JP5015047B2 - 建築構造物のパネル床構造 - Google Patents

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Description

本発明は、建築構造物の床に適用されるパネル床構造に関し、特に遮音性を向上させる際に好適なパネル床構造に関する。
建築構造物の床構造は、一般に大引きや梁等の骨組部材により床板を支持することにより構成される。かかる床板に歩行や作業に伴う衝撃が加わると振動が発生し、その振動が不快音や不快振動を引き起こし、その不快音等が階下に伝搬されて、階下の住人に大きな不快感を与える場合がある。
ここで、一般に、衝撃音とは、人間の通常の歩行音や物の落下音等の軽い衝撃音である軽量床衝撃音と、人が飛び跳ねたとき等に生じる重い衝撃音である重量床衝撃音とがある。このうち、軽量床衝撃音は、床仕上面にカーペット等を敷くことである程度衝撃を吸収することができ、個人レベルで改善することも可能である。しかしながら、これら対策では、重量床衝撃音を十分に吸音することができず、衝撃音を階下に伝えてしまうという問題点があった。
このため、従来においては、この重量床衝撃音を効果的に軽減できる種々の建築遮音構造体が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
この特許文献1における開示技術では、床板に対して梁材が接合され、さらにこの梁材の内部に形成された中空部内に、内外表面をゴム室でコーティングした弾性体の袋体が挿入された床構造が提案されている。この袋体内には、粉粒体が充填されており、これが上述の如きメカニズムに基づき、遮音特性を発揮している。
また、他の建築遮音構造体として、例えば特許文献2に示される開示技術が提案されている。この特許文献2における開示技術では、床板とこれを支持する梁とからなり、この梁の内部に粉粒体が挿入された中空空間が形成され、この粉粒体がFe、CaO、SiOを含むことを特徴とする制振床構造が提案されている。これにより、粉粒体の流動性が向上していることから、梁内部に粉粒体を導入するに際して、充填を容易におこなうことが可能となっている。
また、上述したような梁材に遮音機能を発揮させる技術の他に、対向する二枚の板材と、これら板材の間の空間部を複数のセル空間に仕切る仕切板とを有する制振パネルのセル空間内に、ヒステリシスの弾性変形性を有する弾性粉粒体を封入することによって、この制振パネルに遮音機能を発揮させる技術も開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
特開2002−115363号公報 特開2006−112219号公報 特開平11−217891号公報
ところで、上述のように、特許文献1や特許文献2に開示された建築遮音構造体は、上階の床材等で生じた振動を、線状部材である梁材の内部に配置された粉粒体等によって低減しつつ、梁材を介して下階に伝達するものである。この場合において、床材の上面側に発生した振動は、床材の下面側、若しくは梁材を介して梁材の下面側に伝達されるものであるため、このような振動を効果的に低減するためには、線状部材である梁材よりも、面状部材である床材に対して遮音性をもたせることにより、床材の下面側、梁材の下面側から伝達される振動を低減させる構成とすることが望ましい。
また、特許文献3に開示された制振パネルは、そのパネルの上に人間や物が乗ったり置かれたりする床材として用いられるものではない。このため、パネル構造そのものが所定の強度、剛性を備え、比較的重量のあるパネル構造内に粉粒体を収容配置した場合においても、同様の遮音性能を有するか不明確であった。即ち、床材として用いられるパネル構造内に粉粒体を封入して、このパネル構造に遮音機能を発揮させる技術は未だ提案されていないのが現状であった。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、建築構造物の床材として用いられ、重量床衝撃音に対する遮音性能を向上させることが可能なパネル床構造を提供することにある。
本発明者は、上述した課題を解決するために、互いに所定間隔をおいて略平行に配置された上面材及び下面材と、上記上面材及び下面材を連結するとともに、上記上面材及び下面材間の空間を複数の中空空間に仕切るパネル芯材とから中空パネル体が構成され、上記中空空間内に粉粒体が収容され、上記粉粒体の全重量は、上記中空パネル体の全重量に対して0超から2.5倍未満までの範囲の重量の比率とされてなることを特徴とするパネル床構造を発明した。
即ち、請求項1に係る発明は、複数の横架材をグリッド状に組んだ床構造に配設可能なパネル床構造において、互いに所定間隔をおいて略平行に配置された上面材及び下面材と、上記上面材及び下面材を連結する又はこれらから連設されるとともに、上記上面材及び下面材間の空間を複数の中空空間に仕切るパネル芯材とから中空パネル体が構成され、上記中空空間内には、粉粒体が収容され、上記中空パネル体は鋼製であり、上記中空空間内に収容されている粉粒体の全重量は、63Hz〜500Hzの周波数帯域の音を低減するために、上記中空パネル体の全重量に対して1.1倍以上から2.5倍未満までの範囲の重量の比率とされてなることを特徴とする。
なお、ここでいう横架材とは、鉄骨造の建築構造物に用いられる大梁や小梁等、または木造建物やスチールハウスに用いられる大引き、梁、根太等に代表される部材のことをいい、建築構造物における水平方向に架け渡される骨組としての部材のことをいう。
