JP2014172874A - ケトール化合物の製造方法 - Google Patents

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【課題】反応生成物から容易に分離して回収することができ、再利用することができる不均一系触媒を使用して、1級水酸基及び2級水酸基を少なくとも有するアルコールから、対応するケトール化合物を選択的且つ高収率に製造する方法を提供する。
【解決手段】本発明のケトール化合物の製造方法は、担体に担持した銅触媒の存在下で、1級水酸基及び2級水酸基を少なくとも有するアルコールを酸化して、対応するケトール化合物を製造することを特徴とする。前記1級水酸基及び2級水酸基を少なくとも有するアルコールとしてはグリセロールが好ましく、前記対応するケトール化合物としてはジヒドロキシアセトンが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、温和な条件下で1級水酸基及び2級水酸基を少なくとも有するアルコールを酸化して、対応するケトール化合物を選択的に製造するケトール化合物の製造方法に関する。
ジヒドロキシアセトンは化粧品や食品添加物として有用な化合物である。ジヒドロキシアセトンの製造方法としては、Gluconobacter属の細菌を使用して発酵法によりグリセロールから製造する方法が知られている。その他、高価なパラジウムを含む均一系触媒を使用してグリセロールを酸化する方法が知られている。これらの方法ではジヒドロキシアセトンを高収率で製造することはできるが、反応生成物と細菌や触媒を分離することが困難であり、細菌や触媒を回収して再利用することが困難であるため、製造コストが嵩むことが問題であった(非特許文献1、2)。
反応生成物と触媒との分離性を改善する方法としては、不均一系触媒を使用することが考えられる。非特許文献3〜5には、白金とビスマスを活性炭に担持して得られる触媒や、金若しくは金とパラジウムを活性炭に担持して得られる触媒等の不均一系触媒を使用してグリセロールを酸化することによりジヒドロキシアセトンを製造する方法が記載されている。しかし、ジヒドロキシアセトンの収率は40%程度であった。すなわち、容易に回収することができ、再利用することができる不均一系触媒を使用して、選択的且つ高収率にジヒドロキシアセトンを製造する方法は未だ見いだされていないのが現状である。
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従って、本発明の目的は、反応生成物から容易に分離して回収することができ、再利用することができる不均一系触媒を使用して、1級水酸基及び2級水酸基を少なくとも有するアルコールから、対応するケトール化合物を選択的且つ高収率に製造する方法を提供することにある。
本発明者等は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、担体に担持した銅触媒を使用すると、温和な条件下で1級水酸基及び2級水酸基を少なくとも有するアルコールを酸化して、対応するケトール化合物を選択的且つ高収率に製造することができること、反応後は濾過等の簡便な方法で触媒を回収し、再利用することができるため、コストの削減が可能であることを見いだした。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、本発明は、担体に担持した銅触媒の存在下で、1級水酸基及び2級水酸基を少なくとも有するアルコールを酸化して、対応するケトール化合物を製造するケトール化合物の製造方法を提供する。
本発明は、また、1級水酸基及び2級水酸基を少なくとも有するアルコールがグリセロールであり、対応するケトール化合物がジヒドロキシアセトンである前記のケトール化合物の製造方法を提供する。
本発明は、また、担体がベーマイト又はハイドロタルサイトである前記のケトール化合物の製造方法を提供する。
本発明は、銅触媒と共に、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル及び/又はベンゾキノンを使用する前記のケトール化合物の製造方法を提供する。
本発明は、また、水及び/又はニトリルの存在下で反応を行う前記のケトール化合物の製造方法を提供する。
