JP2015151702A - 床構造及び遮音用制振部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、汎用性及び施工性を良好にすることができる床構造を提供する。
【解決手段】床構造10は、2本の鉄骨梁1と、2本の鉄骨梁1を架け渡した状態で2本の鉄骨梁1の上で固定されるALCパネル6と、を備える。床構造10は、粒状体が収容されてALCパネル6の下部に取り付けられる筒状体2と、粒状体が筒状体2から漏れないように封止を行う封止手段4と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、建物で用いられる床構造及び遮音用制振部材に関し、特に、重量衝撃音を遮断する床構造及び遮音用制振部材に関する。
従来、このような分野の技術として、特開2012−162938号公報が知られている。この公報には、複数の中空部がパネルの長手方向に沿うように形成されるセメント系の中空パネルを備えた遮音床パネルが記載されている。この公報に記載された遮音床パネルでは、中空パネルにおける複数の中空部のそれぞれに、粒状体が袋体に充填されて成る吸振袋体が入り込んでおり、この吸振袋体の形状は直方体状になっている。また、この遮音床パネルでは、袋体に充填されている粒状体の集合体としての体積を、中空部に装着された状態の袋体の容積の50〜95%とすることによって振動を吸収させるための工夫がなされている。
特開2012−162938号公報
上述した遮音床パネルでは、袋体に収容される粒状体の充填率を変えることで振動を吸収することは可能である。しかしながら、上述した遮音床パネルでは、複数の中空部を有する専用の中空パネルを用意しなければならず、更に、直方体状の吸振袋体を中空部の数だけ用意しなければならない。このように、上述した遮音床パネルでは、専用の中空パネルと専用の吸振袋体とを用意しなければならないので汎用性の点で問題がある。また、中空部を予め形成し、吸振袋体を予め製造し、製造した複数の吸振袋体を中空部に対して一つ一つ入れ込まなければならないので、その分手間が増え施工が面倒なものになりやすい。このように、上述したような遮音床パネルでは、汎用性及び施工性の点で改善の余地がある。
本発明は、汎用性及び施工性を良好にすることができる床構造及び遮音用制振部材を提供することを目的とする。
本発明に係る床構造は、2本の梁と、2本の梁を架け渡した状態で2本の梁の上で固定される床パネルと、を備える床構造において、粒状体が収容されて床パネルの下部に取り付けられる筒状体と、粒状体が筒状体から漏れないように封止を行う封止手段と、を備えている。
本発明に係る床構造では、粒状体が筒状体に収容され、この状態で封止手段によって、粒状体が筒状体から漏れないように封止が行われる。そして、粒状体を収容した筒状体は床パネルの下部に取り付けられる。よって、例えば子供が床パネルの上で飛び跳ねることによって、床パネルで振動が発生したときには、2本の梁を架け渡した床パネルが撓むこととなるが、床パネルの下部に取り付けられた筒状体によって上記の振動は吸収される。このように筒状体が上記の振動を吸収するので、床パネルにおける重量衝撃音を遮断することができる。粒状体、筒状体及び封止手段で重量衝撃音の遮断効果を実現させることができるので、床構造を簡便な構成とすることができる。また、粒状体を収容した筒状体を既存の床パネルの下部に後で取り付けることもできるので、汎用性が高められた床構造とすることができる。粒状体を収容した筒状体を床パネルの下部に取り付けるだけで重量衝撃音の遮断が可能となるので、施工にかかる手間を軽減させることができ、施工性を高めることもできる。更に、粒状体を収容した筒状体は、床パネルの下部における任意の位置に取り付けることができ、取付位置の自由度が高められているので、粒状体を収容した筒状体を床パネルの下部の好適な位置に取り付けることによって、床構造の遮音性を向上させることも可能となる。
また、筒状体は、床パネルの下面から離間した状態で床パネルの下方で吊り下げられてもよい。筒状体を床パネルの下方で吊り下げることによって、筒状体は床パネルの下面から離間した状態で床パネルの下部に取り付けられる。このように筒状体が床パネルの下面に対して離間していると、振動によって床パネルが撓んでも筒状体は撓みにくくなる。従って、筒状体にかかる負荷を低減させることができる。