請求項に係る発明は、請求項1に記載の発明において、上記粉粒体は、上記パネル芯材に対して接触されていることを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項1又は2に記載の発明において、上記粉粒体は、溶融メタルであることを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項1〜の何れか1項記載の発明において、上記パネル芯材は、波板又は折板であることを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項1〜の何れか1項記載の発明において、上記中空パネル体を構成する上面材、下面材及びパネル芯材の代替として、垂直又は傾斜して配置される板状のウエブと、上記ウエブの上端部から第1の方向に延長される板状の上フランジと、上記ウエブの下端部から第1の方向と逆方向に延長される板状の下フランジとを有する複数個のパネル用構造材が、各上記上フランジ並びに上記下フランジが略同一平面を形成するように略同一の配向状態をもって隣接配置されて連結されてなる中空パネル体を用い、上記上フランジ、下フランジ並びにウエブによって囲まれてなる中空空間内に上記粉粒体が収容されてなることを特徴とする。
上述の如き構成からなる本願請求項1に係る発明は、中空パネル体10の中空空間14内に収容された粉粒体15によって、パネル床構造1の上階側で生じた振動の一部を低減させて、これによって、パネル床構造1の下階側に伝達される振動を抑制可能としている。
また、本願請求項に係る発明は、各中空空間14内に収容される粉粒体15の全重量が、中空パネル体10の全重量に対して、多くとも2.5倍の重量の比率となるようにされており、中空パネル体10内に粉粒体15を収容させて、パネル床構造1に遮音性をもたせた場合においても、過剰な重量の増加が防止されている。また、粉粒体15の全重量が、中空パネル体10の全重量に対して、1.1倍以上から2.5倍未満までの範囲の重量の比率であれば、粉粒体15の重量比が増えるにつれて、音圧低減効果がほぼ線形的に向上し、粉粒体15の設置重量に対する音圧低減効果の向上する効率に優れたものとなる。このため、パネル床構造1に要求される音圧低減効果と全体の重量とをバランス良く備えた、軽量であり、かつ、遮音性に優れたパネル床構造1を提供可能となる。

以下、本発明を実施するための好適な形態として、建築構造物の床に適用されるパネル床構造について、図面を参照しながら詳細に説明する。
第1の実施形態
まず、本発明を適用したパネル床構造1の第1の実施形態について説明する。
本発明を適用したパネル床構造1は、図1に示すように、複数の横架材31をグリッド状に組んだ床下構造3に配設可能とされている。この床下構造3は、複数の横架材31をグリッド状に組み、これを建物の骨組構造としたものであり、一般にこの上に床材が配設されるものである。パネル床構造1は、この床下構造3における横架材31に対して、例えば、図示しないビス等で固着されて用いられるが、その取り付け方法はこれに限定するものではなく、いかなる公知の取り付け手段によって取り付けられていてもよい。
この床下構造3は、例えば事務所ビルや集合住宅等の鉄骨造の建築構造物に適用される場合、横架材31として大梁や小梁が適用され、また、戸建住宅等の木造建物やスチールハウスに適用される場合、横架材31として大引きや根太、野縁や野縁受け等が適用されることになる。横架材31として大梁や小梁を適用する場合、建築構造物の柱材間を大梁が連結し、この大梁間を小梁が連結することになり、小梁の上に床材であるパネル床構造1が配設される。また、横架材31として大引きや根太を適用する場合は、例えば、大引きの上に根太が配設され、その上に床材であるパネル床構造1が配設される。いずれの場合においても、大引きや大梁等の上に直接パネル床構造1を配設することも可能である。このように、横架材31とは、建築構造物における水平方向に架け渡される骨組としての部材のことをいう。
図2(a)は、本発明を適用したパネル床構造1の一部切欠斜視図を、図2(b)はパネル床構造1の正面断面図を示している。パネル床構造1は、互いに所定間隔をおいて略平行に配置された上面材11及び下面材12と、これら上面材11及び下面材12を連結する複数本の溝形鋼からなるパネル芯材13と、パネル芯材13の長手方向の両側に取り付けられた側板17とから構成されている。溝形鋼からなるパネル芯材13は、上面材及び下面材12の間における一方向に向けて、互いに間隔をおいて複数本に亘って略平行に配置されている。
溝形鋼からなるパネル芯材13は、上フランジ21及び下フランジ22がウエブ23を介して形成されている。上面材11に対しては、パネル芯材13の上フランジ21が、下面材12に対しては、パネル芯材13の下フランジ22が、ドリルタッピングねじ等の固着具16により固着されている。この結果、複数本のパネル芯材13は、上面材11と下面材12とパネル芯材13の長手方向の両側の側板17との間に形成される空間を、複数の中空空間14に仕切っており、これら上面材11、下面材12、側板17及びパネル芯材13によって、中空パネル体10としての構造が形成されている。そして、この中空空間14内には所定量の粉粒体15が収容されている。
上面材11は、いわゆる床下地板としての役割を担うものであり、その表面には、図示しない化粧合板が取り付けられる。下面材12は、いわゆる天井板としての役割を担うものである。
