JP2014169577A - 杭と上部構造物との接合構造 - Google Patents

杭と上部構造物との接合構造 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、杭頭の上端に固定された心出し棒を天板のセンター孔内に下から挿入する作業性を良好にした杭と上部構造物との接合構造を提供する。
【解決手段】杭と上部構造物との接合構造に円筒管30を採用することにより、心出し棒16を天板4のセンター孔4c内に下から挿入する作業が行い易くなるような任意の大きさに、センター孔4cを設定させておくことができる。そして、この円筒管30は、心出し棒16のストレート部16dとセンター孔4cの壁面4dとの間を埋めて、心出し棒16のストレート部16dに対する天板4のガタ付きを極めて少なくするために利用することもできる。特に、杭頭1Aの周囲を囲むような形状をした筒状の鞘管7が天板4に固定されていると、杭頭プレートのセンター孔を下から覗き込むような作業ができなくなるので、効果的である。
【選択図】図9

Description

本発明は、構築される上部構造物と、上部構造物の例えば鉄骨柱を支持するために地盤に埋設される杭との接合構造に関するものである。
従来、このような分野の技術として、特許第3647841号公報がある。この公報に記載された杭と上部構造物との接合構造では、杭頭の上端開口内で溶接により固定された円板状の調整プレートが利用されている。この調整プレートには、中心から径方向に延在する長孔が形成され、この長孔には中心ボルト(心出し棒)が貫通されている。この中心ボルトは、杭頭プレート(天板)に形成されたセンター孔内に下から挿入され、中心ボルトの軸部には、調整プレートと杭頭プレートを中心ボルトの頭部とで挟み込むための調整用ナットが螺着されている。そして、杭頭に固定された杭頭プレートと上部構造物の一部をなす柱脚のベースプレートは、周囲を連結ボルトにより連結されている。
特許第3647841号公報 特許4492146号公報
しかしながら、前述した従来の杭と上部構造物との接合構造には、次のような課題が存在している。すなわち、調整プレートから突出する中心ボルトを杭頭プレートのセンター孔内に挿入させるにあたって、中心ボルトとセンター孔とは、ガタ付きを無くすために隙間が殆どない状態で嵌合されるので、中心ボルトをセンター孔内に下から差し込む際に、杭頭プレートのセンター孔内に中心ボルトを正確に差し込む作業が余儀なくされる。特に、特許4492146号公報に開示されているように、杭頭の周囲を囲むような形状をした円筒状の鞘管が杭頭プレートに固定されているような場合、杭頭プレートのセンター孔を下から覗き込むような作業ができなくなり、杭頭プレートのセンター孔内に中心ボルトを差し込む作業が非常に難しくなるといった問題点がある。
本発明は、杭頭の上端に固定された心出し棒を天板のセンター孔内に下から挿入する作業性を良好にした杭と上部構造物との接合構造を提供することを目的とする。
本発明は、地盤に立設された中空の杭と、
地盤から露出させられる杭の杭頭の周囲に配置されると共に、天板が上端に固定された鞘管と、
鞘管と杭との間で満たされたモルタルまたはコンクリートからなる充填材と、
天板に固定される上部構造物と、を有し、
杭頭の上端には、鉛直方向に延在する心出し棒が固定され、天板の中央には心出し棒が下から挿入されるセンター孔が形成され、心出し棒とセンター孔を形成する壁面との間に円筒管が挿入されていることを特徴とする。
本発明に係る杭と上部構造物との接合構造においては、杭頭の上端に固定される心出し棒と天板に形成されたセンター孔を形成する壁面との間に挿入させるための円筒管が採用されている。このような円筒管の採用により、心出し棒を天板のセンター孔内に下から挿入する作業が行い易くなるような任意の大きさに、センター孔を設定させておくことができる。そして、この円筒管は、心出し棒とセンター孔の壁面との間を埋めて、心出し棒に対する天板のガタ付きを極めて少なくするために利用することもできる。特に、杭頭の周囲を囲むような形状をした筒状の鞘管が天板に固定されていると、杭頭プレートのセンター孔を下から覗き込むような作業ができなくなり、天板のセンター孔内に心出し棒を差し込む作業が非常に難しくなるが、このような場合であっても、円筒管の採用によりセンター孔を大きくできるので、天板のセンター孔内に心出し棒を目測で容易に差し込むことができる。すなわち、円筒管を採用することで、天板の大きさに合わせて、センター孔の大きさを任意の大きさに予め設定させておくことができるので、心出し棒を天板のセンター孔内に下から挿入する作業性が極めて良好になる。
また、センター孔を形成する壁面には、雌ネジ部が形成され、円筒管の外周面には、壁面の雌ネジ部に螺着される雄ネジ部が形成されている。
このような構成を採用すると、円筒管を天板に容易に固定させることができる。しかも、天板に対する円筒管の突出量を容易に調整することができ、円筒管の上端に上部構造物の一部(例えば鉄骨柱のベースプレート)を載せることで、円筒管をスペーサとして機能させて、上部構造物の一部(例えば鉄骨柱のベースプレート)と天板との間に所要の隙間を確実に作り出すことができ、天板と上部構造物の一部(例えば鉄骨柱のベースプレート)との間に確実にモルタルまたはコンクリートを充填させることができる。
また、天板の上面に当接させるナットが、円筒管の雄ネジ部に螺着されている。
このような構成を採用すると、天板に対する円筒管の突出量を確実に維持させることができる。
また、円筒管の中央で鉛直方向に延在する挿入孔内には、心出し棒と、心出し棒の上端に下端が螺着される心出し棒延長ボルトと、が挿入され、心出し棒延長ボルトの雄ネジ部は、円筒管から上方へ突出し、心出し棒延長ボルトの雄ネジ部には、円筒管の上面に押し付けられるナットが螺着されている。
