーク
値検出器20は、最大値選択器10にて合成されたビデ
オ信号からピーク値を検出し、このピーク値に応じたし
きい値A(レベル)及びしきい値B(フィルタバンク
数)を選択する。
【0022】遅延器4−1〜4−Nは、各フィルタにて
LOG/CFAR処理されたビデオ信号をピーク値検出
器/しきい値選択器20にてしきい値A及びBが選択さ
れるまで遅延させる。比較器5−1〜5−Nは、しきい
値設定器17にて設定されたしきい値(レベルA)と遅
延器4−1〜4−Nにて遅延されたビデオ信号の振幅比
較をレンジビン毎に行い、レベルAを越えた信号のみを
加算/比較器19へ出力する。なお、以上の処理は、各
フィルタ毎に独立して行われる。
【0023】加算/比較器19は同一レンジビン毎にい
くつのフィルタから出力があるか計数し、しきい値設定
器18にて設定されたしきい値(フィルタバンク数B)
との比較を行う。この時、しきい値B以下であればこの
レンジビンの信号はターゲットと判定される。逆に、し
きい値Bを越えればこのレンジビンの信号はクラッタと
判定される。
【0024】ビデオ選択器21は、上記情報から最大値
選択器10から出力されるビデオについてレンジビン毎
にターゲットとクラッタとを判定する。クラッタと判定
されたレンジビンの信号は削除し、これをノイズレベル
の信号に置換えて出力する。
【0025】さらに、クラッタ分離動作について図2を
参照して説明する。
【0026】中心周波数の異なる複数のフィルタから出
力された各ビデオ信号は、LOG変換器701によりL
OG変換されCFAR処理器710にてCFAR処理さ
れた後、逆LOG変換器709にて逆LOG変換されて
出力される。以上の動作は図1中のLOG/CFARに
おいて行われる。
【0027】逆LOG変換された出力は最大値選択器1
0に入力され、各フィルタからの出力ビデオ信号の同一
レンジビンの振幅比較が行われる。そして、最大値を選
択後、合成して出力される。設定値選択器201は、最
大値選択器10の出力ビデオ信号からしきい値A(振幅
方向)及びしきい値B(周波数の広がり方向)を各々選
択する。
【0028】次に、フィルタ1−1からフィルタ1−N
の各出力ビデオが各々比較器5−1〜5−Nに入力さ
れ、設定値選択器201より選択された設定値A(レベ
ル)とレンジビン毎に振幅比較される。この振幅比較の
結果、フィルタ出力ビデオ信号の方が大きい場合には、
フィルタ数カウント部191へ出力される。フィルタ数
カウント部191にて、比較器5−1〜5−Nの入力ビ
デオ信号が同一レンジビン毎にいくつ入力されるかをカ
ウントする。そして、そのカウント数をフィルタ数比較
部192へ出力する。
【0029】フィルタ数比較部192では、設定値選択
器201において選択された設定値B(フィルタ数)と
フィルタ数カウント部191でカウントされた数との比
較をレンジビン毎に行う。その結果フィルタカウント数
が設定値Bを越えた場合には、クラッタと判定し、ビデ
オ選択器21にてノイズレベルに置換えられる。逆に、
フィルタカウント数が設定値B以下であればターゲット
と判定し、最大値選択器10の出力ビデオ信号をそのま
ま出力する。上記動作をレンジビン毎に行い、クラッタ
を除去する。
【0030】より具体的な実施例を、図1を参照して説
明する。本例ではN=7とし、7つのフィルタ等を用い
るものとする。まず、前段処理にてドップラ変移を持た
ない固定クラッタが抑制されたMTIビデオを、各々中
心周波数の異なるF1からF7の7つのフィルタ1−1
〜1−7に入力し、ドップラ変移を持つクラッタとター
ゲットとを周波数分離する。次に、7台のI/Q合成器
2−1〜2−7においてF1からF7のフィルタ1−1
〜1−7にて周波数分離されたIビデオとQビデオとの
I/Q合成を行う。さらに、7台のLOG/CFAR3
−1〜3−7にてレンジ方向の広がりが大きなクラッタ
が抑圧される。以上の処理は、F1からF7の各フィル
タにおいて独立して行われる。
【0031】最大値選択器10は、F1からF7の各フ
ィルタにてLOG/CFAR処理されたビデオの振幅値
を同一レンジビン毎に比較し、最大値を選択して合成す
る。ピーク値検出器/しきい値選択器20は、最大値選
択器10にて合成されたビデオからピーク値を検出し、
このピーク値に応じたしきい値A(レベル)及びしきい