側板17は、中空パネル体10の四方の側部から粉粒体15が流出するのを防止するために取り付けられるものである。本実施の形態においては、中空パネル体10の幅方向(図2(b)における左右方向)の両側にパネル芯材13が取り付けられており、中空パネル体10の幅方向の側部から粉粒体15が流出することがないことから、側板17は、中空パネル体10の長手方向の両側にのみ取り付けられている。このように、側板17は、本発明において必須の構成とはならず、側板17の代替として、粉粒体15の流出を防止するためにいかなる公知の手段を適用してもよい。
側板17の代替としての粉粒体15の流出を防止するための構成としては、例えば、図3に示すように、粉粒体15を弾性、可撓性を有する袋体18の内部に封入して、これを中空空間14内に設置するようにしてもよい。袋体18を用いた場合、側板17を省略可能となり、さらに、粉粒体15の運搬作業、設置作業が容易となり施工性が向上することとなる。袋体18内に封入される粉粒体15の量は特に問わないが、一つの袋体18につき一定量の粉粒体15を封入するようにしてもよく、この場合は中空空間14内に複数個の袋体18が設置されることになる。袋体18は、弾性、可撓性を有するものであり、例えば、ラテックスのような天然ゴムや、スチレンブタジエンゴム、ポリイソブチレンやクロロブレンゴム等の合成ゴムによって具体化されるものである。
上面材11、下面材12、側板17の厚さ、材質、構造は、所定の強度が得られる限りにおいて、これを問わないが、材質は、十分な強度を得つつ、重量の軽減が可能な鋼製とすることが望ましい。上面材11、下面材12、側板17は、均質な材料で構成されている必要はなく、積層構造、ハニカム構造等の複合構造であってもよい。
パネル芯材13は、圧延加工等の工程を経て製造される形鋼であり、ウエブ23の高さは上面材11と下面材12との間に形成すべき空間の大きさに応じて予め決められている。パネル芯材13として適用される形鋼の厚さや機械的性質については、所定の強度を確保するものであれば、これを問わない。パネル芯材13として適用される形鋼の表面処理は、特に問わないが、耐食性を向上させるために、亜鉛めっきを施すようにしてもよい。パネル芯材13の材質については、木製角材やエンジニアンリングプラスチック棒等の非金属材料を適用してもよいが、十分な強度を得つつ、重量の軽減が可能な鋼製とすることが望ましい。
パネル芯材13の形状は、各種形鋼と同様の断面形状からなる部材が一方向に向けて延長された形状であればよく、その断面形状は、溝形鋼のなす断面形状の他に、I形鋼、リップ溝形鋼、山形鋼、Z形鋼、箱形形鋼等、その種類について特に限定しない。また、パネル芯材13としては、一方向に延長されてなる平板状の鋼板等を適用してもよい。また、パネル芯材13は、後述の実施形態のように、波板や折板を適用するようにしてもよい。
中空空間14は、少なくとも上面材11と下面材12との間に形成される空間が、複数のパネル芯材13によって仕切られることによって形成されるものである。中空空間14の数は、特に問うものではなく、例えば、パネル芯材13を中空パネル体10の幅方向の両側に二つのみ配置して中空空間14を一つのみとしてもよいし、パネル芯材13を三つ以上配置して中空空間14を二つ以上としてもよい。
中空パネル体10を構成する場合においては、本実施の形態のように、上面材11、下面材12、側板17及びパネル芯材13を独立した部材とし、これらを現場又は工場にて組み合わせるような構成とする他に、後述の実施形態のように、図6等に示される、上面材の一部を構成する上フランジ54と、下面材の一部を構成する下フランジ56と、芯材を構成するウエブ52とを備えるパネル用構造材50を複数個に亘って組み合わせることによって、これを中空パネル体60とするようにしてもよい。
なお、上面材11、下面材12及びパネル芯材13を独立した部材とした場合、これらの組み合わせにあたっては、図4(a)に示されるように、溝形鋼やリップ溝形鋼等の上フランジ21や下フランジ22を、それぞれ上面材11、下面材12に当接させて、これを固着具16によって固着することになる。または、図4(b)に示されるように、板状部材等のパネル芯材13の上端部24を上面材11に溶接し、パネル芯材13の下端部25を下面材12に溶接することによって固着するようにしてもよい。また、側板17は、上面材11、下面材12又はパネル芯材13に対して溶接等によって固着することになるが、特にその連結手段は限定しない。因みに、固着具16としては、ドリルタッピングねじの他に、ボルトとナットの組み合わせ、ビス等、二部材を連結可能とする部材であれば、特に限定しない。また、図3(b)におけるWは溶接箇所を示す。
粉粒体15は、中空パネル体10における各中空空間14内に収容された後の全重量が、中空パネル体10の全重量に対して、0.25倍超から2.5倍未満までの範囲の重量の比率となるように収容されている。この範囲内であれば、粉粒体15の重量比が増えるにつれて、音圧低減効果がほぼ線形的に向上することになる。この粉粒体の重量比を0.25倍超としたのは、この値超であると、特定の周波数帯域(例えば、63Hz〜125Hzの範囲)において少なくとも5dB程度の音圧低減効果が得られ、この値以下であるとこのような音圧低減効果が得られにくいためである。また、2.5倍未満としたのは、これ以上粉粒体を収容すると、粉粒体15の重量比が増加しても、線形的な音圧低減効果が得られず、パネル床構造1全体の重量が単に過大に増加してしまうためである。