このような構成を採用すると、心出し棒延長ボルトとナットとの協働により、鞘管と杭との間で満たされた充填材(モルタルまたはコンクリート)が硬化するまで、天板の水平面内の回転止め及び鉛直方向の浮き防止を適切に行うことができる。
また、心出し棒の外面には、雄ネジ部が形成され、円筒管の内周面には、心出し棒の雄ネジ部に螺着される雌ネジ部が形成されている。
このような構成を採用すると、円筒管を心出し棒に容易に固定させることができる。しかも、天板に対する円筒管の突出量を容易に調整することができ、円筒管の上端に上部構造物の一部(例えば鉄骨柱のベースプレート)を載せることで、円筒管をスペーサとして機能させて、上部構造物の一部(例えば鉄骨柱のベースプレート)と天板との間に隙間を確実に作り出すことができ、天板と上部構造物の一部(例えば鉄骨柱のベースプレート)との間に確実にモルタルまたはコンクリートを充填させることができる。
また、円筒管の外周面には、雄ネジ部が形成され、前記天板の上面に当接させるナットが、前記円筒管の前記雄ネジ部に螺着されている。
このような構成を採用すると、ナットが天板の上面に当接させられるので、天板に対する円筒管の突出量を確実に維持させることができる。
また、心出し棒が備えられた杭頭キャップ具は、杭頭の上端を塞ぐように杭頭に水平に固定されるリングプレートと、リングプレートに形成された内側開口部内でリングプレートの水平を基準にして心出し棒を水平方向に移動自在にする心出し棒水平位置調整手段と、を備える。
このような構成にあっては、鉛直方向に延在する心出し棒を備える杭頭キャップ具にはリングプレートが採用されているので、水平出しされたリングプレートを基準にして、心出し棒水平位置調整手段で心出し棒を心出しのために水平方向にのみ移動させるだけで良い。従って、心出し棒の心出し精度を高め易く、しかも、心出し棒の位置調整作業が極めて容易になる。更に、リングプレートを採用することで、心出し棒水平位置調整手段に様々な構成のものを採用させ易くなり、心出し棒を水平方向に移動させるための心出し棒水平位置調整手段の適用可能性の幅を広げることができる。
また、心出し棒水平位置調整手段は、リングプレートにより水平支持されて円形の内側開口部に嵌め込まれる円板と、円板の径方向に延在すると共に、心出し棒が貫通する長穴と、円板を上下で挟み込むように心出し棒に取り付けられたスライド部と、を有する。
このような構成を採用すると、リングプレート内で円板を水平面内で回動させる円板回動と、円板の長穴内で心出し棒を移動させる心出し棒直線移動とで、心出し棒を、鉛直方向に維持させたまま、水平面内で所望の位置まで容易且つ確実に移動させることができる。
リングプレートと杭頭の上端との間には、リング状の支持プレートが配置され、支持プレートの外周端は、杭頭の上端に配置され、支持プレートの内周端は、リングプレートの内側開口部から内方に向けて突出して円板を下から支持する。
このような構成を採用すれば、天板と円盤の間のモルタル又はコンクリートを介して円板に伝えられた鉛直荷重を、支持プレートを介して杭頭に確実に伝えることができ、従って、杭頭キャップ具の変形を適切に防止することができる。
また、スライド部は、円板の下面に当接する心出し棒のヘッド部と、円板の上面に当接すると共に、心出し棒の軸部に螺着されるナットと、を備えている。
このような構成を採用すると、ナットの締め込み作業により、心出し棒を所望の位置で容易かつ確実に固定させることができる。
また、心出し棒水平位置調整手段は、リングプレートの内側開口部内に心出し棒が挿入され、リングプレートを上下で挟み込むスライド部に心出し棒が取り付けられている。
このような構成を採用すると、心出し棒を鉛直方向に維持させたまま、リングプレートの内側開口部内で心出し棒を水平面内で所望の位置まで容易に移動させることができる。
また、スライド部は、リングプレートの下面に当接すると共に、心出し棒の軸部が貫通する下スライドプレートと、リングプレートの上面に当接すると共に、心出し棒の軸部が貫通する上スライドプレートと、下スライドプレートの下面に当接する心出し棒のヘッド部と、上スライドプレートの上面に当接すると共に、心出し棒の軸部に螺着されるナットと、で構成されている。
このような構成を採用すると、ナットを緩めることで、スライド部を水平面内で任意の方向に容易かつ確実に摺動させることができ、ナットの締め込み作業により、心出し棒を所望の位置で容易かつ確実に固定させることができる。
また、リングプレートには、鉛直方向に延在する吊り下げ棒の上端が固定され、吊り下げ棒の下端には、杭内に配置される塞ぎ板が固定されている。
このように、モルタルまたはコンクリートを杭頭内に確実に充填させるための塞ぎ板を、リングプレートを利用して構成させることができる。
また、リングプレートには、上方に突出する高さ調整ボルトが装着されている。
このような構成を採用すると、高さ調整ボルトの上端に、天板を載せるたけで、天板の高さ調整を容易に行うことができる。そして、リングプレートに高さ調整ボルトが固定されているので、天板が大型の場合に効果的である。
また、円板には、上方に突出する高さ調整ボルトが装着されている。
このような構成を採用すると、高さ調整ボルトの上端に、天板を載せるだけで、天板の高さ調整を容易に行うことができる。そして、円板に高さ調整ボルトが固定されているので、天板が小型の場合に効果的である。
心出し棒が備えられた杭頭キャップ具は、
杭頭の上端に外周端が載置されるリング状の支持プレートと、
支持プレートの内側開口部を塞ぐように支持プレートの上面に配置された円板と、
支持プレートの上面から突出して円板の外周縁の水平方向の移動を規制する係止片と、
円板を有すると共に、心出し棒を水平方向に移動自在にする心出し棒水平位置調整手段と、を備えている。