また、2本の梁は、互いに平行に延在しており、床パネルは、矩形板状となっており、床パネルの長手方向は、2本の梁が延在する方向と交差しており、筒状体は、床パネルの長手方向における中央部を挟む2箇所の位置で吊り下げられてもよい。このように床パネルの長手方向における中央部を挟む2箇所の位置で筒状体を吊り下げることによって、筒状体を床パネルの下方でバランスよく吊り下げることができ、床パネルの振動時に筒状体取付手段にかかる負荷を安定させることもできる。また、上記のように中央部を挟む2箇所の位置で筒状体を吊り下げる場合には、中央部を挟まない2箇所の位置で筒状体を吊り下げる場合と比較して、梁の振動加速度を低減させることもできる。
また、粒状体は、筒状体の内部で移動可能な状態で筒状体に収容されていてもよい。このように粒状体を筒状体の内部で移動可能とすることによって、パネルの振動時に粒状体が筒状体の内部で移動することとなるので、粒状体を収容する筒状体をダイナミックダンパとして機能させることができる。
また、2本の梁は、互いに平行に延在しており、床パネルは、矩形板状となっており、床パネルの長手方向は、2本の梁が延在する方向と交差しており、筒状体は、床パネルの長手方向に沿うように床パネルの下部に取り付けられてもよい。2本の梁を架け渡した状態で各梁の上で固定された矩形板状の床パネルは、2本の梁が延在する方向から見て弓なりに撓むこととなる。よって、2本の梁が延在する方向と交差する床パネルの長手方向に沿うように筒状体を取り付けることによって、床パネルの振動をより効果的に抑えることが可能となる。
また、筒状体の長さは、2本の梁間の距離の1/2以上であり、筒状体の吊り下げ位置は、床パネルの長手方向における端部と中央部との中点よりも中央部側に位置していてもよい。2本の梁の上で固定された床パネルの撓みは、各梁から離れるに従って大きくなり、床パネルの長手方向における中央部で最も大きくなる。従って、上記のように筒状体の吊り下げ位置が端部と中央部との中点よりも中央部側に位置すると、撓みが大きく発生する箇所に吊り下げ位置が位置することとなるので、床パネルの振動をより効果的に抑えることができる。また、床パネルの撓みによる回転角度は、各梁から離れるに従って小さくなり、床パネルの長手方向における中央部で最も小さくなる。よって、上記のように筒状体の吊り下げ位置を端部と中央部との中点よりも中央部側とすることにより、床パネルの撓みに伴う筒状体取付手段の回転を小さくすることができる。従って、床パネルの振動時に筒状体取付手段に無理な力が生じにくくなり、筒状体取付手段への負荷を低減させることが可能となる。
また、粒状体は、乾燥した砂、乾燥した砂利、乾燥したフライアッシュ及び乾燥した無機材粉砕物、の少なくともいずれかであってもよい。このように、乾燥した粒状体を筒状体に収容することによって、粒状体が筒状体の内部で固まったり付着したりする事態を回避することが可能となり、粒状体を筒状体の内部で移動しやすくすることができる。従って、粒状体を収容する筒状体をダイナミックダンパとして機能しやすくすることができる。
また、筒状体は、塩ビ管であり、塩ビ管は、床パネルの下方でサドルバンドを用いて吊り下げられてもよい。塩ビ管及びサドルバンドは簡単に入手可能な普及品であるため、塩ビ管及びサドルバンドを用いることによって、重量衝撃音の遮断効果を発揮する床構造を簡単に実現させることができ、コストの低減にも寄与する。
また、床パネルは、ALCパネルであってもよい。ALCパネルは、他のパネルと比較して、耐火性能が高い上に、軽いので建物への負荷が小さく施工を容易に行えるという利点がある。また、ALCパネルは他のパネルよりも撓みやすいので、ALCパネルで撓みが大きく発生する箇所に筒状体を取り付けることによって、ALCパネルの振動をより効果的に抑えることが可能となる。
本発明に係る遮音用制振部材は、粒状体が収容されて床パネルの下部に取り付けられる筒状体と、粒状体が筒状体から漏れないように封止を行う封止手段と、を備えている。従って、粒状体を収容した筒状体を床パネルの下部に取り付けることによって、床パネルにおける振動の発生時に当該振動を吸収することが可能となり、重量衝撃音を遮断することができる。また、粒状体を収容した筒状体を既存の床パネルの下部に後で簡単に取り付けることができるので、汎用性が高められた遮音用制振部材となっており、更に床構造の施工性を高めることも可能となる。
