JP2014169356A - ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物 - Google Patents

ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】有毒ガスの発生及び流動性の低下を招くなどの諸問題を生じることなく、耐加水分解性に優れたポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ポリブチレンテレフタレート樹脂と、エポキシ当量が500〜5000g/eqの(メタ)アクリル酸アルキルエステル−(メタ)アクリル酸グリシジル重合体とを含み、加水分解反応速度定数kが0.015h−1未満であることを特徴とするポリブチレンテレフタレート樹脂組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ベース樹脂としてポリブチレンテレフタレート樹脂を用いた樹脂組成物に関する。
ポリブチレンテレフタレート樹脂(以下、「PBT樹脂」とも呼ぶ。)は、熱変形温度が高く、電気特性、機械特性、耐候性、耐薬品性等に優れることから、エンジニアリングプラスチックとして、電気・電子部品、自動車部品など種々の用途に広く利用されている。
しかしPBT樹脂は分子内にエステル基を有しているため、高温高湿環境下では加水分解により物性が低下しやすいという欠点を有しており、このようなPBT樹脂においては、加水分解を抑制することが重要となる。また、PBT樹脂の末端カルボキシル基量が多いと耐加水分解性に影響を及ぼすことが知られており、耐加水分解性向上のため末端カルボキシル基量を低減させることについて種々の提案がなされている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
末端カルボキシル基量を低減させる方法としては、重合時の原料仕込み比、重合温度、減圧方法などの重合条件を調節する方法や、末端封鎖剤を反応させる方法、固相重合による方法、エポキシやカルボジイミド等の反応性化合物を添加する方法等が知られている。
特開2001−114880号公報 特開2006−063199号公報 特開2010−143995号公報
しかしながら、従来の耐加水分解性を向上させる方法によると、粘度が高くなって流動性が低下したり、有毒ガス(カルボジイミドを用いた場合にイソシアネート)が発生したりするといった問題があった。また、初期の末端カルボキシル基量の低減や、長期耐久試験後の物性は検討されているものの、加水分解速度については言及されてこなかった。 前記の長期耐久試験は、高温高湿環境に連続的に長期間曝露される用途を想定して行われているが、間欠的に短時間のみ高温高湿に曝される用途においては、加水分解の反応速度が低いことも重要であり、この点は従来考慮されていなかった。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その課題は、有毒ガスの発生及び流動性の低下を招くなどの諸問題を生じることなく、加水分解速度を低減することにより耐加水分解性に優れたポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を提供することにある。
上記課題を解決する本発明は以下の通りである。
(1)ポリブチレンテレフタレート樹脂と、エポキシ当量が500〜5000g/eqの(メタ)アクリル酸アルキルエステル−(メタ)アクリル酸グリシジル重合体とを含み、加水分解反応速度定数kが0.015h−1未満であることを特徴とするポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
(2)前記アクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸グリシジル重合体のエポキシ当量が500〜2000g/eqであることを特徴とする前記(1)に記載のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
(3)前記ポリブチレンテレフタレート樹脂の末端カルボキシル基量に対する前記アクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸グリシジル重合体のエポキシ当量の比の値が0.5〜4.0であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
(4)前記アクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸グリシジル重合体の重量平均分子量が3000〜7000であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
(5)260℃、せん断速度1000sec−1で測定した溶融粘度が200Pa・s以下であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
本発明によれば、有毒ガスの発生及び流動性の低下を招くなどの諸問題を生じることなく、加水分解速度を低減することにより耐加水分解性に優れたポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を提供することができる。
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、ポリブチレンテレフタレート樹脂と、エポキシ当量が500〜5000g/eqの(メタ)アクリル酸アルキルエステル−(メタ)アクリル酸グリシジル重合体(以下、「AGMA」とも呼ぶ。)とを含み、加水分解反応速度定数kが0.015h−1未満であることを特徴とすることを特徴としている。
