JP2014171399A - 乾燥珍味製品およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の方法によらずに従来以上に食感が柔らかく、かつうま味が強いサキイカ等の乾燥珍味製品製造方法を提供する。
【解決手段】乾燥珍味製品製造方法は、イカ1を酵素活性のある調味料3を用いて調味および熟成処理する調味工程P10と、調味工程P10後のイカ5を乾燥処理する乾燥工程P20とを含んで構成され、これによりイカ1からサキイカやアタリメその他の乾燥珍味製品8が製造される。調味工程P10に先立ち必要な手順・先行工程PX、乾燥工程P20の後に必要な手順・後続工程PYを備える。酵素活性のある調味料3としては、生揚げ醤油、醤油麹または醤油もろみといったプロテアーゼ活性のある調味料が用いられる。
【選択図】図1
【解決手段】乾燥珍味製品製造方法は、イカ1を酵素活性のある調味料3を用いて調味および熟成処理する調味工程P10と、調味工程P10後のイカ5を乾燥処理する乾燥工程P20とを含んで構成され、これによりイカ1からサキイカやアタリメその他の乾燥珍味製品8が製造される。調味工程P10に先立ち必要な手順・先行工程PX、乾燥工程P20の後に必要な手順・後続工程PYを備える。酵素活性のある調味料3としては、生揚げ醤油、醤油麹または醤油もろみといったプロテアーゼ活性のある調味料が用いられる。
【選択図】図1
Description
本発明は乾燥珍味製品およびその製造方法に係り、特に、柔らかい食感と素材本来のうま味が引き出された乾燥珍味製品、およびその製造方法に関するものである。
従来、一般的なサキイカの製法は以下のとおりである。
1) イカ(主にスルメイカ)の胴体を開く。
2) 70℃〜80℃の湯でボイルする。
3) 砂糖、塩などで調味し、一夜漬け込む。
4) 水分40%前後になるまで乾燥する。
5) 乾燥したイカを焙焼する。
6) 焙焼したイカを軽くローラーにかけ、裂く。
7) 必要に応じて、二次調味料として、調味料(アミノ酸等)、甘味料、塩類、pH調整剤等を添加混合し味付けする。
8) 必要に応じて、仕上げ乾燥する。
1) イカ(主にスルメイカ)の胴体を開く。
2) 70℃〜80℃の湯でボイルする。
3) 砂糖、塩などで調味し、一夜漬け込む。
4) 水分40%前後になるまで乾燥する。
5) 乾燥したイカを焙焼する。
6) 焙焼したイカを軽くローラーにかけ、裂く。
7) 必要に応じて、二次調味料として、調味料(アミノ酸等)、甘味料、塩類、pH調整剤等を添加混合し味付けする。
8) 必要に応じて、仕上げ乾燥する。
なお、上記4)までの工程で作られた半製品をダルマといい、乾燥後に水分を均一にするため、冷凍状態で保管する工程があり、これを「あんじょう」という。また、工程2)において加熱処理を行うため、当然ながらこの段階で、原料の持つ自己消化酵素は失活している。
原料の持つ酵素(自己消化酵素)を利用して柔らかい食感と味の向上をはかったサキイカとして、函館特産サキイカ商品・函館こがね(登録商標)がある。これは、上記一般的な製法のうち工程2)を行わずに生イカをそのまま調味するものであり、水分35〜50%となるまで乾燥させた後の半製品を20℃〜25℃で24時間以上保管する熟成工程を経てサキイカとする。これにより、イカ本来のうま味が増大するとされている。
なお、サキイカについては従来複数の技術的提案もなされているが、このうち後掲特許文献1には、食感や食味を向上させるための技術として、するめの肉をその表皮面に沿って薄片状(厚さ0.2mm以下)にしたサキイカが開示されている。また特許文献2には、軟らかくてうま味に富むサキイカを提供する技術として、表皮部タンパク質の外部溶出を防ぐために前処理としての洗浄を除く水処理工程を全て排し、熱した鉄板もしくは直火で原料生イカを短時間焼き上げる処理を行う方法が開示されている。
しかし、これらの従来技術とは異なる方法によって、柔らかい食感と素材本来のうま味を十全に備えたサキイカ等の乾燥珍味製品を提供できることが求められている。
本願が解決しようとする課題は、かかる従来技術の現状を踏まえ、従来の方法によらずに従来以上に食感が柔らかく、かつ、素材本来のうま味が強く引き出された乾燥珍味製品、およびその製造方法を提供することである。
本発明者らはこれらの課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、酵素が失活しない直前の温度(48℃〜58℃)で加熱した後に、調味料として生揚げ醤油(加熱殺菌していない生の醤油)や醤油もろみといったプロテアーゼ活性のあるものを配合することで、原料の持つ酵素の働きと調味料に含まれる酵素活性との相乗効果によって、従来のものよりも食感が柔らかく、かつコクの深いうま味の強いサキイカを製造することができた。
つまり、一定の加熱方法とタンパク分解酵素活性のある調味料を利用することにより上記課題を解決できることに想到し、これを基礎として本発明の完成に至った。すなわち、上記課題を解決するための手段として本願で特許請求される発明、もしくは少なくとも開示される発明は、以下のとおりである。
