JP2009215716A - 減衰機能付き接合部材および吊り天井の構造 - Google Patents

減衰機能付き接合部材および吊り天井の構造 Download PDF

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聖治 山田
Yasushi Takei
泰 武居
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Abstract

【課題】 構造が簡易であるとともに、吊り部材と振れ止め部材との取付が容易で、吊り部材を振れ止め部材との間で制振機能を有する接合部材およびこれを用いた吊り天井構造を提供する。
【解決手段】 振れ止め保持部23の筒内には粘弾性体27が設けられる。粘弾性体27は振れ止め保持部23の内面に設けられており、略中央には振れ止め保持部23の軸方向に貫通する挿入穴29が設けられる。挿入穴29には、振れ止め9が挿入される。地震等によって、振れ止め9が力を受けると、粘弾性体27は振れ止め9の軸方向にせん断変形する。この際、粘弾性体27の変形に弾性変形の際に減衰力を発生する。
【選択図】図3

Description

本発明は、軽量かつ簡易な構造で、吊り天井の減衰機能を有する振れ止め部材と吊り部材とを接合する接合部材およびこれを用いた吊り天井の構造に関するものである。
従来、天井部材の上に空調や照明等の各種設備や配管等を設置するため、天井躯体から吊りボルトを設けて、吊りボルトによって天井板を支持する天井構造が採用されている。吊り天井構造は、吊りボルトの長さによって、吊りボルト同士を結合する振れ止め部材が設けられる。振れ止め部材は、地震等の発生時に、天井部材の振れを抑制するため、隣接する吊りボルト同士を斜め方向または略水平方向に結合する。
振れ止め部材と吊りボルトは、通常溶接や接合部材等によって剛結合される。しかし、このように振れ止め部材が取り付けられた構造では、吊り天井構造自体の剛性が向上するため、吊り天井の固有振動数が高くなる。このため、条件によっては、地震時等において吊り天井と天井躯体(構造物)との共振によって、天井躯体と吊り天井との相対変位が極めて大きくなる恐れがある。このため、天井部材を制振することが望ましい。
このような吊り天井における天井部材の制振構造としては、例えば、吊りボルト同士との間に設けられたブレースに制振ダンパを設けるとともに、天井部材と構造躯体の側壁との間に伸縮可能な変形吸収材を設ける制振構造がある(特許文献1、特許文献2)。
特開2005−240538号公報 特開2005−350950号公報
しかし、特許文献1および特許文献2にいずれに記載の補強方法であっても、制振ダンパを使用するため、構造が複雑であるとともに吊り天井構造自体の重量が増加するという問題がある。また、制振ダンパにより制振しようとすると、ブレースにはある程度の強度がないと、制振ダンパに設けられたロッド等の伸縮抵抗が強いため、制振ダンパによる制振機構が動作する前に天井部材が湾曲変形するなどして、効率よく制振されないという問題がある。すなわち、制振ダンパが機能するために必要な剛性を有するブレースを使用する必要がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、構造が簡易であるとともに、吊り部材と振れ止め部材との取付が容易で、吊り部材を振れ止め部材との間で制振機能を有する接合部材およびこれを用いた吊り天井構造を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するため、第1の発明は、吊り天井の天井板を吊り下げる吊り部材と、前記吊り部材の振れ止めをする振れ止め部材とを接合する接合部材であって、吊り部材が取り付け可能な吊り部材取付部と、振れ止め部材が取り付け可能な振れ止め部材取付部と、前記吊り部材取付部および前記振れ止め部材取付部の少なくとも一方に設けられた減衰機構と、を具備することを特徴とする減衰機能付き接合部材である。
