JP2014169351A - 水生生物付着防止粘着テープ - Google Patents

水生生物付着防止粘着テープ Download PDF

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Abstract

【課題】防汚層の表面を傷めることなく綺麗に被着体に貼り付けることができる、水生生物付着防止粘着テープを提供する。
【解決手段】本発明の水生生物付着防止粘着テープは、防汚層と基材層と粘着層をこの順に含む粘着テープであって、該防汚層の該基材層とは反対側にアプリケーションテープを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、水生生物付着防止粘着テープに関する。詳細には、本発明は、水中構造物(船舶、ブイ、港湾設備、海上油田設備、発電所冷却水用の水路、工場冷却水用の水路、水上浮遊通路など)に水中生物が付着して繁殖することを防止するための、水生生物付着防止粘着テープに関する。
船舶などの水中構造物は、海水に接触する部分において、フジツボ、カキ、ムラサキイガイ、ヒドラ、セルプラ、ホヤ、コケムシ、アオサ、アオノリ、付着珪藻などの海洋生物が付着して繁殖し、流体抵抗の増加や熱伝導性の低下といった設備機械性能の低下や、付着した海洋生物の海外への拡散など、好ましくない状態を引き起こしている。また、付着した海洋生物を除去する作業には大きな労力と膨大な時間が必要であり、経済的な損失を被っている。
上記のような被害を防止するため、従来、防汚塗料が水中構造物に塗装されている。防汚塗料には、古くは有機スズ化合物や現在では亜酸化銅などの毒性防汚剤が含まれている。防汚塗料の毒性によって海洋生物の付着成長はほぼ抑制できるが、有機スズ化合物や亜酸化銅などの毒性防汚剤は人体や環境に少なからず悪影響を与えるため、長期的にみれば深刻な問題となる。また、防汚塗料を塗装後に乾燥させる際には、30重量%程度の有機溶剤(VOC)が揮発し、作業環境や周辺の環境に悪影響を与えている。スプレー式塗装では、VOCの大気中への排出の他に、塗料の10重量%〜20重量%は風により周囲に飛散していると言われている。一方で、長年使用した防汚塗料を塗り替える際には、古くなった防汚塗料をサンドブラストや金属研磨機で剥離するが、その際に、有機スズ化合物や亜酸化銅などの毒性防汚剤を含んだ大量の塗膜片が周囲に飛散して作業者や環境に悪影響を与えると共に、剥離した防汚塗料は産業廃棄物として処理されるため、大きな問題となっている。
防汚塗料を用いることなく防汚効果を有する防汚テープとして、基材上に下塗り剤を介してシリコーンエラストマーを設け、基材の逆側には粘着層を設けたシート状テープが提案されている(特許文献1参照)。しかし、防汚層は機械的強度に劣るため、例えば、流体中での使用条件下において水中構造物に施工した防汚テープに物体が衝突すると、防汚層が破損したり欠落したりする問題がある。
また、防汚テープは、船体の底面など、曲面状態の箇所に貼り付けられる場合が多い。しかし、このような場合、防汚層の表面を傷めることなく綺麗に貼り付けることが難しい。
特開2002−69246号公報
本発明の課題は、防汚層の表面を傷めることなく綺麗に被着体に貼り付けることができる、水生生物付着防止粘着テープを提供することにある。
本発明の水生生物付着防止粘着テープは、
防汚層と基材層と粘着層をこの順に含む粘着テープであって、
該防汚層の該基材層とは反対側にアプリケーションテープを備える。
好ましい実施形態においては、上記アプリケーションテープが支持体を含む。
好ましい実施形態においては、上記アプリケーションテープがさらに粘着剤層を含む。
好ましい実施形態においては、上記基材層がエラストマー樹脂を含む。
好ましい実施形態においては、上記エラストマー樹脂が、ポリウレタンアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂から選ばれる少なくとも1種である。
好ましい実施形態においては、上記防汚層がシリコーン樹脂を含む。
本発明によれば、防汚層の表面を傷めることなく綺麗に被着体に貼り付けることができる、水生生物付着防止粘着テープを提供することができる。
本発明の水生生物付着防止粘着テープの一例の概略断面図である。
≪水生生物付着防止粘着テープ≫
本発明の水生生物付着防止粘着テープは、防汚層と基材層と粘着層をこの順に含む粘着テープであって、該防汚層の該基材層とは反対側にアプリケーションテープを備える。すなわち、本発明の水生生物付着防止粘着テープは、アプリケーションテープと防汚層と基材層と粘着層をこの順に含む。本発明の水生生物付着防止粘着テープは、好ましくは、アプリケーションテープと粘着層が、それぞれ、最外層となる。本発明の水生生物付着防止粘着テープの特に好ましい実施形態は、アプリケーションテープと防汚層と基材層と粘着層がそれぞれ直接に積層された構成の粘着テープである。
本発明の水生生物付着防止粘着テープは、アプリケーションテープと防汚層と基材層と粘着層をこの順に含んでいれば、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な他の層を有していても良い。本発明の水生生物付着防止粘着テープの厚みは、それに含まれる各層の厚みによって、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な厚みに設定される。本発明の水生生物付着防止粘着テープの厚みは、好ましくは50μm〜500μmである。
図1に、本発明の水生生物付着防止粘着テープの一例の概略断面図を示す。本発明の水生生物付着防止粘着テープ100は、アプリケーションテープ1と防汚層2と基材層3と粘着層4をこの順に含む。図1に示すように、アプリケーションテープ1の表面や、粘着層4の表面には、剥離フィルム10が設けられていても良い。
<アプリケーションテープ>
本発明の水生生物付着防止粘着テープが有するアプリケーションテープとしては、一般にアプリケーションテープと称されているものなど、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切なアプリケーションテープを採用し得る。このようなアプリケーションテープとしては、好ましくは、支持体を含むアプリケーションテープである。また、このようなアプリケーションテープとして、支持体とともに、さらに粘着剤層を含むアプリケーションテープであっても良い。本発明の水生生物付着防止粘着テープがアプリケーションテープを有することにより、表面のすべり性が良好なものとなって、スキージ等を用いた貼り付け作業性が良好なものとなる。また、本発明の水生生物付着防止粘着テープがアプリケーションテープを有することにより、スキージ等を用いた貼り付け作業を行っても、防汚層が傷付き難く、表面保護性に優れたものとなる。
アプリケーションテープに含まれ得る支持体の厚みは、用途に応じて、任意の適切な厚みを採用し得る。アプリケーションテープに含まれ得る支持体の厚みは、好ましくは1μm〜1000μmであり、より好ましくは10μm〜500μmであり、さらに好ましくは30μm〜300μmであり、特に好ましくは50μm〜200μmである。アプリケーションテープに含まれ得る支持体の厚みを上記範囲内に調整すれば、防汚層の表面を傷めることなく綺麗に被着体に貼り付けることができる、水生生物付着防止粘着テープを提供することができる。
アプリケーションテープに含まれ得る支持体は、単層でも良いし、2層以上の積層体であっても良い。アプリケーションテープに含まれ得る支持体は、延伸されたものであっても良い。
アプリケーションテープに含まれ得る支持体の材料としては、用途に応じて、任意の適切な材料を採用し得る。例えば、このような材料としては、プラスチック、紙、金属フィルム、不織布などが挙げられる。好ましくは、プラスチックである。アプリケーションテープに含まれ得る支持体は、1種の材料から構成されていても良いし、2種以上の材料から構成されていても良い。例えば、2種以上のプラスチックから構成されていても良い。
上記プラスチックとしては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂などが挙げられる。ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどが挙げられる。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、オレフィンモノマーの単独重合体、オレフィンモノマーの共重合体などが挙げられる。ポリオレフィン系樹脂としては、具体的には、例えば、ホモポリプロピレン;エチレン成分を共重合成分とするブロック系、ランダム系、グラフト系等のプロピレン系共重合体;リアクターTPO;低密度、高密度、リニア低密度、超低密度等のエチレン系重合体;エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル酸ブチル共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体等のエチレン系共重合体;などが挙げられる。塩化ビニル系樹脂としては、具体的には、例えば、ポリ塩化ビニルなどが挙げられる。
上記プラスチックとして、エラストマー樹脂を採用しても良い。エラストマー樹脂としては、例えば、加硫ゴム、熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、塩ビ系エラストマー、ウレタン系エラストマー、エステル系エラストマー、アミド系エラストマーなどが挙げられる。
アプリケーションテープに含まれ得る支持体は、必要に応じて、任意の適切な添加剤を含有し得る。アプリケーションテープに含まれ得る支持体に含有され得る添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、充填剤、顔料などが挙げられる。基材層に含有され得る添加剤の種類、数、量は、目的に応じて適切に設定され得る。特に、アプリケーションテープに含まれ得る支持体の材料がプラスチックの場合は、劣化防止等を目的として、上記の添加剤のいくつかを含有することが好ましい。耐候性向上等の観点から、添加剤として特に好ましくは、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤が挙げられる。
アプリケーションテープに含まれ得る粘着剤層の厚みは、用途に応じて、任意の適切な厚みを採用し得る。アプリケーションテープに含まれ得る粘着剤層の厚みは、好ましくは0.5μm〜500μmであり、より好ましくは1μm〜250μmであり、さらに好ましくは5μm〜150μmであり、特に好ましくは10μm〜50μmである。アプリケーションテープに含まれ得る粘着剤層の厚みを上記範囲内に調整すれば、防汚層の表面を傷めることなく綺麗に被着体に貼り付けることができる、水生生物付着防止粘着テープを提供することができる。
アプリケーションテープに含まれ得る粘着剤層の材料としては、用途に応じて、任意の適切な材料を採用し得る。例えば、このような材料としては、例えば、アクリル系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等が挙げられる。アプリケーションテープに含まれ得る粘着剤層の材料としては、透明性、耐熱性などの観点からは、(メタ)アクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤を使用することが好ましい。
アクリル系粘着剤の原料としては、炭素数1〜14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを構成成分として含有することが好ましい。このような(メタ)アクリル系モノマーを使用すれば、アプリケーションテープの取り扱い性が一層容易となり得る。このような(メタ)アクリル系モノマーは、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよび/またはメタクリルを意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートおよび/またはメタクリレートを意味する。