このような構成を採用すれば、天板と円盤の間のモルタル又はコンクリートを介して円板に伝えられた鉛直荷重を、支持プレートを介して杭頭に確実に伝えることができ、従って、杭頭キャップ具の変形を適切に防止することができる。
支持プレートには、鉛直方向に延在する吊り下げ棒の上端が固定され、前記吊り下げ棒の下端には、前記杭内に配置される塞ぎ板が固定されている。
このように、モルタルまたはコンクリートを杭頭内に確実に充填させるための塞ぎ板を、支持プレートを利用して構成させることができる。
支持プレートには、上方に突出する高さ調整ボルトが装着されている。
このような構成を採用すると、高さ調整ボルトの上端に、天板を載せるたけで、天板の高さ調整を容易に行うことができる。そして、支持プレートに高さ調整ボルトが固定されているので、天板が大型の場合に効果的である。
本発明によれば、杭頭の上端に固定された心出し棒を天板のセンター孔内に下から挿入する作業性が良好になる。
本発明に係る杭と上部構造物との接合構造の一実施形態を示す断面図である。 杭頭に天板が固定された状態を示す断面図である。 杭頭キャップ具を示す斜視図である。 杭頭キャップ具の平面図である。 図4のa−a線に沿う断面図である。 図4のb−b線に沿う断面図である。 図4のc−c線に沿う断面図である。 図4のd−d線に沿う断面図である。 天板に円筒管が装着された状態を示す断面図である。 図9の平面図である。 変形例1に係り、天板に円筒管が装着された状態の他の例を示す断面図である。 変形例2に係り、杭頭キャップ具の第1の変形例を示す平面図である。 図12のa−a線に沿う断面図である。 図12のb−b線に沿う断面図である。 杭頭キャップ具の第2の変形例を示す平面図である。 図15のa−a線に沿う断面図である。 図15のb−b線に沿う断面図である。 杭頭キャップ具の第3の変形例を示す平面図である。 図18のa−a線に沿う断面図である。 図18のb−b線に沿う断面図である。 図18のc−c線に沿う断面図である。 図18のd−d線に沿う断面図である。 杭頭キャップ具の第4の変形例を示す平面図である。 図23のa−a線に沿う断面図である。 図23のb−b線に沿う断面図である。 図23のc−c線に沿う断面図である。 図23のd−d線に沿う断面図である。 変形例3に係り、天板に円筒管が装着された状態の更に他の例を示す断面図である。 杭頭キャップ具の更に他の変形例を示す平面図である。 図29のa−a線に沿う断面図である。 杭頭キャップ具の更に他の変形例を示す平面図である。 図31のa−a線に沿う断面図である。 固定治具を用いずに鞘管を固定するため構造を示す断面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る杭と上部構造物との接合構造の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、同一又は同等な構成については、同一符合を付して、重複する説明は省略する。
図1に示されるように、地盤Aには、所定の深さまで鋼管杭1が打ち込まれており、中空の鋼管杭1は、上部構造物(例えばビルや家屋)の一部をなす鉄骨柱2を下から支えるために、地盤Aに深く埋設されている。この鋼管杭1の杭頭1Aは、鋼管杭1の埋設完了後に、鋼管杭1の周囲の地盤Aの土を掘削して露出させ、測量により予定された高さ位置で切断されている。このとき、杭頭1Aのうち後で充填材M1と接する部分の外側表面に、突起を設けていると、杭頭1Aと充填材M1との固着をより確実とすることができる。突起の形状や形成方法は特に限定されず、例えば円筒状の溶接ビードの設置や、平鋼を溶接する等の方法で形成できる。
鉄骨柱2の下端に設けられたベースプレート3は、杭頭1A側に固定された天板4と連結ボルト6によって接続されている。天板4には、杭頭1Aの周囲に配置される鞘管7の上端が溶接され、鞘管7と杭頭1Aとの間には、杭頭1Aを補強するためのモルタルまたはコンクリートM1が充填されている。また、杭頭1A内にも杭頭1Aを補強するためのモルタルまたはコンクリートM2が充填されている。鞘管は、円筒状でも角筒状でもよい。
鞘管7の下端開口部は、杭頭1Aの外周で水平方向に延在するリング状の蓋板8で塞がれ、蓋板8は、固定治具9によって杭頭1Aの所定位置に固定させることができる。この固定治具9は、杭頭1Aの周囲に配置される円筒部9aと、円筒部9aに対して水平方向に螺着された締め付けボルト9bと、からなる。このような固定治具9により、蓋板8を鞘管7の下端に当接維持させることができ、鞘管7と杭頭1Aとの間に、モルタルまたはコンクリートからなる充填材M1を確実に充填させることができる。天板4には、充填孔4aが形成されており、この充填孔4aからモルタルまたはコンクリートからなる充填材M1が鞘管7と杭頭1Aとの間に上から注入され、蓋板8によってモルタルまたはコンクリートM1の流下を防止している。なお、蓋板8には、発泡スチロール、発泡ポリエチレン、スポンジなどの比較的柔らかな材質が利用される。
他の例として、固定治具を用いずに鞘管を固定するために、図33に示されるような構成としても良い。本図の構成では、鞘管の位置決め後にモルタルまたはコンクリートからなる充填材M4を、鞘管7下端の高さまで充填し、充填材M4の硬化後に、充填材M1が注入される。
杭頭1A内には、所定の高さ位置に円形の塞ぎ板5が配置され、この塞ぎ板5によって、杭頭1A内にもモルタルまたはコンクリートM2を確実に充填させることができる。また、ベースプレート3と天板4との間にもモルタルまたはコンクリートからなる充填材M3が充填されている。図2及び図3に示されるように、塞ぎ板5は、金属製で円板状の上板5aと下板5bとで、樹脂製で円板状の壁面追従板5cを挟み込むように構成され、この壁面追従板5cの外側遊端が杭頭1Aの内壁面に沿うことで、杭頭1Aの径の多少の大小に順応させることができる。なお、壁面追従板5cには、径方向に延在する複数の切り込み部5dが周方向で等間隔に形成され、これによって、杭頭1Aの内壁面に対する壁面追従板5cの追従性を高めることができる。