前記減衰機構は、粘弾性体であることが望ましい。また、前記振れ止め部材取付部は、前記吊り部材取付部に対して回転可能に取り付けられ、前記振れ止め部材取付部と前記吊り部材取付部との角度は変更可能であってもよい。
前記振れ止め部材取付部は筒状であり、前記振れ止め部材は、前記振れ止め部材取付部を貫通し、前記振れ止め部材と前記振れ止め部材取付部との間に前記粘弾性体が設けられ、前記振れ止め部材は、前記粘弾性体のせん断変形により減衰してもよく、または、前記振れ止め部材取付部および前記吊り部材取付部は板状であり、前記振れ止め部材取付部および前記吊り部材取付部の間に、前記粘弾性体が設けられ、前記振れ止め部材取付部に取り付けられた前記振れ止め部材は、前記粘弾性体のせん断変形により減衰してもよい。
第1の発明によれば、吊り部材と振れ止め部材との接合部に減衰機構が設けられるため、吊り天井が揺れた場合に、吊り部材と振れ止め部材との接合部において、吊り部材に対する振れ止め部材の振れを制振することができる。
また、振れ止め部材と吊り部材との接合部に減衰機構が設けられるため、構造が簡易であり、新たな部材を吊り天井に設ける必要がなく、また、接合部材は通常の接合部材とほぼ同サイズであり小型であるため、吊り天井構造の重量を大きく増加させることもない。
また、振れ止め部材と吊り部材との接合部は、角度を変化させることができるため、吊り部材への振れ止め部材の取付性が優れ、また、地震時等において、振れ止め部材が吊り部材に対して振動した場合に、振れ止め部材と吊り部材との角度が変化すれば、振れ止め部材に発生する曲げモーメントを抑制することができ、効率よく制振することができる。
また、筒状の部材内部に振れ止め部材等を挿入し、筒状部材と振れ止め部材等との間に減衰機構としての粘弾性体層を設けることにより、振れ止め部材等の軸方向の振れに対して、粘弾性体のせん断変形によって制振することができ、粘弾性体の制振性能を効率よく得ることができる。
また、一対の板状部材それぞれに振れ止め部材および吊り部材を接合し、一対の板同士の間に減衰機構としての粘弾性体を設けることにより、振れ止め部材等の軸方向の振れおよび振れ止め部材と吊り部材との回転方向の振れに対して、粘弾性体のせん断変形(およびねじれ変形)によって制振することができ、粘弾性体の制振性能を効率よく得ることができる。
第2の発明は、吊り天井の構造であって、天井板と、前記天井板を吊り下げる吊り部材と、前記吊り部材に取り付けられる振れ止め部材と、を具備し、前記吊り部材と前記振れ止め部材とが、請求項1から請求項5のいずれかに記載の減衰機能付き接合部材によって接合されていることを特徴とする吊り天井の構造である。
第2の発明によれば、構造が簡易であり、重量の大きな部材を別途用いることがなく、施工性に優れ、地震時等において天井部材を制振することができる吊り天井構造を得ることができる。
本発明によれば、構造が簡易であるとともに、吊り部材と振れ止め部材との取付が容易で、また、既存天井への施工が容易であるため耐震補強が容易であり、吊り部材を振れ止め部材との間で制振機能を有する接合部材およびこれを用いた吊り天井構造を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態にかかる吊り天井1について説明する。図1、図2は、本実施の形態にかかる吊り天井構造1を示す図であり、図1は、吊り天井構造1の構造斜視図、図2は正面図である。
吊り天井構造1は、主に、吊りボルト5、振れ止め9、接合部材11、天井ボード17等から構成される。吊り部材としての吊りボルト5は、棒ボルトであり、上方の端部が天井躯体3に所定の間隔をあけて、複数取り付けられる。なお、天井躯体3は、構造物の天井部であり、コンクリート等で形成される。
吊りボルト5は天井躯体3から略鉛直方向下方に設けられ、下方の端部には吊り金具7が設けられる。吊り金具7は、野縁受け13を保持する部材である。吊り金具7は野縁受け13を支持可能な形状に曲げ加工された板状部材である。吊りボルト5と吊り金具7との接合はナット等で行われる。