本発明のPBT樹脂組成物は、特定のAGMAを、加水分解反応速度定数kが0.015h−1未満となるように配合することで加水分解の進行を遅くし、耐加水分解性の向上を図ったものである。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」の表記は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。
以下に、本発明の樹脂組成物の各成分について説明する。
[ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT樹脂)]
ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT樹脂)は、少なくともテレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体(C1−6のアルキルエステルや酸ハロゲン化物等)を含むジカルボン酸成分と、少なくとも炭素原子数4のアルキレングリコール(1,4−ブタンジオール)又はそのエステル形成性誘導体(アセチル化物等)を含むグリコール成分とを重縮合して得られる樹脂である。PBT樹脂は、ホモポリブチレンテレフタレートに限らず、ブチレンテレフタレート単位を60モル%以上(特に75モル%以上95モル%以下)含有する共重合体であってもよい。
PBT樹脂の末端カルボキシル基量は、本発明の効果を阻害しない限り特に限定されない。PBT樹脂の末端カルボキシル基量は、40meq/kg以下が好ましく、30meq/kg以下がより好ましく、25meq/kg以下が特に好ましい。
PBT樹脂の固有粘度(IV)は本発明の効果を阻害しない範囲で特に制限されない。PBT樹脂の固有粘度は0.60〜1.20dL/gであるのが好ましい。割れの防止や、加熱冷却耐久性の向上のための靱性向上の観点から、さらに好ましくは0.65〜1.15dL/gである。かかる範囲の固有粘度のPBT樹脂を用いる場合には、得られるPBT樹脂組成物が特に成形性に優れたものとなる。また、異なる固有粘度を有するPBT樹脂をブレンドして、固有粘度を調整することもできる。例えば、固有粘度1.0dL/gのPBT樹脂と固有粘度0.8dL/gのPBT樹脂とをブレンドすることにより、固有粘度0.9dL/gのPBT樹脂を調製することができる。PBT樹脂の固有粘度(IV)は、例えば、o−クロロフェノール中で温度35℃の条件で測定することができる。
PBT樹脂において、テレフタル酸及びそのエステル形成性誘導体以外のジカルボン酸成分(コモノマー成分)としては、例えば、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル等のC8−14の芳香族ジカルボン酸;コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等のC4−16のアルカンジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等のC5−10のシクロアルカンジカルボン酸;これらのジカルボン酸成分のエステル形成性誘導体(C1−6のアルキルエステル誘導体や酸ハロゲン化物等)が挙げられる。これらのジカルボン酸成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
これらのジカルボン酸成分の中では、イソフタル酸等のC8−12の芳香族ジカルボン酸、及び、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等のC6−12のアルカンジカルボン酸がより好ましい。
PBT樹脂において、1,4−ブタンジオール以外のグリコール成分(コモノマー成分)としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−オクタンジオール等のC2−10のアルキレングリコール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール;シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールA等の脂環式ジオール;ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシビフェニル等の芳香族ジオール;ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加体、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド3モル付加体等の、ビスフェノールAのC2−4のアルキレンオキサイド付加体;又はこれらのグリコールのエステル形成性誘導体(アセチル化物等)が挙げられる。これらのグリコール成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
これらのグリコール成分の中では、エチレングリコール、トリメチレングリコール等のC2−6のアルキレングリコール、ジエチレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール、又は、シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ジオール等がより好ましい。
ジカルボン酸成分及びグリコール成分の他に使用できるコモノマー成分としては、例えば、4−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、4−カルボキシ−4’−ヒドロキシビフェニル等の芳香族ヒドロキシカルボン酸;グリコール酸、ヒドロキシカプロン酸等の脂肪族ヒドロキシカルボン酸;プロピオラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン(ε−カプロラクトン等)等のC3−12ラクトン;これらのコモノマー成分のエステル形成性誘導体(C1−6のアルキルエステル誘導体、酸ハロゲン化物、アセチル化物等)が挙げられる。