前述したように、鉄骨柱2側のベースプレート3と、杭頭1A側の天板4とを連結ボルト6によって確実に接続させるためには、ベースプレート3の連結孔3aと天板4の連結孔4bとが鉛直方向で確実に揃ってなければならない。そこで、上部構造物の一部をなす鉄骨柱2側のベースプレート3の設置予定位置を基準にした位置合わせを行うために、天板4の水平位置を調整させる必要があり、後述する杭頭キャップ具10が利用される。
図2〜図4に示されるように、杭頭キャップ具10は、杭頭1Aの上端開口を塞ぐように杭頭1Aの上端に載置されるリングプレート11を備えている。このリングプレート11の円形の内側開口部11a内には、リングプレート11により水平支持される円板12が嵌め込まれている。この円板12は、リングプレート11の裏面に溶接により配置されたL形のブラケット13によって支持されている。各ブラケット13の水平支持片13aは、リングプレート11の内側開口部11aから先端側が露出し、水平方向に延在する水平支持片13aにより、円板12は、内側開口部11a内で支持されながら水平面内で回すことができる。
各ブラケット13の鉛直片13bには、水平方向に締付けボルト14が螺着されている。この締付けボルト14は、リングプレート11から円板12を外した状態で内側開口部11aから手を入れて回すことができ、リングプレート11を杭頭1Aの上端に載せた状態で締付けボルト14の先端を杭頭1Aの内壁面に押し付けることで、リングプレート11を杭頭1Aに固定させることができる(図5参照)。
円板12には、水平方向で且つ径方向に延在する長穴12aが形成され、この長穴12aには、鉛直方向に延在する心出し棒16が貫通している。そして、心出し棒16には、円板12を上下で挟み込むようにスライド部17が取り付けられている。このスライド部17は、円板12の下面に当接する心出し棒16のヘッド部16aと、円板12の上面に当接すると共に、心出し棒16の軸部16bに螺着されるナット18と、で構成されている。ナット18を緩めることで、心出し棒16を長穴12aに沿って自由に移動させることができ、ナット18の締め込み作業により、心出し棒16を任意の位置で容易かつ確実に固定させることができる。
また、リングプレート11の内側開口部11a内でリングプレート11の水平を基準にして心出し棒16を水平方向に移動自在にする心出し棒水平位置調整手段20は、水平状態をなすリングプレート11の円形の内側開口部11aに嵌め込まれて下から水平支持された円板12と、円板12の径方向に延在すると共に、心出し棒16の軸部16bが貫通する長穴12aと、円板12を上下で挟み込むように心出し棒16に取り付けられたスライド部17と、で構成されている。
このような構成を採用すると、リングプレート11内で円板12を回動させる円板回動と、円板12の長穴12a内で心出し棒16を移動させる心出し棒直線移動とで、心出し棒16を、鉛直方向に維持させたまま、水平面内で所望の位置まで容易かつ確実に移動させることができる。
リングプレート11の上面には、円板12を固定するための押さえ板21(図6参照)が配置され、この押さえ板21は、リングプレート11に螺着されたボルト22を中心に回動させることができる。ボルト22を緩めた状態で、円板12は、内側開口部11a内で自由に回すことができ、ボルト22を締め込むことで円板12が動かないようにしっかり固定させることができる。また、押さえ板21を内側開口部11a内に臨まない位置まで回動させること、すなわち押さえ板21を退避させるように回動させることで、円板12の着脱を可能にする。
前述したように、鉛直方向に延在する心出し棒16を備える杭頭キャップ具10にはリングプレート11が採用されているので、水平出しされたリングプレート11を基準にして、心出し棒水平位置調整手段20で心出し棒16を心出しのために水平方向にのみ移動させるだけで良い。従って、心出し棒16の心出し精度を高め易く、しかも、心出し棒16の位置調整作業が極めて容易になる。更に、リングプレート11を採用することで、心出し棒水平位置調整手段20に様々な構成のものを採用させ易くなり、心出し棒16を水平方向に移動させるための心出し棒水平位置調整手段20の適用可能性の幅を広げることができる。
更に、リングプレート11には、鉛直方向に延在する吊り下げ棒23の上端が固定され、吊り下げ棒23の下端には、杭頭1A内に配置される円形の塞ぎ板5が固定されている(図7参照)。水平方向で等間隔に配置された吊り下げ棒23の上端には、リングプレート11を貫通する雄ネジ部23aが形成され、吊り下げ棒23の下端には、塞ぎ板5を貫通する雄ネジ部23bが形成されている。そして、吊り下げ棒23の上端は、リングプレート11を挟み込む一対のナット24a,24bによってリングプレート11に固定され、吊り下げ棒23の下端は、塞ぎ板5を挟み込む一対のナット26a,26bによって塞ぎ板5に固定されている。このように、モルタルまたはコンクリートM2を杭頭1A内に確実に充填させるための塞ぎ板を、リングプレート11を利用して構成させることができる。