尚、本明細書において、1級水酸基とは水酸基が結合している炭素原子に1個の炭素原子が結合しているものいう。また、2級水酸基とは水酸基が結合している炭素原子に2個の炭素原子が結合しているものをいう。
本発明のケトール化合物の製造方法は、担体に担持した銅触媒を使用するため、温和な条件下で1級水酸基及び2級水酸基を少なくとも有するアルコールを酸化して、対応するケトール化合物を選択的且つ高収率に製造することができる。例えば、バイオディーゼル燃料の製造過程ではグリセロールが大量に副生するが、そのグリセロールを原料として使用すると、化粧品や食品添加物として有用なジヒドロキシアセトンを選択的且つ高収率に製造することができる。また、反応後は、濾過等の簡便な操作により触媒と反応生成物を分離することができるため、反応生成物の精製が容易であり、且つ触媒の回収・再利用が容易である。そのため、大幅にコストを削減することが可能であり、ケトール化合物を安価に提供することが可能である。
[1級水酸基及び2級水酸基を少なくとも有するアルコール]
本発明の1級水酸基及び2級水酸基を少なくとも有するアルコール(以後「原料アルコール」と称する場合がある)は、例えば下記式(1)で表される。式(1)中、Rとしては、例えば炭素数3〜10のn価の直鎖状又は分岐差状の飽和脂肪族炭化水素基を挙げることができる。また、nは、例えば2以上(好ましくは2〜3)の整数である。
R(OH)n (1)
原料アルコールとしては、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール等のジオール;グリセロール、1,2,4−ブタントリオール等のトリオールが好ましく、特に好ましくはグリセロールである。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
[触媒]
本発明のケトール化合物の製造方法では、担体に担持した銅触媒を使用することを特徴とする。
担体としては、例えば、ベーマイト、ハイドロタルサイト、フルオロアパタイト、アルミナ、シリカ等を挙げることができる。本発明においては、なかでも、原料アルコールから、対応するケトール化合物を選択的且つ高収率に製造することができる点で、ベーマイト又はハイドロタルサイトが好ましく、特に好ましくはベーマイトである。
ベーマイトはアルミナ1水和物であり、AlO(OH)又はAl23・H2Oで示される。ベーマイトは、例えば、アルミナ3水和物を空気中で加熱処理又は水熱処理することにより製造することができる。
ハイドロタルサイトは、例えば、下記式(2)で表される。
[MII 1-XIII X(OH)2][A2- x/2]・n'H2O (2)
(式中、MIIは、Mg2+、Fe2+、Zn2+、Ca2+、Li2+、Ni2+、Co2+、Cu2+、Mn2+から選択される少なくとも1種の二価の金属である。MIIIはAl3+、Fe3+、Mn3+、Ru3+から選択される少なくとも1種の三価の金属である。xは0以上、1未満を示す。A2-は二価のアニオンを示し、n'は0〜30の整数を示す)
本発明におけるハイドロタルサイトとしては、なかでも、Cu4Al2(OH)12CO3・n’H2Oで示される化合物が好ましい。ハイドロタルサイトは、例えば、Cu(NO32、Cu(OAc)2、CuCl2、CuSO4等の銅化合物の水溶液と、硝酸アルミニウム、硝酸マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム等から選択される1種以上の水溶液、及びアルカリ(例えば、NaOH、Na2CO3等の塩基性水溶液)を同時に滴下し、続いて、熟成処理(例えば、60〜80℃の温度で1〜5時間程度静置)を施す方法(同時滴下法)により製造することができる。
担体の形状としては、例えば、粉末状、粒状、繊維状、成型体状等を挙げることができる。担体の平均細孔径は、例えば30〜120nm程度、好ましくは50〜100nmである。担体の比表面積は、例えば100〜400m2/g程度、好ましくは150〜300m2/gである。
ベーマイトとしては、例えば、商品名「ベーマイト」(和光純薬工業(株)製)、商品名「ベーマイト」(大明化学工業(株)製)、商品名「boehmite」(Aldrich社製)等の市販品を使用してもよい。