〔1〕 イカから乾燥珍味製品を製造する方法であって、イカを酵素活性のある調味料を用いて調味および熟成処理する調味工程と、調味工程後のイカを乾燥処理する乾燥工程とを含むことを特徴とする、乾燥珍味製品製造方法。
〔2〕 前記調味料はプロテアーゼ活性のある調味料であることを特徴とする、〔1〕に記載の乾燥珍味製品製造方法。
〔3〕 前記調味工程は、前記調味料を配合してなる常温以下の調味液に浸漬処理する工程であることを特徴とする、〔1〕または〔2〕に記載の乾燥珍味製品製造方法。
〔4〕 前記調味料は麹を用いた調味料(以下、「麹調味料」という。)であることを特徴とする、〔1〕ないし〔3〕のいずれかに記載の乾燥珍味製品製造方法。
〔2〕 前記調味料はプロテアーゼ活性のある調味料であることを特徴とする、〔1〕に記載の乾燥珍味製品製造方法。
〔3〕 前記調味工程は、前記調味料を配合してなる常温以下の調味液に浸漬処理する工程であることを特徴とする、〔1〕または〔2〕に記載の乾燥珍味製品製造方法。
〔4〕 前記調味料は麹を用いた調味料(以下、「麹調味料」という。)であることを特徴とする、〔1〕ないし〔3〕のいずれかに記載の乾燥珍味製品製造方法。
〔5〕 前記調味料は、生揚げ醤油、醤油麹または醤油もろみの少なくともいずれか一つであることを特徴とする、〔1〕ないし〔3〕のいずれかに記載の乾燥珍味製品製造方法。
〔6〕 前記調味工程は、イカをプロテアーゼ活性のある添加物および調味料を同時に用いて、または前後して用いて処理する工程であることを特徴とする、〔1〕に記載の乾燥珍味製品製造方法。
〔7〕 前記プロテアーゼ活性のある添加物は、麦麹、豆麹、その他の麹、または酵母であることを特徴とする、〔6〕に記載の乾燥珍味製品製造方法。
〔6〕 前記調味工程は、イカをプロテアーゼ活性のある添加物および調味料を同時に用いて、または前後して用いて処理する工程であることを特徴とする、〔1〕に記載の乾燥珍味製品製造方法。
〔7〕 前記プロテアーゼ活性のある添加物は、麦麹、豆麹、その他の麹、または酵母であることを特徴とする、〔6〕に記載の乾燥珍味製品製造方法。
〔8〕 前記調味工程の前に、イカをその自己消化酵素が失活しない程度の温度で加熱処理する非失活加熱工程を設けることを特徴とする、〔1〕ないし〔7〕のいずれかに記載の乾燥珍味製品製造方法。
〔9〕 前記非失活加熱工程における加熱処理温度は58℃以下であることを特徴とする、〔8〕に記載の乾燥珍味製品製造方法。
〔10〕 前記非失活加熱工程における加熱処理は湯で煮る処理であることを特徴とする、〔8〕または〔9〕に記載の乾燥珍味製品製造方法。
〔11〕 サキイカであることを特徴とする、〔1〕ないし〔10〕のいずれか記載の乾燥珍味製品製造方法。
〔9〕 前記非失活加熱工程における加熱処理温度は58℃以下であることを特徴とする、〔8〕に記載の乾燥珍味製品製造方法。
〔10〕 前記非失活加熱工程における加熱処理は湯で煮る処理であることを特徴とする、〔8〕または〔9〕に記載の乾燥珍味製品製造方法。
〔11〕 サキイカであることを特徴とする、〔1〕ないし〔10〕のいずれか記載の乾燥珍味製品製造方法。
〔12〕 製造原料にプロテアーゼ活性のある調味料を用いて製造されたことを特徴とする、乾燥珍味製品。
〔13〕 前記酵素活性のある調味料は、生揚げ醤油、醤油麹もしくはその他の麹調味料、または醤油もろみの少なくともいずれか一つであることを特徴とする、〔12〕に記載の乾燥珍味製品。
〔14〕 製造原料に麦麹、豆麹、またはその他のプロテアーゼ活性のある添加物を用いて製造されたことを特徴とする、乾燥珍味製品。
〔15〕 サキイカであることを特徴とする、〔12〕ないし〔14〕のいずれか記載の乾燥珍味製品。
〔13〕 前記酵素活性のある調味料は、生揚げ醤油、醤油麹もしくはその他の麹調味料、または醤油もろみの少なくともいずれか一つであることを特徴とする、〔12〕に記載の乾燥珍味製品。
〔14〕 製造原料に麦麹、豆麹、またはその他のプロテアーゼ活性のある添加物を用いて製造されたことを特徴とする、乾燥珍味製品。
〔15〕 サキイカであることを特徴とする、〔12〕ないし〔14〕のいずれか記載の乾燥珍味製品。
本発明の乾燥珍味製品およびその製造方法は上述のように構成されるため、これによれば、従来の方法によらずに、従来以上に食感が柔らかく、かつ、素材本来の深いコクのある強いうま味が具合良く引き出されるとともに香ばしい香りを備えた、品質の高いサキイカ等の乾燥珍味製品を得ることができる。また、特にサキイカの場合には、その好ましい外観とされているところの毛羽立ちが良好な製品を得ることができる。
本発明について、図面も用いつつさらに詳細に説明する。
図1は、本発明の乾燥珍味製品製造方法の基本構成を示すフロー図である。図示するように本発明製法は、イカ1からサキイカやアタリメその他の乾燥珍味製品8を製造する方法であって、イカ1を酵素活性のある調味料3を用いて調味および熟成処理する調味工程P10と、調味工程P10後のイカ5を乾燥処理する乾燥工程P20とを含んで構成されることを、主とする。