リングプレート11には、上方に突出する高さ調整ボルト27が装着されている(図8参照)。天板4の載置に利用される高さ調整ボルト27は、リングプレート11を貫通すると共に、リングプレート11に溶接により固定されたナット28に螺着されている。ナット28Aの上に更にロックナット(図示せず)を配しても良い。よって、高さ調整ボルト27を回すことで、高さ調整ボルト27の上方への突出量を無段階で調整することができる。なお、リングプレート11に雌ネジを形成し、この雌ネジに高さ調整ボルト27を螺着させてもよい。そして、この高さ調整ボルト27にロックナット28を螺着させて、ロックナットの締め付けによって高さ調整ボルト27をリングプレート11に固定させるようにしてもよい。この高さ調整ボルト27は、リングプレート11の周方向で等間隔に配置されると共に、切断によって得られた杭頭1Aの上端の水平精度や高さ位置を微調整するために利用される。また、高さ調整ボルト27は、天板4を載せるたけで天板4の高さ調整を容易に行うことができる。そして、リングプレート11に高さ調整ボルト27が固定されているので、天板4が大型の場合に効果的である。
次に、図3に示された杭頭キャップ具10の利用態様について簡単に説明する。
図1及び図2に示されるように、地盤Aから露出した杭頭1A内に、杭頭キャップ具10の塞ぎ板5を上から落とし込むように入れながら、リングプレート11を杭頭1Aの上端に載置させる。そして、円板12を外した状態でリングプレート11の内側開口部11aから手を入れて締付けボルト14を回し、締付けボルト14の先端を杭頭1Aの内壁面に押し付けて、リングプレート11を杭頭1Aに固定させる。
その後、リングプレート11の内側開口部11aに蓋をするように、円板12をブラケット13の水平支持片13a上に載置させる。そして、予め測量されていた位置に心出し棒16を設置するために、円板12を水平面内で回しながら、心出し棒16を長穴12aに沿って移動させ、予定した位置に心出し棒16が来た時点で、ナット18を締め込み、心出し棒16を固定させる。その後、リングプレート11と円板12とに跨がるようにマーキングしておく。これによって、円板12に心出し棒16等がセットされた心出し棒調整手段20をリングプレート11から外してもリングプレート11に対する円板12の位置合わせを可能にし、円板12を外した後にモルタルまたはコンクリートM2を充填することが可能になる。また、ボルト22を中心にして押さえ板21を円板12の上まで回動させ、その後、ボルト22を締め込むことで円板12をリングプレート11に固定させる。そして、3本の高さ調整ボルト27を回しながら、各高さ調整ボルト27の上端を予め測量されていた高さ位置にセットする。これにより、杭頭1Aに対する杭頭キャップ具10のセッティングが完了する、その後、各高さ調整ボルト27の上端に天板4を載置させる。
このようにして、杭頭1Aに対する杭頭キャップ具10のセッティングが完了した後、モルタルまたはコンクリートからなる充填材M2は、リングプレート11の内側開口部11aから注入して、杭頭1A内を充填材M2で満たし、充填材M1は、天板4の充填孔4aから鞘管7と杭頭1Aとの間に上から注入される。
図1、図2、図9及び図10に示されるように、心出し棒16は、鉛直方向に延在する軸部16bと、軸部16bの下端に形成されたヘッド部16aと、軸部16bの下端に形成されてナット18を螺着させるための雄ネジ部16cと、軸部16b上で雄ネジ部16cより上方に形成されたストレート部16dと、からなり、ストレート部16dの上端は、差込みを容易にするために円錐台形状をなしている。
天板4の中央には、心出し棒16のストレート部16dが下から挿入されるセンター孔4cが形成され、心出し棒16とセンター孔4cを形成する壁面4dとの間に円筒管30が挿入される。また、センター孔4cを形成する壁面4dには、雌ネジ部4eが形成され、円筒管30の外周面には、雌ネジ部4eに螺着される雄ネジ部30aが形成されている。そして、円筒管30の雄ネジ部30aにナット31が螺着され、このナット31は、天板4の上面に当接させられ、円筒管30の挿入孔30b内に心出し棒16のストレート部16dが挿入される。
円筒管30の採用により、心出し棒16を天板4のセンター孔4c内に下から挿入する作業が行い易くなるような任意の大きさに、センター孔4cを設定させておくことができる。そして、この円筒管30は、心出し棒16のストレート部16dとセンター孔4cの壁面4dとの間を埋めて、心出し棒16のストレート部16dに対する天板4のガタ付きを極めて少なくするために利用することもできる。特に、杭頭1Aの周囲を囲むような形状をした筒状の鞘管7が天板4に固定されていると、杭頭プレートのセンター孔を下から覗き込むような作業ができなくなり、天板4のセンター孔4c内に心出し棒16のストレート部16dを差し込む作業が非常に難しくなるが、このような場合であっても、円筒管30の採用によりセンター孔4cを大きくできるので、天板4のセンター孔4c内に心出し棒16のストレート部16dを、天板4の上部からの目測で容易に差し込むことができる。すなわち、円筒管30を採用することで、天板4の大きさに合わせて、センター孔4cの大きさを任意の大きさに予め設定させておくことができるので、心出し棒16のストレート部16dを天板4のセンター孔4c内に下から挿入する作業性が極めて良好になる。
また、センター孔4cを形成する壁面4dには、雌ネジ部4eが形成され、円筒管30の外周面には、雌ネジ部4eに螺着される雄ネジ部30aが形成されているので、円筒管30を天板4に容易に固定させることができる。しかも、天板4に対する円筒管30の突出量を容易に調整することができ、円筒管30の上端に鉄骨柱2のベースプレート3を載せることで、円筒管30をスペーサとして機能させて、ベースプレート3と天板4との間に隙間を確実に作り出すことができ、天板4とベースプレート3との間に確実にモルタルまたはコンクリートM3を充填させることができる。
また、円筒管30の雄ネジ部30aにナット31が螺着され、このナット31は、天板4の上面に当接させられるので、天板4に対する円筒管30の突出量を確実に維持させることができる。
(変形例1)