ハイドロタルサイトとしては、例えば、商品名「AD500NS」(富田製薬(株)製)等の市販品を使用してもよい。
担体に担持される銅触媒の態様としては、特に限定されることがなく、例えば、銅単体、銅塩、銅酸化物、銅水酸化物、又は銅錯体等を挙げることができる。本発明においては、なかでも、硝酸銅、塩化銅、酢酸銅、トリフルオロメタンスルホン酸銅等の銅(II)塩が好ましい。
銅触媒の担持量(金属換算量)としては、例えば、担体1gに対して、例えば0.1〜10ミリモル程度、好ましくは0.5〜8ミリモル、特に好ましくは1〜5ミリモルである。銅触媒の担持量が上記範囲を上回ると、銅触媒が凝集する傾向がある。一方、銅触媒の担持量が上記範囲を下回ると、十分な触媒活性が得られない傾向がある。
銅触媒を担体に担持する方法としては、銅化合物(例えば、硝酸銅、塩化銅、酢酸銅、トリフルオロメタンスルホン酸銅等の銅(II)塩)を溶解する溶液(例えば、水溶液)中に担体を浸漬して前記銅化合物を含浸させた後、乾燥させる方法(いわゆる含浸法)により行うことが好ましい。また、銅化合物を含有する溶液の濃度や、担体への含浸時間、含浸処理回数等を調整することにより、担持量を制御することが好ましい。
銅化合物を溶解する溶液中に担体を浸漬する際の温度としては、例えば10〜80℃程度である。
銅化合物を溶解する溶液中に担体を浸漬する時間は、例えば1〜30時間程度、好ましくは10〜24時間である。含浸時間が上記範囲を下回ると、銅触媒の担持量が減少し、酸化反応を促進する効果が得られにくくなる傾向がある。
銅化合物を溶解する溶液中に浸漬した担体を乾燥させる際の温度は、例えば30〜80℃程度である。
また、銅化合物を担体に担持した後、更に還元処理を施してもよい。銅化合物の還元処理に使用する還元剤としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、水素化ホウ素リチウム(LiBH4)、水素化ホウ素カリウム(KBH4)等の水素化ホウ素錯化合物、ヒドラジン、水素(H2)、ジメチルフェニルシラン等のシラン化合物、ヒドロキシ化合物等を挙げることができる。前記ヒドロキシ化合物としては、例えば、第1級アルコール、第2級アルコール等のアルコール化合物を挙げることができる。また、ヒドロキシ化合物は、1価アルコール、2価アルコール、多価アルコール(例えば、グリセロール)等の何れであってもよい。
還元処理温度及び時間としては、例えば0℃〜600℃(好ましくは、0℃〜400℃)の温度で、0.5〜5時間程度(好ましくは、2〜4時間)である。
上記製造方法により得られた触媒(=担体に担持した銅触媒)は、その後、洗浄処理(水や有機溶媒等により洗浄)、乾燥処理(真空乾燥等により乾燥)等を施してもよい。
[ケトール化合物の製造方法]
本発明のケトール化合物の製造方法は、上記担体に担持した銅触媒の存在下で、原料アルコールを酸化して、対応するケトール化合物を製造することを特徴とする。
本発明では担体に担持した銅触媒を使用するため、原料アルコールの2級水酸基を選択的に酸化することができ、対応するケトール化合物を選択的に生成することが可能となる。例えば、原料アルコールとしてグリセロールを使用すると対応するケトール化合物としてジヒドロキシアセトンを、原料アルコールとして1,2−プロパンジオールを使用すると対応するケトール化合物としてアセトールを、原料アルコールとして1,3−ブタンジオールを使用すると対応するケトール化合物として1−ヒドロキシブタン−2−オンを製造することができる。
担体に担持した銅触媒の使用量(金属換算量)は、原料アルコール1モルに対して、例えば0.1〜50g程度、好ましくは0.5〜20g、特に好ましくは1〜10gである。担体に担持した銅触媒の使用量が上記範囲を下回ると、対応するケトール化合物を高収率で得ることが困難となる傾向がある。
原料アルコールを酸化する酸化剤としては、例えば、分子状酸素、過酸化水素、過酢酸等を使用することができる。本発明においては、なかでも、安価で取り扱いが容易な点で分子状酸素(特に、空気)を使用することが好ましい。
分子状酸素の供給方法としては、例えば、酸素雰囲気下で反応を行う方法や、酸素をバブリングする方法等を挙げることができる。また、酸素は窒素ガスなどの不活性ガスで希釈されていてもよい。本発明においては、なかでも空気中で反応を行うことが好ましい。空気中で反応を行う場合、反応時の圧力は、特に制限されず、常圧でも加圧でもよいが、好ましくは1〜5atmである。
