JP6027061B2 - 床構造および床パネル - Google Patents

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Description

本発明は、主として鉄骨軸組構造からなる建物に適用可能な床構造および床パネルに関し、特に床構面の面内剛性向上と重量床衝撃音の低減に有効な床構造および床パネルに関するものである。
戸建て住宅などの比較的小規模な建物を鉄骨造によって建築するに際しては、軽量鉄骨ブレース工法(鉄骨系プレハブ工法とも称される。)がよく採用される。この工法は、厚さ6mm未満の軽量鉄骨材からなる柱や梁を用いて軸組構造体を構築するものである。その軸組構造体はラーメン構造ではなくピン構造として扱われるので、地震や強風等による水平力に対向するために、軸組構造体の要所に鋼棒材等からなるブレース(筋交い)を取り付けて剛性を高めるのが一般的である。
この種の建物に採用される床構造としては、軽量で施工の早い、乾式の床パネル工法が主流である。その床パネル工法では、所定の梁間距離を隔てて対向配置された少なくとも一対の床梁を含む床構面(床を支持する水平方向の軸組構面)の上に、あらかじめ工場で先組みした床パネルを載架し、その上に適宜の床材を敷設して床面を仕上げる。この床パネルを剛体として形成し、その周縁部を床構面に強固に固定することにより、床構面に作用する水平力を床パネルに負担させて、水平ブレースを省くことができる。
軽量で剛性の高い床パネルの具体的構成としては、例えば特許文献1に記載されているような、枠材、芯材、上下の面材等を薄肉の鋼材によって形成した中空パネルが公知である。当該文献に記載された床パネルにおいては、歩行や作業に伴う衝撃音が階下に伝わるのを低減するために、床パネルの内部に仕切られた中空部分に、無機質材の粒状体等からなる消音部材を収容している。
特開2009−228237号公報
床面に作用する衝撃音は、物を落としたり椅子を引きずったりする際に生じる軽量床衝撃音と、子供が走り回ったり飛び跳ねたりする際に生じる重量床衝撃音とに大別される。特許文献1にも記載されているように、これらのうち軽量床衝撃音は、床面にカーペットを敷くなどして、ある程度、吸収することができる。しかし、重量床衝撃音については、特に軽量で中空の床パネルを採用している場合、床パネル自体が振動しやすいことに加え、枠材や芯材を形成する鋼材が音を伝えやすいため、その低減が困難になる。
重量床衝撃音に対する遮断性能を向上させるために、床パネルと床構面との間に合成ゴム等を利用した防振マウントを介装させることも考えられる。しかしながら、合成ゴム等からなる防振マウントは、鉛直方向だけでなく水平方向にも弾性変形し、かつ、鉛直方向の荷重による圧縮変形よりも、水平方向の揺れ等による剪断変形のほうが、一般的にバネ定数が小さい。したがって、床パネル自体の剛性を高くしても、水平方向に変形しやすい防振マウントを床パネルと床構面との間に介装させると、床パネルと床構面との構造的な一体性が失われて、水平力を床パネルで負担できなくなってしまう。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、床構面に床パネルを載架する乾式の床構造において、水平ブレースがなくても十分な水平面剛性を得ることができ、かつ重量床衝撃音についても実用的な遮音性能を確保することのできる床構造と、該床構造の実施に適した床パネルを提案するものである。