値B(フィルタバンク数)を選択する。上記しきい値A
及びしきい値Bは、数パターン用意されておりターゲッ
トの大きさ(振幅値の大きさ)に応じて選択される。
【0032】7台の遅延器4−1〜4−7は、F1から
F7の各フィルタにてLOG/CFAR処理されたビデ
オをピーク値検出器/しきい値選択器20にてしきい値
A及びBが選択されるまで遅延させる。7台の比較器5
−1〜5−7は、しきい値設定器17にて設定されたし
きい値と7台の遅延器4−1〜4−7にて遅延されたビ
デオ信号の振幅比較をレンジビン毎に行い、レベルAを
越えた信号のみを加算/比較器19へ出力する。上記処
理は、F1からF7の各フィルタ毎に独立して行われ
る。
【0033】加算/比較器19は、同一レンジビン毎に
いくつのフィルタから出力があるか計数し、しきい値設
定器18にて設定されたしきい値B(フィルタバンク
数)との比較を行う。この時、しきい値B以下であれ
ば、このレンジビンの信号はターゲットと判定される。
逆に、しきい値Bを越えればこのレンジビンの信号はク
ラッタと判定される。ビデオ選択器21は、上記情報か
ら最大値選択器10から出力されるビデオ信号について
レンジビン毎にターゲットかクラッタかを判定する。ク
ラッタと判定されたレンジビンの信号は削除し、ノイズ
レベルの信号に置換えて出力する。
【0034】なお、ここでいうレンジとは、レーダ装置
の最小距離単位(レンジビン)をいう。
【0035】次に、本発明の実施例の動作について図3
及び図4を参照して説明する。図3(a)にあるよう
に、今k−1及びkの2レンジビンに広がる信号S1と
k+1レンジビンにある信号S2とが存在するものとす
る。信号S1の広がりは2レンジビンと小さいため上述
したLOG/CFAR処理で抑制することは困難であ
る。よって、まず上記実施例において説明したように、
互いに中心周波数の異なるF1〜F7の7つのフィルタ
で各レンジビン毎に周波数分離する。k±1レンジビン
についてF1からF7の7つのフィルタで周波数分離し
た例が図3(b)及び(c)に示されている。同図
(b)に示されているように、信号S1はF1〜F5の
5つのフィルタにまたがる。一方、同図(c)に示され
ているように、信号S2はF5,F6のフィルタに存在
することがわかる。なお、同図(b),(c)におい
て、縦軸は信号レベル、横軸はドップラ周波数である。
【0036】次に、各フィルタの出力ビデオと振幅方向
のしきい値A(レベル)とを同一レンジビン毎に比較す
る。ここで、図4(a)を参照すれば、k−1レンジビ
ンではF1からF5までのフィルタの出力レベルがしき
い値Aを越えていることがわかる。一方、同図(b)を
参照すれば、k+1レンジビンではF5及びF6のフィ
ルタの出力レベルがしきい値Aを越えていることがわか
る。よって、k−1レンジビンではF1からF5までの
5つのフィルタの出力が図2のフィルタ数カウント部1
91へ送られ、k+1レンジビンではF5及びF6の2
つのフィルタの出力が図2のフィルタ数カウント部19
1へ送られる。このため、k−1レンジビンのカウント
数が「5」,k+1レンジビンのカウント数が「2」と
なる。
【0037】次に、これらのカウント数と周波数方向の
広がりに対するしきい値Bとを比較する。図4の場合、
しきい値Bを「3」としているので、同図(a)を参照
すると、k−1レンジビンに存在する信号S1はしきい
値Bを越えるためクラッタと判定される。一方、同図
(b)を参照すると、k+1レンジビンに存在する信号
S2はしきい値B以下であるためターゲットと判定され
る。上記処理は、全レンジビンについて行われ、クラッ
タと判定されたレンジビンの信号はノイズレベルの信号
に置換えられて出力される。
【0038】ここで、最大値選択器10の内部構成等に
ついて図5及び図6を参照して説明する。図5は図1中
の最大値選択器10の内部構成例を示すブロック図であ
る。図において、最大値選択器10は、LOG/CFA
Rの出力ビデオ信号を入力とする比較器101と、フィ
ルタを選択するフィルタ選択器102と、最大振幅の値
を記憶するためのメモリ103と、最も大きな振幅値を
記憶して合成するメモリ104とを含んで構成されてい
る。
【0039】かかる構成において、まずF1バンクのk
1レンジビンのビデオ信号(図6(a))の振幅値をメ
モリ103に格納する。そして、このメモリ103に格