図11に示されるように、他の心出し棒36は、鉛直方向に延在する軸部36bと、軸部36bの下端に形成されたヘッド部36aと、軸部36bの全長に渡って形成されて、ナット18を螺着させるための雄ネジ部36cと、からなる。円筒管30Aの内周面には、心出し棒36の雄ネジ部36cに螺着される雌ネジ部30Abが形成され、天板4Aのセンター孔4Acを形成する壁面4Adは、凹凸の無い面として形成されている。円筒管30Aの外周面には、雄ネジ部30Aaが形成され、天板4Aの上面に当接させるナット31が、円筒管30Aの雄ネジ部30Aaに螺着されている。
このような構成を採用すると、円筒管30Aを天板4Aに容易に固定させることができる。しかも、天板4Aに対する円筒管30Aの突出量を容易に調整することができ、円筒管30Aの上端に鉄骨柱2のベースプレート3を載せることで、円筒管30Aをスペーサとして機能させて、ベースプレート3と天板4Aとの間に隙間を確実に作り出すことができ、天板4Aとベースプレート3との間に確実にモルタルまたはコンクリートM3を充填させることができる。また、ナット31の締め付けによって、天板4Aに対する円筒管30Aの突出量を確実に維持させることができる。しかも、天板4Aの水平面内の回転止め及び鉛直方向の浮き防止をも適切に行うことができる。
(変形例2)
図12〜図14に示されるように、他の杭頭キャップ具47における心出し棒水平位置調整手段40は、水平状態をなすリングプレート41の内側開口部41a内に心出し棒16が挿入され、リングプレート41を上下で挟み込むスライド部42に心出し棒16が固定されている。スライド部42は、リングプレート41の下面に当接すると共に、心出し棒16の軸部16bが貫通する下スライドプレート43と、リングプレート41の上面に当接すると共に、心出し棒16の軸部16bが貫通する上スライドプレート44と、下スライドプレート43の下面に当接する心出し棒16のヘッド部16aと、上スライドプレート44の上面に当接すると共に、心出し棒16の軸部16bの雄ネジ部16cに螺着されるナット18と、で構成されている。
同一形状をなす上スライドプレート44及び下スライドプレート43は、略長方形をなしている。ナット18を緩めることで、リングプレート41の水平を基準にして、上及び下スライドプレート44,43を一体的にリングプレート41の平面に沿って自由に摺動させることができ、心出し棒16を内側開口部41a内で自由に移動させることができる。ナット18の締め込み作業により、上及び下スライドプレート44,43がリングプレート41に圧接させられるので、心出し棒16を任意の位置で容易かつ確実に固定させることができる。
リングプレート41の裏面には、鉛直方向に延在するブラケット45が溶接によって固定され、このブラケット45には、水平方向に締付けボルト14が螺着されている。この締付けボルト14は、リングプレート41から上及び下スライドプレート44,43を外した状態で内側開口部41aから手を入れて回すことができ、リングプレート41を杭頭1Aの上端に載せた状態で締付けボルト14の先端を杭頭1Aの内壁面に押し付けることで、リングプレート41を杭頭1Aに固定させることができる。
(変形例3)
図28に示されるように、心出し棒37は、鉛直方向に延在する軸部37bと、軸部37bの下端に形成されたヘッド部16aと、軸部37bの下端に形成されてナット18を螺着させるための雄ネジ部16cと、軸部37b上で雄ネジ部16cより上方に形成されたストレート部37dと、軸部37bの上端で突起するように形成された雄ネジ部37eと、からなる。
天板4の中央には、心出し棒37のストレート部37dが下から挿入されるセンター孔4cが形成され、心出し棒37とセンター孔4cを形成する壁面4dとの間に円筒管30が挿入される。また、センター孔4cを形成する壁面4dには、雌ネジ部4eが形成され、円筒管30の外周面には、雌ネジ部4eに螺着される雄ネジ部30aが形成されている。そして、円筒管30の雄ネジ部30aにナット31が螺着され、このナット31は、天板4の上面に当接させられ、円筒管30の挿入孔30b内に心出し棒37のストレート部37dが挿入される。
円筒管30の中央で鉛直方向に延在する挿入孔30b内には、心出し棒37の軸部37bと、心出し棒37の上端に形成された雄ネジ部37eに螺着される雌ネジ部38aが下端に形成された心出し棒延長ボルト38と、が挿入されている。この心出し棒延長ボルト38の雄ネジ部38bは、円筒管30から上方へ突出し、心出し棒延長ボルト38の雄ネジ部38bには、円筒管37の上面38cに当接して押し付けられるナット39が螺着されている。このような構成を採用すると、心出し棒延長ボルト38とナット39との協働により、鞘管7と杭1との間で満たされた充填材(モルタルまたはコンクリート)M1が硬化するまで、天板4の水平面内の回転止め及び鉛直方向の浮き防止を適切に行うことができる。なお、心出し棒延長ボルト38及びナット39は、充填材M1の硬化後に取り外される。
本発明は、前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
図15〜図17に示されるように、他の杭頭キャップ具70において、円板12Aには、上方に突出する高さ調整ボルト27Aが装着されている。天板4の載置に利用される高さ調整ボルト27Aは、円板12Aを貫通すると共に、円板12Aに溶接により固定されたナット28Aに螺着されている。ナット28Aの上に更にロックナット(図示せず)を配しても良い。なお、円盤12Aに雌ネジを形成し、この雌ネジに高さ調整ボルト27を螺着させてもよい。そして、この高さ調整ボルト27Aにロックナット28Aを螺着させて、ロックナットの締め付けによって高さ調整ボルト27Aをリングプレート11に固定させるようにしてもよい。よって、高さ調整ボルト27Aを回すことで、高さ調整ボルト27Aの突出量を無段階で調整することができる。そして、この高さ調整ボルト27Aにナット28Aを螺着させることにより、突出量を確実に維持させることができる。そして、円板12Aに高さ調整ボルト27Aが固定されているので、天板4が小型の場合に効果的である。
