JP2014173389A - 床構造 - Google Patents

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Kazuhiro Ongawa
和博 恩川
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Abstract

【課題】本発明は、作業性を良好にした振動吸収用の床構造を提供する。
【解決手段】鉄骨梁1と、鉄骨梁1上に載置された波形鋼板2と、波形鋼板2の山部2bの上で固定されたALCパネル4と、を備える床構造において、波形鋼板2の谷部2aに、波形鋼板2に伝播された振動を吸収する砂袋3が載置されている。このように、鉄骨梁1とALCパネル4の間に波形鋼板2が介在しており、波形鋼板2の谷部2aが鉄骨梁1上に載置され、波形鋼板2の山部2bの上にALCパネル4が固定されている。よって、波形鋼板2の山部2bと谷部2aとによって、鉄骨梁1とALCパネル4の間に空間が形成され、この空間で振動が伝播しにくくなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、鉄骨造の建物で用いられる床構造に関する。
従来、このような分野の技術としては、特開2012−162938号公報がある。この公報には、複数の中空部が長手方向に形成されているセメント系の中空パネルを備えた遮音床パネルが記載されている。この公報に開示された遮音床パネルでは、中空パネルの複数の中空部のそれぞれに、粒状体が袋体に充填されて成る吸振袋体が入り込んでおり、この吸振袋体の形状は略直方体状になっている。また、この遮音床パネルでは、袋体に充填されている粒状体の集合体としての体積を、中空部に装着された状態の袋体の容積の50〜95%とすることによって振動を吸収させるための工夫がなされている。
特開2012−162938号公報
しかしながら、上述した遮音床パネルにあっては、袋体に対する粒状体の充填率を変えることで振動を吸収させることは可能であるが、略直方体状の吸振袋体を中空部の数だけ用意しなければならないため手間がかかる。更に、製造した複数の吸振袋体を中空パネルの中空部に対して一つ一つ入れ込まなければならないため、作業性が悪いという問題点があった。
本発明は、作業性を良好にした振動吸収用の床構造を提供することを目的とする。
本発明は、鉄骨梁と、鉄骨梁上に載置された波形鋼板と、波形鋼板の山部の上で固定されたALCパネルと、を備える床構造において、
波形鋼板の谷部に、波形鋼板に伝播された振動を吸収する砂袋が載置されていることを特徴とする。
上記の床構造は、鉄骨梁とALCパネルの間に波形鋼板が介在しており、波形鋼板の谷部が鉄骨梁上に載置され、波形鋼板の山部の上にALCパネルが固定されている。よって、波形鋼板の山部と谷部とによって、鉄骨梁とALCパネルの間に空間が形成されるので、この空間で振動が伝播しにくくなり、ALCパネルから鉄骨梁への振動の伝播が抑えられる。更に、波形鋼板の谷部の上には波形鋼板に伝播された振動を吸収する砂袋が載置されるため、この振動を吸収する砂袋によってALCパネルから鉄骨梁への振動の伝播は一層抑えられる。このような振動の伝播を抑えるための構成は、鉄骨梁上に波形鋼板を載置して波形鋼板の谷部に振動を吸収する砂袋を載置するだけで簡単に実現できるので、作業性が良好になるといった優れた効果を有する。
また、砂袋には、ALCパネルの端材が入っている。
ALCパネルは、セメント系のパネルと比べて多孔質であるため軽量性の点で優れている。よって、上記のようにALCパネルの端材を砂袋に入れることで、砂袋の軽量化を実現させることが可能となり、作業性が一層良好になる。
本発明によれば、作業性が良好な振動吸収用の床構造を提供することができる。
本発明に係る床構造の一実施形態を示す断面斜視図である。 鉄骨梁上の波形鋼板とALCパネルを示す断面図である。 図2のIII−III線断面図である。 変形例に係る床構造のALCパネル、波形鋼板及び鉄骨梁を示す断面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る床構造の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1及び図2に示されるように、鉄骨造の建物の床構造は、H形鋼である鉄骨梁1と、鉄骨梁1のフランジ部1aの上面に載置された波形鋼板2と、波形鋼板2の谷部2aの底面に載置された砂袋3と、波形鋼板2の山部2bの上に固定されたALC(軽量気泡コンクリート)パネル4とを備えている。なお、図1では、鉄骨梁1を1本しか図示していないが、実際の鉄骨梁1は互いに平行且つ等間隔となるように複数本設けられており、各鉄骨梁1の高さは同一となっている。
波形鋼板2は、鉄骨梁1のフランジ部1aの上面に複数載置され、各波形鋼板2は、複数の鉄骨梁1の間で架け渡されている。鉄骨梁1のフランジ部1aの上面に載置された波形鋼板2は鉄骨梁1に対してドリルネジで固定されている。波形鋼板2は、台形状を成す谷部2aと山部2bとを交互に繰り返す波型のデッキプレートであり、各波形鋼板2の谷部2aの高さと山部2bの高さは同一となっている。また、波形鋼板2の谷部2aと山部2bのそれぞれは、水平方向であって且つ鉄骨梁1の延在方向に対して垂直な方向に延在している。このように波形鋼板2が鉄骨梁1の上に設けられることにより剛性が高められた床構造となっている。