図1は、本発明の乾燥珍味製品製造方法の基本構成を示すフロー図である。図示するように本発明製法は、イカ1からサキイカやアタリメその他の乾燥珍味製品8を製造する方法であって、イカ1を酵素活性のある調味料3を用いて調味および熟成処理する調味工程P10と、調味工程P10後のイカ5を乾燥処理する乾燥工程P20とを含んで構成されることを、主とする。
なお、図中PXは、調味工程P10に先立つ必要な一または複数の手順であるところの先行工程を、またPYは、乾燥工程P20の後に必要な一または複数の手順であるところの後続工程を示す。先行工程PXには、たとえばイカ1を裁割して各部位に分離する前処理、洗浄、等の処理が該当する。また後続工程PYには、たとえば冷凍保管処理、焙焼処理やローラー圧延処理等、最終製品たる乾燥珍味製品8を得るための全ての処理が該当する。
かかる構成により本製法によれば、イカ1は先行工程PXを経た後、調味工程P10において、イカ1に含有される自己消化酵素の機能と相乗的に機能する酵素活性のある調味料3により、調味および熟成処理がなされ、同処理がなされた後のイカ5は、ついで乾燥工程P20において乾燥処理され、その後、必要な後続工程PYを経て乾燥珍味製品8が得られる。
本発明の原料であるイカ1としては、主にスルメイカを好適に用いることができるが、本発明はこれに限定されず、アカイカ、アメリカオオアカイカ、ケンサキスルメイカ、その他従来サキイカに使用されているあらゆる種類、または使用可能と考えられるあらゆる種類のイカを原料として用いることができる。また、生鮮品であるか冷凍品であるかも限定されない。
本発明製法において、調味料3としては特に、プロテアーゼ活性のある調味料を用いるものとすることができる。プロテアーゼ活性を有する調味料を用いることで、イカ1に対するタンパク質分解作用が良好に促進し、素材本来のうま味を強めることができるからである。
かかる調味料3としては特に、生揚げ醤油や醤油もろみ、あるいは麹を用いた調味料(麹調味料)を単独で、または適宜の組み合わせで用いるものとすることができる。なお、麹調味料には醤油麹、塩麹、味噌系調味料、唐辛子等を用いた調味料等さまざまな種類があるが、特に醤油麹は本発明に係る調味料3として好適に用いることができる。
醤油麹は醤油の醸造工程で作られるもので、大豆と小麦を混ぜた後に種麹を加え、熟成させたものである。この醤油麹に食塩水を混ぜ、熟成させることによって「もろみ」となり、もろみを絞ったものが生揚げ醤油となる。生揚げ醤油を加熱すると一般的な醤油となる。
本発明の特徴は、素材たるイカ1の自己消化酵素(プロテアーゼ)と、調味料3に含まれるタンパク分解酵素活性を活用して、やわらかい食感と強いうま味を有した乾燥珍味製品を得ることである。特に、醤油を醸造する際に用いられる麦麹や豆麹はタンパク分解能が高いため、本発明所期の目的達成上、極めて高い効果を得ることができる。
一方、米麹(塩麹等)は、でん粉を糖化する機能は高いものの中性域でのタンパク分解能が弱いため、醤油麹のような効果は得られない。したがって、米麹と普通の醤油を併用することや、「醤油麹」と称しながら通常の醤油(加熱済み)と米麹を配合しただけの調味料製品を使用しても、本発明所期の目的は達成できないと考えられる。
本発明の乾燥珍味製品製造方法において、調味工程P10は、調味料3を配合してなる常温以下の調味液に浸漬処理する工程とすることができる。醤油麹や生揚醤油等の酵素活性のある調味料3を必ず配合するが、それ以外の配合・添加材料は任意であり、たとえば、砂糖、塩、その他の調味料を適宜組み合わせて用いることとしてもよい。なお、浸漬処理の条件も任意であり、たとえば室温の調味液に8〜20時間程度浸漬するなど、所望の程度に調味液がイカに浸透する条件を適宜用いることができる。
なお、プロテアーゼ活性のある添加物および調味料を、同時に、または相前後して用いてイカを処理する工程を、調味工程P10としてもよい。この場合、当該プロテアーゼ活性のある添加物としては、麦麹、豆麹、その他の麹、または酵母を用いるものとすることもできる。
図2は、本発明の乾燥珍味製品製造方法の構成を示す別のフロー図である。図示するように本発明製法は、図1に示した構成に加えて、調味工程P10の前にイカ21をその自己消化酵素が失活しない程度の温度で加熱処理する非失活加熱工程P5を設けることを、特徴的な構成とする。
かかる構成により本製法によれば、イカ21は先行工程PXを経た後、まず非失活加熱工程P5において、その自己消化酵素が失活しない程度の温度で加熱処理され、処理後のイカ22は、ついで調味工程P10において、イカ1に維持される自己消化酵素の機能と相乗的に機能する酵素活性のある調味料23により、調味および熟成処理がなされ、同処理がなされた後のイカ25は、ついで乾燥工程P20において乾燥処理され、その後、必要な後続工程PYを経て乾燥珍味製品28が得られる。
これにより調味工程P10においては、調味料23によるタンパク分解機能と、非失活加熱工程P5処理後のイカ22に維持される自己消化酵素の機能とが相まってタンパク質分解作用が一層良好に促進し、素材本来のうま味をより強めることができる。