更に、リングプレート11の裏面には、溶接により等間隔で配置されたコ字状のブラケット13Aが固定されている。各ブラケット13Aは、円板12Aを支持する水平支持片13Aaと、水平方向に締付けボルト14が螺着される鉛直片13Abと、吊り下げ棒23の上端が固定される吊り片13Acと、で構成されている。このように構成することで、構造の簡素化を図ることができる。
図18〜図22に示されるように、他の杭頭キャップ具80において、リングプレート11の裏面には環状の水平支持片50が溶接によって固定されている。この水平支持片50の内周は、リングプレート11の内側開口部11a内に臨み出ることで円板12を載置させるようにしている。このような水平支持片50を採用すると、円板12に上から強い力が加えられても、円板12が落下し難い強度が得られる。また、リングプレート11の裏面には、鉛直方向に延在するブラケット51が溶接によって固定され、このブラケット51には、水平方向に締付けボルト14が螺着されている。
図23〜図27に示されるように、他の杭頭キャップ具90において、リングプレート11の裏面には、大形の環状をなす水平支持片60が固定され、水平支持片60によりリングプレート11を良好に補強することができる。そして、水平支持片60の内周が、リングプレート11の内側開口部11a内に臨み出ることで円板12を載置させるようにしている。
水平支持片60には、鉛直方向に延在するブラケット51が溶接によって固定され、このブラケット51には、水平方向に締付けボルト14が螺着されている。水平支持片60には、高さ調整ボルト27と押さえ板21の回動中心をなすボルト22とが貫通する。そして、水平支持片60は、溶接によってリングプレート11の裏面に固定してもよいが、吊り下げ棒23の上端に螺着される一対のナット24a,24bによって、リングプレート11と水平支持片60とを挟み込むことで、溶接無しで、水平支持片60をリングプレート11に固定させることができる。
図29及び図30に示されるように、他の杭頭キャップ具100において、リングプレート11と杭頭1Aの上端との間には、リング状の支持プレート101が配置され、支持プレート101の外周端は、杭頭1Aの上端に配置され、支持プレート101の内周端は、リングプレート11の内側開口部11aから内方に向けて突出して円板12を下から支持している。このような構成を採用すれば、天板と円盤の間のモルタル又はコンクリートを介して円板12に伝えられた鉛直荷重を、溶接部を介さずに支持プレート101を介して杭頭1Aに確実に伝えることができ、従って、杭頭キャップ具100の変形を適切に防止することができる。そして、溶接無しで杭頭キャップ100を杭頭1A上に配置させることができる。
なお、高さ調整ボルト27やボルト22を、リングプレート11に設けた雌ネジにではなく、支持プレート101に設けた雌ネジに螺着させてもよい。また、吊り下げ棒23を、リングプレート11にではなく、支持プレート101に固定してもよい。
図31及び図32に示されるように、他の杭頭キャップ具110は、杭頭1Aの上端に外周端が載置されるリング状の支持プレート112と、支持プレート112の内側開口部112aを塞ぐように支持プレート112の上面に配置された円板12と、支持プレート112の上面から突出して円板12の外周縁に当接し、円板12の水平方向の移動を規制する係止片111と、円板12を有すると共に、心出し棒36を水平方向に移動自在にする心出し棒水平位置調整手段20と、を備えている。なお、各係止片111は、溶接により支持プレート112に固定され、内側開口部112aの周囲で等間隔に配置されている。このような構成を採用すれば、天板と円盤の間のモルタル又はコンクリートを介して円板12に伝えられた鉛直荷重を、溶接部を介さずに、支持プレート112を介して杭頭1Aに確実に伝えることができ、従って、杭頭キャップ具110の変形を適切に防止することができる。そして、溶接無しで杭頭キャップ110を杭頭1A上に配置させることができる。
A…地盤、M1,M2,M3,M4…充填材(モルタルまたはコンクリート)、1…鋼管杭(杭)、1A…杭頭、2…上部構造物、4,4A…天板、4c,4Ac…センター孔、4d,4Ad…センター孔の壁面、4e,30Ab…雌ネジ部、5…塞ぎ板、7…鞘管、10,47,70,80,90,100,110…杭頭キャップ具、11,41…リングプレート、11a,41a…内側開口部、12,12A…円板、12a…長穴、13a,13Aa,50,60…水平支持片、17,42…スライド部、16,36,37…心出し棒、16a,36a…心出し棒のヘッド部、18…ナット、20,40…心出し棒水平位置調整手段、23…吊り下げ棒、27,27A…高さ調整ボルト、30a,30Aa,36c…雄ネジ部、30,30A…円筒管、31…ナット、38…心出し棒延長ボルト、39…ナット、43…下スライドプレート、44…上スライドプレート、101,112…支持プレート、112a…内側開口部、111…係止片。

Claims (18)

  1. 地盤に立設された中空の杭と、
    前記地盤から露出させられる前記杭の杭頭の周囲に配置されると共に、天板が上端に固定された鞘管と、
    前記鞘管と前記杭との間で満たされたモルタルまたはコンクリートからなる充填材と、
    前記天板に固定される上部構造物と、を有し、