本発明によれば、汎用性及び施工性を良好にすることができる。
本発明に係る床構造の一実施形態を示す断面図である。 図1のII−II線断面図である。 図2の筒状体及び粒状体を拡大させた断面図である。 (a)は図1の床構造の吊り下げ位置を説明する断面図であり、(b)はALCパネルが撓んだ状態を説明する断面図である。 図1の床構造における実験条件を説明する断面図である。 変形例に係る床構造の実験条件を説明する断面図である。 比較例に係る床構造の実験条件を説明する断面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る床構造及び遮音用制振部材の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態に係る床構造10は、鉄骨造の建物の各階における床を構成している。図1に示されるように、床構造10は、互いに平行となるように配置される複数の鉄骨梁1と、2本の鉄骨梁1を架け渡すように鉄骨梁1の上部で固定される複数のALC(軽量気泡コンクリート)パネル6と、粒状体S(図2参照)を収容する筒状体2と、筒状体2の両端を封止する封止手段4と、筒状体2をALCパネル6の下方で吊り下げる2個のサドルバンド3と、を備えている。
鉄骨梁1はH形鋼であり、鉄骨梁1のフランジ部1aが水平方向に延在している。鉄骨梁1のフランジ部1aの上面には、矩形板状のALCパネル6が載置され、各ALCパネル6は2本の鉄骨梁1を架け渡している。各ALCパネル6は、鉄骨梁1のフランジ部1aの上面にボルト止めで固定されている。ALCパネル6の長手方向は、各鉄骨梁1の延在方向と直交している。また、一のALCパネル6の長手方向における端部と、他のALCパネル6の長手方向における端部とは、鉄骨梁1のウェブ部1bの上方で接触している。このように、床構造10では複数のALCパネル6を用いているので、セメント系のパネルを用いた場合と比較して重量を抑えることができる。
筒状体2は、ALCパネル6の下方でALCパネル6の長手方向に沿って延在している。図2及び図3に示されるように、筒状体2は、ALCパネル6の短手方向(幅方向)に並んで2個設けられている。筒状体2は、その断面が円形状となった塩ビ管である。筒状体2の内部には、粒状体Sが収容されている。粒状体Sとしては、乾燥した砂、乾燥した砂利、乾燥したフライアッシュ及び乾燥した無機材粉砕物、の少なくともいずれかを用いることができ、粒状としたALCパネル6の端材を用いることも可能である。このようにALCパネル6の端材を筒状体2に収容する場合には筒状体2を軽量化させることが可能となる。
図1に示されるように、筒状体2は、粒状体Sを収容した状態で、筒状体2の両端に設けられる封止手段4によって封止される。筒状体2と封止手段4とによって、ALCパネル6における遮音を行う遮音用制振部材15が構成されている。上記のように粒状体Sを収容した筒状体2を封止することによって、筒状体2の内部における粒状体Sの充填が実現される。筒状体2の内部における粒状体Sの充填率は適宜変更することが可能である。封止手段4は、筒状体2の両端で筒状体2に巻き付けられることで筒状体2の両端を封止するテープ部材である。この封止手段4によって、筒状体2に収容された粒状体Sが筒状体2から漏れるのを防止することができる。
サドルバンド3は、ALCパネル6の長手方向における中央部を挟む2箇所の位置で筒状体2を吊り下げている。2個のサドルバンド3によって吊り下げられた筒状体2の下端の高さは、鉄骨梁1の下側のフランジ部1aにおける下面の高さよりも高くなっている。
図2及び図3に示されるように、サドルバンド3は、樹脂製で、逆Ω字状に形成されている。このサドルバンド3は、筒状体2の外周に沿ってU字状に形成される筒状体保持部3aと、筒状体保持部3aの一端から筒状体保持部3aの接線に沿うとともに筒状体2の外周に沿って延在する第1の延在部3bと、筒状体保持部3aの他端から筒状体保持部3aの接線に沿うとともに筒状体2の外周に沿って延在する第2の延在部3cと、第1の延在部3bからサドルバンド3の外側に突出する第1の突出部3dと、第2の延在部3cからサドルバンド3の外側に突出する第2の突出部3eと、を備えている。第1の突出部3dにはビス5を挿通させるための挿通穴3fが形成されており、第2の突出部3eにもビス5を挿通させるための挿通穴3gが形成されている。