なお、この粉粒体15の全重量は、中空パネル体10の全重量に対して、1倍以上、2倍以下の範囲の重量の比率とするのが望ましい。この粉粒体15の重量比を1倍以上としたのは、63Hz〜500Hzの帯域の音(重量床衝撃音)を5dB〜15dB低減できるためである。また、この粉粒体15の重量比を2倍以下としたのは、粉粒体15の重量比が2倍を超えた辺りから、重量比の増加につれてみられていた音圧低減効果が向上する傾向が弱くなるためである。
この粉粒体15の例としては、例えば、溶融メタル、溶融スラグ、風砕スラグ、高炉スラグ、転炉スラグ、電路スラグ等の各種溶融廃棄物、又は還元鉄ペレット、焼結鉱等が挙げられる。なお、ここでいう溶融メタルや溶融スラグは、例えばゴミ処理用の溶融炉等から得られるものである。溶融炉においては、ごみが炉頂から降下しながら乾燥、熱分解ガス化され、灰分等の無機質が完全に溶融され、炉底部に貯留される。これら溶融物を炉から排出し、水砕処理設備で急冷した後、磁選機によって溶融メタルと溶融スラグとに分離される。これを本発明における粉粒体15として活用する。なお、風砕スラグとは、溶融スラグを高速気流により粒状化したものである。また、粉粒体はこれらに限定するものではなく、適当な比重と剛性を備えるものであれば、いかなる公知の素材を用いてもよい。
本発明においては、このようにして得られる溶融メタルを適用するのが好ましく、この溶融メタルは、メタル分が85wt%〜90wt%、スラグ分が15wt%〜10wt%からなり、このメタル分の全重量に対してFeが80wt%以上含有されている。粉粒体15として適用される溶融メタルは、その嵩比重につき、2.5〜4.0t/mで構成される。また、この粉粒体15として適用される溶融メタルは、粒径が0.1〜5mmで構成される。ここで、平均粒径が0.1mm以上としたのは、溶融メタルの粒径が一般に0.1mm以上であるためで、また平均粒径を5mm以下としたのは、これより大きな値であると、粉粒体15に対して衝撃が加わった場合に、粉粒体15が飛び跳ねにくくなり、粉粒体15による音圧低減効果を得られにくくなってしまうためである。なお、本発明において溶融メタルの適用が好ましい理由は、嵩比重が他の溶融廃棄物等よりも高く、少ない体積量を中空空間14に収容するのみで十分な重さが得られ、これに伴い、粉粒体15の収容に要するスペースを低減できるとともに、中空パネル体10、パネル床構造1の小型化を図ることができるためである。
なお、粉粒体15は、中空パネル体10における各中空空間14内に収容されるのが望ましい。これは、一部の中空空間14内に粉粒体15が収容されていないと、上面材11に伝達された振動が、その中空空間14内において粉粒体15によって抑制されることなくそのまま下面材12にまで伝達されるためである。
また、粉粒体15は、パネル芯材13に対して接触されるようにして、中空空間14内に収容されるのが望ましい。これにより、後述するように、パネル床構造1の上面材11で生じた振動が、パネル芯材13を介して下階側に伝達される場合に、このパネル芯材13の振動を直接抑制することができ、ひいては下階側に伝達される騒音等の音を低減可能となるためである。ここで粉粒体15が、パネル芯材13に対して接触される量は、多ければ多いほど望ましい。なお、より具体的には、パネル芯材13に対して粉粒体15を接触させた場合には、パネル芯材13の固有振動数を含む帯域の振動を低減可能になる。このパネル芯材13の固有振動数は、例えば、パネル芯材13のウエブ23の板厚や中空空間14の板厚方向高さ等に応じて定まるものである。
また、粉粒体15が収容される中空パネル体10の重量は、特に問わないが、中空パネル体10の単位面積あたりの重量は、例えば、30kg/m以上、200kg/m以下の範囲を取ることになる。ここでいう中空パネル体10の単位面積とは、図2に示すようなパネル床構造1を鉛直上方(上面材11の法線方向)から見た場合における、中空パネル体10の平面視の単位面積あたりの重量のことをいう。なお、中空パネル体10の単位面積あたりの重量が30kg/m未満の場合は、要求性能に対して十分な構造性能を確保できないため好ましくなく、200kg/m超の場合は、中空パネル体10の重量が過大に増加してしまうため好ましくない。
このようにして構成されるパネル床構造1の作用効果について以下に説明する。
一般に、パネル床構造1の上階側で発生した振動が、パネル床構造1の下階側に騒音等の音として伝達されるためには、上階側発生した振動が、パネル床構造1を介して、固体伝搬するか、空気伝搬するかして伝達されることになる。ここで、固体伝搬する場合においては、パネル床構造1の上面材11で生じた振動が、パネル芯材13に振動として伝達され、更に下面材12に振動として伝達され、そして下面材12の振動がパネル床構造1の下階側の空気に伝達されることになる。また、空気伝搬する場合においては、パネル床構造1の上面材11で生じた振動が、中空空間14の空気に振動として伝達され、更に下面材12に振動として伝達され、そして下面材12の振動がパネル床構造1の下階側の空気に伝達されることになる。