また、本発明では銅触媒と共に、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル(以後、「TEMPO」と称する場合がある)及び/又はベンゾキノンを使用することが好ましい。前記化合物は共酸化剤として作用し、反応の進行により還元された銅触媒を再酸化することができるため、銅触媒と併用することにより、原料アルコールの酸化反応速度を促進し、対応するケトール化合物をより一層選択的且つ高収率に製造することができる。本発明においては、特に、原料の変換効率に優れる点で、銅触媒と共にTEMPOを使用することが好ましい。
前記化合物の使用量は、原料アルコール1モルに対して、例えば0.05〜10モル程度、好ましくは0.5〜5モル、特に好ましくは1〜3モルである。
上記反応は溶媒の存在下で行うことが好ましい。無溶媒下で反応させると、原料アルコールが担体に担持した銅触媒に吸着してダマになり反応の進行が阻害される場合があるためである。溶媒としては、例えば、水;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類;メタノール、エタノール等のアルコール類;1,2−ジオキサン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル等のエーテル類;アセトアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル;これらの混合物等を挙げることができる。
ベーマイトに担持した銅触媒の存在下で反応を行う場合、溶媒としては、水とニトリル類との混合物(=混合溶媒)を使用することが、選択的且つ優れた収率でケトール化合物を生成することができる点で好ましい。水とニトリル類との混合割合[前者:後者(体積比)]としては、例えば1:1〜1:100程度、好ましく1:1〜1:50、特に好ましくは1:1〜1:20である。混合割合が上記範囲を外れると、ケトール化合物の収率が低下する傾向がある。また、ハイドロタルサイトに担持した銅触媒の存在下で反応を行う場合、溶媒としては、水を使用することが、銅触媒の溶出を防止することができ、選択的且つ優れた収率でケトール化合物を生成することができる点で好ましい。
溶媒の使用量は、例えば、回分式で反応させる場合は原料アルコールの初期濃度が1〜10重量%程度となる範囲が好ましい。
反応温度としては、例えば10〜200℃程度、好ましくは30〜180℃、特に好ましくは40〜100℃である。反応時間は、例えば1〜24時間程度、好ましくは5〜15時間である。
反応はバッチ式、セミバッチ式、連続式などの何れの方法で行うこともできる。
反応終了後、反応生成物は、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製できる。
本発明のケトール化合物の製造方法によれば、原料アルコールを優れた転化率で転化して、対応するケトール化合物を選択的且つ高収率に製造することができる。原料アルコールの転化率としては、例えば70%以上、好ましくは80%以上、特に好ましくは95%以上である。また、対応するケトール化合物の収率は、例えば60%以上、好ましくは70%以上、特に好ましくは90%以上である。
更にまた、本発明では銅触媒を担体に担持した状態で使用するため、濾過、遠心分離等の物理的な分離手法により容易に反応生成物と分離することができる。そのため、反応生成物の精製が容易であり、且つ、分離・回収された触媒は、そのままで、又は洗浄、乾燥等を施した後、再利用することができる。洗浄処理は、適宜な溶媒(例えば、水)により数回(2〜3回程度)洗浄する方法により行うことができる。そのため、高価な触媒を繰り返し利用することができ、ケトール化合物の製造コストを大幅に削減することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
調製例1(触媒の調製)