サドルバンド3のU字状となった筒状体保持部3aは、その曲率半径が筒状体2の半径と同程度となっており、筒状体保持部3aの内側に筒状体2を嵌め込むことによって筒状体2を保持する。サドルバンド3の延在部3b,3cは、互いに対称となっており、延在部3b,3cの大きさは互いに同一となっている。延在部3b,3cは、筒状体保持部3aが筒状体2を保持した状態において、筒状体2の上方側の外周を覆っている。また、延在部3b,3cの間には空間Cが形成されている。
サドルバンド3は、ALCパネル6の下面6aにビス5で固定することが可能となっている。すなわち、サドルバンド3の突出部3d,3eのそれぞれをALCパネル6の下面6aに下から接触させて、各突出部3d,3eの挿通穴3f,3gに下からビス5を挿通させてビス5を下からALCパネル6に打ち込む。このようにビス5を下からALCパネル6に打ち込むことによって、サドルバンド3をALCパネル6の下面6aに固定させることができる。そして、ALCパネル6の下面6aに固定させたサドルバンド3の筒状体保持部3aに筒状体2を保持させることによって、筒状体2をALCパネル6の下方で吊り下げることが可能となる。
以上、図1に示されるように、床構造10と、筒状体2及び封止手段4を備えた遮音用制振部材15とによれば、粒状体Sが筒状体2に収容され、この状態で封止手段4によって筒状体2が封止される。そして、粒状体Sを収容した筒状体2はALCパネル6の下部に取り付けられる。従って、例えば子供がALCパネル6の上で飛び跳ねることによって、ALCパネル6で振動が発生したときには、2本の鉄骨梁1を架け渡したALCパネル6が撓むこととなるが、ALCパネル6の下部に取り付けられた筒状体2によってALCパネル6の振動は吸収される。このように筒状体2がALCパネル6の振動を吸収するので、ALCパネル6における重量衝撃音を遮断することができる。粒状体S、筒状体2及び封止手段4で重量衝撃音の遮断効果を実現させることができるので、床構造10を簡便な構成とすることができる。
また、粒状体Sを収容した筒状体2を既存のALCパネル6の下部に後で取り付けることもできるので、汎用性が高められた床構造10及び遮音用制振部材15とすることができる。既存建築物におけるALCパネル6の下部に筒状体2を後から取り付けることによって、既存建築物における床遮音性能の改善を容易に行うことができる。また、粒状体Sを収容した筒状体2をALCパネル6の下部に取り付けるだけで重量衝撃音の遮断が可能となるので、施工にかかる手間を軽減させることができ、施工性を高めることもできる。更に、粒状体Sを収容した筒状体2は、ALCパネル6の下部における任意の位置に取り付けることができ、取付位置の自由度が高められているので、粒状体Sを収容した筒状体2をALCパネル6の下部の好適な位置に取り付けることによって、床構造10の遮音性を向上させることも可能となる。
また、筒状体2は、ALCパネル6の下面6aから離間した状態でALCパネル6の下部に取り付けられる。このように筒状体2がALCパネル6の下面6aに対して離間していると、振動によってALCパネル6が撓んでも筒状体2は撓みにくくなる。従って、筒状体2にかかる負荷を低減させることができる。
また、ALCパネル6の長手方向は、2本の鉄骨梁1が延在する方向と交差しており、サドルバンド3は、ALCパネル6の長手方向における中央部を挟む2箇所の位置で筒状体2を吊り下げている。よって、筒状体2をALCパネル6の下方でバランスよく吊り下げることができ、ALCパネル6の振動時にサドルバンド3にかかる負荷を安定させることもできる。
また、筒状体2は、ALCパネル6の長手方向に沿うようにALCパネル6の下部に取り付けられている。2本の鉄骨梁1を架け渡した状態で各鉄骨梁1の上で固定された矩形板状のALCパネル6は、2本の鉄骨梁1が延在する方向から見て弓なりに撓むこととなる。よって、2本の鉄骨梁1が延在する方向と交差するALCパネル6の長手方向に沿うように筒状体2を取り付けることによって、ALCパネル6の振動をより効果的に抑えることが可能となる。