アクリル系粘着剤の原料として用い得る炭素数1〜14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーの中でも、炭素数4〜14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーがより好ましい。
炭素数1〜14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、n−テトラデシル(メタ)アクリレートなどが好適に用いられる。これらの(メタ)アクリル系モノマーの中でも、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートが好ましい。
アクリル系粘着剤の原料であるモノマー成分中の、炭素数1〜14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーの含有割合は、50重量%以上が好ましく、60重量%〜100重量%がより好ましく、70重量%〜98重量%がさらに好ましい。
アクリル系粘着剤の原料であるモノマー成分としては、炭素数1〜14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマー以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なその他の重合性モノマーを採用し得る。このようなその他の重合性モノマーは、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。アクリル系粘着剤の原料であるモノマー成分中の、その他の重合性モノマーの含有割合は、50重量%以下が好ましく、0重量%〜40重量%がより好ましく、0重量%〜30重量%がさらに好ましい。
その他の重合性モノマーとしては、例えば、スルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有モノマー、シアノ基含有モノマー、ビニルエステルモノマー、芳香族ビニルモノマーなどの凝集力・耐熱性向上成分や、ヒドロキシル基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマー、酸無水物基含有モノマー、アミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、N−アクリロイルモルホリン、ビニルエーテルモノマー等、架橋化基点として働く官能基を有するモノマー成分を適宜用いることができる。
ヒドロキシル基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4―ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート、(4−ヒドロキシメチルシクロへキシル)メチルアクリレート、N−メチロ−ル(メタ)アクリルアミド、ビニルアルコール、アリルアルコール、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテルなどが挙げられる。
スルホン酸基含有モノマーとしては、例えば、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などが挙げられる。
リン酸基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートが挙げられる。
シアノ基含有モノマーとしては、例えば、アクリロニトリルなどが挙げられる。
ビニルエステルモノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニルなどが挙げられる。
芳香族ビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレンなどが挙げられる。
カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などが挙げられる。
酸無水物基含有モノマーとしては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸などが挙げられる。
アミド基含有モノマーとしては、例えば、アクリルアミド、ジエチルアクリルアミドなどが挙げられる。
アミノ基含有モノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
エポキシ基含有モノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどが挙げられる。
ビニルエーテルモノマーとしては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテルなどが挙げられる。
(メタ)アクリル系ポリマーは、重量平均分子量が、好ましくは10万〜500万であり、より好ましくは20万〜400万であり、さらに好ましくは30万〜300万である。重量平均分子量が10万より小さい場合は、被着体(防汚層)への濡れ性の向上により、剥離時の粘着力が大きくなるため、剥離工程(再剥離)での被着体(防汚層)損傷の原因になるおそれがあり、また、粘着剤層の凝集力が小さくなることにより糊残りを生じる傾向がある。一方、重量平均分子量が500万を超える場合は、ポリマーの流動性が低下し、被着体(防汚層)への濡れが不十分となり、被着体(防汚層)と粘着剤層との間に発生するフクレの原因となる傾向がある。なお、重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定して得られたものをいう。
粘着性能のバランスが取りやすい理由から、(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、0℃以下(通常−100℃以上)が好ましく、−10℃以下がより好ましく、−20℃以下がさらに好ましく、−30℃以下がさらに好ましい。ガラス転移温度が0℃より高い場合、ポリマーが流動しにくく、被着体(防汚層)への濡れが不十分となり、被着体(防汚層)と粘着剤層との間に発生するフクレの原因となるおそれがある。なお、(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、用いるモノマー成分や組成比を適宜変えることにより上記範囲内に調整することができる。
(メタ)アクリル系ポリマーの重合方法としては、任意の適切な重合方法を採用し得る。このような重合方法としては、例えば、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合などが挙げられる。このような重合方法の中でも、作業性等の観点から、溶液重合がより好ましい。また、得られるポリマーの構造は、ホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマーなどいずれでもよい。
アプリケーションテープに含まれ得る粘着剤層は、(メタ)アクリル系ポリマーの構成単位、構成比率、架橋剤の選択および配合比率等を適宜調節して、(メタ)アクリル系ポリマーを適宜架橋することにより、耐熱性にすぐれたものとなる。
架橋剤としては、例えば、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、メラミン系樹脂、アジリジン誘導体、金属キレート化合物などが挙げられる。これらの架橋剤の中でも、適度な凝集力を得る観点から、イソシアネート化合物やエポキシ化合物が好ましい。これらの架橋剤は、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
イソシアネート化合物としては、例えば、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの低級脂肪族ポリイソシアネート類、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂環族イソシアネート類、2,4−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート類、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物(商品名コロネートL、日本ポリウレタン工業社製)、トリメチロールプロパン/へキサメチレンジイソシアネート3量体付加物(商品名コロネートHL、日本ポリウレタン工業社製)、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(商品名コロネートHX、日本ポリウレタン工業社製)などのイソシアネート付加物などがあげられる。イソシアネート化合物は、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
エポキシ化合物としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン(商品名TETRAD−X、三菱瓦斯化学社製)、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロへキサン(商品名TETRAD−C、三菱瓦斯化学社製)などが挙げられる。エポキシ化合物は、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
メラミン系樹脂としては、例えば、ヘキサメチロールメラミンなどが挙げられる。メラミン系樹脂は、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
アジリジン誘導体としては、例えば、市販品としての商品名HDU(相互薬工社製)、商品名TAZM(相互薬工社製)、商品名TAZO(相互薬工社製)などが挙げられる。アジリジン誘導体は、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
金属キレート化合物としては、例えば、金属成分としてアルミニウム、鉄、スズ、チタン、ニッケルなど、キレート成分としてアセチレン、アセト酢酸メチル、乳酸エチルなどが挙げられる。金属キレート化合物は、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
架橋剤として、一分子中に放射線反応性不飽和結合を2個以上有す多官能モノマーを配合することができる。このような場合には、放射線などを照射することにより(メタ)アクリル系ポリマーを架橋させる。一分子中に放射線反応性不飽和結合を2個以上有する多官能モノマーとしては、例えば、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニルベンジル基などの放射線の照射で架橋処理(硬化)することができる1種または2種以上の放射線反応性を2個以上有す多官能モノマーが挙げられる。また、このような多官能モノマーとしては、一般的には、放射線反応性不飽和結合が10個以下のものが好適に用いられる。このような多官能モノマーは、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
多官能モノマーの具体例としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、N,N’−メチレンビスアクリルアミドなどが挙げられる。
架橋剤の含有割合は、(メタ)アクリル系ポリマー100重量部(固形分)に対し、好ましくは1重量部〜30重量部であり、より好ましくは2重量部〜25重量部である。上記含有割合が1重量部よりも少ない場合、架橋剤による架橋形成が不十分となり、粘着剤層の凝集力が小さくなって、十分な耐熱性が得られないおそれがあり、また糊残りの原因となるおそれがある。一方、含有割合が30重量部を超える場合、粘着剤層の凝集力が大きく、流動性が低下し、被着体である薄層基材に対して、濡れが不十分となって、被着体(防汚層)と粘着剤層との間に発生するフクレの原因となるおそれがある。