    前記杭頭の上端には、鉛直方向に延在する心出し棒が固定され、前記天板の中央には前記心出し棒が下から挿入されるセンター孔が形成され、前記心出し棒と前記センター孔を形成する壁面との間に円筒管が挿入されている特徴とする杭と上部構造物との接合構造。
  2. 前記センター孔を形成する前記壁面には、雌ネジ部が形成され、前記円筒管の外周面には、前記壁面の前記雌ネジ部に螺着される雄ネジ部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の杭と上部構造物との接合構造。
  3. 前記天板の上面に当接させるナットが、前記円筒管の前記雄ネジ部に螺着されていることを特徴とする請求項2記載の杭と上部構造物との接合構造。
  4. 円筒管の中央で鉛直方向に延在する挿入孔内には、前記心出し棒と、前記心出し棒の上端に下端が螺着される心出し棒延長ボルトと、が挿入され、前記心出し棒延長ボルトの雄ネジ部は、前記円筒管から上方へ突出し、前記心出し棒延長ボルトの前記雄ネジ部には、前記円筒管の上面に押し付けられるナットが螺着されている特徴とする請求項3記載の杭と上部構造物との接合構造。
  5. 前記心出し棒の外面には、雄ネジ部が形成され、前記円筒管の内周面には、前記心出し棒の前記雄ネジ部に螺着される雌ネジ部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の杭と上部構造物との接合構造。
  6. 前記円筒管の外周面には、雄ネジ部が形成され、前記天板の上面に当接させるナットが、前記円筒管の前記雄ネジ部に螺着されていることを特徴とする請求項5記載の杭と上部構造物との接合構造。
  7. 前記心出し棒が備えられた杭頭キャップ具は、
    前記杭頭の上端を塞ぐように前記杭頭に水平に固定されるリングプレートと、
    リングプレートに形成された内側開口部内で前記リングプレートの水平を基準にして前記心出し棒を水平方向に移動自在にする心出し棒水平位置調整手段と、を備えたことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の杭と上部構造物との接合構造。
  8. 前記心出し棒水平位置調整手段は、
    前記リングプレートにより水平支持されて円形の前記内側開口部に嵌め込まれる円板と、
    前記円板の径方向に延在すると共に、前記心出し棒が貫通する長穴と、
    前記円板を上下で挟み込むように前記心出し棒に取り付けられたスライド部と、を有することを特徴とする請求項7記載の杭と上部構造物との接合構造。
  9. 前記リングプレートと前記杭頭の上端との間には、リング状の支持プレートが配置され、前記支持プレートの外周端は、前記杭頭の上端に配置され、前記支持プレートの内周端は、前記リングプレートの内側開口部から内方に向けて突出して前記円板を下から支持することを特徴とする請求項8記載の杭と上部構造物との接合構造。
  10. 前記スライド部は、前記円板の下面に当接する前記心出し棒のヘッド部と、前記円板の上面に当接すると共に、前記心出し棒の軸部に螺着されるナットと、を備えていることを特徴とする請求項8又は9記載の杭と上部構造物との接合構造。
  11. 前記心出し棒水平位置調整手段は、
    前記リングプレートの前記内側開口部内に前記心出し棒が挿入され、前記リングプレートを上下で挟み込むスライド部に前記心出し棒が取り付けられていることを特徴とする請求項7記載の杭と上部構造物との接合構造。
  12. 前記スライド部は、
    前記リングプレートの下面に当接すると共に、前記心出し棒の軸部が貫通する下スライドプレートと、
    前記リングプレートの上面に当接すると共に、前記心出し棒の前記軸部が貫通する上スライドプレートと、
    前記下スライドプレートの下面に当接する前記心出し棒のヘッド部と、
    前記上スライドプレートの上面に当接すると共に、前記心出し棒の前記軸部に螺着されるナットと、で構成されていることを特徴とする請求項11記載の杭と上部構造物との接合構造。
  13. 前記リングプレートには、鉛直方向に延在する吊り下げ棒の上端が固定され、前記吊り下げ棒の下端には、前記杭内に配置される塞ぎ板が固定されていることを特徴とする請求項7〜12の何れか一項に記載の杭と上部構造物との接合構造。
  14. 前記リングプレートには、上方に突出する高さ調整ボルトが装着されていることを特徴とする請求項7〜13の何れか一項に記載の杭と上部構造物との接合構造。
  15. 前記円板には、上方に突出する高さ調整ボルトが装着されていることを特徴とする請求項8〜10の何れか一項に記載の杭と上部構造物との接合構造。
  16. 前記心出し棒が備えられた杭頭キャップ具は、
    前記杭頭の上端に外周端が載置されるリング状の支持プレートと、
    前記支持プレートの内側開口部を塞ぐように前記支持プレートの上面に配置された円板と、
    前記支持プレートの上面から突出して前記円板の外周縁の水平方向の移動を規制する係止片と、
    前記円板を有すると共に、前記心出し棒を水平方向に移動自在にする心出し棒水平位置調整手段と、を備えたことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の杭と上部構造物との接合構造。
  17. 前記支持プレートには、鉛直方向に延在する吊り下げ棒の上端が固定され、前記吊り下げ棒の下端には、前記杭内に配置される塞ぎ板が固定されていることを特徴とする請求項9、10、16の何れか一項に記載の杭と上部構造物との接合構造。
  18. 前記支持プレートには、上方に突出する高さ調整ボルトが装着されていることを特徴とする請求項9、10、16、17の何れか一項に記載の杭と上部構造物との接合構造。
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