吊りボルト5のそれぞれの先端に設けられた吊り金具7には、野縁受け13が設けられる。野縁受け13は、野縁15と接合される部材である。野縁受け13は棒状部材であり、隣接する複数の吊り金具7に掛け渡される。
野縁受け13の下方に、野縁受け13と略垂直方向に野縁15が設けられる。野縁15は天井ボード17と接合される部材である。野縁15は所定の間隔をあけて複数設けられる。野縁15の下方には天井ボード17が接合される。
吊りボルト5には振れ止め9が接合される。振れ止め9は、円断面、角断面、板状、L字断面等の棒状部材であり、隣接する吊りボルト5同士を接合する。なお、振れ止め9と吊りボルト5との接合部は、垂直であっても良く、または、角度を有していても良い。また、振れ止め9は、全ての吊りボルト5に接合されている必要はない。また、隣接する吊りボルト5とは、前後方向または左右方向いずれの方向をも指し、振れ止め9はいずれの方向にも設けられる。隣接する吊りボルト5と振れ止め9との接合には接合部材11が用いられる。接合部材11については詳細を後述する。
天井躯体3に設けられた吊りボルト5は、吊り金具7により野縁受け13と接合され、野縁15を介して天井ボード17と接合される。天井ボード17は隙間なく設置され、一体となる。すなわち、吊り天井構造1は、天井ボード17を複数の吊りボルト5で吊り下げた構造である。
地震等が発生すると、天井躯体3に対して、天井ボード17が相対的に振動する。従って、通常、天井ボード17の振動時に、天井ボード17が構造物の壁体19に衝突しないように、天井ボード17と壁体19との間には隙間21が設けられる。また、振れ止め9は、吊りボルト5同士の振れを抑え、天井ボード17の振動を抑える。
次に、接合部材11について詳細を説明する。図3は接合部材11の分解斜視図である。接合部材11は、主に、振れ止め保持部23、吊りボルト保持部25、粘弾性体27等から構成される。
振れ止め9の取付部である振れ止め保持部23は、円筒状の筒状部材であり、外部にボルト部31が設けられる。ボルト部31は例えば棒ボルト等であり、振れ止め保持部23外面に振れ止め保持部23の軸方向と略垂直方向に外方に向けて接合される。なお、振れ止め部材23は例えば鋼製であり、この場合、ボルト部31は溶接等によって振れ止め保持部23へ接合される。
振れ止め保持部23の筒内には減衰機構としての粘弾性体27が設けられる。粘弾性体27は振れ止め保持部23の内面に設けられており、略中央には振れ止め保持部23の軸方向に貫通する接合部材28が設けられる。接合部材28は例えば鋼板製の筒状形状の部材であり、振れ止め9との接合に使用される。接合部材28の内部は挿入穴29である。接合部材28内部の挿入穴29には、振れ止め9が挿入される。
なお、粘弾性体27は、高減衰ゴムであることが望ましく、例えば、ジエン系、シリコン系、アクリル系、スチレン系など、いずれの公知の粘弾性体を使用することもできる。
吊りボルト5の取付部である吊りボルト保持部25は、板状部材であり、一方の端部に平板部29を有し、半円筒状の吊りボルト挿入部41および平板部43が、平板部39と対向するように折り曲げられた部材である。平板部39と平板部43との対応する位置には穴37、38がそれぞれ設けられる。吊りボルト5は平板部39と平板部43との隙間から挿入され、半円筒状の吊りボルト挿入部41と平板部39とで囲まれた部分に挿入される。
振れ止め部材23に設けられたボルト部31は、ナット35、ワッシャ33に通され、穴37、38に挿入される。穴38から突出したボルト部31には、ワッシャ33、ナット35が設けられる。ナット35を締め込むことで、吊りボルト挿入部41に挿入された吊りボルト5は、挿入位置で固定される。
図4は、接合部材11の組立斜視図である。吊りボルト保持部25は、ボルト部31とナット35によって振れ止め保持部23と接合される。振れ止め9は、粘弾性体27と接合された接合部材28内の挿入穴29に挿入される。吊りボルト5は、吊りボルト挿入部41を貫通して固定される。