また、筒状体2には、乾燥した粒状体Sが収容されるので、粒状体Sが筒状体2の内部で固まったり付着したりする事態を避けることができ、粒状体Sを筒状体2の内部で移動しやすくすることができる。従って、粒状体Sを収容する筒状体2をダイナミックダンパとして機能しやすくすることが可能となる。
また、筒状体2は塩ビ管であり、更にサドルバンド3を筒状体2の吊り下げ用として用いているので、重量衝撃音の遮断効果を発揮する床構造10を簡単に実現させることができコストの低減にも寄与する。
また、ALCパネル6を床パネルとして用いている。ALCパネル6は、他のパネルと比較して、耐火性能が高い上に、軽いので建物への負荷が小さく施工を容易に行えるという利点がある。更に、ALCパネル6は他のパネルよりも撓みやすいので、ALCパネル6で撓みが大きく発生する箇所に筒状体2を取り付けることによって、ALCパネル6の振動をより効果的に抑えることが可能となる。
また、上記のように筒状体2をALCパネル6の下方で吊り下げる2個のサドルバンド3は、筒状体2の長手方向における任意の位置に配置することが可能である。図4(a)に示されるように、ALCパネル6の長手方向(筒状体2の長手方向)におけるALCパネル6の長さをL(m)、ALCパネル6の一端から一端側のサドルバンド3までの距離をx(m)、ALCパネル6の他端から他端側のサドルバンド3までの距離をy(m)とすると、x及びyの値は、x+y<Lを満たせば任意の値にすることが可能である。
図4(a)、図4(b)及び表1に示されるように、振動発生時において、ALCパネル6は、2本の鉄骨梁1が延在する方向から見て弓なりに撓むこととなる。ALCパネル6の撓みδ(x)は、上記のxの値が大きくなるに従って大きくなり、xの値がL/2のときに最大値となる。また、ALCパネル6の回転角度θ(x)は、xの値が大きくなるに従って小さくなり、xの値がL/2のときに0となる。
Figure 2015151702
以下では、図5〜図7を参照しながら、本実施形態に係る床構造10と、変形例に係る床構造20と、比較例に係る床構造30とを用いた実験について説明する。なお、図5〜図7では鉄骨梁1の図示を省略しているが、実際には図1と同様の鉄骨梁1が存在する。各床構造10,20,30において、ALCパネル6の上面にはビス8でパーチクルボード7が固定されており、ALCパネル6の内部には複数の鉄筋9が埋設されている。
ここで、ALCパネル6の長手方向における中央部を通り、且つALCパネル6の厚み方向に延在する直線を中央基準線Dとする。また、床構造10では、2個のサドルバンド3が中央基準線Dに対して対称となるように設けられており、一方のサドルバンド3から他方のサドルバンド3までの距離を距離Bとしている。床構造20では、中央基準線Dが通る位置と、中央基準線DからL/4だけ離れた位置と、の2箇所にサドルバンド3が設けられている。床構造30は、床構造10から筒状体2、サドルバンド3、封止手段4及びビス5を外した構造となっている。
この実験では、床構造10,20,30のそれぞれに対して、ALCパネル6の長手方向の中央部に上からバングマシンで衝撃を与え、このときにおける鉄骨梁1のフランジ部1aの振動加速度を測定した。ここでは、2本の鉄骨梁1間の距離(梁間距離)を2.00(m)、ALCパネル6の長手方向の長さLを1.99(m)、ALCパネル6の幅を0.50(m)、ALCパネル6の厚みを0.10(m)としている。また、筒状体2の長さは、1.50(m)であり梁間距離の1/2以上としている。なお、筒状体2の内径は約56(mm)である。
上記の条件で床構造10,20,30のそれぞれに上から衝撃を与える実験を行った結果、まず図7及び表2に示されるように、筒状体2が無い床構造30では、鉄骨梁1のフランジ部1aの振動加速度は1.15m/sec(101dB)となった。これに対し、図5に示される床構造10では、フランジ部1aの振動加速度を0.41m/sec(92dB)以下とすることができた。
特に、筒状体2の吊り下げ位置をALCパネル6の長手方向における端部と中央部(中央基準線D)との中点Mよりも中央部側(B=L/6,L/4)としたときに、フランジ部1aの振動加速度を更に低減させ、0.35m/sec(91dB)以下とすることができた。また、図6に示される床構造20では、フランジ部1aの振動加速度を0.68m/sec(97dB)とすることができ、床構造30よりは振動加速度を低減させることができたが、床構造10よりは振動加速度を低減させることができなかった。