100mLの水に硝酸銅5g(20.7mmol)を溶解した硝酸銅水溶液中に10gのベーマイト(商品名「ベーマイト」、和光純薬工業(株)製、平均細孔径:77nm、比表面積:214m2/g)を加えて60℃で24時間撹拌し、エバポレーターで水を留去した後、60℃で12時間乾燥することにより、銅触媒担持ベーマイト(Cu(II)−AlO(OH))(Cu2+:9重量%、ベーマイト1gに対してCu2+を1.6mmol担持)を得た。
調製例2(触媒の調製)
ベーマイトに代えて、ハイドロタルサイト(商品名「AD500NS」、富田製薬(株)製)を使用した以外は調製例1と同様に行って、銅触媒担持ハイドロタルサイト(Cu(II)−AlHT)(Cu2+:9重量%、ハイドロタルサイト1gに対してCu2+を1.6mmol担持)を得た。
実施例1
空気雰囲気下(1atm)で、グリセロール(1.0mmol)、TEMPO(2.0mmol)をフラスコに入れ、水1mLとアセトニトリル3mLの混合溶媒を加えて溶解した。
ここに、調製例1で得られた「Cu(II)−AlO(OH)」を50mg(Cu2+:4.5mg含有)加え、60℃で12時間反応を行った。反応の進行はTLC(I2発色)によりモニターした。
反応終了後、反応液を遠心分離処理に付すことにより「Cu(II)−AlO(OH)」を除去し、更に上澄み液をシリカゲルカラム(アセトン溶離液)に通してTEMPOを除去し、濃縮して淡黄色オイル状の反応生成物を単離した。反応生成物のHPLC、1H−NMR、及び13C−NMR分析を行ったところ、ジヒドロキシアセトンであることが確認され、原料転化率は100%、ジヒドロキシアセトンの収率は95%であった。
実施例2
水1mLとアセトニトリル3mLの混合溶媒に代えて、水4mLを使用した以外は実施例1と同様に行った。その結果、ジヒドロキシアセトンが得られた(原料転化率:73.1%)。
実施例3
空気雰囲気下(1atm)で、グリセロール(1.0mmol)、ベンゾキノン(2.0mmol)をフラスコに入れ、水4mLの混合溶媒を加えて溶解した。
ここに、調製例2で得られた「Cu(II)−AlHT」を50mg(Cu2+:4.5mg含有)加え、室温(25℃)で48時間反応を行った。反応の進行はTLC(I2発色)によりモニターした。
反応終了後、反応液を遠心分離処理に付すことにより「Cu(II)−AlHT」を除去し、更に上澄み液をシリカゲルカラム(アセトン溶離液)に通してベンゾキノンを除去し、濃縮して淡黄色オイル状の反応生成物を単離した。反応生成物のHPLC、1H−NMR、及び13C−NMR分析を行ったところ、ジヒドロキシアセトンであることが確認され、原料転化率は40%、ジヒドロキシアセトンの収率は32%であった。
実施例4
グリセロール(1.0mmol)に代えて1,2−プロパンジオール(1.0mmol)を使用した以外は実施例1と同様に行った。その結果、アセトールが得られた(原料転化率:100%)。
実施例5
グリセロール(1.0mmol)に代えて1,3−ブタンジオール(1.0mmol)を使用した以外は実施例1と同様に行った。その結果、1−ヒドロキシブタン−2−オンが得られた(原料転化率:39.2%)。
比較例1
グリセロール(1.0mmol)に代えて1,3−プロパンジオール(1.0mmol)を使用した以外は実施例1と同様に行った。その結果、全く反応が進行しなかった(原料転化率:0%)。

Claims (5)

  1. 担体に担持した銅触媒の存在下で、1級水酸基及び2級水酸基を少なくとも有するアルコールを酸化して、対応するケトール化合物を製造するケトール化合物の製造方法。
  2. 1級水酸基及び2級水酸基を少なくとも有するアルコールがグリセロールであり、対応するケトール化合物がジヒドロキシアセトンである請求項1に記載のケトール化合物の製造方法。
  3. 担体がベーマイト又はハイドロタルサイトである請求項1又は2に記載のケトール化合物の製造方法。
  4. 銅触媒と共に、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル及び/又はベンゾキノンを使用する請求項1〜3の何れか1項に記載のケトール化合物の製造方法。
  5. 水及び/又はニトリルの存在下で反応を行う請求項1〜4の何れか1項に記載のケトール化合物の製造方法。
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