なお、接合部材28と粘弾性体27との接合、および、粘弾性体27と振れ止め保持部23との接合は、例えば接着、溶着などで行うことができる。また、接合部材28と振れ止め9との接合は、溶接またはダブルナットによって接合することができる。特に振れ止め9が全ねじである場合には、接合部材28の内面にねじを設けておけば、より確実に接合することができる。なお、接合部材28を用いずに直接接着をしても良く、または、予め振れ止め9の取付位置に振れ止め保持部23を貫通させておき、振れ止め9と振れ止め保持部23との間に加硫前のゴム材料を充填して、その後加硫処理を行うことで、振れ止め保持部23、粘弾性体27および振れ止め9を一体化しても良い。
図5は、吊りボルト5と振れ止め9とを接合した状態を示す図である。吊りボルト5への振れ止め9の接合方法は以下の通りである。まず、振れ止め9の端部近傍に振れ止め保持部23を設ける。振れ止め9への振れ止め保持部23への接合方法は、前述の通り、接着や加硫などいずれの方法でも良い。
次いで、吊りボルト5の振れ止め9の接合予定部位に吊りボルト保持部25を挿入する。予めワッシャ33、ナット35が設けられたボルト部31を、吊りボルト保持部25の穴37、38に挿入し、反対側からワッシャ33、ナット35を取り付けて、ナット35を締めこむ。ナット35を締めこむ際には、振れ止め9と吊りボルト5との角度である振れ止め角度45が所定の角度となるように固定する。以上により、吊りボルト5と振れ止め9とが任意の部位で、任意の角度によって固定される。また、角度調整や接合部位の変更は、ナット35を緩めることで容易に行うことができる。
なお、本実施の形態においては、吊りボルト5と吊りボルト保持部25との固定と、吊りボルト保持部25と振れ止め保持部23との固定を、ナット35で行ったが、それぞれの固定を別々の手段により行っても良い。例えば、吊りボルト5と吊りボルト保持部25との接合には、押ボルトや接着等の手段を用い、また、吊りボルト保持部25と振れ止め保持部23との固定は、ダブルナット等により行うことができる。
このようにすることで、吊りボルト5と吊りボルト保持部25とは、振れ止め保持部23との接合の際に予め固定しておくことができ、取付作業が容易となる。また、ダブルナット等によって吊りボルト保持部25と振れ止め保持部23とが回転可能に接続されれば、振れ止め9を吊りボルト5に接合した後に天井ボード17が振動した際にも、吊りボルト5と振れ止め9とが振動に応じて振れ止め角度45が変化可能であるため、振れ止め9へ曲げモーメントが発生することがなく、振れ止め9を常にまっすぐな状態で保持することができる。
次に、振れ止め9が振動する際の減衰機能について説明する。図6は、地震等の発生時に、振れ止め9が動作する状態を示す図である。
図6に示すように、通常は、振れ止め9は接合部材28および粘弾性体27を介して振れ止め保持部23と接合されており、この場合、粘弾性体27は変形しない。地震等によって、図6(b)に示すように振れ止め9が矢印A方向に力を受けると、粘弾性体27は振れ止め9の軸方向にせん断変形する。この際、粘弾性体27は弾性変形し、減衰力を発生する。
さらに、図6(c)に示すように、振動方向が変わり、振れ止め9がB方向へ力を受けると、粘弾性体27は逆方向にせん断変形し、変形の際に減衰力を発生する。すなわち、振れ止め9は、振れ止め保持部23に対して振れ止め9の軸方向へ変位し、その際に粘弾性体27が振れ止め9の変位に伴いせん断変形する。粘弾性体27がせん断変形する際に、粘弾性体27は減衰力を発生し、振れ止め9の振動が減衰する。このため、振れ止め9と吊りボルト5との接合部で、振れ止め9の振動が減衰する。このため、吊りボルト5および天井ボード17等の振動を抑制することができる。
このように、本実施の形態にかかる接合部材11によれば、吊りボルト5と振れ止め9との接合部に設けられる接合部材11に粘弾性体27が設けられるため、天井ボード17が振動した場合に、吊りボルト5と振れ止め9との接合部において、吊りボルト5に対する振れ止め9の振れを減衰することができる。