Figure 2015151702
以上より、ALCパネル6の中央部を挟む2箇所の位置で筒状体2を吊り下げる場合(表2のL/6,L/4,L/2の場合)には、中央部を挟まない2箇所の位置で筒状体2を吊り下げる場合(表2の吊位置ずらしの場合)と比較して、鉄骨梁1の振動加速度を0.27m/sec(5dB)以上低減させることができた。また、B=L/4又はB=L/6の場合のように、筒状体2の吊り下げ位置が中点Mより中央部側に位置すると、撓みが大きく発生する箇所に吊り下げ位置が位置することとなるので、ALCパネル6の振動をより効果的に抑えることができ、更なる振動加速度の低減が可能となる。また、上記のように筒状体2の吊り下げ位置が中点Mより中央部側に位置すると、ALCパネル6の撓みに伴うサドルバンド3の回転を小さくすることができる。従って、ALCパネル6の振動時にサドルバンド3に無理な力が生じにくくなり、サドルバンド3への負荷を低減させることが可能となる。
また、図5の床構造10において、筒状体2の内部における粒状体Sの充填率を変える実験を行った。実験条件は、上記の実験と同様であるが、一方のサドルバンド3から他方のサドルバンド3までの距離BをL/4で固定している。
粒状体Sの充填率を変える実験を行った結果、表3に示されるように、筒状体2の内部における粒状体Sの充填率が40%、80%、90%又は100%のいずれの場合であっても、筒状体2が無い場合と比較して鉄骨梁1のフランジ部1aにおける振動加速度を低減させることができた。特に、粒状体Sの充填率を40%又は80%とした場合には、粒状体Sの充填率を90%又は100%とした場合と比較して、0.10m/sec(2dB)以上もフランジ部1aの振動加速度を低減させることができた。更に、粒状体Sの充填率を80%とした場合には、粒状体Sの充填率を40%とした場合よりも、0.09m/sec(2dB)だけフランジ部1aの振動加速度を低減させることができた。このように、粒状体Sの充填率を80%以下とすると振動加速度をより低減させることができ、粒状体Sの充填率を80%とすると最も振動加速度を低減させることができる。
Figure 2015151702
以上、図3に示されるように粒状体Sの充填率を例えば80%以下として、粒状体Sを筒状体2の内部で移動可能とすることによって、ALCパネル6の振動に伴って粒状体Sが筒状体2の内部で移動することとなる。従って、粒状体Sを収容する筒状体2をダイナミックダンパとして機能させることができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
上記実施形態では、筒状体2として塩ビ管を用いたが、塩ビ管以外の管を用いることも可能である。また、上記実施形態において、筒状体2の断面は円形状であったが、筒状体の断面の形状は円形状でなくてもよい。すなわち、断面が円形状であった筒状体2に代えて、断面が楕円状である筒状体、断面が長円状である筒状体、又は断面が多角形状である筒状体を用いることも可能である。更に、上記実施形態では、筒状体2がALCパネル6の短手方向に並んで2個設けられていたが、筒状体の個数や配置態様については適宜変更することが可能である。
上記実施形態では、筒状体2をALCパネル6に取り付ける筒状体取付手段としてサドルバンド3を用いたが、サドルバンド3以外のものを筒状体取付手段として用いることも可能である。すなわち、サドルバンド3に代えて、例えば樋バンドと樋足を筒状体取付手段として利用することができる。また、上記実施形態では2個のサドルバンド3で筒状体2を吊り下げていたが、3個以上のサドルバンド3で筒状体2を吊り下げてもよい。
上記実施形態では、封止手段4が図1に示されるようなテープ部材であったが、テープ部材以外の封止手段を用いることも可能である。例えば、筒状体2の外径と同程度の内径を有する有底円筒状のキャップ部材を封止手段として用いることも可能である。この場合、上記キャップ部材は、筒状体2の一端及び筒状体2の他端に嵌め込まれることで筒状体2の両端を封止することとなる。更に、板状部材を筒状体2の両端に接着剤又は溶接で固定させることにより、筒状体2の両端を封止してもよい。また、筒状体2の両端を変形させて閉塞することにより両端を封止してもよい。