非失活加熱工程P5における加熱処理温度は、イカ21の自己消化酵素が失活しない程度の温度として、58℃以下とすることが望ましいが、さらには55℃以下とすることがより推奨される。たとえば、最高温度50〜55℃の温度範囲で処理する等である。なお本発明では、加熱方法を特に限定しなくてもよいが、かかる温和な温度条件による加熱処理を行うには、湯で煮る処理が最も実用的であり、かつ効果も十分に得ることができる。
従来の製法においては通常、70〜80℃の温湯で2〜3分間加熱し、イカの自己消化酵素を失活させている。しかし本発明では、たとえば50〜55℃の温湯で2〜3分間加熱することで、自己消化酵素を失活させずに維持し、むしろこれを活性化させ、上述した調味工程P10での相乗作用を得るものである。
実際、酵素活性が失活しない温度(55℃)で2分間ボイルしたイカを生揚げ醤油、醤油麹などのプロテアーゼ活性のある調味料によって処理し、熟成させた後、水分35〜40%程度になるまで乾燥処理を行い、焙炒して製造した本発明に係るサキイカは、従来製法(ボイル温度70〜80℃、ボイル時間1〜4分程度、塩・砂糖等による調味)で製造したサキイカや、低温(55℃)でボイルするがプロテアーゼ活性のある調味料を用いずに製造したサキイカと比較して、柔らかい食感となり、その上、深いコクのある強いうま味と香ばしい香りを備えた、サキイカとなった。
なお、以上説明した製造方法のみならず、製造原料にプロテアーゼ活性のある調味料を用いて製造されたサキイカ、アタリメ等の乾燥珍味製品自体もまた、本発明の範囲内である。酵素活性のある調味料としては上述のように、生揚げ醤油、醤油麹もしくはその他の麹調味料、または醤油もろみの少なくともいずれか一つを好適に使用できる。
本発明に係る乾燥珍味製品には、サキイカやアタリメを初めとして、イカ肉を原料とした加工食品であって、製造工程に乾燥処理が含まれるものを広く含む。また、イカ肉は胴肉、耳、脚といった部位には限定されない。また、最終製品形態がチーズその他の適宜の材料との複合によるものも含む。また本発明に係る乾燥珍味製品は、珍味の名のとおり再加工を要せずに食用として提供可能であるが、他の食品加工用の材料として、また調理用材料としての使用も排除されないことは、言うまでもない。
さらに、製造原料として麦麹、豆麹、またはこれらを用いて製造されたものを含め、その他プロテアーゼ活性のある添加物を用いたサキイカ、アタリメ等の乾燥珍味製品もまた、本発明の範囲内である。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明がこれら実施例に限定されるものではない。
<1 生鮮スルメイカ原料によるサキイカ>
下記のとおり実施例1、比較例1〜2の各サキイカを製造し、比較した。
[実施例1] 生鮮スルメイカを原料とし、醤油麹を活用した製法のサキイカ
生鮮スルメイカを裁割して胴と脚部および内蔵に分離し、このうちの胴肉を使用し、55℃の湯で2分間加熱し、その後すぐに氷水で冷却した。
<1 生鮮スルメイカ原料によるサキイカ>
下記のとおり実施例1、比較例1〜2の各サキイカを製造し、比較した。
[実施例1] 生鮮スルメイカを原料とし、醤油麹を活用した製法のサキイカ
生鮮スルメイカを裁割して胴と脚部および内蔵に分離し、このうちの胴肉を使用し、55℃の湯で2分間加熱し、その後すぐに氷水で冷却した。
その後、下記配合により調味し、10℃で16時間漬込みを行った。
イカ胴肉(加熱処理済) 2500g
上白糖 137.5g(原料イカ肉に対して5.5%)
醤油麹調味料 300g(原料イカ肉に対して12%)
なお、ここで使用した醤油麹調味料とは、醤油を醸造する工程で作られる、等量の大豆と小麦に種麹を加えて作られた麹に1.5倍量の20%食塩水を加え、45日間発酵させて濾過した調味液のことである。
イカ胴肉(加熱処理済) 2500g
上白糖 137.5g(原料イカ肉に対して5.5%)
醤油麹調味料 300g(原料イカ肉に対して12%)
なお、ここで使用した醤油麹調味料とは、醤油を醸造する工程で作られる、等量の大豆と小麦に種麹を加えて作られた麹に1.5倍量の20%食塩水を加え、45日間発酵させて濾過した調味液のことである。
調味漬込み後に冷風乾燥機(20℃)で36時間乾燥し、水分40%の皮付ダルマ(サキイカ用半製品)を作り、プレスロースターで焙焼後、ローラーで圧延し、引き裂き機で細く裂いてサキイカを製造した。
[比較例1]生鮮スルメイカを原料とした、通常の味付けによるサキイカ
生鮮スルメイカを裁割して胴と脚部および内蔵に分離し、このうちの胴肉を使用し、55℃の湯で2分間加熱し、その後すぐに氷水で冷却した。
その後、下記配合により調味し、10℃で16時間漬込みを行った。
イカ胴肉(加熱処理済) 2000g
上白糖 120g(原料イカ肉に対して6%)
食塩 40g(原料イカ肉に対して2%)
調味漬込み後に冷風乾燥機(20℃)で36時間乾燥し、水分40%の皮付ダルマ(サキイカ用半製品)を作り、プレスロースターで焙焼後、ローラーで圧延し、引き裂き機で細く裂いてサキイカを製造した。
生鮮スルメイカを裁割して胴と脚部および内蔵に分離し、このうちの胴肉を使用し、55℃の湯で2分間加熱し、その後すぐに氷水で冷却した。