また、接合部材11に粘弾性体27が設けられるため、構造が簡易であり、新たな部材を吊り天井構造に設ける必要がなく、また、接合部材11は通常の接合部材とほぼ同サイズであり小型であるため、吊り天井構造1の重量を大きく増加させることもない。
また、振れ止め角度45を変化させることができるため、吊りボルト5への振れ止め9の取付性が優れる。また、振れ止め角度45が自由に変化するように振れ止め9と吊りボルト5とを接合すれば、地震時等において、振れ止め9が吊りボルト5に対して振動した場合に、振れ止め9と吊りボルト5との角度が変化するため、振れ止め9に発生する曲げモーメントを抑制でき、効率よく減衰することができる。
また、振れ止め9の軸方向の振れに対して、粘弾性体27はせん断変形を行うため、粘弾性体27の減衰性能を効率よく得ることができる。このため、吊り天井構造1において、天井ボード17の振動を効率よく減衰でき、天井ボード17と壁体19との隙間21を小さくすることできるため、見た目も良好な吊り天井構造を得ることができる。
次に、第2の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態において、図1〜図5に示す接続部材11と同一の機能を果たす構成要素には、図1〜図5と同一番号を付し、重複した説明を避ける。図7は、第2の実施の形態にかかる接合部材50を示す斜視図である。
接合部材50は、主に、振れ止め保持部53、吊りボルト保持部51、粘弾性体27、固定部55等から構成される。
振れ止め保持部53は円形の板状部材である。振れ止め保持部53には、一対のボルト部31が振れ止め保持部53の表面に略垂直に設けられる。振れ止め部材53は例えば鋼製であり、この場合、ボルト部31は溶接等によって振れ止め保持部53の表面へ接合される。
固定部55は板状部材であり、曲げ加工によって、略中央に振れ止め9の形状に応じた凹部58が設けられる。凹部58の両端の平面部には、一対の角度調整スリット57が設けられる。角度調整スリット57は、円弧状に設けられたスリットであり、ボルト部31が挿入可能である。なお、図示を省略したが、吊りボルト保持部51と吊りボルト5との接合も同様の形状の固定部56が用いられる(図8参照)。
吊りボルト保持部51は、振れ止め保持部53と略同様の構成である。すなわち、吊りボルト保持部51と振れ止め保持部53とは同様の大きさの板状部材であり、一対のボルト部31が設けられる。吊りボルト保持部51と振れ止め保持部53とは対向して設けられ、間には粘弾性体27が設けられる。なお、粘弾性体27と、吊りボルト保持部51および振れ止め保持部53との接合は、接着、溶着、加硫等いずれの方法でもよい。
振れ止め9と振れ止め保持部53との接合は、以下のように行われる。まず、角度調整スリット57に振れ止め保持部53のボルト部31が挿入され、ボルト部31はナット35で仮止めされる。この状態では、ボルト部31は角度調整スリット57に沿ってスライド可能である。すなわち、固定部55は振れ止め保持部53に対して回転可能に取り付けられる。
次に、固定部55の凹部58に振れ止め9を挿入する。次いで、所望の振れ止め角度45となるように、固定部55(または振れ止め保持部23)を回転させて、ナット35を締めこむ。以上により、振れ止め9が凹部58で固定されるとともに、振れ止め9と振れ止め保持部23との固定角度が固定される。
同様に、吊りボルト5を固定部56(図8)の凹部58に嵌めて、吊りボルト保持部51に取り付ける。固定部56と吊りボルト保持部51との接合は、固定部56の角度調整スリット57に吊りボルト保持部51のボルト部31を挿入し、固定部56の角度を調整した後、ボルト部31にナット35を締めこむ。以上により、吊りボルト5が凹部58で固定されるとともに、吊りボルト5と吊りボルト保持部51との固定角度が固定される。