放射線としては、例えば、紫外線、レーザー線、α線、β線、γ線、X線、電子線などが挙げられる。これらの放射線の中でも、制御性および取り扱い性の良さ、コストの点から、好ましくは紫外線であり、より好ましくは、波長200nm〜400nmの紫外線である。紫外線は、高圧水銀灯、マイクロ波励起型ランプ、ケミカルランプなどの任意の適切な光源を用いて照射することができる。なお、放射線として紫外線を用いる場合には、アクリル系粘着剤に光重合開始剤を配合することが好ましい。
光重合開始剤としては、放射線反応性成分の種類に応じ、その重合反応の引金となり得る適当な波長の紫外線を照射することによりラジカルもしくはカチオンを生成する物質であれば、任意の適切な光重合開始剤を採用し得る。このような光重合開始剤としては、例えば、光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤などが挙げられる。光重合開始剤は、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。光重合開始剤の使用量は、(メタ)アクリル系ポリマー100重量部(固形分)に対し、好ましくは0.1重量部〜10重量部であり、より好ましくは0.2重量部〜7重量部である。
光ラジカル重合開始剤として、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、o−ベンゾイル安息香酸メチル−p−ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α−メチルベンゾイン等のベンゾイン類、ベンジルジメチルケタール、トリクロルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン等のアセトフェノン類、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−4’−イソプロピル−2−メチルプロピオフェノン等のプロピオフェノン類、ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、p−クロルベンゾフェノン、p−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、2−クロルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−(エトキシ)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類、ベンジル、ジベンゾスベロン、α−アシルオキシムエステルなどが挙げられる。
光カチオン重合開始剤として、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩や、鉄−アレン錯体、チタノセン錯体、アリールシラノール−アルミニウム錯体などの有機金属錯体類、ニトロベンジルエステル、スルホン酸誘導体、リン酸エステル、リン酸エステル、フェノールスルホン酸エステル、ジアゾナフトキノン、N−ヒドロキシイミドスルホナートなどが挙げられる。
アミン類などの光開始重合助剤を重合開始剤と併用することも可能である。光開始重合助剤としては、例えば、2−ジメチルアミノエチルベンゾエート、ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステルなどが挙げられる。このような光開始重合助剤は、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。光開始重合助剤の使用量は、(メタ)アクリル系ポリマー100重量部(固形分)に対し、好ましくは0.05重量部〜10重量部であり、より好ましくは0.1重量部〜7重量部である。
光重合開始剤を使用した場合、光照射することにより、粘着剤層を得ることができる。通常、波長300nm〜400nmにおける照度が1mW/cm〜200mW/cmである紫外線を、光量400mJ/cm〜4000mJ/cm程度照射して光重合させることにより粘着剤層を得ることができる。
アプリケーションテープに含まれ得る粘着剤層の材料には、その他の添加剤が含有されていても良い。このようなその他の添加剤としては、例えば、着色剤、顔料などの粉体、界面活性剤、可塑剤、粘着性付与剤、低分子量ポリマー、表面潤滑剤、レベリング剤、酸化防止剤、腐食防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、無機または有機の充填剤、金属粉、粒子状、箔状物などが挙げられる。このようなその他の添加剤は、1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
アプリケーションテープが支持体のみからなる場合は、支持体をそのままアプリケーションテープとして用い得る。アプリケーションテープが支持体とともに粘着剤層を有する場合、アプリケーションテープは、支持体上に粘着剤層を形成して得られる。
支持体上に粘着剤層を形成する方法は、任意の適切な方法を採用し得る。このような方法としては、例えば、粘着剤層の形成材料を支持体上に塗布し、重合溶剤等を乾燥除去して、粘着剤層を支持体上に形成する方法が挙げられる。その後、粘着剤層の成分移行の調整や架橋反応の調整などを目的として養生を行っても良い。また、粘着剤層の形成材料を支持体上に塗布する際には、支持体上に均一に塗布できるよう、粘着剤層の形成材料中に重合溶剤以外の一種以上の溶剤を新たに加えても良い。
塗布の方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。このような方法としては、例えば、ロールコート法、グラビアコート法、リバースコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法などが挙げられる。
<防汚層>
防汚層としては、本発明の効果を発現できる層であれば、任意の適切な層を採用し得る。防汚層としては、好ましくは、防汚塗料を用いることなく防汚効果を発現できる層であり、好ましくは、防汚効果を有する任意の適切な樹脂を含む。このような樹脂としては、好ましくは、シリコーン樹脂が挙げられる。
防汚層がシリコーン樹脂を含む場合、防汚層中のシリコーン樹脂の含有割合は、防汚剤などの他の成分の含有割合によって、任意の適切な含有割合を採用し得る。防汚層がシリコーン樹脂を含む場合、防汚層中のシリコーン樹脂の含有割合は、好ましくは30重量%〜98重量%、より好ましくは40重量%〜97重量%、さらに好ましくは45重量%〜96重量%、特に好ましくは50重量%〜95重量%である。防汚層中のシリコーン樹脂の含有割合が上記範囲内に収まることにより、防汚層の防汚効果が十分に発現できるとともに、防汚層の機械的特性が十分に発現できる。防汚層中のシリコーン樹脂の含有割合が30重量%未満の場合、防汚層の機械的特性が低下するおそれがある。防汚層中のシリコーン樹脂の含有割合が98重量%を超える場合、防汚層の防汚効果が十分に発現できないおそれがある。
シリコーン樹脂としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なシリコーン樹脂を採用し得る。シリコーン樹脂は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。このようなシリコーン樹脂としては、常温で液状のシリコーン樹脂であっても良いし、常温で固体状のシリコーン樹脂であっても良い。また、このようなシリコーン樹脂としては、縮合型のシリコーン樹脂であっても良いし、付加型のシリコーン樹脂であっても良い。また、このようなシリコーン樹脂としては、単独で乾燥させる1液型のシリコーン樹脂であっても良いし、硬化剤を配合する2液型のシリコーン樹脂であっても良い。本発明においては、これらの中でも、1液型の室温硬化性(RTV)樹脂、2液型の室温硬化性(RTV)樹脂が好ましい。1液型のRTV樹脂としては、例えば、信越化学工業(株)製のKE−3475、KE−45S、KE−445、KE−44、KE−441、KE−3497、KE−4896などが挙げられる。2液型のRTV樹脂としては、例えば、信越化学工業(株)製のKE−106、KE−66、KE−1031、KE−1800などが挙げられる。
本発明の水生生物付着防止粘着テープにおける水生生物の易除去性を向上させるために、シリコーン樹脂としては、水洗除去時の水圧などによって樹脂表面が弾性変形することにより付着物の剥離が容易になるような物性を有するシリコーン樹脂が好ましい。このようなシリコーン樹脂は、該シリコーン樹脂の100%モジュラス(引張応力)が、好ましくは0.1MPa〜10MPa、より好ましくは0.1MPa〜6MPaである。また、このようなシリコーン樹脂は、有機溶剤に可溶であるものが好ましい。
防汚層は、防汚剤を含んでいても良い。防汚剤は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。防汚層が防汚剤を含む場合、該防汚剤は、マトリックスであるシリコーン樹脂の表面に移行し、表面を防汚物質で覆うことによって、水生生物のシリコーン樹脂表面への付着を抑制し、さらに非加水分解性であることから、高い防汚効果を長期間維持する作用を発現することができる。
防汚層が防汚剤を含む場合、防汚層中、シリコーン樹脂に対する防汚剤の含有割合は、好ましくは2重量%以上、より好ましくは2重量%〜200重量%、さらに好ましくは3重量%〜150重量%、特に好ましくは4重量%〜120重量%、最も好ましくは5重量%〜100重量%である。シリコーン樹脂に対する防汚剤の含有割合が上記範囲内に収まることにより、防汚層の防汚効果が十分に発現できるとともに、防汚層の外観特性や機械的特性が十分に発現できる。シリコーン樹脂に対する防汚剤の含有割合が2重量%未満の場合、防汚層の防汚効果が十分に発現できないおそれがある。シリコーン樹脂に対する防汚剤の含有割合が200重量%を超える場合、最終成形品や被膜の外観が不良となるおそれがあり、また、防汚層の強度が低下して防汚性を持続できなくなるおそれがある。
防汚剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な防汚剤を採用し得る。このような防汚剤としては、例えば、シリコーンオイル、流動パラフィン、界面活性剤、ワックス、ペトロラタム、動物脂類、脂肪酸などが挙げられる。本発明においては、防汚剤としては、好ましくは、シリコーンオイル、流動パラフィン、界面活性剤から選ばれる少なくとも1種である。
シリコーンオイルとしては、シリコーン樹脂との反応性や自己縮合性を有さないものが好ましい。このようなシリコーンオイルとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なシリコーンオイルを採用し得る。このようなシリコーンオイルとしては、シリコーン樹脂に含まれるオルガノポリシロキサンとある程度不相溶であるものが好ましく、長期間にわたって防汚効果を持続できる点で、例えば、一般式(I)で表されるシリコーンオイルが好ましい。
Figure 2014169351
一般式(I)中、Rは、同一または異なって、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキル基、フルオロアルキル基、ポリエーテル基、または水酸基を表し、Rは、同一または異なって、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキル基、ポリエーテル基、フルオロアルキル基を表し、nは0〜150の整数を表す。
一般式(I)中のRとしては、好ましくは、メチル基、フェニル基、水酸基である。一般式(I)中のRとしては、好ましくは、メチル基、フェニル基、4−トリフルオロブチル基である。
一般式(I)で表されるシリコーンオイルは、数平均分子量が、好ましくは180〜20000、より好ましくは1000〜10000である。
一般式(I)で表されるシリコーンオイルは、粘度が、好ましくは10センチストークス〜10000センチストークス、より好ましくは100センチストークス〜5000センチストークスである。