本発明においては、これら下面材12やパネル芯材13、並びに中空空間14の空気を介して伝達してきた振動の一部が、中空空間14に収容された粉粒体15、即ち下面材12やパネル芯材13に接触した状態で配置された粉粒体15に対して伝達され、これに応じて粉粒体15そのものが振動することになる。粉粒体15が振動すると、一部の粉粒体15は、他の粉粒体15と衝突等することによって熱エネルギーに変換され、更に、一部の粉粒体15は、振動によって中空空間14内を飛び跳ねて、再度下面材12と衝突することによって自らの粉粒体の運動エネルギーを減衰させることになる。このようにして、パネル床構造1の上階側で生じた振動の一部を、粉粒体15が低減させて、結果として、下階側に伝達される振動を抑制できることになる。
ここで、本発明においては、各中空空間14内に収容される粉粒体15の全重量が、中空パネル体10の全重量に対して、多くとも2.5倍の重量の比率となるようにされており、中空パネル体10内に粉粒体15を収容させて、パネル床構造1に遮音性をもたせた場合においても、過剰な重量の増加が防止されている。また、粉粒体15の全重量が、中空パネル体10の全重量に対して、0.25倍超から2.5倍未満までの範囲の重量の比率であれば、粉粒体15の重量比が増えるにつれて、音圧低減効果がほぼ線形的に向上し、粉粒体15の設置重量に対する音圧低減効果の向上する効率に優れたものとなる。このため、パネル床構造1に要求される音圧低減効果と全体の重量とをバランス良く備えた、軽量であり、かつ、遮音性に優れたパネル床構造1を提供可能となる。
特に、この粉粒体15の全重量を、中空パネル体10の全重量に対して、1倍以上、2倍以下の範囲の重量の比率とした場合、パネル床構造1の過剰な重量の増加を防止しつつ、63Hz〜500Hzの帯域の音を6dB〜16dB低減可能となっている。
第2の実施形態
次に、本発明を適用したパネル床構造の第2の実施形態について説明する。なお、以下の説明において、第1の実施形態で説明した構成要素と実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付すことによりその説明を省略する。
図5は、第2の実施形態であるパネル床構造4の正面断面図を示している。図5(a)は、第1の実施形態における形鋼からなるパネル芯材13の代わりに、折板41をパネル芯材13として適用したものを示している。
この折板41は、鋼製、プラスチック製等の折板によるもので、平板状の多数の山部42と谷部43が平板状の多数の斜面部44によって連設されており、これによって、略山形の断面形状と、略谷形の断面形状とが一方向に向けて交互に繰り返されて、略波形の形状として構成される。
折板41の斜面部44は、上面材11や下面材12の略直交方向に対して所定の角度θをもって傾斜した面を有している。これにより、谷部43上の中空空間14内に収容される粉粒体15が、折板41の斜面部44に接触し易くなり、この斜面部44を介して伝達される振動を直接抑制することができるためである。この斜面部44がなす角度θは、10°以上、45°以下とするのが望ましい。この角度θを10°以上としたのは、10°未満であると、斜面部44を介して伝達される振動を抑制する効果が得られにくいためである。また、この角度θを45°以下としたのは、45°超の場合に、上面材11の略直交方向に対して荷重が負荷された際に、構造上これに対して十分に折板41が抵抗できないためである。
上面材11に対しては、折板41の山部42が、下面材12に対しては、折板41の谷部43が固着具16又は溶接等によって固着されている。この結果、パネル芯材13として適用される折板41は、上面材11と下面材12との間に形成される空間を、複数の中空空間14に仕切っており、これら上面材11、下面材12及び折板41によって中空パネル体40としての構成が形成されている。そして、この中空空間14内には、上述した範囲の重量比で、粉粒体15が収容される。
なお、この中空パネル体40の、折板41の山部42と谷部43とが交互に繰り返される方向の両端部には、粉粒体15が中空パネル体40外に流出されるのを防止するための側端板45が必要に応じて取り付けられている。
このようにして構成されるパネル床構造4は、粉粒体15の一部が、パネル芯材13の谷部43や斜面部44の一部に接触しやすい構成となっているため、これらパネル芯材13、特に斜面部44を介して上階側から下階側に伝達される振動が、粉粒体15に伝達され易く、これに伴って、粉粒体15によって、これら振動を低減させ易くなっている。
なお、パネル芯材13の代わりとして折板41でなくとも、図5(b)に示されるような波板46を適用するようにしてもよい。
この波板46は、鋼製、プラスチック製等の波板によるもので、所定の曲率をもって湾曲してなる多数の山部47と谷部48が平板状の多数の斜面部49によって連設されており、これによって、折板41と同様に、山谷の断面形状が一方向に向けて交互に繰り返される略波系の形状から構成される。波板46の場合も同様に、山部47が上面材11に対して、谷部48が下面材11に対して固着具16又は溶接等によって固着されている。この波板46の斜面部49も、折板44の斜面部49と同様に、上面材11や下面材12の略直交方向に対して所定の角度θをもって傾斜した面を有している。
第3の実施形態
次に、本発明を適用したパネル床構造の第3の実施形態について説明する。
図6(a)は、第3の実施形態であるパネル床構造5に用いられるパネル用構造材50の正面断面図を、図6(b)は、複数個のパネル用構造材50を略同一の配向状態をもって隣接配置したうえで、これらを連結することにより構成されるパネル床構造5を示している。