前述の目的を達成するために本発明の床構造が採用した構成は、水平方向に対向配置された少なくとも一対の床梁を含む床構面の上に床パネルを載架して形成される床構造において、前記床パネルは、平坦な木質板からなる上面材と、平坦な鋼板からなる下面材との間に、折曲鋼板からなる応力分散部材を複数列、介装して構成されるとともに、前記下面材の少なくとも対向する二辺の縁部が前記床構面を構成する前記一対の床梁にそれぞれ結合されており、前記応力分散部材はそれぞれ、一様幅で延びる水平な頂面部と、前記頂面部の両側縁から外側斜め下向きに一様幅でそれぞれ張り出す一対の斜面部と、各斜面部の下縁から外側横向きにそれぞれ一様幅で張り出す一対の脚片部と、からなる台形ハット状の断面が前記頂面部の延長方向に連続する形状をなし、複数列の前記応力分散部材が、それぞれの前記頂面部を前記上面材の下面に結合され、前記脚片部を前記下面材の上面に水平方向に摺動可能に載置された状態で、前記一対の床梁の梁間全体にわたるように、互いに離隔して平行に配置されたことを特徴とする。
この発明において、「床梁」とは、軸組構造体の床構面(水平構面)を囲むように架設される構造材(建物の荷重や外力を負担する部材)であって、一般的な床梁に類する横架材全般を包含する。該横架材の断面形状は特に限定しない。また、床パネルを構成する下面材の縁部が前記床梁に「結合」され、応力分散部材の頂面部が上面材の下面に「結合」されるとは、いずれも、ビス、ボルトナット、打ち込み鋲、溶接、接着等の手段によって、相互に外力(特に水平力)を伝達しうるように強固に固定される、との意味である。下面材に平坦な鋼板を使用した床パネルを床構面に載架して床梁に結合すると、床構面に作用する水平力を床パネルに負担させることが可能になり、それによって水平ブレースを省くことができる。
床パネルの内部に介装された応力分散部材は、上面材に加わる上下方向の衝撃力を受けて、圧縮・拡幅側に弾性変形し、脚片部を水平方向に摺動させる。この作用により、衝撃力が水平方向に変換して分散される。このような構成によって、特に重量床衝撃音が床パネルの下方へ伝播することを効率的に遮断することができる。
なお、上下方向の衝撃を効率よく水平方向に分散させるには、応力分散部材の斜面部の水平面に対する傾斜角度が45度未満、より好ましくは30度±5度くらいになるように形成されることが好ましい。
さらに、本発明は、前記のように構成される床構造において、前記下面材の上面には、前記各応力分散部材の前記脚片部にそれぞれ被装される保持部が設けられて、前記下面材と前記保持部との間に前記脚片部が、水平方向に摺動可能なクリアランスをもって保持されたことを特徴とする。この保持部は、応力分散部材の脚片部の上下動を拘束して、脚片部の水平方向への摺動を円滑に誘導する。この作用により、衝撃を水平方向に分散させる機能が好適に発揮される。
さらに、本発明は、前記のように構成される床構造において、前記応力分散部材の前記脚片部の下面と前記下面材との間、および前記脚片部の上面と前記保持部との間に、それぞれ高分子粘弾性材料からなる減衰材が挟み込まれたことを特徴とする。
「高分子粘弾性体からなる減衰材」とは、ゴム系材料に様々な添加剤や充填材を配合するなどして高いエネルギー吸収性能を付与した、いわゆる高減衰ゴムに代表される材料である。このような減衰材を使用して応力分散部材の脚片部を保持すると、上面材に加わる衝撃によって応力分散部材が激しく振動しても、その振動が短時間に吸収される。
さらに、本発明は、前記のように構成される床構造において、前記保持部がそれぞれ前記一対の床梁の梁間全体にわたって連続するように設けられるとともに、前記保持部がそれぞれ前記下面材に一体的に結合されたことを特徴とする。この構成により、下面材に大きな水平力が作用した場合でも、下面材の面外座屈が生じにくくなり、下面材の水平面剛性が一層、強化される。
さらに、本発明は、前記のように構成される床構造において、前記上面材と前記応力分散部材との間に形成される空隙、および前記応力分散部材と前記下面材との間に形成される空隙の、いずれか一方または双方に、無機質材の粒状体を適宜の袋体に充填してなる振動低減部材を装入し、さらに遮音性能を高める事が可能である。