一般式(I)で表されるシリコーンオイルとしては、具体的には、例えば、両末端または片末端のRが水酸基である末端水酸基含有ジメチルシリコーンオイル、RおよびRの全てがメチル基であるジメチルシリコーンオイル、これらのジメチルシリコーンオイルのメチル基の一部がフェニル基に置換されたフェニルメチルシリコーンオイルなどが挙げられる。
一般式(I)で表されるシリコーンオイルの市販品としては、例えば、信越化学工業(株)製のKF96L、KF96、KF69、KF99、KF50、KF54、KF410、KF412、KF414、FL、東レダウコーニング株式会社製のBY16−846、SF8416、SH200、SH203、SH230、SF8419、FS1265、SH510、SH550、SH710、FZ−2110、FZ−2203が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤などが挙げられる。
防汚剤として、珪藻付着防止剤、農薬、医薬品(メデトミジンなど)、酵素活性阻害剤(アルキルフェノール、アルキルレゾルシノールなど)、生物忌避剤を用いても良い。これらの防汚剤を用いることにより、珪藻やフジツボなどの水生生物の付着防止効果がより一層向上する。
防汚層は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な他の添加剤を含んでいても良い。
防汚層の厚みは、本発明の水生生物付着防止粘着テープの用途や使用環境などによって、任意の適切な厚みを採用し得る。防汚層の厚みは、好ましくは5μm〜500μmである。防汚層の厚みが上記範囲内に収まることにより、防汚効果が十分に長く有効に働くとともに、ハンドリング性に優れ、テープのつなぎ目部分の凹凸が小さく、汚れが付きにくい。防汚層の厚みが5μmより薄いと、防汚効果が有効に働く期間が短くなり、実用的ではなくなるおそれがある。防汚層の厚みが500μmより厚いと、本発明の水生生物付着防止粘着テープが分厚くなって重量が大きくなるため、ハンドリング性が悪くなり、テープのつなぎ目部分の凹凸が大きくなり、汚れが付きやすいおそれがある。
<基材層>
基材層としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な材料からなる基材層を採用し得る。このような基材層としては、好ましくは、エラストマー樹脂を含む。エラストマー樹脂としては、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切なエラストマー樹脂を採用し得る。このようなエラストマー樹脂としては、例えば、加硫ゴム、熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、塩ビ系エラストマー、ウレタン系エラストマー、エステル系エラストマー、アミド系エラストマーなどが挙げられる。基材層がエラストマー樹脂を含む場合、基材層中のエラストマー樹脂の含有割合は、好ましくは50重量%以上であり、より好ましくは60重量%〜100重量%であり、さらに好ましくは70重量%〜99重量%であり、特に好ましくは80重量%〜98重量%であり、最も好ましくは90重量%〜97重量%である。
基材層がエラストマー樹脂を含む場合、基材層中のエラストマー樹脂は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。基材層がエラストマー樹脂を含むことにより、より耐衝撃性に優れ、衝突物による防汚層の破損や欠落を防止できる、水生生物付着防止粘着テープを提供することができる。
基材層がエラストマー樹脂を含む場合、該エラストマー樹脂としては、好ましくは、ウレタン系エラストマー、スチレン系エラストマーが挙げられ、より好ましくは、ウレタン系エラストマーである。エラストマー樹脂としてウレタン系エラストマーを採用することにより、本発明の水生生物付着防止粘着テープは、より一層耐衝撃性に優れ、衝突物による防汚層の破損や欠落をより効果的に防止できる。
ウレタン系エラストマーとしては、好ましくは、ポリウレタンアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂から選ばれる少なくとも1種である。ポリウレタン樹脂としては、例えば、エステル系ポリウレタン、エーテル系ポリウレタン、カーボネート系ポリウレタンなどが挙げられる。
スチレン系エラストマーとしては、例えば、スチレン・ブタジエン共重合体(SB)、スチレン・イソプレン共重合体(SI)、スチレン・エチレン−ブチレン共重合体(SEB)、スチレン・エチレン−プロピレン共重合体(SEP)などのA−B型ジブロックポリマー;スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体(SBS)、スチレン・イソプレン・スチレン共重合体(SIS)、スチレン・エチレン−ブチレン共重合体・スチレンの共重合体(SEBS)、スチレン・エチレン−プロピレン共重合体・スチレン(SEPS)などのA−B−A型トリブロックまたはA−B−A−B型テトラブロック以上のマルチブロックポリマー;スチレン・ブタジエンラバー共重合体(SBR)などのスチレン系ランダム共重合体;スチレン・エチレン−ブチレン共重合体・オレフィン結晶(SEBC)などのA−B−C型のスチレン・オレフィン結晶系ブロックポリマー;などが挙げられる。
ポリウレタンアクリル樹脂は、アクリル成分とウレタン成分を有する。ポリウレタンアクリル樹脂は、より具体的には、(メタ)アクリル系ポリマーとウレタンポリマーを含有する複合ポリマーである。ポリウレタンアクリル樹脂中における(メタ)アクリル系ポリマーとウレタンポリマーとの重量比率は、好ましくは、(メタ)アクリル系ポリマー/ウレタンポリマー=1/99〜80/20である。ポリウレタンアクリル樹脂中における(メタ)アクリル系ポリマーとウレタンポリマーとの重量比率が上記範囲内に収まることにより、前駆体混合物の粘度の上昇を抑制できて作業性を良好に維持できるとともに、ポリウレタンアクリル樹脂に優れた柔軟性や優れた強度を付与できる。(メタ)アクリル系ポリマー/ウレタンポリマーが1/99未満では、前駆体混合物の粘度が高くなり、作業性が悪化するおそれがあり、80/20を超えると、ポリウレタンアクリル樹脂としての柔軟性や強度が得られないおそれがある。
ポリウレタンアクリル樹脂中の(メタ)アクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル酸系モノマーと単官能(メタ)アクリル系モノマーを含むモノマー成分を用いて得られるポリマーであることが好ましい。ポリウレタンアクリル樹脂中の(メタ)アクリル系ポリマーは、特に、ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が0℃以上の単官能(メタ)アクリル系モノマーを含むモノマー成分を用いて得られるポリマーであることが好ましい。ポリウレタンアクリル樹脂中の(メタ)アクリル系ポリマーは、上記ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が0℃以上の単官能(メタ)アクリル系モノマーに加えて、さらに、ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が0℃未満の単官能(メタ)アクリル系モノマーを含むモノマー成分を用いて得られるポリマーであることがより好ましい。
(メタ)アクリル酸系モノマーとは、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系モノマーである。(メタ)アクリル酸系モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、クロトン酸等が挙げられる。本発明の効果を一層発現できる点で、(メタ)アクリル酸系モノマーとしては、好ましくは、アクリル酸が挙げられる。
ポリウレタンアクリル樹脂の原料となるモノマー成分中の(メタ)アクリル酸系モノマーの含有割合は、好ましくは1重量%〜15重量%であり、より好ましくは2重量%〜10重量%である。ポリウレタンアクリル樹脂の原料となるモノマー成分中の(メタ)アクリル酸系モノマーの含有割合が上記範囲内に収まることにより、ポリウレタンアクリル樹脂の合成反応を円滑に進ませることができ、ポリウレタンアクリル樹脂に十分な強度と耐水性を付与できる。ポリウレタンアクリル樹脂の原料となるモノマー成分中の(メタ)アクリル酸系モノマーの含有割合が1重量%未満では、ポリウレタンアクリル樹脂の合成反応に長時間を要するおそれや、ポリウレタンアクリル樹脂が十分な強度を有しないおそれがある。ポリウレタンアクリル樹脂の原料となるモノマー成分中の(メタ)アクリル酸系モノマーの含有割合が15重量%を超える場合には、ポリウレタンアクリル樹脂の吸水率が大きくなり、耐水性に問題が生じるおそれがある。(メタ)アクリル酸系モノマーは、ポリウレタンアクリル樹脂中のウレタン成分とアクリル成分との相溶性に大きく影響するものである。
Tgが0℃以上の単官能(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、アクリロイルモルホリン、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、t−ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート等が挙げられる。Tgが0℃以上の単官能(メタ)アクリル系モノマーは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
Tgが0℃以上の単官能(メタ)アクリル系モノマーとしては、本発明の効果を一層発現できる点で、好ましくは、アクリロイルモルホリン、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレートから選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくは、イソボルニルアクリレートが挙げられる。
ポリウレタンアクリル樹脂中の(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分中の、Tgが0℃以上の単官能(メタ)アクリル系モノマーの含有割合は、好ましくは20重量%〜99重量%であり、より好ましくは30重量%〜98重量%である。ポリウレタンアクリル樹脂中の(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分中の、Tgが0℃以上の単官能(メタ)アクリル系モノマーの含有割合が上記範囲内に収まることにより、ポリウレタンアクリル樹脂に十分な強度を付与できるとともに、ポリウレタンアクリル樹脂の剛性の上がり過ぎを抑制できる。ポリウレタンアクリル樹脂中の(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分中の、Tgが0℃以上の単官能(メタ)アクリル系モノマーの含有割合が、20重量%未満では、ポリウレタンアクリル樹脂が十分な強度を有しないおそれがある。ポリウレタンアクリル樹脂中の(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分中の、Tgが0℃以上の単官能(メタ)アクリル系モノマーの含有割合が、99重量%を超えると、ポリウレタンアクリル樹脂の剛性が上がりすぎて脆くなるおそれがある。
Tgが0℃未満の単官能(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸イソブチル、2−メトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルオロフリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート等が挙げられる。Tgが0℃未満の単官能(メタ)アクリル系モノマーは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