次に、図8を用いて、接合部材50の動作について説明する。図8(a)は、振れ止め9と吊りボルト5とが接合部材50で接合された状態を示す図である。通常時には、粘弾性体27は大きな変形をせずに、振れ止め9と吊りボルト5とが接合される。
地震等が発生し、図8(b)に示すように、振れ止め9が振動によりC方向の力を受けると、粘弾性体27はせん断変形する。粘弾性体27の変形の際に減衰力が発生し、振れ止め9の振動が減衰する。なお、振れ止め9が逆方向へ振動しても同様に粘弾性体27がせん断変形し、振動を減衰する。
図9は吊りボルト5と振れ止め9との振れ止め角度45を示した図である。接合部材50は、吊りボルト5と振れ止め9とを接合した後は、固定部55、56は、それぞれ振れ止め保持部53、吊りボルト保持部51に完全に固定され、振れ止め保持部53、吊りボルト保持部51に対して回転動作(振れ止め角度45が変化する方向へ動作)をすることはない。しかし、振れ止め9が振動する際に、吊りボルト5と振れ止め9との振れ止め角度45が変化する方向に力が加わった場合でも、粘弾性体27は接合部材50の円周方向にねじれ変形し、同様に減衰力を発生させる。
第2の実施の形態にかかる接合部材50によれば、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、振れ止め9と吊りボルト5との接合部において、あらゆる方向に対して粘弾性体がせん断変形またはねじれ変形することで、減衰力を発生させることができる。このため、振れ止め角度45が変化する方向においても減衰力を発生させることができる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、接合部材11において、振れ止め保持部23に振れ止め9を貫通させて固定したが、図10に示すように、振れ止め9の端部にフランジ49を設けて、一方が塞がっており、他方は振れ止め9が貫通する穴を有する振れ止め保持部47に、振れ止め9を挿入し、フランジ49の振れ止め9側および振れ止め9とは逆側に粘弾性体27を充填してもよい。この場合、振れ止め9の軸方向の振動に対して、粘弾性体27の圧縮、引張変形によって減衰力を発生させることができる。
また、減衰機構として、粘弾性体27ではなく粘性体63を利用することもできる。図11は、粘性体63を用いた振れ止め保持部59を示した図である。振れ止め保持部59は筒状部材であり、内部に振れ止め9が貫通する。振れ止め保持部59内には粘性体63が充填される。粘性体63としては、油等の液体や空気などの気体であっても良い。振れ止め保持部59の筒外には、流路67が設けられている。
振れ止め9には、接合部材65が設けられる。接合部材65は例えば鋼製部材であり、振れ止め9と溶接等により接合される。接合部材65の略中央にはフランジ61が設けられる。フランジ61は振れ止め部材59の内径と略等しい。すなわち、フランジ61は、振れ止め保持部59内部を大きく2分割する。なお、フランジ61は振れ止め部材59内を往復動作可能である。
図11(b)に示すように、振れ止め9が矢印D方向に力を受けると、振れ止め9および接合部材65は、振れ止め保持部59内を矢印D方向に移動する。この際、フランジ61により区画された粘性体63は、流路67を矢印E方向に移動する。粘性体63が流路67を流れる際に、減衰力を発生する。
同様に、図11(c)に示すように、振れ止め9が矢印F方向に力を受けると、振れ止め9および接合部材65は、振れ止め保持部59内を矢印F方向に移動する。この際、フランジ61により区画された粘性体63は、流路67を矢印G方向に移動する。粘性体63が流路67を流れる際に、減衰力を発生する。
振れ止め保持部59を前述の吊りボルト保持部と接合し、吊りボルト5と振れ止め9との接合部材として使用すれば、接合部材11、50と同様の効果を得ることができる。なお、流路67は振れ止め保持部59の外部でなくても良く、この場合、フランジ61に流路67に対応する穴等を設ければよい。
また、接合部材11においては振れ止め保持部23に粘弾性体27を設けたが、吊りボルト保持部25へ粘弾性体27を設けても良く、または振れ止め保持部23および吊りボルト保持部25の両者に粘弾性体27を設けることもできる。