納した振幅値とF2バンクのk1レンジビンのビデオ信
号(図6(b))の振幅値とを比較器101において比
較する。このとき、振幅の大きい方のフィルタバンクを
選択し、メモリ103に再格納する。
【0040】次に、再格納された振幅値とF3バンクの
k1レンジビンのビデオ振幅値とを比較器101におい
て比較し、振幅の大きい方のフィルタバンクを選択し、
メモリ103に再々格納する。このような比較処理及び
格納処理をFNバンクのk1レンジビンのビデオ信号
(図6(c))の振幅値との比較まで行い、最終的に最
も大きな振幅をもつフィルタバンクを選択し、その振幅
値をメモリ104に格納する。これをknレンジビン、
すなわち最後のレンジビンまで行い、全てのレンジビン
(k1〜kn)の最大振幅値をもつビデオ信号をメモリ
104において合成し、最大値選択出力ビデオ信号とし
て出力する。
【0041】次に、ピーク値検出器/しきい値選択器2
0の内部構成等について図7を参照して説明する。図7
は図1中のピーク値検出器/しきい値選択器20の内部
構成例を示すブロック図である。図において、ピーク値
検出器/しきい値選択器20は、LOG/CFARの出
力ビデオ信号を入力とする最大値選択器201と、しき
い値との比較によってピーク値を検出するピーク値選択
部202と、この検出されたピーク値に応じてしきい値
(A)及び(B)を出力する選択器203とを含んで構
成されている。
【0042】かかる構成において、最大値選択器201
の出力ビデオ信号の各レンジビン(k1〜kn)におい
て、しきい値(C)を動かすことによって、最大振幅値
を見つけ出す。この場合、同図(b)に示されているよ
うに、k1レンジビンではA1、k2レンジビンではA
2となる。この最大振幅値の大きさにより、しきい値
(A),(B)選択器203における組合せを選択す
る。この組合せは、以下のように選択される。
【0043】一般に、クラッタ信号の場合、同図(c)
に示されているように、ピーク値が大きいほど、ドップ
ラ周波数の広がりは大きくなる。すなわち、同図中の実
線の方が、破線の方よりもピーク値が大きいので、ドッ
プラ周波数の広がりが大きい。
【0044】したがって、ピーク値が大きい場合には、
しきい値(A),しきい値(B)の大きな組合せを選択
する。逆に、ピーク値が小さい場合には、しきい値
(A),しきい値(B)の小さな組合せを選択する。こ
のように選択するのは、ターゲット信号が消去されない
ようにするためである。
【0045】なお、以上のように選択されたしきい値
(A)は先述したしきい値設定器17から各比較器に入
力され、しきい値(B)は先述したしきい値設定器18
から加算/比較器19に入力される。
【0046】次に、図1中の各比較器5−i(i=1〜
N)の動作について図8を参照して説明する。先述した
ように、比較器5−iは、対応する遅延器4−iから出
力される振幅値と、振幅ピーク値に応じた振幅しきい値
とを比較する。そして、ビデオ振幅値が振幅しきい値以
上の値である場合にのみ、出力8−iが送出されるので
ある。
【0047】このような比較動作が各比較器5−iにお
いて行われる。例えば、比較器5−1においては、遅延
器4−1から出力されるk1レンジビンのF1バンク出
力ビデオ振幅値D1と振幅ピーク値A1に応じた振幅し
きい値A1´とを比較する。そして、ビデオ振幅値D1
が振幅しきい値A1´以上である場合にのみ、出力8−
1が送出される。
【0048】同様に、k1レンジビンのF2〜FNバン
ク出力ビデオ振幅値D1〜DNとしきい値A1´とを各
比較器で比較し、ビデオ振幅値D1〜DNが振幅しきい
値A1´以上である場合にのみ、出力8−1〜8−Nが
送出される。なお、以上の処理は、k1〜knの全ての
レンジビンについて行われる。
【0049】次に、図1中の加算/比較器19の内部構
成について図9を参照して説明する。同図に示されてい
るように、加算/比較器19は、各比較器5−1〜5−
Nの出力8−1〜8−Nの数を計数する加算器91と、
この計数値をしきい値Bと比較する比較器92とを含ん
で構成されている。
【0050】かかる構成において、k1レンジビンのビ
デオ信号について以上の処理を行った結果、ビデオ振幅
値が振幅しきい値以上の値である場合にのみ比較器5−
iから出力8−iが送出される。この出力8−iの数を