この振動低減部材は、インパクトダンパあるいは粒子ダンパと称される制振機構を利用するもので、袋体に充填された粒状体が、衝撃の振動が加わったときに、その反作用で反対向きに動き、カウンターウエイトとして振動を打ち消す作用をなす。そのような粒状体として、具体的には、廃瓦や廃煉瓦を5mm程度の大きさに粉砕したものを好適に利用することができる。基本的には、強い振動に対しては質量の大きい粒状体が作用し、細かい振動に対しては質量の小さい粒状体が作用するので、粒状体の形状や大きさを不揃いにすると、幅広い性状の衝撃(振動)に対する消音効果(制振効果)が得られる。このような振動低減部材で床パネルの内部の空隙を塞ぐことにより、該空隙を経由して下方に伝播する衝撃音を、さらに低減させることができる。
また、本発明の床パネルが採用した構成は、平坦な木質板からなる上面材と、平坦な鋼板からなる下面材との間に、折曲鋼板からなる応力分散部材を複数列、介装して構成される平面視矩形の床パネルであって、前記応力分散部材はそれぞれ、一様幅で延びる水平な頂面部と、前記頂面部の両側縁から外側斜め下向きに一様幅でそれぞれ張り出す一対の斜面部と、各斜面部の下縁から外側横向きにそれぞれ一様幅で張り出す一対の脚片部と、からなる台形ハット状の断面が前記頂面部の延長方向に連続する形状をなし、複数列の前記応力分散部材が、それぞれの前記頂面部を前記上面材の下面に接合され、前記脚片部を前記下面材の上面に載置された状態で、当該床パネルの一方の辺長方向全体にわたるように、互いに離隔して平行に配置されるとともに、前記下面材の上面には、前記各応力分散部材の前記脚片部にそれぞれ被装される保持部が設けられて、前記下面材と前記保持部との間に前記脚片部が水平方向に摺動可能に保持され、さらに、前記応力分散部材の前記脚片部の下面と前記下面材との間、および前記脚片部の上面と前記保持部との間に、それぞれ高分子粘弾性材料からなる減衰材が挟み込まれたことを特徴とする。このように構成された床パネルを利用することにより、前記床構造を好適に実施することができる。
この床パネルにおいても、前記上面材と前記応力分散部材との間に形成される空隙、および前記応力分散部材と前記下面材との間に形成される空隙の、いずれか一方または双方に、無機質材の粒状体を適宜の袋体に充填してなる振動低減部材を装入することによって、下方に伝播する衝撃音を、一層、低減させることができる。
さらに、前記床パネルは、前記下面材の下面周縁部に、溝形鋼からなる枠材が、該溝形の開口を当該床パネルの中心側に向け、かつ、該溝形鋼のウェブを前記上面材および下面材の外縁に揃えるか、または外縁よりも外側にはみ出すようにして取り付けられたことを特徴とする。このように、あらかじめ枠材まで一体に先組みすることにより、床パネルの組み付けにかかる寸法精度や接合強度を向上させることができるとともに、床パネルを床構面上に位置決めして軸組構造体に結合するなどの現場作業を大幅に省力化することができる。
前述のように構成される本発明の床構造によれば、床パネルの上面材に加わる上下方向の衝撃力が、応力分散部材の変形により水平方向に変換されて分散する。この作用により、特に重量床衝撃音の階下への伝播を効率的に遮断することができる。
床パネルの下面材は、応力分散部材の脚片部を摺動させて、衝撃力が水平方向に変換されることを円滑に誘導するとともに、床構面の水平面剛性を向上させる。この下面材に保持部を設けて応力分散部材の脚片部の上下動を拘束した場合には、衝撃力を水平方向に変換する作用が、より円滑になされるとともに、下面材の面外座屈も生じにくくなって、床構面の水平面剛性が一層、向上する。
さらに、応力分散部材の脚片部を減衰材で挟んだ場合には、衝撃力によって生じるバネ部材の振動が速やかに吸収されて、より好ましい消音性能を得ることができる。
また、本発明の床パネルを利用することにより、前述の床構造を好適に実施することができる。