Tgが0℃未満の単官能(メタ)アクリル系モノマーとしては、本発明の効果を一層発現できる点で、好ましくは、アクリル酸n−ブチルが挙げられる。
ポリウレタンアクリル樹脂中の(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分中の、Tgが0℃未満の単官能(メタ)アクリル系モノマーの含有割合は、好ましくは50重量%以下であり、より好ましくは45重量%以下である。ポリウレタンアクリル樹脂中の(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分中の、Tgが0℃未満の単官能(メタ)アクリル系モノマーの含有割合が上記範囲内に収まることにより、ポリウレタンアクリル樹脂に十分な強度を付与できる。ポリウレタンアクリル樹脂中の(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分中の、Tgが0℃未満の単官能(メタ)アクリル系モノマーの含有割合が、50重量%を超える場合には、ポリウレタンアクリル樹脂が十分な強度を有しないおそれがある。
ポリウレタンアクリル樹脂中の(メタ)アクリル系ポリマーの原料モノマーに含まれる、(メタ)アクリル酸系モノマーや単官能(メタ)アクリル系モノマーなどの(メタ)アクリル系モノマーは、ウレタンとの相溶性、放射線等の光硬化時の重合性や、得られる高分子量体の特性を考慮して、種類、組合せ、使用量等が適宜決定される。
ポリウレタンアクリル樹脂中の(メタ)アクリル系ポリマーの原料モノマーには、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な他のモノマーが含まれていても良い。このような他のモノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸のモノまたはジエステル、その誘導体、N−メチロールアクリルアミド、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、イミドアクリレート、N−ビニルピロリドン、オリゴエステルアクリレート、ε−カプロラクトンアクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロドデカトリエンアクリレート、メトキシエチルアクリレート等が挙げられる。他のモノマーは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。他のモノマーの種類や使用量は、目的に応じて、適宜選択し得る。
ポリウレタンアクリル樹脂中の(メタ)アクリル系ポリマーの原料モノマーには、本発明の効果を損なわない範囲で、他の多官能モノマーが含まれていても良い。このような多官能モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート等が挙げられる。本発明の効果を一層発現できる点で、このような多官能モノマーとしては、好ましくは、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
ポリウレタンアクリル樹脂中の(メタ)アクリル系ポリマーの原料モノマーに他の多官能モノマーが含まれている場合、その含有割合は、原料モノマー中の(メタ)アクリル系モノマーに対して、好ましくは1重量%〜20重量%である。上記含有割合が1重量%以上であれば、ポリウレタンアクリル樹脂の凝集力を十分に高く維持することができ、上記含有割合が20重量%以下であれば、ポリウレタンアクリル樹脂の弾性率が高くなりすぎることがなく、耐衝撃性に優れ、被着体表面の凹凸に良好に追従することができる。
ポリウレタンアクリル樹脂中のウレタンポリマーは、好ましくは、ジオールとジイソシアネートとを反応させて得られる。ジオールの水酸基とイソシアネートとの反応には、触媒を用いても良い。
低分子量のジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコール等の2価のアルコールが挙げられる。
高分子量のジオールとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等を付加重合して得られるポリエーテルポリオール;上述の2価のアルコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のアルコールとアジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸等の2価の塩基酸との重縮合物からなるポリエステルポリオール;アクリルポリオール;カーボネートポリオール;エポキシポリオール;カプロラクトンポリオール;等が挙げられる。本発明の効果を一層発現できる点で、高分子量のジオールとしては、これらの中でも、好ましくは、ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)、ポリアルキレンカーボネートジオール(PCD)が挙げられる。
アクリルポリオールとしては、水酸基を有するモノマーの共重合体の他、水酸基含有物と(メタ)アクリル系モノマーとの共重合体等が挙げられる。
エポキシポリオールとしては、アミン変性エポキシ樹脂等が挙げられる。
ポリウレタンアクリル樹脂中のウレタンポリマーを製造する際には、上記ジオールを、(メタ)アクリル系モノマーへの溶解性、イソシアネートとの反応性等を考慮して、1種のみを用いても良いし、2種以上を用いても良い。ポリウレタンアクリル樹脂の強度を向上させる場合には、低分子量ジオールによるウレタンハードセグメント量を増加させると効果的である。ポリウレタンアクリル樹脂の伸びを重視する場合には、分子量の大きなジオールを単独で使用すると効果的である。ポリエーテルポリオールは、一般的に、安価で耐水性が良好である。ポリエステルポリオールは、ポリウレタンアクリル樹脂の強度を向上させることができる。
ジイソシアネートとしては、芳香族、脂肪族、脂環族のジイソシアネート;これらのジイソシアネートの二量体、三量体;ポリフェニルメタンジイソシアネート;などが挙げられる。ジイソシアネートは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
芳香族、脂肪族、脂環族のジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート(HXDI)、イソホロンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香族、脂肪族、脂環族のジイソシアネートの三量体としては、例えば、イソシアヌレート型、ビューレット型、アロファネート型等が挙げられる。
本発明の効果を一層発現できる点で、ジイソシアネートとしては、好ましくは、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、水添トリレンジイソシアネート(HTDI)、水添4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添キシレンジイソシアネート(HXDI)が挙げられる。
ウレタンポリマーを形成するためのジオール成分とジイソシアネート成分の使用割合は、NCO/OH(当量比)が、好ましくは1.1〜2.0であり、より好ましくは1.15〜1.35である。NCO/OH(当量比)が上記範囲内に収まることにより、ポリウレタンアクリル樹脂に優れた強度、十分な伸び、十分な柔軟性を付与できる。NCO/OH(当量比)が1.1未満の場合、ポリウレタンアクリル樹脂の強度が低下するおそれがある。NCO/OH(当量比)が2.0を超えると、ポリウレタンアクリル樹脂の伸びと柔軟性を十分に確保することができないおそれがある。
ウレタンポリマーに対して水酸基含有(メタ)アクリル系モノマーを添加しても良い。ウレタンポリマーに対して水酸基含有(メタ)アクリル系モノマーを添加することにより、ウレタンプレポリマーの分子末端に(メタ)アクリロイル基を導入することができ、(メタ)アクリル系モノマーとの共重合性が付与され、ウレタン成分とアクリル成分との相溶性が高まり、破断強度などのS−S特性の向上を図ることができる。本発明の効果を一層発現できる点で、水酸基含有(メタ)アクリル系モノマーの使用量は、ウレタンポリマーに対して、好ましくは0.1重量%〜10重量%であり、より好ましくは1重量%〜5重量%である。
水酸基含有(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシへキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ポリウレタンアクリル樹脂は、好ましくは、(メタ)アクリル系ポリマーとウレタンポリマーとがグラフト構造や架橋構造により相互に結合したヘテロジニアスネットワーク構造を有する。(メタ)アクリル系ポリマーとウレタンポリマーとが、それぞれ独自に架橋構造をとるIPN構造(相互侵入高分子網目層)や、(メタ)アクリル系ポリマーとウレタンポリマーの一方が架橋構造を有し、他の一方がリニア構造の高分子鎖を有していて該架橋構造の中に侵入しているようなsemi−IPN構造の場合は、ポリウレタンアクリル樹脂の伸張時の応力が発現しにくい場合がある。
基材層中に、エラストマー樹脂としてポリウレタンアクリル樹脂が含まれる場合、該基材層は、例えば、(メタ)アクリル系モノマーを希釈剤として、この(メタ)アクリル系モノマー中でジオールとジイソシアネートとの反応を行ってウレタンポリマーを形成し、(メタ)アクリル系モノマーとウレタンポリマーとを主成分として含む混合物を基材(必要に応じて剥離処理されている)等の上に塗布し、光重合開始剤の種類等に応じて、α線、β線、γ線、中性子線、電子線等の電離性放射線や紫外線等の放射線、可視光等を照射して硬化させ、その後、基材等を剥離除去することにより、基材層を形成することができる。あるいは、基材等を剥離除去せずに、基材等の上に基材層が積層された形態で得ることもできる。
基材層中に、エラストマー樹脂としてポリウレタンアクリル樹脂が含まれる場合、該基材層は、より具体的には、例えば、ジオールを(メタ)アクリル系モノマーに溶解させた後、ジイソシアネート等を添加してジオールと反応させて粘度調整を行い、これを支持体等に、あるいは、必要に応じて支持体等の剥離処理面に塗工した後、低圧水銀ランプ等を用いて硬化させることによって得ることができる。この方法では、(メタ)アクリル系モノマーをウレタン合成中に一度に添加してもよいし、何回かに分割して添加してもよい。また、ジイソシアネートを(メタ)アクリル系モノマーに溶解させた後、ジオールを反応させてもよい。この方法によれば、分子量が限定されるということはなく、高分子量のポリウレタンを生成することもできるので、最終的に得られるウレタンの分子量を任意の大きさに設計することができる。酸素による重合阻害を避けるために、支持体等上に塗布した混合物の上に、剥離処理したシート(セパレータ等)をのせて酸素を遮断してもよいし、不活性ガスを充填した容器内に基材を入れて、酸素濃度を下げてもよい。
放射線等の種類や照射に使用されるランプの種類等は適宜選択することができる。このようなランプとしては、例えば、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト、殺菌ランプ等の低圧ランプ;メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ等の高圧ランプ;等が挙げられる。
紫外線などの照射量は、基材層の特性に応じて、任意に設定することができる。一般的には、紫外線の照射量は、好ましくは100mJ/cm〜5000mJ/cmであり、より好ましくは1000mJ/cm〜4000mJ/cmであり、さらに好ましくは2000mJ/cm〜3000mJ/cmである。紫外線の照射量を上記範囲内に収めることにより、劣化させることなく十分な重合率が得られる。紫外線の照射量が100mJ/cmより少ないと、十分な重合率が得られないおそれがあり、5000mJ/cmより大きいと、劣化の原因となるおそれがある。紫外線等を照射する際の温度は、目的に応じて、任意の適切な温度に設定することができる。紫外線等を照射する際の温度が高すぎると、重合熱による停止反応が起こり易くなり、特性低下の原因となりやすい。このため、紫外線等を照射する際の温度は、好ましくは70℃以下であり、より好ましくは50℃以下であり、さらに好ましくは30℃以下である。