加算器91で計数する。この場合、出力8−iの数はフ
ィルタバンクの数に相当し、計数値が大きければ大きい
ほどドップラ周波数の広がりが大きいことになる。
【0051】加算器91による計数値Mは、比較器92
においてしきい値Bと比較される。この比較結果はビデ
オ選択器21へ出力される。
【0052】ビデオ選択器21では、先述したように、
計数値Mがしきい値B以下の値であるとき、最大値選択
器10の出力ビデオのk1レンジビンのビデオ信号をそ
のまま出力する。一方、計数値Mがしきい値Bよりも大
きな値であるとき、k1レンジビンのビデオ信号をノイ
ズレベルのビデオ信号に置換えて出力する。なお、以上
の処理は、k1〜knの全てのレンジビンについて行わ
れる。
【0053】以上のように、本システムでは、中心周波
数の異なる複数のフィルタによりターゲットとクラッタ
とを周波数分離した後、各フィルタ出力毎にLOG/C
FAR処理をし、各出力ビデオ信号の同一レンジビンの
振幅比較をし、その最大振幅を選択後、合成したビデオ
信号のピーク値を検出しているのである。そして、その
ピーク値に応じた振幅方向のしきい値と周波数方向の広
がりに対するしきい値とを選択している。ターゲット信
号が強い場合、複数個のフィルタに広がる可能性がある
ため、周波数方向の広がりに対するしきい値は、上記ピ
ーク値により制御される。
【0054】さらに、この選択した振幅方向のしきい値
とLOF/CFAR処理された各フィルタの出力ビデオ
信号の振幅とを比較する。この時、各フィルタの出力ビ
デオ信号の振幅がしきい値を越えた場合、ヒットした
(ターゲット及びクラッタの両方を含む)と判断し、こ
のヒットの数を各フィルタの同一レンジビンで計数する
のである。レンジ方向の広がりの小さなクラッタでもド
ップラ変移によって生じるドップラ周波数スペクトラム
の広がり(ドップラスプレッド)はターゲットに比べて
大きいので上記ヒットの計数値が多くなる。よって、上
記の選択された周波数方向の広がりに対するしきい値
(フィルタ数)をターゲットの周波数の広がりを越える
値に設定してやれば、ターゲットとクラッタとを区別す
ることが可能となる。最終的には、ターゲットと判定さ
れた信号はそのまま出力し、クラッタと判定された信号
はノイズレベルの信号に置換えて出力する処理を各レン
ジビン毎に行う。こうすることにより、ドップラ変移を
持ち、かつレンジ方向の広がりの小さいクラッタを抑制
することが可能となる。
【0055】請求項の記載に関連して本発明は更に次の
態様をとりうる。
【0056】(1)前記しきい値は、前記レーダ入力信
号についての各レンジビン毎のピーク値に応じて定めら
れることを特徴とする請求項1又は2記載のクラッタ分
離方法。
【0057】(2)前記しきい値は、前記レーダ入力信
号についての各レンジビン毎のピーク値に応じて定めら
れることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の
クラッタ分離システム。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、ドップラ
周波数スペクトルの広がりが所定しきい値を越えている
場合にクラッタと判断し、その信号をノイズレベルの信
号に置換えることにより、レンジ方向の広がりが小さな
クラッタをも有効に抑制し、レーダ処理装置を複雑化せ
ずにその性能を向上させることができるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるクラッタ分離方法を
用いたクラッタ分離システムの構成を示すブロック図で
ある。
【図2】本発明の実施の形態によるクラッタ分離方法を
示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態によるクラッタ分離方法の
原理、及びクラッタ分離システムの動作を示す図であ
り、(a)はフィルタ特性及び各レンジビンに対するク
ラッタ及びターゲットの信号レベルを示す図、(b)は
k−1レンジビンのドップラスペクトラム特性を示す
図、(c)はk+1レンジビンのドップラスペクトラム
特性を示す図である。
【図4】(a)は図3におけるk−1レンジビンの信号
波形を示す図、(b)はk+1レンジビンの信号波形を
示す図である。
【図5】図1中の最大値選択器の内部構成例を示すブロ