パネル用構造材50は、図6(a)に示すように、ウエブ52と、上フランジ54と、下フランジ56とを備えている。ウエブ52、上フランジ54、下フランジ56は、何れも紙面に垂直な方向に対して延長される長尺の板状部材である。ウエブ52の上端部52aからは、ウエブ52に対して略直交して上フランジ54が第1の方向に向けて延長されており、ウエブ52の下端部52bからは、ウエブ52に対して略直交して下フランジ56が第1の方向と逆方向に向けて延長されている。
このパネル用構造材50は、鋼板等をロール成形、プレス成形、押し出し成形等することによって製造される。
このパネル用構造材50を用いてパネル床構造5を構成する場合、図6(b)に示すように、複数のパネル用構造材50を、各上フランジ54並びに下フランジ56が略同一面を形成するように隣接配置する。この場合において、一つのパネル用構造材50における上フランジ54の自由端側の端部54aが、他のパネル用構造材50における上フランジ54の固定端側の端部54b(ウエブ52の上端部52a)に対して当接しており、これを溶接等によって固着している。また、一つのパネル用構造材50における下フランジ56の固定端側の端部56a(ウエブ52の下端部52b)も同様に、他のパネル用構造材50における下フランジ56の自由端側の端部56bに対して当接しており、これを溶接等によって固着することによって、複数のパネル用構造材50が連結されている。
これによって、複数のパネル用構造材50における各上フランジ54が、パネル床構造5のパネル上面61として、また、各下フランジ56が、パネル床構造5のパネル下面62として構成されており、更に、各パネル用構造材50におけるウエブ52がパネル芯材63として構成されている。即ち、上述の如き構成からなるパネル用構造材50を用いることにより、互いに所定間隔をおいて略平行に配置されたパネル上面61及びパネル下面62と、パネル上面61及びパネル下面62から連設されるとともに、パネル上面61及びパネル下面62間の空間を複数の中空空間64に仕切るパネル芯材63とから中空パネル体60が構成されることになる。そして、この中空空間64内には、上述の如き範囲内で粉粒体15が収容されることになる。なお、ここでいう中空空間64は、複数のパネル用構造材50における上フランジ54、下フランジ56並びにウエブ52によって囲まれてなる中空空間のことをいう。
因みに、パネル用構造材50におけるウエブ52は、上フランジ54や下フランジ56に対して垂直であっても傾斜した状態であってもよい。また、上フランジ54、下フランジ56が延長される第1の方向並びにこれと逆方向に位置する中空パネル体60の両端部には、粉粒体15が中空パネル体60外に流出されるのを防止するための側端板65が必要に応じて取り付けられている。この側端板65は、鋼板等をロール加工等によって折り曲げたものであり、パネル用構造材50から上フランジ54又は下フランジ56を除いた構成となっている。この側端板65は、ウエブ52と略平行をなすウエブ65aと、上フランジ54又は下フランジ56と略平行をなすフランジ65bとを有している。この側端板65のフランジ65bは、パネル用構造材50におけるウエブ52の上端部又は下端部に対して溶接等によって連結され、また、この側端板65のウエブ65aは、パネル用構造材50における上フランジ54又は下フランジ56の自由端側の端部に対して溶接等によって連結されている。
このようにして構成されるパネル床構造5は、パネル用構造材50によって中空パネル体60が構成されており、この中空パネル体60の複数の中空部64内に粉粒体15を収容して構成される。このようにして構成されるパネル床構造5の中空パネル体60は、箱形形鋼.を上面材、下面材間に配置した中空パネル体に対して、同等の曲げ剛性を保有しながら、軽量化を図ることが可能となっている。更に、中空パネル体60を構成するパネル用構造材50を複数積み重ねることができるため、多数のパネル用構造材50を積み重ねた状態で運搬でき、運搬性の点で優れている。そして、このような有利な効果を奏しつつ、中空パネル体60の中空部64内に所定の範囲内の重量比の粉粒体15を収容することで、第1の実施形態の述べたような所期の効果を奏する。
なお、パネル用構造材50の代替として、図7に示すようなパネル用構造材70を適用するようにしてもよい。
パネル用構造材70は、図7(a)に示すように、ウエブ72と、上フランジ74と、下フランジ76とを備えている。これらの主な構成は、パネル用構造材50におけるウエブ52、上フランジ54、下フランジ56と同一であるので、詳細な説明は省略する。
以下、パネル用構造材70におけるパネル用構造材50との異なる構成について説明する。パネル用構造材70におけるウエブ72には、その上端部に接合部72aが形成され、また、上フランジ74には、自由端側の端部に突起部74aが形成されている。接合部72aは、上フランジ74の上面よりも低い位置に、上フランジ74と略平行をなす面を有している。突起部74aは、上フランジ74より下側に窪んだ溝形状を有している。
また、下フランジ76の自由端側の端部には、折り曲げ部76aが形成されている。この折り曲げ部76aは、下フランジ76に対して略直交して延長されており、ウエブ72と略平行な面をなしている。