[(メタ)アクリル酸アルキルエステル−(メタ)アクリル酸グリシジル重合体(AGMA)]
本発明のPBT樹脂組成物においては、エポキシ当量が500〜5000g/eqのAGMAを配合するのであるが、当該AGMAを配合することで、加水分解反応速度定数を低減することができ、ひいてはPBT樹脂の加水分解の進行を遅くし、長期間にわたり機械特性の維持を図ることができる。
本発明のPBT樹脂組成物においては、エポキシ当量が500〜5000g/eqのAGMAを用いるが、当該エポキシ当量が500g/eq未満であると加水分解反応速度定数の低減を図ることができず、5000g/eqを超える場合も加水分解反応速度定数を十分に低減できなくなる可能性がある。当該エポキシ当量は500〜2000g/eqが好ましく、1000〜1500g/eqがより好ましい。
一方、AGMAの重量平均分子量は3000〜7000であることが好ましく、4000〜6000であることがより好ましく、4500〜5500であることが特に好ましい。当該重量平均分子量が3000以上であればブリードアウトの発生を抑制しやすく、7000以下であれば相溶性が有利となるため外観ムラや物性バラツキを抑制しやすい。
本発明においては、AGMAは、加水分解反応速度定数kが0.015h−1未満、好ましくは0.010h−1未満となるように配合される。
ここで、当該加水分解反応速度定数kは加水分解による末端カルボキシル基の生成速度、すなわち加水分解速度を示す指標であり、以下のようにして求められる。
まず、PBT樹脂が加水分解することで末端カルボキシル基(以下、「CEG」とも呼ぶ。)が生成する化学反応式は下記(1)式のようになる。
〜COO〜 + HO → 〜COOH + HO〜 ・・・(1)
上記(1)式における反応速度vをCEG濃度[CEG]に対する一次式で記述すると(2)式となる。
v = d[CEG]/dt = k[CEG] ・・・(2)
[kは加水分解反応速度定数(h−1)、tは時間(h)である。]
上記(2)式を下記(3)式のように変形し、初期CEG濃度(t=0)を[CEG](mmol/kg)として、[CEG]と[CEG]との間、及び0とtとの間で積分して変形すると(4)式が得られる。
d[CEG] / [CEG] = kdt ・・・(3)
ln[CEG] = kt + ln[CEG] ・・・(4)
(4)式において、tとln[CEG]との関係は、傾きkの直線を示している。そして、式(1)の反応において、t及び[CEG]を実測し、その実測データ([CEG]はln[CEG]に換算)から最小二乗法により直線を求め、その直線の傾きが加水分解反応速度定数kとなる。
なお、本発明において、PBT樹脂組成物の末端カルボキシル基量、及びPBT樹脂の末端カルボキシル基量の測定方法は、例えば、樹脂組成物、PBT樹脂の粉砕試料をベンジルアルコール中215℃で10分間溶解後、0.01Nの水酸化ナトリウム/ベンジルアルコール溶液にて滴定することで測定することができる。
一方、AGMAは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、(メタ)アクリル酸グリシジルとの共重合体である。以下に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルについて説明する。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。このような、(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル等が挙げられ、中でも、メタクリル酸メチルが好ましい。
AGMAの配合量は、加水分解反応速度定数kを0.015h−1未満とするため、前記ポリブチレンテレフタレート樹脂の末端カルボキシル基量に対する前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル−(メタ)アクリル酸グリシジル重合体のエポキシ当量の比の値が0.5〜4.0となるように設定することが好ましく、0.6〜3.0となるように設定することがより好ましく、0.7〜2.0(例えば1.5)となるように設定することが特に好ましい。
[他の成分]
本発明のPBT樹脂組成物は、本発明の効果を害さない範囲で必要に応じて、他の樹脂や酸化防止剤、安定剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤、結晶核剤、着色剤、難燃剤、強化用充填材等の従来公知の添加剤を配合することができる。
以上の本発明のPBT樹脂組成物は、流動性を低下させることなく加水分解速度を低減できるのであるが、260℃、せん断速度1000sec−1で測定した溶融粘度は200Pa・s以下とすることができ、150Pa・s以下とすることができる。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜4、比較例1〜10」
各実施例・比較例において、PBT樹脂と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル−(メタ)アクリル酸グリシジル重合体(AGMA)、スチレン−メタクリル酸グリシジル共重合体(SGMA)、及びエチレン−グリシジルメタクリレート共重合体(EGMA)のうちの1種と、酸化防止剤とを、下記表1に示す部数(質量部)をブレンドし、30mmφのスクリューを有する2軸押出機((株)日本製鋼所製)にて260℃で溶融混練し、ペレット状のPBT樹脂組成物を得た。ただし、比較例1においては、PBT樹脂及び酸化防止剤のみを用いた。
なお、上記各成分の詳細は以下の通りである。
(1)PBT樹脂:ウィンテックポリマー(株)製、ジュラネックス(登録商標)(固有粘度0.68dL/g、末端カルボキシル基量24meq/kg)