その後、下記配合により調味し、10℃で16時間漬込みを行った。
イカ胴肉(加熱処理済) 2000g
上白糖 120g(原料イカ肉に対して6%)
食塩 40g(原料イカ肉に対して2%)
調味漬込み後に冷風乾燥機(20℃)で36時間乾燥し、水分40%の皮付ダルマ(サキイカ用半製品)を作り、プレスロースターで焙焼後、ローラーで圧延し、引き裂き機で細く裂いてサキイカを製造した。
[比較例2]生鮮スルメイカを原料とし、塩麹を使用した製法のサキイカ
生鮮スルメイカを裁割して胴と脚部および内蔵に分離し、このうちの胴肉を使用し、55℃の湯で2分間加熱し、その後すぐに氷水で冷却した。その後、下記配合により調味し、10℃で16時間漬込みを行った。
イカ胴肉(加熱処理済) 2000g
上白糖 110g(原料イカ肉に対して5.5%)
塩麹調味料 240g(原料イカ肉に対して12%)
なお、ここで使用した塩麹調味料とは、米麹に等量の水を加え、20%の食塩を加えて撹拌し、10日間発酵熟成した調味液のこと。
生鮮スルメイカを裁割して胴と脚部および内蔵に分離し、このうちの胴肉を使用し、55℃の湯で2分間加熱し、その後すぐに氷水で冷却した。その後、下記配合により調味し、10℃で16時間漬込みを行った。
イカ胴肉(加熱処理済) 2000g
上白糖 110g(原料イカ肉に対して5.5%)
塩麹調味料 240g(原料イカ肉に対して12%)
なお、ここで使用した塩麹調味料とは、米麹に等量の水を加え、20%の食塩を加えて撹拌し、10日間発酵熟成した調味液のこと。
調味漬込み後に、冷風乾燥機(20℃)で36時間乾燥し、水分40%の皮付ダルマ(サキイカ用半製品)を作り、プレスロースターで焙焼後、ローラーで圧延し、引き裂き機で細く裂いてサキイカを製造した。
[遊離アミノ酸総量の比較]
図3は、実施例1、比較例1および2について測定した遊離アミノ総量を示すグラフである。図示するように、サキイカを製造する際に調味料として醤油麹を用いた実施例1は、砂糖と食塩のみを使用した比較例1および塩麹調味料を使用した比較例2と比べて、遊離アミノ総量が大幅に増加した。特に、比較例1に対しては2倍を超える遊離アミノ総酸が測定され、従来製法よりも大幅にうま味が増加していることが明確に示された。一方、塩麹を使用した比較例2も、従来製法に基づく比較例1よりは遊離アミノ酸総量が増加したものの、醤油麹を活用した実施例1に比べると増加量は少なく、うま味を増加させる効果は限定的であると考えられた。
図3は、実施例1、比較例1および2について測定した遊離アミノ総量を示すグラフである。図示するように、サキイカを製造する際に調味料として醤油麹を用いた実施例1は、砂糖と食塩のみを使用した比較例1および塩麹調味料を使用した比較例2と比べて、遊離アミノ総量が大幅に増加した。特に、比較例1に対しては2倍を超える遊離アミノ総酸が測定され、従来製法よりも大幅にうま味が増加していることが明確に示された。一方、塩麹を使用した比較例2も、従来製法に基づく比較例1よりは遊離アミノ酸総量が増加したものの、醤油麹を活用した実施例1に比べると増加量は少なく、うま味を増加させる効果は限定的であると考えられた。
[官能評価]
実施例1、比較例1および2について、専門家(工場のレギュラーパネル)5パネルによる官能比較評価を行った。評価の基準は下記の5段階減点法とした。
5:サキイカとしての香味や食感等が極めて良好である
4:サキイカとしての香味や食感等が良好である
3:サキイカとしての香味や食感等が概ね良好である
2:サキイカとしての香味や食感等がやや劣る
1:サキイカとしての香味や食感等が著しく劣る
実施例1、比較例1および2について、専門家(工場のレギュラーパネル)5パネルによる官能比較評価を行った。評価の基準は下記の5段階減点法とした。
5:サキイカとしての香味や食感等が極めて良好である
4:サキイカとしての香味や食感等が良好である
3:サキイカとしての香味や食感等が概ね良好である
2:サキイカとしての香味や食感等がやや劣る
1:サキイカとしての香味や食感等が著しく劣る
表1に、実施例1、比較例1および2の官能評価結果を示す。なお、表中の数値は上記基準のとおりである。ここに示されるとおり実施例1は、うま味・食感・毛羽立ちの各項目において各比較例よりも優れ、総合評価でも優れた。色調についてはやや褐色が強かったが、うま味についてはイカ本来の強いうま味と香ばしい香りがあり、また食感も柔らかく、サキイカの好ましい外観である毛羽立ちも良好であった。
一方、比較例1は色調が最も好ましいと評価されたが、うま味や食感は醤油麹や塩麹を使用したものに比べて低い評価であった。また比較例2は、実施例1には及ばないものの、うま味や食感は比較例1よりも評価であった。以上より、本発明製法によるサキイカの有用性・優位性が確認できた。
<2 冷凍スルメイカ原料によるサキイカ>
下記のとおり、原料にトロール漁で漁獲された冷凍スルメイカを使用して、実施例1と同様の工程と配合で醤油麹を活用したサキイカ(実施例2)と、比較例1と同様の工程と配合で製造した通常タイプのサキイカ(比較例3)を製造し、遊離アミノ酸総量の定量を行い比較した。