このパネル用構造材70を用いてパネル床構造5を構成する場合、図7(b)に示すように、複数のパネル用構造材70を、各上フランジ74並びに下フランジ76が略同一平面を形成するように隣接配置する。この場合において、一つのパネル用構造材70における接合部72a上に、他のパネル用構造材70における突起部74aが接触載置されて、接合部72aと突起部74aとがドリルねじ等の固着具75によって固着されることによって、複数のパネル用構造材70が連結される。ここで、ねじ結合された接合部72aと突起部74aとが、上フランジ74より低い位置に形成されているため、上フランジ74の上面に突出された部材がなくなり、パネル床構造5の納まりを良くすることができる。
また、複数のパネル用構造材70を隣接配置した場合に、一つのパネル用構造材70における折り曲げ部76aは、他のパネル用構造材70におけるウエブ72の下端部72bに当接される。これによって、複数のパネル用構造材70を隣接配置し易くなる。
これによって、パネル用構造材50を用いてパネル床構造5を構成した場合と同様に、パネル上面61、パネル下面62、パネル芯材63及び中空空間64を有する中空パネル体60が構成されることになる。そして、この中空空間64内に、所定の範囲の重量比で粉粒体15が収容されることになる。
なお、上フランジ74や下フランジ76が延長される第1の方向並びにこれと逆方向に位置する中空パネル体60の両端部には、粉粒体15が中空パネル体60外に流出されるのを防止するための側端板66が必要に応じて取り付けられる。この側端板66は、鋼板等をロール加工等によって折り曲げたものであり、パネル用構造材70から上フランジ74又は下フランジ76を除いた構成となっている。
また、パネル用構造材50の代替として、図8に示すようなパネル用構造材80を適用するようにしてもよい。
パネル用構造材80は、図8(a)に示すように、ウエブ82と、上フランジ84と、下フランジ76とを備えている。これらの主な構成は、パネル用構造材50におけるウエブ52、上フランジ54、下フランジ56と同一であるので、詳細な説明は省略する。
以下、パネル用構造材80におけるパネル用構造材50と異なる構成について説明する。パネル用構造材80におけるウエブ82には、その上端部に嵌合部82aが形成され、また、上フランジ84には、自由端側の端部に係合部84aが形成されている。嵌合部82aは、上フランジ84とウエブ82の上端部との接合部分における断面が、開口が上フランジ84の固定端側の端部側を向いたCの字形状を有するように形成される。係合部84aは、上フランジ84より下側に窪んだ溝形状を有する。
また、下フランジ86の自由端側の端部には、折り曲げ部86aが形成され、ウエブ82の下端部にも折り曲げ部82bが形成される。下フランジ86の自由端側の折り曲げ部86aは、下フランジ86に対して略直交して延長される面と、更に先端が下に向くように延長される傾斜面とを有している。ウエブ82の下端部の折り曲げ部82bは、ウエブ82に対して下フランジ86の先端側に向けて傾斜して延長され、前述の折り曲げ部86aの傾斜面に対応した略同一の傾斜面を有している。
このようなパネル用構造材80を用いてパネル床構造5を構成する場合、図8(b)に示すように、複数のパネル用構造材80を、各上フランジ84並びに下フランジ86が略同一平面を形成するように隣接配置する。この場合において、一つのパネル用構造材80における嵌合部82a内に、他のパネル用構造材80における係合部84aが嵌合されて、これら二つのパネル用構造材80が連結される。ドリルねじ等の固着具75を用いることなく複数のパネル用構造材80を連結することができ、施工性が向上することになる。
また、複数のパネル用構造材80を隣接配置した場合に、一つのパネル用構造材80における下フランジ86の折り曲げ部86aは、他のパネル用構造材80におけるウエブ82下端部の折り曲げ部82bに当接される。これによって、複数のパネル用構造材80を隣接配置し易くなる。
これによって、パネル用構造材50を用いたパネル床構造5を構成した場合と同様に、パネル上面61、パネル下面62、パネル芯材63、中空空間64を有する中空パネル体60が構成されることになる。そして、この中空空間64内に所定の範囲の重量比で粉粒体15が収容されることになる。
なお、上フランジ84や下フランジ86が延長される第1の方向並びにこれと逆方向に位置する中空パネル体60の両端部には、粉粒体15が中空パネル体60外に流出されるのを防止するための側端板67が必要に応じて取り付けられる。この側端板67は、鋼板等をロール加工等によって折り曲げたものであり、パネル用構造材80から上フランジ84又は下フランジ86を除いた構成となっている。
図9は、JIS A 1418−2に従って行った重量床衝撃音試験の結果を示している。この試験においては、RCスラブ構造(比較例1)、中空パネル体10(比較例2)、中空パネル体10内に異なる重量比で粉粒体15を収容したパネル床構造1(本発明例1〜4、比較例3)の7種類の床構造について、各周波数に対する音圧レベルを調査した。調査した音波の周波数は、63、125、250、500(Hz)とした。この試験結果においては、特定の音波の周波数(Hz)に対する音圧レベル(dB)が示されている。中空パネル体10に収容された粉粒体15の全重量は、中空パネル体10の全重量に対して0.2倍(比較例3)、1.1倍(本発明例1)、1.6倍(本発明例2)、2.1倍(本発明例3)、4.2倍(比較例4)とした。