砂袋3は、内部に砂状としたALCパネル4の端材が封入された布袋である。砂袋3は、波形鋼板2に伝達された振動を吸収するために波形鋼板2の谷部2aの底面に載置されるものである。波形鋼板2の谷部2aの底面には複数の砂袋3が載置され、図3に示されるように波形鋼板2の谷部2aの延在方向に沿って一定間隔毎に載置される。なお、波形鋼板2の谷部2aの底面に載置する砂袋3の間隔、砂袋3の数、砂袋3の材質、砂袋3の形状、砂袋3の大きさ、砂袋3の重さ、砂袋3内のALCパネル4の端材の粒度、砂袋3内のALCパネル4の端材の充填率、については適宜変更することができる。
図1に示されるように、矩形状のALCパネル4は、波形鋼板2の山部2bの頂面に複数載置され、各ALCパネル4は留め付け用のビス5(図2参照)によって波形鋼板2の山部2b上に固定される。また、ALCパネル4の一方の側面にはALCパネル4を連結するための嵌合凹部4aが設けられており、ALCパネル4の他方の側面にはALCパネル4を連結するための嵌合凸部4bが設けられている。そして、一方のALCパネル4の嵌合凹部4aと他方のALCパネル4の嵌合凸部4bとが嵌合することで2枚のALCパネル4が強固に連結される。なお、図1の右端のALCパネル4は、床構造の端部のALCパネル4であるため、一方の側面の嵌合凹部4aのみを有している。
このように、床構造として複数のALCパネル4を用いているので、セメント系のパネルを用いた場合と比較して重量を抑えることができる。また、図1及び図2に示されるように、複数のALCパネル4の境目部分4cの位置と、複数の波形鋼板2の境目部分2cの位置とが上下で一致しないように、波形鋼板2及びALCパネル4を配置している。このようにALCパネル4を波形鋼板2上に配置することで、ALCパネル4からの振動が波形鋼板2を越えて鉄骨梁1に伝わりにくくなっている。
次に、床構造を施工する作業について説明する。
まず、布製の袋にALCパネル4の端材を入れ込んで予め振動吸収用の砂袋3を複数作っておく。また、複数の鉄骨梁1を互いに平行になるように配置して、複数の鉄骨梁1を架け渡すように鉄骨梁1のフランジ部1aの上面に波形鋼板2を載置してドリルネジで波形鋼板2を鉄骨梁1に固定する。そして、波形鋼板2の谷部2aの底面に複数の砂袋3を載置し、その後、波形鋼板2の山部2b上で複数のALCパネル4を連結させると共にビス5で各ALCパネル4を波形鋼板2に固定させていく。このように複数のALCパネル4を波形鋼板2に固定させた後は、ALCパネル4上に仕上げ材を敷いて床構造が完成する。
以上のように、上記の床構造では、鉄骨梁1とALCパネル4の間に波形鋼板2が介在しており、波形鋼板2の谷部2aが鉄骨梁1の上面に載置され、波形鋼板2の山部2bの上にALCパネル4が固定されている。よって、波形鋼板2の山部2bと谷部2aとによって、鉄骨梁1とALCパネル4の間に空間が形成されるので、この空間で振動が伝播しにくくなり、ALCパネル4から鉄骨梁1への振動の伝播が抑えられる。更に、波形鋼板2の谷部2aの底面には波形鋼板2に伝播された振動を吸収する砂袋3が載置されるため、この振動を吸収する砂袋3によってALCパネル4から鉄骨梁1への振動の伝播は一層抑えられる。このような振動の伝播を抑えるための構成は、鉄骨梁1の上面に波形鋼板2を載置して波形鋼板2の谷部2aの底面に振動を吸収する砂袋3を載置するだけで簡単に実現できるので、床構造を施工する際の作業性が良好になる。
また、砂袋3には、軽量性の点で優れたALCパネル4の端材が入っているので、砂袋3の軽量化が実現されており、床構造を施工する際の作業性が一層良好になる。
本発明は、前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
図4に示されるように、上記実施形態の波形鋼板2に代えて、鉄骨梁1のフランジ部1aに載置する部分の谷部を切り欠いて平板状の頂部12dのみを残した波形鋼板12を用いてもよい。図4は、ALCパネル4と波形鋼板12の山部12bと鉄骨梁1とを、鉄骨梁1の延在方向に直交する面で切断した断面図である。この波形鋼板12では、鉄骨梁1のフランジ部1aの上面に山部12bに連続した頂部12dの下面を当てることで、床構造の高さを抑えることができる。従って、天井高をより広く確保することが可能な床構造とすることができる。
また、上記実施形態では、砂袋3にALCパネル4の端材が入っていたが、ALCパネル4の端材以外の砂礫を砂袋3に入れてもよく、更にタイルや瓦の破片を砂袋3に入れてもよい。
また、上記実施形態では、波形鋼板2がドリルネジで鉄骨梁1に固定されたが、波形鋼板2の鉄骨梁1に対する固定方法は上記に限定されず、例えばリベットで固定してもよい。また、ALCパネル4がビス5で波形鋼板2に固定されたが、ALCパネル4の波形鋼板2に対する固定方法も上記に限定されない。
1…鉄骨梁、2,12…波形鋼板、2a…谷部、2b,12b…山部、2c…境目部分、3…砂袋、4…ALCパネル、4a…嵌合凹部、4b…嵌合凸部、4c…境目部分、5…ビス、12d…頂部。

Claims (2)

  1. 鉄骨梁と、前記鉄骨梁上に載置された波形鋼板と、前記波形鋼板の山部の上で固定されたALCパネルと、を備える床構造において、
    前記波形鋼板の谷部に、前記波形鋼板に伝播された振動を吸収する砂袋が載置されていることを特徴とする床構造。
  2. 前記砂袋には、前記ALCパネルの端材が入っていることを特徴とする請求項1に記載の床構造。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109610706A (zh) * 2018-11-08 2019-04-12 西京学院 一种装配式组合空心楼板及其制作方法
JP2021509700A (ja) * 2018-01-02 2021-04-01 パトコ リミテッド ライアビリティ カンパニーPatco, Llc 金属デッキ材

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