ック図である。
【図6】(a)〜(c)は図5の最大値選択器の動作原
理を示す波形図である。
【図7】(a)は図1中のピーク値検出器/しきい値選
択器の内部構成例を示すブロック図、(b)は(a)の
ピーク値選択部の動作を示す波形図、(c)は(a)の
選択器203の動作を示す波形図である。
【図8】図1中の各比較器の動作を説明するための図で
ある。
【図9】図1中の加算/比較器の内部構成を示す図であ
る。
【図10】特開平7―159523号公報に記載されて
いるレーダ信号処理装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図11】(a)は図10中のレーダ信号処理装置のク
ラッタ抑圧器の構成を示すブロック図、(b)は(a)
の動作を示す波形図である。
【符号の説明】
1−1〜1−N フィルタ 2−1〜2−N I/Q合成器 3−1〜3−N LOG/CFAR 4−1〜4−N 遅延器 5−1〜5−N 比較器 10 最大値選択器 17,18 しきい値設定器 19 加算/比較器 20 ピーク値検出器/しきい値選択器 21 ビデオ選択器
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−145978(JP,A) 特開 平2−201283(JP,A) 特開 平2−195285(JP,A) 特開 平7−159523(JP,A) 実開 昭63−33479(JP,U) 実開 昭63−90181(JP,U) 特許2611654(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01S 7/00 - 7/42 G01S 13/00 - 13/95

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーダ入力信号のドップラ周波数スペク
    トルの広がりを検出する検出ステップと、この検出され
    た広がりが所定しきい値を越えているかどうかを判定す
    る判定ステップと、この判定結果により前記しきい値を
    越えていると判定されたとき前記信号をクラッタとして
    処理するクラッタ処理ステップとを含み、前記レーダ入
    力信号中のクラッタによる信号を分離するクラッタ分離
    方法であって、前記検出ステップにおいては、通過中心
    周波数が互いに異なる複数の帯域濾波器のうち濾波出力
    が所定レベルより大なるものの数を計数する計数処理を
    行い、前記判定ステップにおいては、前記計数処理の計
    数結果を前記しきい値に対応する値と比較する比較処理
    を行うことを特徴とするクラッタ分離方法。
  2. 【請求項2】 前記クラッタ処理ステップは、前記信号
    をノイズレベルの信号に置換えるステップであることを
    特徴とする請求項1記載のクラッタ分離方法。
  3. 【請求項3】 レーダ入力信号のドップラ周波数スペク
    トルの広がりを検出する検出手段と、この検出された広
    がりが所定しきい値を越えているかどうかを判定する判
    定手段とを含み、この判定結果により前記しきい値を越
    えていると判定された信号をクラッタとして処理するこ
    とによって前記レーダ入力信号中のクラッタによる信号
    を分離するクラッタ分離システムであって、前記検出手段は、通過中心周波数が互いに異なる複数の
    帯域濾波手段と、これら濾波手段のうち濾波出力が所定
    レベルより大なるものの数を計数する計数手段とを含
    み、 前記判定手段は、前記計数手段の計数結果を前記しきい
    値に対応する値と比較する比較手段を含む ことを特徴と
    するクラッタ分離システム。
  4. 【請求項4】 前記しきい値を越えていると判定された
    信号をノイズレベルの信号に置換える信号置換手段を更
    に含むことを特徴とする請求項3記載のクラッタ分離シ
    ステム。
  5. 【請求項5】 前記しきい値は、前記レーダ入力信号に
    ついての各レンジビン毎のピーク値に応じて定められる
    ことを特徴とする請求項3又は4のいずれかに記載のク
    ラッタ分離システム。
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