中空パネル体10の構成としては、第1の実施形態で示された図2の如き構成からなる上面材11、下面材12、側板17及びパネル芯材13を備えた中空パネル体10を適用した。中空パネル体10は、その平面視における縦横方向の長さが1.5m×3.0mであり、床厚が175mmのものを適用した。中空パネル体10の単位面積あたりの重量は、100kg/mとした。因みに、上面材11等は、何れも鋼製である。また、粉粒体15は、Feが90wt%、Cuが10wt%含有されており、その嵩比重が3.0で、粒径が1〜5mmのものを適用した。また、比較例1のRCスラブ構造とは、その平面視における縦横方向の長さが1.5m×3.0mであり、床厚を200mmとしたものである。RCスラブ構造の単位面積あたりの重量は、460kg/mとした。
図9に示される結果より、比較例2と比較して、本発明例1〜3は、何れも広い帯域における周波数の音圧レベルを低減していることが示されている。また、本発明例3と比較して、比較例4は、その音圧レベルが数dBのみ低減されている。
図10は、上述の重量床衝撃音試験から得られた結果について、中空パネル体10の全重量に対する、粉粒体15の全重量を横軸とし、縦軸に音圧レベル低減量をプロットしたものである。この図10の結果に示されるように、本発明の粉粒体15の重量比の範囲である、0.25倍超から2.5倍未満の範囲内においては、重量比が増えるにつれて、遮音効果がほぼ線形的に増加している。そして、2.5倍以上となると、重量比が増えても、線形的な遮音効果の増加が得られていないことが示されている。また、中空パネル体10の全重量に対する粉粒体15の重量比が0.25倍超であれば、少なくとも63Hz、125Hzの帯域の音が5dB程度低減されていることが示されている。また、粉粒体15の重量比の範囲が1倍以上、2倍以下の範囲の場合、63Hz〜500Hzの帯域の音(重量床衝撃音)が6dB〜16dB低減されていることが示されている。
本発明を適用したパネル床構造が配設される床下構造について説明するための斜視図である。 本発明を適用したパネル床構造について示す図であり、(a)はその一部切欠斜視図、(b)はその正面図である。 粉粒体を袋体に封入して中空空間内に配置した状態を示す正面図である。 芯材を上面材、下面材に対して組み合わせる方法について説明するための正面断面図である。 パネル床構造の第2の実施形態について説明するための正面断面図である。 パネル床構造の第3の実施形態について説明するための正面断面図である。 パネル床構造の第3の実施形態について説明するための正面断面図である。 パネル床構造の第3の実施形態について説明するための正面断面図である。 重量床衝撃音試験の試験結果について示す図であり、横軸を周波数、縦軸を音圧レベルとしたものである。 重量床衝撃音試験の試験結果について示す図であり、横軸を重量比、縦軸を音圧レベル低減量としたものである。
符号の説明
1、4、5 パネル床構造
3 床下構造
10 中空パネル体
11 上面材
12 下面材
13 パネル芯材
14 中空空間
15 粉粒体
16 固着具
17 側板
18 袋体
21 上フランジ
22 下フランジ
23 ウエブ
24 上端部
25 下端部
31 横架材
40 中空パネル体
41 折板
42、47 山部
43、48 谷部
44、49 斜面部
46 波板
50、70、80 パネル用構造材
52、72、82 ウエブ
54、74、84 上フランジ
56、76、86 下フランジ
61 パネル上面
62 パネル下面
63 パネル芯材
64 中空空間
65、66、67 側端板
72a 接合部
74a 突起部
75 固着具
76a、86a 折り曲げ部
82a 嵌合部
82b 折り曲げ部
84a 係合部

Claims (5)

  1. 複数の横架材をグリッド状に組んだ床構造に配設可能なパネル床構造において、
    互いに所定間隔をおいて略平行に配置された上面材及び下面材と、上記上面材及び下面材を連結するとともに、上記上面材及び下面材間の空間を複数の中空空間に仕切るパネル芯材とから中空パネル体が構成され、
    上記中空空間内には、粉粒体が収容され、
    上記中空パネル体は鋼製であり、
    上記中空空間内に収容されている粉粒体の全重量は、63Hz〜500Hzの周波数帯域の音を低減するために、上記中空パネル体の全重量に対して1.1倍以上から2.5倍未満までの範囲の重量の比率とされてなること
    を特徴とする建築構造物のパネル床構造。
  2. 上記粉粒体は、上記パネル芯材に対して接触されていること
    を特徴とする請求項1に記載の建築構造物のパネル床構造
  3. 上記粉粒体は、溶融メタルであること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の建築構造物のパネル床構造。
  4. 上記パネル芯材は、波板又は折板であること
    を特徴とする請求項1〜3のうち何れか1項記載の建築構造物のパネル床構造。
  5. 上記中空パネル体を構成する上面材、下面材及びパネル芯材の代替として、垂直又は傾斜して配置される板状のウエブと、上記ウエブの上端部から第1の方向に延長される板状の上フランジと、上記ウエブの下端部から第1の方向と逆方向に延長される板状の下フランジとを有する複数個のパネル用構造材が、各上記上フランジ並びに上記下フランジが略同一平面を形成するように略同一の配向状態をもって隣接配置されて連結されてなる中空パネル体を用い、
    上記上フランジ、下フランジ並びにウエブによって囲まれてなる中空空間内に上記粉粒体が収容されてなること
    を特徴とする請求項1〜3のうち何れか1項記載の建築構造物のパネル床構造。
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