本発明の床構造の実施形態を示す分解斜視図である。 前記床構造の組み付け状態を示す斜視図である。 前記床構造の部分側面図である。 前記床構造の要部を拡大して示す部分側面図である。 本発明の床パネルの実施形態を示す斜視図である。 前記床パネルの施工状態を示す部分側面図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1〜図4は、本発明の床構造の実施形態を示す。例示の形態にかかる床構造は、例えば鉄骨構造躯体の一部を構成する平面視略矩形の床構面1に設けられている。床構面1は、適宜間隔を隔てて対向配置された長辺方向の床梁(以下、「大梁」と称す。)2、2と、それらと直交するように適宜間隔を隔てて対向配置された短辺方向の床梁(以下、「小梁」と称す。)3、3とによって囲まれている。例示の形態では、大梁2、2の対向間隔が概ね1m前後、小梁3、3の対向間隔が概ね2m前後に設定され、大梁2および小梁3のいずれにも同一断面寸法のH形鋼が用いられている。ただし、床構面1の形状・寸法は例示の形態から適宜改変されてもよく、また、大梁2および小梁3には、他の断面形状を有する鉄骨材(軽量鉄骨または重量鉄骨)や、鉄骨材と集成材との複合部材等が利用されてもよい。
この床構面1の上に、該床構面1の少なくとも過半領域(好ましくは略全体)を覆うようにして、平面視略矩形の床パネル10が載架される。床パネル10は、平坦な木質材からなる上面材11と、平坦な鋼板からなる下面材12との間に、鋼板からなる応力分散部材4を複数列(例示形態では4列)、介装して構成されている。
上面材11と下面材12とは、ほぼ同寸に形成されている。下面材12は、少なくとも対向二辺(長辺)の縁部が大梁2、2に結合され、さらに例示形態では、他方の対向二辺(短辺)の縁部も小梁3、3に結合されている。下面材12と大梁2または小梁3との結合には、ビス、ボルトナット、打ち込み鋲、溶接、接着等、相互に外力(特に水平力)を伝達しうる結合手段(図示せず)が利用される。
上面材11を構成する木質材としては、例えば構造用合板やパーティクルボード等が好適に利用される。木質材からなる上面材11は、その上に適宜の床仕上材(図示せず)を張設して床面を仕上げるための床下地材として利用することができる。
応力分散部材4は、図3に拡大して示すように、それぞれ一様幅で延びる水平な頂面部41と、頂面部41の両側縁から外側斜め下向きに一様幅でそれぞれ張り出す一対の斜面部42、42と、各斜面部42、42の下縁から外側横向きにそれぞれ一様幅で張り出す一対の脚片部43、43と、からなる台形ハット状の断面が、頂面部41の延長方向に連続する形状をなしている。この応力分散部材4は、平坦な鋼板を折曲して形成してもよいが、山谷形状が連続する折板を一山ずつ分割して形成することもできる。応力分散部材4の頂面部41は、上面材11の下面に当てがわれ、上面材11に対してビス61、打ち込み鋲、接着等、相互に外力(特に水平力)を伝達しうる結合手段を用いて結合されている。
応力分散部材4の斜面部42の水平面に対する傾斜角度は、応力分散部材4が圧縮・拡幅側に弾性変形する際の初期摩擦抵抗を低減させうるように、目安として45度未満、より好ましくは30度±5度くらいに設定されている。そして、それぞれの応力分散部材4が、大梁2、2の梁間全体にわたるようにして、下面材12の上面に、互いに離隔して平行に配置されている。
応力分散部材4の脚片部43は、下面材12の上面に設けられた保持部5に被装された状態で、下面材12の上面に沿って水平方向に摺動可能に保持されている。保持部5は、直立する起立片51と、その上縁から両側方に張り出す水平張出片52とを有する略T字形の断面(下面材12の端部にあっては、起立片51の片側にのみ水平張出片52が張り出す逆L字型の断面)をなしており、その断面形状が、下面材12の短辺方向に途切れなく連続するか、あるいは適当な間隔で分断された形状に形成されている。起立片51と水平張出片52とは、溶接、接着等の結合手段を用いて一体的に結合されている。起立片51の下縁も、溶接、接着等の結合手段を用いて、下面材12と一体的に結合されている。