下記のとおり、原料にトロール漁で漁獲された冷凍スルメイカを使用して、実施例1と同様の工程と配合で醤油麹を活用したサキイカ(実施例2)と、比較例1と同様の工程と配合で製造した通常タイプのサキイカ(比較例3)を製造し、遊離アミノ酸総量の定量を行い比較した。
[実施例2]冷凍スルメイカを原料とし、醤油麹を活用した製法のサキイカ
トロール漁で漁獲された冷凍スルメイカを裁割して胴と脚部および内蔵に分離し、このうちの胴肉を使用し、55℃の湯で2分間加熱し、その後すぐに氷水で冷却した。その後、下記配合により調味し、10℃で16時間漬込みを行った。
トロール漁で漁獲された冷凍スルメイカを裁割して胴と脚部および内蔵に分離し、このうちの胴肉を使用し、55℃の湯で2分間加熱し、その後すぐに氷水で冷却した。その後、下記配合により調味し、10℃で16時間漬込みを行った。
イカ胴肉(加熱処理済)2500g
上白糖 137.5g(原料イカ肉に対して5.5%)
醤油麹調味料 300g(原料イカ肉に対して12%)
なお、醤油麹調味料は実施例1と同じものである。調味漬込み後に冷風乾燥機(20℃)で36時間乾燥し、水分40%の皮付ダルマ(サキイカ用半製品)を作り、プレスロースターで焙焼後、ローラーで圧延し、引き裂き機で細く裂いてサキイカを製造した。
上白糖 137.5g(原料イカ肉に対して5.5%)
醤油麹調味料 300g(原料イカ肉に対して12%)
なお、醤油麹調味料は実施例1と同じものである。調味漬込み後に冷風乾燥機(20℃)で36時間乾燥し、水分40%の皮付ダルマ(サキイカ用半製品)を作り、プレスロースターで焙焼後、ローラーで圧延し、引き裂き機で細く裂いてサキイカを製造した。
[比較例3]冷凍スルメイカを原料とした通常の味付けによるサキイカ
同じくトロール漁で漁獲された冷凍スルメイカを裁割して胴と脚部および内蔵に分離し、このうちの胴肉を使用し、55℃の湯で2分間加熱し、その後すぐに氷水で冷却した。その後、下記配合により調味し、10℃で16時間漬込みを行った。
イカ胴肉(加熱処理済)2000g
上白糖 120g(原料イカ肉に対して6%)
食塩 40g(原料イカ肉に対して2%)
調味漬込み後に、冷風乾燥機(20℃)で36時間乾燥し、水分40%の皮付ダルマ(サキイカ用半製品)を作り、プレスロースターで焙焼後、ローラーで圧延し、引き裂き機で細く裂いてサキイカを製造した。
同じくトロール漁で漁獲された冷凍スルメイカを裁割して胴と脚部および内蔵に分離し、このうちの胴肉を使用し、55℃の湯で2分間加熱し、その後すぐに氷水で冷却した。その後、下記配合により調味し、10℃で16時間漬込みを行った。
イカ胴肉(加熱処理済)2000g
上白糖 120g(原料イカ肉に対して6%)
食塩 40g(原料イカ肉に対して2%)
調味漬込み後に、冷風乾燥機(20℃)で36時間乾燥し、水分40%の皮付ダルマ(サキイカ用半製品)を作り、プレスロースターで焙焼後、ローラーで圧延し、引き裂き機で細く裂いてサキイカを製造した。
[遊離アミノ酸総量の比較]
図4は、実施例2および比較例3について測定した遊離アミノ総量を示すグラフである。図示するように、醤油麹を用いた実施例2のサキイカは、従来製法および調味配合による比較例3のものと比べると、1.5倍程度も遊離アミノ酸が増加していた。イカの遊離アミノ酸量は魚体の大きさや漁獲時期、漁獲海域等によって差があるため、一概には比較できない点があるとはいえ、本発明製造方法によって大幅にうま味が増加していることが十分に推定できた。
図4は、実施例2および比較例3について測定した遊離アミノ総量を示すグラフである。図示するように、醤油麹を用いた実施例2のサキイカは、従来製法および調味配合による比較例3のものと比べると、1.5倍程度も遊離アミノ酸が増加していた。イカの遊離アミノ酸量は魚体の大きさや漁獲時期、漁獲海域等によって差があるため、一概には比較できない点があるとはいえ、本発明製造方法によって大幅にうま味が増加していることが十分に推定できた。
なお、図3に示した実施例1等で使用した生鮮スルメイカに比べると、実施例2等の冷凍原料では、解凍時にドリップとして失われる遊離アミノ酸が多いこともあり、全体的に遊離アミノ酸総量は少ない結果となった。しかしながら、冷凍原料での比較においても、本発明製法によるサキイカの有用性・優位性を確認することができた。
<3 冷凍スルメイカ原料によるアタリメ>
下記のとおり実施例3、4、および比較例3の各アタリメを製造し、比較した。
[実施例3]冷凍スルメイカを原料とし、生揚げ醤油を用いた製法のアタリメ
冷凍スルメイカを解凍後、裁割して胴と脚部および内蔵に分離し、このうちの胴肉を使用して、加熱処理することなく生の状態のまま、下記配合により調味し、10℃で16時間漬込みを行った。
イカ胴肉(生肉) 5000g
生揚げ醤油 200g(原料イカ肉に対して4%)
なお、生揚げ醤油は、発酵および熟成させたもろみを圧搾して得られた状態のままの液体である。
下記のとおり実施例3、4、および比較例3の各アタリメを製造し、比較した。
[実施例3]冷凍スルメイカを原料とし、生揚げ醤油を用いた製法のアタリメ