また、上記実施形態では、筒状体2を封止する封止手段4について説明した。しかし、封止手段としては、筒状体2を封止するものに限定されない。例えば、筒状体2を封止する封止手段4に代えて、粒状体Sを収容する袋状の封止手段を用いてもよい。この場合、粒状体Sは袋状の封止手段に詰められ、この袋状の封止手段が筒状体2に挿入される。
上記実施形態では、床パネルとしてALCパネル6を用いたが、ALCパネル6とは別の床パネルであってもよい。ALCパネル6に代えて、例えばセメント系のパネルや木質系のパネルを用いることも可能である。
上記実施形態では、梁が鉄骨梁1であったが、鉄骨梁1以外の梁を用いることも可能である。鉄骨梁1に代えて、例えば木質の梁を用いてもよい。
上記実施形態では、一のALCパネル6の長手方向における端部と他のALCパネル6の長手方向における端部とが接触したが、互いに接触しないように離間してもよい。また、一のALCパネル6と他のALCパネル6とが離間している箇所に別の部材を挿入してもよい。
1…鉄骨梁(梁)、2…筒状体、3…サドルバンド(筒状体取付手段)、4…封止手段、5…ビス、6…ALCパネル(床パネル)、6a…下面、10,20…床構造、15…遮音用制振部材、C…空間、D…中央基準線(中央部)、M…中点、S…粒状体。

Claims (10)

  1. 2本の梁と、2本の前記梁を架け渡した状態で2本の前記梁の上で固定される床パネルと、を備える床構造において、
    粒状体が収容されて前記床パネルの下部に取り付けられる筒状体と、
    前記粒状体が前記筒状体から漏れないように封止を行う封止手段と、
    を備えた床構造。
  2. 前記筒状体は、前記床パネルの下面から離間した状態で前記床パネルの下方で吊り下げられる、請求項1に記載の床構造。
  3. 2本の前記梁は、互いに平行に延在しており、
    前記床パネルは、矩形板状となっており、
    前記床パネルの長手方向は、2本の前記梁が延在する方向と交差しており、
    前記筒状体は、前記床パネルの長手方向における中央部を挟む2箇所の位置で吊り下げられる、請求項1又は2に記載の床構造。
  4. 前記粒状体は、前記筒状体の内部で移動可能な状態で前記筒状体に収容されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の床構造。
  5. 2本の前記梁は、互いに平行に延在しており、
    前記床パネルは、矩形板状となっており、
    前記床パネルの長手方向は、2本の前記梁が延在する方向と交差しており、
    前記筒状体は、前記床パネルの長手方向に沿うように前記床パネルの下部に取り付けられる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の床構造。
  6. 前記筒状体の長さは、2本の前記梁間の距離の1/2以上であり、
    前記筒状体の吊り下げ位置は、前記床パネルの長手方向における端部と前記中央部との中点よりも前記中央部側に位置している、請求項3に記載の床構造。
  7. 前記粒状体は、乾燥した砂、乾燥した砂利、乾燥したフライアッシュ及び乾燥した無機材粉砕物、の少なくともいずれかである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の床構造。
  8. 前記筒状体は、塩ビ管であり、
    前記塩ビ管は、前記床パネルの下方でサドルバンドを用いて吊り下げられる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の床構造。
  9. 前記床パネルは、ALCパネルである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の床構造。
  10. 粒状体が収容されて床パネルの下部に取り付けられる筒状体と、
    前記粒状体が前記筒状体から漏れないように封止を行う封止手段と、
    を備えた遮音用制振部材。
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