ポリウレタンアクリル樹脂を調製するにあたり、少なくともウレタンポリマーを含む混合物(例えば、(メタ)アクリル系モノマーとウレタンポリマーとを主成分とする混合物)には、好ましくは光重合開始剤が含まれる。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインエーテル;アニソールメチルエーテル等の置換ベンゾインエーテル;2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等の置換アセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシル フェニル ケトン、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン等の置換アルファーケトール;2−ナフタレンスルフォニルクロライド等の芳香族スルフォニルクロライド;1−フェニル−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)−オキシム等の光活性オキシム;などが挙げられる。
基材層は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な添加剤を含んでいても良い。このような添加剤としては、例えば、オレフィン系樹脂、シリコーン系ポリマー、液状アクリル系共重合体、粘着付与剤、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、ポリエチレンイミン、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、リン酸エステル、滑剤、界面活性剤、充填剤や顔料(例えば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、カーボンブラックなど)などが挙げられる。
基材層の厚みは、目的に応じて、任意の適切な厚みを採用し得る。基材層の厚みは、好ましくは1μm〜1000μmであり、より好ましくは10μm〜800μmであり、さらに好ましくは20μm〜500μmである。基材層の厚みを上記範囲内に収めることにより、本発明の水生生物付着防止粘着テープは、曲面や鋭角面など、平面以外の部位にも容易に作業性良く貼着でき、貼着後の表面にしわや浮きなどの外観不良が生じ難い。
基材層には、防汚層との密着性を向上させるために、プライマーをあらかじめ塗工しておいても良いし、シランカップリング剤をあらかじめ添加しておいても良い。防汚層がシリコーン樹脂を含む場合、シリコーン樹脂の特性である低表面エネルギーが原因で、基材層への密着性が低い場合がある。防汚層と基材層の密着性が低いと、防汚効果を発揮する防汚層が、使用中の衝撃や物理的ダメージによって基材層から剥離してしまい、本来の防汚効果が持続できないおそれがある。そのため、基材層の表面にプライマーをあらかじめ塗工して防汚層との密着性を高めたり、シリコーン樹脂と反応するシラノール基やアルコキシシラン基をシランカップリング剤によって基材層中に導入し、縮合型シリコーン樹脂の塗工時に基材層上の反応基と縮合反応させて密着性を向上させたりすることができる。
シランカップリング剤は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。市販されている具体的なシランカップリング剤としては、例えば、信越化学工業(株)製のKBM5103、KBM1003、KBM903、KBM403、KBM802などが挙げられる。
基材層にシランカップリング剤が含まれる場合、基材層中のシランカップリング剤の含有割合は、好ましくは0.01重量%〜10重量%である。基材層中のシランカップリング剤の含有割合を上記範囲内に収めることにより、基材層が硬くなり過ぎることを抑制できるとともに、基材層と防汚層との間に十分な密着性が発現できる。基材層中のシランカップリング剤の含有割合が10重量%を超える場合、シランカップリング剤が架橋点となって基材層が硬くなってしまうおそれがある。基材層中のシランカップリング剤の含有割合が0.01重量%未満の場合、基材層と防汚層との間に十分な密着性が発現できないおそれがある。
<粘着層>
粘着層としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な粘着層を採用し得る。このような粘着層の材料としては、例えば、アクリル樹脂系粘着剤、エポキシ樹脂系粘着剤、アミノ樹脂系粘着剤、ビニル樹脂(酢酸ビニル系重合体など)系粘着剤、硬化型アクリル樹脂系粘着剤、シリコーン樹脂系粘着剤などが挙げられる。粘着層の材料は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
粘着層の厚みは、本発明の水生生物付着防止粘着テープの用途や使用環境などによって、任意の適切な厚みを採用し得る。粘着層の厚みは、好ましくは10μm以上である。粘着層の厚みが上記範囲内に収まることにより、被着体の形状に十分に追従でき、接着面積を十分に確保でき、十分な粘着力が発現できる。粘着層の厚みが10μmより薄いと、被着体の形状に十分に追従できなくなり、接着面積が減少してしまい、十分な粘着力が発現できないおそれがある。粘着層の厚みの上限は、取扱性の観点から、好ましくは300μm以下である。
<耐候剤>
本発明の水生生物付着防止粘着テープは、防汚層と基材層と粘着層から選ばれる少なくとも1層が耐候剤を含んでいても良い。すなわち、本発明の水生生物付着防止粘着テープの形態としては、(1)防汚層が耐候剤を含み、基材層と粘着層が耐候剤を含まない場合や、(2)基材層が耐候剤を含み、防汚層と粘着層が耐候剤を含まない場合や、(3)粘着層が耐候剤を含み、防汚層と基材層とが耐候剤を含まない場合や、(4)防汚層と基材層が耐候剤を含み、粘着層が耐候剤を含まない場合や、(5)防汚層と粘着層が耐候剤を含み、基材層が耐候剤を含まない場合や、(5)基材層と粘着層が耐候剤を含み、防汚層が耐候剤を含まない場合や、(6)防汚層と基材層と粘着層の全てが耐候剤を含む場合が挙げられる。これらの形態の中でも、基材層が耐候剤を含む形態が好ましい。基材層が耐候剤を含むことにより、本発明の水生生物付着防止粘着テープ自体の耐候性が向上し、野外での使用において太陽光によって基材が劣化し難くなり、当初の基材強度を十分に維持できる。一方、基材が劣化してしまうと、使用済みの本発明の水生生物付着防止粘着テープを被着体から剥がす際に、基材層が頻繁に切断してしまい、作業効率が著しく悪くなるおそれがある。
本発明の水生生物付着防止粘着テープ全体中の耐候剤の含有割合は、好ましくは0.01重量%〜20重量%であり、より好ましくは0.05重量%〜10重量%であり、さらに好ましくは0.1重量%〜8重量%であり、特に好ましくは0.3重量%〜5重量%である。本発明の水生生物付着防止粘着テープ全体中の耐候剤の含有割合が上記範囲内に収まることにより、本発明の水生生物付着防止粘着テープを被着体に貼着することにより、紫外線等の暴露による被着体の変色や劣化を効果的に抑制できる。本発明の水生生物付着防止粘着テープ全体中の耐候剤の含有割合が多過ぎると、水生生物付着防止粘着テープの着色、基材物性の低下、耐候剤の移行による防汚性や粘着特性の変化のおそれがある。本発明の水生生物付着防止粘着テープ全体中の耐候剤の含有割合が少な過ぎると、被着体の紫外線による変色や劣化、水生生物付着防止粘着テープの紫外線による変色や劣化のおそれがある。
防汚層が耐候剤を含む場合、防汚層中の耐候剤の含有割合は、好ましくは0.01重量%〜20重量%であり、より好ましくは0.05重量%〜10重量%であり、さらに好ましくは0.1重量%〜8重量%であり、特に好ましくは0.3重量%〜5重量%である。防汚層中の耐候剤の含有割合が上記範囲内に収まることにより、本発明の水生生物付着防止粘着テープを被着体に貼着することにより、紫外線等の暴露による被着体の変色や劣化を効果的に抑制できる。防汚層中の耐候剤の含有割合が多過ぎると、防汚性の低下や硬化不良のおそれがある。防汚層中の耐候剤の含有割合が少な過ぎると、被着体の紫外線による変色や劣化、水生生物付着防止粘着テープの紫外線による変色や劣化のおそれがある。
基材層が耐候剤を含む場合、基材層中の耐候剤の含有割合は、好ましくは0.01重量%〜20重量%であり、より好ましくは0.05重量%〜10重量%であり、さらに好ましくは0.1重量%〜8重量%であり、特に好ましくは0.3重量%〜5重量%である。基材層中の耐候剤の含有割合が上記範囲内に収まることにより、本発明の水生生物付着防止粘着テープを被着体に貼着することにより、紫外線等の暴露による被着体の変色や劣化を効果的に抑制できる。基材層中の耐候剤の含有割合が多過ぎると、基材物性の変化のおそれがある。基材層中の耐候剤の含有割合が少な過ぎると、被着体の紫外線による変色や劣化、水生生物付着防止粘着テープの紫外線による変色や劣化のおそれがある。
粘着層が耐候剤を含む場合、粘着層中の耐候剤の含有割合は、好ましくは0.01重量%〜20重量%であり、より好ましくは0.05重量%〜10重量%であり、さらに好ましくは0.1重量%〜8重量%であり、特に好ましくは0.3重量%〜5重量%である。粘着層中の耐候剤の含有割合が上記範囲内に収まることにより、本発明の水生生物付着防止粘着テープを被着体に貼着することにより、紫外線等の暴露による被着体の変色や劣化を効果的に抑制できる。粘着層中の耐候剤の含有割合が多過ぎると、粘着特性の変化のおそれがある。粘着層中の耐候剤の含有割合が少な過ぎると、被着体の紫外線による変色や劣化、水生生物付着防止粘着テープの紫外線による変色や劣化のおそれがある。
耐候剤としては、好ましくは、紫外線吸収剤および光安定剤から選ばれる少なくとも1種である。これらの中でも、本発明の効果をより効果的に発現させるためには、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤がより好ましく、紫外線吸収剤が特に好ましい。耐候剤は、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
紫外線吸収剤としては、例えば、トリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、オキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらの中でも、本発明において、紫外線吸収剤としては、トリアジン系紫外線吸収剤、トリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤から選ばれる少なくとも1種が好ましい。紫外線吸収剤は、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
トリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2´−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類(例えば、2−(2´−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、およびその5´−メチル誘導体、3´,5´−ジ−tert−ブチル誘導体、5´−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)誘導体、5−クロロ−3´,5´−ジ−tert−ブチル誘導体、5−クロロ−3´−tert−ブチル−5´−メチル誘導体、3´−sec−ブチル−5´−tert−ブチル誘導体、4´−オクトキシ誘導体、3´,5´−ジ−tert−アミル誘導体、3´,5´−ビス(α,α−ジメチルベンジル)誘導体など)、2−(2−ヒドロキシ)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−ビニルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−アクリルイルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−メタクリルアミドメチル−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾル−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾル−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾル−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールなどが挙げられる。なお、トリアゾール系紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤と称されることもある。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、1,3,5−トリアジン環を有する化合物が挙げられ、具体的には、例えば、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(へキシル)オキシ]−フェノールなどが挙げられる。
サリチル酸エステル系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニル−2−アクリロイルオキシベンゾエ−ト、フェニル−2−アクロリイルオキシ−3−メチルベンゾエ−ト、フェニル−2−アクリロイルオキシ−4−メチルベンゾエ−ト、フェニル−2−アクリロイルオキシ−5−メチルベンゾエ−ト、フェニル−2−アクリロイルオキシ−3−メトキシベンゾエ−ト、フェニル−2−ヒドロキシベンゾエ−ト、フェニル−2−ヒドロキシ−3−メチルベンゾエ−ト、フェニル−2−ヒドロキシ−4−メチルベンゾエ−ト、フェニル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンゾエ−ト、フェニル−2−ヒドロキシ−3−メトキシベンゾエ−トなどが挙げられる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、オキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸(無水及び三水塩)、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,2´,4,4´−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2´−ジヒドロキシ−4,4´−ジメトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、アルキル−2−シアノアクリレート、シクロアルキル−2−シアノアクリレート、アルコキシアルキル−2−シアノアクリレート、アルケニル−2−シアノアクリレート、アルキニル−2−シアノアクリレートなどが挙げられる。
光安定剤としては、例えば、フェノール系光安定剤、リン系光安定剤、チオエーテル系光安定剤、アミノエーテル系光安定剤、アミン系光安定剤から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。光安定剤としては、これらの中でも、本発明の効果をより効果的に発現させるためには、アミン系光安定剤が好ましく、ヒンダードアミン系光安定剤がより好ましい。光安定剤は、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
フェノール系光安定剤としては、例えば、2,6−ジ−第3級ブチル−4−メチルフェノール、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−第3級ブチルフェノール、2,6−ジ−第3級ブチル−4−エチルフェノール、ブチル化ヒドロキシアニソール、n−オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−第3級ブチルフェニル)プロピオネート、ジステアリル−(4−ヒドロキシ−3−メチル−5−第3級ブチル)ベンジルマロネート、トコフェロール、2,2´−メチレンビス(4−メチル−6−第3級ブチルフェノール)、2,2´−メチレンビス(4−エチル−6−第3級ブチルフェノール)、4,4´−メチレンビス(2,6−ジ−第3級ブチルフェノール)、4,4´−ブチリデンビス(6−第3級ブチル−m−クレゾール)、4,4´−チオビス(6−第3級ブチル−m−クレゾール)、スチレン化フェノール、N,N´−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−第3級ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド、ビス(3,5−ジ−第3級ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチルエステル)カルシウム、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第3級ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−第3級ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[3−(3,5−ジ−第3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−第3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2´−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2´−メチレンビス[6−(1−メチルシクロヘキシル)−p−クレゾール]、1,3,5−トリス(4−第3級ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第3級ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌル酸、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−第3級ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、2,2´−オキサミドビス[エチル3−(3,5−ジ−第3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−第3級ブチルアニリノ)−2,4−ジオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、ビス[2−第3級ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第3級ブチル−5−メチルベンジル)フェニル]テレフタレート、3,9−ビス{2−[3−(3−第3級ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス{2−[3−(3,5−ジ−第3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどが挙げられる。
リン系光安定剤としては、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−第3級ブチルフェニル)ホスファイト、トリス〔2−第3級ブチル−4−(3−第3級ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−第3級ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−第3級ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ−第3級ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4´−n−ブチリデンビス(2−第3級ブチル−5−メチルフェノール) ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第3級ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−第3級ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、トリス(2−〔(2,4,8,10−テトラキス−第3級ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ〕エチル)アミンなどが挙げられる。
チオエーテル系光安定剤としては、例えば、チオジプロピオン酸ジラウリル、ジミリスチル、ジステアリル等のジアルキルチオジプロピオネート化合物;テトラキス〔メチレン(3−ドデシルチオ)プロピオネート〕メタン等のポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル化合物;などが挙げられる。
アミノエーテル系光安定剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−エトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ブトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ペンチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ヘキシロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ヘプチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ノニロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−デカニロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ドデシロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートなどが挙げられる。
アミン系光安定剤としては、例えば、コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンエタノールの重縮合物、N,N’,N’’,N’’’−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミン)とN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス−(1,2,6,6−ペンタメチル−4−ペピリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、ビス−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、1,1’−(1,2−エタンジイル)ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、(ミックスト2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル/トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、(ミックスト1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ミックスト[2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル/β,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエチル]−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ミックスト[1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/β,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエチル]−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ポリ[6−N−モルホリル−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミド]、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと1,2−ジブロモエタンとの縮合物、N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−2−メチルなどが挙げられる。