冷凍スルメイカを解凍後、裁割して胴と脚部および内蔵に分離し、このうちの胴肉を使用して、加熱処理することなく生の状態のまま、下記配合により調味し、10℃で16時間漬込みを行った。
イカ胴肉(生肉) 5000g
生揚げ醤油 200g(原料イカ肉に対して4%)
なお、生揚げ醤油は、発酵および熟成させたもろみを圧搾して得られた状態のままの液体である。
調味漬込み後に、温風乾燥機(35〜45℃)で32時間乾燥し、水分25〜30%の味付きするめダルマ(アタリメ用半製品)を作り、ネット式焙焼機で焙焼後、引き裂き機で5〜10mm幅に裂いてアタリメを製造した。なお、ここでいうアタリメとは、干しするめを軽く焼いた後に5〜10mm程度の幅で裂いたものをいい、味付けは塩味程度の簡素なもので、水分が比較的低く、サキイカに比べると硬い食感のものが多い。
[実施例4]冷凍スルメイカを原料とし、醤油もろみを用いた製法のアタリメ
冷凍スルメイカを解凍後、裁割して胴と脚部および内蔵に分離し、このうちの胴肉を使用して、加熱処理することなく生の状態のまま、下記配合により調味し、10℃で16時間漬込みを行った。
イカ胴肉(生肉) 5000g
醤油もろみ 200g(原料イカ肉に対して4%)
なお、醤油もろみは、発酵および熟成させたもろみの状態のままのものである。
冷凍スルメイカを解凍後、裁割して胴と脚部および内蔵に分離し、このうちの胴肉を使用して、加熱処理することなく生の状態のまま、下記配合により調味し、10℃で16時間漬込みを行った。
イカ胴肉(生肉) 5000g
醤油もろみ 200g(原料イカ肉に対して4%)
なお、醤油もろみは、発酵および熟成させたもろみの状態のままのものである。
調味漬込み後に、温風乾燥機(35〜45℃)で32時間乾燥し、水分25〜30%の味付きするめダルマ(アタリメ用半製品)を作り、ネット式焙焼機で焙焼後、引き裂き機で5〜10mm幅に裂いてアタリメを製造した。
[比較例4]冷凍スルメイカを原料とした通常の製法のアタリメ
冷凍スルメイカを解凍後、裁割して胴と脚部および内蔵に分離し、このうちの胴肉を使用して、加熱処理することなく生の状態のまま3%塩水に10分間浸漬し、その後、温風乾燥機(35〜45℃)で32時間乾燥し、水分25〜30%の味付きするめダルマ(アタリメ用半製品)を作り、ネット式焙焼機で焙焼後、引き裂き機で5〜10mm幅に裂いてアタリメを製造した。
冷凍スルメイカを解凍後、裁割して胴と脚部および内蔵に分離し、このうちの胴肉を使用して、加熱処理することなく生の状態のまま3%塩水に10分間浸漬し、その後、温風乾燥機(35〜45℃)で32時間乾燥し、水分25〜30%の味付きするめダルマ(アタリメ用半製品)を作り、ネット式焙焼機で焙焼後、引き裂き機で5〜10mm幅に裂いてアタリメを製造した。
[官能評価]
実施例3、4、および比較例4について、専門家(工場のレギュラーパネル)10パネルにより、噛み切り易さや口どけ感などの好ましい食感と、アタリメとしての好ましい香味の比較により、官能比較評価を行った。官能検査方法はブラッドリーの対比較法により実施した。表2に、実施例3等の比較試験区を示す。
実施例3、4、および比較例4について、専門家(工場のレギュラーパネル)10パネルにより、噛み切り易さや口どけ感などの好ましい食感と、アタリメとしての好ましい香味の比較により、官能比較評価を行った。官能検査方法はブラッドリーの対比較法により実施した。表2に、実施例3等の比較試験区を示す。
また、官能評価の設問と基準は次に示すとおりである。
設問1[食感]
噛み切り易さや口どけ易さなどの好ましい食感は、各試料を2個ずつの対にして各組ごとに指定の順に比較して、より良好な方に「1」をつけ、そうでない方に「2」をつけよ。同じ位に感じても必ず「1」「2」をつけること。
設問2[香味]
好ましい香味は、各試料を2個ずつの対にして各組ごとに指定の順に比較して、より良好な方に「1」をつけ、そうでない方に「2」をつけよ。同じ位に感じても必ず「1」「2」をつけること。
設問1[食感]
噛み切り易さや口どけ易さなどの好ましい食感は、各試料を2個ずつの対にして各組ごとに指定の順に比較して、より良好な方に「1」をつけ、そうでない方に「2」をつけよ。同じ位に感じても必ず「1」「2」をつけること。
設問2[香味]
好ましい香味は、各試料を2個ずつの対にして各組ごとに指定の順に比較して、より良好な方に「1」をつけ、そうでない方に「2」をつけよ。同じ位に感じても必ず「1」「2」をつけること。
表3に設問1[食感]に関する集計結果を、また、表4にその統計解析結果を示す。これらに示すように、3試験区間の噛み切り易さや口どけ易さなどの好ましい食感の比較では、統計学的な5%有意の差があった。そして、それぞれの判定比は、実施例3の生揚げ醤油が0.57、実施例4の醤油もろみが0.35、比較例4の塩水が0.08であり、実施例3の生揚げ醤油使用のものが最も高く評価された。
表5に設問2[香味]に関する集計結果を、また、表6にその統計解析結果を示す。これらに示すように、3試験区間の好ましい香味の比較では、食感ほどの明確な差はなく、統計学的検定結果は5%の有意水準での差は認められなかった。しかし、それぞれの判定比は、実施例3の生揚げ醤油が0.35、実施例4の醤油もろみが0.47、比較例4の塩水が0.17であり、比較例4に比べると、生揚げ醤油や醤油もろみを使用した各実施例の方が高く評価された。