起立片51の高さは、応力分散部材4の脚片部43の厚さに比して十分に大きくなるように形成されており、水平張出片52と下面材12との間に形成された空間に応力分散部材4の脚片部43が収容される。さらに、脚片部43の先端と起立片51との間にも適当なクリアランスが確保され、これにより、脚片部43が水平方向に摺動可能に保持される。
なお、例示形態では、略T字形の断面を有する一ヶ所の保持部5が両側の応力分散部材4の脚片部43、43を保持しているが、逆L字型の断面を有する保持部5を二列、適宜間隔で並置させて、それぞれの保持部5が片側の応力分散部材4の脚片部43を保持するように構成してもよい。
図4に拡大して示すように、応力分散部材4の脚片部43の下面と下面材12との間、および脚片部43の上面と保持部5の水平張出片52との間には、高分子粘弾性材料からなる減衰材53が挟み込まれている。この減衰材53には、ゴム系材料に各種の添加剤や充填材を配合するなどして減衰性能を調整した様々な種類の高減衰ゴム等を利用することができる。減衰材53の上下両面は、それぞれ相手方の部材に接着されている。脚片部43の上面に接着される減衰材53と、下面に接着される減衰材53の材質、厚み、幅は略同一である。減衰材53の長さは、応力分散部材4および保持部5の延長方向に途切れなく連続するか、あるいは適当な長さに分割されている。
この減衰材53は、床パネル10の上面材11に加わる上下方向の衝撃力によって応力分散部材4が弾性変形し、脚片部43が水平方向に摺動する際に、それ自身が剪断変形して、脚片部43の摺動を速やかに吸収する作用をなす。ゴム系材料からなる減衰材53は一般的に、圧縮方向に比べて剪断方向のバネ定数が小さくなるので、水平方向に摺動する脚片部43の先端側には減衰材53を介装せずにクリアランスを確保して、脚片部43の上下両面を減衰材53で挟み込むことにより、減衰作用の好適化を図っている。
このような床パネル10を利用して構成される本発明の床構造によれば、下面材12が床構面に強固に結合されることに加え、下面材12と一体的に設けられた保持部5が下面材12の面外座屈に対する強度をさらに増大させるので、床構面全体として高い水平面剛性および耐荷重強度を得ることができる。その結果、従来、必要であった水平ブレースを省くことも可能になる。
そして、床パネル10の内部に介装された応力分散部材4が、上面材11に加わる上下方向の衝撃力を受けて圧縮・拡幅側に弾性変形することにより、衝撃力が水平方向に変換されて分散する。このような作用により、特に重量床衝撃音の下方への伝播を、効率的に遮断することができる。
なお、図3に示すように、上面材11と応力分散部材4との間に形成される空隙や、応力分散部材4と下面材12との間に形成される空隙を利用して、その空隙内に消音効果を有する振動低減部材7を装入することができる。振動低減部材7としては、実用的な強度や耐久性を有する柔軟な袋体に、例えば廃瓦や廃煉瓦の粉砕物など、無機質材の粒状体を充填したものを好適に利用することができる。このような粒状体は、衝撃の振動に対するカウンターウエイトとして振動の反対向きに動き、いわゆるインパクトダンパの原理によって振動を打ち消す作用をなす。基本的には、強い振動に対しては質量の大きい粒状体が作用し、細かい振動に対しては質量の小さい粒状体が作用するので、粒状体の形状や大きさを不揃いにすることにより、幅広い性状の衝撃に対する消音効果が得られる。また、無機質の材料は、経年変化が少なく耐久性に優れ、解体時に再利用しやすいという利点も有する。このように、床パネル10内の空隙を振動低減部材7で塞ぐことにより、該空隙を経由して下方に伝わる衝撃音の大きさを、さらに低減させることができる。