(2)AGMA
AGMA1:日油(株)製、(重量平均分子量5000、エポキシ当量1100g/eq)
AGMA2:日油(株)製、(重量平均分子量5000、エポキシ当量2100g/eq)
AGMA3:日油(株)製、(重量平均分子量5000、エポキシ当量3800g/eq)
AGMA4:日油(株)製、マープルーフG−0150M(重量平均分子量10000、エポキシ当量310g/eq)
AGMA5:日油(株)製、マープルーフG−2050M(重量平均分子量200000、エポキシ当量340g/eq)
(3)SGMA
SGMA1:日油(株)製、(重量平均分子量5000、エポキシ当量310g/eq)
SGMA2:日油(株)製、マープルーフG−0130S(重量平均分子量9000、エポキシ当量530g/eq)
SGMA3:日油(株)製、(重量平均分子量5000、エポキシ当量1100g/eq)
SGMA4:日油(株)製、(重量平均分子量5000、エポキシ当量2100g/eq)
SGMA5:日油(株)製、(重量平均分子量5000、エポキシ当量3700g/eq)
(4)EGMA:住友化学(株)製、ボンドファーストE(メタクリル酸グリシジル/エチレン共重合体、メタクリル酸グリシジル12質量%、エポキシ当量約1190g/eq)
(6)酸化防止剤:BASF社製、テトラキス[メチレン3(3,5ジtブチル4ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン
各実施例・比較例において得られたPBT樹脂組成物を用いて、以下の測定又は評価を行った。
(1)加水分解反応速度定数k
得られたPBT樹脂組成物のペレットを高温高湿器内で121℃、100%RHの条件で暴露処理を行った後粉砕し、ベンジルアルコール中215℃で10分間溶解後、0.01Nの水酸化ナトリウム/ベンジルアルコール溶液にて滴定することで末端カルボキシル基量を測定した。処理時間t及び末端カルボキシル基量(ln[CEG]に換算)のデータから最小二乗法により直線を求め、その直線の傾きを加水分解反応速度定数kとした。求めたkの値を表1に示す。
(2)溶融粘度
東洋精機(株)製キャピログラフを用い、キャピラリーとして1mmφ×20mmL/フラットダイを使用し、バレル温度260℃、せん断速度1000sec−1での溶融粘度を測定した。測定結果を表1に示す。
(3)引張強度80%寿命(h)
得られたペレットを140℃で3時間乾燥後、シリンダ温度250℃、金型温度80℃の条件で射出成形し、ISO3167に準拠した引張試験片を作製した。作製した試験片を恒温恒湿器内で121℃、100%RHの条件下で暴露処理し、24時間おきに、ISO527−1,2に準拠し引張強度を測定した。そして、引張強度が初期強度の80%まで低下するのに要する時間を引張強度の指標とした。当該時間を表1に示す。なお、本評価試験は、実施例1及び2、比較例4のみに対して行った。
Figure 2014169356
表1より、実施例1〜4においては、いずれも加水分解反応速度定数kが0.015h−1未満であり、加水分解が遅くなり各種機械特性が良好な状態で長時間保たれると考えられる。その証拠に、実施例1及び2は、比較例4よりも引張強度寿命試験において優秀な結果が得られた。一般に引張強度寿命は溶融粘度が高いほど長いことが知られているが、これら実施例1及び2、並びに比較例4は同程度の溶融粘度を呈することから、加水分解反応速度定数kが小さい方が機械特性の長期保持に有利と推察される。
これに対して、AGMAを配合しなかった比較例1、エポキシ当量が本発明に規定する範囲外のAGMAを用いた比較例2〜4、AGMAの代わりにSGMAを用いた比較例5〜9、及びAGMAの代わりにEGMAを用いた比較例10はいずれも加水分解反応速度定数kが0.015h−1を超えており、AGMA以外のエポキシ化合物では加水分解反応速度定数kを低減できないことが分かる。また、それらの比較例は、実施例と比較すると短時間で加水分解が進行するものと考えられる。

Claims (5)

  1. ポリブチレンテレフタレート樹脂と、エポキシ当量が500〜5000g/eqの(メタ)アクリル酸アルキルエステル−(メタ)アクリル酸グリシジル重合体とを含み、加水分解反応速度定数kが0.015h−1未満であることを特徴とするポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
  2. 前記アクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸グリシジル重合体のエポキシ当量が500〜2000g/eqであることを特徴とする請求項1に記載のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
  3. 前記ポリブチレンテレフタレート樹脂の末端カルボキシル基量に対する前記アクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸グリシジル重合体のエポキシ当量の比の値が0.5〜4.0であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
  4. 前記アクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸グリシジル重合体の重量平均分子量が3000〜7000であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
  5. 260℃、せん断速度1000sec−1で測定した溶融粘度が200Pa・s以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
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