また、振れ止め保持部、吊りボルト保持部の形状は、実施の形態にかかるものに限定されない。例えば、接合部材11の振れ止め保持部23は角筒形状であっても良く、また、接合部材50の吊りボルト保持部51、振れ止め保持部53は、矩形形状等あらゆる形状でも同様の効果を得ることができる。
吊り天井構造1を示す斜視図。 吊り天井構造1の正面図。 接合材11の分解斜視図。 接合部材11の組立斜視図。 接合部材11による吊りボルト5と振れ止め9との接合状態を示す図。 接合部材11の粘弾性体27の変形状態を示す図。 接合部材50を示す斜視図。 接合部材50の粘弾性体27の変形状態を示す図。 接合部材50の振れ止め角度45の変化を示す図。 振れ止め9にフランジ49を設けた状態を示す図。 粘性体63を使用した振れ止め保持部59状態を示す図。
符号の説明
1………吊り天井構造
3………天井躯体
5………吊りボルト
7………吊り金具
9………振れ止め
11………接合部材
13………野縁受け
15………野縁
17………天井ボード
19………壁体
21………隙間
23………振れ止め保持部
25………吊りボルト保持部
27………粘弾性体
28………接合部材
29………挿入穴
31………ボルト部
33………ワッシャ
35………ナット
37………穴
38………穴
39………平板部
41………吊りボルト挿入部
43………平板部
45………振れ止め角度
47………振れ止め保持部
49………フランジ
50………接合部材
51………吊りボルト保持部
53………振れ止め保持部
55………固定部
56………固定部
57………角度調整スリット
58………凹部
59………振れ止め保持部
61………フランジ
63………粘性体
65………接合部材
67………流路

Claims (6)

  1. 吊り天井の天井板を吊り下げる吊り部材と、前記吊り部材の振れ止めをする振れ止め部材とを接合する接合部材であって、
    吊り部材が取り付け可能な吊り部材取付部と、
    振れ止め部材が取り付け可能な振れ止め部材取付部と、
    前記吊り部材取付部および前記振れ止め部材取付部の少なくとも一方に設けられた減衰機構と、
    を具備することを特徴とする減衰機能付き接合部材。
  2. 前記減衰機構は、粘弾性体であることを特徴とする請求項1記載の減衰機能付き接合部材。
  3. 前記振れ止め部材取付部は、前記吊り部材取付部に対して回転可能に取り付けられ、前記振れ止め部材取付部と前記吊り部材取付部との角度は変更可能であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の減衰機能付き接合部材。
  4. 前記振れ止め部材取付部は筒状であり、
    前記振れ止め部材は、前記振れ止め部材取付部を貫通し、
    前記振れ止め部材と前記振れ止め部材取付部との間に前記粘弾性体が設けられ、
    前記振れ止め部材は、前記粘弾性体のせん断変形により減衰することを特徴とする請求項2から請求項3のいずれかに記載の減衰機能付き接合部材。
  5. 前記振れ止め部材取付部および前記吊り部材取付部は板状であり、
    前記振れ止め部材取付部および前記吊り部材取付部の間に、前記粘弾性体が設けられ、
    前記振れ止め部材取付部に取り付けられた前記振れ止め部材は、前記粘弾性体のせん断変形により減衰することを特徴とする請求項2から請求項3のいずれかに記載の減衰機能付き接合部材。
  6. 吊り天井の構造であって、
    天井板と、
    前記天井板を吊り下げる吊り部材と、
    前記吊り部材に取り付けられる振れ止め部材と、
    を具備し、
    前記吊り部材と前記振れ止め部材とが、請求項1から請求項5のいずれかに記載の減衰機能付き接合部材によって接合されていることを特徴とする吊り天井の構造。
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