前述した床構造において、床パネル10の各部の寸法(幅、長さ、厚さ)や、各構成部材の厚さ、応力分散部材4の配設間隔等については、実際の床構面の大きさや設計モジュール、各部材の一般的な寸法規格等に応じて柔軟に設定されればよい。具体的には、例示形態のようにH形鋼からなる大梁2、2の対向間隔が約2m、小梁3、3の対向間隔が約4mのとき、下面材12を構成する鋼板の厚さが1.2〜1.5mm、上面材11を構成する構造用合板の厚さが18〜28mm、応力分散部材4を構成する鋼板は、厚さ0.8〜2.3mm、幅400〜440mm、高さ100〜120mmくらいで、減衰材53を構成する高減衰ゴムの厚さが3〜5mmであり、衝撃による応力分散部材4の上下変位が6mm程度、脚片部43の水平変位が15mm程度に収まるくらいを目安に設計されるのが実用的である。

図5および図6は、床パネルの他の実施形態を示す。例示の形態にかかる床パネル100は、前述の実施形態にかかる床パネル10の下面周縁部に、溝形鋼からなる枠材13が、あらかじめ取り付けられたものである。枠材13は、溝形の開口を床パネル10の中心側に向けて、下面材12に対し、ビス、ボルトナット、打ち込み鋲、溶接、接着等、相互に外力(特に水平力)を伝達しうる結合手段(図示せず)を用いて一体的に結合される。
このとき、図6に示すように、枠材13の外側縁(枠材13を構成する溝形鋼のウェブの背面)と上面材11および下面材12の外縁とを揃えるか、または枠材13の外側縁が上面材11および下面材12の外縁よりも若干、外側にはみ出すようにして枠材13を取り付けることにより、隣接する床パネル100、100の上面材11や下面材12同士を干渉させずに枠材13、13同士を一体的に結合して、略H形断面の構造材となすことができる。
このように、あらかじめ枠材13まで一体に先組みした床パネル100を施工現場に搬入して軸組構造体に組み付ける工法を採用すれば、床パネル100自体の組み付けにかかる寸法精度や接合強度を向上させることができる。また、床パネル100を床構面上に位置決めして軸組構造体に結合するなどの現場作業も大幅に省力化することができる。
本発明の床パネルにかかる、さらに発展的な実施形態として、例えば応力分散部材4の斜面部42にエンボスを形成することにより、応力分散部材4の面外変形を拘束して、衝撃力の変換効率を上げることが可能である。
また、応力分散部材4を構成する鋼板に、制振鋼板(表裏2枚の鋼板の間に合成ゴムや合成樹脂等の高分子材料をサンドイッチした複合板材)を利用することにより、下面材への振動の伝搬をさらに低減させることが可能である。
本発明の床構造および床パネルは、少なくとも一部が鉄骨軸組構造(軽量鉄骨構造だけでなく、重量鉄骨構造も含む。)からなる建物一般に、床面またはこれに準じた水平面(平坦な屋上面、天井面、屋外歩行面等を含む。)を設置するための支持構造として広く利用可能である。
1 床構面
2 大梁(床梁)
3 小梁
10 床パネル
100 床パネル
11 上面材
12 下面材
13 枠材
4 応力分散部材
41 頂面部
42 斜面部
43 脚片部
5 保持部
51 起立片
52 水平張出片
53 減衰材
7 振動低減部材

Claims (11)

  1. 水平方向に対向配置された少なくとも一対の床梁を含む床構面の上に床パネルを載架して形成される床構造において、
    前記床パネルは、平坦な木質板からなる上面材と、平坦な鋼板からなる下面材との間に、折曲鋼板からなる応力分散部材を複数列、介装して構成されるとともに、前記下面材の少なくとも対向する二辺の縁部が前記床構面を構成する前記一対の床梁にそれぞれ結合されており、
    前記応力分散部材はそれぞれ、一様幅で延びる水平な頂面部と、前記頂面部の両側縁から外側斜め下向きに一様幅でそれぞれ張り出す一対の斜面部と、各斜面部の下縁から外側横向きにそれぞれ一様幅で張り出す一対の脚片部と、からなる台形ハット状の断面が前記頂面部の延長方向に連続する形状をなし、
    複数列の前記応力分散部材が、それぞれの前記頂面部を前記上面材の下面に結合され、前記脚片部を前記下面材の上面に水平方向に摺動可能に載置された状態で、前記一対の床梁の梁間全体にわたるように、互いに離隔して平行に配置されたことを特徴とする床構造。
  2. 請求項1に記載の床構造において、