以上のように、冷凍スルメイカ原料によるアタリメにおいて比較した結果、食感・香味ともに各実施例が比較例よりも高い評価を得た。つまり、本発明製法によるアタリメの有用性・優位性を確認することができた。
本発明の乾燥珍味製品およびその製造方法によれば、従来の方法によらずに、従来以上に食感が柔らかく、かつ、素材本来の深いコクのある強いうま味が具合良く引き出されるとともに香ばしい香りを備えた、品質の高いサキイカ等の乾燥珍味製品を得ることができる。したがって、水産加工その他関連する産業分野において、利用性が高い発明である。
1、21…イカ
22…非失活加熱工程後のイカ
3、23…酵素活性のある調味料
5、25…調味工程後のイカ
8、28…乾燥珍味製品
P5…非失活加熱工程
P10…調味工程
P20…乾燥工程
PX…先行工程
PY…後続工程
22…非失活加熱工程後のイカ
3、23…酵素活性のある調味料
5、25…調味工程後のイカ
8、28…乾燥珍味製品
P5…非失活加熱工程
P10…調味工程
P20…乾燥工程
PX…先行工程
PY…後続工程
Claims (15)
- イカから乾燥珍味製品を製造する方法であって、イカを酵素活性のある調味料を用いて調味および熟成処理する調味工程と、調味工程後のイカを乾燥処理する乾燥工程とを含むことを特徴とする、乾燥珍味製品製造方法。
- 前記調味料はプロテアーゼ活性のある調味料であることを特徴とする、請求項1に記載の乾燥珍味製品製造方法。
- 前記調味工程は、前記調味料を配合してなる常温以下の調味液に浸漬処理する工程であることを特徴とする、請求項1または2に記載の乾燥珍味製品製造方法。
- 前記調味料は麹を用いた調味料(以下、「麹調味料」という。)であることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の乾燥珍味製品製造方法。
- 前記調味料は、生揚げ醤油、醤油麹または醤油もろみの少なくともいずれか一つであることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の乾燥珍味製品製造方法。
- 前記調味工程は、イカをプロテアーゼ活性のある添加物および調味料を同時に用いて、または前後して用いて処理する工程であることを特徴とする、請求項1に記載の乾燥珍味製品製造方法。
- 前記プロテアーゼ活性のある添加物は、麦麹、豆麹、その他の麹、または酵母であることを特徴とする、請求項6に記載の乾燥珍味製品製造方法。
- 前記調味工程の前に、イカをその自己消化酵素が失活しない程度の温度で加熱処理する非失活加熱工程を設けることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載の乾燥珍味製品製造方法。
- 前記非失活加熱工程における加熱処理温度は58℃以下であることを特徴とする、請求項8に記載の乾燥珍味製品製造方法。
- 前記非失活加熱工程における加熱処理は湯で煮る処理であることを特徴とする、請求項8または9に記載の乾燥珍味製品製造方法。
- サキイカであることを特徴とする、請求項1ないし10のいずれか記載の乾燥珍味製品製造方法。
- 製造原料にプロテアーゼ活性のある調味料を用いて製造されたことを特徴とする、乾燥珍味製品。
- 前記酵素活性のある調味料は、生揚げ醤油、醤油麹もしくはその他の麹調味料、または醤油もろみの少なくともいずれか一つであることを特徴とする、請求項12に記載の乾燥珍味製品。
- 製造原料に麦麹、豆麹、またはその他のプロテアーゼ活性のある添加物を用いて製造されたことを特徴とする、乾燥珍味製品。
- サキイカであることを特徴とする、請求項12ないし14のいずれか記載の乾燥珍味製品。
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---|---|---|---|
JP2013044132A JP2014171399A (ja) | 2013-03-06 | 2013-03-06 | 乾燥珍味製品およびその製造方法 |
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JP2013044132A JP2014171399A (ja) | 2013-03-06 | 2013-03-06 | 乾燥珍味製品およびその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017221170A (ja) * | 2016-06-17 | 2017-12-21 | 株式会社チガイチ青山 | さきいかダルマの製造方法 |
-
2013
- 2013-03-06 JP JP2013044132A patent/JP2014171399A/ja active Pending
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