耐候剤の具体例としては、例えば、BASF製のTINUVINシリーズやUVINULシリーズが挙げられる。
≪水生生物付着防止粘着テープの製造方法≫
本発明の水生生物付着防止粘着テープは、任意の適切な方法によって製造し得る。このような方法としては、例えば、別途準備した基材層と粘着層を貼付した後に防汚層形成材料を基材層上に塗布して防汚層を形成する方法、基材層の一方の面に粘着層形成材料を塗布して粘着層を形成し、基材層のもう一方の面に防汚層形成材料を塗布して防汚層を形成する方法、基材層形成材料と粘着層形成材料を共押出しして基材層/粘着層の積層体を形成させた後に防汚層形成材料を基材層上に塗布して防汚層を形成する方法、などが挙げられる。
防汚層形成材料を基材層上に塗布する方法としては、例えば、スプレー、ハケ塗り、ローラー、カーテンフロー、ロール、ディップなどが挙げられる。これらの方法で防汚層形成材料を基材層上に塗布して、例えば、室温から250℃までの温度(好ましくは、室温から180℃の温度)で乾燥させることにより、防汚層を形成することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。
<施工性の測定>
試験対象の粘着テープから50cm×300cmの大きさのサンプルを切り出した。被着体としては、プレジャーボート(Toprun FX24Z、ヤンマー(株)製)の船底を使用した。船底表面はゲルコート面である。
上記サンプルを被着体にスキージ(XE1032、エイブリィ製)を使用して貼り付け作業を行い、スキージのすべり性、防汚層の保護性、作業性、および汚染性を、下記の基準で評価した。
(スキージのすべり性)
○:非常にすべりやすい。
△:すべりやすい。
×:すべりにくい。
(防汚層の保護性)
○:防汚層の破損なし。
△:防汚層の破損小。
×:防汚層の破損多数。
(作業性)
○:非常に作業しやすい、作業時間も短縮する。
△:作業しやすい。
×:作業しにくい。
(汚染性)
○:汚染しない。
△:汚染しにくい。
×:汚染する。特に被着体や手に汚染する。
<クレーンベルト吊り上げ後の保護性の測定>
粘着テープを貼りつけた上記プレジャーボートをクレーンベルトで一度吊り上げ、その後に粘着テープ表面を観察し、保護性を下記の基準で評価した。
○:テープ表面に破損なし。
△:テープ表面の破損小。
×:テープ表面の破損多数。
<船台の測定>
粘着テープを貼りつけた上記プレジャーボートを船台に乗せ、10mほど移動させ、その後にプレジャーボートのすべり具合および粘着テープ表面の保護性を○△×で評価した。
○:プレジャーボートのすべりもなく、テープ表面に破損なし。
△:プレジャーボートは少しすべり、テープ表面の破損小。
×:プレジャーボートは大きくすべりもなく、テープ表面の破損多数。
〔実施例1〕
(粘着層)
冷却管、窒素導入管、温度計、および攪拌機を備えた反応容器に、(メタ)アクリル系モノマーとして、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA、東亜合成(株)製):90重量部、アクリル酸(AA):10重量部、アクリルオリゴマー:5重量部、光重合開始剤として2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名「イルガキュア651」、BASF製):0.1重量部を投入して分散させ、攪拌しながら窒素気流下にて上部よりUV照射することにより、一部のモノマーをポリマーに転化させて塗工可能な粘度に調整し、(メタ)アクリル系モノマー混合物を得た。この(メタ)アクリル系モノマー混合物に、架橋剤として1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA):0.08重量部を添加し、これをセパレーター(商品名「MRF38」、三菱樹脂(株)製、厚み50μm)の表面にアプリケーターにて塗布し、カバーセパレータ(商品名「MRF38」、三菱樹脂(株)製、厚み38μm)をハンドローラーにて貼り合わせ、さらに紫外線ランプ(BLタイプ)により紫外線を照射(紫外線照度:3.4mW/cm、積算照射量:2000mJ/cm)することにより、厚み50μmの粘着層(1)を得た。
(基材層)
ウレタン樹脂基材(エスマーURS PXII、日本マタイ(株)製)を用い、厚み100μmの基材層(1)とした。
(粘着テープ)
得られた粘着層(1)と基材層(1)をハンドローラーにて貼り合わせ、テープを得た。そして、このテープの基材層(1)上に、付加型シリコーンエラストマー(KE−1950、信越化学工業(株)製)とシリコーンオイル(KF96‐100Cs、信越化学工業(株)製)とを100:90(重量比)で混合した混合液をアプリケーターにて塗工し、厚み100μmのシロップ層を形成した。これを150℃で5分間硬化させ、防汚層(1)を作成した。
テープの防汚層(1)上に、ポリエチレンを基材層とするアプリケーションテープ(3620、日東電工(株)製)を貼り合せ、粘着テープ(1)を作成した。
粘着テープ(1)の構成は、アプリケーションテープ(基材層厚み=60μm、粘着層厚み=12μm)/防汚層(厚み=100μm)/基材層(厚み=100μm)/粘着層(厚み=50μm)であった。
評価結果を表1に示した。
〔実施例2〕
(粘着層)
実施例1と同様にして、厚み50μmの粘着層(2)を得た。
(基材層)
実施例1と同様にして、厚み100μmの基材層(2)を得た。
(粘着テープ)
得られた粘着層(2)と基材層(2)をハンドローラーにて貼り合わせ、テープを得た。そして、このテープの基材層(2)上に、付加型シリコーンエラストマー(KE−1950、信越化学工業(株)製)とシリコーンオイル(KF96‐100Cs、信越化学工業(株)製)とを100:90(重量比)で混合した混合液をアプリケーターにて塗工し、厚み100μmのシロップ層を形成した。これを150℃で5分間硬化させ、防汚層(2)を作成した。
テープの防汚層(2)上に、ポリエチレンを基材層とするアプリケーションテープ(C−600、日東電工(株)製)を貼り合せ、粘着テープ(2)を作成した。
粘着テープ(2)の構成は、アプリケーションテープ(基材層厚み=70μm、粘着層厚み=20μm)/防汚層(厚み=100μm)/基材層(厚み=100μm)/粘着層(厚み=50μm)であった。
評価結果を表1に示した。
〔実施例3〕
(粘着層)
実施例1と同様にして、厚み50μmの粘着層(3)を得た。
(基材層)
実施例1と同様にして、厚み100μmの基材層(3)を得た。
(粘着テープ)
得られた粘着層(3)と基材層(3)をハンドローラーにて貼り合わせ、テープを得た。そして、このテープの基材層(3)上に、付加型シリコーンエラストマー(KE−1950、信越化学工業(株)製)とシリコーンオイル(KF96‐100Cs、信越化学工業(株)製)とを100:90(重量比)で混合した混合液をアプリケーターにて塗工し、厚み100μmのシロップ層を形成した。これを150℃で5分間硬化させ、防汚層(3)を作成した。
テープの防汚層(3)上に、ポリ塩化ビニル(PVC)を基材層とするアプリケーションテープ(AL−200、日東電工(株)製)を貼り合せ、粘着テープ(3)を作成した。
粘着テープ(3)の構成は、アプリケーションテープ(基材層厚み=70μm、粘着層厚み=8μm)/防汚層(厚み=100μm)/基材層(厚み=100μm)/粘着層(厚み=50μm)であった。
評価結果を表1に示した。
〔実施例4〕
(粘着層)
実施例1と同様にして、厚み50μmの粘着層(4)を得た。
(基材層)
実施例1と同様にして、厚み100μmの基材層(4)を得た。
(粘着テープ)
得られた粘着層(4)と基材層(4)をハンドローラーにて貼り合わせ、テープを得た。そして、このテープの基材層(4)上に、付加型シリコーンエラストマー(KE−1950、信越化学工業(株)製)とシリコーンオイル(KF96‐100Cs、信越化学工業(株)製)とを100:90(重量比)で混合した混合液をアプリケーターにて塗工し、厚み100μmのシロップ層を形成した。これを150℃で5分間硬化させ、防汚層(4)を作成した。
テープの防汚層(4)上に、ポリエチレンとポリプロピレンからなる基材層からなるアプリケーションテープ(3648F、日東電工(株)製)を貼り合せ、粘着テープ(4)を作成した。
粘着テープ(4)の構成は、アプリケーションテープ(基材層厚み=40μm、粘着層厚み=13μm)/防汚層(厚み=100μm)/基材層(厚み=100μm)/粘着層(厚み=50μm)であった。
評価結果を表1に示した。
〔比較例1〕
(粘着層)
実施例1と同様にして、厚み50μmの粘着層(C1)を得た。
(基材層)
実施例1と同様にして、厚み100μmの基材層(C1)を得た。
(粘着テープ)
得られた粘着層(C1)と基材層(C1)をハンドローラーにて貼り合わせ、テープを得た。そして、このテープの基材層(C1)上に、付加型シリコーンエラストマー(KE−1950、信越化学工業(株)製)とシリコーンオイル(KF96‐100Cs、信越化学工業(株)製)とを100:90(重量比)で混合した混合液をアプリケーターにて塗工し、厚み100μmのシロップ層を形成した。これを150℃で5分間硬化させ、防汚層(C1)を作成し、粘着テープ(C1)を作成した。
粘着テープ(C1)の構成は、防汚層(厚み=100μm)/基材層(厚み=100μm)/粘着層(厚み=50μm)であった。
評価結果を表1に示した。
Figure 2014169351
本発明の水生生物付着防止粘着テープは、水中生物が付着して繁殖することを防止できるため、水中構造物(船舶、ブイ、港湾設備、海上油田設備、発電所冷却水用の水路、工場冷却水用の水路、水上浮遊通路など)に好適に利用できる。
1 アプリケーションフィルム
2 防汚層
3 基材層
4 粘着層
10 剥離フィルム
100 水生生物付着防止粘着テープ

Claims (6)

  1. 防汚層と基材層と粘着層をこの順に含む粘着テープであって、
    該防汚層の該基材層とは反対側にアプリケーションテープを備える、
    水生生物付着防止粘着テープ。
  2. 前記アプリケーションテープが支持体を含む、請求項1に記載の水生生物付着防止粘着テープ。
  3. 前記アプリケーションテープがさらに粘着剤層を含む、請求項2に記載の水生生物付着防止粘着テープ。
  4. 前記基材層がエラストマー樹脂を含む、請求項1から3までのいずれかに記載の水生生物付着防止粘着テープ。
  5. 前記エラストマー樹脂が、ポリウレタンアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂から選ばれる少なくとも1種である、請求項4に記載の水生生物付着防止粘着テープ。
  6. 前記防汚層がシリコーン樹脂を含む、請求項1から5までのいずれかに記載の水生生物付着防止粘着テープ。


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