    前記下面材の上面には、前記各応力分散部材の前記脚片部にそれぞれ被装される保持部が設けられて、前記下面材と前記保持部との間に前記脚片部が、水平方向に摺動可能なクリアランスをもって保持されたことを特徴とする床構造。
  3. 請求項2に記載の床構造において、
    前記応力分散部材の前記脚片部の下面と前記下面材との間、および前記脚片部の上面と前記保持部との間に、それぞれ高分子粘弾性材料からなる減衰材が挟み込まれたことを特徴とする床構造。
  4. 請求項2または3に記載の床構造において、
    前記保持部がそれぞれ前記一対の床梁の梁間全体にわたって連続するように設けられるとともに、前記保持部がそれぞれ前記下面材に一体的に結合されたことを特徴とする床構造。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の床構造において、
    前記応力分散部材は、前記斜面部の水平面に対する傾斜角度が45度未満となるように形成されたことを特徴とする床構造。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の床構造において、
    前記上面材と前記応力分散部材との間に形成される空隙、および前記応力分散部材と前記下面材との間に形成される空隙の、いずれか一方または双方に、無機質材の粒状体を適宜の袋体に充填してなる振動低減部材が装入されたことを特徴とする床構造。
  7. 平坦な木質板からなる上面材と、平坦な鋼板からなる下面材との間に、折曲鋼板からなる応力分散部材を複数列、介装して構成される平面視矩形の床パネルであって、
    前記応力分散部材はそれぞれ、一様幅で延びる水平な頂面部と、前記頂面部の両側縁から外側斜め下向きに一様幅でそれぞれ張り出す一対の斜面部と、各斜面部の下縁から外側横向きにそれぞれ一様幅で張り出す一対の脚片部と、からなる台形ハット状の断面が前記頂面部の延長方向に連続する形状をなし、
    複数列の前記応力分散部材が、それぞれの前記頂面部を前記上面材の下面に結合され、前記脚片部を前記下面材の上面に載置された状態で、当該床パネルの一方の辺長方向全体にわたるように、互いに離隔して平行に配置されるとともに、
    前記下面材の上面には、前記各応力分散部材の前記脚片部にそれぞれ被装される保持部が設けられて、前記下面材と前記保持部との間に前記脚片部が水平方向に摺動可能に保持され、
    さらに、前記応力分散部材の前記脚片部の下面と前記下面材との間、および前記脚片部の上面と前記保持部との間に、それぞれ高分子粘弾性材料からなる減衰材が挟み込まれたことを特徴とする床パネル。
  8. 請求項7に記載の床パネルにおいて、
    前記保持部がそれぞれ当該床パネルの一方の辺長方向全体にわたって連続するように設けられるとともに、前記保持部がそれぞれ前記下面材に一体的に結合されたことを特徴とする床パネル。
  9. 請求項7または8に記載の床パネルにおいて、
    前記応力分散部材は、前記斜面部の水平面に対する傾斜角度が45度未満となるように形成されたことを特徴とする床パネル。
  10. 請求項7、8または9に記載の床パネルにおいて、
    前記上面材と前記応力分散部材との間に形成される空隙、および前記応力分散部材と前記下面材との間に形成される空隙の、いずれか一方または双方に、無機質材の粒状体を適宜の袋体に充填してなる振動低減部材が装入されたことを特徴とする床パネル。
  11. 請求項7〜10のいずれか1項に記載の床パネルにおいて、
    前記下面材の下面周縁部に、溝形鋼からなる枠材が、該溝形の開口を当該床パネルの中心側に向け、かつ、該溝形鋼のウェブを前記上面材および下面材の外縁に揃えるか、または外縁よりも外側にはみ出すようにして取り付けられたことを特徴とする床パネル。
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